JP2000161342A - ヒンジ機構 - Google Patents

ヒンジ機構

Info

Publication number
JP2000161342A
JP2000161342A JP10335603A JP33560398A JP2000161342A JP 2000161342 A JP2000161342 A JP 2000161342A JP 10335603 A JP10335603 A JP 10335603A JP 33560398 A JP33560398 A JP 33560398A JP 2000161342 A JP2000161342 A JP 2000161342A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam
slide
cams
rotary
hinge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10335603A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Ikeda
功 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOGAKKUSU KK
Original Assignee
KOGAKKUSU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KOGAKKUSU KK filed Critical KOGAKKUSU KK
Priority to JP10335603A priority Critical patent/JP2000161342A/ja
Publication of JP2000161342A publication Critical patent/JP2000161342A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)
  • Pivots And Pivotal Connections (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低速時の速度制御の精度性等を向上したヒン
ジ機構を提供する。 【解決手段】 一対のロータリカム9,10と、一対の
スライドカム11,12と、スプリング13及びオリフ
ィス14aを有する弁体14と、をそれぞれ内蔵して備
え、カム面10Aとカム面12Aとの間には、両カム面
の噛み合い位置が変化することにより体積が変化する第
1の空間部aを形成し、カム面9Aとカム面11Aとの
間には、両カム面の噛み合い位置が変化することにより
体積が変化する第2の空間部bを形成する。空間部aと
空間部bとは、両スライドカム11,12の中心孔11
a,12aを介して連通し、オイルが封入されたオイル
室を構成し、ロータリカム9,10とスライドカム1
1,12との筒部に対する周方向の初期位置を、空間部
a及び空間部bの一方の体積が減少状態のとき、他方の
体積が増大状態となるよう設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒンジ機構に関
し、特に、ドアや蓋等の開閉動作の停止時における衝撃
を緩和する機能を持たせたヒンジ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】ドアや蓋等の開閉部には、これらの開閉
動作の停止時における衝撃を緩和するため、ヒンジ機構
に衝撃緩和機能を持たせたものがある。例えば、2つの
ヒンジを連結するための連結用筒部と該連結用筒部に挿
通される回転軸との間に粘性流体を封入したり、更に、
回転軸にベーンを突設し、このベーンにより封入された
粘性流体が回転方向に圧縮される構造としたものが知ら
れている。しかしながら、このものでは、回転軸の回転
動作を直接遅動させるものであり、複雑な構成であると
共に、制動力を大きくとることができない。
【0003】一方、回転軸の回転動作をピストンの直線
方向の動作に変換して、内蔵したショックアブソーバ機
構により遅動させるものがある。この場合には、容易に
かつ簡易な構造で制動力を大きくとることができるた
め、特に、回転トルクの大きな対象物(ドアや蓋等)用
のヒンジ機構として適している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、回転軸の回転動作をピストンの直線方向の動作
に変換して、内蔵したショックアブソーバ機構により遅
動させるものでは、直線動作するピストンの復帰方向へ
の移動を、ショックアブソーバの減衰力(抵抗力)の大
きさに応じた復帰用ばねの弾発力に頼るものが多い。
【0005】このような復帰用ばねを用いた従来のショ
ックアブソーバにあっては、動作に対してばねの弾発力
分の抵抗が動作速度にかかわらず発生するため、オイル
による抵抗力がほとんど発生しない低速での動作時に不
要な抵抗力が発生してしまうことが多くなる。このた
め、特に低速時の速度制御の精度が悪くなるという問題
が生起する。
【0006】本発明は上記した課題を解消するためにな
されたものであり、従来のピストンと復帰用バネに代え
て、ロータリカムと、該ロータリカム作動・復帰の両方
向に移動されるスライドカムとを設けた構成により、特
に低速時の速度制御の精度性等を向上したヒンジ機構を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため請求項1に記載の本発明のヒンジ機構は、一側縁の
長手方向両側部に連結用筒部が設けられた第1のヒンジ
と、一側縁の長手方向の中間部に連結用筒部が設けられ
た第2のヒンジとを備え、第1のヒンジ側の連結用筒部
間に、第2のヒンジ側の連結用筒部を位置させ、両ヒン
ジの一側縁に沿って延びる筒部となるように組み付けら
れるヒンジ機構において、前記筒部の内側には、両端部
に位置される一対のロータリカムと、一対のロータリカ
ム間に位置される一対のスライドカムと、少なくともい
ずれか一方のスライドカムとロータリカムとの間に位置
される弾性部材及び弁体とを備えており、前記ロータリ
カムは、それぞれ中心孔を有する略円筒状部材から構成
され、前記筒部内方に開放する開放端部には、螺旋状に
低位から高位に傾斜する傾斜面からなるカム面が形成さ
れる一方、それぞれ前記開放端部と反対側端部は第1の
ヒンジ側の連結用筒部にスライド不能かつ回転不能に固
定され、前記スライドカムは、それぞれ中心孔を有する
略円筒状部材から構成され、前記ロータリカムのカム面
と対面する一方の開放端部には、該カム面と噛み合うカ
ム面であって、螺旋状に低位から高位に傾斜する傾斜面
からなるカム面が形成される一方、両ロータリカム間
に、軸方向にスライド可能かつ回転不能で、互いに他方
の開放端部同士が対向するように挿入配置され、前記弁
体は、オリフィスがスライドカムの中心孔と連通可能に
配置され、前記弾性部材によって、常時該中心孔内に形
成された弁座部に押圧付勢され、隣接するロータリカム
とスライドカムとの各間には、対向するカム面の噛み合
い位置が変化することにより体積が変化すると共に、両
スライドカムの中心孔を介して互いに連通し、粘性流体
が封入される粘性流体室を構成する第1の空間部と第2
の空間部とが形成され、前記各ロータリカムと各スライ
ドカムとの筒部に対する初期位置を、第1の空間部及び
第2の空間部の一方の体積が減少状態で、他方の体積が
増大状態であるように設定したことを特徴とする。
【0008】請求項2記載の本発明のヒンジ機構は、請
求項1記載のヒンジ機構であって、前記ロータリカムの
筒部内方に開放する開放端部の反対側端部は、その外周
部に配したキーにより第1のヒンジ側の連結用筒部にス
ライド不能に固定されたことを特徴とする。
【0009】請求項3記載の本発明のヒンジ機構は、請
求項1又は2記載のヒンジ機構であって、前記スライド
カムは、その外周部に配したキーにより第2のヒンジの
連結用筒部内側の両ロータリカム間に軸方向にスライド
可能かつ回転不能に結合されたことを特徴とする。
【0010】請求項4記載の本発明のヒンジ機構は、請
求項1〜3のうちいずれか1に記載のヒンジ機構であっ
て、さらに、前記オリフィス内に進退可能で、有効オリ
フィス径を変化させることができるアジャストニードル
が設けられていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施の形態に
基づき本発明をさらに詳細に説明する。図1〜図5に基
づいて、本発明の一の実施の形態のヒンジ機構の構造を
説明する。
【0012】このヒンジ機構は、ドア等の回転対象物と
ドア枠等の支持体のうちのドア等の回転対象物側に取り
付けられる第1のヒンジとしてのウィング1と、ドア枠
等の支持体側に取り付けられる第2のヒンジとしてのケ
ース2とを有して構成される。前記ウィング1の一方の
側縁の長手方向両側部には一対の連結用筒部3,4が設
けられ、ケース2の一方の側縁の長手方向の中間部には
単一の連結用筒部5が設けられている。
【0013】そして、ウィング1側の一対の連結用筒部
間3,4に、ケース2側の単一の連結用筒部5が挿入配
置され、各筒部3,4,5が一列に整列してウィング1
とケース2の一側縁に沿って延びる筒部となるように組
み付けられる。なお、一対の連結用筒部3,4と連結用
筒部5との間には、それぞれスリップリング6が介装さ
れる。
【0014】かかる筒部の内側には、両端部に位置され
る一対のプラグ7,8と一対のロータリカム9,10、
一対のロータリカム9,10間に位置される一対のスラ
イドカム11,12と、一方のロータリカム9と一方の
スライドカム11との間に位置される弾性部材としての
スプリング13及び弁体14と、各ロータリカム9,1
0の内側に位置されるスチールボール15及び止めネジ
16とがそれぞれ内蔵される。
【0015】前記ロータリカム9,10は、略円筒状部
材から構成され、中心孔9a,10aの両端部間位置に
は隔壁部9b,10bがそれぞれ形成され、該隔壁部に
は、中心孔9a,10aよりも小径である一方、該中心
孔9a,10aの一部を構成する連通孔9c,10cが
貫通形成される。また、ロータリカム9,10の内端部
(筒部内方に位置する開放端部)側の端面には、それぞ
れ螺旋状に低位から高位に傾斜する傾斜面からなるカム
面9A,10Aが形成される。
【0016】かかるロータリカム9,10は、連結用筒
部3,4の端部とこれと隣接する連結用筒部5の端部と
に跨がってこれらの内側に挿入配置される。そして、ロ
ータリカム9,10の外端部(筒部内方に位置する開放
端部の反対側端部)側は連結用筒部3,4の内周面に嵌
合されたキー17,18が係合することによって回転不
能に固定され、内端部側は連結用筒部5の内周面に対し
て回転可能に嵌挿される。
【0017】この場合、プラグ7,8は、連結用筒部
3,4内のロータリカム9,10の外端部に隣接してね
じ嵌合され、これにより、ロータリカム9,10はそれ
ぞれスライド不能に固定される。また、ロータリカム
9,10の外周面と連結用筒部5の内周面との間のシー
ル部材として、ロータリカム9,10の外周面に形成し
た周溝に装着されるOリング19,20が介装される。
更に、ロータリカム9,10の中心孔9a,10aに
は、外端部側から前記スチールボール15が挿入され
る。このスチールボール15は、ロータリカム9,10
の中心孔9a,10aの内周面にねじ嵌合される止めネ
ジ16によって、連通孔9c,10cを形成している隔
壁部9b,10bに押圧されるよう固定され、該連通孔
9c,10cを閉塞する。
【0018】一方、前記スライドカム11,12は、略
円筒状部材から構成され、中心孔11a,12aの両端
部間位置に隔壁部11b,12bが形成されている。ま
た、該隔壁部11b,12bには、中心孔11a,12
aよりも小径である一方、該中心孔11aの一部を構成
する連通孔11c,12cが貫通形成される。
【0019】スライドカム11,12のロータリカム
9,10のカム面9A,10Aと対面する開放端部側の
端面には、該カム面9A,10Aと合致するカム面11
A,12Aであって、それぞれ螺旋状に低位から高位に
傾斜する傾斜面からなるカム面11A,12Aが形成さ
れる。また、かかるスライドカム11,12は、連結用
筒部5内に配置される両ロータリカム9,10間に軸方
向にスライド可能に挿入配置され、互いに内端部(他方
の開放端部)側の端面同士が対向するように設けられ
る。
【0020】そして、スライドカム11,12の内端部
側の外周面に形成した溝が連結用筒部5の内周面に設け
た複数のキー21に係合し、回転不能に支持される。な
お、キー21は、連結用筒部5の内周面の長手方向中間
部には環状凸部22の内面に刻設された溝部に装着され
て支持されている。また、スライドカム11と連結用筒
部5との間には、シール部材としてのOリング23が設
けられている。
【0021】弁体14は、有底の略円筒状部材からな
り、底壁部中心には、オリフィス14aが開設されてい
る。かかる弁体14は、スライドカム11において、隔
壁部11bにより隔てられた外端部側の中心孔11a内
に挿入配置され、隣接するロータリーカム9の隔壁部9
bとの間に配設されたスプリング13によって、その底
壁部がスライドカム11の弁座部として機能する隔壁部
11bに圧接されるように設けられている。また、オリ
フィス14aが中心孔11aの一部を構成する連通孔1
1cと連通するように設けられる。
【0022】かかる構成において、他方のロータリカム
10のカム面10Aの形成部と該ロータリカム10と隣
接して設けられた他方のスライドカム12のカム面12
Aの形成部との間、すなわち、他方のロータリーカム1
0の隔壁部10bと他方のスライドカム12の隔壁部1
2bとの間には、第1の空間部aが形成される。また、
一方のロータリカム9のカム面9Aの形成部と該ロータ
リカム9と隣接して設けられた一方のスライドカム11
のカム面11Aの形成部との間、すなわち、一方のロー
タリーカム9の隔壁部9bと一方のスライドカム11の
隔壁部11bとの間には、第2の空間部bが形成され
る。
【0023】そして、前記第1の空間部aと第2の空間
部bとは、両スライドカム11,12の中心孔11a,
12a(連通孔11c,12cを含む)を介して連通す
る粘性流体室を構成し、この粘性流体室にはシリコンオ
イル等の粘性流体が封入される。なお、ヒンジ機構の組
み付け後に、止めネジ16を緩めてスチールボール15
を外すことで開放されたいずれかのロータリカム9(1
0)の隔壁部9b(10b)の連通孔9c(10c)を
オイル注入口として、粘性流体を粘性流体室に充填し、
充填後に止めネジ16を締めてスチールボール15を固
定するようにすれば、粘性流体を容易に封入することが
できる。
【0024】ここで、上記の構成からなるヒンジ機構の
動作について説明する。図1において、ウィング1が矢
印Xの作動方向に回転すると、該ウィング1の両側の連
結用筒部3,4がそれぞれ同方向に回転する。両連結用
筒部3,4にはそれぞれロータリカム9,10が固定さ
れているから、該ロータリカム9,10が連結用筒部
3,4と一体に回転する。
【0025】他方のロータリカム10のカム面10Aと
他方のスライドカム12のカム面12Aとは、当初、そ
れぞれ高位部と低位部とが完全に合致して噛み合った状
態にあり、第1の空間部aの体積が減少状態にあり(図
5(A)参照)、ロータリカム10の回転により、高位
部と低位部との噛み合い位置が変化し、これによりスラ
イドカム12は押されて軸方向に沿って図1の矢印Yの
作動方向にスライドして、第1の空間部aの体積が増大
状態に変化する(図5(B)参照)。
【0026】一方のロータリカム9のカム面9Aと一方
のスライドカム11のカム面11Aとは、当初、それぞ
れ高位部と低位部とが完全に合致せず、ずれて噛み合っ
た状態にあり、第2の空間部bの体積が増大状態にあり
(図5(A)参照)、ロータリカム9の回転により、高
位部と低位部との噛み合い位置が変化して両者が完全に
噛み合い、これにより、スライドカム11は図1の矢印
Yの作動方向へ軸方向に沿ってスライドして第2の空間
部bの体積が減少状態に変化する(図5(B)参照)。
【0027】従って、他方のスライドカム12のスライ
ドによって一方のスライドカム11が押され、両者は図
1の矢印Yの作動方向にスライドする。このようなロー
タリカム10,9の回転により、第1の空間部a内の体
積は増大し、第2の空間部b内の体積は同じ量だけ減少
する。この場合、第1の空間部aの体積増加分、第2の
空間部bの体積減少分は、「スライドカム11の移動距
離×第1の空間部aの開口面積(横断面積)」となる。
【0028】以上のような第1の空間部aと第2の空間
部bとの体積変化によって、第2の空間部b内の粘性流
体は、弁体14のオリフィス14aを通じて第1の空間
部aへと移動しようとする。このように第2の空間部b
から第1の空間部aに移動する粘性流体の単位時間量
は、ウィング1の回転速度に応じたものとなるが、この
単位時間量が、オリフィス14aを流通することが可能
な粘性流体の単位時間量を上回って、前記ウィング1の
回転速度に見合うだけの量がオリフィス14aを通過で
きないときに、ウィング1の回転動作に対して抵抗力が
発生し、結果的にはウィング1の回転に対する抵抗力
(減衰力)となる。
【0029】この抵抗力の大きさは、第2の空間部bか
ら第1の空間部aへと移動する粘性流体の単位時間量と
オリフィス14aを流通可能な粘性流体の単位時間量と
の差に応じて増減変化する。従って、このオリフィス1
4aの孔径を変化させれば、通過可能な粘性流体の量が
変化するため、ウイング1の回転動作に対する抵抗力を
可変することが可能となる。このようなオリフィス14
aを通過する粘性流体の量を変化させる手段としては、
例えば、図示しないが、先端が円錐状のアジャストニー
ドルを該オリフィス14a内に進退可能に設ける手段が
挙げられる。すなわち、アジャストニードルの先端円錐
部のオリフィス14a内への進入量により、粘性流体が
通過可能な実質的な範囲を可変するものである。
【0030】ウィング1が作動方向(矢印X方向)に動
作した後、元の状態(図1の状態)に戻る(以下、復
帰)場合、ウィング1が矢印Xの作動方向と反対側に回
転すると、該ウィング1の両側の連結用筒部3,4がそ
れぞれ同方向に回転する。これにより、両スライドカム
11,12は図1の矢印Yと反対側の作動方向に軸方向
に沿ってスライドする。
【0031】このようなスライドカム11,12の移動
により、第1の空間部a内の体積は減少し、第2の空間
部b内の体積は同じ量だけ増大する。以上のような第1
の空間部aと第2の空間部bとの体積変化によって、第
1の空間部a内の粘性流体は第2の空間部bへと移動し
ようとし、この粘性流体の圧力によって、弁体14が押
圧される。
【0032】弁体14はスプリング13の弾性付勢力に
抗して、すなわち、スプリング13を圧縮変形させなが
ら移動してスライドカム11の隔壁部11bから離れ、
これによって、スライドカム11の隔壁部11bの連通
孔11cが開放され、この連通孔11cから第2の空間
部bに粘性流体が移動する。このときは、弁体14が隔
壁部11bから離間するため、粘性液体の実質的な流通
路が拡大されることになり、上記のような抵抗力は発生
しない。
【0033】以上のように、本構成のヒンジ機構におい
ては、ウィング1の作動方向への回転速度の増減に従っ
た粘性流体のオリフィス14aを通じての移動による抵
抗力の増減を利用して、ウィング1の作動方向への回転
速度を制御する回転型ショックアブソーバが設けられた
構成となる。
【0034】すなわち、ウィング1の回転動作を回転型
ショックアブソーバによって遅動することができ、ドア
や蓋等の開閉部の開閉動作の停止時における衝撃を効果
的に緩和することができる。
【0035】ここで、前述したように、従来の強い弾発
力を発生する復帰用ばねを用いたショックアブソーバに
あっては、動作に対してばねの弾発力分の抵抗が動作速
度にかかわらず発生するため、粘性流体による抵抗力が
ほとんど発生しない低速での動作時に不要な抵抗力が発
生してしまうことが多くなる。
【0036】これに対して、本構成のヒンジ機構におけ
る回転型ショックアブソーバにあっては、作動時に抵抗
力を発生させる、封入された粘性流体のオリフィス14
aを介した移動と、復帰時に抵抗を発生させない粘性流
体の移動とを、ロータリカム9,10と連係するスライ
ドカム11,12の移動だけで行わせる構成であるか
ら、復帰用ばねを用いる必要がないため、粘性流体によ
る抵抗力がほとんど発生しない低速での動作時に不要な
抵抗力が発生してしまうことがなく、特に低速時の速度
制御の精度が向上するという利点がある。
【0037】また、ロータリカム9,10が、ヒンジ機
構の回転中心となるヒンジピンとしての機能を奏するた
め、ヒンジ機構の強度が高い。
【0038】更に、ウィング1の連結用筒部3,4とロ
ータリカム9,10とを外径側のキー17,18を介し
て結合する構成とすると共に、ケース2とスライドカム
11,12とを外径側のキー21を介して結合する構成
として、ウィング1からロータリカム9,10への回転
力伝達及びケース2とスライドカム11,12間の回転
止めとを行うようにしたから、回転力をその回転中心か
ら最も離れた位置で受ける形となるため、同じ連結用筒
部の径を有する従来品と比較して、大きな回転力に耐え
ることができる。
【0039】また、回転力の伝達にシャフトを用いない
構成であるから、連結用筒部5内径部の横断面積を全て
スライドカム11,12が占める横断面積として利用で
きる。これにより、同じ連結用筒部の径を有する従来品
と動作ストロークが同じであっても、移動する粘性流体
の量を多くすることができるため、大きな抵抗力を得る
ことが可能となると共に、速度制御を容易に行うことが
可能となる。以上のことから、本構成のヒンジ機構は、
従来品よりも小さな径の連結用筒部3,4,5によっ
て、より高い抵抗力を発生させることができ、また、こ
れに耐えうる強度を得ることができる。
【0040】また、上記の構成において、連結用筒部
3,4,5内に配設されるロータリーカム9,10、ス
ライドカム11,12等の部材は、長手方向のほぼ中間
部を境として対象であり、かつ、第1の空間部aと第2
の空間部bの減少時及び増大時の体積は同じである。こ
のため、ロータリーカムやスライドカム等は同じ部材を
2つずつ準備し、連結用筒部5の長手方向のほぼ中間部
を境として対象に配置すればよい。従って、上記の構成
によれば、部品の種類を最小限に押さえることができ、
製作コストの低減に資する。
【0041】なお、上記の実施形態においては、ウィン
グ1の作動方向への回転速度制御を行う回転型ショック
アブソーバの構成としたが、ウィング1の作動方向及び
復帰方向の両方向の回転速度制御を行う回転型ショック
アブソーバの構成とすることもできる。
【0042】この場合、ロータリカム9とスライドカム
11間に設けられた弁体14とスプリング13と同様
に、ロータリカム10とスライドカム12間にも、弁体
とスプリングとを設ければ良い。但し、この場合には、
スライドカム12の周溝に、スライドカム11側と同様
にOリングを装着するのが好ましい。なお、この際、新
たに配設する弁体、スプリング及びOリングは、ロータ
リカム9とスライドカム11側に設けたものと同じもの
でよく、これらを新たに追加しても、部品種類の増加に
はつながらず、最小限のコスト増加で済む。
【0043】
【発明の効果】本発明のヒンジ機構によれば、従来のピ
ストンと復帰用バネに代えて、ロータリカムと、該ロー
タリカムにより両方向に移動されるスライドカムとを設
けた構成により、従来と同様にドアや蓋等の開閉部の開
閉動作の停止時における衝撃を効果的に緩和することが
できる。特に、低速時の速度制御の精度性等を向上でき
ると共に、ヒンジ機構の強度の向上も図ることができる
という利点を備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のヒンジ機構の一の実施の形態
の一部破断の斜視図である。
【図2】図2は、同上のヒンジ機構の分解斜視図であ
る。
【図3】図3は、同上のヒンジ機構におけるロータリカ
ムの正面図である。
【図4】図4は、同上のヒンジ機構におけるスライドカ
ムの正面図である。
【図5】図5は、同上のヒンジ機構の作動状態を説明す
る一部透視の正面図で、(A)はウィングの作動状態前
を示し、(B)はウィングの作動状態後を示す。
【符号の説明】
1 ウィング 2 ケース 3,4 連結用筒部 5 連結用筒部 9,10 ロータリカム 11,12 スライドカム 9A カム面 10A カム面 11A カム面 12A カム面 13 スプリング 14 弁体 14a オリフィス 15 スチールボール 16 止めネジ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一側縁の長手方向両側部に連結用筒部が
    設けられた第1のヒンジと、一側縁の長手方向の中間部
    に連結用筒部が設けられた第2のヒンジとを備え、第1
    のヒンジ側の連結用筒部間に、第2のヒンジ側の連結用
    筒部を位置させ、両ヒンジの一側縁に沿って延びる筒部
    となるように組み付けられるヒンジ機構において、 前記筒部の内側には、両端部に位置される一対のロータ
    リカムと、一対のロータリカム間に位置される一対のス
    ライドカムと、少なくともいずれか一方のスライドカム
    とロータリカムとの間に位置される弾性部材及び弁体と
    を備えており、前記ロータリカムは、それぞれ中心孔を
    有する略円筒状部材から構成され、前記筒部内方に開放
    する開放端部には、螺旋状に低位から高位に傾斜する傾
    斜面からなるカム面が形成される一方、それぞれ前記開
    放端部と反対側端部は第1のヒンジ側の連結用筒部にス
    ライド不能かつ回転不能に固定され、 前記スライドカムは、それぞれ中心孔を有する略円筒状
    部材から構成され、前記ロータリカムのカム面と対面す
    る一方の開放端部には、該カム面と噛み合うカム面であ
    って、螺旋状に低位から高位に傾斜する傾斜面からなる
    カム面が形成される一方、両ロータリカム間に、軸方向
    にスライド可能かつ回転不能で、互いに他方の開放端部
    同士が対向するように挿入配置され、 前記弁体は、オリフィスがスライドカムの中心孔と連通
    可能に配置され、前記弾性部材によって、常時該中心孔
    内に形成された弁座部に押圧付勢され、 隣接するロータリカムとスライドカムとの各間には、対
    向するカム面の噛み合い位置が変化することにより体積
    が変化すると共に、両スライドカムの中心孔を介して互
    いに連通し、粘性流体が封入される粘性流体室を構成す
    る第1の空間部と第2の空間部とが形成され、 前記各ロータリカムと各スライドカムとの筒部に対する
    初期位置を、第1の空間部及び第2の空間部の一方の体
    積が減少状態で、他方の体積が増大状態であるように設
    定したことを特徴とするヒンジ機構。
  2. 【請求項2】 前記ロータリカムの筒部内方に開放する
    開放端部の反対側端部は、その外周部に配したキーによ
    り第1のヒンジ側の連結用筒部にスライド不能に固定さ
    れたことを特徴とする請求項1記載のヒンジ機構。
  3. 【請求項3】 前記スライドカムは、その外周部に配し
    たキーにより第2のヒンジの連結用筒部内側の両ロータ
    リカム間に軸方向にスライド可能かつ回転不能に結合さ
    れたことを特徴とする請求項1又は2記載のヒンジ機
    構。
  4. 【請求項4】 さらに、前記オリフィス内に進退可能
    で、有効オリフィス径を変化させることができるアジャ
    ストニードルが設けられていることを特徴とする請求項
    1〜3のうちいずれか1に記載のヒンジ機構。
JP10335603A 1998-11-26 1998-11-26 ヒンジ機構 Pending JP2000161342A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10335603A JP2000161342A (ja) 1998-11-26 1998-11-26 ヒンジ機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10335603A JP2000161342A (ja) 1998-11-26 1998-11-26 ヒンジ機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000161342A true JP2000161342A (ja) 2000-06-13

Family

ID=18290438

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10335603A Pending JP2000161342A (ja) 1998-11-26 1998-11-26 ヒンジ機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000161342A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100586262B1 (ko) 2004-08-24 2006-06-07 주식회사 아이원이노텍 대형도어용 자동복귀 힌지장치
KR100835730B1 (ko) 2005-07-29 2008-06-05 주식회사 아이원이노텍 볼타입 클러치장치 및 이를 이용한 자동복귀 힌지장치
CN114992229A (zh) * 2022-08-05 2022-09-02 荣耀终端有限公司 一种转动机构和折叠终端

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100586262B1 (ko) 2004-08-24 2006-06-07 주식회사 아이원이노텍 대형도어용 자동복귀 힌지장치
KR100835730B1 (ko) 2005-07-29 2008-06-05 주식회사 아이원이노텍 볼타입 클러치장치 및 이를 이용한 자동복귀 힌지장치
CN114992229A (zh) * 2022-08-05 2022-09-02 荣耀终端有限公司 一种转动机构和折叠终端
CN114992229B (zh) * 2022-08-05 2022-12-16 荣耀终端有限公司 一种转动机构和折叠终端

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101693409B1 (ko) 가구가동부용 댐핑장치
EP0544253B1 (en) Damper and method of controlling a door
JP4064235B2 (ja) 回転ダンパ
WO1999054583A2 (en) Hinge type automatic door closer
US20080034535A1 (en) Door closer
JPH11182607A (ja) 緩衝装置
US8875345B2 (en) Hinge
KR890004249B1 (ko) 감쇠력 조정식 유압 완충기
KR100583628B1 (ko) 피벗 작용 댐퍼
CA2089756C (en) Damper mechanism
EP1731791B1 (en) Rotary damper
KR20090041348A (ko) 댐퍼
US4102004A (en) Door closer
JP2000161342A (ja) ヒンジ機構
WO2010070624A1 (en) Linear shock absorber with rotary shaft
US10920476B1 (en) Hinge device for rotating door
JP3525306B2 (ja) 緩衝装置
JP3525307B2 (ja) 緩衝装置におけるオリフィス構造
KR930010633B1 (ko) 도어 클로저
CN213606084U (zh) 一种可调节的阻尼机构及具有其的便器盖板
CN214331305U (zh) 一种阻尼机构
US20040088822A1 (en) Hydraulic door closer
KR100414520B1 (ko) 회전식 오일 댐퍼
JP2004124952A (ja) ダンパー装置
KR100458501B1 (ko) 로터리형 댐퍼