JP2000160357A - 表面処理金属箔 - Google Patents

表面処理金属箔

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JP2000160357A
JP2000160357A JP34660998A JP34660998A JP2000160357A JP 2000160357 A JP2000160357 A JP 2000160357A JP 34660998 A JP34660998 A JP 34660998A JP 34660998 A JP34660998 A JP 34660998A JP 2000160357 A JP2000160357 A JP 2000160357A
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chromium
compound layer
chromium compound
layer
metal foil
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JP34660998A
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Yuichi Kanda
勇一 神田
Shinei Sato
進英 佐藤
Shigenari Otake
重成 大竹
Takeshi Suzuki
竹四 鈴木
Seiji Kumagai
誠司 熊谷
Kango Natsume
官五 夏目
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Mitsubishi Shindoh Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Shindoh Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/10Bump connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/12Structure, shape, material or disposition of the bump connectors prior to the connecting process
    • H01L2224/13Structure, shape, material or disposition of the bump connectors prior to the connecting process of an individual bump connector

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂との接合性が良好な表面処理金属箔を提
供すること。 【解決手段】 少なくとも外面が金属で形成された基体
1と、この基体1の外面の少なくとも一部に形成された
クロム化合物層2とを有する表面処理金属箔8であっ
て、前記クロム化合物層2の表面には多数の微細な鱗片
状突起が形成され、前記クロム化合物層2中に含まれる
酸素/クロムの元素比は、前記基体1側から表面側にい
くにつれ増大しているものとする。また、前記クロム化
合物層2の厚さは0.05〜3.0μmであり、前記基
体1側における前記クロム化合物層2中の酸素/クロム
の元素比は70:30〜30:70であり、前記表面側
における前記クロム化合物層2中の酸素/クロムの元素
比は90:10〜50:50であるものとするのが望ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子電気用部品な
どに使用される金属箔に関し、とくに、少なくとも表面
が金属で形成された基体の表面に、鱗片状をなす多数の
突起が起立した状態で形成されたクロム化合物層を形成
することにより、前記基体と樹脂との接合性を高めた表
面処理金属箔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、リードフレーム、プリント回路
基板、半導体素子と放熱体との固定構造などの電子電気
用部品においては、配線パターンを形成する金属箔が使
用されている。この金属箔は、通常、樹脂に接合された
状態で使用されている。しかしながら、金属箔と樹脂と
の接合界面は、剥離し易いという根本的な問題を抱えて
いる。特に、樹脂として、エポキシ樹脂やポリイミド樹
脂などの熱硬化性樹脂、または成形温度の高い熱可塑性
樹脂を使用する場合には、これら樹脂を成形する際に部
品全体を200〜300℃という高温に曝す必要が生じ
るが、樹脂と金属面との接合性が悪いと、金属面に吸着
していた水分が膨張して樹脂と金属面との剥離を助長
し、樹脂が割れたり、ブリスターと呼ばれる気泡を生
じ、内部の耐食性が損なわれるばかりか、部品内部の素
子構造や配線パターンを損傷するおそれもある。このた
め、信頼性の高い電子電気部品を製造するには、金属箔
と樹脂との接合性を高めることがきわめて重要である。
【0003】金属箔と樹脂との接合性を高める手段とし
ては、金属箔に穴や粗面を機械的に形成することも有効
であるが、このような機械加工には多大なコストがかか
る。そこで、特に金属面側になんらかの表面処理を行
い、樹脂との接合性を高めようとする試みが従来から行
われている。
【0004】その一つは「黒染め」と呼ばれる表面処理
であり、対象は銅または銅合金に限られる。黒染めを行
うには、銅または銅合金からなる金属箔を、強アルカリ
溶液に浸漬して煮沸する。すると、金属箔の表面には微
細な繊維状の析出物が均一に生じ、ビロード状を呈す
る。この繊維状の析出物は亜酸化銅であり、この表面に
樹脂層を形成すると、 処理しない場合に比べて接合強
度を高める効果が得られる。
【0005】しかしながら、前記黒染めによって得られ
た処理面は耐久性に劣り、樹脂との接合強度は、時間が
たつにつれ、あるいは加熱処理を経ると、低下する問題
があった。また、樹脂がPEEK(ポリエーテルエーテ
ルケトン)などの特に硬い材質であると、処理面の繊維
状析出物が破壊されて樹脂層が剥離するという問題もあ
った。これらの問題を有するため、黒染め処理は高価な
精密部品や極めて高い信頼性が要求される分野には使用
できないのが現状である。
【0006】一方、金属と樹脂との接合性を高めるため
の他の処理方法もある。例えば、特開平9−20916
7号公報には、金属母材とモールド樹脂との接合性を高
めるために、母材を予め6価のクロム酸を含む溶液中に
浸漬し、母材表面に3価のクロムを含む薄い酸化物被膜
を形成する技術が記載されている。この文献に記載され
ているめっき液は、 例えば、1〜10%のCrO3と、
0.1〜1%の硫酸または硝酸とからなるものであり、
このめっき液に20〜50℃において10〜60秒間、
電気をかけずに銅板を浸漬し、酸化物被膜を形成する。
なお、前記文献には、浸漬時間が60秒以上では酸化物
被膜が厚すぎると記載されている。本発明者らの追実験
によれば、この条件で形成される酸化物被膜は、表面が
なめらかな被膜であった。
【0007】また、特開平9−172125号公報に
は、リードフレームと樹脂パッケージとの接合性を高め
るために、リードフレームの表面に、亜鉛:クロムの比
が約4:1以上であるクロム/亜鉛の混合物を形成する
技術が開示されており、この混合物皮膜の厚さは、10
〜1000オングストロームが好ましく、もっとも好ま
しくは40〜80オングストローム(0.04〜0.0
8μm)と記載されている。この文献に挙げられている
処理液は、水酸化物イオンと、0.07〜7g/lの亜
鉛イオンと、0.1〜100g/lの6価クロム塩とを
含有するものであり、リードフレームをこの中で電気め
っきすることにより被膜を形成する。本発明者らの追実
験によれば、この条件で形成される厚さ0.04〜0.
08μmの被膜は、緻密で表面がなめらかなものであっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者ら
は、この種の金属箔の表面処理方法について様々な研究
を行い、クロム酸およびクロム酸の塩類から選択される
1または2以上の物質とを含有するめっき液を使用し、
従来よりも高い陰極電流密度でめっきを行った場合、こ
れまで知られていない奇妙な表面構造を有する被膜が形
成できることを見いだした。この被膜は前述した2種の
被膜よりも厚いものであり、その表面には鱗片状をなす
多数の突起が起立した状態で形成されている。このよう
な鱗片状突起が形成された場合、常識からすれば鱗片状
突起が鱗状に剥がれることが予想されるが、本発明者ら
の実験ではこの鱗片状突起は金属から剥離しにくく、し
かも樹脂を接合した場合の接合力が大幅に増大すること
が判明した。
【0009】本発明は上記の知見に基づいてなされたも
のであり、樹脂との接合性が良好な表面処理金属箔を提
供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る表面処理金属箔は、少なくとも外面が
金属で形成された基体と、この基体の外面の少なくとも
一部に形成されたクロム化合物層とを有する表面処理金
属箔であって、前記クロム化合物層の表面には多数の微
細な鱗片状突起が形成され、前記クロム化合物層中に含
まれる酸素/クロムの元素比は、前記基体側から表面側
にいくにつれ増大していることを特徴とする。
【0011】また、本発明に係る表面処理金属箔では、
前記クロム化合物層の厚さは0.05〜3.0μmであ
り、前記基体側における前記クロム化合物層中の酸素/
クロムの元素比は70:30〜30:70であり、前記
表面側における前記クロム化合物層中の酸素/クロムの
元素比は90:10〜50:50であることを特徴とす
る表面処理金属箔とするのが望ましい。
【0012】さらに、本発明の表面処理金属箔では、前
記クロム化合物層の厚さは0.05〜3.0μmであ
り、前記基体から厚さ0.1μm内における酸素原子分
率は35〜75%、クロム原子分率は65〜25%であ
り、前記表面から厚さ0.1μm内における酸素原子分
率は45〜85%、クロム原子分率は55〜15%であ
る表面処理金属箔とするのが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を詳細に
説明する。図1は、本発明の表面処理金属箔の一例を示
した断面図である。この表面処理金属箔8は、箔状の基
体1と、この基体1の上面にめっきにより形成されたク
ロム化合物層2とからなるものである。この表面処理金
属箔8の主たる特徴は、クロム化合物層2にある。
【0014】図2は、図1に示した表面処理金属箔を用
いた金属積層板の一例を示した断面図である。この金属
積層板は、金属基板6上に、樹脂接着層4を介して、図
1に示す表面処理金属箔8をクロム化合物層2表面が接
合される面となるように接着したものである。
【0015】前記クロム化合物層2は、実質的に一定の
厚さを有し、その表面には、微細な鱗片状突起(もしく
は平板状突起、薄片状突起、フレーク状突起、鱗状片)
が全面に亘って形成されている。鱗片状突起は、クロム
化合物層2の表面から垂直とは限らないが起立してお
り、個々の鱗片状突起のクロム化合物層表面と平行な長
径方向は、互いに異なる方向に向けられている。このよ
うに鱗片状突起がクロム化合物層2の表面から立ち上が
っているため、樹脂接着層4の樹脂がクロム化合物層2
内に深く侵入し、アンカー効果により接合強度を著しく
向上する。 また、鱗片状突起が実質的にランダム(ま
たは無秩序、不定)な方向を向いているため、いかなる
方向に力が掛かる場合にも、クロム化合物層2と樹脂接
着層4との接合強度が均質であるうえ、クロム化合物層
2中に樹脂が侵入しやすくなる。
【0016】図5および図6は、この鱗片状突起の一例
の50000倍電子顕微鏡写真およびその一部分を拡大
した模式図である。各鱗片状突起Aはそれぞれ、それよ
りも下層の構造から隆起・成長した扁平で不定形をなす
突起であり、大きさはばらつきがあるものの概ね揃って
いる。これら鱗片状突起Aの大きさは限定はされない
が、本発明者らの実験によると、長径方向の幅Wは
0.05〜1.5μmであると樹脂との接合強度が高
く、より好ましくは0.15〜0.35μmであり、最
適には0.2〜0.3μmである。0.05μmより小
さいと鱗片状突起が小さすぎてアンカー効果が小さくな
り、樹脂との接合強度がその分小さくなる。また、1.
5μmより大きいと鱗片状突起がクロム化合物層2から
脱落するおそれが生じる。 鱗片状突起Aの厚さTは
0.01〜0.5μmであると樹脂との接合強度が高
く、より好ましくは0.02〜0.07μmであり、最
適には0.03〜0.05μmである。なお、ここでい
う鱗片状突起の寸法は、電子顕微鏡写真像を採寸して求
めた数字とする。鱗片状突起があまり大きいとその中に
めっき液が残留しやすいため、樹脂層を形成する目的で
加熱した際に、 ガスを生じてブリスターが発生する問
題を生じやすい。
【0017】クロム化合物層2全体の厚さは、本発明で
は限定されないが、上記寸法範囲の鱗片状突起を形成す
るために、好ましくは0.05〜3.0μmであり、よ
り好ましくは0.1〜1.0μmであり、最適には0.
12〜0.5μmである。クロム化合物層2の厚さが
0.05μmより小さいと、十分な深さの鱗片状突起A
が形成されないため、アンカー効果が小さくなり、樹脂
接着層の接合力を十分に高めることが難しくなるため好
ましくない。 他方、3.0μmより大きいと、鱗片状
突起が粗大化し、かつ、深くなって、島状部分Bが基体
1から脱落しやすくなる。また、水分吸着量が多くな
り、ブリスターが発生しやすくなるため好ましくない。
【0018】また、クロム化合物層2の厚さと鱗片状突
起の大きさとは、ある程度の正の相関を有していると考
えられる。クロム化合物層2は、後述するように、下層
部では緻密な構造を有しており、基体1の表面に達する
ような開口部もしくは気孔を有していないと考えられ
る。
【0019】このように微細な鱗片状突起が多数形成さ
れていることにより、樹脂接着層4の一部は鱗片状突起
内に侵入し、いわばアンカー効果(投錨効果)によりク
ロム化合物層2と強く結合する。しかも、鱗片状突起は
クロム化合物層2と一体的に形成されているため、樹脂
接着層4と結合した鱗片状突起が個別に基体1から剥
離、脱落することがなく、アンカー効果が最大限に発揮
される。さらに、アンカー効果のみならず、 後述する
組成のクロム化合物層2によれば、クロム化合物層2と
樹脂接着層4との間、ならびに、クロム化合物層2と基
体1との間の接合力そのものが高いので、いっそう接合
強度を高めることが可能である。
【0020】クロム化合物層2の材質は、クロム酸化
物、クロム水酸化物から選択される1種または2種以上
を含有したものであることが好ましい。クロム化合物層
2として使用可能なクロム酸化物およびクロム水酸化物
は、両者が混在した一種の不定比化合物であると考えら
れる。
【0021】これらクロム酸化物およびクロム水酸化物
の組成は好ましくは以下のとおりである。 クロム酸化物:Cr15112 クロム水酸化物:Cr(OH)16 前記クロム化合物層2中のクロム酸化物およびクロム水
酸化物の含有量は、層全体として30〜70wt%であ
ることが好ましく、より好ましくは40〜50wt%で
ある。
【0022】また、クロム化合物層2は、市販の黒クロ
ムめっき液、例えば、メルテックス社製商品名「エコノ
クロムBK」、エバラユージーライト社製商品名「B−
400」、アトテックジャパン社製商品名「M&Tクロ
ムBC」シリーズなどを使用して形成することができ
る。
【0023】また、工業的に特に好適な基体1の材質と
しては、一般には銅または銅合金が使用されるが、これ
らに限定されることはなく、例えば、以下に示す材質な
どが好ましく使用される(商標も含む): 36〜52
Ni−Fe合金(特に42合金)、無酸素銅(C102
0)、リン脱酸銅、C194(TAMAC194)合
金、TAMAC4合金、TAMAC2合金、MSP1合
金、OMCL1合金、TAMAC15合金、C151合
金、黄銅(Cu−Zn合金C2600等)、リン青銅
(C5191等)、タフピッチ銅。リン青銅は、導電率
が17〜18%しかないが、絞り加工やプレス加工が容
易であるという利点を有する。一般的には、純銅に対す
る導電率比ECが60%以上である材質が好ましい。ま
た、基体1の厚さは、とくに限定されないが、プリント
配線板などに使用される場合には、通常、0.005〜
1.0mm程度とされる。
【0024】樹脂接着層4の材質は、限定されないが、
一般的な電子電気用部品では、ポリイミド系樹脂(接着
剤)、ポリアミド系樹脂(接着剤)、エポキシ系樹脂
(接着剤)、ポリエーテルエーテルケトン(PEE
K)、フェノール系樹脂、ポリエステル樹脂などが例示
できる。この中でも、とくに、ポリイミド系樹脂および
エポキシ樹脂は多用されており、本発明品との接合性も
良好である。また、樹脂接着層4の厚さは、限定されな
いが、プリント配線板などに使用される金属積層板の場
合には、通常、0.1〜3.2mmとされることが多
い。さらにまた、金属基板6の代わりに金属箔を使用す
る場合には、金属箔の厚さは5〜100μmの厚さであ
ることが好ましい。また、金属箔は、そのままであって
も、別の基体に貼り付けられていてもよい。
【0025】金属基板6としては、一般に銅または銅合
金が使用されるが、これらに限定されることはない。銅
合金としては、基体1について前述したような材質でよ
い。また、金属基板6の好ましい材質としては、無酸素
銅、あるいはPを0.005〜0.05%含むリン脱酸
銅に対し、 鉄、クロム、ニッケル、銀、亜鉛、スズ、
アルミニウム、鉛、マグネシウム、ジルコニウム、シリ
コン、マンガン、コバルト、テルル、ベリリウム、硼
素、及びチタンの中から選ばれる1種または2種の元素
を合わせて0.01〜2.5wt%含む組成も挙げられ
る。このような組成を有する金属基板6によれば、強度
が大きいため電子電気用部品の小型化、薄型化に有利で
あり、表面処理の作業性がよいという利点が得られる。
さらにまた、金属基板6として、樹脂接着層4と接合さ
れる表面にクロム化合物層2が形成されているものを使
用するのが好ましい。このような金属基板6を用いた場
合、金属基板6と樹脂接着層4との接合強度を高めるこ
とができる。
【0026】次に、クロム化合物層2の製造方法につい
て説明する。クロム化合物層2を形成するには、クロム
酸もしくはクロム酸の塩類から選択される1または2以
上の物質を含有するめっき液に、少なくとも表面が金属
で形成された基体1を接触させ、基体1の表面が陰極と
なるように、 めっき液に浸した陽極との間で通電す
る。すると、基体1の表面に、クロム酸を主組成物とす
る酸化物および/または水酸化物からなるクロム化合物
層2が析出するから、適当な厚さになった時点で通電を
停止し、基体1を洗浄して、表面処理金属箔8を得る。
【0027】このクロム化合物層2の製造方法において
は、前記通電の際に、陰極電流密度を通常よりも高くし
て行う。通常は、表面が比較的緻密なめっき膜が形成さ
れる穏やかな電流密度範囲が選択されるのであるが、こ
の製造方法では、陰極電流密度を2.0〜20.0A/
dm2 に設定することにより、鱗片状突起を発生させ
る。より好ましい陰極電流密度は5.0〜15.0A/
dm2 であり、最適には8.0〜11.0A/dm2
ある。ただし、最適な陰極電流密度は、めっき液の組成
によって若干変化する。
【0028】めっき液中におけるクロム酸および/また
は塩類の濃度は、限定されるものではないが、合計で3
00〜800g/lであることが好ましく、より好まし
くは400〜600g/lとされる。
【0029】前記クロム化合物層2は電気めっきにより
形成されるので、基体1の材質は特に限定されず、その
少なくとも表面が ニッケル、鉄、アルミニウム、チタ
ン、銅、またはそれらの合金など各種の金属で形成され
たものであればよい。したがって、内部は非導電体、す
なわち樹脂やセラミックスなどで形成されていてもよ
い。これに対し、銅の黒染めなどでは基体表面が化学反
応を起こすのであるから、基体の種類が限定されること
になる。基体の種類が限定されないことも本発明の利点
の一つである。
【0030】具体的なめっき液の組成を挙げると以下の
通りである。ただし、これらの例に限定されることはな
い。 [クロム酸化物めっき液] 無水クロム酸:400g/l 酢酸(99%):50ml/l 二クロム酸ナトリウム:40g/l 硼酸:0.5g/l 硝酸ナトリウム:2g/l 硅フッ化ナトリウム:5g/l メルテックス社商品名「エコノクロムBK」:450
g/l 無水クロム酸:400g/l 酢酸(99%):50ml/l 二クロム酸ナトリウム:40g/l アトテックジャパン社製「M&TクロムBC−35
J」:450g/l 同、「M&TクロムBC−37」:15ml/l 同、「M&TクロムBC−39J」:8ml/l 同、「M&TクロムBC−40J」:10ml/l 炭酸バリウム:10g/l
【0031】また、これらクロムめっきにおいて好まし
いめっき条件は以下の通りである。 陰極電流密度:5〜15A/dm2 より好ましくは、8
〜11/dm2 めっき温度:15〜25℃、常温でよい 攪拌:あり めっき時間は、他のパラメータによって変化するが、通
常は1〜15分程度である。陰極電流密度およびめっき
温度が上記範囲から外れると、いずれも鱗片状突起の発
生状態に変化が生じる。
【0032】クロム酸化物めっき液を使用して得られた
クロム化合物層は、厳密に言うと、基体1の側から順
に、基体金属(例えば銅または銅合金)とクロムとのご
く薄い合金層、ごく薄い金属クロム層、および、クロム
水酸化物とクロム酸化物とを含む不定比化合物Cr(O
H)1.12.12.03.0の3層構造になっていると推測
される。前記クロム化合物層2中に含まれる酸素/クロ
ムの元素比は、前記基体1側から表面側にいくにつれ増
大している。
【0033】また、前記基体1との接合界面側における
前記クロム化合物層2中の酸素/クロムの元素比は7
0:30〜30:70、前記接着樹脂層4との接合界面
側における前記クロム化合物層2中の酸素/クロムの元
素比は90:10〜50:50とするのが好ましい。前
記基体1との接合界面側における前記クロム化合物層2
中の酸素/クロムの元素比が70:30を越える場合、
例えば、前記基体1の一部にクロム化合物層2を形成す
るためなど、前記クロム化合物層2をエッチングする場
合、サイドエッチングが大きくなるため好ましくない。
一方、酸素/クロムの元素比を30:70未満とした場
合、例えば、前記クロム化合物層2をエッチングする場
合、エッチング時間が長くなるため好ましくない。ま
た、前記接着樹脂層4との接合界面側における前記クロ
ム化合物層2中の酸素/クロムの元素比を50:50未
満とした場合、鱗片状突起の大きさが不十分となり、ク
ロム化合物層2の層間剥離強度が弱く、クロム化合物層
2と接着樹脂層4との接合強度が弱くなるため好ましく
ない。一方、90:10を越える酸素/クロムの元素比
とした場合、クロム化合物層2が脆くなり、曲げ加工、
絞り加工、プレス加工などの加工により、割れや剥離な
どの不具合が発生しやすくなるため好ましくない。
【0034】さらに、前記基体1との接合界面から厚さ
0.1μm内における酸素原子分率は35〜75%、ク
ロム原子分率は65〜25%、前記接着樹脂層4との接
合界面から厚さ0.1μm内における酸素原子分率は4
5〜85%、クロム原子分率は55〜15%とするのが
より一層好ましい。
【0035】前記クロム化合物層2の最外層が水酸基を
含んでいると、樹脂接着層4の形成時に加熱された場
合、水蒸気を発生してブリスターなどの問題を生じる可
能性がある。したがって、めっき後のクロム化合物層2
を予備加熱して、水酸化物を酸化物に転換する脱水処理
を行っておくことが望ましい。
【0036】脱水処理の条件としては、例えば、クロム
化合物層2を形成した基体1を120〜180℃の温度
で4〜6時間加熱することが挙げられる。加熱温度が1
20℃未満では十分に脱水できず、180℃より高いと
基体1の露出面が変色するおそれがある。減圧下で加熱
すれば、加熱時間を短縮できる可能性がある。
【0037】基体1の表面の一部にのみクロム化合物層
2を形成する場合には、めっき時に基体1の非めっき面
に一般的なマスキング剤を使用してマスキングを施して
もよいし、あるいは、基体1の全面にクロム化合物層2
を形成しておいて、それを部分的に各種酸水溶液などで
エッチングしてもよい。
【0038】クロム化合物層2には、微小な鱗片状突起
がたくさんあるため、まず鱗片状突起をシランカップリ
ング剤入りのエチルアルコールに浸し、 これを乾燥し
てから、レジストなどでマスキングを行う。その後、通
常のエッチング機および前記エッチング液を使用してエ
ッチングを行うことが好ましい。
【0039】上記構成からなる表面処理金属箔8によれ
ば、クロム化合物層2の表面に微細な鱗片状突起が起立
状態で形成されているため、樹脂接着層4と接着する際
に、樹脂接着層4の一部が鱗片状突起内まで侵入してア
ンカー効果により両層を強力につなぎ止める。そのう
え、アンカー効果を除いても、前記組成からなるクロム
化合物層2は、樹脂接着層4との接合性そのものが良好
であるから、クロム化合物層2と樹脂接着層4との接合
強度を著しく高めることが可能となる。
【0040】また、前記クロム化合物層2中に含まれる
酸素/クロムの元素比は、前記基体1との接合界面側か
ら前記樹脂接着層4との接合界面側にいくにつれ増大し
ているので、曲げ加工、絞り加工、プレス加工などの加
工に耐えることができ、 かつ、強いアンカー効果が得
られ、樹脂接着層4との良好な接合強度を確保すること
ができる。
【0041】さらにまた、前記クロム化合物層2の厚さ
を0.1〜10.μm、より好ましくは0.12〜0.
5μmとすることで、 十分なアンカー効果を得ること
ができ、強い接合力が得られるものとなり、また、水分
吸着量が少なく、ブリスターが発生しにくいものとな
る。
【0042】また、前記基体1との接合界面側における
前記クロム化合物層2中の酸素/クロムの元素比を7
0:30〜30:70、前記樹脂接着層4との接合界面
側における前記クロム化合物層2中の酸素/クロムの元
素比を90:10〜50:50とすることで、エッチン
グする場合に、サイドエッチングを小さくすることがで
きるとともに、エッチング時間を短くすることができ、
良好なエッチング面を得ることができる。また、曲げ加
工、絞り加工、プレス加工などの加工性に優れ、かつ、
層間剥離強度が強く、樹脂接着層4との接合強度が良好
な表面処理金属箔8となる。
【0043】さらに、前記基体1との接合界面から厚さ
0.1μm内における酸素原子分率を35〜75%、ク
ロム原子分率を65〜25%、前記樹脂接着層4との接
合界面から厚さ0.1μm内における酸素原子分率を4
5〜85%、クロム原子分率を55〜15%とすること
で、エッチング加工、曲げ加工、絞り加工、プレス加工
などの加工性、樹脂接着層4との接合強度がより一層優
れた表面処理金属箔8となる。
【0044】さらに、前記構造からなるクロム化合物層
2は、樹脂接着層4の接合強度を著しく高めるにも拘わ
らず、いったん脱水処理した後は水分の吸着が少ないた
めに樹脂接着層4にブリスターを生じることがない。ま
た、樹脂接着層4を形成する際に、樹脂接着層4の材質
によっては、クロム化合物層2が400℃近い高温に曝
されることになるが、そのような高温でもクロム化合物
層2の物性は変化しないため、耐熱性に優れている。
【0045】次に、本発明の表面処理金属箔の他の使用
例を図3および図4を参照して説明する。図3は、本発
明の表面処理金属箔を用いたプリント配線板の一例を示
した断面図である。このプリント配線板は、図2に示し
た金属積層板を用い、前記金属積層板を形成する表面処
理金属箔8を部分的にエッチングして回路パターンを形
成したものである。このようなプリント配線板において
は、前記表面処理金属箔8を使用しているため、表面処
理金属箔8と樹脂接着層4との接合強度を高めることが
でき、信頼性を向上させることが可能である。
【0046】図4は、本発明の表面処理金属箔を用いた
電子電気用部品の一例を示した断面図である。この電子
電気用部品は、片面構成の半導体素子(ボールグリッド
アレイ(BGA))である。符号60は、金属基板であ
り、この金属基板60の下面には、樹脂接着層64が形
成され、この樹脂接着層64の下面には、前記樹脂接着
層64と接合される表面にクロム化合物層62が形成さ
れた箔状の基体61からなる表面処理金属箔66が設け
られている。この表面処理金属箔66の下面中央には、
半導体チップ78が半田付けにより固定されるととも
に、表面処理金属箔66の外周部には、樹脂製のスティ
フナー68が接着され、このスティフナー68の下面に
は、接着剤70を介してTABテープ72が接着されて
いる。TABテープ72の下面には、銅箔からなる多数
のリード74が固定されており、これらリード74のそ
れぞれには半田ボール76が形成されている。リード7
4の内周側端部は、 半導体チップ78のいずれかの端
子にバンプ80を介して接合されている。そして、ステ
ィフナー68の内側には、ポッティング樹脂(封止樹
脂)82が充填されることにより、半導体チップ78が
封止されている。
【0047】このような電子電気用部品においても、微
細な鱗片状突起を有するクロム化合物層62を形成した
ことにより、表面処理金属箔66と樹脂接着層64との
接合強度を高めることができ、これにより半導体素子の
信頼性を向上することが可能である。
【0048】なお、本発明の表面処理金属箔8は、上述
した図2〜図4に示した例のみに限定されるものではな
く、様々な物品に適用可能である。
【0049】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明の効果を実証す
る。 [実験1]クロム酸化物めっき液を用いて、陰極電流密
度が低い一般的な条件でめっきすることにより比較例1
を形成する一方、陰極電流密度が高い条件でめっきして
実施例1〜5を得た。また、従来の黒染め処理により比
較例2を得た。これら試料の電子顕微鏡写真を撮影して
比較した。以下に実験方法を説明する。
【0050】以下の組成からなるクロム酸化物めっき液
を調製した。 無水クロム酸:400g/l 酢酸(99%):50ml/l 二クロム酸ナトリウム:40g/l 硼酸:0.5g/l 硝酸ナトリウム:2g/l 硅フッ化ナトリウム:5g/l
【0051】このクロム酸化物めっき液に、厚さ0.0
35mmの純銅箔および鉛製の陽極を浸漬し、銅箔を電
源陰極に、鉛極を電源陽極にそれぞれ接続して以下の条
件で電気めっきを行った。
【0052】以上の条件でめっきを行った表面処理銅箔
それぞれを、いずれも90℃で4時間加熱して乾燥し、
めっき層表面の20000倍の電子顕微鏡写真を撮影し
た。実施例1〜5の写真を図7〜11、比較例1の写真
を図12に示す。これら写真から明らかなように、陰極
電流密度が大きい条件でめっきした実施例1〜5ではめ
っき層表面に多数の鱗片状突起が発生しているのに対
し、比較例1では鱗片状突起がほとんど発生していなか
った。また、実施例1〜5について、電解膜厚計により
黒クロム層の平均膜厚を測定したところ、それぞれ0.
12μm、0.18μm、0.22μm、0.26μ
m、0.36μmであった。
【0053】一方、前記と同じ銅箔を、メルテックス社
製「エボノールC−115」の200ml/lの水溶液
に浸漬して3分間煮沸することにより、公知の黒染め処
理を行った。この黒染め処理品を前記と同一条件で乾燥
した後、比較例2として5000倍の電子顕微鏡写真を
撮影した。図13の写真から明らかなように、比較例2
では銅箔の表面に細かい針状結晶が多数発生しており、
実施例1〜5とは明らかに表面性状が異なっていた。
【0054】[実験2]10×15cmの銅板上に、実
施例1〜5および比較例1,2の表面処理銅箔を、クロ
ム化合物層表面が接合される面となるように、ポリイミ
ド接着剤(三井化学社製商品名「ネオフレックス」)を
50μmの厚さで塗布して貼り合わせ、プレス圧力:5
0〜90kg/cm2、 加熱温度:250℃、加熱時間
2時間の条件で加熱処理して接着剤を固化させた。固化
後のポリイミド層の厚さは30μmとなった。次に、銅
箔の剥離強度を測定した。 試験方法は、JIS C−
6481である。この方法は、幅25mm×長さ100
mmの金属基板上にその中心線に沿って接着した幅10
mm×長さ100mmの銅箔を、速度50mm/min
で、角度90゜の方向に端部から引き剥がし、 この引
き剥がしに要する力(kg/cm)を測定する。
【0055】次に、各サンプルを熱風乾燥機にセット
し、180℃で3時間加熱した後、再び同様の方法で銅
箔の剥離強度を測定した。さらに、121℃、相対湿度
85%、24時間の条件でPCT(プレッシャークッカ
ーテスト;高度加速寿命試験)により劣化加速処理を行
った上、前記同様に銅箔の剥離強度を測定した。これら
の結果を、図14に示す。このグラフから明らかなよう
に、加熱処理後および加速度試験後の剥離強度は、 接
着直後の剥離強度よりは小さくなるものの、鱗片状突起
による接着強度向上効果は十分に得られた。
【0056】[実験3]実施例1〜5の電子顕微鏡写真
(図7〜図11)をスキャナーで読み込み、コントラス
トを揃えた後、コンピューターにより画像解析を行い、
写真に写った突起の長径寸法の分布を測定した。その結
果を図15(実施例1)〜図19(実施例5)に示す。
これらのグラフから明らかなように、めっき時間が長く
なるにつれて突起の寸法が大きくなった。
【0057】[実験4]実験1と同様のクロム酸化物め
っき液を用い、以下に示す材質からなる金属箔を、以下
に示す条件で電気めっきして、実施例6および実施例7
を得た。 以上の条件でめっきを行って得られた各試料を、実験1
と同様にして乾燥し、電解膜厚計によりクロム化合物層
の平均膜厚を測定したところ、実施例6は0.35μ
m、実施例7は0.26μmであった。
【0058】次に、実施例6および実施例7のクロム化
合物層について、ESCAを用いて表面を60Å/mi
nの速度で10分間徐々に削りながら深さ方向における
元素分布を測定した。実施例6の結果を図20に示し、
実施例7の結果を図21に示す。図20および図21か
ら、クロム化合物層中に含まれる酸素/クロムの元素比
は、金属箔側から表面側にいくにつれ増大していること
が確認できた。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基体と樹脂接着層との間に配置されるクロム化合物層の
表面に微細な鱗片状突起が形成されることにより、樹脂
接着層の一部が鱗片状突起内まで侵入して、アンカー効
果により両層が強力に結合される。これにより、クロム
化合物層と樹脂接着層との接合強度を著しく高めること
が可能である。
【0060】また、前記クロム化合物層中に含まれる酸
素/クロムの元素比は、前記基体との接合界面側から
前記樹脂接着層との接合界面側にいくにつれ増大してい
るので、曲げ加工、プレス加工、絞り加工などの加工に
耐えることができ、かつ、強いアンカー効果が得られ、
樹脂接着層との良好な接合強度を確保することができ
る。
【0061】さらにまた、前記クロム化合物層の厚さを
0.1〜1.0μm、より好ましくは0.12〜0.5
μmとすることで、十分なアンカー効果を得ることがで
き、強い接合力が得られるものとなり、また、水分吸着
量が少なく、ブリスターが発生しにくいものとなる。
【0062】また、前記基体との接合界面側における前
記クロム化合物層中の酸素/クロムの元素比を70:3
0〜30:70、前記樹脂接着層との接合界面側におけ
る前記クロム化合物層中の酸素/クロムの元素比を9
0:10〜50:50とすることで、エッチングする場
合に、サイドエッチングを小さくすることができるとと
もに、エッチング時間を短くすることができ、良好なエ
ッチング面を得ることができる。さらに、曲げ加工、絞
り加工、プレス加工などの加工性に優れ、かつ、層間剥
離強度が強く、樹脂接着層との接合強度が良好な表面処
理金属箔とすることができる。
【0063】さらに、前記基体との接合界面から厚さ
0.1μm内における酸素原子分率を35〜75%、ク
ロム原子分率を65〜25%、前記樹脂接着層との接合
界面から厚さ0.1μm内における酸素原子分率を45
〜85%、クロム原子分率を55〜15%とすること
で、エッチング加工、曲げ加工、絞り加工、プレス加工
などの加工性、樹脂接着層との接合強度がより一層優れ
た表面処理金属箔とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の表面処理金属箔の一例を示した断面
図である。
【図2】 図1に示した表面処理金属箔を用いた金属積
層板の一例を示した断面図である。
【図3】 本発明の表面処理金属箔を用いたプリント配
線板の一例を示した断面図である。
【図4】 本発明の表面処理金属箔を用いた電子電気用
部品の一例を示した断面図である。
【図5】 本発明の表面処理金属箔におけるクロム化合
物層の表面性状の一例を示す電子顕微鏡写真(×500
00)である。
【図6】 本発明の表面処理金属箔における鱗片状突起
の概略図である。
【図7】 実施例1のクロム化合物層の表面性状を示す
電子顕微鏡写真(×20000)である。
【図8】 実施例2のクロム化合物層の表面性状を示す
電子顕微鏡写真(×20000)である。
【図9】 実施例3のクロム化合物層の表面性状を示す
電子顕微鏡写真(×20000)である。
【図10】 実施例4のクロム化合物層の表面性状を示
す電子顕微鏡写真(×20000)である。
【図11】 実施例5のクロム化合物層の表面性状を示
す電子顕微鏡写真(×20000)である。
【図12】 比較例1のクロム化合物層の表面性状を示
す電子顕微鏡写真(×20000)である。
【図13】 黒染め処理を行った比較例2の電子顕微鏡
写真(×5000)である。
【図14】 実施例1〜5および比較例1と2における
密着強度試験の結果を示すグラフである。
【図15】 実施例1における突起の大きさの分布を示
すグラフである。
【図16】 実施例2における突起の大きさの分布を示
すグラフである。
【図17】 実施例3における突起の大きさの分布を示
すグラフである。
【図18】 実施例4における突起の大きさの分布を示
すグラフである。
【図19】 実施例5における突起の大きさの分布を示
すグラフである。
【図20】 実施例6のESCA分析の結果を示すグラ
フである。
【図21】 実施例7のESCA分析の結果を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1、61 基体 2、62 クロム化合物層 4、64 樹脂接着層 6、60 金属基板 8、66 表面処理金属箔 A 鱗片状突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大竹 重成 福島県会津若松市扇町128の7 三菱伸銅 株式会社若松製作所内 (72)発明者 鈴木 竹四 福島県会津若松市扇町128の7 三菱伸銅 株式会社若松製作所内 (72)発明者 熊谷 誠司 福島県会津若松市扇町128の7 三菱伸銅 株式会社若松製作所内 (72)発明者 夏目 官五 福島県会津若松市扇町128の7 三菱伸銅 株式会社若松製作所内 Fターム(参考) 4E351 AA14 AA18 BB01 BB33 BB35 BB38 CC06 DD04 DD17 DD21 DD54 GG01 4K026 AA02 AA08 AA09 CA20 CA21 EB08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも外面が金属で形成された基体
    と、この基体の外面の少なくとも一部に形成されたクロ
    ム化合物層とを有する表面処理金属箔であって、 前記クロム化合物層の表面には多数の微細な鱗片状突起
    が形成され、前記クロム化合物層中に含まれる酸素/ク
    ロムの元素比は、前記基体側から表面側にいくにつれ増
    大していることを特徴とする表面処理金属箔。
  2. 【請求項2】 前記クロム化合物層の厚さは0.05〜
    3.0μmであり、前記基体側における前記クロム化合
    物層中の酸素/クロムの元素比は70:30〜30:7
    0であり、前記表面側における前記クロム化合物層中の
    酸素/クロムの元素比は90:10〜50:50である
    ことを特徴とする請求項1記載の表面処理金属箔。
  3. 【請求項3】 前記クロム化合物層の厚さは0.05〜
    3.0μmであり、前記基体から厚さ0.1μm内にお
    ける酸素原子分率は35〜75%、クロム原子分率は6
    5〜25%であり、前記表面から厚さ0.1μm内にお
    ける酸素原子分率は45〜85%、クロム原子分率は5
    5〜15%であることを特徴とする請求項1または2記
    載の表面処理金属箔。
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