JP2000159078A - 制動力制御装置 - Google Patents

制動力制御装置

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JP2000159078A
JP2000159078A JP10332936A JP33293698A JP2000159078A JP 2000159078 A JP2000159078 A JP 2000159078A JP 10332936 A JP10332936 A JP 10332936A JP 33293698 A JP33293698 A JP 33293698A JP 2000159078 A JP2000159078 A JP 2000159078A
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JP
Japan
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working fluid
fluid pressure
brake pedal
piston member
master cylinder
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JP10332936A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Doi
三浩 土井
Toshiya Osawa
俊哉 大澤
Tomoyuki Matsuzawa
智之 松澤
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】個別の圧力源からの作動流体圧をマスタシリン
ダ圧と同等ににフィードバック制御するにあたり、ブレ
ーキペダルのペダルフィーリングを調整可能とすると共
に各車輪の制動用シリンダへの作動流体圧特性を圧力制
御弁への特別な指令なくして制御可能とする。 【解決手段】マスタシリンダ圧を吸収するストロークシ
ミュレータ5のピストン部材16の可動方向反対側に、
ステップモータ15によって軸線方向に移動される可動
部材18を配設し、この可動部材18からピストン部材
16側にコイルスプリング19を突設する。ピストン部
材16がコイルスプリング19に当接するまではペダル
反力はリターンスプリング17のバネ特性にのみ依存す
るが、当接してから二つのスプリングのバネ特性に依存
するので、コイルスプリング19とピストン部材16と
の間隙を調整してペダル反力や制動力を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキペダルの
踏込みによるマスタシリンダとは個別に各車輪の制動用
シリンダへの作動流体圧を制御可能な制動力制御装置に
関し、特にマスタシリンダからの作動流体圧をストロー
クシミュレータで吸収する構成を有するものに好適なも
のである。
【0002】
【従来の技術】このような制動力制御装置としては、例
えば特開平5ー262220号公報に記載されるものが
ある。この制動力制御装置では、マスタシリンダとは個
別にポンプで作動流体圧を昇圧し、それをアキュームレ
ータに蓄圧し、電磁切換弁でマスタシリンダから切換え
て、当該アキュームレータ内の作動流体圧をアンチスキ
ッド制御装置の圧力制御弁で、主として減圧方向に制御
して各車輪の制動用シリンダに供給する。このとき、マ
スタシリンダの作動流体圧はストロークシミュレータと
称する流体圧吸収装置で吸収される。具体的に、このス
トロークシミュレータは、シリンダ部材中に収納され且
つマスタシリンダからの作動流体圧によって可動なピス
トン部材と、このピストン部材,つまり作動流体を押し
戻し、ブレーキペダルに反力を与えるバネ部材とで構成
される。なお、各車輪の制動用シリンダへの作動流体圧
は、このストロークシミュレータとマスタシリンダとの
間の作動流体圧に基づいて制御するのが一般的である。
また、この制動力制御装置では、車両が特に前方から衝
突したときにブレーキペダルから伝わる衝撃を緩和でき
るように、エアバッグシステム等に搭載されている衝突
センサで衝突を検出したら、電磁断続弁を開いてライン
内,つまりマスタシリンダから制動用シリンダまでの全
ての作動流体圧をリザーバに大気開放するようにしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
制動力制御装置では、ストロークシミュレータ内でブレ
ーキペダルに反力を与えるためのバネ部材は、そのバネ
特性が一定であるために、ブレーキペダルから感じられ
る,所謂ペダルフィーリングは常に一定である。また、
単にマスタシリンダからストロークシミュレータまでの
間の作動流体圧をフィードバック制御するときには、ブ
レーキペダルの操作状態と発生する作動流体圧とが常に
一意の関係にあるので、各車輪の制動用シリンダへの作
動流体圧を最終的に制御する圧力制御弁に対して特別な
指令を与えない限り、供給作動流体圧特性を制御するこ
とはできない。また、衝突時のブレーキペダルからの衝
撃を緩和するために個別に電磁断続弁を設けなければな
らないことから、部品点数やコストが増加する。
【0004】本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発され
たものであり、ブレーキペダルのペダルフィーリングを
調整可能とすると共に各車輪の制動用シリンダへの作動
流体圧特性を圧力制御弁への特別な指令なくして制御可
能とし、且つ部品点数やコストの低廉化も可能な制動力
制御装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記諸問題を解決するた
めに、本発明のうち請求項1に係る制動力制御装置は、
ブレーキペダルの踏込みによって作動流体圧を昇圧する
マスタシリンダと、マスタシリンダとは個別に作動流体
圧を昇圧可能なポンプと、このポンプからの作動流体圧
を蓄圧するアキュームレータと、このアキュームレータ
に蓄圧された作動流体圧を減圧制御して所定の作動流体
圧とする圧力制御弁と、前記マスタシリンダの作動流体
圧及び圧力制御弁の作動流体圧の何れかを選択して各車
輪の制動用シリンダに接続する電磁切換弁と、前記マス
タシリンダからの作動流体圧を吸収するストロークシミ
ュレータと、このストロークシミュレータと前記マスタ
シリンダとの間の作動流体路を断続する電磁断続弁と、
前記マスタシリンダからストロークシミュレータまでの
作動流体圧を検出するマスタシリンダ圧検出手段と、少
なくともこのマスタシリンダ圧検出手段で検出される作
動流体圧に基づいて各車輪の制動用シリンダの作動流体
圧を制御するために、前記圧力制御弁,電磁切換弁及び
電磁断続弁を駆動するための制御信号を出力する制御手
段とを備え、前記ストロークシミュレータは、マスタシ
リンダからの作動流体圧に応じて可動なピストン部材
と、このピストン部材を収納するシリンダ部材と、この
シリンダ部材とピストン部材との間に連結された第1の
バネ部材と、前記ピストン部材がマスタシリンダからの
作動流体圧によって可動する側で当該ピストン部材と収
納部材との間に配設された可動部材と、この可動部材か
ら前記ピストン部材側に向けて突設された第2のバネ部
材と、前記可動部材及びそれから突設された第2のバネ
部材を、前記ピストン部材の可動方向に移動させるアク
チュエータとを備え、前記制御手段は車両状態を検出し
て前記アクチュエータを駆動するための制御信号を出力
する構成としたことを特徴とするものである。
【0006】この発明では、例えばアクチュエータを駆
動して可動部材及びそれから突設された第2のバネ部材
をピストンの可動方向に移動させると、当該第2のバネ
部材とピストン部材との間隔が変化する。ピストン部材
と第2のバネ部材とが当接していないときには、ブレー
キペダルへの反力,つまりブレーキペダルフィーリング
やマスタシリンダからストロークシミュレータまでの作
動流体圧は第1のバネ部材のバネ特性にのみ依存する
が、ピストン部材と第2のバネ部材とが当接すると、ブ
レーキペダルフィーリングや作動流体圧は、第1のバネ
部材のバネ特性と第2のバネ部材のバネ特性とに依存す
ることになるから、前述のようにピストン部材と第2の
バネ部材との間隔を変化させて両者が当接する位置を変
えることにより、ブレーキペダルフィーリングを調整し
たり、圧力制御弁に特別な指令を与えることなく作動流
体圧を制御したりすることができる。
【0007】また、本発明のうち請求項2に係る制動力
制御装置は、前記請求項1の発明において、前記制御手
段は、車両速度を検出する車両速度検出手段を備え、こ
の車両速度検出手段で検出される車両速度の増加に伴っ
て、前記可動部材及びそれから突設されている第2のバ
ネ部材がピストン部材側に近づくように前記アクチュエ
ータへの制御信号を調整することを特徴とするものであ
る。
【0008】また、本発明のうち請求項3に係る制動力
制御装置は、前記請求項1又は2の発明において、前記
制御手段は、ブレーキペダルの操作状態を検出するブレ
ーキペダル操作状態検出手段を備え、このブレーキペダ
ル操作状態検出手段で検出されるブレーキペダルの踏込
み量の増加に伴って、前記可動部材及びそれから突設さ
れている第2のバネ部材がピストン部材側に近づくよう
に前記アクチュエータへの制御信号を調整することを特
徴とするものである。
【0009】また、本発明のうち請求項4に係る制動力
制御装置は、前記請求項1又は2の発明において、前記
制御手段は、ブレーキペダルの操作状態を検出するブレ
ーキペダル操作状態検出手段を備え、このブレーキペダ
ル操作状態検出手段で検出されるブレーキペダルの踏込
み量及びその踏込み速度の増加に伴って、前記可動部材
及びそれから突設されている第2のバネ部材がピストン
部材側に近づくように前記アクチュエータへの制御信号
を調整することを特徴とするものである。
【0010】また、本発明のうち請求項5に係る制動力
制御装置は、前記請求項1乃至4の発明において、前記
ピストン部材及び可動部材には、前記アクチュエータに
よって当該可動部材がピストン部材から離れる方向に移
動されるときに互いに係合する係合構造を形成し、前記
制御手段は、車両の衝突を検出する車両衝突検出手段を
備え、この車両衝突検出手段で車両の衝突が検出された
ときには、前記可動部材及びそれから突設されている第
2のバネ部材がピストン部材から離れるように前記アク
チュエータへの制御信号を調整することを特徴とするも
のである。
【0011】
【発明の効果】而して、本発明のうち請求項1に係る制
動力制御装置によれば、アクチュエータを駆動して可動
部材及びそれから突設された第2のバネ部材をピストン
の可動方向に移動させると、当該第2のバネ部材とピス
トン部材との間隔が変化する構成としたため、両者が当
接する位置を変えることにより、第1のバネ部材のバネ
特性と第2のバネ部材のバネ特性とに依存するブレーキ
ペダルフィーリングや作動流体圧特性の変化点を変える
ことが可能となり、これによりブレーキペダルフィーリ
ングを調整したり、圧力制御弁に特別な指令を与えるこ
となく作動流体圧を制御したりすることができる。
【0012】また、本発明のうち請求項2に係る制動力
制御装置によれば、検出される車両速度の増加に伴っ
て、可動部材及びそれから突設されている第2のバネ部
材がピストン部材側に近づくように構成したため、高速
ほど第1のバネ部材のバネ特性と第2のバネ部材のバネ
特性に依存するブレーキペダルフィーリングや作動流体
圧特性の変化点をブレーキペダル操作開始から早めるこ
とになり、第1のバネ部材のバネ特性だけに依存してい
るときよりも作動流体圧特性を高めにすることが可能と
なり、低速ではブレーキペダルフィーリングを軟らかめ
にして微妙なペダルコントロールが可能となる。
【0013】また、本発明のうち請求項3に係る制動力
制御装置によれば、検出されるブレーキペダルの踏込み
量の増加に伴って、可動部材及びそれから突設されてい
る第2のバネ部材がピストン部材側に近づくように構成
したため、ブレーキペダルを大きく踏込むほど第1のバ
ネ部材のバネ特性と第2のバネ部材のバネ特性に依存す
るブレーキペダルフィーリングや作動流体圧特性の変化
点をブレーキペダル操作開始から早めることになり、第
1のバネ部材のバネ特性だけに依存しているときよりも
作動流体圧特性を高めにすることが可能となり、踏込み
が小さいときにはブレーキペダルフィーリングを軟らか
めにして微妙なペダルコントロールが可能となる。
【0014】また、本発明のうち請求項4に係る制動力
制御装置によれば、検出されるブレーキペダルの踏込み
量及びその踏込み速度の増加に伴って、可動部材及びそ
れから突設されている第2のバネ部材がピストン部材側
に近づくように構成したため、ブレーキペダルを大きく
且つ速く踏込むほど第1のバネ部材のバネ特性と第2の
バネ部材のバネ特性に依存するブレーキペダルフィーリ
ングや作動流体圧特性の変化点をブレーキペダル操作開
始から早めることになり、第1のバネ部材のバネ特性だ
けに依存しているときよりも作動流体圧特性を高めにす
ることが可能となり、踏込みが小さいときや遅いときに
はブレーキペダルフィーリングを軟らかめにして微妙な
ペダルコントロールが可能となる。
【0015】また、本発明のうち請求項5に係る制動力
制御装置によれば、ピストン部材及び可動部材には、ア
クチュエータによって当該可動部材がピストン部材から
離れる方向に移動されるときに互いに係合する係合構造
を形成し、車両の衝突が検出されたときには、可動部材
及びそれから突設されている第2のバネ部材がピストン
部材から離れるように構成したため、車両の衝突時には
可動部材がピストン部材に係合して一緒に移動されるこ
とになり、結果的にマスタシリンダからストロークシミ
ュレータまでの作動流体圧が低減され、ブレーキペダル
への反力が低減されるので、当該ブレーキペダルから伝
わる衝撃が緩和され、従来に比して部品点数やコストを
低廉化することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】これ以下、本発明の制動力制御装
置の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1は
本発明の制動力制御装置の流体圧系概略構成図である。
なお、図では一輪の制動用シリンダ1だけを代表して描
いているが、後述する圧力制御弁を含めて全輪分の制動
用シリンダ1が備えられていることはいうまでもない。
また、各車輪の制動用シリンダ1は、ディスクロータを
ディスクパッドで挟み付けるディスクブレーキである。
【0017】ブレーキペダル2の踏込みによって昇圧さ
れるマスタシリンダ3からの作動流体圧を各車輪の制動
用シリンダ1に供給するノーマルラインには、二位置切
換え式の電磁切換弁4が介装されている。この電磁切換
弁4は、ソレノイドが励磁されていないノーマル状態で
ラインを連通し、ソレノイドを励磁した切換え状態でラ
インを遮断する(図は切換え状態を示す)。また、この
電磁切換弁4とマスタシリンダ3との間から分岐された
分岐ラインの端末には後述するストロークシミュレータ
5が取付けられ、このストロークシミュレータ5とマス
タシリンダ3との間に二位置切換え式の電磁断続弁6が
介装されている。この電磁断続弁6は、ソレノイドが励
磁されていないノーマル状態でラインを遮断し、ソレノ
イドを励磁した切換え状態でラインを連通する(図は切
換え状態を示す)。また、前記ノーマルライン及び分岐
ライン,即ちマスタシリンダ3からストロークシミュレ
ータ5までの間の作動流体圧を検出するマスタシリンダ
圧検出手段としてのマスタシリンダ圧センサ9が設けら
れている。
【0018】一方、マスタシリンダ3に併設されたリザ
ーバ7からは、各車輪の制動用シリンダ1に,マスタシ
リンダ3とは個別の作動流体圧を制御するための制御ラ
インが設けられ、その途中は、各制動用シリンダ1の作
動流体圧を増圧するための供給ラインと、それを減圧す
るための帰還ラインとに分岐されている。各車輪の制動
用シリンダ1と供給ライン及び帰還ラインとの間には、
例えば前記特開平5ー262220号公報に記載される
ような例えばアンチスキッド制御装置等に用いられる電
磁切換弁からなる圧力制御弁8が介装されている。この
圧力制御弁8は、後述のようにして昇圧された供給ライ
ンの作動流体圧を各車輪の制動用シリンダ1に供給する
ように当該供給ラインと制動用シリンダ1とを連通し且
つ帰還ラインを遮断する増圧ポジション、供給ライン及
び帰還ラインの双方を遮断すると共に制動用シリンダ1
内の作動流体圧を封入する保持圧ポジション、各車輪の
制動用シリンダ1を帰還ラインに連通し且つ供給ライン
を遮断する減圧ポジションの三つのポジションを有す
る。なお、本実施形態では、各制動用シリンダ1の作動
流体圧を検出する制動用シリンダ圧センサ10が設けら
れている。
【0019】前記帰還ラインは全くのバイパスラインで
ある。一方の供給ラインは、モータ駆動のポンプ11
と、このポンプ11で昇圧された作動流体圧を蓄圧する
アキュームレータ12とを備えており、例えばその下流
に設けられたアキュームレータ圧センサ13で検出され
るアキュームレータ12内の作動流体圧が所定値以下に
なると、後述するコントールユニットによってポンプ1
1が作動され、作動流体圧を昇圧する。
【0020】次に、前記ストロークシミュレータ5の詳
細について図2,図3を用いて説明する。図中の符号1
4は、筐体を構成する円筒状のシリンダ部材であり、図
示上方の蓋部51に形成された入力ポート52が前記電
磁断続弁6の出力ポートに接続されている。一方、この
シリンダ部材14の図示下方の底部53には、アクチュ
エータとしてステップモータ15が取付けられており、
その回転軸54は、当該底部53を貫通してシリンダ部
材14の内部に突出し且つ当該シリンダ部材14との間
にシール部材55が介装されている。また、このステッ
プモータ15の回転軸54の先端には、ボールネジの雄
ネジ56が設けられている。また、このボールネジの雄
ネジ56の外周には、前記シリンダ部材14の底部53
から円筒部57が突設されており、この円筒部57の内
孔内には、その軸線方向に沿ってキー状の突起58が形
成されている。
【0021】また、前記シリンダ部材14の内部には、
当該内孔内を画成するピストン部材16が収納されてい
る。ピストン部材16の外周にはシール部材59が取付
けられ、シリンダ部材14の内孔内を密に画成する。ま
た、ピストン部材16の外周部から図示下方に延設され
たスカート部60とシリンダ部材14の底部53との間
には、第1のバネ部材としてリターンスプリング17が
介装されている。従って、前記マスタシリンダ3からの
作動流体圧の増加に伴ってピストン部材16は、図示下
方,つまりシリンダ部材14の内孔の軸線方向に移動さ
れ、リターンスプリング17の反力がマスタシリンダ3
からの作動流体圧(正確にはピストン断面積を乗じた
力)とバランスする位置で停止し、そのときの反力がブ
レーキペダル2の踏力となり、同時にマスタシリンダ3
からストロークシミュレータ5までの間の作動流体圧と
なる。
【0022】前記ステップモータ15の回転軸54に設
けられたボールネジの雄ネジ56と前記シリンダ部材1
4の底部53から突設された円筒部57の間には、円板
状の可動部材18から図示下方に突設された円筒部61
が差し込まれている。この可動部材18から突設された
円筒部61の内部には、前記ステップモータ15の回転
軸54のボールネジの雄ネジ56に螺合するボールネジ
のナット62が設けられており、互いに螺合している。
また、この可動部材18から突設された円筒部61の外
部には、前記シリンダ部材14の底部53から突設され
た円筒部57の内孔内のキー状突起58に係合するキー
溝63が形成されており、互いに係合している。従っ
て、前記ステップモータ15の回転軸54を正逆回転す
ると、ボールネジの推力によって可動部材18がシリン
ダ部材14の軸線方向,つまり前記ピストン部材16の
可動方向に往復移動する。このときの可動部材18の回
転は、前記キー状突起58とキー溝63との係合によっ
て規制される。
【0023】また、前記可動部材18には、図示上方,
つまり前記ピストン部材16側に向けて第2のバネ部材
であるコイルスプリング19が突設されている。このコ
イルスプリング19は、所謂自由長の状態で且つ前記ピ
ストン部材16が移動していない状態,マスタシリンダ
3からの作動流体圧がない状態では、当該ピストン部材
16には当接しない。例えば、前記ステップモータ15
の回転軸54を正方向に回転させると可動部材18及び
それから突設されたコイルスプリング19がピストン部
材16側に近づくように移動されるとすると、図3に示
すようにコイルスプリング19のピストン部材16側端
部とピストン部材16(の裏側)との距離は短くなる。
また、ステップモータ15の回転軸54を逆方向に回転
させると可動部材18及びそれから突設されたコイルス
プリング19がピストン部材16から離れ、図2に示す
ようにコイルスプリング19のピストン部材16側端部
とピストン部材16(の裏側)との距離は長くなる。
【0024】前述のように、マスタシリンダ3からの作
動流体圧に応じてピストン部材16がシリンダ部材14
の軸線方向に沿って移動されるのであるが、そのときピ
ストン部材16が、前記可動部材18から突設されたコ
イルスプリング19に当接するまでの間は、前述のよう
にリターンスプリング17のバネ特性のみよってブレー
キペダル2の踏力や作動流体圧が決まるのに対して、こ
のピストン部材16の移動に伴って当該ピストン部材1
6がコイルスプリング19に当接してからは、ブレーキ
ペダル2の踏力や作動流体圧は、リターンスプリング1
7のバネ特性とコイルスプリング19のバネ特性との両
者に依存するものとなる。具体的に、例えば図2の状態
がコイルスプリング19がピストン部材16から最も離
れた状態にあるものとし、このときのブレーキペダル2
の踏力とブレーキペダル2のストロークとの関係は図4
に曲線Aで示すような特性になるものとすると、図3の
状態がコイルスプリング19がピストン部材16に最も
近い状態であり、このときのブレーキペダル2の踏力と
ブレーキペダル2のストロークとの関係は図4に曲線B
で示すような特性になる。なお、ペダルの踏力はマスタ
シリンダ3からストロークシミュレータ5までの作動流
体圧、ペダルのストロークはピストン部材16の移動力
と同じである。この制御可能なブレーキペダル2の踏力
やストローク、作動流体圧特性やピストン部材16の移
動量などは後述するコントロールユニットによって制御
される。また、前記作動流体圧がリターンスプリング1
7のバネ特性にのみ依存している曲線から、コイルスプ
リング19のバネ特性及びリターンスプリング17のバ
ネ特性の双方に依存する曲線に移行する点を、作動流体
圧の折れ点と称する。
【0025】また、車両には、車両速度を検出するため
の車両速度検出手段としての車両速度センサやブレーキ
ペダル2の操作状態を検出するブレーキペダル操作状態
検出手段としてのブレーキペダルセンサ等が設けられて
いる。また、この車両には、所謂エアバッグ装置のよう
な車両衝突時安全装置が設けられており、その車両衝突
検出手段として前後加速度装置等が設けられている。
【0026】前記コントロールユニット(図中ではEC
U)20は、図示されないマイクロコンピュータ等の演
算処理装置を介装して構成される。そして、このコント
ロールユニット20では、例えば前記電磁切換弁4及び
電磁断続弁6を切換え状態とし、その状態で、前記アキ
ュームレータ圧センサで検出されるアキュームレータの
作動流体圧が所定値以下であるときにはポンプ11を駆
動して作動流体圧を昇圧したり、前記マスタシリンダ圧
センサ9で検出されるマスタシリンダ3からストローク
シミュレータ5までの間の作動流体圧に制動用シリンダ
圧センサ10で検出される制動用シリンダ1内の作動流
体圧が等しくなるように圧力制御弁8を作動させたりす
るための各種の制御信号を創成し出力すると、各駆動回
路(図ではAMP)21が各アクチュエータを駆動する
のに適した駆動信号に変換する。なお、こうした基本的
な制御の演算処理は、前記演算処理装置内で所定のロジ
ックに従って行われるが、その制御態様は従来既存のフ
ィードバック制御を用いることで可能であるから、ここ
では詳述しない。
【0027】次に、前記ストロークシミュレータ5に設
けられたアクチュエータとしてのステップモータ15を
制御することにより、前記マスタシリンダ3から当該ス
トロークシミュレータ5までの間の作動流体圧を制御
し、前述のようにこれを各制動用シリンダ1の作動流体
圧にフィードバック制御する制御態様の詳細について説
明する。
【0028】まず、本実施形態では、図5に示すように
前記車両速度センサで検出される車両速度(図では車
速)が高速所定値より高速では、前記ストロークシミュ
レータ5内の可動部材18の位置が、前記図3に示す図
示最上方(図では最上点)に位置するようにし、低速所
定値より低速では前記図2に示す図示最下方(図では最
下点)に位置するようにし、二つの所定値の間では、車
両速度の増加に伴って可動部材18の位置を図2,図3
の図示上方に次第に変化するように設定している。可動
部材18の位置は、前述のようにマスタシリンダ3から
ストロークシミュレータ5までの間の作動流体圧の折れ
点を意味するから、例えば前記二つの所定値の間では、
当該作動流体圧の折れ点は次第に小さな値となり、従っ
て当該作動流体圧は全般的に高めになることになる。
【0029】ここで、例えば図6に示すように、制動直
前の車両速度(図では制動前車速)が高速になるほど、
本実施形態で制動用シリンダ1となるディスクブレーキ
のディスクロータとディスクパッドとの摩擦係数(図で
はパッド摩擦係数)は小さくなる傾向にある。従って、
高速走行時には前記ストロークシミュレータ5の可動部
材18の位置を図2,図3の図示上方,つまりピストン
部材16側に近づけることにより、マスタシリンダ3か
らストロークシミュレータ5までの間の作動流体圧の折
れ点をピストン部材16の移動量の小さな値,即ちペダ
ルストロークの小さな値とし、結果的に小さなペダルス
トロークでペダル踏力,即ち当該作動流体圧が速やかに
大きくなるようにすることで、この作動流体圧がフィー
ドバックされる制動用シリンダ1の作動流体圧を速やか
に高め、ブレーキの効きという面でのペダルフィーリン
グを改善することができる。これは、ペダルフィーリン
グの改善のみならず、例えば高速走行中の渋滞遭遇時の
ように、高い減速度を必要とするときに、小さなペダル
ストロークで速くて大きな制動力を得られるという応答
性向上の効果を合わせもっている。
【0030】逆に、低速走行時には前記ストロークシミ
ュレータ5の可動部材18の位置を図2,図3の図示下
方,つまりピストン部材16から離すことにより、マス
タシリンダ3からストロークシミュレータ5までの間の
作動流体圧の折れ点をピストン部材16の移動量の大き
な値,即ちペダルストロークの大きな値とする。従っ
て、マスタシリンダ3からストロークシミュレータ5ま
での間の作動流体圧は、前記リターンスプリング17の
バネ特性にのみ依存している時間が長くなるので、当該
リターンスプリング17のバネ特性によるペダル反力
(踏力)特性を通常のブレーキ特性と同等のものとする
ことで、この作動流体圧がフィードバックされる制動用
シリンダ1の作動流体圧をペダル踏力と一対一の関係と
することができ、ペダルストロークに対する制動力変化
を意図的に小さくしてきめ細やかな制動力制御を可能と
する。つまり、低速域では、ペダルフィーリングを軟ら
かめにして微妙なペダルコントロールが可能となる。
【0031】また、本実施形態では、例えば前記マスタ
シリンダ3からストロークシミュレータ5までの間の作
動流体圧が前記リターンスプリング17のバネ特性にの
み依存している領域で、図7に示すように、前記マスタ
シリンダ圧センサ9で検出される当該作動流体圧(図で
は液圧)Pの時間tに対する変化率ΔPを求め、この変
化率ΔPが所定値以上であるときには緊急制動時である
と判定し、前記ストロークシミュレータ5の可動部材1
8の位置を図2,図3の図示最上方,つまりピストン部
材16側に直近させる。これにより、前述と同様に、マ
スタシリンダ3からストロークシミュレータ5までの間
の作動流体圧の折れ点がペダルストロークの小さな値と
し、結果的に小さなペダルストロークでペダル踏力,即
ち当該作動流体圧が速やかに大きくなるようにすること
で、この作動流体圧がフィードバックされる制動用シリ
ンダ1の作動流体圧を速やかに高め、小さなペダルスト
ロークで速くて大きな制動力を得て大きな減速度を達成
する。
【0032】また、本実施形態では、前記可動部材18
の図2,図3の最下方からの位置を数値制御するように
し、その位置情報にゲインを乗じることにより補正でき
るようにしている。即ち、図8に示すように、前記ブレ
ーキペダル操作状態検出手段で検出されるブレーキペダ
ル2の操作状態から、当該ブレーキペダル2の踏込み量
が比較的大きな踏込み側所定値以上であるときに当該ゲ
インを“1”とし、ブレーキペダル2の踏込み量が比較
的小さな足戻し側所定値以下であるときに当該ゲインを
“1”より小さい所定値とし、ブレーキペダル2の踏込
み量が二つの所定値間であるときにはブレーキペダル2
の踏込み量の増加に伴って当該ゲインが次第に大きくな
るようにしている。従って、上記に加え、ブレーキペダ
ル2の踏込み量が大きいときに、真に運転者が大きな減
速度を要求しているとして、前記ストロークシミュレー
タ5の可動部材18の位置を図2,図3の図示上方,つ
まりピストン部材16側に近づけ易くすることにより、
小さなペダルストローク(ペダル踏込み量の変化量の
意)で速くて大きな制動力を得られるようにすることが
できる。逆にブレーキペダル2の踏込み量が小さいとき
には、運転者はさほど大きな減速度を要求しているので
はないとして、前記ストロークシミュレータ5の可動部
材18の位置を図2,図3の図示上方,つまりピストン
部材16側に近づけにくくすることにより、ペダルスト
ロークに対する制動力変化を小さくしてきめ細やかな制
動力制御を可能とし、ペダルフィーリングを軟らかめに
して微妙なペダルコントロールが可能となる。
【0033】また、これに関しては、例えば図9に示す
ようにブレーキペダル2のペダル踏込み速度をパラメー
タとし、ペダル踏込み速度が大きいほど、前記ゲインの
変化率を大きくし且つぺダル踏込み速度が小さいほど、
ゲインの変化率を小さくするようにしてもよい。従っ
て、前記判定に加え、ブレーキペダル2の踏込み量が大
きく且つその踏込み速度が速いときに真に運転者が大き
な減速度を要求しているとして、前記ストロークシミュ
レータ5の可動部材18をピストン部材16側に近づけ
易くし、もって小さなペダルストロークで速くて大きな
制動力を得られるようにすることができる。また、ブレ
ーキペダル2の踏込み量が小さいときに加えてブレーキ
ペダル2の踏込み速度が小さいときにも、運転者はさほ
ど大きな減速度を要求しているのではないとして、前記
ストロークシミュレータ5の可動部材18をピストン部
材16側に近づけにくくすることにより、ペダルストロ
ークに対する制動力変化を小さくしてきめ細やかな制動
力制御を可能とし、ペダルフィーリングを軟らかめにし
て微妙なペダルコントロールが可能となる。
【0034】また、本実施形態では、前記図4の特性図
のように、可動部材18が図2,図3の図示最下方にあ
るときから通常のブレーキ踏力が発生するように設定し
ているが、例えば通常の制御領域を、図2,図3の図示
中央位置から上方に設定することにより、追突時のブレ
ーキペダル2から足に伝わる衝撃を緩和することができ
る。即ち、通常の可動部材18の制御領域を前述のよう
に図2,図3の図示中央位置から上方に設定するのは、
リターンスプリング17のバネ特性やピストン断面積系
を調整することで容易に可能になる。そして、前記車両
衝突検出手段によって車両の衝突が検出されたら、可動
部材18を図2,図3の最下方に移動させると、マスタ
シリンダ3からストロークシミュレータ5までの作動流
体圧が急速に増加する領域が狭まり、相対的に当該作動
流体圧がリターンスプリング17のバネ特性にのみ依存
する領域が広がるので、ブレーキペダル2にかかる反力
を弱め、足に伝わる衝撃を緩和することが可能となる。
【0035】次に、本発明の制動力制御装置の第2実施
形態について説明する。この実施形態における流体圧系
は、前記第1実施形態の図1に示すものと同様である。
また、車両の構成やコントロールユニット20について
も、前記第1実施形態のものと同様である。
【0036】本実施形態では、まずストロークシミュレ
ータ5の構成が異なる。このストロークシミュレータ5
の詳細について図10〜図12を用いて説明する。この
ストロークシミュレータ5の筐体を構成する円筒状のシ
リンダ部材14や、アクチュエータとして用いられるス
テップモータ15等は、前記第1実施形態のものと同様
であり、シリンダ部材14の底部53を貫通するステッ
プモータ15の回転軸54にはボールネジの雄ネジ56
が設けられている。また、ピストン部材16の構成も、
前記第1実施形態のものに類似しているが、本実施形態
では、スカート部60がやや下方に延長され、その下端
部には、係合構造の一部である内側向きの係止爪部22
が突設されている。なお、第1のバネ部材であるリター
ンスプリング17は、この延長されたスカート部60と
シリンダ部材14の底部53との間に配設されている。
【0037】一方、可動部材18については、その回転
規制構造が異なる。即ち、円板状の可動部材18から図
示下方に突設された円筒部61の内部には、前記ステッ
プモータ15の回転軸54のボールネジの雄ネジ56に
螺合するボールネジのナット62が設けられていて互い
に螺合している。この可動部材18の円筒部61の図示
下端部にはフランジ部64が形成され、このフランジ部
64に形成されている貫通孔65に、前記シリンダ部材
14の底部53から図示上方向きに突設されたガイド杆
66が挿通されている。また、前記円板状の可動部材1
8の外周端部からは、前記ピストン部材16のスカート
部60の内孔に向けて円筒部67が突設され、その円筒
部67の上端部から、当該ピストン部材16のスカート
部60の内孔内で、係合構造の一部である外側向きの係
止爪部23が突設されている。なお、第2のバネ部材で
あるコイルスプリング19は、この円筒部67の内孔内
に収納され、且つその図示上端部は、当該円筒部67よ
り上方に突出している。
【0038】本実施形態でも、前記ステップモータ15
の回転軸54を正逆回転すると、可動部材18の回転を
前記フランジ部64の貫通孔65とガイド杆66とによ
って規制しながら、ボールネジの推力によって可動部材
18がシリンダ部材14の軸線方向,つまり前記ピスト
ン部材16の可動方向に往復移動する。従って、例えば
前記ピストン部材16のスカート部60から内側向きに
突設された係止爪部22と可動部材18の円筒部67か
ら外側向きに突設された係止爪部23とが当接していな
いか、或いは両者が当接していても両者間に応力が作用
していない状態では、図10の状態が可動部材18の最
下方になり、図11の状態が可動部材18の最上方にな
る。これらは、夫々、前記第1実施形態の図2,図3に
相当し、そのときのブレーキペダル2の踏力とブレーキ
ペダル2のストロークとの関係は、夫々、前記図4に曲
線A,曲線Bで示すような特性になる。
【0039】しかしながら、前記ステップモータ15を
逆回転させ続けると、やがて前記ピストン部材16のス
カート部60から内側向きに突設された係止爪部22と
可動部材18の円筒部67から外側向きに突設された係
止爪部23とが当接し、更にステップモータ15を逆回
転させると可動部材18が図示下方に移動されるのに伴
って、二つの係止爪部22,23が係合した状態で、図
12に示すようにピストン部材16も図示下方に移動さ
れる。これに伴ってリターンスプリング17が収縮さ
れ、ピストン部材16からマスタシリンダ3までは密の
状態であるから、同時にマスタシリンダ3からストロー
クシミュレータ5までの間の作動流体圧が減圧され、ブ
レーキペダル2の反力も小さくなる。
【0040】次に、前記ストロークシミュレータ5に設
けられたアクチュエータとしてのステップモータ15を
制御することにより、前記マスタシリンダ3から当該ス
トロークシミュレータ5までの間の作動流体圧を制御
し、前述のようにこれを各制動用シリンダ1の作動流体
圧にフィードバック制御する制御態様の詳細について説
明する。
【0041】本実施形態における作動流体圧の基本的な
制御態様は、前記第1実施形態の図5乃至図9で説明し
たものと同様であり、具体的には可動部材18の移動範
囲を前記図10の最下方から図11の最上方までに規制
して行われる。本実施形態では、前記図12のようにピ
ストン部材16の係止爪部22と可動部材18の係止爪
部23とを互いに係合した状態で図示下方に移動させる
ことにより、マスタシリンダ3からストロークシミュレ
ータ5までの間の作動流体圧を減圧し、ブレーキペダル
2の反力を小さくすることができるので、前記車両衝突
検出手段によって車両の衝突が検出されたら、即座にス
テップモータ15を逆回転させて、ピストン部材16を
可動部材18との係合構造によって図13の状態まで移
動させる。すると、図13に示すように、若しブレーキ
ペダル2が踏み込まれていない状態では、マスタシリン
ダ3からストロークシミュレータ5までの間の作動流体
圧は負圧になるので、衝突時のペダル踏込み量が或る程
度まで到達して、当該作動流体圧が正圧になるまでの間
には、ペダル反力がなく、従って全般的に作動流体圧を
減圧させてブレーキペダル2から足に伝わる衝撃を緩和
することができる。このとき、本実施形態では、個別の
リリーフバルブ等を設ける必要がなく、部品点数が少な
く、構成が簡潔で実用化し易く、コストの低廉化も可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制動力制御装置を適用した制動用作動
流体圧系の概略構成図である。
【図2】図1の制動用作動流体圧系に用いられたストロ
ークシミュレータの第1実施形態を示す説明図である。
【図3】図2のストロークシミュレータの作動説明図で
ある。
【図4】ストロークシミュレータの出力説明図である。
【図5】車速に対する制御マップである。
【図6】車速に対するディスクブレーキの摩擦係数の説
明図である。
【図7】時間当たりの流体圧変化の説明図である。
【図8】ブレーキペダルの踏込み量に対する制御マップ
である。
【図9】ブレーキペダルの踏込み量と踏込み速度とに対
する制御マップである。
【図10】図1の制動用作動流体圧系に用いられたスト
ロークシミュレータの第2実施形態を示す説明図であ
る。
【図11】図10のストロークシミュレータの作動説明
図である。
【図12】図10のストロークシミュレータの作動説明
図である。
【図13】ストロークシミュレータの出力特性図であ
る。
【符号の説明】
1は制動用シリンダ 2はブレーキペダル 3はマスタシリンダ 4は電磁切換弁 5はストロークシミュレータ 6は電磁断続弁 7はリザーバ 8は圧力制御弁 9はマスタシリンダ圧センサ 10は制動用シリンダ圧センサ 11はポンプ 12はアキュームレータ 13はアキュームレータ圧センサ 14はシリンダ部材 15はステップモータ(アクチュエータ) 16はピストン部材 17はリターンスプリング(第1のバネ部材) 18は可動部材 19はコイルスプリング 20はコントロールユニット 21は駆動回路 22は係止爪部(係合構造) 23は係止爪部(係合構造)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松澤 智之 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3D046 BB03 BB17 CC02 EE01 HH02 HH16 HH20 HH22 JJ05 KK07 LL05 LL23 LL36 LL41 LL43 LL51 LL54

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルの踏込みによって作動流
    体圧を昇圧するマスタシリンダと、マスタシリンダとは
    個別に作動流体圧を昇圧可能なポンプと、このポンプか
    らの作動流体圧を蓄圧するアキュームレータと、このア
    キュームレータに蓄圧された作動流体圧を減圧制御して
    所定の作動流体圧とする圧力制御弁と、前記マスタシリ
    ンダの作動流体圧及び圧力制御弁の作動流体圧の何れか
    を選択して各車輪の制動用シリンダに接続する電磁切換
    弁と、前記マスタシリンダからの作動流体圧を吸収する
    ストロークシミュレータと、このストロークシミュレー
    タと前記マスタシリンダとの間の作動流体路を断続する
    電磁断続弁と、前記マスタシリンダからストロークシミ
    ュレータまでの作動流体圧を検出するマスタシリンダ圧
    検出手段と、少なくともこのマスタシリンダ圧検出手段
    で検出される作動流体圧に基づいて各車輪の制動用シリ
    ンダの作動流体圧を制御するために、前記圧力制御弁,
    電磁切換弁及び電磁断続弁を駆動するための制御信号を
    出力する制御手段とを備え、前記ストロークシミュレー
    タは、マスタシリンダからの作動流体圧に応じて可動な
    ピストン部材と、このピストン部材を収納するシリンダ
    部材と、このシリンダ部材とピストン部材との間に連結
    された第1のバネ部材と、前記ピストン部材がマスタシ
    リンダからの作動流体圧によって可動する側で当該ピス
    トン部材と収納部材との間に配設された可動部材と、こ
    の可動部材から前記ピストン部材側に向けて突設された
    第2のバネ部材と、前記可動部材及びそれから突設され
    た第2のバネ部材を、前記ピストン部材の可動方向に移
    動させるアクチュエータとを備え、前記制御手段は車両
    状態を検出して前記アクチュエータを駆動するための制
    御信号を出力する構成としたことを特徴とする制動力制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、車両速度を検出する車
    両速度検出手段を備え、この車両速度検出手段で検出さ
    れる車両速度の増加に伴って、前記可動部材及びそれか
    ら突設されている第2のバネ部材がピストン部材側に近
    づくように前記アクチュエータへの制御信号を調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載の制動力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、ブレーキペダルの操作
    状態を検出するブレーキペダル操作状態検出手段を備
    え、このブレーキペダル操作状態検出手段で検出される
    ブレーキペダルの踏込み量の増加に伴って、前記可動部
    材及びそれから突設されている第2のバネ部材がピスト
    ン部材側に近づくように前記アクチュエータへの制御信
    号を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の
    制動力制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、ブレーキペダルの操作
    状態を検出するブレーキペダル操作状態検出手段を備
    え、このブレーキペダル操作状態検出手段で検出される
    ブレーキペダルの踏込み量及びその踏込み速度の増加に
    伴って、前記可動部材及びそれから突設されている第2
    のバネ部材がピストン部材側に近づくように前記アクチ
    ュエータへの制御信号を調整することを特徴とする請求
    項1又は2に記載の制動力制御装置。
  5. 【請求項5】 前記ピストン部材及び可動部材には、前
    記アクチュエータによって当該可動部材がピストン部材
    から離れる方向に移動されるときに互いに係合する係合
    構造を形成し、前記制御手段は、車両の衝突を検出する
    車両衝突検出手段を備え、この車両衝突検出手段で車両
    の衝突が検出されたときには、前記可動部材及びそれか
    ら突設されている第2のバネ部材がピストン部材から離
    れるように前記アクチュエータへの制御信号を調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載の制動力制御装置。
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