JP2009221632A - 芯鞘複合アクリル系導電性フィラメント - Google Patents

芯鞘複合アクリル系導電性フィラメント Download PDF

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Abstract

【課題】芯部に高濃度の導電性微粒子を含有し、芯鞘比率を最適化することにより高度な導電性能と、安定した工程通過性を両立した芯鞘複合アクリル系導電性繊維を提供する。
【解決手段】導電性微粒子を含有する芯部と、導電性微粒子を含有しない鞘部より構成され、下記要件(1)〜(3)を満足する芯鞘複合アクリル系導電性フィラメント。
(1)芯鞘比率が15/85〜50/50
(2)芯部の導電性微粒子含有率が20〜60質量%
(3)単繊維比抵抗値が101 〜106 Ω・cm
【選択図】なし

Description

本発明は優れた導電性を有し、帯電防止効果や電磁波シールド効果が必要とされる衣料・インテリア用途および資材用途に好適なアクリル系導電性フィラメントに関するものである。
アクリルフィラメントは風合い、染色性等において優れた特徴を発揮し、衣料用途に用いられている。しかし、一般にアクリル繊維は電気絶縁性であり、接触や摩擦により発生した静電気は容易に漏洩することはない。この結果、(1)衣類のまとわりつき、(2)汚れの付着、(3)衣類に帯電した静電気が原因となる可燃ガス、粉塵への引火、爆発、(4)電子機器の誤作動等、種々の問題を引き起こす。特に近年はパソコン等の電子機器の普及に伴い、上記(4)の障害がクローズアップされている。
さらに、コピー機やファックス等においては導電性繊維を用いてなる帯電ブラシや除電ブラシが使用されている。これらの用途では導電性能をコントロールし、均一な性能を発揮することで印刷品質を保持しているが、導電性繊維の経時劣化等により導電性能が低下すると印刷品位も低下する等の問題が生じている。
これら種々の問題を排除すべく、これまで様々な導電性繊維の開発がなされており、例えば繊維表面に金属メッキを施して導電性を付与せしめたものや、導電性カーボンブラックを分散せしめた樹脂類を繊維表面にコーティングすることにより、導電性被覆層を形成したもの等がある。しかし、これらは製造工程が複雑で技術的に困難な方法によるものであったり、導電性繊維を実用に供するための準備段階、例えば、糸加工や編織工程、染色や精錬工程での薬品処理、また、実際の使用における磨耗や繰り返し洗濯といった外的作用により導電性が容易に低下し、実用の域を脱してしまうという問題があった。
これらの他導電性繊維として、スチール繊維の様な金属繊維が除電性能に優れた繊維として知られているが、金属繊維は製造コストが高く、しかも一般の有機繊維とは馴染み難く、製品欠点となり易かったり、着用時や洗濯時に断線・脱落が生じやすく、さらには通電性に基づく感電・スパークの問題、布帛の溶融トラブル等の原因となっていた。
また、導電性物質を均一に分散させたポリマー単体より導電性繊維を得る方法が多数提案されているが、これらの導電性繊維は導電性物質を多量に含有するため繊維の製造が難しく、且つ、繊維物性が著しく低下するという問題があった。このような問題を解決する提案として、芯部ポリマーに導電性物質を含有させ、鞘部は通常の繊維形成性ポリマーからなる芯鞘複合タイプの導電性繊維とする方法(特許文献1)が提案されている。この場合は繊維性能を保持するために導電成分が非導電成分である鞘に厚く覆われており、十分な導電性を得ることが困難である。
上記のような問題を解決し導電性能を向上せしめるべく、導電性成分を繊維表面の一部に露出した導電性複合繊維が数多く提案されている(特許文献2、3、4)。しかしながらこれらの導電性繊維は繊維表面に導電層が露出しているため、優れた導電性能を発揮するが、繊維製造および後工程での毛羽、ガイド類との擦過による導電層成分の剥離、ガイド磨耗等、種々の問題がある。
特開昭55−1337号公報 特開2001−49532号公報 特開2003−105634号公報 特開2003−278031号公報
本発明は芯部に高濃度の導電性微粒子を含有し、芯鞘比率を最適化することにより高度な導電性能と、安定した工程通過性を両立した芯鞘複合アクリル系導電性フィラメントを提供することにある。
本発明の要旨とするところは、導電性微粒子を含有する芯部と、実質的に導電性微粒子を含有しない鞘部より構成され、下記要件(1)〜(3)を満足する芯鞘複合アクリル系導電性フィラメントにある。
(1)芯鞘比率が15/85〜50/50
(2)芯部の導電性微粒子含有率が20〜60質量%
(3)単繊維比抵抗値が101 〜106 Ω・cm
本発明による芯鞘型複合アクリル繊維において、摩擦や擦過による導電性能の低下が少なく、工程通過性に優れた導電性繊維を得ることが出来る。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明における芯部および鞘部を構成するアクリル系重合体は、通常アクリル系繊維の製造に用いられる共重合体であればよく、特に限定はない。また、芯部と鞘部を構成するアクリル系重合体は同一組成であっても異なる組成であってもよいが、繊維物性上その単量体の構成は、少なくとも50質量%のアクリロニトリルを含有していることが好ましい。
アクリロニトリルと共重合可能な単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸およびそれらの誘導体、酢酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、更に目的によってはビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、メタリルスルホン酸ソーダ、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸ソーダ等のイオン性不飽和単量体等を用いることが出来る。
本発明において、芯部に含有する導電性微粒子としては特に限定するものではないが、鉄、銅、アルミニウム、鉛、錫、金、銀、ニッケル等に代表される金属類およびそれらの酸化物、硫化物、カルボニル塩、またはITO(インジウム・スズ酸化物)、ATO(アンチモン・スズ酸化物)、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物およびこれらの硫酸バリウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、アルミニウムの担体微粒子にコーティングした非金属系導電材、ファーネス、チャンネル、サーマル、アセチレンブラックに代表されるカーボンブラック系導電材、およびポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン等に代表される導電性高分子化合物、テトラシアノパラキノジメタン(TCNQ)、テトラチアフルバレン(TTF)との錯体に代表される有機導電性化合物等が挙げられる。
本発明のアクリル系導電性フィラメントは芯鞘構造を有する複合繊維であり、繊維断面における面積比率が芯部/鞘部=15/85〜50/50の範囲にあることが必要である。芯部比率が15%に満たない場合は、十分な導電性能を発揮することが出来ず、50%を超える場合は完全な芯鞘構造を得ることが困難となり、芯部が繊維表面に露出することが多くなるとともに、紡糸安定性および延伸性が低下し、実用上十分な繊維性能を得ることが困難となる。
芯成分に含まれる導電性微粒子の含有率は20〜60質量%の範囲であることが必要である。芯成分の導電性微粒子含有率が20質量%未満の場合は十分な導電性能を発揮することが困難となり、60質量%を超える場合は紡糸原液中で十分な分散性を得ることが困難となり、芯鞘形状の維持が困難になるとともに安定した導電性能発現にも支障をきたす。更に本発明においては、繊維全体に占める導電性微粒子の含有率は5〜20質量%の範囲にあることが好ましい。繊維中の導電性微粒子含有率が5質量%未満の場合は十分な導電性能を発揮することが困難となり、20質量%を超える場合は紡糸安定性および工程通過性を損ない好ましくない。
本発明のアクリル系導電性フィラメントの単繊維比抵抗値は101 〜106 Ω・cmの範囲にあることが必要である。比抵抗値が106 Ω・cmを超える場合は導電性繊維としての性能に乏しく、101 Ω・cmに満たない場合は通電性が高くなり、静電気スパーク等の問題を発生し易くなる。
本発明のアクリル系導電性フィラメントは、例えば次の方法で製造される。芯部を形成する紡糸原液はアクリル系重合体が15〜30質量%となるように調製した紡糸原液に、更に導電性微粒子を導電性微粒子とアクリル系重合体の質量比で20/80〜60/40となるように添加し、均一に分散させる。鞘部を形成する紡糸原液はアクリル系重合体を15〜30質量%となるように、芯部形成紡糸原液とは別々に調製する。このとき使用する溶媒はアクリル系重合体を溶解可能なものであれば良く、例えば硝酸水溶液、塩化亜鉛水溶液、ロダン塩水溶液等の無機溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、エチレンカーボネート、アセトン等の有機溶剤等が好適である。溶剤は芯部、鞘部で異なっていても問題はないが溶剤回収の点から同一のものであることが好ましい。
芯部、鞘部をそれぞれ形成する二つの紡糸原液は、分配板を備えた芯鞘複合紡糸ノズルより繊維形態に賦型される。このときの紡糸方法は通常アクリル系繊維を製造する湿式紡糸法、乾式紡糸法、乾湿式紡糸法等が挙げられるが、複合紡糸法に適した湿式紡糸法または乾湿式紡糸法によることが好ましい。紡糸凝固浴条件は特に限定されないが、例えば溶剤としてジメチルアセトアミドを用いた場合、温度0〜45℃、溶剤濃度10〜75%が紡糸安定性の点から好ましい。得られた凝固糸は公知の方法で延伸、洗浄、乾燥、熱緩和処理を施し、バランスの取れた力学特性を付与した本発明の芯鞘複合アクリル系導電性フィラメントが得られる。
以下、実施例により更に本発明を具体的に説明する。
[芯鞘比率]
繊維断面を走査型電子顕微鏡で観察し、芯部、鞘部の面積比率を算出した。
[単繊維比抵抗値]
フィラメント束より単繊維を取り出し20℃、40%RHにおいて、長さ1cmの測定長で1000Vの直流電流を印加して、電気抵抗Rを超絶縁計(東亜電波株式会社製:SM−8210)により測定した。比抵抗値ρは次式により算出した。
ρ(Ω・cm)=R(Ω)×繊度(dtex)/繊維比重
[実施例1〜3、比較例1〜5]
表1に示すアクリル系重合体Aは、アクリロニトリル93質量%と酢酸ビニル7質量%とからなり、アクリル系重合体Bは、アクリル系重合体Aの組成中、酢酸ビニル7質量%を6質量%に減じ、これにメタリルスルホン酸ソーダを1質量%加えたものである。
表1の重合体Aに示すアクリル系重合体6質量%と、ファーネスブラック(三菱化学株式会社製:MA−100B)12質量%と、ジメチルアセトアミド82質量%を混合攪拌し、ビーズミルにて均一に分散しファーネスブラックの分散液を得た。
表1の重合体Bに示すアクリル系重合体を固形分濃度26質量%となるようにジメチルアセトアミドに溶解し鞘成分を構成する紡糸原液を調製した。
芯成分を構成する紡糸原液はファーネスブラック分散液と鞘成分を構成する紡糸原液とを均一に分散混合し導電性微粒子が表2に示す割合になるように調製した。
こうして得られたそれぞれの紡糸原液を孔数37ホールの芯鞘複合ノズルより空気層(距離5mm)を介してジメチルアセトアミド73質量%と水27質量%よりなる、温度40℃の凝固浴に吐出した。この後、水洗、沸水中での湿熱延伸、乾燥後更に乾熱状態での熱延伸および熱板による緩和熱処理を施し、油剤付与後、巻き取り速度250m/minにてボビンに巻き取りアクリル系複合繊維を得た。このときの紡糸性および得られた繊維の芯鞘比率、単繊維比抵抗値を表2に示す。表2において紡糸性の評価基準は次の通りである。
○:糸切れ、毛羽の発生がなく、紡糸性良好。
△:糸切れの発生はないものの、若干毛羽が発生。
×:糸切れが発生し、紡糸性不良。
Figure 2009221632
Figure 2009221632

Claims (1)

  1. 導電性微粒子を含有する芯部と、導電性微粒子を含有しない鞘部より構成され、下記要件(1)〜(3)を満足する芯鞘複合アクリル系導電性フィラメント。
    (1)芯鞘比率が15/85〜50/50
    (2)芯部の導電性微粒子含有率が20〜60質量%
    (3)単繊維比抵抗値が101 〜106 Ω・cm
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