JP2000160713A - ロックウールボードおよびその製造方法 - Google Patents
ロックウールボードおよびその製造方法Info
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Abstract
機能等を効果的かつ経済的に付加できるようにする。 【解決手段】 複数層のロックウール層10と、ロック
ウール層10の間に配置されて積層一体化された調湿機
能を有する粉粒体層20とを備えるロックウールボード
Rであり、粉粒体層20による調湿機能が良好に発揮さ
れる。
Description
ドとその製造方法に関する。
めに、壁、天井、床などに施工される建築材料としてロ
ックウールボードが知られている。ロックウールボード
に珪藻土や粉粒炭などの調湿機能を有する粉粒体を分散
配合させておくことで、ロックウールボードに調湿機能
を付与する技術も知られている。調湿機能を付与された
ロックウールボードは、環境湿度が高くなると一時的に
吸湿するが、環境湿度が低下すれば吸湿された水分を迅
速に放出するので、室内環境の湿度を適切な状態に調整
する機能を果たす。また、水分を吸湿したままになって
断熱性や防音性が低下するという問題も解消される。前
記粉粒体は、悪臭や有害ガスを吸着除去する機能もあ
る。
ードの製造方法としては、繊維状のロックウールを集積
しバインダーで接着一体化させてロックウールボードを
製造する際に、ロックウールに粉粒体を混合しておくこ
とで、バインダーの接着作用で粉粒体をロックウールに
接合一体化させる方法が提案されている。
法では、ロックウールボードに粉粒体を均一に分散させ
て配置しておくことが難しいという問題がある。繊維状
のロックウールと粉粒体とを通常の混合手段で攪拌混合
しても、なかなか均一な混合状態は得られず、ロックウ
ールボードの場所によって粉粒体の配合割合に偏りが生
じ、前記した吸放湿性などの機能にも偏りが生じやす
い。
合物に、さらに液状のバインダーを加えて混合すると、
粉粒体の表面がバインダーの膜で覆われてしまったり、
粉粒体の吸放湿機能を発揮する微細孔がバインダーで埋
められてしまったりして、粉粒体の機能が十分に発揮さ
れなくなるという問題もある。また、粉粒体がロックウ
ールの繊維同士の接着を阻害してしまうという問題も発
生する。
有する粉粒体が配合されたロックウールボードにおい
て、粉粒体が有する各種機能を効果的に発揮できるよう
にすることである。
ルボードは、複数層のロックウール層と、各ロックウー
ル層の間に配置されて積層一体化された調湿機能を有す
る粉粒体層とを備える。 〔ロックウール層〕通常のロックウールボードの材料と
なるロックウールが用いられる。具体的には、玄武岩、
珪酸質岩石、石灰石等の岩石あるいは高炉スラグ等の鋼
滓を高温で溶融させ、溶融物を遠心力や高圧空気、蒸気
などの力で飛散させて、数μm程度の微細な繊維にして
なり、SiO2 などを成分とする鉱物繊維あるいはその
集合体である。
させることでロックウール層が得られる。比較的に厚み
のあるロックウール層を作製したあと、スライサー装置
などを用いて所定の厚みに裁断することもできる。ロッ
クウールを連続的に帯状に堆積させれば、連続帯状のロ
ックウール層を得ることができる。ロックウールは単に
集積させただけでもフェルト状の層状体すなわちロック
ウール層が得られるが、フェノール樹脂等からなる結合
剤を配合することで、ロックウール層を構成するロック
ウールの一体性を向上させることができる。
合される。結合剤の粘性あるいは粘着力によってロック
ウール同士をまとめておくことができる。結合剤を乾
燥、加熱などの手段で硬化させることで、ロックウール
同士は結合一体化される。結合剤としては、たとえば、
澱粉、フェノール樹脂やメラミン樹脂などの樹脂、セメ
ントや石膏、水ガラスなどの水硬性物質、その他の通常
のロックウールボード製造に用いられているバインダー
材料が使用される。
が、目的とするロックウールボードを、最低2枚以上、
好ましくは数枚以上のロックウール層で構成できるよう
に、個々のロックウール層の厚みを設定すればよい。例
えば、用途によっても異なるが、ロックウール層の厚み
を2〜200mmに設定することができる。 〔粉粒体層〕各種建築材料に調湿性を付与するため各種
粉粒体が用いられる。粉粒体としては、調湿性のほか
に、脱臭性などの機能を有するものも用いられる。多孔
質の粉粒体は調湿性や脱臭性に優れている。
あるいは木質材の炭化物、食品,パルプ,紙などの廃棄
物を炭化処理したものなど、各種の炭化物を用いること
ができ、調湿性および脱臭性に優れたものとなる。炭は
揮散成分が無いため火災に対する安全性に優れている。
食品廃棄物は、人体に対する安全性に優れている。食品
廃棄物として、コーヒー、茶、おから、食物等を用いる
ことができる。セピオライト、ゼオライト、珪藻土、多
孔質珪石等の天然鉱物、人工的に製造された各種無機材
料などの無機物を用いることができる。無機物は、不燃
材料であり、結合剤の硬化工程でも消失せず、防火性や
耐火性に優れたものとなる。火を扱う工場などの建築物
に適用した場合でも安全性が高い。
のが好ましい。粒径が小さすぎると、結合剤の接着不良
が生じ、粒径が大きすぎると、粉粒体の確実な固定が行
い難い。粉粒炭と粉粒炭以外の無機多孔質粉粒体を組み
合わせることができる。ロックウールが有する優れた基
本特性に、粉粒炭および無機多孔質粉粒体が有する優れ
た調湿性能および脱臭性能を発揮することができる。具
体的には、炭は、ほとんど全ての揮発物質を吸着できる
が、吸着飽和を起こし易く長期の吸着力維持には難点が
ある。無機物は、揮発性物質の吸着に選択性があるが、
吸放湿性が安定的に行われ、長期にわたって吸放湿機能
を発揮することができる。例えば、一般的に無機物はア
ンモニア等の窒素系物質の吸着性は高いが硫化水素等の
硫黄系物質の吸着は困難である。炭と適切な無機物を組
み合わせれば、目的とする揮発物質を効率的に吸着で
き、しかも、調湿機能を長期間安定して発揮させること
が可能になる。製造工程で可燃物である粉粒炭の微粉が
粉塵爆発を起こす問題を、無機物の配合によって防止す
ることができる。
Å以下であるものが好ましい。平均細孔半径が大きすぎ
ると吸着性に劣るものとなる。平均細孔半径80Å以下
がより好ましい。粉粒炭の割合が、この粉粒炭と無機多
孔質粉粒体の合計量に対して20〜80重量%であるこ
とができる。
機材料を用いることができる。分解温度が200℃以上
であれば、フェノール系材料などの高温硬化型の結合剤
を用いた場合でも、接合剤の硬化処理に耐えることがで
きる。具体的に、木材あるいはオガクズなどが用いられ
る。 〔ロックウールボードの製造〕基本的には、通常のロッ
クウールからロックウールボードを製造する方法が適用
される。
なわちロックウールの単層シートの上に、前記粉粒体を
散布して粉粒体層を形成し、その上に別の単層シートを
重ねて、全体を一体成型すれば、複数のロックウール層
とその間に介在する粉粒体層とからなるロックウールボ
ードが得られる。一体化する単層シートおよび粉粒体層
の層数は必要に応じて適宜に設定される。
には、厚み方向に加圧したり、加圧と同時に加熱したり
すればよい。このとき、接着剤あるいは前記結合剤を用
いることができる。単層シートの表面に接着剤や結合剤
を塗布しておき、一体成型と同時に硬化させれば、粉粒
体層を挟んだ状態で単層シート同士が接着一体化され
る。接着剤や結合剤は、粉粒体層を構成する個々の粉粒
体を完全に覆ってしまわない程度に使用するのが好まし
い。
同士を結合する硬化性の結合剤を配合しておくととも
に、結合剤を硬化完了させずにおき、単層シートと粉粒
体層とを積層したあとで、結合剤を硬化完了させれば、
結合剤が単層シート内でのロックウール同士の結合と、
単層シートと粉粒体層との積層一体化との両方の機能を
果たすことができる。結合剤として熱硬化性の材料を用
いた場合、単層シートの製造時には結合剤の粘着性によ
ってロックウールを一体化させておき、単層シートと粉
粒体層との一体成型の際に所定温度まで加熱して結合剤
を硬化させることができる。
ルと粉粒体との配合割合として、粉粒体をロックウール
に対して重量比で5〜150%用いることが好ましい。
粉粒体の割合が多いほど調湿機能は高まるが、粉粒体が
多すぎると単層シート同士を充分に接合させることが困
難になる。
造方法を段階的に示している。図1(a) に示すように、
繊維状をなすロックウールを集積してなる単層シート1
0を準備する。単層シート10の製造方法は、通常のロ
ックウールボードあるいはロックウールシートの製造方
法と同様である。単層シート10には、ロックウールと
ともにフェノール系樹脂材料などからなる液状の結合剤
が配合されている。但し、単層シート10の段階では結
合剤は硬化させない。
表面に粉粒体を散布して、所定の厚みを有する粉粒体層
20を形成する。粉粒体として、炭と珪藻土などを組み
合わせて用いる。図1(c) に示すように、粉粒体層20
の上にさらに単層シート10を重ねる工程を繰り返し、
複数層の単層シート10とそれぞれの間に介在する粉粒
体層20との積層体を得る。この積層体を、上下に加圧
しながら前記結合剤の硬化温度以上に加熱する。結合剤
は、単層シート10を構成するロックウール同士を結合
するとともに、粉粒体層20を介して単層シート10同
士を結合一体化させる。このとき、結合剤の一部は粉粒
体にも付着するが、粉粒体が完全に結合剤で覆われたり
粉粒体の細孔が結合剤で埋まってしまうことは少ない。
シート10と粉粒体層20とが一体成型されたロックウ
ールボードRが得られる。ロックウールボードRには、
通常のロックウールボードと同様に、必要に応じて裁断
や整形などの加工を施すことができる。
ウール層の間に調湿機能を有する粉粒体層が積層一体化
されていることにより、建築物の壁面などに用いたとき
に優れた調湿機能を発揮することができる。粉粒体が充
分な厚みの粉粒体層として存在するので、ロックウール
ボードの全面で良好な調湿機能が発揮される。粉粒体が
結合剤や接着剤に完全に覆われてしまったり、粉粒体の
細孔が結合剤などで埋められてしまうことが防げるの
で、粉粒体が有する機能を良好に発揮させることができ
る。ロックウール層あるいは単層シートの製造は、通常
のロックウールボードの製造と同じ処理条件で行えるの
で、ロックウールに粉粒体を配合しておく場合のような
技術的問題が起こり難い。
の製造工程を段階的に示す製造工程図
Claims (9)
- 【請求項1】複数層のロックウール層と、 各ロックウール層の間に配置されて積層一体化された調
湿機能を有する粉粒体層とを備えるロックウールボー
ド。 - 【請求項2】前記粉粒体が、粒径0.3〜5mmである請
求項1に記載のロックウールボード。 - 【請求項3】前記粉粒体が、平均細孔径100Å以下の
無機材料である請求項1または2に記載のロックウール
ボード。 - 【請求項4】前記粉粒体が、分解温度200℃以上の有
機材料である請求項1〜3の何れかに記載のロックウー
ルボード。 - 【請求項5】前記粉粒体が、炭である請求項1〜4の何
れかに記載のロックウールボード。 - 【請求項6】前記粉粒体が、有機材料および炭を含む造
粒物である請求項1〜5の何れかに記載のロックウール
ボード。 - 【請求項7】調湿機能を有する粉粒体を含有するロック
ウールボードを製造する方法であって、下記(a) (b) の
工程を含むロックウールボードの製造方法。 (a) ロックウールの単層シートを得る工程。 (b) 前記単層シートを複数枚、中間に前記粉粒体を介在
させて積層一体化する工程。 - 【請求項8】前記(a) 工程が、前記ロックウールとロッ
クウール同士を結合する硬化性の結合剤からなる単層シ
ートを得るとともに前記結合剤を硬化完了させずにお
き、前記(b) 工程が、前記接合剤を硬化完了させて、前
記ロックウールとともに前記粉粒体を接合一体化させる
請求項7に記載のロックウールボードの製造方法。 - 【請求項9】前記(b) 工程が、前記粉粒体を前記ロック
ウールに対し重量比で5〜150%用いる請求項7また
は8に記載のロックウールボードの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33316698A JP3839977B2 (ja) | 1998-11-24 | 1998-11-24 | ロックウールボードおよびその製造方法 |
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JP (1) | JP3839977B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114045921A (zh) * | 2021-10-18 | 2022-02-15 | 安徽轩鸣新材料有限公司 | 一种缓释雨水的生态多孔纤维棉、花箱及雨水花园 |
-
1998
- 1998-11-24 JP JP33316698A patent/JP3839977B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN114045921A (zh) * | 2021-10-18 | 2022-02-15 | 安徽轩鸣新材料有限公司 | 一种缓释雨水的生态多孔纤维棉、花箱及雨水花园 |
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