JP2000162035A - 回転機器の異常判定方法及びその装置 - Google Patents

回転機器の異常判定方法及びその装置

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JP2000162035A
JP2000162035A JP10339746A JP33974698A JP2000162035A JP 2000162035 A JP2000162035 A JP 2000162035A JP 10339746 A JP10339746 A JP 10339746A JP 33974698 A JP33974698 A JP 33974698A JP 2000162035 A JP2000162035 A JP 2000162035A
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abnormality
rotating device
data
filtering
abnormality determination
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JP10339746A
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English (en)
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Shigeru Tanaka
茂 田中
Hiroshi Hirai
寛 平井
Tsunenori Fukuda
経宣 福田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 異常判定対象の回転機器が,例えば隣接した
駆動系からの振動がノイズとして重畳するといった悪条
件下にある場合であっても,検出された振動測定値に基
づいて正確に異常判定を行うことができ,また特別な熟
練者でなくとも上記異常判定の処理を容易且つ高精度で
行うことが可能な異常判定方法及びその装置を提供す
る。 【解決手段】 振動測定データと過去の実績データとに
基づいて該振動測定データにフィルタリング処理を行う
必要があるか否かを判断し(S7),過去の実績データ
等に基づいて決定された仕様により任意のフィルタリン
グ処理を行う。このように,適切なフィルタリング処理
を行うことで,対象とする回転機の異常に起因するデー
タを顕在化することができるため,異常判定を容易且つ
正確に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,回転機器の振動測
定に基づく周波数分析による異常判定方法及びその装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来,回転機器の異常判断は,例えば市
販の専用振動解析装置を用いて対象とする回転機器のス
ペクトルを検出し,これに基づいて機械診断の担当者が
異常原因やその部位を判断していた。しかしながら,こ
のような方法では,異常判定の精度は担当者の能力に大
きく依存するため,上記判定は熟練者にしか行えないと
いう問題点があった。そこで,異常の判定を人間が行う
のではなく,異常判定のアルゴリズムをプログラム化し
て自動的に異常判定を行う異常判定装置が,例えば特開
平6−66626号公報に開示されている。これは,検
出された振動値がその回転機器の設備能力に対応して設
定された振動限界値を越えた場合に異常であると判断す
ると共に,異常と判断された場合には,最も大きい周波
数スペクトルを例えば10個算出し,予め設定されてい
る特定周波数のスペクトルと上記算出された周波数スペ
クトルとを所定の判定論理式に代入して異常原因やその
部位を自動出力するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで,上記異常判
定装置は,対象となる回転機器に外部から伝達する振動
が少なく,適切な部位で振動が測定でき,しかも異常現
象に対応した典型的なスペクトルのパターンが検出でき
たときには効果を発揮するが,上記のような好条件が重
ならなければ効果は発揮されない。実際,現場に設置さ
れている回転機器は,測定部分の剛性が一様でない,設
備のレイアウトによって軸受け直近部等の最も適切な部
位の振動を測定できない,或いは隣接した駆動系からの
振動がノイズとして重畳するといった悪条件下にある場
合が多く,このような条件下では,上記のような異常判
定装置ではノイズ成分に埋もれた異常を示すスペクトル
が検出できなかったり,或いは異常現象に対応した典型
的なスペクトルのパターンに合致しない等により,正確
な異常の判定ができないという問題点があった。尚,そ
のような場合,従来は回転機器の診断の熟練者が微弱な
強度のスペクトルも含めて推定し,経験に基づいて過去
の異常現象に対応したパターンを見つけ出し,温度変化
や油の汚れの情報も含めて総合的に異常原因を判断して
いたが,これでは結局熟練した人間による判断が必要と
なり,自動化によるメリットは半減してしまう。本発明
は上記事情に鑑みてなされたものであり,対象とする回
転機器が,測定部分の剛性が一様でない,設備のレイア
ウトによって軸受け直近部等の最も適切な部位の振動を
測定できない,或いは隣接した駆動系からの振動がノイ
ズとして重畳するといった悪条件下にある場合であって
も,検出された振動測定値に基づいて正確に異常判定を
行うことができ,また特別な熟練者でなくとも上記異常
判定の処理を容易且つ高精度で行うことが可能な異常判
定方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の方法は,回転機器の振動測定データに基づい
て上記回転機器の異常を判定する回転機器の異常判定方
法であって,上記振動測定データに基づいて該振動測定
データにフィルタリング処理を行う必要があるか否かを
判断するフィルタリング処理判断工程と,上記フィルタ
リング処理判断工程においてフィルタリング処理を行う
必要があると判断された場合に,上記振動測定データに
対して任意のフィルタリング処理を行うフィルタリング
工程とを具備してなることを特徴とする回転機器の異常
判定方法として構成されている。また,上記フィルタリ
ング処理判断工程における判断,及び/若しくは上記フ
ィルタリング処理工程におけるフィルタリング処理内容
の決定を,過去の実績データに基づいて行うようにすれ
ば,熟練者でなくても正確な判断を行うことができる。
更に,上記フィルタリング工程で得られたデータに基づ
いて,異常判定のための所定の特徴情報を抽出する特徴
情報抽出工程と,上記特徴情報抽出工程で得られた上記
特徴情報と,上記回転機器が異常状態にある場合の上記
特徴情報で構成された判定基準とに基づいて,上記回転
機器の異常を判定する異常判定工程とを具備すれば,異
常判定を殆ど自動化することができ,熟練者でなくても
容易且つ正確な異常判定を行うことが可能となる。尚,
上記所定の特徴情報としては,例えば上記振動測定デー
タから得られる所定の閾値以上のスペクトル周波数にお
ける所定の異常特徴周波数に対する高調波成分の発生パ
ターンを用いることができるが,上記所定の閾値につい
ても過去の実績データに基づいて設定することが望まし
い。
【0005】また,上記目的を達成するために本発明の
装置は,回転機器の振動測定データに基づいて上記回転
機器の異常を判定する回転機器の異常判定装置であっ
て,上記振動測定データに基づいて該振動測定データに
フィルタリング処理を行う必要があると判断された場合
に,上記振動測定データに対して任意のフィルタリング
処理を行うフィルタリング手段を具備してなることを特
徴とする回転機器の異常判定装置として構成されてい
る。上記異常判定方法は,全てこの異常判定装置を用い
て実施することが可能である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して,本発明
の実施の形態及び実施例につき説明し,本発明の理解に
供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を
具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定す
る性格のものではない。ここに,図1は本発明の実施の
形態に係る異常判定装置A1の概略構成を示す模式図,
図2は本発明の実施の形態に係る異常判定方法に基づく
処理手順の一例を示すフローチャート,図3は図2に示
すフローチャートのステップS10におけるスペクトル
抽出処理手順の一例を示すフローチャート,図4は図2
に示すフローチャートのステップS10における周波数
分析及び異常判定の手順を示すフローブロック図,図5
は重み判定方法の一例を示す説明図,図6は異常判定に
用いる異常判定パターンの一例を示す図,図7及び図8
は本発明の実施例で得られた異常特徴周波数の高調波成
分のテーブルの一例を示す図,図9は本発明の実施例で
重み判定結果として得られたパターンを示す図である。
【0007】本実施の形態に係る異常判定装置A1は,
図1に示す如く,異常判定対象の回転機器(不図示)に
接続された1又は複数の振動センサ1,1や回転数検出
センサ2,上記各センサからのアナログ信号をディジタ
ル変換するA/D変換器3,コンピュータ4(フィルタ
リング手段,特徴情報抽出手段,判定基準設定手段,異
常判定手段の一例),及びデータベース5(実績データ
記憶手段の一例)で構成されている。上記A/D変換器
3から出力されたディジタルデータは所定のインターフ
ェイス(例えばRS232C,PCMCIA等)を介し
て上記コンピュータ4に取り込まれ,解析用データとし
て蓄積される。データのサンプリングの仕様は,コンピ
ュータ4内にインストールされた異常判定プログラム
(後述する異常判定方法の手続が記述されたプログラ
ム)により,回転機器の仕様と回転数等に基づき,必要
な周波数領域から任意のサンプリング周波数とサンプリ
ング点数の設定が可能である。また,上記データベース
5は,例えばネットワーク6を介して上記コンピュータ
4に接続され,必要に応じて上記コンピュータ4から参
照される。
【0008】ここで,上記データベース5は,更に機器
仕様データベース5a,振動測定データベース5b,精
密診断データベース5cの3つのデータベースから構成
されている(図2参照)。上記機器仕様データベース5
aには,複数の回転機器の仕様の情報,具体的には工場
内で使用されている回転機器の固有管理番号,種類,回
転数,容量,軸受け仕様等の設備データ,軸受け形式に
対応する寸法(外輪,内輪,転動体等),接触角,転動
体の数等のデータ,振動値の多段警報管理設定値等が格
納されている。また,上記振動測定データベース5bに
は,振動等の測定データ,具体的には振動速度や振動加
速度の時系列データや振動値データ,振動速度や振動加
速度の時系列データを加工したデータ(例えば,FFT
変換データ,包絡線処理データ,帯域除去フィルタ通過
データ等)が格納されている。更に上記精密診断データ
ベース5cには,過去の診断履歴や異常分析等の情報,
具体的には回転機器のオーバホール前後の比較や異常が
発生した回転機器に対する分析方法(例えば,周波数分
析,位相解析,油分析等)とその結果(例えば,検出し
たスペクトル周波数とスペクトル強度,リサージュ波
形,潤滑油中の金属や水分や固形物含有量,潤滑油の酸
化量や粘度等)とを対応させた情報や分析のコメント,
各回転機器に周波数分析の際のデータ加工仕様(例え
ば,フィルタリング仕様,スペクトル強度の異常閾値
等),診断の履歴等の情報が格納されている。上記各デ
ータベースに登録されている情報は回転機器毎に格納さ
れており,それぞれ上記固有管理番号によって区別され
ているため,その固有管理番号をもとに関連するデータ
の検索が可能である。また,上記各データベースは随時
データの追加や更新が可能である。尚,上記コンピュー
タ4として例えばミニノート型パソコンなどのコンパク
トなものを用いれば,上記各データベースから診断の対
象となる回転機器の情報をコンピュータのハードディス
ク等にコピーしてから必要に応じてネットワーク6から
取り外してコンピュータ4,A/D変換器3,及び各セ
ンサを現場へ携帯し,現場において精密診断が可能とな
る。
【0009】続いて,図2〜図6を用いて,本実施の形
態に係る異常判定方法の処理手順を説明する。対象とす
る回転機器に各センサが取り付けられて上記異常判定装
置A1のセッティングが完了すると,オペレータによっ
て上記診断対象となる回転機器の固有管理番号がコンピ
ュータ4に入力される。上記コンピュータ4上の異常判
定プログラムは,上記入力された固有管理番号に対応す
る回転機器の仕様を,機器仕様データベース5aから読
み込んで自動的に設定する(ステップS1)。勿論,回
転機器の仕様の一部若しくは全てをオペレータがその都
度入力するようにしてもよい。続いて,オペレータによ
って(若しくは異常判定プログラムによって),当該回
転機器の現在の状況をオーバホール前のデータや過去の
正常時のデータ等と比較するために既存の振動データ等
を参照するか否かが判断され(ステップS2),参照す
る場合には振動データベース5bや精密診断データベー
ス5cから当該回転機器に関する既存データが読み込ま
れる(ステップS3)。そして,各センサから当該回転
機器の振動等に関する時系列データがA/D変換器3を
介してコンピュータ4に逐次取り込まれる(ステップS
4)。上記コンピュータ4に取り込まれた時系列データ
やそれらを周波数変換したデータは,コンピュータ4の
ディスプレイ上に例えばグラフィック表示される(ステ
ップS5,S6)。
【0010】オペレータは,ディスプレイに表示された
上記時系列データや周波数変換データを,ステップS3
で読み込まれた既存の分析結果や診断履歴等を元に検討
し,回転機器の物理的異常を示す特徴周波数以外のノイ
ズ成分(例えば,隣接した駆動系からの振動,流体粘度
の状態変化に伴う振動,複数のブレードに起因した振動
等)が重畳しているか否かを判断する(ステップS
7)。そして,ノイズ等が重畳していると判断された場
合には,ノイズ除去又は波形の異常成分の特徴を強調す
るためのフィルタの仕様(帯域除去や帯域通過等のフィ
ルタの種類,フィルタリングの帯域等)が,既存のデー
タ等を参考にしながらオペレータによって設定され(ス
テップS8),上記異常判定プログラムによって上記仕
様に基づくフィルタリング処理が行われる(ステップS
9)。このように,フィルタリングが必要か否かの判
断,及びフィルタの仕様の判断を,データベースに蓄積
された既存データを参考にして行うことができるため,
熟練者でなくても適切な判断が可能である。また,この
ようなフィルタリング処理を行うことで,対象とする回
転機の異常に起因するデータを顕在化するすることがで
きるため,以降の異常判定を容易且つ正確に行うことが
できる。続くステップS10では,上記フィルタリング
を行う前の元データ,及び上記フィルタリング処理が施
されたデータを用いて,周波数分析及びその結果を用い
た異常原因の分析が行われる(フィルタリングの必要が
なかった場合には元データのみが用いられることは言う
までもない)。以下,図3及び図4を用いて,ステップ
S10における処理の詳細を説明する。
【0011】図3は,上記ステップS10の周波数分析
におけるスペクトル強度と周波数検出の手順を示すフロ
ーチャートである。まず,対象とする回転機器の固有管
理番号を元に回転数や軸受け種類等の情報が機器仕様デ
ータベース5bから読み出され,異常特徴スペクトルを
検出するためのスペクトル強度の閾値が精密断診データ
ベース5cから読み出され,それぞれディスプレイに表
示される(ステップS21)。オペレータは,過去の診
断履歴(例えば芯だし調整,アンバランス調整,オーバ
ホール,部品や潤滑油の更新等)や設備の状況(例え
ば,回転機器の負荷変化,部品の寿命等)を踏まえて,
上記表示されたスペクトル強度の閾値の補正が必要か否
かを判断し(ステップS22),補正が必要と判断した
場合には適切な閾値(例えば,同種類で同条件の回転機
器との相対比較値,過去の類似例の値)を入力し(ステ
ップS23),設定を行う(ステップS24)。閾値が
設定されると,異常判定プログラムにより,上記周波数
変換された振動データについて上記閾値以上のスペクト
ル強度p1〜pn とそのときのスペクトル周波数f1
n (以下,データ11とする)が抽出される(ステッ
プS25)。また,この処理はフィルタリングされたデ
ータと共にフィルタリングが行われていない元データに
ついても行われ,両データを必要に応じて切り替えなが
ら画面表示する事が可能である。
【0012】図4は,上記ステップS25で検出された
スペクトル強度とそのときのスペクトル周波数のデータ
から,周波数分析に基づいて異常箇所と異常種類の候補
を判定する手順を示すブロック図である。上記ステップ
S25でデータ11が抽出されると,続いて,上記抽出
されたスペクトル周波数f1 〜fn と,回転機器の仕様
(軸受け寸法や回転数等)に基づいて算出された複数の
異常特徴周波数F(例えばFr :回転周波数,Fo :軸
受け外輪欠陥周波数,Fi :軸受け内輪欠陥周波数,F
b :転動体欠陥周波数,F c :保持器接触周波数等で1
0種類程度の周波数を算出して使用)との倍率が計算さ
れる(図4のテーブル12参照)。ここで, Fo =(z×Fr /2)×(1−(d×cosα/
D)) Fi =(z×Fr /2)×(1+(d×cosα/
D)) Fb =(D×Fr /d)×(1−(d2 ×cos2 α/
2 )) Fc =(Fr /2)×(1−(d×cosα/D)) 但し,z:転動体の数,d:転動体直径,D:軸受けピ
ッチ円直径,α:接触角である。 上記異常特徴周波数Fには,上記の他に電源周波数やギ
ア噛み合い周波数等があり,軸継ぎ手の種類やギヤ等の
仕様によって,照合する異常特徴周波数Fを適宜入れ替
えることが可能である。
【0013】上記テーブル12における各倍率値f/F
は,具体的には次のような手順で整数値に変換され,高
調波成分の抽出に用いられる。即ち,例えば外輪欠陥特
徴周波数Fo の高調波成分を抽出する場合は,スペクト
ル周波数f1 〜fn の全てについて(fm −df)/F
o から(fm +df)/Fo の範囲で整数値kが存在す
る場合はFo のk倍成分として変換し,それ以外の値を
0に変換する(但し,df:スペクトル周波数の振れ幅
(例えば周波数分解能),fm :データ11のスペクト
ル周波数データ内にある任意のデータ)。これは,回転
数の微少な変化(例えば軸受け部の滑り等)や周波数分
解能に依存したスペクトル周波数の振れ幅等を考慮する
ためである。尚,整数kに変換する値は異常特徴周波数
の概ね10倍までとし,それ以上の値も0とする。ま
た,回転周波数Fr については,1/3倍及び1/2倍
の抽出も行い,該当するスペクトル周波数があれば整数
に変換せずに1/3及び1/2とする。図4のテーブル
13は,上記整数変換処理によって得られるテーブルの
一例である。
【0014】続いて,上記テーブル13のように抽出さ
れた高調波成分をスペクトルの強度に基づいて重み判定
(図4の符号14)する。この重み判定は,相対的な閾
値による判別方法や,絶対的な閾値による判別方法を状
況に応じて選択できる。その選択基準としては,例えば
フィルタリング処理を行ってスペクトル強度の値が元デ
ータよりも小さくなった場合や,振動値がISO237
2基準で良好とされる範囲にあっても前回測定の振動値
より大きく(例えば3倍以上)増加した場合は相対的な
閾値による判別を行い,それ以外は絶対的な閾値による
判別を行うなどが考えられる。例えば,相対的な閾値に
よる判別方法としては,各スペクトルを全スペクトルの
総和で割って0から1に規格化し,図5に示すように0
<I1 <I2 <1の閾値に基づいて重み付けを行う方法
が考えられる。絶対的な閾値による判別方法において
は,抽出する振動値は重力加速度で0.02[G]以上
を目安とする。
【0015】図4のテーブル15は,以上のような方法
で重み付けを行ったk倍成分の検出スペクトルパターン
の一例を示したものである。回転機器診断の熟練者であ
れば,このパターンのみに基づいて異常原因やその部位
を推定できるが,経験の浅いオペレータにはこれは難し
い。そこで,上記スペクトルパターンを予め定められた
判定基準パターンに照らし合わせる(スペクトルパター
ン判定16)ことで異常原因やその部位(異常原因候補
17)を推定する。図6は,上記判定基準パターンの一
例を示したものである。このような判定基準パターン
は,回転機器の異常に関する公知の振動周波数特性や熟
練者の長年の経験に基づいて作成される。図6の21と
22は,異常状態に対応するスペクトルパターン及び振
動発生方向(測定方向)のリストである(但し,テーブ
ル22において,R:面方向,A:軸方向とする)。図
4のテーブル15において抽出されたスペクトルパター
ンが図6のテーブル21に含まれ,且つ振動発生方向が
テーブル22と一致すると,それに対応する異常原因候
補がテーブル23から抽出され,コンピュータ4のディ
スプレイに出力される。勿論,異常の種類によっては抽
出される異常原因候補は複数となる場合がある。
【0016】以上のように,ステップS10における処
理は,ステップS23における閾値の補正以外は全て以
上診断プログラムによって自動的に行われ,また上記閾
値の補正についても既存データを参照して行うことがで
きるため,異常判定の熟練者でなくとも適切な異常判定
を行うことが可能である。以上説明したステップS10
による異常判定結果が表示されると,オペレータはその
判定結果を参照して元データからは検出できなかったス
ペクトル成分等を確認する。また,元データにおいて回
転機器の異常特徴周波数以外のスペクトル成分は,ノイ
ズ成分として次回以降の参考データとしてフィルタリン
グされたデータと共にデータベースに保存される。尚,
上記判定によって有効な結果が得られなかったような場
合には,例えばフィルタリングの条件を変えて再度分析
を行ったり(ステップS11→S7→S8…),他の振
動データ(例えば,同一条件で測定した別の元データ,
同一の機器で測定方向や測定位置が異なる元データ等)
を用いて再度処理を繰り返す(ステップS12→S2→
S3…)事も可能である。そして,これらの分析・判定
結果や過去の診断履歴や分析事例等の情報を参考にして
オペレータにより最終的な異常判定が行われる(ステッ
プS13)。尚異常の処理で得られたデータや分析結果
等は全てデータベース5に格納され,次回以降の異常判
定に用いられる。
【0017】以上説明したように,本実施の形態に係る
異常判定装置及びそれを用いた異常判定方法では,フィ
ルタリングが必要か否かの判断,及びフィルタの仕様の
判断を,データベースに蓄積された既存データを参考に
して行うことができるため,熟練者でなくても適切な判
断が可能である。また,このようなフィルタリング処理
を行うことで,対象とする回転機の異常に起因するデー
タを顕在化するすることができるため,異常判定を容易
且つ正確に行うことができる。更に,ステップS10に
おける異常判定処理は,ステップS23における閾値の
補正以外は全て以上診断プログラムによって自動的に行
われ,また上記閾値の補正についても既存データを参照
して行うことができるため,異常判定の熟練者でなくと
も適切な異常判定を行うことが可能である。尚,上記処
理においてオペレータによってなされている判断の一部
若しくは全てを,異常判定プログラムによって自動的に
行わせることも可能である。
【0018】
【実施例】上記実施の形態に係る異常判定方法を実際の
回転機器の異常判断に適用した一例を説明する。製造現
場の空気ファン(回転数:1788rpm,ISO23
72中型機械)の振動ピーク値が正常時における平均値
の約0.3[mm/sec]から3.5[mm/se
c]まで上昇し,聴診棒では異音が確認された。そのた
め,上述の従来方法に従って対象となる軸受け(型式:
6320)について市販の周波数分析装置で精密診断を
行った。しかし,振動加速度波形や包絡線処理波形等の
FFT変換後のパワースペクトルにおいて,スペクトル
強度の上位10個(強度:0.0020〜0.0357
[G])にはノイズ成分と思われる周波数のみであり,
異常特徴周波数に該当するものが検出されなかった。従
来,このようなケースでは長年の経験を持った回転機器
診断の熟練者でないと異常なしと見做される危険性が高
かった。そこで,上記実施の形態に係る異常判定方法を
用いて,上記空気ファンの異常判定を行った。図2に示
すフローにおいて,ステップS1で機器仕様データベー
ス5aから上記空気ファンの固有管理番号に基づいて仕
様(軸受け仕様,回転数等の運転条件,振動警報管理値
等)を読み込み,振動測定データベース5bと精密診断
データベース5cからは過去の分析データや診断履歴等
を比較のために読み込んだ(ステップS3)。そして,
振動加速度の時系列データをコンピュータ4に取り込ん
で周波数変換データと共にディスプレイに表示させると
(ステップS4〜S6),990〜1020[Hz]の
帯域に主要なピークが存在した。この帯域は,精密診断
データベース5cから読み込まれた前回の正常時の分析
データにも発生しており,隣接した駆動系から伝達した
振動のノイズと判断できた。そこで,振動加速度の元デ
ータに包絡線処理(500[Hz]以下を抽出)による
フィルタリングを行い(ステップS7〜S9),次のよ
うに周波数分析を行った(ステップS10)。
【0019】まず,振動加速度の元データから求めたス
ペクトル周波数(最大2500[Hz])とスペクトル
強度をテーブル12(図4)に入力し,異常特徴周波数
の高調波成分を確認したところ,図7に示すように内輪
異常周波数の7倍成分だけが検出された。これらのスペ
クトル周波数を重み判定して表示させ,異常判定パター
ンを用いて判定したが,異常原因の候補は出力されなか
った。そこで,包絡線処理したデータから検出されたス
ペクトル周波数(最大500[Hz])とスペクトル強
度を用いて異常特徴周波数の高調波成分を確認したとこ
ろ,図8に示すようなテーブルが得られた。これに対し
て相対的な閾値による判定方法を用いて重み判定すると
図9に示すような結果となり,図6に示した判定基準パ
ターンによって内輪と転動体の異常とする判定結果が出
力された。また,上記空気ファンにグリスを注入した後
のデータも読み込み,上記と同様の手順で分析を行った
ところ(ステップS12→S2…),内輪と転動体の異
常とする同様の判定結果が出力された。この結果に基づ
いて,対象となる軸受け(型式:6320)を調査した
結果,転動体1個と内輪部にフレーキングが確認され,
上記判定結果と一致した。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
得られた振動データに対して適切なフィルタリング処理
を行うことで,対象とする回転機の異常に起因するデー
タを顕在化するすることができるため,異常判定を容易
且つ正確に行うことができる。また,上記フィルタリン
グが必要か否かの判断,及びフィルタの仕様の判断を,
データベースに蓄積された既存データを参考にして行う
ことができるため,熟練者でなくても適切な判断が可能
である。更に,上記フィルタリングを行った後の異常判
定処理は,閾値の補正以外は全て自動的に行うことがで
き,また上記閾値の補正についても既存データ(過去の
実績データ)を参照して行うことができるため,異常判
定の熟練者でなくとも適切な異常判定を行うことが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る異常判定装置A1
の概略構成を示す模式図。
【図2】 本発明の実施の形態に係る異常判定方法に基
づく処理手順の一例を示すフローチャート。
【図3】 図2に示すフローチャートのステップS10
におけるスペクトル抽出処理手順の一例を示すフローチ
ャート。
【図4】 図2に示すフローチャートのステップS10
における周波数分析及び異常判定の手順を示すフローブ
ロック図。
【図5】 重み判定方法の一例を示す説明図。
【図6】 異常判定に用いる異常判定パターンの一例を
示す図。
【図7】 本発明の実施例で得られた異常特徴周波数の
高調波成分のテーブルの一例を示す図。
【図8】 本発明の実施例で得られた異常特徴周波数の
高調波成分のテーブルの一例を示す図。
【図9】 本発明の実施例で重み判定結果として得られ
たパターンを示す図。
【符号の説明】
1…振動センサ 2…回転数検出センサ 3…A/D変換器 4…コンピュータ(フィルタリング手段,特徴情報抽出
手段,判定基準設定手段,異常判定手段の一例) 5…データベース(実績データ記憶手段の一例) 6…ネットワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 経宣 兵庫県高砂市高砂町宮前町1番8号 鐘淵 化学工業株式会社高砂工業所内 Fターム(参考) 2G024 AD02 AD22 CA13 FA06 2G064 AA11 AB07 AB08 CC02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転機器の振動測定データに基づいて上
    記回転機器の異常を判定する回転機器の異常判定方法で
    あって,上記振動測定データに基づいて該振動測定デー
    タにフィルタリング処理を行う必要があるか否かを判断
    するフィルタリング処理判断工程と,上記フィルタリン
    グ処理判断工程においてフィルタリング処理を行う必要
    があると判断された場合に,上記振動測定データに対し
    て任意のフィルタリング処理を行うフィルタリング工程
    とを具備してなることを特徴とする回転機器の異常判定
    方法。
  2. 【請求項2】 上記フィルタリング処理判断工程におけ
    る判断,及び/若しくは上記フィルタリング処理工程に
    おけるフィルタリング処理内容の決定を,過去の実績デ
    ータに基づいて行う請求項1記載の回転機器の異常判定
    方法。
  3. 【請求項3】 上記フィルタリング工程で得られたデー
    タに基づいて,異常判定のための所定の特徴情報を抽出
    する特徴情報抽出工程と,上記特徴情報抽出工程で得ら
    れた上記特徴情報と,上記回転機器が異常状態にある場
    合の上記特徴情報で構成された判定基準とに基づいて,
    上記回転機器の異常を判定する異常判定工程とを具備し
    てなる請求項1又は2記載の回転機器の異常判定方法。
  4. 【請求項4】 上記所定の特徴情報が,上記振動測定デ
    ータから得られる所定の閾値以上のスペクトル周波数に
    おける所定の異常特徴周波数に対する高調波成分の発生
    パターンである請求項3記載の回転機器の異常判定方
    法。
  5. 【請求項5】 上記所定の閾値を,過去の実績データに
    基づいて設定する請求項4記載の回転機器の異常判定方
    法。
  6. 【請求項6】 回転機器の振動測定データに基づいて上
    記回転機器の異常を判定する回転機器の異常判定装置で
    あって,上記振動測定データに基づいて該振動測定デー
    タにフィルタリング処理を行う必要があると判断された
    場合に,上記振動測定データに対して任意のフィルタリ
    ング処理を行うフィルタリング手段を具備してなること
    を特徴とする回転機器の異常判定装置。
  7. 【請求項7】 上記フィルタリング手段によって得られ
    たデータに基づいて,異常判定のための所定の特徴情報
    を抽出する特徴情報抽出手段と,上記回転機器が異常状
    態にある場合の上記特徴情報を,異常判定のための判定
    基準として予め設定する判定基準設定手段と,上記特徴
    情報抽出手段で得られた上記特徴情報と,上記判定基準
    設定手段で予め設定された上記判定基準とに基づいて,
    上記回転機器の異常を判定する異常判定手段とを具備し
    てなる請求項6記載の回転機器の異常判定装置。
  8. 【請求項8】 上記所定の特徴情報が,上記振動測定デ
    ータから得られる所定の閾値以上のスペクトル周波数に
    おける所定の異常特徴周波数に対する高調波成分の発生
    パターンである請求項7記載の回転機器の異常判定装
    置。
  9. 【請求項9】 上記フィルタリング手段によるフィルタ
    リングの結果,及び/若しくは上記異常判定手段におけ
    る異常判定結果に関する過去の実績データを記憶する実
    績データ記憶手段を具備し,上記所定の閾値が,上記実
    績データ記憶手段に記憶された実績データに基づいて設
    定される請求項7又は8記載の回転機器の異常判定装
    置。
  10. 【請求項10】 上記フィルタリング手段によるフィル
    タリングの結果,及び/若しくは上記異常判定手段にお
    ける異常判定結果に関する過去の実績データを記憶する
    実績データ記憶手段を具備し,上記フィルタリング処理
    工程におけるフィルタリング処理内容が,上記実績デー
    タ記憶手段に記憶された過去の実績データに基づいて行
    われる請求項6〜9のいずれかに記載の回転機器の異常
    判定装置。
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