JP2000159888A - 共重合体及びその製造方法 - Google Patents

共重合体及びその製造方法

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JP2000159888A JP10365089A JP36508998A JP2000159888A JP 2000159888 A JP2000159888 A JP 2000159888A JP 10365089 A JP10365089 A JP 10365089A JP 36508998 A JP36508998 A JP 36508998A JP 2000159888 A JP2000159888 A JP 2000159888A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 徐放性薬剤に有用で、薬剤が熱分解しない低
温度で軟化・溶融し、常温ではべたつきの無い固体であ
り、各種溶媒に溶解する新規共重合体及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 式(1)のコハク酸イミド単位と、式
(2)のヒドロキシカルボン酸単位とを併せ持ち、Mw
1000以上10万以下の共重合体、及び、アスパラギ
ン酸と環状エステル化合物との混合物を加熱する重合工
程を含む共重合体の製造方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、徐放性薬
剤の基材として有用な新規化合物である、コハク酸イミ
ド単位及び/又はアスパラギン酸単位と、乳酸単位及び
/又はグリコール酸単位とを併せ持つ共重合体及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、生体吸収性高分子を、DDS
(ドラッグ デリバリー システム)に応用するアプロ
ーチがある。DDSとは、生体吸収性高分子を基材とし
て、適当な方法により薬剤を徐放化するシステムであ
る。
【0003】ここで、適当な方法の具体例としては、生
体吸収性高分子と薬剤をブレンドする方法、薬剤を生体
吸収性高分子によりマイクロカプセル化する方法、生体
吸収性高分子に薬剤を固定化する方法等を挙げることが
できる。
【0004】このような生体吸収性高分子の具体例とし
ては、ポリ乳酸(PLA)やポリグリコール酸(PG
A)等のポリα−ヒドロキシ酸を挙げることができる。
【0005】例えば、特開昭62−64824号公報に
は、グリコール酸の環状二量体であるグリコリド(GL
D)と、乳酸の環状二量体であるラクチド(LTD)と
を開環共重合させることにより、徐放性薬剤の基材とし
て有用な低分子量、多分散性の乳酸−グリコール酸共重
合体(PLGA)を得る方法が開示されている。
【0006】一方、上記のようなDDSにおいて、生体
吸収性高分子を徐放性薬剤の基材として用いた場合の薬
剤の徐放挙動は、薬剤と生体吸収性高分子との独特な相
互作用によって多様に変化することが知られている。し
たがって、近年、種々の構造の薬剤を徐放化したいとい
う要望があるが、基材としての生体吸収性高分子を、P
LGA等の既存のポリマーから選択するだけでは、所望
とする徐放速度、徐放期間、徐放pH等を発現するDD
Sを設計することが困難な場合が多い。
【0007】このような技術的背景から、徐放性薬剤の
基材として、新規な生体吸収性高分子材料が望まれてき
た。
【0008】また、マイクロスフェアやマイクロカプセ
ル等の徐放性製剤を製造する際、従来から用いられてい
るエマルジョン法では、有機溶媒を使用するので溶媒除
去工程を必要とし、製剤中の残存溶媒が実質的に問題無
いレベルであることをバリデーションする必要があっ
た。
【0009】このため、ポリマーを熱溶融して薬剤と混
合することにより、無溶剤で製剤化したいという要望も
ある。しかし、例えば光学活性なPLAは融点が160
〜180℃であり、この温度で溶融させると薬剤が熱分
解してしまうという問題がある。PLAの分子量を下げ
れば融点が低下するが、本発明者らの知見によれば、P
LAは分子量2000〜3000程度で既に120℃以
上の融点をもち、一方、それ以下の分子量ではシロップ
状となり、マイクロスフェア化等の製剤化が困難であ
る。したがって、医療材料の中でも特に徐放性薬剤の基
材用として用いる生体吸収性高分子として、低融点のも
のが望まれてきた。
【0010】Ganpat L. Jainらは、乳酸とアスパラギン
酸とのある種のランダム共重合体について開示している
(Ganpat L. Jainら、Makromol.Chem., 182巻, 2557-25
61,1981年)。ここでJainらは、アスパラギン酸と乳酸
とを2:1〜0.5:1の比で、減圧条件下、150℃
で5時間脱水重縮合させ、アスパラギン酸:乳酸=9:
1〜1.77:1である、乳酸−アスパラギン酸共重合
体を得る技術を開示している。
【0011】しかしながら、この技術により乳酸とアス
パラギン酸を共重合すると、分子量分布が広く、低分子
量のランダムコポリマーしか得られず、収率が低い。し
かも、このポリマーは融点が高く、従って溶融加工成形
性に乏しく、医療材料として用いるのには制限がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、例え
ば徐放性薬剤の基材として好適であり、具体的には、D
DSで使用しようとする薬剤が熱分解しないような低い
温度範囲で軟化又は溶融し、かつ常温(例えば25℃、
あるいは40℃未満)ではべたつきの無い固体であり、
幅広い種類の溶媒に溶解する新規共重合体及びその製造
方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討を重ねた結果、ラクチドやグリ
コリド等と共にアスパラギン酸を加熱、重合させること
により、構造中にヒドロキシカルボン酸単位とコハク酸
イミドとを併せ持つ新規な生体吸収性共重合体が得ら
れ、この共重合体は常温で固体で、かつ100℃以下で
溶融すること、幅広い溶媒に溶解すること、特異な加水
分解挙動を示すことを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0014】すなわち本発明は、繰り返し構造単位とし
て、下記構造式(1)で表されるコハク酸イミド単位
と、
【0015】
【化14】
【0016】下記構造式(2)で表されるヒドロキシカ
ルボン酸単位と
【0017】
【化15】 (式中、Rはメチル基又は水素原子である。)を併せ持
つ、重量平均分子量1000以上10万以下の共重合体
である。
【0018】さらに本発明は、アスパラギン酸と環状エ
ステル化合物との混合物を加熱して、繰り返し構造単位
としてコハク酸イミド単位とヒドロキシカルボン酸単位
とを併せ持つ共重合体を得る重合工程を含む共重合体の
製造方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて説明する。
【0020】繰り返し構造単位として、少なくともコハ
ク酸イミド単位とヒドロキシカルボン酸単位とを併せ持
つ本発明の共重合体の構造は、例えば、核磁気共鳴(N
MR)スペクトル測定や赤外吸収(IR)スペクトル測
定等の公知の分析手法によって確認することができる。
【0021】例えば、IRスペクトル測定では、コハク
酸イミド単位のカルボニル結合と同時に、乳酸単位及び
/又はグリコール酸単位のカルボニル結合の特徴的な吸
収がみられる。
【0022】また例えば、NMRスペクトル測定では、
コハク酸イミド単位のメチレンプロトンやメチンプロト
ンに由来するピークと同時に、乳酸単位のメチルプロト
ンやメチンプロトン、及び/又はグリコール酸単位のメ
チレンプロトンに由来するピークが明確に確認できる。
高分解能のNMR測定装置を用いれば、わずかながら、
アミド基のプロトンや、アミド基に隣接するメチンプロ
トンに由来するピークや、その他、枝分かれや連鎖シー
ケンス(コハク酸イミド単位、アスパラギン酸単位、乳
酸及び/又はグリコール酸単位との隣接基関与)による
ピーク等の細かなピークが認められる。
【0023】本発明の共重合体の代表的な例は、当該高
分子化学分野においてブロックポリマー、グラフトポリ
マー、グラフトブロックポリマー、又はハイパーブラン
チ(hyper branched)ポリマーと呼ばれる高次構造をもつ
共重合体である。より具体的には、繰り返し構造単位と
して主にコハク酸イミド単位をもつポリコハク酸イミド
セグメントと、繰り返し構造単位としてヒドロキシカル
ボン酸単位をもつポリヒドロキシカルボン酸セグメント
とが、ブロック状及び/又は枝分かれ状につながった構
造をもつ共重合体である。
【0024】本発明のブロックポリマー、グラフトポリ
マー、グラフトブロックポリマー、又はハイパーブラン
チポリマーは、下記構造式(3)で表されるポリコハク
酸イミドセグメントと、
【0025】
【化16】 (式中、mは1以上100以下の整数である。)
【0026】下記構造式(4)で表されるポリヒドロキ
シカルボン酸セグメントと
【0027】
【化17】 (式中、Rはメチル基又は水素原子であり、nは1以上
1000以下の整数である。)を併せ持ち、コハク酸イ
ミド単位の割合が1〜33モル%であり、ヒドロキシカ
ルボン酸単位の割合が67〜99モル%である共重合体
であることが好ましい。
【0028】また、本発明の共重合体の一例として、下
記構造式(12)で表される構造をもつポリマーが挙げ
られる。
【0029】
【化18】 (式中、p、r、sは、3つ同時に0になることのない
0又は正の整数であり、qは1以上の整数であり、(p
+r+s)/(q+1)=2〜100であり、Rは水素
原子又はメチル基である。)
【0030】この場合、基本的に、コハク酸イミド単位
がつながったポリコハク酸イミド連鎖、ヒドロキシカル
ボン酸がつながったポリヒドロキシカルボン酸連鎖は、
それぞれブロック性をもち、共重合体の分子中のセグメ
ントとして存在する。
【0031】さらに、本発明の共重合体は、そのポリコ
ハク酸イミドセグメント中の一部のコハク酸イミド単位
が開環していてもよい。この場合、この共重合体は、下
記構造式(5)で表されるAセグメントと、
【0032】
【化19】 (式中、xは1以上100以下の整数である。)
【0033】下記構造式(6)で表されるBセグメント
と、
【0034】
【化20】 (式中、yは0又は100以下の正の整数であり、Mは
金属又は水素原子である。)
【0035】下記構造式(7)で表されるCセグメント
【0036】
【化21】 (式中、zは4以上1000以下の整数であり、Rはメ
チル基又は水素原子である。)を併せ持つ枝分かれ状共
重合体であることが好ましい。
【0037】また、本発明の共重合体は、そのポリコハ
ク酸イミドセグメント中に、下記構造式(9)又は(1
0)のような構造のアスパラギン酸単位が混在していて
もよい。
【0038】
【化22】
【0039】
【化23】 (両式中、p、q、r及びsは0又は1000以下の正
の整数であり、Rはメチル基又は水素原子である。)
【0040】また、分子鎖末端のカルボキル基は必ずし
もCOOH基である必要はない。例えば、アルカリ金
属、アルカリ土類金属やアミン等の塩基との塩を形成し
ていてもよい。
【0041】本発明の共重合体の分子量については、物
性等を考慮し、その重量平均分子量は1000以上10
万以下である。
【0042】本発明の共重合体の共重合組成について
は、コハク酸イミド単位の割合が1〜33モル%であ
り、ヒドロキシカルボン酸単位の割合が67〜99モル
%であることが好ましい。また、少なくとも一部のコハ
ク酸イミド単位が開環している場合は、下記構造式(1
1)で表されるアスパラギン酸由来の構造を含む単位の
割合が1〜33モル%であり、
【0043】
【化24】 ヒドロキシカルボン酸単位が67〜99モル%であるこ
とが好ましい。この構造式(11)で表されるアスパラ
ギン酸由来の構造を含む単位は、コハク酸イミド単位
と、これを開環した後のポリアスパラギン酸単位とを総
称するものである。
【0044】次に、本発明の共重合体の製造方法につい
て述べる。
【0045】本発明に係る共重合体の製造方法の一つ
は、アスパラギン酸と、環状エステル化合物との混合物
を加熱することを特徴とする。
【0046】使用するアスパラギン酸は、光学活性のL
−体やD−体であっても、DL−体であってもよい。高
分子量の共重合体を得るためには、好ましくは、フマル
酸やマレイン酸等の不純物の含有量が1重量%以下の高
純度のものが好ましい。
【0047】使用する環状エステル化合物は、ヒドロキ
シカルボン酸が脱水環化した化合物であり、好ましく
は、ラクチド、グリコリド、カプロラクトン、プロピオ
ラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトンであり、特
に好ましくはラクチド及びグリコリドである。ラクチド
としては、L−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチ
ド、ラセミ体のラクチドのいずれも使用することができ
る。
【0048】使用する環状エステル化合物にはヒドロキ
シ酸や水分が含まれていてもよい。ただし、その量は、
環状エステル化合物に対して30モル%以下であること
が好ましい。また、反応の際、反応速度や生成共重合体
分子量調節を目的として、環状エステル化合物に対して
所定量のヒドロキシ酸や水、アルコール類を添加しても
良い。その量はやはり環状エステル化合物に対して30
モル%以下であることが好ましい。
【0049】アスパラギン酸に対する、環状エステル化
合物の仕込組成比が高すぎると、アスパラギン酸がポリ
マー中に取り込まれにくく、PLA、PGA、PLG
A、ポリカプロラクトン等のポリヒドロキシカルボン酸
のみが生成しやすく、本発明の目的である共重合体を得
ることが困難になる。一方、アスパラギン酸の仕込組成
が高すぎると、乳酸単位及び/又はグリコール酸単位の
ブロック連鎖長が伸長しにくく、好ましくない。かかる
点を考慮すると、アスパラギン酸と、環状エステル化合
物との仕込モル組成は、およそ1:1〜1:50程度が
好ましい。
【0050】本発明の製造方法では、反応時に触媒を使
用しなくとも、十分にポリマーを得ることが可能であ
る。ただし、反応時間の短縮や、生成ポリマーの高分子
量化を目的として、触媒を用いても良い。好ましい触媒
としては、例えば、錫や亜鉛、チタン等の金属類、オク
タン酸錫、四塩化錫等の金属塩化合物、有機酸、無機酸
等が挙げられる。
【0051】反応温度の管理は重要である。反応工程全
体としては、120〜230℃の範囲内で加熱すること
が好ましい。ただし、反応初期には、アスパラギン酸か
らの脱水を促すため、少なくとも140℃以上の高温で
反応させることが好ましい。その温度は160〜230
℃がより好ましく、180℃〜220℃が特に好まし
い。反応の後半には、生成してきたポリマーの分解を抑
制するために、反応初期よりも温度を下げることが好ま
しい。その温度は120℃〜200℃がより好ましい。
【0052】本発明の製造方法における重合反応機構
は、従来から知られている、アスパラギン酸と乳酸及び
/又はグリコール酸とを加熱脱水する方法(以降「直接
脱水縮合法」という)の重合機構とは異なる。それは、
本発明の方法と従来の方法とでは、反応の進行状況、生
成ポリマー分子量、分子量分布、及び収率が異なること
からも容易に認識できる。
【0053】以下、本発明における好適な実施態様とし
て、環状エステル化合物がラクチド及び/又はグリコリ
ドである場合を例に挙げて説明する。
【0054】反応を始めた初期には、まず80〜90℃
付近に融点をもつグリコリド及び又はラクチドが溶融
し、融解しないアスパラギン酸粉末が浮遊しながら撹拌
されている状態である。やがて、加熱と共にアスパラギ
ン酸が脱水しながら重合し始める。アスパラギン酸の脱
水で生じた水によりラクチド及び/又はグリコリドが開
環し、開環して生じたヒドロキシ酸が他のラクチド及び
/又はグリコリドを開環させながら重合していく。やが
て、アスパラギン酸又はアスパラギン酸の重合体と、ラ
クチド及び/又はグリコリドの重合体との共重合が起こ
ることにより、粉末顆粒状だったアスパラギン酸又はア
スパラギン酸重合体が可溶化されて透明になり、反応溶
液が均一となる。次第に反応溶液の粘度が上昇してい
く。
【0055】一方、アスパラギン酸と乳酸及び/又はグ
リコール酸とを反応させる直接脱水縮合法では、加熱を
始めた反応初期からすぐにアスパラギン酸が乳酸及び/
又はグリコール酸に溶解して、透明均一な溶液となる。
このため、アスパラギン酸同士が重合することなく、乳
酸及び/又はグリコール酸と共重合してしまい、ランダ
ム性の高い共重合体となる。
【0056】本発明の製造方法において、アスパラギン
酸又はアスパラギン酸の重合体の大部分が消失して反応
溶液が均一になった後の反応後半では、反応系を減圧に
して脱水を促進することが好ましい。脱水を促進するた
め、水を共沸させる溶媒を加えて還流させ、流出液中か
ら水分を除去する方法をとっても良い。
【0057】反応時間は、反応温度、触媒使用の有無や
所望とするポリマーの分子量によっても適宜決定される
が、およそ2時間〜100時間程度である。
【0058】反応終了後、反応混合物から生成ポリマー
を精製単離する場合、再沈澱法、分別沈澱法等の公知の
精製単離方法を用いることができる。例えば、反応混合
物をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、水中に
投入して不溶のポリマー沈澱を濾過や遠心分離等により
回収することができる。本発明の製造方法は、直接脱水
縮合法に比べ、生成するポリマーの分子量が高く、分子
量分布も狭い。また、再沈澱等の精製によるポリマーの
回収率が高い。
【0059】本発明に係る共重合体の一つは、アスパラ
ギン酸と、ラクチド及び/又はグリコリドとの混合物を
加熱することにより得られるポリマーであり、従来の直
接脱水縮合法で得られる共重合体とは構造が異なる。こ
の構造の違いは、公知の分析手法で確認できる。すなわ
ち、例えばNMRスペクトルにおいて、強度の小さなピ
ークに違いがみられ、枝分かれの程度や、ブロック性に
おいて明かな違いが確認できるのである。
【0060】また、両者の構造の違いは、その加水分解
挙動の違いとなって現れる。例えば、アスパラギン酸由
来単位とヒドロキシ酸由来単位との組成比が同じ1:5
の共重合体において、本発明の共重合体の場合は、体温
付近の温度で、人体と同じpHの水中において、比較的
速やかに(数時間から数十時間で)ポリマー全体が水溶
性となり、一旦消失するが、数日〜数十日にかけて再び
水不溶性となって沈澱を生じる。一方、直接脱水縮合法
で得られる共重合体の場合は、水溶性となる部分もある
が、数十日にわたって水不溶のポリマーが残存し続け
る。
【0061】また、両者の構造の違いは、溶解性の差と
なっても現れる。さらに、分子量分布においても違いが
みられる。
【0062】これらの構造の違いはとりもなおさず製造
方法の違いによる。本発明の共重合体の構造は、その独
特な製造方法に由来するものである。
【0063】さらに本発明は、アスパラギン酸と、ラク
チド及び/又はグリコリドとの混合物を加熱することに
より得られるポリマーのコハク酸イミド単位を加水分解
により開環して得られる、繰り返し構造単位として、少
なくともアスパラギン酸単位と、乳酸単位及び/又はグ
リコール酸単位とをもつ共重合体をも含む(以降、この
共重合体を「加水分解型共重合体」という)。この加水
分解型共重合体は、例えば一例として下記構造式(1
3)で表される構造を有する重合体である。
【0064】
【化25】 (式中、p、r、sは、3つ同時に0になることのない
0又は正の整数であり、qは0又は正の整数であり、
(p+r+s)/(q+1)=2〜100であり、Rは
水素原子又はメチル基であり、Mは金属又は水素原子で
ある。)
【0065】構造式(14)と構造式(15)との違い
はイミド環の開環の有無である。加水分解の程度によっ
て、開環構造と未開環構造との組成比を変えることがで
き、そのいずれの組成比の共重合体も本発明の範囲内で
ある。
【0066】本発明の共重合体の構造に含まれるアスパ
ラギン酸単位は、α−アミド型単量体単位及びβ−アミ
ド型単量体単位が混在し得るものであり、両者の比は特
に限定されない。
【0067】加水分解型共重合体を製造する場合、上記
製造法で得られたコハク酸イミド単位をもつ共重合体を
水又は水易溶性溶媒と水との混合溶媒の中に懸濁又は溶
解させ、単に加温するか、アルカリ水溶液等を加えるこ
とによって製造すればよい。水易溶性溶媒とは、少なく
とも水を5重量%以上溶かすことのできる溶媒のこと
で、例えばメタノールやエタノール等のアルコール類、
アセトン、アセトニトリル等が挙げられる。アルカリを
加える場合、過剰のアルカリを加えすぎると共重合体の
分子量が低下するので注意が必要である。
【0068】加水分解に用いるアルカリ水溶液には公知
のものが使用できる。例えば、水酸化ナトリウム水溶
液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水溶液、炭酸ナ
トリウム水溶液等が挙げられる。
【0069】加水分解は酸性条件下では進みにくい。一
方強アルカリ条件下ではポリマー鎖の切断が起こりやす
く好ましくない。係る点を考慮すると、およそpH6〜
11の範囲であることが好ましい。
【0070】一般に知られているPLAやPLGAが数
千程度の低分子量のオリゴマーである場合、シロップ状
か、かなりベタつく固体であるのに対し、本発明の共重
合体は、低分子量でも室温(常温)でべたつきの少ない
固体であり扱い易い。ガラス転移点(Tg)は40℃以
上(およそ40〜60℃程度)であり、比較的低温(例
えば100℃以下)で容易に溶融する。しかも溶融粘度
は既存のPLAやPLGA等よりも低く、溶融して薬剤
を混合するのに都合がよい。
【0071】本発明の共重合体は、種々の有機溶剤に容
易に溶解し、比較的低温で溶融成形が容易なため、マイ
クロスフェアやマイクロカプセル等とすることができ、
徐放性薬剤の基材用樹脂として有用である。
【0072】すなわち、本発明の共重合体と、薬剤とか
ら構成される徐放性薬剤を得ることができる。この徐放
性薬剤は、共重合体により外相を構成し、内相として薬
剤を含むカプセル状の徐放性薬剤であってもよいし、本
発明の共重合体と薬剤との混合物で構成されるスフェア
状の形態を有するの徐放性薬剤であってもよい。
【0073】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の内容を詳細に
説明する。なお、実施例中に示した物性値等は以下のよ
うにして測定した。
【0074】(1)ポリマーの重量平均分子量(M
w)、分子量分布(Mw/Mn) 試料をジメチルホルムアミドに溶解し(濃度0.5重量
%)、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー
(GPC)により、ポリマーの重量平均分子量(Mw)
及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。標準物質には
ポリスチレンを用いた。
【0075】(2)赤外吸収(IR)スペクトル ポリマー試料粉体をKBr粉末とよく混合し、脱気しな
がら加圧することにより錠剤を成形し、FT−IR装置
(フーリエ変換型積算型赤外分光装置)にてスペクトル
を測定した。
【0076】(3)核磁気共鳴(NMR)スペクトル 重水素化ジメチルスルホキシドに試料を溶解し(濃度7
重量%)、核磁気共鳴測定装置を使用し、室温にてH−
NMR(400MHz)およびC−NMRスペクトル
(100MHz)を測定した。
【0077】(4)示差走査熱量計(DSC)測定 示差走査型熱量計により、昇温速度10℃/分で、−5
0℃〜250℃の温度範囲で測定した。
【0078】(5)ポリマーの溶解性テスト ポリマー試料200mgを種々の溶媒2ml中に入れ、
40〜50℃に加温しながら撹拌し、再び室温まで冷却
してポリマーの溶解性を調べた。完溶、半溶、膨潤、不
溶の4段階で評価した。
【0079】<実施例1>撹拌装置、脱気口をつけたガ
ラス製反応器にL−アスパラギン酸13.3g(0.1
モル)及びL−ラクチド28.8g(0.2モル)を装
入した。この場合、仕込みのアスパラギン酸と乳酸との
モル比は1:4になる。反応器を180℃のオイルバス
に浸漬し、撹拌した。融点98℃のラクチドが溶融し、
不溶のアスパラギン酸の白色粉末が浮遊した状態で加熱
を続行した。30分〜1時間程度で粉末は次第に消滅
し、黄色の反応液の粘度が上昇した。加熱開始から1時
間半後から、反応系を徐々に減圧にし、2時間後には1
mmHgに達した。さらに2時間加熱を続けた後、反応
器をオイルバスから取り出し、反応溶液を取り出して冷
却固化させた。得られた薄黄褐色透明の固体を粉砕し、
粉末状ポリマーを得た。Mwは6500、Mw/Mnは
7.4であった。
【0080】このポリマー10gをDMF20gに溶解
した後、水400ml中に投入し、生成した沈澱を回収
することにより精製した。精製収率は81%であった。
精製後のポリマーのMwは9400、Mw/Mnは1.
22であった。
【0081】得られた精製ポリマーのIR測定を行った
ところ、3420cm-1のブロードな吸収の他、300
0cm-1、2950cm-1、1723cm-1、1720
cm -1、1460cm-1、1390cm-1、1360c
-1、1210cm-1、1190cm-1、1140cm
-1、1100cm-1、1050cm-1に特徴的な吸収ピ
ークがみられた。
【0082】精製ポリマーのH−NMR測定を行ったと
ころ、1.3〜1.6ppmに乳酸単位のメチルプロト
ン、2.5〜3.3ppmにコハク酸イミド単位のメチ
レンプロトンに由来するピーク、5.0ppm付近に乳
酸単位のメチンプロトンに由来するピーク、5.2pp
m付近にコハク酸イミド単位のメチンプロトンに由来す
るピークが認められた。また、8.1〜8.8ppmに
構造式(14)、(15)のアミドプロトンに由来する
ピークが確認できた。
【0083】
【化26】
【0084】
【化27】
【0085】また、4.6〜4.7ppmには、上記構
造式(14)、(15)のメチンプロトンに由来するピ
ークが確認できた。
【0086】その他、H−NMRスペクトル中には、
1.0ppm、3.7ppm、4.0ppm、4.2p
pm、5.4ppm、5.6ppm、7.2ppmに、
ポリマー末端基や、枝分かれ部分に由来するピーク等
が、ピーク強度が小さいながらも存在した。
【0087】NMR測定の結果から、ポリマー中のアス
パラギン酸由来単位(アスパラギン酸単位とコハク酸イ
ミド単位)と乳酸単位との組成比は、1:3.9であっ
た。
【0088】NMRスペクトルや、IRスペクトルの解
析により、得られたポリマーの構造は概ね下記構造式
(16)のようであると推定できた。
【0089】
【化28】 (式中、p、q、r、sは0又は正の整数である。)
【0090】ただし、構造式(18)中のコハク酸イミ
ド単位の一部は開環し、下記構造式(17)又は(1
8)の構造となっているものが含まれると推定した。
【0091】
【化29】
【0092】
【化30】 (両式中、m、nは0又は正の整数である。)
【0093】また、得られたポリマーは常温でべたつき
のない固体であり、DSC測定により、41℃において
ガラス転移点を示した。結晶の融解を示す吸熱は見られ
ず、ポリマーが非結晶性であることを示していた。
【0094】ポリマーの溶剤への溶解性は以下の通りで
あった。
【0095】完溶:ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニ
トリル、酢酸エチル 半溶(一部不溶物残る):クロロホルム 膨潤(又はガム状):メタノール、エタノール、2−プ
ロパノール 不溶:水、トルエン。
【0096】試験管に、得られたポリマー粉末を入れ、
十分量のpH7.3の燐酸緩衝溶液を加え、37℃の恒
温槽中で保管した。数時間から20時間以内でポリマー
粉末は消失し、試験管内の溶液は微黄色の透明となっ
た。ポリマー構造中のイミド環が加水分解され、カルボ
キシル基が生成したため、ポリマーが水溶性になったた
めであった。
【0097】<参考例1>L−ラクチドのみを、実施例
1と同様に180℃で加熱したところ、微黄色透明の溶
液となるのみで、粘度は上昇しなかった。冷却して固化
した固体を回収して調べたところ、わずかに乳酸オリゴ
マー(2〜10量体程度)を数重量%程度含むL−ラク
チドであった。
【0098】<参考例2>アスパラギン酸のみを、実施
例1と同様に180℃で加熱したところ、4時間程度で
はほとんど変化せず、アスパラギン酸の粉末を回収し
た。
【0099】そこで、アスパラギン酸を220℃で2時
間加熱したところ、褐色の粉末を得た。NMRやIR測
定により、この褐色粉末がポリコハク酸イミドであるこ
とを確認した。Mwは15,000であった。
【0100】このポリコハク酸イミドはDSC測定にお
いて、明確な融解吸熱ピークを示さず、250℃以上に
おいて熱分解するのみであった。
【0101】得られたポリコハク酸イミドの溶剤への溶
解性は以下の通りであった。
【0102】半溶(一部不溶物残る):ジメチルホルム
アミド 不溶:クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトン、
アセトニトリル、エタノール、メタノール、水、トルエ
ン。
【0103】<実施例2>撹拌装置、脱気口をつけたガ
ラス製反応器にL−アスパラギン酸13.3g(0.1
モル)及びL−ラクチド36.0g(0.25モル)を
装入した。この場合、仕込みのアスパラギン酸と乳酸と
のモル比は1:5になる。反応器を180℃のオイルバ
スに浸漬し、撹拌した。融点98℃のラクチドが溶融
し、不溶のアスパラギン酸の白色粉末が浮遊した状態で
加熱を続行した。30分〜1時間程度で粉末は次第に消
滅し、黄色の反応液の粘度が上昇した。加熱開始から1
時間半後から、反応系を徐々に減圧にし、2時間後には
1mmHgに達した。さらに2時間加熱を続けた後、オ
イルバスの温度を160℃に下げ、さらに15時間反応
を続けた。反応器をオイルバスから取り出し、反応溶液
を取り出して冷却固化させた。得られた薄黄褐色透明の
固体を粉砕し、粉末状ポリマーを得た。Mwは1470
0、Mw/Mnは1.38であった。
【0104】このポリマー10gをDMF20gに溶解
した後、水400ml中に投入し、生成した沈澱を回収
することにより精製した。精製収率は94%であった。
精製後のポリマーのMwは16300、Mw/Mnは
1.37であった。
【0105】NMR測定の結果から、ポリマー中のアス
パラギン酸由来単位と乳酸単位との組成比は、1:5.
1であった。
【0106】DSC測定において、52℃のガラス転移
点が観測された。結晶融解の吸熱ピークは見られず、非
晶性ポリマーであることが示された。
【0107】ポリマーの溶剤への溶解性は以下の通りで
あった。
【0108】完溶:ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニ
トリル、酢酸エチル 半溶(一部不溶物残る):クロロホルム 膨潤(又はガム状):メタノール、エタノール 不溶:水、トルエン。
【0109】試験管に、得られたポリマー粉末を入れ、
十分量のpH7.3の燐酸緩衝溶液を加え、37℃の恒
温槽中で保管した。数時間から20時間以内でポリマー
粉末は消失し、試験管内の溶液は微黄色の透明となっ
た。実施例1と同様に、ポリマー構造中のイミド環が加
水分解してカルボキシル基を生成し、ポリマーが水溶性
となった。さらにそのまま試験管を恒温層に放置して観
察を続行したところ、12日経過したあたりから液が白
濁し始め、15日経過頃から白色沈澱が見られた。水溶
性のアスパラギン酸単位が分解により切断され、ポリマ
ー中の乳酸単位の組成が高まったため、再び水不溶性と
なったものであった。19日経過した時点で液を遠心分
離して白色沈澱物を回収したところ、試験に供したポリ
マーの25重量%にあたる白色粉末を得た。分子量をG
PCにて測定したところ、Mwは12300、Mw/M
nは1.34であった。
【0110】<実施例3>撹拌装置、脱気口をつけたガ
ラス製反応器にL−アスパラギン酸106.5g(0.
8モル)及びL−ラクチド288.2g(2.0モル)
を装入した。この場合、仕込みのアスパラギン酸と乳酸
とのモル比は1:5になる。反応器を180℃のオイル
バスに浸漬し、撹拌した。融点98℃のラクチドが溶融
し、不溶のアスパラギン酸の白色粉末が浮遊した状態で
加熱を続行した。30分〜1時間程度で粉末は次第に消
滅し、黄色の反応液の粘度が上昇した。加熱開始から2
時間半後に反応系を徐々に減圧にし、3時間後には1m
mHgに達した。さらに11時間加熱を続けた後、反応
器をオイルバスから取り出し、反応溶液を取り出して冷
却固化させた。得られた薄黄褐色透明の固体を粉砕し、
粉末状ポリマーを得た。Mwは26000、Mw/Mn
は1.32であった。
【0111】NMR測定の結果から、ポリマー中のアス
パラギン酸由来単位と乳酸単位との組成比は、1:5.
0であった。
【0112】DSC測定において、52℃のガラス転移
点が観測された。結晶融解の吸熱ピークは見られず、非
晶性ポリマーであることが示された。
【0113】<実施例4>撹拌装置、脱気口をつけたガ
ラス製反応器にL−アスパラギン酸6.7g(0.05
モル)及びL−ラクチド36.0g(0.25モル)を
装入した。この場合、仕込みのアスパラギン酸と乳酸と
のモル比は1:10になる。反応器を180℃のオイル
バスに浸漬し、撹拌した。融点98℃のラクチドが溶融
し、不溶のアスパラギン酸の白色粉末が浮遊した状態で
加熱を続行した。1時間程度で粉末は次第に消滅し、黄
色の反応液の粘度が上昇した。加熱開始から2時間半後
から、反応系を徐々に減圧にし、3時間後には1mmH
gに達した。オイルバスの温度を160℃に下げ、さら
に6時間反応を続けた。この時点で反応液をサンプリン
グし、分子量を測定したところ、Mwは8800であっ
た。さらに反応を9時間継続した後、反応器をオイルバ
スから取り出し、反応溶液を取り出して冷却固化させ
た。得られた薄黄褐色透明の固体を粉砕し、粉末状ポリ
マーを得た。Mwは17000、Mw/Mnは1.39
であった。
【0114】このポリマー10gをDMF20gに溶解
した後、水400ml中に投入し、生成した沈澱を回収
することにより精製した。精製収率は96%であった。
精製後のポリマーのMwは17800、Mw/Mnは
1.35であった。
【0115】NMR測定の結果から、ポリマー中のアス
パラギン酸由来単位と乳酸単位との組成比は、1:1
0.4であった。
【0116】DSC測定において、49℃にガラス転移
点が観測された。
【0117】ポリマーの溶剤への溶解性は以下の通りで
あった。
【0118】完溶:ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニ
トリル、酢酸エチル、クロロホルム、熱トルエン 膨潤(又はガム状):メタノール、エタノール 不溶:水。
【0119】<実施例5>撹拌装置、脱気口をつけたガ
ラス製反応器にL−アスパラギン酸13.3g(0.1
モル)及びL−ラクチド144.1g(1.0モル)を
装入した。この場合、仕込みのアスパラギン酸と乳酸と
のモル比は1:20になる。反応器を180℃のオイル
バスに浸漬し、撹拌した。融点98℃のラクチドが溶融
し、不溶のアスパラギン酸の白色粉末が浮遊した状態で
加熱を続行した。30分〜1時間程度で粉末は次第に消
滅し、黄色の反応液の粘度が上昇した。加熱開始から2
時間半後に反応系を徐々に減圧にし、3時間後には1m
mHgに達した。さらに12時間加熱を続けた後、反応
器をオイルバスから取り出し、反応溶液を取り出して冷
却固化させた。得られた薄黄褐色透明の固体を粉砕し、
粉末状ポリマーを得た。Mwは21000、Mw/Mn
は1.26であった。
【0120】このポリマー10gをDMF20gに溶解
した後、水400ml中に投入し、生成した沈澱を回収
することにより精製した。精製収率は95%であった。
精製後のポリマーのMwは21000、Mw/Mnは
1.25であった。
【0121】NMR測定の結果から、ポリマー中のアス
パラギン酸由来単位と乳酸単位との組成比は、1:1
9.5であった。
【0122】DSC測定において、50℃のガラス転移
点が観測された。結晶融解の吸熱ピークは見られず、非
晶性ポリマーであることが示された。
【0123】ポリマーの溶剤への溶解性は以下の通りで
あった。
【0124】完溶:ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニ
トリル、酢酸エチル、熱トルエン 膨潤(又はガム状):メタノール、エタノール 不溶:水。
【0125】5本の試験管に、得られたポリマー粉末を
入れ、十分量のpH7.3の燐酸緩衝溶液を加え、37
℃の恒温槽中で加水分解を行った。1日目、5日目、9
日目、19日目、31日目にそれぞれ試験管を1本ずつ
取り出し、遠心分離により不溶性ポリマー粉末を回収、
乾燥した、1日目、5日目、9日目、19日目、31日
目に回収されたポリマーの重量は、それぞれ63%、6
1%、70%、75%45%であり、Mwはそれぞれ、
24000、26000、34000、17000、9
000であった。
【0126】<比較例1>撹拌装置、脱気口をつけたガ
ラス製反応器にL−乳酸の90%水溶液を200g装入
し、反応器を180℃のオイルバスに浸漬し、撹拌し
た。水の留出がほぼ終わった時点で反応系を徐々に減圧
にした(20mmHg)。さらに5時間加熱を続けた
後、反応物を少量サンプリングしたところ、Mw950
0、ガラス転移点18℃の水あめ状オリゴマーであっ
た。さらに、減圧下(20mmHg)、160℃で反応
を続行し、20時間後に反応器をオイルバスから取り出
し、反応溶液を取り出して冷却固化させた。得られたポ
リマーは、Mw17000、ガラス転移点39℃、融点
136℃のポリ乳酸であった。
【0127】得られたポリ乳酸の溶剤への溶解性は以下
の通りであった。
【0128】完溶:ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、クロロホルム 不溶:アセトン、トルエン、テトラヒドロフラン、アセ
トニトリル、酢酸エチル、エタノール、メタノール、2
−プロパノール、水。
【0129】5本の試験管に、得られたポリマー粉末を
入れ、十分量のpH7.3の燐酸緩衝溶液を加え、37
℃の恒温槽中で加水分解を行った。1日目、5日目、9
日目、19日目、31日目にそれぞれ試験管を1本ずつ
取り出し、遠心分離により不溶性ポリマー粉末を回収、
乾燥した、1日目、5日目、9日目、19日目、31日
目に回収されたポリマーの重量は、それぞれ97%、9
6%、92%、92%、90%であり、Mwはそれぞ
れ、17000、17200、16800、1700
0、16500であった。
【0130】<実施例6>実施例1で得られたポリマー
の粉末4.21gを、蒸留水150mlに懸濁した。液
のpHは4であった。撹拌し、液のpHを見ながら、そ
こへ1Nの水酸化ナトリウム水溶液をゆっくり滴下して
いった。水酸化ナトリウム水溶液を滴下する度に、液の
pHは4から9に上がり、すぐに4に低下した。水酸化
ナトリウム水溶液の滴下量が増すにつれ、pHの戻りが
遅くなる傾向を示した。液中に懸濁していたポリマー粒
子が次第に可溶化していき、水酸化ナトリウム水溶液の
滴下量が0.4gに達したとき、ポリマー粒子はほとん
ど消滅し、液は微黄色透明となった。pHは6.2であ
った。この液を濃縮乾固し、得られた黄褐色固体をメタ
ノールに溶解し、アセトニトリル中に投入して再沈澱さ
せて白色ポリマー固体を回収した。得られたポリマーの
Mwは9000、Mw/Mnは1.2であった。
【0131】このポリマーのIRスペクトルには、実施
例1のポリマーのIRスペクトルに見られた吸収ピーク
に加え、1620cm-1にアミド基構造に特徴的な強い
吸収ピークが観察された。
【0132】<実施例7>実施例3で得られた共重合体
0.5gを、アセトニトリル5mlに溶解し、レシチン
を0.1%含有させた綿実油50ml中に投入し、ホモ
ジナイザーにより15000回転で3分間攪拌してオイ
ルインオイル(o/o)エマルジョンを調製した。この
エマルジョンを入れた容器内を徐々に減圧にし、40℃
で2時間攪拌することにより、アセトニトリルを除去し
た。オイルを室温、常圧に戻し、ヘキサン25mlを加
え、沈殿したポリマー粒子を濾過により回収し、さらに
ヘキサンで粒子をよく洗浄した後乾燥した。顕微鏡観察
により、ポリマー粒子は直径数μm〜数十μmのマイク
ロスフェアであることを確認した。
【0133】<実施例8>実施例5で得られた共重合体
1.5gを、クロロホルム10mlに溶解した。水1m
lにアセトアミノフェン100mgを溶解したものをこ
のクロロホルム溶液中に投入し、ホモジナイザーにより
12000回転で3分間攪拌してエマルジョンを調製し
た。重合度約500のポリビニルアルコールの1%水溶
液200mlを攪拌しながら、そこへ上記エマルジョン
をピペットでゆっくり滴下した。得られたエマルジョン
が入った容器を減圧にしてクロロホルムを除去した。沈
殿してきたポリマー粒子を濾過により回収し、水洗、減
圧乾燥することにより目的とする薬剤を含有したマイク
ロスフェアを得た。
【0134】
【発明の効果】以上の通り、本発明により、繰り返し構
造単位として、コハク酸イミド単位及び/又はアスパラ
ギン酸単位と、乳酸単位及び/又はグリコール酸単位と
をもつ新規共重合体及びその製造方法が提供される。こ
の共重合体は、常温で固体であり、比較的低融点のポリ
マーであり、特異な加水分解挙動を示し、新規生体吸収
性ポリマーとして、例えば徐放性薬剤用の基材として有
用である。
【0135】また、本発明の製造方法により、高分子量
で分子量分布の狭い新規共重合体を高収率で得ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉谷 弘明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA64 AA67 AA95 CC01 DD43 DD45 DD51 DD63 EE06 EE15 EE16 EE24 EE26 EE48 EE53 FF32 4J043 PA09 PA11 PA13 PB08 PB13 PB14 QA16 RA23 RA24 RA34 SA05 SB01 TA37 TB01 UA622

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繰り返し構造単位として、下記構造式
    (1)で表されるコハク酸イミド単位と、 【化1】 下記構造式(2)で表されるヒドロキシカルボン酸単位
    と 【化2】 (式中、Rはメチル基又は水素原子である。)を併せ持
    つ、重量平均分子量1000以上10万以下の共重合
    体。
  2. 【請求項2】 構造式(1)で表されるコハク酸イミド
    単位の割合が1〜33モル%であり、構造式(2)で表
    されるヒドロキシカルボン酸単位の割合が67〜99モ
    ル%である請求項1記載の共重合体。
  3. 【請求項3】 下記構造式(3)で表されるポリコハク
    酸イミドセグメントと、 【化3】 (式中、mは1以上100以下の整数である。)下記構
    造式(4)で表されるポリヒドロキシカルボン酸セグメ
    ントと 【化4】 (式中、Rはメチル基又は水素原子であり、nは1以上
    1000以下の整数である。)を併せ持ち、コハク酸イ
    ミド単位の割合が1〜33モル%であり、ヒドロキシカ
    ルボン酸単位の割合が67〜99モル%である請求項1
    記載の共重合体。
  4. 【請求項4】 下記構造式(5)で表されるAセグメン
    トと、 【化5】 (式中、xは1以上100以下の整数である。)下記構
    造式(6)で表されるBセグメントと、 【化6】 (式中、yは0又は100以下の正の整数であり、Mは
    金属又は水素原子である。) 下記構造式(7)で表されるCセグメントと 【化7】 (式中、zは4以上1000以下の整数であり、Rはメ
    チル基又は水素原子である。)を併せ持つ枝分かれ状共
    重合体であって、下記構造式(8)で表されるアスパラ
    ギン酸由来の構造を含む単位の割合が1〜33モル%で
    あり、 【化8】 ヒドロキシカルボン酸単位の割合が67〜99モル%で
    あり、分子末端が、アミノ基、水酸基、カルボキシル基
    及びカルボン酸塩基から選ばれる一種以上の基から成る
    請求項1記載の共重合体。
  5. 【請求項5】 下記構造式(9) 【化9】 (式中、p及びqは0又は1000以下の正の整数であ
    り、Rはメチル基又は水素原子である。)及び/又は、
    下記構造式(10) 【化10】 (式中、r及びsは0又は1000以下の正の整数であ
    り、Rはメチル基又は水素原子である。)で表される繰
    り返し構造単位を含み、共重合体中の下記構造式(1
    1)で表されるアスパラギン酸由来の構造を含む単位の
    割合が1〜33モル%であり、 【化11】 ヒドロキシカルボン酸単位が67〜99モル%である請
    求項1記載の共重合体。
  6. 【請求項6】 下記構造式(12)で表される請求項1
    記載の共重合体。 【化12】 (式中、p、r、sは、3つ同時に0になることのない
    0又は正の整数であり、qは1以上の整数であり、(p
    +r+s)/(q+1)=2〜100であり、Rは水素
    原子又はメチル基である。)
  7. 【請求項7】 請求項1の共重合体から得られる、下記
    構造式(13)で表される共重合体。 【化13】 (式中、p、r、sは、3つ同時に0になることのない
    0又は正の整数であり、qは0又は正の整数であり、
    (p+r+s)/(q+1)=2〜100であり、Rは
    水素原子又はメチル基であり、Mは金属又は水素原子で
    ある。)
  8. 【請求項8】 Tgが40℃以上であり、100℃以下
    で溶融する請求項1〜7の何れか一項記載の共重合体。
  9. 【請求項9】 アスパラギン酸と環状エステル化合物と
    の混合物を加熱して、繰り返し構造単位としてコハク酸
    イミド単位とヒドロキシカルボン酸単位とを併せ持つ共
    重合体を得る重合工程を含む共重合体の製造方法。
  10. 【請求項10】 重合工程で得た共重合体のコハク酸イ
    ミド単位の少なくとも一部を加水分解により開環し、少
    なくともアスパラギン酸単位と、ヒドロキシカルボン酸
    単位とを併せ持つ共重合体を得る加水分解工程をさらに
    含む請求項9記載の共重合体の製造方法。
  11. 【請求項11】 アスパラギン酸と環状エステル化合物
    との混合モル比が1/1〜1/50である請求項9又は
    10記載の共重合体の製造方法。
  12. 【請求項12】 環状エステル化合物が、ラクチド及び
    /又はグリコリドである請求項9〜11の何れか一項記
    載の共重合体の製造方法。
  13. 【請求項13】 重合工程において、アスパラギン酸
    と、ラクチド及び/又はグリコリドとの混合物を120
    〜230℃に加熱する請求項12記載の共重合体の製造
    方法。
  14. 【請求項14】 加水分解工程において、pH6〜11
    の条件下で加水分解を行う請求項10記載の共重合体の
    製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1又は7記載の共重合体と、薬
    剤とから構成される徐放性薬剤。
  16. 【請求項16】 外相としての請求項1又は7記載の共
    重合体と、内相としての薬剤とから構成されるカプセル
    状の形態を有する請求項15記載の徐放性薬剤。
  17. 【請求項17】 請求項1又は7記載の共重合体と、薬
    剤との混合物で構成されるスフェア状の形態を有する請
    求項15記載の徐放性薬剤。
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