JP2000160814A - 縁無し畳及びその製造方法並びにその敷設方法 - Google Patents

縁無し畳及びその製造方法並びにその敷設方法

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JP2000160814A
JP2000160814A JP10375244A JP37524498A JP2000160814A JP 2000160814 A JP2000160814 A JP 2000160814A JP 10375244 A JP10375244 A JP 10375244A JP 37524498 A JP37524498 A JP 37524498A JP 2000160814 A JP2000160814 A JP 2000160814A
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茂 小森谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 職人的な技術を不要にして製造コストを低減
することのできる縁無し畳を提供する。 【解決手段】 縁無し畳1は、畳表2と、発泡体を主体
とした畳床3とを有し、この畳表2と畳床3とは、畳床
3の全面に塗布した接着剤4を介して一体化されてい
る。縁無し畳1は、畳表2の縁が全周に亘って面取りさ
れ、この面取り部分5を含む畳1の框及び幅の周面は、
畳表2の面取り部分5を含めて塗布した保護膜6が形成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、畳に関し、より
詳しくは畳の側縁に沿って延びる縁帯の無い縁無し畳及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】伝統的に日本家屋の床面は畳が用いられ
てきているが、近時は、洋間の床面の一部分に畳を敷い
て、これをカーペット代わり使うなど様々な使い方が提
案されている。
【0003】このような現状のなかで、畳は、畳表の材
料として藺草に代えてポリプロピレンなどの合成樹脂製
品を使ったもの(特開平9−60260号公報参照)、
畳床の材料としてワラに代えて発泡ポリスチレンなどの
発泡体を主体にしたもの(特開平7−189463号公
報、特開平8−151774号公報参照)が多用され始
めている。また、畳は、伝統的にはその両側縁に沿って
延びる縁帯が縫い付けてあるが、縁帯の無い畳を部屋に
敷設した後に縁帯を後付するようにした畳も出現し始め
ている(特開平9−195485号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、畳の
使い方や材料も多様化し、また、縁無し畳も出現してい
るが、畳の作り方は、基本的には、従来から何ら変わる
ものではなく、現在でも職人的な技法で作られている。
【0005】ちなみに、伝統的な縁帯付き畳の作り方を
工程に従って説明すると、次のとおりである。 (1)畳表を畳床の上に載せる; (2)畳表の両端を畳床の長手方向端の裏面側つまり框
の裏面側まで折り込む; (3)畳表の両側縁つまり横の縁を畳床の側縁つまり畳
床の横に沿って切断する; (4)畳表の両側に、裏返した縁帯を置き、この縁帯を
畳表を介して畳床を縫い付ける; (5)縁帯を縫い目に沿って折り返して畳床の側面に沿
わせた後にこの畳床の側面に縫い付ける。
【0006】縁帯を後付けする形式の畳の作り方は、上
記の縁帯を縫い付ける工程を除いて、伝統的な縁帯付き
畳と基本的には同じである。すなわち、 (1)畳表を畳床の上に載せる; (2)畳表の両端を畳床の長手方向端の裏面側つまり框
の裏面側まで折り込む; (3)畳表の両側縁を畳床の側面を覆うように折り込
む、この畳床の側面に縫い付ける。
【0007】本発明の目的は、職人的な技術を不要にし
て製造コストを低減することのできる縁無し畳及びその
製造方法並を提供することにある。本発明の更なる目的
は、畳の敷き方に自由度を提供することのできる縁無し
畳を提供することにある。本発明の他の目的は、フロー
リング仕上げの部屋などの板間の一部に、好みに応じて
自由に切断して自在な形状の組み合わせを楽しむことの
できる縁無し畳を提供することにある。本発明の他の目
的は、部屋の床面を傷めることなく縁無し畳を敷設する
ことのできる縁無し畳の敷設方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の縁無し畳は、発
泡体を主体にした畳床と、該畳床と同じ大きさを有し且
つ該畳表の表面の全面に接着した畳表とを有し、前記畳
表はその周縁が全周に亘って面取りされ、また、前記畳
床の框及び横の側面が前記畳表の面取り部分を含めて保
護膜によって被覆されている、ことを特徴とする。
【0009】また、本発明の縁無し畳の製造方法は、畳
床の表面の全面に接着剤を塗布する工程と、畳床の上に
畳表を接着する工程と、接着した畳表及び畳床を一緒に
適当な大きさに切断する工程と、前記畳表の縁を全周に
亘って面取りする工程と、前記畳床の周面を前記畳表の
面取り部分を含めて樹脂材料を塗布して保護膜を形成す
る工程とを含むことを特徴とする。本発明の利点及び他
の目的は、以下の、本発明の実施例の説明から明らかに
なろう。
【0010】発泡体を主体にした畳床と、該畳床と同じ
大きさを有し且つ該畳表の表面の全面に接着した畳表と
を有し、前記畳表はその周縁が全周に亘って面取りさ
れ、また、前記畳床の框及び横の側面が前記畳表の面取
り部分を含めて保護膜によって被覆されている縁無し畳
を敷設する前に、複数の養生シートを部分的に互いに重
ね合わせて部屋の床面に敷く工程と、該養生シートの上
に前記縁無し畳を両面接着テープを介して固定する工程
とからなる縁無し畳の敷設方法。
【0011】
【実施例】以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ま
しい実施例を説明する。図1において、参照符号1は本
発明に従う縁帯を備えていない縁無し畳を示す。縁無し
畳1は、天然藺草又は合成樹脂製品からなる畳表2と、
発泡体を主体とした畳床3とを有し、この畳表2と畳床
3とは接着剤4で一体化されている。
【0012】この縁無し畳1は、最も好ましくは、加熱
プレス加工した天然藺草の畳表2を用いるのがよい。プ
レス加工を施すことによって、折りしわ、織成ムラが消
失して品質が安定するという利点がある。特に、天然藺
草を用いた畳表の場合には、加熱プレスの効果によって
天然藺草の内部から葉緑素が浸出するので、これにより
染色時の色ムラを低減することができるという利点があ
る。畳表2は、畳床3の表面の全領域に塗布した接着剤
4で接着されており、これに使用する接着剤4として
は、ホルムアルデヒドなどの有害物質を発生せず、また
柔軟性を備え且つ接着力が強いという理由からホットメ
ルト接着剤を採用するのが好ましく、最も好ましくは、
耐熱性のあるホットメルト剤であるのがよい。加熱プレ
スした藺草を用いることによって、縁無し畳1の平坦性
を向上することができるという利点がある。
【0013】縁無し畳1は、畳表2の縁が全周に亘って
面取りされ、この面取り部分5を含む畳1の框及び幅の
周面は、畳表2の面取り部分5を含めて塗布した保護膜
6が形成されている。この保護膜6は、畳表及び畳床に
ある程度染み込んで固化する例えば天然ゴム系やラテッ
クス系の樹脂であるのがよい。縁無し畳1は、畳表2の
縁を框及び幅の全周に亘って面取りすることによって、
畳1を敷設したときの見栄えを向上することができる。
また、縁無し畳1の框及び幅の全ての周面を保護膜6で
被覆することによって、畳表2の「ほつれ」や「毛羽立
ち」或いは「剥離」を防止することができる。
【0014】本発明に従う縁無し畳1の作り方を説明す
ると、以下のとおりである。 (1)畳床3の表面の全面に接着剤4を塗布する; (2)畳床3の上に畳表2を接着する; (3)一体化した畳表2と畳床3を、例えば一畳や半畳
のように定形的な大きさ、或いは敷設する部屋を採寸し
て割り出した大きさに切断する; (4)畳表2の縁を全周に亘って面取りする; (5)框及び幅の全ての周面にラテックス系樹脂などを
塗布して保護膜6を形成する。
【0015】以上の製造方法の説明から理解できるとお
り、畳職人でなくとも、本発明に従う畳1を作ることが
でき、また、工程数も従来に比べて少ないことから製造
コストを低減することができ、安価に畳1を提供するこ
とができる。
【0016】図1は、本発明に従う縁無し畳1の利用方
法を例示するものであり、畳表2の目の配列及び幾何学
形状の組み合わせに意外性を与えることのできる敷設例
を例示するものである。この例は、これから敷設しよう
とする部屋や洋間の敷設するスペースを採寸して、この
採寸したデータから割り出して個々の畳の大きさ及び形
状を決定した後に、個々の縁無し畳1を製造したもので
ある。勿論、大量生産するために規格化した縁無し畳1
を敷設現場まで運び、この現場で、畳1を適当に切断す
ることにより、図1のように畳1を敷き込むようにして
もよい。本発明に従う畳1は、畳床3の全面に畳表2が
接着されているため、畳1の任意の部分を切断すること
ができる。畳1を切断することにより新たに露出した切
断面は、畳表2の縁を面取りした後に適当な接着剤を塗
布することにより保護膜6で被覆すればよい。このよう
な一連の作業は、畳職人でなくとも素人で十分に対応可
能である。従って、図1のような特殊の敷き方であった
としても、これを行うために畳職人は不要であり、素人
仕事で十分に対応可能である。
【0017】本発明に従う縁無し畳1は、以下のよう
に、今までとは異なるルートで一般人に提供することが
できる。すなわち、例えば一畳や半畳など任意の大きさ
に規格化した縁無し畳1を大量に製造して、これを一般
人に販売し、これを購入した人は、好きな形状や大きさ
に切断して例えば洋間のフローリングの一部分を畳敷き
にすることができる。
【0018】このような作業は、先に説明したのと同様
に、素人であっても十分に対応可能である。すなわち、
畳1を切断することにより新たに露出した切断面は、畳
表2の縁を面取りした後に適当な接着剤を塗布すること
により保護膜6で被覆すればよい。必要であれば、切断
用具及び保護膜6を作るための樹脂材料をセットにして
販売すればよい。また、所望であれば、縁無し畳1を敷
設するときに、特開平9−195485号公報に記載の
ような後付け用の縁帯部材を取り付けてもよい。
【0019】縁無し畳1を敷設した後に発生する可能性
のある「反り」の問題は、例えば工場出荷時に、図4に
示すように、剥離テープ(図示せず)を備えた両面接着
テープ7を縁無し畳1の底面の適宜の箇所に複数貼着し
ておき、畳1の敷設時に両面接着テープの剥離テープを
取り除いて、部屋の床に縁無し畳1を接着するようにし
てもよい。
【0020】縁無し畳1を敷設する前に、図5に示すよ
うに、部屋Rの床に、複数枚の養生シート8を互いに部
分的に重ね合わせて敷き、その上に縁無し畳1を両面接
着テープ(図示せず)で固定するのが部屋の床を傷める
ことがないという利点がある。したがって、例えば洋間
のフローリングの全面または部分的に複数の畳1を敷設
したとしても、この畳1を、直接、フローリングに固定
するものではないので、模様替えなどの目的で部屋から
畳1を取り除いたとしても、部屋Rの復元に際して何ら
問題を残すことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う縁無し畳の敷き方の一例を示す平
面図
【図2】本発明に従う縁無し畳における畳表の縁の面取
りを説明するための部分断面図
【図3】本発明に従う縁無し畳の框又は幅の縁部分の部
分断面図
【図4】本発明に従う縁無し畳の底面に貼着した両面接
着テープの配置を例示するための縁無し畳の平面図
【図5】部屋の床に敷いた養生シートに縁無し畳を固定
することを例示するための図
【符号の説明】
1 縁無し畳 2 畳表 3 畳床 4 接着剤 5 畳表の面取り部分 6 保護膜 7 両面接着テープ 8 養生シート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡体を主体にした畳床と、 該畳床と同じ大きさを有し且つ該畳表の表面の全面に接
    着した畳表とを有し、 前記畳表はその周縁が全周に亘って面取りされ、また、
    前記畳床の框及び横の側面が前記畳表の面取り部分を含
    めて保護膜によって被覆されている、ことを特徴とする
    縁無し畳。
  2. 【請求項2】 畳床の表面の全面に接着剤を塗布する工
    程と、 畳床の上に畳表を接着する工程と、 接着した畳表及び畳床を一緒に適当な大きさに切断する
    工程と、 前記畳表の縁を全周に亘って面取りする工程と、 前記畳床の周面を前記畳表の面取り部分を含めて樹脂材
    料を塗布して保護膜を形成する工程とを含む縁無し畳の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の縁無し畳を敷設する前
    に、複数の養生シートを部分的に互いに重ね合わせて部
    屋の床面に敷く工程と、 該養生シートの上に前記縁無し畳を両面接着テープを介
    して固定する工程とからなる縁無し畳の敷設方法。
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