JPH0949116A - 電気抵抗特性の安定した導電性セルロース系繊維 - Google Patents
電気抵抗特性の安定した導電性セルロース系繊維Info
- Publication number
- JPH0949116A JPH0949116A JP19744195A JP19744195A JPH0949116A JP H0949116 A JPH0949116 A JP H0949116A JP 19744195 A JP19744195 A JP 19744195A JP 19744195 A JP19744195 A JP 19744195A JP H0949116 A JPH0949116 A JP H0949116A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductive
- specific resistance
- ωcm
- weight
- resistance value
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Artificial Filaments (AREA)
- Cleaning In Electrography (AREA)
- Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 電子写真記録方式の乾式複写機やファクシミ
リ、プリンター等に用いられる印加ブラシないしは除電
ブラシのパイル用繊維に適する導電性セルロース系繊維
を提供する。 【構成】 導電性微粒子として導電性カーボンと着色用
カーボンブラックを併用し、ビスコースのセルロースに
対して5重量%以上70重量%以下添加して紡糸して得
られる比抵抗値のばらつきが103 Ωcm以内である導
電性セルロース系繊維。
リ、プリンター等に用いられる印加ブラシないしは除電
ブラシのパイル用繊維に適する導電性セルロース系繊維
を提供する。 【構成】 導電性微粒子として導電性カーボンと着色用
カーボンブラックを併用し、ビスコースのセルロースに
対して5重量%以上70重量%以下添加して紡糸して得
られる比抵抗値のばらつきが103 Ωcm以内である導
電性セルロース系繊維。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導電性セルロース系
繊維に関する。さらに詳しくは電子写真記録方式の乾式
複写機やファクシミリ、プリンター等に用いられる印加
ブラシないしは除電ブラシのパイル用繊維に適する導電
性セルロース系繊維に関する。
繊維に関する。さらに詳しくは電子写真記録方式の乾式
複写機やファクシミリ、プリンター等に用いられる印加
ブラシないしは除電ブラシのパイル用繊維に適する導電
性セルロース系繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】カーボンブラックや金属微粉末などに代
表される導電性フィラーを含む導電性繊維は、コストが
比較的安くしかも量産化にも適しているため、多くの産
業分野で広く使われているが、とくに近年、急速に普及
発展した電子写真記録方式の乾式複写機、ファクシミ
リ、プリンターでの用途が拡大している。その背景には
最近の環境保全意識の高まりに伴いこれら複写機等にも
環境保全対策が求められるようになってきたことがあ
る。
表される導電性フィラーを含む導電性繊維は、コストが
比較的安くしかも量産化にも適しているため、多くの産
業分野で広く使われているが、とくに近年、急速に普及
発展した電子写真記録方式の乾式複写機、ファクシミ
リ、プリンターでの用途が拡大している。その背景には
最近の環境保全意識の高まりに伴いこれら複写機等にも
環境保全対策が求められるようになってきたことがあ
る。
【0003】特にこれまでこれらの機器で一般的に用い
られていた静電画像保持部すなわち感光体の帯電のため
の非接触型コロナ帯電方式が、ここにきて帯電時に発生
する有害なオゾンが大きな問題になり、発生オゾンを補
集するオゾンフィルターの改良が進む一方で、オゾンの
発生しない帯電方式としてローラーによる接触帯電方式
の技術が開発され、その方式が広く採用されるようにな
ってきている。
られていた静電画像保持部すなわち感光体の帯電のため
の非接触型コロナ帯電方式が、ここにきて帯電時に発生
する有害なオゾンが大きな問題になり、発生オゾンを補
集するオゾンフィルターの改良が進む一方で、オゾンの
発生しない帯電方式としてローラーによる接触帯電方式
の技術が開発され、その方式が広く採用されるようにな
ってきている。
【0004】その後接触帯電方式の一方法として従来は
除電用としてのみ用いられていたブラシ方式をさらに押
し進めて新たに帯電用印加ブラシとする技術が開発さ
れ、いまや接触帯電方式にはローラーによる帯電方式と
印加ブラシによる帯電方式とに二分されるにいたってい
る。
除電用としてのみ用いられていたブラシ方式をさらに押
し進めて新たに帯電用印加ブラシとする技術が開発さ
れ、いまや接触帯電方式にはローラーによる帯電方式と
印加ブラシによる帯電方式とに二分されるにいたってい
る。
【0005】ここで、後の説明の理解を助けるために複
写機の原理について触れておく。複写機の内部では以下
に示すいくつかのステップをふんでコピーが形成され
る。第1ステップでは静電画像保持部である感光体と呼
ばれている薄い半導体層の全面に金属線の先端からの非
接触でコロナ放電にて帯電させるか、ないしは印加ロー
ラーや印加ブラシによる接触帯電方式により均一に帯電
させる。第2ステップでは原稿に光を照射し、レンズを
通して原稿からの反射光を感光体の上に結像させる、こ
の操作により光の当たった感光体部分は電流を流すよう
になって電荷は消失し、原稿に対応した電荷による静電
潜像が形成する。第3ステップは静電潜像にトナーを近
づけトナーが感光体に移動して静電潜像が可視化され
る。第4ステップで感光体上のトナーによりできた像を
紙に転写するとともに加熱してトナーを紙の繊維の間に
浸透定着させる。第5ステップは感光体上に残存してい
る電荷およびトナーをクリーニングブラシで除去して次
のコピーに備えるといった一連の操作を繰り返してい
る。
写機の原理について触れておく。複写機の内部では以下
に示すいくつかのステップをふんでコピーが形成され
る。第1ステップでは静電画像保持部である感光体と呼
ばれている薄い半導体層の全面に金属線の先端からの非
接触でコロナ放電にて帯電させるか、ないしは印加ロー
ラーや印加ブラシによる接触帯電方式により均一に帯電
させる。第2ステップでは原稿に光を照射し、レンズを
通して原稿からの反射光を感光体の上に結像させる、こ
の操作により光の当たった感光体部分は電流を流すよう
になって電荷は消失し、原稿に対応した電荷による静電
潜像が形成する。第3ステップは静電潜像にトナーを近
づけトナーが感光体に移動して静電潜像が可視化され
る。第4ステップで感光体上のトナーによりできた像を
紙に転写するとともに加熱してトナーを紙の繊維の間に
浸透定着させる。第5ステップは感光体上に残存してい
る電荷およびトナーをクリーニングブラシで除去して次
のコピーに備えるといった一連の操作を繰り返してい
る。
【0006】従って、印加ブラシとは非接触コロナ放電
にかわって接触帯電するためのブラシであり、同じくク
リーニングブラシとは第5ステップで用いるクリーニン
グ用のブラシであって、いずれもローラー面に導電性能
を有する繊維からなるパイル織物を巻き付けるか、単に
板にパイル織物を張り付けてブラシ状に仕立ててできあ
がっている部分のことである。
にかわって接触帯電するためのブラシであり、同じくク
リーニングブラシとは第5ステップで用いるクリーニン
グ用のブラシであって、いずれもローラー面に導電性能
を有する繊維からなるパイル織物を巻き付けるか、単に
板にパイル織物を張り付けてブラシ状に仕立ててできあ
がっている部分のことである。
【0007】そのパイル用繊維は印加用ブラシ用途では
比抵抗値として105 〜108 Ωcmの値の範囲のもの
が求められ、除電ブラシ用途には102 〜104 Ωcm
の値の範囲が求められているようである。また、長時間
の使用で機内に発生する熱のために容易に変形しないこ
とも求められる。かような要求性能に対してこれまでは
熱可塑性である大部分の汎用合成繊維はこの用途には不
向きとされ特開昭63−249185号公報、特開平4
−289876号公報、特開平4−289877号公
報、特公平1−29887号公報などにみられるように
再生セルロース繊維が用いられてきた。
比抵抗値として105 〜108 Ωcmの値の範囲のもの
が求められ、除電ブラシ用途には102 〜104 Ωcm
の値の範囲が求められているようである。また、長時間
の使用で機内に発生する熱のために容易に変形しないこ
とも求められる。かような要求性能に対してこれまでは
熱可塑性である大部分の汎用合成繊維はこの用途には不
向きとされ特開昭63−249185号公報、特開平4
−289876号公報、特開平4−289877号公
報、特公平1−29887号公報などにみられるように
再生セルロース繊維が用いられてきた。
【0008】しかし、これまでの導電性セルロース系繊
維は、例えば特公平1−29887号公報にみられるよ
うにセルロースの水酸基を疎水性官能基により疎水化処
理された、所定の比抵抗値を有する導電性セルロース系
繊維が提案されており、かかる繊維は、抵抗値の低い除
電ブラシ用途では何とか使用できたものの、パイルを形
成する一本一本の繊維が電極となり、そのものの導電性
能にできるだけ差がなく均一であることが要求される印
加ブラシ用途には必ずしも充分とはいいがたかった。
維は、例えば特公平1−29887号公報にみられるよ
うにセルロースの水酸基を疎水性官能基により疎水化処
理された、所定の比抵抗値を有する導電性セルロース系
繊維が提案されており、かかる繊維は、抵抗値の低い除
電ブラシ用途では何とか使用できたものの、パイルを形
成する一本一本の繊維が電極となり、そのものの導電性
能にできるだけ差がなく均一であることが要求される印
加ブラシ用途には必ずしも充分とはいいがたかった。
【0009】従来より、導電粒子のセルロースに対する
添加率を0重量%から順次上げていくとある添加率近辺
でその抵抗値が急激に低下するポイントが認められてお
り、しかも、その低下幅は図1に示す通り比抵抗値にし
て103 〜108 Ωcmの間で生じ、まさに印可ブラシ
に求められる比抵抗値領域105 〜108 Ωcmが完全
に含まれていることから、この比抵抗値領域の性能を有
する繊維を安定的に得るのは非常に困難なことであっ
た。
添加率を0重量%から順次上げていくとある添加率近辺
でその抵抗値が急激に低下するポイントが認められてお
り、しかも、その低下幅は図1に示す通り比抵抗値にし
て103 〜108 Ωcmの間で生じ、まさに印可ブラシ
に求められる比抵抗値領域105 〜108 Ωcmが完全
に含まれていることから、この比抵抗値領域の性能を有
する繊維を安定的に得るのは非常に困難なことであっ
た。
【0010】そのため、これまでの導電性セルロース系
繊維を用いた、印加ブラシでは原稿からの反射光を感光
体上に結像させた結果形成される電荷による静電潜像は
必ずしも鮮明とは言い難く、当然のこととしてそれから
得られたコピーは不鮮明なものでしかなかったし、その
うえコピーの反復回数を重ねるにつれコピー面に現れる
強い筋をどうしても解決できなかった。結果として、要
求品質に応えるための繊維の製造工程でのさらに厳しい
品質規格のために部止まりが悪く製造コスト高となるの
が避けられなかった。
繊維を用いた、印加ブラシでは原稿からの反射光を感光
体上に結像させた結果形成される電荷による静電潜像は
必ずしも鮮明とは言い難く、当然のこととしてそれから
得られたコピーは不鮮明なものでしかなかったし、その
うえコピーの反復回数を重ねるにつれコピー面に現れる
強い筋をどうしても解決できなかった。結果として、要
求品質に応えるための繊維の製造工程でのさらに厳しい
品質規格のために部止まりが悪く製造コスト高となるの
が避けられなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来の問題点を解決し、繊維の比抵抗値のばらつき
が小さく安定した接触帯電用印加ブラシないしはクリー
ナー用除電ブラシに好適な導電性セルロース系繊維を提
供することにある。
した従来の問題点を解決し、繊維の比抵抗値のばらつき
が小さく安定した接触帯電用印加ブラシないしはクリー
ナー用除電ブラシに好適な導電性セルロース系繊維を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために鋭意研究した結果、少なくとも2種以
上の固有抵抗値の異なった導電性微粒子をセルロースに
対して5重量%以上70重量%以下含有させると、その
配合度合いにより任意の比抵抗値の発現が可能で、しか
も比抵抗値のばらつきが103 Ωcm以内となることを
見出だし、電気抵抗特性の安定した新規な導電性セルロ
ース系繊維の発明に至ったものである。
を達成するために鋭意研究した結果、少なくとも2種以
上の固有抵抗値の異なった導電性微粒子をセルロースに
対して5重量%以上70重量%以下含有させると、その
配合度合いにより任意の比抵抗値の発現が可能で、しか
も比抵抗値のばらつきが103 Ωcm以内となることを
見出だし、電気抵抗特性の安定した新規な導電性セルロ
ース系繊維の発明に至ったものである。
【0013】以下に本発明の詳細について述べる。尚、
本発明で対象とするセルロース系繊維とは天然繊維以外
のセルロース繊維をいう。導電性セルロース系繊維の比
抵抗特性と繊維内に分散させた導電性粒子の種類や量と
の相関は、いずれの導電性微粒子についても、それぞれ
の導電性粒子固有のある添加率で急激に比抵抗値が低下
する特異点が認められる。
本発明で対象とするセルロース系繊維とは天然繊維以外
のセルロース繊維をいう。導電性セルロース系繊維の比
抵抗特性と繊維内に分散させた導電性粒子の種類や量と
の相関は、いずれの導電性微粒子についても、それぞれ
の導電性粒子固有のある添加率で急激に比抵抗値が低下
する特異点が認められる。
【0014】例えば、大日精化の導電性カーボンブラッ
ク分散液T−1375・EC{カーボンブラック純分1
0重量%}をカーボンブラック純分でセルロースに対す
る添加率を順次上げてゆくと、図1に見られるように1
5−17重量%の間で比抵抗値は103 Ωcmから10
8 Ωcm程度まで急激に低下する。
ク分散液T−1375・EC{カーボンブラック純分1
0重量%}をカーボンブラック純分でセルロースに対す
る添加率を順次上げてゆくと、図1に見られるように1
5−17重量%の間で比抵抗値は103 Ωcmから10
8 Ωcm程度まで急激に低下する。
【0015】一方、同じく大日精化から通常の黒色着色
剤として市販されているカーボンブラック分散液T−5
10Black{カーボンブラック純分15重量%}に
ついても添加率と比抵抗値の関係をテストすると、同様
な急低下領域が認められる。しかし、最終的に到達する
比抵抗値は導電性カーボンブラックに比べて高い値とな
る。
剤として市販されているカーボンブラック分散液T−5
10Black{カーボンブラック純分15重量%}に
ついても添加率と比抵抗値の関係をテストすると、同様
な急低下領域が認められる。しかし、最終的に到達する
比抵抗値は導電性カーボンブラックに比べて高い値とな
る。
【0016】そこで、これら導電性能の異なったカーボ
ンを混合使用して、その繊維の導電性能を評価したとこ
ろ、驚くべきことに、それまで比抵抗値が103 Ωcm
〜108 Ωcmの範囲で発現し、バラツキ幅として10
6 Ωcmと大きくふれていたものが、バラツキ幅は10
3 Ωcmにおさまった。そして、図2に見られるごとく
配合率を変える事により任意の比抵抗値を有し、しかも
そのバラツキが103Ωcm以内とこれまでになく小さ
く安定した導電性繊維の得られる事がわかった。
ンを混合使用して、その繊維の導電性能を評価したとこ
ろ、驚くべきことに、それまで比抵抗値が103 Ωcm
〜108 Ωcmの範囲で発現し、バラツキ幅として10
6 Ωcmと大きくふれていたものが、バラツキ幅は10
3 Ωcmにおさまった。そして、図2に見られるごとく
配合率を変える事により任意の比抵抗値を有し、しかも
そのバラツキが103Ωcm以内とこれまでになく小さ
く安定した導電性繊維の得られる事がわかった。
【0017】このように比抵抗値のばらつきの小さい導
電性セルロース系繊維をパイルとした印加ブラシによっ
たコピー画像の鮮明さは従来になく優れたものとなり複
写回数を重ねるほどその差は明瞭となった。
電性セルロース系繊維をパイルとした印加ブラシによっ
たコピー画像の鮮明さは従来になく優れたものとなり複
写回数を重ねるほどその差は明瞭となった。
【0018】本発明の代表的な製造法をビスコースレー
ヨンを例に示せば、セルロース濃度が8重量%、アルカ
リ濃度が6重量%の紡糸原液であるビスコースに大日精
化製の導電性カーボンブラック粒子の分散液であるT−
1375Black(R)EC(カーボン純分10重量
%)と黒色着色剤としてのカーボンブラックの分散液で
あるT−510Black(カーボン純分15重量%)
をそれぞれのカーボンブラックがセルロースに対して1
0重量%と15重量%になるように添加する。
ヨンを例に示せば、セルロース濃度が8重量%、アルカ
リ濃度が6重量%の紡糸原液であるビスコースに大日精
化製の導電性カーボンブラック粒子の分散液であるT−
1375Black(R)EC(カーボン純分10重量
%)と黒色着色剤としてのカーボンブラックの分散液で
あるT−510Black(カーボン純分15重量%)
をそれぞれのカーボンブラックがセルロースに対して1
0重量%と15重量%になるように添加する。
【0019】添加分散液量は以下の計算式より決め、 W=V×Cc/100×B/100÷Bc/100 W :添加カーボン粒子分散液重量 kg V :ビスコース重量 kg Cc:ビスコースのセルロース濃度 %/ビスコース B :必要カーボン添加率 %/cell Bc:添加カーボン粒子分散液のカーボン粒子濃度 % 計量した分散液を準備したビスコースに徐々に添加する
と同時に3000rpmで30分間、撹拌して混合した
ものを真空脱泡し紡糸原液を得る。
と同時に3000rpmで30分間、撹拌して混合した
ものを真空脱泡し紡糸原液を得る。
【0020】このようにして得たビスコースをネルソン
型連続紡糸機を用いて孔径0.07mmでホール数25
の紡糸ノズルから毎分11cc/分の吐出条件でH2 S
O4130g/l、ZnSO4 16g/l、NaSO4
250g/l、温度51℃の紡糸浴中に紡出したのち浴
中距離200mm、延伸率16%とし、引き続いてロー
ラー上で80℃の熱水処理と100℃のローラー乾燥処
理をし、100m/分にて120d/25fを無撚でチ
ーズに捲き取ることができる。この時注意すべはきは、
分散液を強アルカリ性等のショック凝集をおこす可能性
のある紡糸原液に添加する場合には、添加と同時に強撹
拌しショック凝集を極力回避する必要があることであ
る。
型連続紡糸機を用いて孔径0.07mmでホール数25
の紡糸ノズルから毎分11cc/分の吐出条件でH2 S
O4130g/l、ZnSO4 16g/l、NaSO4
250g/l、温度51℃の紡糸浴中に紡出したのち浴
中距離200mm、延伸率16%とし、引き続いてロー
ラー上で80℃の熱水処理と100℃のローラー乾燥処
理をし、100m/分にて120d/25fを無撚でチ
ーズに捲き取ることができる。この時注意すべはきは、
分散液を強アルカリ性等のショック凝集をおこす可能性
のある紡糸原液に添加する場合には、添加と同時に強撹
拌しショック凝集を極力回避する必要があることであ
る。
【0021】この様な導電性セルロース系繊維はこれま
でまったく例がなく本発明により初めて成し得たもので
ある。今の処、前記挙動の詳細解明には至っていない
が、次のような推定をしている。それは、繊維中に分散
された導電性微粒子、例えば導電性カーボンブラックは
低添加率領域では導電粒子の完全な連鎖形成が出来にく
く、連鎖がうまく形成された部分と連鎖がとぎれた部分
が混在して比抵抗値のバラツキを惹起させていると考え
られる。従って、添加率はある程度以上(=導電粒子の
固有飽和添加率以上)にすることで導電性微粒子の連鎖
を完成させ比抵抗値のバラツキを抑え、一方比抵抗値の
絶対レベルは各導電性微粒子の固有抵抗値を考慮した配
合率により制御できると考えられる。
でまったく例がなく本発明により初めて成し得たもので
ある。今の処、前記挙動の詳細解明には至っていない
が、次のような推定をしている。それは、繊維中に分散
された導電性微粒子、例えば導電性カーボンブラックは
低添加率領域では導電粒子の完全な連鎖形成が出来にく
く、連鎖がうまく形成された部分と連鎖がとぎれた部分
が混在して比抵抗値のバラツキを惹起させていると考え
られる。従って、添加率はある程度以上(=導電粒子の
固有飽和添加率以上)にすることで導電性微粒子の連鎖
を完成させ比抵抗値のバラツキを抑え、一方比抵抗値の
絶対レベルは各導電性微粒子の固有抵抗値を考慮した配
合率により制御できると考えられる。
【0022】ここに、導電性微粒子とは亜鉛やアルミニ
ウムなどの金属微粒子ないしはカーボンブラックなど、
それ自体が導電性能を示す物質であって、繊維形成を阻
害するようなものでなければ特に限定されないが、製造
技術から見て本発明においてはカーボンブラックが好ま
しく使用される。
ウムなどの金属微粒子ないしはカーボンブラックなど、
それ自体が導電性能を示す物質であって、繊維形成を阻
害するようなものでなければ特に限定されないが、製造
技術から見て本発明においてはカーボンブラックが好ま
しく使用される。
【0023】たとえば導電性微粒子にカーボンブラック
を用いた場合について代表例をあげれば、そのセルロー
スに対する添加量は導電性能と繊維の機械的性能から5
〜70重量%の範囲がよく、さらに好ましくは10〜3
0重量%がよい。というのも、この範囲を外れてカーボ
ンブラックの添加量が5重量%より低いと比較例2にし
めす通り繊維の比抵抗値はカーボンブラック未添加糸と
ほとんど変わらないし、一方、70重量%をこえる高い
カーボンブラック添加率のとき、すなわち比較例3に示
したカーボンブラック添加率76重量%では紡糸時の切
れ糸が多く継続紡糸ができなかった。
を用いた場合について代表例をあげれば、そのセルロー
スに対する添加量は導電性能と繊維の機械的性能から5
〜70重量%の範囲がよく、さらに好ましくは10〜3
0重量%がよい。というのも、この範囲を外れてカーボ
ンブラックの添加量が5重量%より低いと比較例2にし
めす通り繊維の比抵抗値はカーボンブラック未添加糸と
ほとんど変わらないし、一方、70重量%をこえる高い
カーボンブラック添加率のとき、すなわち比較例3に示
したカーボンブラック添加率76重量%では紡糸時の切
れ糸が多く継続紡糸ができなかった。
【0024】ここでいうカーボンブラックとは、例えば
AKZO社製の導電性カーボンブラックであるケッチェ
ンブラックEC(DBP吸油量360ml/100g、
粒子径30mμ)やケッチェンブラックEC600JD
(DBP吸油量360ml/100g、粒子径30m
μ)、あるいは場合によっては黒色着色剤としての三菱
化成社製、高級カラーブラック#2600(DBP吸油
量80ml/100g、粒子径13mμ)や中級カラー
ブラック#1000(DBP吸油量55ml/100
g、粒子径18mμ)など、あるいは大日精化製の導電
性カーボンブラック分散ペーストのT−1375ECや
黒色着色剤としてのカーボン分散ペーストのT−510
Blackのようにすでに顔料メーカーで分散調製され
た分散液中のカーボンブラックなどをさす。
AKZO社製の導電性カーボンブラックであるケッチェ
ンブラックEC(DBP吸油量360ml/100g、
粒子径30mμ)やケッチェンブラックEC600JD
(DBP吸油量360ml/100g、粒子径30m
μ)、あるいは場合によっては黒色着色剤としての三菱
化成社製、高級カラーブラック#2600(DBP吸油
量80ml/100g、粒子径13mμ)や中級カラー
ブラック#1000(DBP吸油量55ml/100
g、粒子径18mμ)など、あるいは大日精化製の導電
性カーボンブラック分散ペーストのT−1375ECや
黒色着色剤としてのカーボン分散ペーストのT−510
Blackのようにすでに顔料メーカーで分散調製され
た分散液中のカーボンブラックなどをさす。
【0025】さらに、一般的に導電性カーボンブラック
の導電レベルを表すパラメーターとしては、DBP吸油
量(=ジブチルフタレート吸油量、ASTM試験法のA
STM D2414−65T)が使われており、これら
の値の高いものほど高導電性を示すカーボンブラックで
あることはこの分野では周知の事実であるため、カーボ
ンブラックの固有抵抗値とはこれらの値に読み替えても
良いし、或いはカーボンブラック便覧<カーボンブラッ
ク協会編 P507(1971) 図書出版社>のカー
ボンブラックの電気伝導度測定法等によって計ってもよ
い。
の導電レベルを表すパラメーターとしては、DBP吸油
量(=ジブチルフタレート吸油量、ASTM試験法のA
STM D2414−65T)が使われており、これら
の値の高いものほど高導電性を示すカーボンブラックで
あることはこの分野では周知の事実であるため、カーボ
ンブラックの固有抵抗値とはこれらの値に読み替えても
良いし、或いはカーボンブラック便覧<カーボンブラッ
ク協会編 P507(1971) 図書出版社>のカー
ボンブラックの電気伝導度測定法等によって計ってもよ
い。
【0026】比抵抗値ρΩcmの測定は東亜電波工業株
式会社製の抵抗値測定機 SM−8210 極超絶縁計
を用いて、相対湿度30%の条件下で測定した。さらに
具体的には導電性セルロース系繊維の試料長L(cm)
を10cmとし、この10cm間に100(V)の電圧
をかけてそのときの電気抵抗値R(Ω)を測定し、繊維
の断面積をS(cm2 )としてρ(Ω・cm)=R×
(S/L)より求めた。ここにSは繊維の密度d=1.
5g/cm3 とみなし、Dは総デニール値をそのまま重
量(g)に読み替えた値として、S=D/(90000
0×d)より求めた。
式会社製の抵抗値測定機 SM−8210 極超絶縁計
を用いて、相対湿度30%の条件下で測定した。さらに
具体的には導電性セルロース系繊維の試料長L(cm)
を10cmとし、この10cm間に100(V)の電圧
をかけてそのときの電気抵抗値R(Ω)を測定し、繊維
の断面積をS(cm2 )としてρ(Ω・cm)=R×
(S/L)より求めた。ここにSは繊維の密度d=1.
5g/cm3 とみなし、Dは総デニール値をそのまま重
量(g)に読み替えた値として、S=D/(90000
0×d)より求めた。
【0027】
【実施例】以下に代表的な実施例を示すが、本例は発明
の理解を助けるための一例であって、それによって本発
明は何等制約を受けるものではない。
の理解を助けるための一例であって、それによって本発
明は何等制約を受けるものではない。
【0028】実施例1 導電性カーボンである『ケッチェンブラックEC:商品
名』(DBP吸油量360ml/100g、AKZO社
製)にノニオン性分散剤ポリオキシエチレンアルキルア
ミノエーテルを該カーボンにたいして25重量%と水を
添加、混合して該カーボンが10重量%の水分散溶液を
調整した。さらに黒色着色剤カーボンブラックである高
級カラーHCF#2600(DBP吸油量80ml/1
00g、三菱化成)を同様にして、15重量%の水分散
溶液を調整した。これらのカーボンブラック水分散液を
セルロース濃度が8%でアルカリ濃度が6%であるビス
コースにセルロースに対して、それぞれのカーボンブラ
ックが10重量%と15重量%の合計25重量%/ce
llとなるように添加し、2700rpmで30分間、
高速撹拌して混合したものを真空脱泡して紡糸原液を得
た。
名』(DBP吸油量360ml/100g、AKZO社
製)にノニオン性分散剤ポリオキシエチレンアルキルア
ミノエーテルを該カーボンにたいして25重量%と水を
添加、混合して該カーボンが10重量%の水分散溶液を
調整した。さらに黒色着色剤カーボンブラックである高
級カラーHCF#2600(DBP吸油量80ml/1
00g、三菱化成)を同様にして、15重量%の水分散
溶液を調整した。これらのカーボンブラック水分散液を
セルロース濃度が8%でアルカリ濃度が6%であるビス
コースにセルロースに対して、それぞれのカーボンブラ
ックが10重量%と15重量%の合計25重量%/ce
llとなるように添加し、2700rpmで30分間、
高速撹拌して混合したものを真空脱泡して紡糸原液を得
た。
【0029】このビスコースをネルソン型連続紡糸機を
用いて孔径0.07mmでホール数25の紡糸ノズルか
ら毎分11cc/分の吐出条件でH2 SO4 130g/
l、ZnSO4 16g/l、NaSO4 250g/l、
温度61℃の紡糸浴中に紡出したのち浴中距離200m
m、延伸率16%、とし40℃水洗、乾燥処理し、10
0m/分にて120d/25fを無撚でチーズに捲き取
り1.75kgの糸条をえた。このチーズの表面より5
000m毎に順次サンプリングをし、それぞれの導電性
能を評価した結果を表1に示した。導電性能としての比
抵抗値は5.6×105 〜3.0×106 Ωcmの範囲
に収まっており、そのばらつきは103Ωcm以内とな
っていた。
用いて孔径0.07mmでホール数25の紡糸ノズルか
ら毎分11cc/分の吐出条件でH2 SO4 130g/
l、ZnSO4 16g/l、NaSO4 250g/l、
温度61℃の紡糸浴中に紡出したのち浴中距離200m
m、延伸率16%、とし40℃水洗、乾燥処理し、10
0m/分にて120d/25fを無撚でチーズに捲き取
り1.75kgの糸条をえた。このチーズの表面より5
000m毎に順次サンプリングをし、それぞれの導電性
能を評価した結果を表1に示した。導電性能としての比
抵抗値は5.6×105 〜3.0×106 Ωcmの範囲
に収まっており、そのばらつきは103Ωcm以内とな
っていた。
【0030】
【表1】
【0031】この糸条を基布密度(経35本/cm×緯
40本/cm)、パイル密度を一株25本で約3万本/
inch2 、パイル長12mm、織幅15mm、のパイ
ルテープのパイルとして製織した後、直径20mmφの
円筒面に螺旋状に巻き付けて複写機用の接触帯電印加ブ
ラシを調製し、複写の反復試験をおこなった。複写1回
目と2万回目の複写画像の鮮明さを比較した結果を表2
に示した。2万回後の複写画像であっても僅かな筋が発
生したにとどまり、良好な結果であった。
40本/cm)、パイル密度を一株25本で約3万本/
inch2 、パイル長12mm、織幅15mm、のパイ
ルテープのパイルとして製織した後、直径20mmφの
円筒面に螺旋状に巻き付けて複写機用の接触帯電印加ブ
ラシを調製し、複写の反復試験をおこなった。複写1回
目と2万回目の複写画像の鮮明さを比較した結果を表2
に示した。2万回後の複写画像であっても僅かな筋が発
生したにとどまり、良好な結果であった。
【0032】
【表2】
【0033】実施例2 セルロースに対するケッチェンブラックECと高級カラ
ーHCF#2600の添加配合比が5:20以外は実施
例1と全く同じとした時の比抵抗値は2.1×108 〜
3.5×109 Ωcmの範囲に収まっており、そのばら
つきは103 Ωcm以内となっていた。
ーHCF#2600の添加配合比が5:20以外は実施
例1と全く同じとした時の比抵抗値は2.1×108 〜
3.5×109 Ωcmの範囲に収まっており、そのばら
つきは103 Ωcm以内となっていた。
【0034】実施例3 セルロースに対するケッチェンブラックECと高級カラ
ーHCF#2600の添加配合比が15:10以外は実
施例1と全く同じとした時の比抵抗値は1.0×102
〜4.1×103 Ωcmの範囲に収まっており、そのば
らつきは103Ωcm以内となっていた。
ーHCF#2600の添加配合比が15:10以外は実
施例1と全く同じとした時の比抵抗値は1.0×102
〜4.1×103 Ωcmの範囲に収まっており、そのば
らつきは103Ωcm以内となっていた。
【0035】実施例4 セルロースに対するケッチェンブラックECと高級カラ
ーHCF#2600の添加配合比が18:7以外は実施
例1と全く同じとした時の比抵抗値は2.7×102 〜
3.7×102 Ωcmの範囲に収まっており、そのばら
つきは103 Ωcm以内となっていた。
ーHCF#2600の添加配合比が18:7以外は実施
例1と全く同じとした時の比抵抗値は2.7×102 〜
3.7×102 Ωcmの範囲に収まっており、そのばら
つきは103 Ωcm以内となっていた。
【0036】実施例5 セルロースに対するケッチェンブラックECと高級カラ
ーHCF#2600の添加率をそれぞれ8.0重量%と
11.0重量%として、総添加率を19重量%とした以
外は実施例1と全く同じとした時の比抵抗値は5.4×
105 〜3.9×107 Ωcmの範囲に収まっており、
そのばらつきは103 Ωcm以内となっていた。また該
導電糸条のブラシ調製後の複写試験結果は実施例1と全
く同等な結果を得た。
ーHCF#2600の添加率をそれぞれ8.0重量%と
11.0重量%として、総添加率を19重量%とした以
外は実施例1と全く同じとした時の比抵抗値は5.4×
105 〜3.9×107 Ωcmの範囲に収まっており、
そのばらつきは103 Ωcm以内となっていた。また該
導電糸条のブラシ調製後の複写試験結果は実施例1と全
く同等な結果を得た。
【0037】実施例6 セルロースに対するケッチェンブラックECと高級カラ
ーHCF#2600の添加配合比を10:15として、
総添加率を50%/cellにした他は全て実施例1と
同様にしたときの比抵抗値は2.2×102 〜8.3×
102 Ωcmの範囲に収まっており、そのばらつきは1
03 Ωcm以内となっていた。また、該導電糸条のブラ
シ調製後の複写試験結果は実施例1と全く同等な結果を
得た。しかし、乾強度は1.07g/dとやや低下し
た。
ーHCF#2600の添加配合比を10:15として、
総添加率を50%/cellにした他は全て実施例1と
同様にしたときの比抵抗値は2.2×102 〜8.3×
102 Ωcmの範囲に収まっており、そのばらつきは1
03 Ωcm以内となっていた。また、該導電糸条のブラ
シ調製後の複写試験結果は実施例1と全く同等な結果を
得た。しかし、乾強度は1.07g/dとやや低下し
た。
【0038】実施例7 セルロース濃度が8重量%、アルカリ濃度が6重量%の
紡糸原液であるビスコースに大日精化製の導電性カーボ
ン粒子分散液であるT−1375・EC(カーボン純分
10.0重量%)と同じく大日精化製の黒色着色剤とし
てのカーボンブラック分散液のT−510Blackを
各々のカーボンブラックの添加率がセルロースに対して
10重量%と15重量%になるように添加調製した。
紡糸原液であるビスコースに大日精化製の導電性カーボ
ン粒子分散液であるT−1375・EC(カーボン純分
10.0重量%)と同じく大日精化製の黒色着色剤とし
てのカーボンブラック分散液のT−510Blackを
各々のカーボンブラックの添加率がセルロースに対して
10重量%と15重量%になるように添加調製した。
【0039】このビスコースを3000rpmで30分
間、高速撹拌して混合したものを真空脱泡して紡糸原液
を得た。このようにして得たビスコースをビスコース以
外の条件は実施例1とまったく同じとしてチーズに捲き
取り1.75kgの糸条を得た。このチーズの表面より
実施例1と同様に糸層別のサンプリングをし、それぞれ
の導電性能を評価した結果を表1に示した。この時の比
抵抗値は1.6×10 5 〜7.3×106 Ωcmに収ま
っており、そのばらつきは103 Ωcm以内となってい
た。
間、高速撹拌して混合したものを真空脱泡して紡糸原液
を得た。このようにして得たビスコースをビスコース以
外の条件は実施例1とまったく同じとしてチーズに捲き
取り1.75kgの糸条を得た。このチーズの表面より
実施例1と同様に糸層別のサンプリングをし、それぞれ
の導電性能を評価した結果を表1に示した。この時の比
抵抗値は1.6×10 5 〜7.3×106 Ωcmに収ま
っており、そのばらつきは103 Ωcm以内となってい
た。
【0040】また、この糸条を基布密度(経35本/c
m×緯40本/cm)、パイル密度を一株25本で約3
万本/inch2 、パイル長12mm、織幅15mm、
のパイルテープのパイルとして製織した後、直径20m
mφの円筒面に螺旋状に巻き付けて複写機用印加ブラシ
を調製し、複写の反復試験をおこなった。複写1回目と
2万回目の複写画像の鮮明さを比較した結果を表2に示
した。2万回後の複写画像であってもわずかな筋が発生
したにとどまり、良好な結果であった。
m×緯40本/cm)、パイル密度を一株25本で約3
万本/inch2 、パイル長12mm、織幅15mm、
のパイルテープのパイルとして製織した後、直径20m
mφの円筒面に螺旋状に巻き付けて複写機用印加ブラシ
を調製し、複写の反復試験をおこなった。複写1回目と
2万回目の複写画像の鮮明さを比較した結果を表2に示
した。2万回後の複写画像であってもわずかな筋が発生
したにとどまり、良好な結果であった。
【0041】比較例1 実施例1で調製したケッチェンブラックの水分散液をセ
ルロース濃度が8重量%、アルカリ濃度が6重量%のビ
スコースにセルロースに対するカーボンブラックが1
7.2%となるように紡糸原液を調製した他は実施例1
と同じようにして得た糸条の比抵抗値は3.2×104
〜6.9×109 Ωcmの範囲のものでバラツキとして
は106 Ωcmもあった。また実施例1と同様にして複
写機用印加ブラシを加工し、複写反復試験を行った。1
回目のコピーで淡色の筋が少し発生し、2万回目では全
面に濃い筋が発生した。
ルロース濃度が8重量%、アルカリ濃度が6重量%のビ
スコースにセルロースに対するカーボンブラックが1
7.2%となるように紡糸原液を調製した他は実施例1
と同じようにして得た糸条の比抵抗値は3.2×104
〜6.9×109 Ωcmの範囲のものでバラツキとして
は106 Ωcmもあった。また実施例1と同様にして複
写機用印加ブラシを加工し、複写反復試験を行った。1
回目のコピーで淡色の筋が少し発生し、2万回目では全
面に濃い筋が発生した。
【0042】比較例2 実施例1で調製したケッチェンブラックの水分散液をセ
ルロース濃度が8重量%、アルカリ濃度が6重量%のビ
スコースにセルロースに対するカーボンブラック添加率
を2重量%にした他は全て実施例1と同様にして得た糸
条の比抵抗値は1.9×108 〜8.3×1010Ωcm
の範囲のものとなって、通常レーヨンの比抵抗値と殆ど
変わらず導電性レーヨンといえるに至らなかった。
ルロース濃度が8重量%、アルカリ濃度が6重量%のビ
スコースにセルロースに対するカーボンブラック添加率
を2重量%にした他は全て実施例1と同様にして得た糸
条の比抵抗値は1.9×108 〜8.3×1010Ωcm
の範囲のものとなって、通常レーヨンの比抵抗値と殆ど
変わらず導電性レーヨンといえるに至らなかった。
【0043】比較例3 実施例1で調製したケッチェンブラックの水分散液を用
いてカーボンブラックの添加率を76重量%とした他は
全て実施例1と同様にして得た糸条の比抵抗値は4.7
×102 〜7.3×104 Ωcmの範囲におさまったも
のの、紡糸時の断糸が多いことと、強度低下で操業上に
問題があった。
いてカーボンブラックの添加率を76重量%とした他は
全て実施例1と同様にして得た糸条の比抵抗値は4.7
×102 〜7.3×104 Ωcmの範囲におさまったも
のの、紡糸時の断糸が多いことと、強度低下で操業上に
問題があった。
【図1】カーボン含有量と比抵抗との関係を表すグラフ
である。
である。
【図2】導電性カーボンと黒色着色剤を混合使用した場
合のカーボン含有量と比抵抗との関係を表すグラフであ
る。
合のカーボン含有量と比抵抗との関係を表すグラフであ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 導電性微粒子を含有し、比抵抗値のばら
つきが103 Ωcm以内であることを特徴とする電気抵
抗特性の安定した導電性セルロース系繊維。 - 【請求項2】 導電性微粒子として少なくとも2種以上
の固有抵抗値の異なった導電性微粒子を含むことを特徴
とする請求項1記載の導電性セルロース系繊維。 - 【請求項3】 導電性微粒子をセルロースに対して5重
量%以上70重量%以下含有する請求項1又は2に記載
の導電性セルロース系繊維。 - 【請求項4】 導電性セルロース系繊維の比抵抗値が1
02 〜1010Ωcmの範囲である請求項1ないし3項の
いずれか1項に記載の導電性セルロース系繊維。 - 【請求項5】 請求項1に記載の導電性セルロース系繊
維を含む接触帯電用印加ブラシ。 - 【請求項6】 請求項1に記載の導電性セルロース系繊
維を含むクリーナー用除電ブラシ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19744195A JP2933270B2 (ja) | 1995-08-02 | 1995-08-02 | 電気抵抗特性の安定した導電性セルロース系繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19744195A JP2933270B2 (ja) | 1995-08-02 | 1995-08-02 | 電気抵抗特性の安定した導電性セルロース系繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0949116A true JPH0949116A (ja) | 1997-02-18 |
JP2933270B2 JP2933270B2 (ja) | 1999-08-09 |
Family
ID=16374565
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19744195A Expired - Fee Related JP2933270B2 (ja) | 1995-08-02 | 1995-08-02 | 電気抵抗特性の安定した導電性セルロース系繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2933270B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009185440A (ja) * | 2005-08-11 | 2009-08-20 | Teijin Fibers Ltd | 導電性繊維およびブラシ |
-
1995
- 1995-08-02 JP JP19744195A patent/JP2933270B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009185440A (ja) * | 2005-08-11 | 2009-08-20 | Teijin Fibers Ltd | 導電性繊維およびブラシ |
JP2012137764A (ja) * | 2005-08-11 | 2012-07-19 | Teijin Fibers Ltd | 導電性ブラシ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2933270B2 (ja) | 1999-08-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9035188B2 (en) | Electro-conductive multifilament yarn and electro-conductive brush | |
JPH1063162A (ja) | 導電ファイバを有する小型クリーニングブラシ | |
JP5609638B2 (ja) | 導電性フロックおよび導電ブラシ | |
JPH0949116A (ja) | 電気抵抗特性の安定した導電性セルロース系繊維 | |
JP5051571B2 (ja) | 導電繊維およびその用途 | |
JPH0949117A (ja) | 導電性セルロース系繊維 | |
JP3948848B2 (ja) | 導電性セルロース系繊維 | |
JP4436725B2 (ja) | 導電マルチフィラメント糸 | |
JP4148384B2 (ja) | セルロース系導電糸及び接触帯電ブラシ | |
JP2002212829A (ja) | 導電性ポリビニルアルコール系繊維及びその製造方法 | |
US11994823B2 (en) | Image forming apparatus | |
JPH0129887B2 (ja) | ||
JP2007003791A (ja) | 導電性ブラシ | |
JP5332269B2 (ja) | 導電性フロック | |
JP2009114554A (ja) | 導電性繊維およびこれを用いた導電性ブラシ | |
JP5326942B2 (ja) | 導電性ポリアミド繊維および導電ブラシ | |
JP2006097146A (ja) | 導電性複合繊維及びそれからなる接触帯電ブラシ | |
JP2014122930A (ja) | クリーニングブラシ及びそれを備えた画像形成装置 | |
JP2004131900A (ja) | 導電性異収縮混繊糸およびブラシ | |
JP2013101326A (ja) | 帯電部材および電子写真画像形成装置 | |
JP2021055214A (ja) | 芯鞘型複合繊維 | |
JPS6342791B2 (ja) | ||
JP2019163568A (ja) | 導電繊維およびブラシ | |
JP2019049065A (ja) | 導電性ポリアミド繊維 | |
JP2001271218A (ja) | 半導電性繊維及びその使用 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |