JP2000160427A - 導電性セルロース系繊維 - Google Patents

導電性セルロース系繊維

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JP2000160427A
JP2000160427A JP35388098A JP35388098A JP2000160427A JP 2000160427 A JP2000160427 A JP 2000160427A JP 35388098 A JP35388098 A JP 35388098A JP 35388098 A JP35388098 A JP 35388098A JP 2000160427 A JP2000160427 A JP 2000160427A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性能(比抵抗値)にばらつきが少なく、
均質な導電性能を有し、しかも難燃剤処理後も導電性能
の低下及びばらつきが少なく、かつ湿度変化の影響を受
けない、良好な導電性と難燃性を兼ね備える導電性セル
ロース系繊維並びにそれよりなる帯電用ブラシ及び除電
用ブラシの提供。 【解決手段】 平均粒径200mμ以下の導電性カーボ
ンブラック微粒子(a)と導電性粒子(b)を含有する導電
性セルロース系繊維であって;導電性粒子(b)が、温
度20℃、湿度65%での体積固有抵抗値が、導電性カ
ーボンブラック微粒子(a)のそれの1.5〜10倍であ
る;平均粒径300〜2000mμである;及び稜
角を有する多面体形状を有する;という要件〜の少
なくとも1つを満足し;且つ導電性カーボンブラック微
粒子(a)と導電性粒子(b)の合計含量がセルロースに対
して5〜70重量%である導電性セルロース系繊維、そ
の難燃化処理したもの、それらの繊維よりなる帯電用ブ
ラシ、除電用ブラシ又はクリーニングブラシ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性セルロース
系繊維および難燃化導電性セルロース系繊維並びにそれ
らを用いてなる帯電用ブラシ、除電用ブラシおよびクリ
ーニングブラシに関する。より詳細には、本発明は、電
子写真記録方式の静電複写機、または乾式複写機とも称
される複写機や、ファクシミリー、プリンターなどで用
いられる帯電用ブラシ、除電用ブラシおよびクリーニン
グブラシ、並びに前記ブラシに有効に使用し得る導電性
セルロース系繊維および難燃化導電性セルロース系繊維
に関する。
【0002】
【従来の技術】よく知られているように、静電複写機
は、光が当たると電気を通す性質を有する感光半導体物
質(以下「感光体」ということがある)を静電画像保持
部として利用するものである。具体的には、(1)ドラ
ム表面上に形成した該感光体層に帯電用ブラシやローラ
ーなどの帯電装置により均一にプラス電荷を帯電させ、
次に(2)原稿に光を照射し、その反射光をレンズを通
して前記感光体層上に導いて光が当たった感光体部分
(原稿における文字や図のない白色部分)の電荷を消失
させて原稿に対応した電荷による静電潜在像を形成さ
せ、(3)その状態で感光体層上にトナーを供給してト
ナーを感光体層上の前記静電潜在像上に静電気によって
付着させて該静電潜在像を可視化し、(4)感光体層上
のトナーによりできた可視像を紙に転写すると共に加熱
してトナーを紙に定着させ、(5)感光体層上に残存し
ている電荷およびトナーを除電用ブラシなどで除去す
る、というサイクルで複写物を作成するものである。
【0003】静電複写機で用いられる上記した帯電用ブ
ラシおよび除電用ブラシは、感光体層に接触して帯電お
よび除電をそれぞれ行うためのブラシであり、その代表
的な構造としては、ローラー面に導電性繊維からなるパ
イル織物を巻き付けたもの、または板状体に導電性繊維
からなるパイル織物を張り付けたものが挙げられる。複
写機では、定着時の加熱によって機内の温度が高温にな
り、そのため帯電用ブラシおよび除電用ブラシに用いる
導電性繊維に対しては複写機内で長期に亙って熱を受け
ても変形しないことが求められる。しかしながら、例え
ばポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン
繊維などのような大部分の汎用の合成繊維は前記要求性
能をに対して不向きであるとされており、かかる点か
ら、例えば特開昭63−249185号公報、特開平4
−289876号公報、特開平4−289877号公
報、特公平1−29887号公報などにみるように、長
期にわたって熱を受けても変形の生じない導電性の再生
セルロース系繊維(以下「セルロース系繊維」という)
が用いられるようになっている。
【0004】帯電用ブラシに用いる導電性セルロース系
繊維では、一般にその比抵抗値が103〜108Ω・cm
の範囲にあることが望ましいとされ、また除電用ブラシ
に用いる導電性セルロース系繊維では一般にその比抵抗
値が102〜104Ω・cmの範囲にあることが望ましい
とされている。そのため、帯電用ブラシや除電用ブラシ
に用いられる導電性セルロース系繊維では、導電付与物
質である導電性カーボン粒子の添加率を変えたり、疎水
化処理などの後加工を施す(特公平1−29887号公
報)ことによって、その導電性能をそれぞれの用途に適
したものに調節することが一般に行われている。その場
合に、導電性セルロース系繊維では、セルロースに対す
る導電性カーボン粒子の添加率を0重量%から順次増加
してゆくと、ある添加率近辺でセルロース系繊維の導電
性が急激に増大する(比抵抗値が急激に低下する)とい
う現象が一般に生じ、導電性カーボン粒子の添加率の増
加につれてセルロース系繊維の導電性が徐々に増加する
という緩やかな導電性の増加傾向を示さない。例えば、
セルロース系繊維の比抵抗値が、導電性カーボン粒子の
添加率15重量%のときに109Ω・cmであったの
が、導電性カーボン粒子の添加率が17重量%のときに
は103Ω・cmにまで低下するというように、その導
電性能が急激に変化する。
【0005】そのため、導電性カーボン粒子の添加量が
導電性セルロース系繊維の製造工程中に僅かに変動する
だけで、導電性セルロース系繊維の導電性能(比抵抗値
など)が例えば繊維の長さ方向などに沿って大きくばら
ついてしまい、均一な導電性能を有するセルロース系繊
維を安定して得ることが極めて困難である。そして、導
電性能にバラツキのあるそのような導電性セルロース系
繊維を用いて帯電用ブラシや除電用ブラシを製造した場
合は、表面全体に亙って均一な導電性能を有する帯電用
ブラシや除電用ブラシを得ることが困難になる。導電性
能にばらつきのある帯電用ブラシでは、感光体層全域へ
の均一な電荷の付与が困難になり、その結果複写物は鮮
明さに欠ける斑のあるものとなり易い。また、導電性能
にばらつきのある除電用ブラシでは、複写の反復回数を
重ねるにつれて複写物に筋などの汚れが発生する現象を
回避できなくなるという問題がある。かかる点から、導
電性カーボン粒子の添加率の変化(増加)に伴う導電性
能の上記した急激な変化(比抵抗値の急激な低下)を緩
和して、導電性能にばらつきのない導電性セルロース系
繊維を得ることが求められていた。
【0006】また、複写機に用いる帯電用ブラシおよび
除電用ブラシに対しては、上記したばらつきのない均一
な導電性能と共に、難燃性であることが強く求められて
いる。すなわち、複写機ではトナーにより形成された感
光体層上の可視像を紙に転写して定着させる際に加熱が
行われるが、複写を長時間行うと機内に発生する熱量が
大きく機内温度が高温になるため、帯電用ブラシおよび
除電用ブラシに対してはそのような高温下でも発火、燃
焼、熱変性などの生じない、難燃性のものが求められて
いる。さらに、ドラム表面上の感光体層にピンホールが
あると、該ピンホールに帯電用ブラシや除電用ブラシが
接触した際に電気的短絡状態(ショート現象)が発生す
ることがあり、その場合に帯電用ブラシや除電用ブラシ
を構成する導電性セルロース系繊維が発火、燃焼しない
ことが求められている。
【0007】さらに、複写機に用いる帯電用ブラシおよ
び除電用ブラシは、その使用環境の変化、特に湿度の変
化に伴って、比抵抗値などの導電性能がばらつき、初期
画像の乱れなどを生じ易いが、かかる点から、湿度など
の環境変化の影響を受けない帯電用ブラシおよび除電用
ブラシが求められている。
【0008】また、複写機に用いられるクリーニングブ
ラシにおいても、除電を行いつつクリーニングを行えば
クリーニング効果が上がることから導電性能を付与した
ものが通常用いられている。そのため、クリーニングブ
ラシの場合にも、帯電用ブラシや除電用ブラシの場合と
同様に、ばらつきのない導電性能を有し、難燃性で、且
つ湿度が変化しても導電性能に大きな影響を受けない繊
維素材を用いればそのクリーニング効果はより優れたも
のとなる。
【0009】
【発明の内容】導電性カーボン粒子の添加率の変化(増
加)に伴う導電性能の上記した急激な変化(比抵抗値の
急激な低下)に伴う導電性能の大きなばらつきという上
記した不都合の解消を目的として本発明者らは検討を重
ねてきた。その結果、固有抵抗値の異なる2種以上の導
電性微粒子をセルロース系繊維中に含有させると、セル
ロース系繊維における「導電性微粒子含有率−比抵抗値
曲線」の傾斜度が緩やかになって、セルロース系繊維中
での導電微粒子の添加率が多少変動しても、導電性セル
ロース系繊維の導電性能(比抵抗値)の急激な変化がな
くなり、比抵抗値のばらつきが103Ω・cm以内に抑
制されること、それによって均一な導電性能を有する導
電性セルロース系繊維が得られることを見出して先に出
願した(特開平9−49116号公報)。本発明者らの
開発したこの導電性セルロース系繊維を用いて帯電用ブ
ラシ、除電用ブラシおよびクリーニングブラシを製造し
た場合には、ブラシを構成する単繊維間での導電性能
(比抵抗値)のばらつきが少ないために、帯電用ブラシ
による感光体層への電荷の供給が帯電領域全体で均一に
行われて鮮明な複写物を得ることができ、また除電用ブ
ラシによる感光体層からの除電が均一に行われ、またク
リーニングが良好に行われるために、複写の反復回数を
重ねても複写物に筋などの汚れが発生しにくいという効
果を有する。
【0010】上記した発明を踏まえて、本発明者らは、
ばらつきのない均一な導電性能と併せて、難燃性に優
れ、且つ湿度変化によって導電性能に影響を受けない導
電性セルロース系繊維を開発すべくさらに研究を続けて
きた。そして、導電性能(固有抵抗値)の異なる2種以
上の導電性微粒子を含有する導電性能(比抵抗値)にば
らつきのない前記導電性セルロース系繊維を難燃剤で処
理して難燃化するに当たって、セルロース系繊維中に添
加する該2種以上の導電性粒子として、特定の平均粒径
を有する導電性カーボンブラック微粒子と、特定の導電
性能、平均粒径および/または形状を有する導電性粒子
を組み合わせて、それらを所定の量で添加して導電性セ
ルロース系繊維をつくると、その導電性セルロース系繊
維を難燃剤で処理しても、導電性能の低下およびばらつ
きが抑制され、かつ湿度の影響も受けにくく、良好な導
電性と難燃性を兼ね備えるセルロース系繊維が得られる
ことを見出して本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明は、 (i) 導電性カーボンブラック微粒子(a)および導
電性粒子(b)を含有する導電性セルロース系繊維であ
って; (ii) 前記導電性カーボンブラック微粒子(a)が、
平均粒径200mμ以下の導電性カーボンブラック微粒
子であり; (iii) 前記導電性粒子(b)が、下記の要件〜
のうちの少なくとも1つの要件を満足する導電性粒子で
あり; 温度20℃、湿度65%での体積固有抵抗値が、導電
性カーボンブラック微粒子(a)のそれの1.5〜10
倍である; 平均粒径が300〜2000mμである; 稜角を有する多面体形状を有する; および、 (iv) 前記導電性カーボンブラック微粒子(a)およ
び導電性粒子(b)のセルロース系繊維中での合計含有
量が、セルロース系繊維を構成するセルロースに対して
5〜70重量%である; ことを特徴とする導電性セルロース系繊維である。
【0012】そして、本発明は、難燃剤で処理してなる
上記した導電性セルロース系繊維である。
【0013】さらに、本発明は、温度20℃および湿度
(RH)15〜65%において、難燃剤による処理後の
比抵抗値(R1)(Ω・cm)と難燃剤により処理前の
比抵抗値(R0)(Ω・cm)の比(R1/R0)が103
以下である、難燃剤で処理した導電性セルロース系繊維
である。以下、本明細書でいう湿度とは「RH」を意味
する。
【0014】そして、本発明は、難燃剤による処理後の
低湿度(温度20℃、湿度15%)での比抵抗値
(RL)(Ω・cm)と、難燃剤による処理後の高湿度
(温度20℃、湿度65%)での比抵抗値(RH)(Ω
・cm)の比(RL/RH)が103以下である、難燃剤
で処理した導電性セルロース系繊維である。
【0015】さらに、本発明は、上記したいずれかの導
電性セルロース系繊維を用いてなる帯電用ブラシ、除電
用ブラシまたはクリーニングブラシである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明における「セルロース系繊維」とは、天然
セルロース系繊維以外の繊維を言い、具体例としては、
ビスコースレーヨン、キュプラ(銅アンモニアレーヨ
ン)、フォルチザン繊維、硝酸セルロース繊維などの再
生セルロース繊維、アセテート繊維などの半合成繊維な
どを挙げることができ、そのうちでもビスコースレーヨ
ン、キュプラであることが、熱による繊維形態の変形が
なくて熱安定性に優れている点から望ましい。
【0017】本発明の導電性セルロース系繊維は、上述
のように、平均粒径が200mμ以下である導電性カー
ボンブラック微粒子(a)を含有する。本発明で用いる
導電性カーボンブラック微粒子(a)は、その平均粒径
が200mμ以下であることにより、セルロース系繊維
中への導電性カーボンブラック微粒子の分散が均一に行
われて、導電性能にばらつきの少ないセルロース系繊維
を得ることができる。本発明で用いる導電性カーボンブ
ラック微粒子(a)は、その平均粒径が100mμ以下
であることが好ましく、50mμ以下であることがより
好ましい。
【0018】本発明で用いる導電性カーボンブラック微
粒子(a)としては、平均粒径が200mμ以下であっ
て且つ導電性であるカーボンブラック微粒子であればい
ずれも使用でき特に制限されないが、そのうちでも、A
STM D2414−65Tに準じて測定したジブチル
フタレート(DBP)吸油量が50ml/100g以上
である導電性カーボンブラック微粒子が好ましく用いら
れ、DBP吸油量が200ml/100g以上である高
導電性カーボンブラック微粒子がより好ましく用いられ
る。
【0019】また、導電性カーボンブラック微粒子
(a)としては、その体積固有抵抗値が、温度20℃お
よび湿度65%の条件下で測定したときに、10〜18
mΩである電気抵抗値を有するものが好ましく用いら
れ、11〜15mΩであるものがより好ましく用いられ
る。なお、本明細書でいう「体積固有抵抗値」とは、後
述する測定法での測定値をいう。
【0020】導電性カーボンブラック微粒子(a)とし
て用い得るカーボンブラック微粒子の具体例としては、
AKZO社製の「ケッチェンブラックEC」(商品名)
(平均粒径30mμ)、同社の「ケッチェンブラックE
C600JD」(商品名)(平均粒径30mμ)、大日
精化株式会社製の導電性カーボンブラック分散液である
「T−1375 Black(R)EC」(カーボンブ
ラック微粒子の平均粒径30mμ)、大日本インキ化学
株式会社製のケッチエンブラック分散液である「Vis
co Black 1195」(カーボンブラック微粒
子の平均粒径50mμ以下)などを挙げることができ
る。なお、これらの導電性カーボンブラック微粒子は、
上記の条件下で測定したときに11.0〜14.5mΩ
の体積固有抵抗値を示す。本発明の導電性セルロース系
繊維は、導電性カーボンブラック微粒子(a)として、
平均粒径が200mμ以下である導電性カーボンブラッ
ク微粒子の1種類のみを含有していてもまたは2種類以
上を含有していてもよい。
【0021】本発明の導電性セルロース系繊維は、上述
のように、下記の要件〜; 温度20℃、湿度65%での体積固有抵抗値が、導電
性カーボンブラック微粒子(a)のそれの1.5〜10
倍である; 平均粒径が300〜2000mμである; 稜角を有する多面体形状を有する; のうちの少なくとも1つの要件を満足する導電性粒子
(b)を含有する。本発明で用いる導電性粒子(b)
は、上記した要件〜要件のうちの1つの要件を満た
すものであっても、2つの要件を満たすものであって
も、またはすべてを満たすものであってもよく、少なく
とも2つの要件を満たすものであることが好ましく、3
つの要件のすべてを満たしていることがより好ましい。
【0022】導電性粒子(b)に関する上記の要件
は、温度20℃、湿度65%での体積固有抵抗値が、導
電性カーボンブラック微粒子(a)のそれの1.5倍以
上で且つ10倍以下である導電性粒子を意味する。導電
性粒子(b)の体積固有抵抗値は、導電性カーボンブラ
ック微粒子(a)のそれの2.3〜7倍である導電性粒
子であることが好ましい。
【0023】導電性粒子(b)として前記した要件
(導電性能)を満たすものを用いる場合は、上記した導
電性カーボンブラック微粒子(a)と併用することによ
って、導電性能にばらつきのないセルロース系繊維を得
ることができる。しかも、理由は明確ではないが、難燃
剤で処理した後でも導電性能の低下やばらつきの増大を
防止または抑制でき、導電性および難燃性の両方に優れ
る導電性セルロース系繊維を得ることができる。
【0024】また、導電性粒子(b)として、上記の要
件(平均粒径が300〜2000mμ)を満たすもの
を用いる場合は、上記した導電性カーボンブラック微粒
子(a)と併用することによって、導電性能にばらつき
のないセルロース系繊維を得ることができ、しかも理由
は明確ではないが難燃剤で処理した後でも導電性能の低
下やばらつきの増大の少ない、導電性および難燃性の両
方に優れる導電性セルロース系繊維を得ることができ
る。本発明では導電性粒子(b)として、その平均粒径
が500〜2000mμの導電性粒子を用いることが好
ましく、600〜1500mμの導電性粒子を用いるこ
とがより好ましい。
【0025】本発明で用いる導電性カーボンブラック微
粒子(a)をも含めて、一般に、カーボンブラック微粒
子は、稜角(尖ったかど)の無い球状またはほぼ球状の
形状を有しているか、或いは前記した球状の粒子が房状
に集合したストラクチャー構造を有している。それに対
して、導電性粒子(b)に関する上記の要件は、該導
電性粒子(b)が稜角(尖ったかど)のある非球状の多
面体形状を有していることを意味し、そのため要件を
備える導電性粒子(b)は、一般に球状またはその集合
体よりなる導電性カーボンブラック微粒子とは形状が相
違し、別異のものである。導電性粒子(b)として、上
記の要件(稜角のある多面体形状)を有する導電性粒
子を用いる場合は、上記した導電性カーボンブラック微
粒子(a)と併用することによって、導電性能にばらつ
きのないセルロース系繊維を得ることができ、しかも理
由は明確ではないが難燃剤で処理した後でも導電性能の
低下やばらつきの増大の少ない、導電性および難燃性の
両方に優れる導電性セルロース系繊維を得ることができ
る。
【0026】本発明で用いる導電性粒子(b)は、上記
した要件〜要件のうちの少なくとも1つの要件を満
たす導電性粒子であれば、炭素質粒子、それ以外の無機
粒子などのいずれもが使用できる。本発明において導電
性粒子(b)として用い得る、上記した要件〜要件
のうちの少なくとも1つの要件を満たす導電性粒子とし
ては、要件〜要件の少なくとも1つを満たす導電性
の活性炭粒子、例えばクラレケミカル株式会社製の活性
炭である「CG」、「GS」、「4SA」、「GW
C」、「KW」、「YP−17」などを挙げることがで
きる。該活性炭粒子としては、温度20℃、湿度65%
の条件下で測定したときに、その体積固有抵抗値が25
〜100mΩであるものが好ましく用いられ、40〜6
5mΩであるものがより好ましく用いられる。本発明の
導電性セルロース系繊維は1種類の導電性粒子(b)を
含有していても、または2種類以上の導電性粒子(b)
を含有していてもよい。
【0027】本発明の導電性セルロース系繊維は、導電
性カーボンブラック微粒子(a)および導電性粒子
(b)を、両者の合計で、セルロース系繊維を構成する
セルロースに対して(セルロースの重量に基づいて)5
〜70重量%の割合で含有することが必要であり、5〜
50重量%の割合で含有することが好ましい。導電性セ
ルロース系繊維における導電性カーボンブラック微粒子
(a)と導電性粒子(b)の合計含有量が5重量%未満
であると、セルロース系繊維の導電性が低くなり、帯電
用ブラシや除電用ブラシの製造に有効に用い得る導電性
セルロース系繊維が得られなくなる。一方、セルロース
系繊維における導電性カーボンブラック微粒子(a)と
導電性粒子(b)の合計含有量が70重量%を超える
と、導電性セルロース系繊維の製造時に単糸切れなどを
生じて繊維化の工程性が不良になり、かつその糸物性も
低下してくるので製織時にも糸切れなどの支障を来す。
また、導電性セルロース系繊維の導電性が高くなり過ぎ
て帯電用ブラシや除電用ブラシの製造に適する導電性セ
ルロース系繊維が得られなくなる。
【0028】さらに、本発明の導電性セルロース系繊維
では、導電性カーボンブラック微粒子(a)と導電性粒
子(b)の含有比率が、重量比で、0<(a)/(b)
≦139、特に0<(a)/(b)≦99であることが
好ましく、それによって導電性セルロース系繊維の導電
性能(比抵抗値)を、帯電用ブラシや除電用ブラシに対
して一般に求められている102〜108Ω・cmの範囲
にすることが容易になり、且つ繊維の長さ方向における
比抵抗値のばらつきが少なく、しかも難燃剤で処理して
も比抵抗値の変動やばらつきが少なく、さらに湿度変化
などの環境変化に影響を受けない、導電性に優れる導電
性セルロース系繊維が安定して得られるようになる。
【0029】本発明の導電性セルロース系繊維の繊度は
特に制限されず、導電性セルロース系繊維の用途などに
応じて決めることができる。一般的には、導電性セルロ
ース系繊維の製造の容易性、帯電用ブラシ、除電用ブラ
シ、クリーニングブラシなどに用いた場合の帯電性能、
除電性能などの点から、導電性セルロース系繊維の単繊
維繊度が0.5〜100デニールであることが好まし
く、1.0〜50デニールであることがより好ましい。
【0030】本発明の導電性セルロース系繊維の製法は
特に制限されず、導電性カーボンブラック微粒子(a)
および導電性粒子(b)を均一に分散含有する導電性セ
ルロース系繊維を円滑に製造し得る方法であればいずれ
の方法であってもよく、一般的には、セルロース系繊維
を製造するための紡糸原液中に導電性カーボンブラック
微粒子(a)および導電性粒子(b)を均一に分散さ
せ、その紡糸原液を用いて常法にしたがって紡糸して導
電性セルロース系繊維を製造する方法が採用される。導
電性カーボンブラック微粒子(a)および導電性粒子
(b)を紡糸原液中に混入するに当たっては、それらの
2次凝集を抑制する必要があり、そのために、例えば、
準備した紡糸原液(ビスコース原液等)を2500rp
m以上の高速回転下に強撹拌しながら導電性カーボンブ
ラック微粒子(a)を徐々に添加し、その後導電性粒子
(b)を徐々に添加した後、さらに30分以上強く撹拌
して混合操作等が好ましく採用される。
【0031】上記した本発明の導電性セルロース系繊維
を難燃剤で処理して、難燃化された導電性セルロース系
繊維とする。難燃剤としては、セルロース系繊維の難燃
化に従来から用いられている有機難燃剤および/または
無機難燃剤のいずれもが使用でき、例えば、硼砂、硼
酸、第二リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化
アンモニウムなどのアンモニウム塩、リン酸塩、タング
ステン酸ナトリウム、塩化チタン、塩化アンチモン、ホ
スホリルアミド、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化亜
鉛、スルファミン酸塩、水酸化アルミニウムなどの無機
難燃剤、有機含リン化合物、有機含ハロゲン化合物、有
機アンチモン化合物、有機含有窒素化合物などの有機難
燃剤などを挙げることができる。そのうちでも有機含リ
ン化合物よりなる難燃剤が好ましく用いられ、有機含リ
ン化合物難燃剤としては、リン/炭素/酸素/水素のみ
からなる有機含リン難燃剤、有機含リン含窒素難燃剤、
有機含リン含ハロゲン難燃剤、有機含リン含窒素含ハロ
ゲン難燃剤などを挙げることができる。
【0032】何ら限定されるものではないが、本発明で
用い得る有機含リン化合物からなる難燃剤の例として
は、テトラキス(ハイドロキシメチル)ホスホニウム
塩、アジリジニル・ホスフィン・オキシド、尿素−リン
酸混合液、N−メチロールジアルキルホスホノプロピオ
ンアミド、ビニルホスホナートオリゴマー、ビニルホソ
ホナートオリゴマーとN−メチロールアクリアミドなど
の他のモノマーとの併用、2,4−ジアミノ−6−ジエ
トキシホスフィニール−1,3,5−トリアジンのメチ
ロール化物などのような置換基にリンを含むトリアジン
誘導体、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェ
ート、トリス(ジクロロイソプロピル)ホスフェートな
どのハロアルキルホスフェート、トリアリルホスフェー
トやトリヘキシルホスフェートなどのアルキルホスフェ
ートなどを挙げることができる。本発明では、1種類の
難燃剤を用いてもまたは2種以上の難燃剤を用いてもよ
い。
【0033】導電性セルロース系繊維の難燃化処理は、
該繊維を紡糸する際に紡糸原液中に難燃剤を予め添加し
ておいて紡糸し難燃繊維としても、また紡糸して得られ
る導電性セルロース系繊維に対して行っても、導電性セ
ルロース系繊維を用いて得られた帯電用ブラシや除電用
ブラシなどの製品に対して行ってもよい。そのうちで
も、ブラシにする前の導電性セルロース系繊維に対して
難燃化処理を行うのが、繊維に難燃剤を均一に付着させ
得る点から好ましい。難燃化処理の方法や処理条件は特
に制限されず、セルロース系繊維に対して従来から採用
されている方法で行うことができ、例えば、難燃剤を含
有する水性分散液、水性溶液、有機溶媒を導電性セルロ
ース系繊維に塗布する方法、難燃剤を含有する前記液中
に導電性セルロース系繊維を浸漬する方法などを採用す
ることができる。そのうちでも、処理斑のない均一な処
理を行うことができ、且つ難燃化のための個別の処理を
行うのではなく繊維の製造工程の一環として難燃化処理
できる方法が望ましい。
【0034】好ましく採用される難燃化処理方法の例と
しては、導電性セルロース系繊維をネルソン型連続紡糸
機を使用して製造する場合に、一対の精練ローラー上で
凝固再生、水洗を行った後、予備脱水で過剰な水分を除
いた走行糸条に難燃剤含有分散液を付与し、その後乾燥
工程に通す方法を挙げることができ、この方法による場
合は繊維に難燃剤を均一に付与することができる。その
際の難燃剤含有分散液としては、例えば難燃剤を10〜
30重量%の割合で含有し且つ平滑剤を2〜5重量%の
割合で含有する水性分散液などを用いることができる。
そのような難燃剤含有分散液としては、難燃剤と油系平
滑剤を含有する分散液、難燃剤と界面活性剤を含有する
分散液を挙げることができ、具体例としては、「フレー
ムガード5316−S」(有機含リン系難燃剤;大日本
イキン化学工業株式会社製)を20〜30重量%含有し
且つ「サファノール503−D」(ポリアミン系カチオ
ン界面活性剤;三洋化成株式会社製)、「サンソフター
NP−25」(多価アルコール系非イオン界面活性剤;
日華化学株式会社製)および/または「ソフトオイルE
−2」(平滑剤;ミヨシ油脂株式会社製)を2〜5重量
%含有する分散液、「ニッカファインS−200」(グ
アニジン系難燃剤;日華化学株式会社製)および/また
は「アピロス430P」(吉村油化学株式会社製難燃
剤)を10〜30重量%含有し、「KE−4001」、
「KE−4002」(ノニオン界面活性剤;竹本油脂株
式会社製)、「CA−200}(ポリアミド系カチオン
界面活性剤;正研化工株式会社製)などの界面活性剤の
1種または2種以上を2〜5重量%の割合で含有する分
散液などが挙げられる。
【0035】導電性セルロース系繊維に対する難燃剤の
付着量は、難燃剤の種類、導電性セルロース系繊維の用
途などに応じて調節し得るが、一般に、導電性セルロー
ス系繊維の重量に基づいて、乾燥後の難燃剤付着量が6
〜20重量%になるようにすることが好ましい。
【0036】本発明では、セルロース系繊維中の上記し
た導電性カーボンブラック微粒子(a)および導電性粒
子(b)を上記した特定の割合で含有させることによっ
て、温度20℃、湿度65%で測定したときに、102
〜108Ω・cmの範囲の比抵抗値を有し、且つ繊維の
長さ方向などにおける比抵抗値のばらつきの少ない(通
常ばらつきが103Ω・cm以内)、品質の優れる導電
性セルロース系繊維を得ることができる。しかも、その
導電性セルロース系繊維を難燃剤で処理した後も、導電
性能の低下やばらつきが少なく、温度20℃および湿度
15〜65%において、一般に難燃剤による処理後の比
抵抗値(R1)(Ω・cm)と難燃剤による処理前の比
抵抗値(R0)(Ω・cm)の比(R1/R0)が103
下となる。 さらに、本発明の難燃剤処理後のセルロース系繊維は、
低湿度(温度20℃、湿度15%)での比抵抗値
(RL)(Ω・cm)と、高湿度(温度20℃、湿度6
5%)での比抵抗値(RH)(Ω・cm)の比(RL/R
H)が103以下であって、湿度変化により導電性能に影
響を受にくい繊維である。そのため、本発明の難燃剤で
処理した後の導電性セルロース系繊維は、前記した良好
な導電性および難燃性を活かして、複写機などにおける
帯電用ブラシ、除電用ブラシ、クリーニングブラシなど
の用途に有効に使用することができる。
【0037】本発明の導電性セルロース系繊維および難
燃化処理した導電性セルロース系繊維を帯電用ブラシお
よび除電用ブラシとして用いる場合は、帯電用ブラシ、
除電用ブラシおよびクリーニングブラシの形状や構造は
特に制限されず、従来既知の導電性セルロース系繊維製
の帯電用ブラシ、除電用ブラシおよびクリーニングブラ
シと同様の形状および構造にすることができる。
【0038】
【実施例】以下に実施例などにより本発明について具体
的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されな
い。以下の例において、導電性カーボンブラック微粒子
および導電性粒子の平均粒径および体積固有抵抗値、並
びに導電性セルロース系繊維の比抵抗値、乾強度および
乾伸度は以下の方法により測定した。
【0039】[導電性カーボンブラック微粒子および導
電性粒子の平均粒径]株式会社堀場製作所製の粒度分布
測定器「CAPA−500」を用いて、透過式沈降法粒
度分布測定法(高速遠心沈降法と自然沈降法とを組み合
わせた方法)により測定した。
【0040】[導電性カーボンブラック微粒子および導
電性粒子の体積固有抵抗値]導電性カーボンブラック微
粒子および導電性粒子の体積固有抵抗値は、図1に示す
ようにして測定した。すなわち、塩化ビニル樹脂製のナ
ット1(メートルネジ内径16mm)に、導電性カーボ
ンブラック微粒子または導電性粒子を充填した後、ナッ
ト1の両側より鉄製ボルト2a,2bをねじ込み、鉄製
ボルト2a,2bがそれ以上前進しないようになるまで
(動かなくなるまで)硬く締め付けた状態で、温度20
℃および湿度65%の条件下に、左右の鉄製ボルト2
a,2bの間の微小抵抗を抵抗測定器(日置株式会社製
テスター「HIOKI 3220mΩ HI TEST
ER」)を用いて測定して、測定値を導電性カーボンブ
ラック微粒子または導電性粒子の体積固有抵抗値(m
Ω)とした。その際に、塩化ビニル樹脂製のナット1の
体積固有抵抗値はブランクとした。また、この測定に当
たっては、導電性カーボンブラック微粒子および導電性
粒子として、導電性カーボンブラック微粒子または導電
性粒子の約0.25gを純水200cc中に分散させた
後、絶乾して固めてナット1に充填し易くしたものを用
いた。
【0041】[導電性セルロース系繊維の比抵抗値
(ρ)(Ω・cm)]導電性セルロース系繊維の長さ方
向に沿って、5000m間隔で、長さ10cmの試験片
を20個採取した。該10cmの試験片の間(両端間)
に100Vの電圧をかけて、温度20℃、湿度15%ま
たは65%の条件下に、東亜電波工業株式会社製の抵抗
値測定機「SM−8210 極超絶縁計」を使用して、
その電気抵抗値R(Ω)を測定し、下記の数式により、
20個の試験片の比抵抗値(ρ)(Ω・cm)を求め
た。
【0042】
【数1】比抵抗値(ρ)(Ω・cm)=R×(S/L) [式中、Rは試験片の電気抵抗値(Ω)、Sは試験片の
断面積(cm2)、およびLは試験片の長さ(10c
m)を示す。但し、ここではS=D/(900000×
d)(Dは導電性セルロース系繊維の総デニール数をそ
のまま重量(g)として読みかえた値を示し、dは繊維
の密度(1.5g/cm3)を示す)。]
【0043】[導電性セルロース系繊維の乾強度および
乾伸度]JIS L1013(1992)「化学繊維フ
ィラメント糸試験方法」に準じて測定した。
【0044】《参考例1》[導電性カーボンブラック微
粒子(a1)分散液の調製] AKZO社製の導電性カーボンブラック微粒子である
「ケッチェンブラックEC」(平均粒径30mμ、温度
20℃および湿度65%での体積固有抵抗値11.3m
Ω、DBP吸油量360ml/100g)に、ノニオン
性分散剤(ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテ
ル)を該導電性カーボンブラック微粒子に対して25重
量%の割合で添加すると共に水に分散させて該導電性カ
ーボンブラック微粒子の濃度が10重量%の水性分散液
を調製した[以下「導電性カーボンブラック微粒子(a
1)分散液」という]。
【0045】《参考例2》[導電性カーボンブラック微
粒子(a2)分散液の調製] 大日精化株式会社製の導電性カーボンブラック分散液
「T−1375Black(R)EC」(カーボンブラ
ックの平均粒径30mμ、温度20℃および湿度65%
での体積固有抵抗値14.4mΩ)に、参考例1で用い
たのと同じノニオン性分散剤を該導電性カーボンブラッ
ク微粒子に対して25重量%の割合で添加すると共に水
に分散させて該導電性カーボンブラック微粒子の濃度が
10重量%の水性分散液[以下「導電性カーボンブラッ
ク微粒子(a2)分散液」という]を調製した。
【0046】《参考例3》[導電性粒子(b1)分散液
の調製] クラレケミカル株式会社製の活性炭粒子「YP−17]
(平均粒径980mμ、温度20℃および湿度65%で
の体積固有抵抗値45.2mΩ、稜角を有する多角形形
状)に、参考例1で使用したのと同じノニオン性分散剤
を該活性炭粒子に対して30重量%の割合で添加すると
共に水に分散させて該活性炭粒子の濃度が25重量%の
水性分散液[以下「導電性粒子(b1)分散液」とい
う]を調製した。
【0047】《参考例4》[導電性粒子(b2)分散液
の調製]クラレケミカル株式会社製の活性炭粒子「4S
A」(平均粒径920μm、温度20℃および湿度65
%での体積固有抵抗値44.5mΩ、稜角を有する多角
形形状)に、参考例1で使用したのと同じノニオン性分
散剤を該活性炭粒子に対して30重量%の割合で添加す
ると共に水に分散させて該活性炭粒子の濃度が25重量
%の水性分散液[以下「導電性粒子(b2)分散液」と
いう]を調製した。
【0048】上記の参考例1〜4で調製した分散液で用
いている導電性カーボンブラック微粒子または導電性粒
子の物性をまとめると、以下の表1に示すとおりであ
る。
【0049】《実施例1》[導電性セルロース系繊維の
製造] (1) セルロース濃度が8重量%でアルカリ濃度が6
%であるビスコースに、上記の参考例1〜4で製造した
導電性カーボンブラック微粒子(a1)分散液、導電性
カーボンブラック微粒子(a2)分散、導電性粒子
(b1)分散液および導電性粒子(b2)分散液の1種ま
たは2種を、セルロースに対する導電性カーボンブラッ
ク微粒子および/または導電性粒子の含有量が下記の表
2に示す値になるように添加し、2700rpmで30
分間高速撹拌した後、真空脱泡して、実験番号1〜10
の紡糸原液をそれぞれ調製した。
【0050】(2) 上記(1)で得られた実験番号1
〜10の紡糸原液の各々を用い、ネルソン型連続紡糸機
を使用して、孔径0.07mm、ホール数25の紡糸ノ
ズルから毎分11cc/分の吐出条件で温度61℃の紡
糸浴(H2SO4130g/リットル、ZnSO416g
/リットル、Na2SO4250g/リットル)中に紡出
したのち、浴中距離200mm、延伸率15%とし、引
き続いてローラー上で温度50℃の加熱紡糸浴に通し、
その後同じローラー上で40℃の水洗を行い、その後1
05℃でローラー乾燥処理を行い、100m/分の速度
にて無燃でチーズに巻き取り、実験番号1〜10のそれ
ぞれにおいて、120デニール/25フィラメントの導
電性セルロース系繊維1.75kgを得た。
【0051】(3) また、上記(1)で得られた実験
番号1〜10の紡糸原液の各々を用い、ネルソン型連続
紡糸機を使用して、孔径0.07mm、ホール数25の
紡糸ノズルから毎分11cc/分の吐出条件で温度61
℃の紡糸浴(H2SO4130g/リットル、ZnSO4
16g/リットル、Na2SO4250g/リットル)中
に紡出したのち、浴中距離200mm、延伸率15%と
し、引き続いてローラー上で温度50℃の加熱紡糸浴に
通し、その後同じローラー上で40℃の水洗を行った
後、予備脱水し、該予備脱水した走行糸条に、約1cc
/分・錘の割合で難燃剤含有分散液を付与し、その後1
05℃でローラー乾燥処理を行い、100m/分の速度
にて無燃でチーズに巻き取り、実験番号1〜10のそれ
ぞれにおいて、120デニール/25フィラメントの難
燃剤付着量が6重量%である、難燃化した導電性セルロ
ース系繊維を製造した。なお、前記難燃剤含有分散液と
しては、有機含リン系難燃剤(大日本インキ化学工業株
式会社製「フレームガード5316−S」)とノニオン
界面活性剤(竹本油脂株式会社製「KE−4002」)
を含有する分散液を用いた。
【0052】(4) 上記(2)で得られた実験番号1
〜10のそれぞれの導電性セルロース系繊維の乾強度お
よび乾伸度を上記した方法で測定したところ、下記の表
2に示すとおりであった。また、上記(2)で得られた
実験番号1〜10のそれぞれの導電性セルロース系繊維
について、温度20℃および湿度15%での比抵抗値
(Ω・cm)並びに温度20℃および湿度65%での比
抵抗値(Ω・cm)を上記した方法で測定したところ、
下記の表3に示すとおりであった。 (5) また、上記(3)で得られた実験番号1〜10
の各々の難燃化処理した導電性セルロース系繊維につい
て、温度20℃および湿度15%での比抵抗値(Ω・c
m)並びに温度20℃および湿度65%での比抵抗値
(Ω・cm)を上記した方法で測定したところ、下記の
表3に示すとおりであった。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】上記の表1〜3の結果から、平均粒径が2
00mμ以下の導電性カーボンブラック微粒子(a)で
あるカーボンブラック微粒子(a1)と、上記の要件
〜要件のうちの少なくとも1つの要件を満たす導電性
粒子(b)に相当する導電性粒子(b1)を、導電性セ
ルロース系繊維を構成するセルロースに対して、合計で
5〜70重量%の割合で含有している実験番号3〜7の
導電性セルロース系繊維は、その導電性能(比抵抗値)
にばらつきが少なく、しかも湿度変化による導電性能の
ばらつきも少なく、どのような環境下においても、安定
で均質な導電性能を有することがわかる。
【0057】それに対して、導電性カーボンブラック微
粒子(a)であるカーボンブラック微粒子(a1)のみ
を含有する実験番号1の導電性セルロース系繊維は、そ
の導電性能(比抵抗値)にばらつきが大きいこと、しか
も難燃剤で処理すると導電性能が大幅に低下する(比抵
抗値が大幅に上昇する)ことがわかる。また、導電性粒
子(b)である導電性粒子(b1)(活性炭粒子)のみ
を含有する実験番号10の導電性セルロース系繊維は、
難燃化処理していないものおよび難燃化処理したものの
いずれにおいても導電性能のばらつきが大きく、満足の
ゆく導電性能を備えていないことがわかる。
【0058】また、2種の導電性粒子を含有する場合で
あっても、平均粒径が200mμ以下の導電性カーボン
ブラック微粒子(a)と、上記の要件〜要件のうち
の少なくとも1つの要件を備えている導電性粒子との組
み合わせに該当しない、実験番号8および9の導電性セ
ルロース系繊維では、難燃剤で処理すると導電性能の低
下(比抵抗値の上昇)が生ずることがわかる。
【0059】
【発明の効果】本発明の導電性セルロース系繊維は、そ
の導電性能(比抵抗値)にばらつきが少なく、均質な導
電性能を有しており、しかも難燃剤で処理した後も導電
性能の低下およびばらつきが抑制されていて良好な導電
性と難燃性を兼ね備えている。その上、本発明の導電性
セルロース系繊維は、湿度の影響を受けにくく、湿度が
変化してもその導電性能が変わらない。そのため、本発
明の導電性セルロース系繊維、特に難燃化処理を施して
ある本発明の導電性セルロース系繊維は、均質で且つ高
い導電性能を有し、難燃性に優れており、しかも湿度非
依存性であり、複写機などにおける帯電用ブラシ、除電
用ブラシおよびクリーニングブラシをはじめとして各種
の用途に有効に使用することができる。特に、本発明の
難燃化された導電性セルロース系繊維を用いて得られる
帯電用ブラシでは、複写機の感光体層全域への均一な電
荷の付与を円滑に行われるために斑などのない鮮明な複
写物を形成させることができる。そして、本発明の難燃
化された導電性セルロース系繊維を用いて得られる除電
用ブラシは、均一で良好な除電作用を有するために、複
写の反復回数を重ねても、複写物に筋などの汚れが発生
する現象が少ない。また、本発明の難燃化された導電性
セルロース系繊維を用いて得られるクリーニングブラシ
は、クリーニング効果に優れていることから、複写の反
復回数を重ねても、複写物に筋などの汚れが発生する現
象を低減することができる。さらに、本発明の難燃化さ
れた導電性セルロース系繊維を用いて得られる帯電用ブ
ラシ、除電用ブラシおよびクリーニングブラシは、複写
機内の高温にさらされても発火、燃焼、熱変性などのト
ラブルが生じず、またドラム表面上の感光体層にピンホ
ールに接触して電気的短絡状態(ショート現象)が発生
した場合にも、発火、燃焼、変形などが生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】導電性カーボンブラック微粒子および導電性粒
子の体積固有抵抗値の測定法を示す概略図である。]
【符号の説明】
1 塩化ビニル樹脂製のナット 2a 鉄製ボルト 2b 鉄製ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // D06M 101:06 Fターム(参考) 2H003 CC06 2H034 BD03 BD04 4L033 AA02 AB01 AC05 AC06 BA35 4L035 AA06 BB03 BB09 BB66 BB73 BB85 BB89 EE12 EE13 EE14 FF01 JJ03 KK01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i) 導電性カーボンブラック微粒子
    (a)および導電性粒子(b)を含有する導電性セルロ
    ース系繊維であって; (ii) 前記導電性カーボンブラック微粒子(a)が、
    平均粒径200mμ以下の導電性カーボンブラック微粒
    子であり; (iii) 前記導電性粒子(b)が、下記の要件〜
    のうちの少なくとも1つの要件を満足する導電性粒子で
    あり; 温度20℃、湿度65%での体積固有抵抗値が、導電
    性カーボンブラック微粒子(a)のそれの1.5〜10
    倍である; 平均粒径が300〜2000mμである; 稜角を有する多面体形状を有する; および、 (iv) 前記導電性カーボンブラック微粒子(a)およ
    び導電性粒子(b)のセルロース系繊維中での合計含有
    量が、セルロース系繊維を構成するセルロースに対して
    5〜70重量%である; ことを特徴とする導電性セルロース系繊維。
  2. 【請求項2】 導電性セルロース系繊維中での、導電性
    カーボンブラック微粒子(a)と導電性粒子(b)の含
    有比率が、重量比で、0<(a)/(b)≦139であ
    る請求項1に記載の導電性セルロース系繊維。
  3. 【請求項3】 前記導電性カーボンブラック微粒子
    (a)が、DBP(ジブチルフタレート)吸油量が50
    ml/100g以上の導電性カーボンブラック微粒子で
    ある請求項1または2に記載の導電性セルロース系繊
    維。
  4. 【請求項4】 前記導電性カーボンブラック微粒子
    (a)が、温度20℃および湿度65%で測定したとき
    に、その体積固有抵抗値が10〜18mΩの導電性カー
    ボンブラック微粒子である請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の導電性セルロース系繊維。
  5. 【請求項5】 前記導電性粒子(b)が、前記の要件
    〜のうちの少なくとも1つの要件を満足する活性炭粒
    子である請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性セ
    ルロース系繊維。
  6. 【請求項6】 前記導電性粒子(b)が、温度20℃お
    よび湿度65%で測定したときに、その体積固有抵抗値
    が、25〜100mΩの導電性粒子である請求項1〜5
    のいずれか1項に記載の導電性セルロース系繊維。
  7. 【請求項7】 難燃剤で処理してなる請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載の導電性セルロース系繊維。
  8. 【請求項8】 難燃剤が有機含リン化合物からなる難燃
    剤である請求項7に記載のセルロース系繊維。
  9. 【請求項9】 温度20℃および湿度15〜65%にお
    いて、難燃剤による処理後の比抵抗値(R1)(Ω・c
    m)と難燃剤により処理前の比抵抗値(R0)(Ω・c
    m)の比(R1/R0)が103以下である、難燃剤で処
    理した導電性セルロース系繊維。
  10. 【請求項10】 難燃剤による処理後の低湿度(温度2
    0℃、湿度15%)での比抵抗値(RL)(Ω・cm)
    と、難燃剤による処理後の高湿度(温度20℃、湿度6
    5%)での比抵抗値(RH)(Ω・cm)の比(RL/R
    H)が103以下である、難燃剤で処理した導電性セルロ
    ース系繊維。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の導電性セルロース系繊維を用いてなる帯電用ブラシ、
    除電用ブラシまたはクリーニングブラシ。
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