JP2000160281A - 溶接性に優れた高張力鋼板 - Google Patents

溶接性に優れた高張力鋼板

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 780MPa級の高張力鋼板において、小入
熱溶接時の耐低温割れ性を改善して予熱フリーを可能と
し、あわせて大入熱溶接時のHAZ靭性を改善する。 【解決手段】 C:0.010〜0.060%(wt
%、以下同じ)、Mn:1.25〜2.5%、Cr:
0.1〜2.0%、Mo:0.1〜1.5%、B:0.
0006〜0.0050%、Cu:0.25%未満、N
b:0.030%以下を含有し、かつ下記式で定義され
るKP(%)が、KP≧3.20を満たす高張力鋼板。 KP=[Mn]+1.5×[Cr]+2×[Mo] ただし、[Mn]、[Cr]、[Mo]は各元素の含有量
(%)を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば橋梁、ペン
ストック、タンク、その他の大型構造物に使用される、
溶接性に優れた高張力鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】780MPa級以上の高張力鋼板では、
母材強度を確保するとの観点から合金成分を多量に添加
するため、小入熱溶接条件で冷却速度の速いHAZが硬
化して溶接割れ(低温割れ)が生じやすく、それを防ぐ
ために溶接施工時に100℃程度の予熱を行う必要があ
る。この予熱を省略できれば大きく施工効率が上がり、
かつコストダウンにもなるため、耐低温割れ性に優れた
780MPa級以上の高張力鋼板が要望されている。
【0003】耐低温割れ性の指標として下記式で定義さ
れるPcm(%)というパラメータが開示され、従来は
Pcmを制限して耐低温割れ性を改善し、合金成分の添
加を制限したことによる母材強度の低下を製造方法の改
良により補ってきた。 Pcm=[C]+[Si]/30+[Mn]/20+[Cu]/20+[N
i]/60+[Cr]/20+[Mo]/15+[V]/10+5×[B] ただし、[C]〜[B]は各元素の含有量を表す。これによ
り、780MPa級以上の高張力鋼板において、母材製
造時の焼入れにおける冷却速度が比較的速い薄物(≦3
4mm)では予熱フリーを可能にできたが、冷却速度が
遅い厚物(≧40mm)では予熱フリーと母材強度の確
保を両立させることができなかった。また、Cuの析出
を利用して母材強度を確保する方法も開示されている
が、冷却速度が遅い厚物では十分な母材強度が確保でき
ない。なお、耐低温割れ性の改善に関する特許文献とし
ては、例えば特開平7−113140号公報(Pcm≦
0.23とし、低C、低Cuに制限して耐低温割れ性を
改善する)、特開昭61−44161号公報(Pcmを
余り上げずに高Ceqとし、かつ低C、Bフリーとす
る)、特開平4−333516号公報(Pcm≦0.2
8、Bフリーとして耐低温割れ性を改善し、かつCu添
加により強度を確保する)、特開平5−163527号
公報(Pcmに類似の溶接性パラメーターPを規制し、
かつCuを添加して強度を確保する)がある。
【0004】一方、780MPa級以上の高張力鋼板に
おいて、大入熱溶接時にHAZ靭性が劣化する問題があ
る。これは、入熱が大きくなるとHAZ部の冷却速度が
遅くなり、それに伴いHAZ部の焼入れ性が低下し、粗
大な島状マルテンサイトを生成することにより靭性が低
下するためである。この問題は厚物、薄物いずれにおい
ても発生し、実際の溶接施工時に入熱制限(5kJ/m
m以下)が行われ、効率が悪かった。490〜590M
Pa級では、Ti添加、酸化物分散などにより大入熱H
AZ靭性の改善がなされてきた。780MPa級以上で
も、前記特開平5−163527号公報、特開昭61−
44161号公報のほか、例えば特開平6−65680
号公報(酸化物を含有させ、旧γ粒径を微細化する)、
特開平7−233437号公報(Bフリー、Pcm≦
0.24、Ceq≧0.45として焼入れ性を向上させ
る)など、大入熱HAZ靭性の改善を目的とする発明が
あるが、いずれも十分ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、小入熱
溶接においてHAZ部は高温に加熱されかつ冷却速度が
速いため、硬化して低温割れを起こしやすい。一方、母
材は板厚が厚くなるほど冷却速度が遅くなるため、圧延
後の焼入れで強度が確保し難くなる。従って、780M
Pa級以上の高張力鋼板の厚物では、小入熱溶接時の低
温割れを防止するため冷却速度が速い場合に硬くならな
いようにした上で、鋼板製造時の焼入れ過程において冷
却速度が遅い場合にいかに強度を確保するかが課題とな
る。また、厚物、薄物いずれにおいても、大入熱溶接に
おいては、HAZ部の冷却速度が遅くなり、それに伴い
HAZ部の焼入れ性が低下し、島状マルテンサイト組織
を生成して靭性が低下するが、このHAZ靭性を改善す
るには、冷却速度が遅い場合にいかに島状マルテンサイ
ト組織の生成を抑制するかが課題となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る溶接性に優
れた高張力鋼板は、C:0.010〜0.060%、M
n:1.25〜2.5%、Cr:0.1〜2.0%、M
o:0.1〜1.5%、B:0.0006〜0.005
0%、Cu:0.25%未満、Nb:0.030%以下
を含有し、かつ下記式で定義されるKP(%)が、KP
≧3.20を満たすことを特徴とする。 KP=[Mn]+1.5×[Cr]+2×[Mo] 上記高張力鋼板において、Cu:0.25%以上含有す
る場合は、Nb:0.010%未満とする。
【0007】上記高張力鋼板において、上記元素以外
に、必要に応じて下記〜に挙げたいずれか1種又は
2種以上を含有させてもよい。また、Nは0.0100
%以下に制限することが望ましい。 Niを3.5%以下 Vを0.10%以下 Ti:0.03%以下、Zr:0.05%以下、H
f:0.10%以下のいずれか1種以上を下記式で定義
されるKN(%)が−1.0〜4.0の範囲内で、 KN=([N]/14−[Ti]/48−[Zr]/91−[Hf]/
178)×10 Ca:0.0005〜0.0050% Al:0.20%以下 なお、本発明に係る上記高張力鋼板の化学組成は、典型
的には上記元素のほかは残部Fe及び不可避不純物から
なるが、その他の化学成分(例えばSi)についても、
本発明の効果を阻害しない範囲内で含有されていてもよ
い。
【0008】
【発明の実施の形態】さて、490〜590MPa級の
高張力鋼板では、Pcmを基本とした成分設計で耐低温
割れ性の改善と母材強度の確保を両立させることができ
たが、780MPa級以上の高張力鋼板では、Pcmを
基本とした成分設計を行った場合、特に厚物において耐
低温割れ性の改善と母材強度の確保を両立させることが
困難である。そこで、本発明では、成分設計に当たり、
これまで耐低温割れ性の指標とされていたPcmにとら
われず、鋼組織を考慮した成分設計を行った。
【0009】本発明の成分設計は、Cを極低Cに制限し
た上で、焼入れ性向上元素であるMn、Cr、Moを積
極添加し、さらにBを添加したことがポイントである。
これらの成分を適量添加することにより、ベイナイトの
CCT線(図5のCCT線図を参照)が短時間側、かつ
低温度側に移動し、フェライトのCCT線が長時間側に
移動する(いずれも図5の実線→破線)。従って、従来
は、高冷却速度ではマルテンサイト、低冷却速度ではフ
ェライト又は高温ベイナイトを生成するために、硬さの
冷却速度感受性が大きく、小入熱溶接時のHAZ部の硬
さ低減(耐低温割れ性の改善)と母材強度確保が両立で
きず、予熱フリーが困難であったが、本発明では、高冷
却速度、低冷却速度のいずれでも低温ベイナイトを生成
し、硬さの冷却速度感受性が低下し、小入熱溶接時のH
AZ部の硬さ低減(耐低温割れ性の改善)と母材強度確
保の両立が可能となった。一方、大入熱溶接の場合、H
AZの冷却速度が遅くなるため、従来、フェライト又は
高温ベイナイトを生成し、それに伴い粗大かつ塊状の島
状マルテンサイト組織が生成してHAZ靭性が劣化して
いたが、本発明では、冷却速度が遅くても低温ベイナイ
トが生成し、しかも極低Cであるため生成する島状マル
テンサイト組織が微細となり、HAZ靭性を確保でき
る。
【0010】次に、本発明に係る高張力鋼板の化学成分
について個々に説明する。 C Cを0.06%以下に制限し、同時に適量のMn、C
r、Mo、及びBを添加することで、前記の通り、小入
熱溶接時のHAZ部の耐低温割れ性と母材強度確保を両
立させ、かつ大入熱溶接時のHAZ靭性を改善できる。
Cが0.060%を超えると高冷却速度側で低温ベイナ
イトでなくマルテンサイトが生成するようになり、耐低
温割れ性が改善されない。一方、0.010%未満では
必要最小限の母材強度を得ることができない。従って、
Cの含有量は0.010〜0.060%、より望ましく
は0.030〜0.055%とする。
【0011】Mn、Cr、Mo これらの元素は焼入れ性を改善する作用をもち、高冷却
速度〜低冷却速度で低温ベイナイトを生成させやすく
し、前記の通り、極低Cとし、同時に適量のBを添加す
ることで、小入熱溶接時のHAZ部の耐低温割れ性と母
材強度確保を両立させ、かつ大入熱溶接時のHAZ靭性
を改善できる。しかし、下記式で定義されるKPが3.
20未満ではその作用が十分でなく、高温ベイナイト又
はフェライトが生成するようになって、780MPa以
上の母材強度を得ることができなくなる(後述する図1
参照)。KPの望ましい値は4.0以上である。 KP=[Mn]+1.5×[Cr]+2×[Mo] また、個別元素でみると、Mn、Cr、Moの含有量
が、それぞれ1.25%、0.1%、0.1%に満たな
いと焼入れ性を改善する効果が期待できず、母材強度が
不足し、それぞれ2.5%、2.0%、1.5%を超え
ると母材の靭性が劣化する。従って、含有量はそれぞれ
1.25〜2.5%、0.1〜2.0%、0.1〜1.
5%とする。より望ましくは、それぞれ1.3〜2.2
%、0.3〜1.5%、0.3〜1.3%とする。
【0012】B Bは焼入れ性を改善する作用をもち、低冷却速度で低温
ベイナイトを生成させやすくする。そして、前記の通
り、極低Cとし、同時に適量のMn、Cr、Moを添加
することで、小入熱溶接時のHAZ部の耐低温割れ性と
母材強度確保を両立させ、かつ大入熱溶接時のHAZ靭
性を改善することができる。Bが0.0006%未満で
あると、焼入れ性を改善する効果が期待できず、母材強
度が不足し、0.0050%を超えるとかえって焼入れ
性を低下させ、母材強度が不足する。従って、含有量は
0.0006〜0.0050%、より望ましくは0.0
007〜0.0030%とする。
【0013】Cu Cuは固溶強化及び析出強化によって母材強度を向上さ
せ、また、BやMn〜Moほどではないが焼入れ性を向
上させるので、必要に応じて添加することができる。し
かし、余り多くなると大入熱溶接時のHAZ靭性を低下
させるため、含有量は1.0%以下とするのが望まし
い。 Nb NbはNbCを形成して大入熱溶接時のHAZ靭性を低
下させ、特にCuと共存するときその作用が強く出る。
このため、Cu含有量が少ないとき(Cu:0.25%
未満のとき)は0.030%以下に制限し、Cu含有量
が比較的多いとき(Cu:0.25%以上のとき)は
0.01%未満に制限する必要がある。
【0014】Ni Niは母材靭性を向上させるのに有効な元素であり、必
要に応じて添加することができる。しかし、3.5%を
超えるとスケール疵が発生しやすくなるため、含有量は
3.5%以下とする。 V Vは少量の添加により焼入れ性及び焼戻し軟化抵抗を高
くする効果があり、必要に応じて添加することができ
る。しかし、0.1%を超えると大入熱溶接時のHAZ
靭性を低下させるため、含有量は0.1%以下とする。
【0015】Ti、Zr、Hf これらの元素は不純物として含まれるNを固定する作用
をもち、高入熱溶接時のHAZ部でNが固溶Bと結合
し、Bが消費されてその効果が失われるのを防止する。
また、Ti等の窒化物は大入熱溶接時のHAZ部のγ粒
を微細化しHAZ靭性を改善する。そのため、鋼中のN
含有量に応じて、必要があれば添加される。その場合、
Tiが必ず含まれるように添加しZr、Hfは必要に応
じてTiとともに添加するのが、より望ましい。しか
し、Nが多い割りに添加量が少なく下記式で定義される
KNが4を超える場合は、Bの効果が失われてHAZ靭
性が劣化する(後述する図2参照)。また、添加量が多
くKNが−1未満となると母材の靭性が劣化する。従っ
て、これらの元素を添加する場合は、−1.0≦KN≦
4.0の範囲内とする。より望ましい範囲は、0.0〜
3.0である。 KN=([N]/14−[Ti]/48−[Zr]/91−[Hf]/
178)×10 また、個別元素でみると、Ti、Zr、Hfの含有量
が、それぞれ0.03%、0.05%、0.10%を超
えると母材の靭性が劣化するので、これ以下に制限され
る。
【0016】Ca CaはMnSを球状化するという介在物の形態制御によ
る異方性を低減する効果を有しており、0.0005%
未満ではこのような効果は少なく、また0.0050%
を超える過剰の含有は母材の靭性を劣化させる。従っ
て、Caを添加する場合、その含有量は0.0005〜
0.0050%とする。 Al Alは脱酸元素であるとともに、Nを固定し固溶Bを増
加させることにより、Bの焼入れ性を向上させる効果が
ある。しかし、0.20%を超える過剰の含有は母材の
靭性を劣化させる。従って、Alを添加する場合は0.
20%以下とする。
【0017】Si Siは脱酸材の作用を有する元素であり、含有量が0.
05%未満ではその効果が期待できず0.50%を超え
ると溶接性及び母材靭性を劣化させる。従って、Siを
添加する場合、その含有量は0.05〜0.50%とす
る。 N 不純物として含有されるNはBと結合して固溶Bを減少
させ、Bの焼入れ性向上効果を阻害し、母材の靭性及び
大入熱溶接時のHAZ靭性を低下させる。Nの含有量が
0.0100%を超えるとその作用が顕著となり、Ti
等の添加(KNの調整)あるいはAlの添加の効果も発
揮されない。従って、Nの含有量は0.0100%以下
に制限する。
【0018】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に説明す
る。表1〜表4に示す組成の鋼を通常の溶製法により溶
製してスラブとなし、通常の加熱、熱間圧延、焼入れ処
理を行った後、表5〜表6に示す温度で焼戻し処理を行
い、同表に示す板厚の高張力鋼板を製造した。この鋼板
に対し、下記要領で母材特性の試験を行い、母材特性に
合格したもの全てと合格しなかったものの一部につい
て、さらに溶接性(耐低温割れ性、HAZ靭性)の試験
を行った。その結果を表5〜表6にあわせて示す。
【0019】[母材特性試験] 引張試験;各鋼板の板厚1/4部位からJIS4号試
験片を得て、引張試験を行い、0.2%耐力、引張強さ
を測定した。この実施例では引張強さ≧780MPaを
合格とした。 衝撃試験;各鋼板の板厚1/4部位からJIS4号試
験片を採取し、シャルピー衝撃試験を行い、吸収エネル
ギー(vE-40)を求めた。この実施例では、vE-40≧4
7Jを合格とした。
【0020】[溶接性試験] HAZ靭性;入熱20kJ/mmと40kJ/mm
(サブマージアーク溶接)、及び入熱100kJ/mm
(エレクトロスラグ溶接)で溶接を行い、前者の場合は
図3に示す部位から、後者の場合は図4に示す部位から
JIS4号試験片を採取し、シャルピー衝撃試験を行
い、ボンド部の吸収エネルギー(vE-10)を求めた。こ
の実施例では、vE-10≧47Jを合格とした。なお、板
厚30mmの鋼板は入熱20kJ/mmまで、板厚50
mmの鋼板は入熱40kJ/mmまでとした。 耐低温割れ性;JIS Z 3158に規定されたy
形溶接割れ試験方法に基づいて、入熱1.7kJ/mm
で被覆アーク溶接を行い、ルート割れ防止予熱温度を測
定した。この実施例では、25℃以下を合格とした。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】表5の結果に示されるように、本発明例
は、母材特性と耐低温割れ性は全て合格であり、HAZ
靭性も、入熱20kJ/mmと40kJ/mmの溶接で
は、全て合格であった。また、Ti、Zr、Hf等を−
1.0≦KN≦4.0の範囲内で添加したNo.13、
15、19〜23は、入熱100kJ/mmの溶接でも
合格であった。一方、合金組成、KP値又はKN値のい
ずれかが規定範囲を外れる比較例は、表6の備考欄に示
すように、母材特性が不合格か、母材特性が合格したも
のでも、耐低温割れ性が劣るか(No.27)、大入熱
溶接時のHAZ靭性が劣る(No.35〜37、45、
47、48)。
【0028】図1は、表5、表6をもとに、母材強度
(引張強さ)とKP(=Mn+1.5×Cr+2×Mo)値
の関係を示すもので、KP値が3.20以上で780M
Paが得られている。また、図2は、同じく表5、表6
をもとに、入熱100kJ/mmの溶接後のHAZ靭性
(vE-10)とKN(=(N/14−Ti/48−Zr/91−
Hf/178)×10)値の関係を示すもので、KN値が
−1.0〜4.0の範囲内で47kJ以上のHAZ靭性
(vE-10)が得られている。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、母材特性(強度、靭
性)に優れ、かつ溶接性(耐低温割れ性、HAZ靭性)
に優れた780MPa級高張力鋼板を得ることができ
る。また、本発明に係る抗張力鋼板は、高冷却速度、低
冷却速度のいずれでも低温ベイナイトを生成し、硬さの
冷却速度感受性が低いので、厚物でも均一な組織及び機
械的特性を示し、実際の使用に好適な鋼板である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 母材強度とKP値の関係を示すグラフであ
る。
【図2】 HAZ靭性(vE-10)とKN値の関係を示す
グラフである。
【図3】 サブマージアーク溶接時のボンド靭性の試験
片採取位置を示す図である。
【図4】 エレクトロスラグ溶接時のボンド靭性の試験
片採取位置を示す図である。
【図5】 本発明の成分設計の考え方を説明するための
模式的なCCT線図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.010〜0.060%(wt
    %、以下同じ)、Mn:1.25〜2.5%、Cr:
    0.1〜2.0%、Mo:0.1〜1.5%、B:0.
    0006〜0.0050%、Cu:0.25%未満、N
    b:0.030%以下を含有し、かつ下記式で定義され
    るKP(%)が、KP≧3.20を満たすことを特徴と
    する溶接性に優れた高張力鋼板。 KP=[Mn]+1.5×[Cr]+2×[Mo] ただし、[Mn]、[Cr]、[Mo]は各元素の含有量
    (%)を表す。
  2. 【請求項2】 Cu:0.25%以上、Nb:0.01
    0%未満であることを特徴とする請求項1に記載された
    溶接性に優れた高張力鋼板。
  3. 【請求項3】 Ni:3.5%以下含有することを特徴
    とする請求項1又は2に記載された溶接性に優れた高張
    力鋼板。
  4. 【請求項4】 V:0.10%以下含有することを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載された溶接性に優
    れた高張力鋼板。
  5. 【請求項5】 Ti:0.030%以下、Zr:0.0
    50%以下、Hf:0.10%以下のいずれか1種以上
    を含有し、かつ下記式で定義されるKN(%)が、−
    1.0≦KN≦4.0であることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載された溶接性に優れた高張力鋼
    板。 KN=([N]/14−[Ti]/48−[Zr]/91−[Hf]/
    178)×10 ただし、[N]、[Ti]、[Zr]、[Hf]は各元素の含有
    量(%)を表す。
  6. 【請求項6】 Ca:0.0005〜0.0050%含
    有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    された溶接性に優れた高張力鋼板。
  7. 【請求項7】 Al:0.20%以下含有することを特
    徴とする請求項1〜6のいずれかに記載された溶接性に
    優れた高張力鋼板。
  8. 【請求項8】 N:0.0100%以下であることを特
    徴とする請求項1〜7のいずれかに記載された溶接性に
    優れた高張力鋼板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009123195A1 (ja) 2008-04-01 2009-10-08 新日本製鐵株式会社 高張力厚鋼板の製造方法
WO2010047416A1 (ja) 2008-10-23 2010-04-29 新日本製鐵株式会社 溶接性に優れる引張強さ780MPa以上の高張力厚鋼板およびその製造方法

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