JP2000158260A - 工作機械のテーブル - Google Patents

工作機械のテーブル

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JP2000158260A
JP2000158260A JP10334838A JP33483898A JP2000158260A JP 2000158260 A JP2000158260 A JP 2000158260A JP 10334838 A JP10334838 A JP 10334838A JP 33483898 A JP33483898 A JP 33483898A JP 2000158260 A JP2000158260 A JP 2000158260A
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displacement
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rotation
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Koichiro Miyagawa
幸一郎 宮川
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MIYAGAWA SHIRIN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工作物を回転割出しして加工をするための回
転割出し装置に関して、任意の軸、特に工作機械から離
れた位置の軸を中心に回転割出しできるようにする。 【解決手段】 水平面内で回転割出し可能とした旋回テ
ーブル7を基台2上に設け、該旋回テーブル7上にX軸
方向及びY軸方向に摺動可能なワークテーブル10を水
平に装架し、前記旋回テーブル7の回転変位並びに前記
ワークテーブル10のX軸方向の変位及びY軸方向の変
位の三者の各駆動手段を数値制御装置に接続して、旋回
テーブル7の回転軸心と異なる点を中心に工作物11を
回転割出しするように前記三つの変位を同期的に制御す
ることとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作物を回転割出
しして加工をする際に、任意の軸、特に工作機械から離
れた位置の軸を中心に工作物を回転割出しできるように
するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、回転割出しするためのロータ
リーテーブルを工作機械のテーブルに取付け、該テーブ
ル装置に工作物を支持し、回転割出し加工を行う技術は
公知となっている。このロータリーテーブルは、フライ
ス盤・ボール盤等に用いられるものであって、回転割出
しの中心軸たる割出し台主軸と、該割出し台主軸に固定
される旋回可能なテーブル、割出し用のウォームギア、
操作用のクランク等からなり、テーブルに工作物を支持
し、工作物の円周を均等に分割したり工作物に回転運動
を与えたりして、工作物の割出し加工、例えば円周穴の
分割、円弧の切削、歯車の歯切り等に用いることとして
いる。また、電動式としたロータリーテーブルも公知と
なっている。
【0003】また、歯車を歯切りするための工作機械、
例えばホブ盤やラックカッター等において、該装置内に
回転割出し装置を具備し、歯車素材を回転割出ししなが
ら歯溝を形成する技術も公知となっている。例えば、ホ
ブ盤においては、歯車素材を割出し装置に固定し、ホブ
が一回転するごとに該歯車素材を一歯だけ回転させるよ
うに割出して、歯切りを行うこととしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
ロータリーテーブルやホブ盤の回転割出し装置は、その
回転軸心は工作機械の内部になければならず、機械に含
まれない軸を中心に回転割出しすることはできなかっ
た。従って、大きい直径の円弧部分を有する工作物の該
円弧部分を割出し加工する際には、工作物自体は小さく
ても治具などを介して大きい回転割出し装置に軸支しな
ければならず、機械が大きくなってしまい、設備の占有
面積が大きくなってしまう。例えば、大きいピッチ円直
径、例えば40メートルのピッチ円直径を有する円弧ラ
ックを歯切り加工する際には、円弧ラック自体の長さは
例えば2メートルと短かったとしても、治具を介する等
して直径40メートルの回転割出し装置に取り付けなけ
ればならず、工作機械(フライス盤、ホブ盤やラックカ
ッター等の歯切り装置)も40メートル以上の幅のもの
が必要となってしまい、コストアップとなってしまう。
【0005】一方、上記円弧ラックようなものを小さい
工作機械で歯切りする方法として、回転割出しを行わず
にワイヤ放電加工により行う方法がある。即ち、円弧ラ
ック素材をX軸方向及びY軸方向に摺動可能なワークテ
ーブルに支持し、数値制御ワイヤ放電加工機等にインボ
リュート曲線等からなる歯型の外形線を入力しておき、
該外形を切り出す方法である。しかし、ワイヤ放電加工
の加工速度はきわめて遅いため、通常のホブ盤やラック
カッター等での歯切りに比べて多大な時間を要し、効率
が悪いという欠点があった。
【0006】従って、大きい直径の円弧部分を有する工
作物を、該円弧中心を中心として回転割出しでき、か
つ、工作機械の設備をコンパクトとしつつ回転割出しで
きるようにしたい、しかも効率良く加工を行いたいとの
要望があった。特に、該円弧中心が工作機械から離れて
いる場合にあっても、該中心を中心として回転割出しで
きるようにしたいとの要望があった。本発明は、工作物
の加工において、このような回転割出しを行うことがで
きるテーブルを提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。請求項1においては、水平面内で
回転割出し可能とした旋回テーブルを基台上に設け、該
旋回テーブル上にX軸方向及びY軸方向に摺動可能なワ
ークテーブルを水平に装架したものである。
【0008】請求項2においては、前記旋回テーブルの
回転変位並びに前記ワークテーブルのX軸方向の変位及
びY軸方向の変位の三者の各駆動手段を制御手段と接続
し、ワークテーブル上に固定する工作物を旋回テーブル
の回転軸心とは異なる軸を中心に回転割出しするもので
ある。
【0009】請求項3においては、前記制御手段は、前
記ワークテーブルのX軸方向の変位及びY軸方向の変位
の二者を同期的に制御するものである。
【0010】請求項4においては、前記制御手段は、前
記ワークテーブルのX軸方向の変位及びY軸方向の変位
並びに前記旋回テーブルの回転変位の三者を同期的に制
御するものである。
【0011】請求項5においては、前記制御手段を数値
制御装置としたものである。
【0012】請求項6においては、前記基台上に切削工
具を配置し、該切削工具の延長線上に前記旋回テーブル
の回転軸心が位置するよう配置したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明す
る。図1は本発明の一実施例に係るテーブルを具備する
歯切り装置の構成を示した分解斜視図である。
【0014】まず、図1において本発明の一実施例に係
るテーブルを具備した歯切り装置の全体的な構成につい
て説明する。図1に示す歯切り装置1は数値制御装置
(以下NC装置。図示省略)を具備した歯切り装置であ
って、基台2の後部上面にコラム3を立設し、該コラム
3前面にはカッター主軸台4が配置されている。該カッ
ター主軸台4はコラム3前面に設けられた案内面に沿っ
て鉛直上下方向(以下、「Z軸方向」と定義する。)に
摺動可能に構成している。
【0015】該カッター主軸台4には正面視左右水平に
カッター主軸5が軸支され、該カッター主軸5には切削
工具たるフライスカッター6が一体的に回動するよう固
設されている。なお、このフライスカッター6は、断面
がインボリュート曲線となるよう構成された、インボリ
ュートフライスとして、円弧ラックを一ピッチ分ずつ送
りながら一歯ずつ削っていくこともできる。また、他の
形状の切削工具、例えばホブやラックカッターやピニオ
ンカッター等の工具を用いることもできる。また、断面
がインボリュート曲線となるよう構成したエンドミルと
してもよいので、この構成例に限定するものではない。
また、マシニングセンタのように、さまざまな工具をチ
ャックに係脱交換可能とする構成とすることもできる。
【0016】前述のコラム3内部にはフライスカッター
6を駆動するための電動モーターが配置され(図示省
略)、該電動モーターの出力は図示せぬ歯車装置、伝動
軸等を介して前記カッター主軸5に伝達され、フライス
カッター6を駆動する。
【0017】また、コラム3の内部には図示せぬカッタ
ー送り装置が配置されている。このカッター送り装置
は、カッター主軸台の後部に取り付けられたナット、該
ナットに螺合するカッター主軸台送りねじ、該カッター
主軸台送りねじを駆動するZ軸駆動モーター、カッター
主軸台の変位を検出するエンコーダ、該エンコーダから
検出された変位を目標値と比較して誤差を補正するよう
Z軸駆動モーターを制御するサーボ機構等から構成され
ている。
【0018】また、前記カッター送り装置はNC装置と
接続されていて、NC装置の電気信号が該カッター送り
装置に伝達される構成としている。そして、該カッター
送り装置はNC装置からの電気信号による命令に従って
Z軸駆動モーターの回転を制御して、フライスカッター
6の位置をNC装置の命令に従って鉛直上下方向(Z軸
方向)に所定の速度で所定の位置まで送る、送り制御を
している。ただし、コラム3およびカッター主軸5の支
持部を堅牢に構成して、フライスカッター6を左右回動
可能に構成して、一定範囲の角度内で斜め方向に切削す
るようにすることも可能である。
【0019】次に、本発明の要部であるテーブルについ
て説明する。即ち、歯切り装置1の基台2上には旋回テ
ーブル7が配置され、該旋回テーブル7は基台2の上面
に回動可能に支持されている。この旋回テーブル7の軸
心は、フライスカッター6の略延長線上に位置させるよ
うにしており、言い換えれば、フライスカッター6での
切削時に刃先にかかる力の延長上に旋回テーブル7の回
転中心を位置させることが、最も好ましく、現実には多
少ズレることもある。このように構成することで、切削
作業の際の向心度を確保してたわみによる精度の狂いが
極力生じないようにしている。そして、旋回テーブル7
の外周面には図示せぬウォームホイールを固設してお
り、基台2内には、該旋回テーブル7を駆動し回転割出
しする旋回テーブル割出し装置(図示省略)が配設され
ている。
【0020】この旋回テーブル割出し装置は、前記ウォ
ームホイールに噛合するウォーム、該ウォームを駆動回
転する旋回テーブル駆動モーター、前記旋回テーブル7
の回転変位を検出するエンコーダ、該エンコーダにより
検出された回転変位を目標値と比較して誤差を補正する
よう旋回テーブル駆動モーターを制御するサーボ機構等
からなる構成としている。この構成とすることにより、
旋回テーブル駆動モーターによりウォームを駆動回転さ
せると、該ウォームに噛合するウォームホイールが駆動
されて、結果として旋回テーブル7が水平面上で旋回駆
動されるのである。
【0021】前記旋回テーブル割出し装置はNC装置と
接続されていて、NC装置の電気信号が該旋回テーブル
割出し装置に伝達される構成としている。そして、該回
転割出し装置はNC装置からの電気信号による命令に応
じて旋回テーブル駆動モーターの回転を制御して、旋回
テーブル7の回転変位を所定の速度で所定量だけ変化さ
せて、回転割出しをすることとしている。ただし、旋回
テーブル7及び旋回テーブル割出し装置の構成について
は、これらの構成に限定するものではなく、要は旋回テ
ーブルを水平面内で回転割出し可能な構成とすれば良
い。
【0022】そして、該旋回テーブル7上面にはテーブ
ル受け8が載置固設され、旋回テーブルと一体的に回動
するようにしている。そして該テーブル受け8の上面に
はサドル9が配設される。該サドル9は正面視左右方向
に細長い直方体状に構成して、テーブル受け8の上面に
水平に装架されて、該サドル9の短手方向(以下、この
方向を「Y軸方向」と定義する。)に摺動可能となるよ
う構成している。そして、テーブル受け8の内部には、
サドル9をY軸方向に送って位置決めを行うためのY軸
送り装置(図示省略)が配置される。
【0023】このY軸送り装置は、サドル9の下部に取
り付けられたナット、該ナットに螺合するサドル送りね
じ、該サドル送りねじを駆動するY軸駆動モーター、サ
ドル9の変位を検出するエンコーダ、該エンコーダから
検出された変位を目標値と比較して誤差を補正するよう
Y軸駆動モーターを制御するサーボ機構等から構成され
ている。
【0024】そして、前記Y軸送り装置はNC装置と接
続されていて、NC装置の電気信号が該Y軸送り装置に
伝達される構成としている。そして、該Y軸送り装置は
NC装置からの電気信号による命令に応じてY軸駆動モ
ーターの回転を制御して、サドル9の位置をNC装置の
命令に従って所定の速度で所定の位置までY軸方向に移
動させて、送り制御を行うこととしている。
【0025】そして、前記サドル9の上面には、工作物
を取り付けるためのワークテーブル10が水平に装架さ
れる。該ワークテーブル10は正面視左右方向に細長い
形状として、該ワークテーブル10の長手方向(前記Y
軸方向と直角な方向。以下、「X軸方向」と定義す
る。)に摺動可能としている。そして、前記サドル9の
内部には、該ワークテーブル10をX軸方向に送って位
置決めするためのX軸送り装置が配置される。
【0026】このX軸送り装置は、ワークテーブル10
の下部に取り付けられたナット、該ナットに螺合するワ
ークテーブル送りねじ、該ワークテーブル送りねじを駆
動するX軸駆動モーター、ワークテーブル10のX軸方
向の変位を検出するエンコーダ、該エンコーダから検出
された変位を目標値と比較して誤差を補正するようX軸
駆動モーターを制御するサーボ機構等から構成されてい
る。
【0027】また、前記X軸装置はNC装置と接続され
ていて、NC装置の電気信号が該X軸送り装置に伝達さ
れる構成としている。そして、該ワークテーブル位置決
め装置はNC装置からの電気信号による命令に応じてX
軸駆動モーターの回転を制御して、ワークテーブル10
の位置をNC装置の命令に従ってX軸方向に所定の速度
で所定の位置まで移動させて、送り制御を行うこととし
ている。
【0028】上述の構成とすることにより、ワークテー
ブル10はNC装置の指令によりX軸方向及びY軸方向
に送り制御され、平行移動することとしている。また、
ワークテーブル10は旋回テーブル7上に装架される構
成であるため、NC装置の命令により旋回テーブル7が
旋回されると、ワークテーブル10も旋回テーブル7と
ともに水平面上で旋回される。また、ワークテーブル1
0の旋回とともに該ワークテーブル10の送り制御に係
る座標軸、即ちX軸及びY軸も旋回することとなる。
【0029】ワークテーブル10上面及び側面には工作
物や治具等を取り付けるために断面「T」字状の溝が複
数本平行に形成されており(図示省略)、工作物たる円
弧ラック素材11は取付治具12を介してワークテーブ
ル10に取り付けられる。
【0030】次に、前記した四つの位置決め装置、即ち
カッター送り装置、旋回テーブル回転割出し装置、X軸
送り装置及びY軸送り装置に命令を送るNC装置につい
て説明する。これら四つの位置決め装置は、それぞれ該
NC装置に接続されており、該NC装置は、これら位置
決め装置に電気信号(例えば、パルス信号)を送って、
工作物11及びフライスカッター6に所望の動作を行わ
せるべく制御することとしている。また、NC装置はカ
ッター主軸5を駆動する電動モーターにも接続されてお
り、該電動モーターにも電気信号を送って、フライスカ
ッター6を所定の回転数で回転させるべく制御すること
としている。
【0031】そして、必要がある場合は、前記四軸のう
ちワークテーブル10のX軸方向の変位及びY軸方向の
変位の二者(又は両者に旋回テーブルの回転変位を加え
た三者)については、同期的に制御することとして、該
二軸(三軸)のさまざまな送り制御を組み合わせて工作
物を移動させることとしている。このため、NC装置内
部には直線・円弧補完制御回路を配置しており、該補完
制御回路により一パルスごとにX軸及びY軸の二者(又
は両者に旋回テーブルの回転軸を加えた三者)に送りを
分配して、同期的に制御を行うこととしている。
【0032】これら旋回テーブル7、テーブル受け8、
サドル9及びワークテーブル10並びにこれらを制御す
る数値制御装置により、本実施例のテーブルが構成され
る。
【0033】次に、上記テーブルを用いて円弧ラック素
材11を回転割出しする方法について説明する。図2は
本歯切り装置において、ワークテーブルに固定した円弧
ラック素材が原点に位置する状態を示した平面図、図3
は図2の状態から仮想センタを中心として円弧ラック素
材を角度Aだけ回転移動した状態を示した平面図、図4
は図2の状態から旋回テーブルを角度Aだけ旋回させた
状態を示した説明図、図5は円弧ラック素材にフライス
カッターを深さDだけ切り込ませた状態を示した平面拡
大図である。
【0034】まず、歯切りを行う前の円弧ラック素材1
1が、その外周面をフライスカッター6側に向けた状態
で、ワークテーブル10に取付治具12を介して取り付
けられる。そして、円弧ラック素材11の左右方向中心
線がフライスカッター6及び旋回テーブルの中心を含む
平面上に位置し、かつ、フライスカッター6の先端が該
円弧ラック素材11の外周面に接している位置(即ち、
図2に示す位置)をワークテーブル10の原点とする。
そして、該位置からのワークテーブル10のX軸方向の
変位(正面視左方向を正)をx、Y軸方向の変位(手前
方向を正)をy、旋回テーブルの回転変位(平面視時計
回り方向を正)をBとする。ただし、前記原点及び軸の
設定方法は一例であり、この設定の仕方に限定するもの
ではない。
【0035】そして、ワークテーブル10を移動させる
ことにより、円弧ラック素材11をそのピッチ円中心を
中心とした回転割り出しを行い、円弧ラック素材11に
歯切りを行うのである。なお、B=0のまま固定するこ
とにより、ピッチ円直径が無限大のラック(即ち、直線
ラック)を歯切りすることもできる。
【0036】前記円弧ラック素材11のピッチ円中心の
位置はピッチ円直径によって定まるが、以下においては
このピッチ円中心Cを「仮想センタ」と呼ぶこととす
る。なお、ピッチ円直径が大きい場合は、ピッチ円の中
心Cは図2に示す如く歯切り装置1より離れた位置に存
在することとなる。そして、x及びyの制御によるワー
クテーブル10の平行移動並びにBの制御による旋回テ
ーブル7の旋回を組み合わせて、円弧ラック素材11に
仮想センタCを中心とした回転運動を行わせて、図3に
示す如く回転割出しを行うこととしている。
【0037】この仮想センタCを中心とした回転割出し
は、各テーブルの変位x,y,Bを以下の関係を満たす
よう定めることにより達成される。尚、仮想センタCか
らみた円弧ラック素材11の回転変位をA、円弧ラック
素材11の外周面と仮想センタCとの距離(即ち、円弧
ラックの歯先円半径)をR、フライスカッター6の手前
側先端と旋回テーブルの回転軸心Pとの距離をLとす
る。
【0038】即ち、図2に示す位置からから図3に示す
位置へ円弧ラック素材11を移動させるには、まず旋回
テーブル7を変位Aだけ回転させたのみの図4の如き状
態を考えて、その状態から図4における白抜き矢印の方
向にワークテーブル10を平行移動させればよい。従っ
て、各変位x,y,Bの関係は B=A x=(R−L)sinA y=(R−L)(1−cosA) と表される。
【0039】従って、x,y及びBは、仮想センタCか
らみた円弧ラック素材11の回転変位Aの関数となる。
NC装置が該関係を満たすようにx,y,Bを計算し、
その結果に基づいて各位置決め装置に命令して送り制御
を行うことにより、図3に示す如く円弧ラック11が仮
想センタCを中心として所望の角度Aに位置するように
ワークテーブルが制御され、結果として仮想センタCを
中心とした回転割出しが可能となる。なお、上述の式に
用いられた記号のうち、円弧ラック素材11の外周面と
仮想センタCとの距離Rは歯切りを行う円弧ラック素材
11の径によって定められ、また、フライスカッター6
先端と旋回テーブルの回転軸心Pとの距離Lはフライス
カッター6の径によって定められる。
【0040】なお、実際の歯切りにおいては、図5に示
す如くフライスカッター6を円弧ラック素材11に切り
込ませることにより歯溝を削り取って歯切りを行うの
で、フライスカッター6先端の円弧ラック素材11外周
面からみた相対位置Dをプログラムに記述してNC装置
に与える必要がある。なお、円弧ラック素材11の表面
より奥側、即ち、円弧ラック素材から離れる側を正とす
る(従って、図5に示す如き状態においてはD<0とな
る)。
【0041】そして、工作物の位置は、上記フライスカ
ッター6先端の円弧ラック素材11外周面からみた相対
位置D、及び円弧ラック素材の回転変位Aの二者によっ
て一意に定められる。この工作物の位置を表す座標
(D,A)とワークテーブルの送り量(x,y,B)の
関係は、上記と同様にして求められ、 B=A x=(R+D−L)sinA y=(R+D−L)(1−cosA) と表される。
【0042】上式より、x,y,Bは、DとAの二変数
関数で与えられる。そして、上記NC装置は、プログラ
ムにより与えられた工作物の座標(D,A)を上述の式
によりワークテーブルの制御量(x,y,B)に変換す
る演算回路を具備している。従って、(D,A)で決定
される一連の座標からなるプログラムを作成し、そのプ
ログラムをNC装置に入力すると、NC装置が自動的に
演算を行ってワークテーブル10の制御量(x,y,
B)を計算して、該制御量に従ってワークテーブル10
の送り制御を行うので、結果として円弧ラック素材11
の回転割出しを行いながらの歯切りが数値制御により実
現されるのである。
【0043】なお、上記プログラムにおいては、工作物
の座標(D,A)や工作物の送り速度、フライスカッタ
ー6の回転数等とともに、円弧ラック素材11の外周面
と仮想センタCとの距離R及びフライスカッター6先端
と旋回テーブルの回転軸心との距離Lの値をパラメータ
として記述しておく。当該プログラムをNC装置に入力
させることにより、記述された両パラメータは一時的に
NC装置に記憶され、この記憶された両パラメータは、
上述の制御量(x,y,B)の計算の際に用いられる。
【0044】なお、切削工具としてフライスカッターや
エンドミル等を用いた歯切りの場合は、切削工具が工作
物11の上方又は下方に位置する状態で前記ワークテー
ブル10の回転割出しを行って切り込む位置を決定し、
その後にZ軸を送って(即ち、切削工具を上下に送っ
て)フライスカッター6を円弧ラック11の中心軸と平
行に切り込ませて歯切りを行うこととすればよい。従っ
て、工作物11の上方又は下方において切削工具を切り
込む位置に合わせる際は、x,y,Bの送りは各軸方向
に一変化量ずつ別々に送って差し支えないし、歯すじを
切削する際はx,y,Bを固定してZ軸を送るだけでよ
いので、必ずしもx,y,Bのうち二つ以上の制御量を
同期的に制御する必要はない。
【0045】ただし、二つ以上の制御量を同期的に制御
するよう構成しても差し支えない。この場合は、多軸同
時制御により前記切削工具の位置決めに要する時間が短
くてすむので、作業時間を短縮することができる。ま
た、二つの送り量x,yを同期的に制御するよう構成し
た場合は、円弧ラック素材に対してラジアル方向(即ち
仮想センタへ向かう方向)に切削工具を切り込ませるこ
とができるので、広汎な切削作業が可能となる。
【0046】なお、このテーブルは、切削工具としてホ
ブやラックカッター、ピニオンカッターを用いた、いわ
ゆる創成歯切り法による歯切り装置における回転割出し
にも用いることができる。ただし、この場合はいずれも
仮想センタを中心として円弧ラック素材を回転させなが
ら同時に歯溝を削り取る必要があるため、ワークテーブ
ル10のx,y,Bの同時三軸制御を行わせることとす
る。さらに歯切りのためには、円弧ラック素材を仮想セ
ンタを中心とした回転運動をさせる制御に加えて、ホブ
盤の場合はホブの回転、ラックカッターを用いる場合は
ラックカッターの送り等を同期的に制御する必要が生じ
るので、四軸以上の多軸同時制御とする必要がある。
【0047】次に、図6を用いて、内歯の円弧ラックを
加工する場合について説明する。図6は内歯の円弧ラッ
ク素材を歯切りする場合を示した平面図である。即ち、
ワークテーブルに取り付けるための治具に前記実施例と
異なるもの12' を用いることにより、内歯(インター
ナル)の円弧ラックを加工することもできるのである。
この場合、円弧ラック素材11' の仮想センタCは旋回
テーブル7の回転軸心Pより切削工具側に位置すること
となるが、前記実施例の考え方と同様に各テーブルの制
御量(x,y,B)を決定すればよい。
【0048】次に、ボール盤に本発明のテーブルを用い
た実施例について説明する。図7は本発明の一実施例に
係るテーブルを具備するボール盤の構成を示した分解斜
視図である。図7の符号1' に示すこの実施例は、切削
工具としてドリル13を用いている以外は、前述の実施
例とまったく同様である。該ドリル13は、旋回テーブ
ル7の回転軸心に向けてコラム3に水平支持される。ま
た、該ドリル13の先端は、該ドリル13の軸心方向及
びZ軸方向に移動制御可能としている。このボール盤
1' は、円弧ラックの歯面側にグリス注入用の孔をラジ
アル方向に等間隔で開口する等の用途に用いることがで
きる。その際の工作物11の回転割出しについては、前
述した実施例とまったく同様に各テーブル7・9・10
を制御すればよい。
【0049】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示すような効果を奏するものである。即ち、請求
項1に示す如く、水平面内で回転割出し可能とした旋回
テーブルを基台上に設け、該旋回テーブル上にX軸方向
及びY軸方向に摺動可能なワークテーブルを水平に装架
したので、工作物をワークテーブルに取りつけて任意の
角度で斜めに送ることが可能となり、該工作物に対し切
削工具を任意の角度で斜めに切り込ませることができ
る。従って、切削作業を広汎なものとでき、多種多様な
加工を行うことが可能となる。
【0050】請求項2に示す如く、前記旋回テーブルの
回転変位並びに前記ワークテーブルのX軸方向の変位及
びY軸方向の変位の三者の各駆動手段を制御手段と接続
し、ワークテーブル上に固定する工作物を旋回テーブル
の回転軸心とは異なる軸を中心に回転割出しするので、
旋回テーブルの回転軸心と異なる軸(装置から離れた軸
であってもよい)を中心として工作物を回転割出しする
ことが可能となる。従って、従来のロータリーテーブル
やホブ盤における回転割出し装置のように、工作物の回
転割出しの中心を含むように装置を構成する必要がな
い。従って、設備を小さくすることができ、工場等のス
ペースを効率的に使用することが可能で、また、コスト
の低減が図られる。
【0051】請求項3に示す如く、前記制御手段は、前
記ワークテーブルのX軸方向の変位及びY軸方向の変位
の二者を同期的に制御するので、工作物の回転割出し中
心(工作機械から離れた場所であっても良い)へ向かっ
て、カッターを相対的に斜めに送ることが可能となる。
このことより、工作物に回転割出し中心に向かって(ラ
ジアル方向に)カッターを切り込ませることが可能とな
る。また、二軸を同時に制御するよう構成したので、工
作物を位置決めする際もX軸及びY軸の同時制御により
素早く位置決めを行うことができ、従って加工時間を短
縮する等が可能で、作業の効率化にも寄与できる。
【0052】請求項4に示す如く、前記制御手段は、前
記ワークテーブルのX軸方向の変位及びY軸方向の変位
並びに前記旋回テーブルの回転変位の三者を同期的に制
御するので、工作物を仮想センタを中心として回転運動
させることができる。従って、このようなテーブル制御
を行うことにより、工作物の割出し中心を機械内部に軸
支しなくても、該工作物に該割出し中心を中心とした回
転運動をさせながら加工することが可能となる。例え
ば、円弧ラックをホブやラックカッタにより歯切りする
ことが可能である。また、多軸同時制御による工作物の
位置決め等に要する時間を短縮する等が可能で、作業の
効率化にも寄与できる。
【0053】請求項5に示す如く、前記制御手段を数値
制御装置としたので、予め制御に必要なパラメータをプ
ログラムとして数値制御装置に入力しておいて、数値制
御装置に自動的にワークテーブルの制御を行わせること
が可能となる。また、工作物の各軸方向の送り量の計算
は数値制御装置が自動的に行うので、これらの複雑な計
算に煩わされることなく、工作物のさまざまな送り制御
を簡単かつ精度良く行うことが可能である。
【0054】請求項6に示す如く、前記基台上に切削工
具を配置し、該切削工具の延長線上に前記旋回テーブル
の回転軸心が位置するよう配置したので、切削工具によ
る切削力が常に旋回テーブルの中心に作用する(即ち、
向心度が確保される)ので、切削力による平面視でのモ
ーメントが旋回テーブルに発生せず、従って切削作業中
でも旋回テーブルの精度良い回転割出しが可能となり、
この結果、精度の良い歯切りが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るテーブルを具備する歯
切り装置の構成を示した分解斜視図。
【図2】本テーブル装置において、ワークテーブルに固
定した円弧ラック素材が原点に位置する状態を示した平
面図。
【図3】図2の状態から仮想センタを中心として円弧ラ
ック素材を角度Aだけ回転移動した状態を示した平面
図。
【図4】図2の状態から旋回テーブルを角度Aだけ旋回
させた状態を示した説明図。
【図5】円弧ラック素材にフライスカッターを深さDだ
け切り込ませた状態を示した平面拡大図。
【図6】内歯の円弧ラック素材を歯切りする場合を示し
た平面図。
【図7】本発明の一実施例に係るテーブルを具備するボ
ール盤の構成を示した分解斜視図。
【符号の説明】
1 歯切り装置 2 基台 3 コラム 4 カッター主軸台 5 カッター主軸 6 フライスカッター 7 旋回テーブル 8 テーブル受け 9 サドル 10 ワークテーブル 11 工作物(円弧ラック素材)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平面内で回転割出し可能とした旋回テ
    ーブルを基台上に設け、該旋回テーブル上にX軸方向及
    びY軸方向に摺動可能なワークテーブルを水平に装架し
    たことを特徴とする工作機械のテーブル。
  2. 【請求項2】 前記旋回テーブルの回転変位並びに前記
    ワークテーブルのX軸方向の変位及びY軸方向の変位の
    三者の各駆動手段を制御手段と接続し、ワークテーブル
    上に固定する工作物を旋回テーブルの回転軸心とは異な
    る軸を中心に回転割出しすることを特徴とする請求項1
    記載の工作機械のテーブル。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記ワークテーブルの
    X軸方向の変位及びY軸方向の変位の二者を同期的に制
    御することを特徴とする請求項2記載の工作機械のテー
    ブル。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記ワークテーブルの
    X軸方向の変位及びY軸方向の変位並びに前記旋回テー
    ブルの回転変位の三者を同期的に制御することを特徴と
    する請求項2記載の工作機械のテーブル。
  5. 【請求項5】 前記制御手段を数値制御装置としたこと
    を特徴とする請求項2から請求項4までのうちいずれか
    1項記載の工作機械のテーブル。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5までのいずれか1
    項記載の工作機械のテーブルにおいて、前記基台上に切
    削工具を配置し、該切削工具の延長線上に前記旋回テー
    ブルの回転軸心が位置するよう配置したことを特徴とす
    る工作機械のテーブル。
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