JPH08118144A - ホブ盤の歯車仕上げ加工方法 - Google Patents

ホブ盤の歯車仕上げ加工方法

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JPH08118144A
JPH08118144A JP28598394A JP28598394A JPH08118144A JP H08118144 A JPH08118144 A JP H08118144A JP 28598394 A JP28598394 A JP 28598394A JP 28598394 A JP28598394 A JP 28598394A JP H08118144 A JPH08118144 A JP H08118144A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 効果的なホブ盤の歯車仕上げ加工方法を提供
する。 【構成】 ホブの軸1方向シフト開始位置において、ホ
ブをその回転基準位置から回転させ、ホブの切り刃が創
成中心線に達したとき、ホブをその位置で停止させ、次
いで、ホブを適当量軸方向シフトさせ、センサによって
ホブの切り刃の位置を検出し、数値制御装置によって創
成中心線と切り刃の位置のずれを演算し、その演算値を
被加工歯車の回転角度値に換算し、その換算値を第1回
転角度値として使用し、被加工歯車を適当角度回転さ
せ、センサによって被加工歯車の歯みぞの位置を検出
し、数値制御装置によって創成中心線と歯みぞの位置の
ずれを演算し、その演算値を被加工歯車の回転角度値に
換算し、その換算値を第2回転角度値として使用し、第
2回転角度値を第1回転角度値に加え、その合計値だけ
被加工歯車の角度位置をずらせ、これによってホブの切
り刃と被加工歯車の歯みぞを位置合わせする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】荒切り加工後、焼入硬化された被
加工歯車を仕上げ加工するには、主として研削加工が行
われる。歯車研削盤は高価で加工時間が長く、歯車研削
加工はコストの高い加工法である。特に、小ピッチ(モ
ジュール1以下)の研削加工は砥石の成形が困難で加工
対象外となる。これらの加工法として超硬ホブ、サーメ
ットホブ等の高硬度歯車用ホブを用いて仕上げホブ切り
加工が行われる。この発明は、高精度歯車を低コストで
得る歯車仕上げ加工方法に関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】荒切り加工された被加工歯車
を再びホブ盤で仕上げホブ切り加工する場合、ホブの切
り刃と被加工歯車の歯みぞを位置合わせする必要があ
る。この方法として、以下に示す方式が一般的に知られ
ている。 マスターギヤ方式 被加工歯車とマスターギヤを常時かみ合わせた状態で被
加工歯車の加工を行い、ホブとマスターギヤの位相を保
つことで新しい被加工歯車とホブのかみ合わせを可能と
する。 定位置設定式 被加工歯車を加工用治具に取り付ける際、歯みぞを固定
された定位置を基準に取り付け、この状態でホブとかみ
合うようセットする。ホブは任意の距離をシフトでき
ず、正確に1ピッチ分のシフトをしないとかみ合いの位
相がずれる。 非接触式 工具と被加工歯車のかみ合い状態をCCDカメラ等によ
る画像入力装置からの画像をコンピュータで処理する画
像処理システムを用いたかみ合わせ方法等がある。
【0003】被加工歯車とマスターギヤを常時かみ合わ
させない場合、数値制御装置等によりマスターギヤのか
み合い位置を記憶させておき、マスターギヤと被加工歯
車のかみ合わせ時に位置を再現させる方式が採られる。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】、方式の場合、
最初のホブと被加工歯車のかみ合わせ位置の決定は作業
者が手作業により正確に位置合わせを行う必要があり、
この作業がかみ合わせ精度に大きな影響を与える。方
式は被加工歯車に応じてマスターギヤが必要となり、正
確に加工されたマスターギヤと荒加工の被加工歯車のか
み合わせで正確なかみ合わせを行うのは困難でかみ合い
精度は低くなる。、方式は共に自動化が困難であ
る。方式は高価で精密な機器を必要とし、小ピッチや
種々のハスバ歯車の加工やクーラント液を多量に注入す
る等悪環境のホブ切り加工現場への導入には問題が多
い。本発明では、極めて小ピッチから大ピッチに到る被
加工歯車の仕上げホブ切り加工におけるホブと被加工歯
車のかみ合わせを高精度で自動的に行え、自動化された
生産ラインで使用可能なホブ盤を提供することにある。
【0005】
【問題を解決するための手段】この発明によれば、ホブ
と被加工歯車を互いにかみ合わせ、数値制御装置によっ
て前記ホブと前記被加工歯車を同期回転させるととも
に、前記数値制御装置によって前記ホブを軸方向シフト
させ、前記ホブによって前記被加工歯車を仕上げ加工す
るようにしたホブ盤において、前記ホブと前記被加工歯
車をかみ合わせる前、センサの検出ヘッドを前記ホブと
前記被加工歯車間の創成中心線上に配置し、前記ホブの
軸方向シフト開始位置において、前記ホブをその回転基
準位置から回転させ、前記ホブの切り刃が前記創成中心
線に達したとき、前記センサによってそれを検出し、前
記ホブをその位置で停止させ、次いで、前記ホブを適当
量軸方向シフトさせ、前記センサによって前記ホブの切
り刃の位置を検出し、その検出信号にもとづき、前記数
値制御装置によって前記創成中心線と前記切り刃の位置
のずれを演算し、その演算値を前記被加工歯車の回転角
度値に換算し、その換算値を第1回転角度値として使用
し、さらに、前記被加工歯車を適当角度回転させ、前記
センサによって前記被加工歯車の歯みぞの位置を検出
し、その検出信号にもとづき、前記数値制御装置によっ
て前記創成中心線と前記歯みぞの位置のずれを演算し、
その演算値を前記被加工歯車の回転角度値に換算し、そ
の換算値を第2回転角度値として使用し、前記第2回転
角度値を前記第1回転角度値に加え、その合計値だけ前
記被加工歯車の角度位置をずらせ、これによって前記ホ
ブの切り刃と前記被加工歯車の歯みぞを位置合わせする
ホブ盤の歯車仕上げ加工方法を構成する。
【0006】さらに、この発明の別の構成によれば、被
加工歯車の仕上げ加工毎に、その都度、前記センサによ
って前記被加工歯車の歯みぞの位置を検出し、前記数値
制御装置によって前記創成中心線と前記歯みぞの位置の
ずれを演算し、その演算値を前記被加工歯車の回転角度
値に換算し、その換算値を第2回転角度値として使用
し、それを前記第1回転角度値に加え、その合計値だけ
前記被加工歯車の角度位置をずらせ、これによって前記
ホブの切り刃と前記被加工歯車の歯みぞを位置合わせす
る。
【0007】さらにまた、この発明の他の構成によれ
ば、前記被加工歯車の仕上げ加工にあたって、前記ホブ
をあらかじめ軸方向シフトさせるとき、その軸方向シフ
ト量を前記被加工歯車の回転角度値に換算し、その換算
値をシフト量回転角度値として使用し、データによって
前記ホブの軸方向熱膨張量を求め、その軸方向熱膨張量
を前記被加工歯車の回転角度値に換算し、その換算値を
熱膨張量回転角度値として使用し、前記シフト量回転角
度値、前記熱膨張量回転角度値および前記第2回転角度
値を前記第1回転角度値に加え、その合計値だけ前記被
加工歯車の角度位置をずらせ、これによって前記ホブの
切り刃と前記被加工歯車の歯みぞを位置合わせする。
【0008】近年、超高速、高精度ホブ盤が開発され、
超硬ホブ等の性能を充分発揮できる高い加工条件が設定
できる。これで高硬度歯車の仕上げホブ切り加工を短時
間で行える大量生産方式に適した加工法が可能となっ
た。仕上げ加工用ホブの高寿命と高い加工条件で安定し
た加工を行うためには可能な限り少ない仕上げ加工代が
被加工歯車に望まれる。このためワーク支持軸に取り付
けられた被加工歯車の歯みぞ位置とホブ軸に取り付けら
れたホブの切り刃位置を自動的に早く正確に検出し、常
に最適な位置合わせを行うことが高精度で自動的に安定
した加工を行う条件となる。本発明においては、ホブの
切り刃および被加工歯車の歯みぞそれぞれの左右歯面位
置を非接触型変位検出ヘッド、たとえば渦電流損検出器
を用いて一定の検出ライン上での位置を検出し、該検出
ライン上での基準寸法に対するずれ量を数値制御装置で
ワーク軸の回転角度に演算し、該回転角度をワーク軸の
原点からの補正角度とし、ホブ軸に対するワーク軸の回
転開始位置角度をずらせることにより歯合わせを行う。
また、加工中においてホブの切り刃位置は指示されて移
動し、次々と新しい切り刃に変わる。さらに、機械の運
転発熱による機械構造物の熱変位がホブ軸の軸方向に及
ぼす変位量をも含んだ正しい切り刃位置を検出する。本
発明では、ホブ切り刃と被加工歯車歯みぞそれぞれの位
置を検出することで常に正確な歯合わせを行うことがで
きる。
【0009】
【発明の作用】ホブ盤で加工する被加工歯車は平歯車と
ハスバ歯車が最も多い。ホブの切り刃と被加工歯車の歯
みぞを歯合わせするには、平歯車の場合、ホブの創成中
心位置の切り刃に対し被加工歯車の歯筋方向では任意の
位置での歯みぞの位置検出で歯合わせは成立する。しか
し、ハスバ歯車の場合、ホブの創成中心位置の切り刃を
検出した同位置での被加工歯車の歯筋位置で歯みぞを検
出しなければ歯合わせは成立しない。前記により非接触
型変位検出ヘッドは位置検出時ホブの旋回中心位置に配
置され、検出終了後は切削加工を妨げない位置に移動す
る。ホブの旋回中心位置におけるホブの切り刃および被
加工歯車の歯みぞのそれぞれ左歯面、右歯面の位置が対
称距離にある時、最適な歯合わせ位置状態にある。本発
明では、前記左歯面、右歯面の位置を検出し、最適な歯
合わせ位置に対する検出値のずれ量を数値制御装置でワ
ーク軸の回転角度に演算し、ワーク軸回転開始時に該回
転角度をずらせた後、ホブ盤とワーク軸の同期回転を始
めホブ切り加工が開始する。本発明は、ワーク軸に被加
工歯車をその歯みぞ位置が取り付け位置に何等制約なく
ランダムに取り付けられ、さらに、ホブは軸方向に任意
量シフトされた状態においてまず歯合わせ用位置検出を
行い、次いで、歯合わせを行う。歯合わせの工程が終了
後、ホブ軸とワーク軸の同期回転が開始し、被加工歯車
を仕上げるために設定された加工条件(切削速度、切込
深さ、ホブ送り速さ等の通常のホブ切り加工時に設定さ
れる条件)に従いホブ切り加工工程を行う。前記歯合わ
せ工程とホブ切り加工工程の一連のホブ切り加工サイク
ルを数値制御装置のプログラム指令として構成し、自動
化したことを特徴とする。
【0010】
【実施例】図1に本発明を実施するホブ盤の概略図を示
す。1はホブを支承するホブ軸、3は回転テーブルでワ
ークを支承し、ワーク軸2を中心に回転する。ホブ軸1
とワーク軸2を数値制御装置により同期回転制御するこ
とで歯車創成運動を行い、さらに、ホブ軸をワーク軸の
軸方向Zに送ることで歯車の切削加工を行う。図2、図
3、図4に本発明歯合わせ装置の実施例を示す。旋回軸
Sを中心に旋回可能に支承されたホブヘッド4内にホブ
軸を構成するホブシフト台5がY方向にシフト可能に支
持されている。歯合わせ装置6はホブヘッド4に設置さ
れ、非接触形変位検出センサーヘッド9を先端部のヘッ
ド支持部6aに取り付けられている。センサーヘッド9
の中心は、ホブ切り刃および被加工歯車歯みぞ検出作用
時にはホブヘッド4の旋回中心位置に設定される。回転
アクチュエータ7は歯合わせ装置を、歯合わせ検出作業
時以外は旋回させて歯切り加工に支承なき位置に逃がせ
る。回転アクチュエータ8はホブHの切り刃と、被加工
歯車Wの歯みぞを交互に検出できるようヘッド支持部6
aを180度旋回できる。さらに、歯合わせ装置支台6
bはサーボ駆動等で位置決め機能を有する駆動源でホブ
軸とワーク軸間を移動できる。図3は図2の上視図であ
る。図4は歯合わせ装置をサポート11に設置した場合
を示す。歯合わせ装置6’をホブ切り刃位置検出を専用
とする場合、図2の歯合わせ装置6は回転アクチュエー
タ8および歯合わせ装置支台6bの移動機能を不要と構
成でき、ワーク歯みぞ位置検出専用として装置自体は簡
潔に構成でき、ホブ盤のX方向移動機能を使用すること
ができる。次に、本装置の作用を説明する。
【0011】ホブ軸に高硬度歯車加工用超硬ホブ等のホ
ブHを取り付け、回転テーブル3上に歯切り加工治具1
0および荒歯切り加工後熱処理硬化等の工程を経て仕上
げホブ切り加工を行う被加工歯車Wを取り付ける。次
に、歯合わせ装置6の回転アクチュエータ7の作動によ
り逃げ位置にあったセンサーヘッド9が歯合わせ検出位
置のホブヘッド旋回中心位置に移動する。次いで、検出
ヘッドとホブ切り刃間にあらかじめ設定された測定検出
に必要な位置まで接近する。ホブ切り刃の位置検出動作
はホブHの軸方向の切り始め位置を設定するため、あら
かじめ設定された位置までホブシフト台5がY方向に移
動する。次に、ホブ軸駆動モーターMB (以下、図9に
記載)が低速で回転し、ホブをゆっくり回転させ(約1
RPM位の速さ)でホブ軸の1回転信号を検出した位置
で即時停止し、ポジションコーダのカウント値を0リセ
ットした後、ホブ軸前記回転数で再起動し、ポジション
コーダのパルス数をカウント開始する。検出ヘッドがO
Nした位置でホブ軸は即時停止し、パルスカウント数を
プログラムシーケンサー(PMC)より数値制御装置
(NC)に指令し、回転角度Δθを求める(図7)。こ
の位置がホブ1回転中におけるホブの創成中心に最も近
い切り刃である。次に、この位置からY軸モータMY を
駆動し、検出ヘッドで特定直線ライン上とホブ切り刃の
稜線との交点Y1およびY2の距離を検出し(図8)、
変位計コントローラ部で電圧値に変換し、コンパレータ
に出力する。コンパレータの設定電圧値での信号出力を
数値制御装置のスキップ信号とし、数値制御装置の高速
スキップ機能で信号出力時の軸座標値を読み取り、創成
中心と切り刃の中心とのズレ量ΔYを演算する。これで
ホブHの軸方向切り始め位置における創成中心切り刃位
置設定のためのデータを得る。ΔYの距離をY方向にシ
フトさせれば切り刃の位置は得られるが、ホブのシフト
距離を最大限有効に設定するためには、これを考慮し、
最初に設定した軸方向切り始め位置を移動させない方が
よりよい。このため、前記得られたホブ軸のY方向変位
量に相当する補正回転をワーク軸(C軸)に与える。C
軸の回転角度値Yθは、 Yθ={360×(ΔY/Pa)+Δθ}/Z Y:軸方向切り始め位置における創成中心に対する切り
刃中央のズレ Pa:ホブのアキシャルピッチ Δθ:検出した回転方向の角度 Z:被加工歯車の歯数
【0012】次に被加工歯車の歯みぞ位置の検出動作は
図3のセンターヘッド9が回転アクチュエータ8の作動
により180度旋回し、センサーヘッド9と被加工歯車
Wの歯の間にあらかじめ設定された測定検出に必要な位
置まで接近する。次いで、回転テーブル3が低速にて左
回転および右回転し、それぞれ特定円ライン上に片側歯
面の交差する点を検出し、前記ホブ切り刃位置検出時と
同じ検出回路により数値制御装置で前記特定円ライン上
の座標値(角度)θ1、θ2を読み取る(図6)。読み
取った角度値はC軸の回転角度値であるため、図6にお
いてθ1>θ2の場合、(θ1−θ2)/2=CθでC
θが被加工歯車Wの円周上のズレ量に相当する補正回転
角度となる。前記Yθ値とCθ値の和をワーク軸(C
軸)の初期位置よりずらせることで新しいホブによる初
期歯合わせ設定が完了する。次いで、ホブ軸とワーク軸
の同期回転指令によりホブ切り加工工程に入る。同一ホ
ブで順次加工継続されるが、新しい被加工歯車が取り付
けられる度に、前記変位計により前記歯みぞ位置検出を
行い、前記補正回転角度Cθをワーク軸(C軸)に設定
する。ホブは切削による切り刃摩耗が過大にならぬよう
1個加工毎に軸方向にシフトするか、同一位置で複数個
切削、切削後軸方向にシフトし、新しい切り刃を使用す
ることを選択して使用される。ホブシフトはY軸サーボ
モータによりホブの軸方向移動量を正確に確認できるた
め、数値制御装置内部でYθの値を演算し、シフト毎に
補正回転角度Yθを設定する。
【0013】さらに、ホブ切り作業においては、ホブと
被加工歯車間の切削熱および伝動系の発熱等はさけ得な
い。連続作業におけるこれら熱源の発熱が機械構造物に
与える熱変位量は作業時間の経過に比例し大きな値とな
り、ホブ軸の軸方向の変位量としても表れる。被加工歯
車の仕上げ加工代が充分に大きければ、ホブ軸の熱変位
量を吸収できることも可能であるが、仕上げ工具の寿命
および仕上がり精度の均一性を求める等にはなるべく少
ない仕上げ代で加工できることが望ましい。このため、
あらかじめ種々の加工条件により発生する熱変位でホブ
軸軸方向に生じる変位量のデータを収集し、パターン化
したデータ値を前記ホブシフト時にシフト量に補正する
プログラムを作製し、このプログラム指令によりYθの
値を設定する。 Yθ=〔{360×(ΔY/Pa)}/Z〕±δ(Δθ
=初期以外は0となる) ±δ:補正データ値 歯合わせ精度を高めるには1度しか測定しないYθを加
工中複数回行うこともできる(一定のインターバルで行
う)。加工サイクルタイムが増す欠点がある。ホブ切り
刃とワーク歯みぞをそれぞれ検出する引例としている
が、ホブ切り刃溝およびワーク歯山を検出するとしても
よい。
【0014】
【発明の効果】焼入れ硬化された歯車の仕上げ加工には
歯車研削加工が行われるが、高硬度歯車用ホブを用いた
ホブ切りによる歯車仕上げ加工が実用化の途にあり、特
に小ピッチ歯車の仕上げ加工法として低コスト、短加工
時間で歯車研削に近い加工精度を得られる利点を有して
いる。本加工法を生産ラインで活用するには、短時間で
正確なホブ切り刃と被加工歯車の歯みぞの歯合わせを含
む自動ホブ切り加工サイクルを確立する必要がある。本
発明では、歯合わせ用の位置検出器に非接触型の変位計
を用い、ホブの切り刃位置と被加工歯車の歯みぞ位置を
それぞれ検出するため歯合わせ精度が高く、さらに、ホ
ブ軸の熱変位による歯合わせ精度低下を無くしているた
め、被加工歯車の少ない仕上げ加工代においても常に位
置ずれを生じることなく、正しく左、右両歯面の仕上げ
加工が行え、歯合わせのための位置検出から歯合わせま
で全てプログラム指令により数値制御装置で処理するた
め、極めて短時間での歯合わせ工程となり、タクトタイ
ムの短い生産ラインに採用できる自動仕上げホブ切り加
工サイクルが行えるホブ盤が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するホブ盤の概略的正面図であ
る。
【図2】本発明に適用される歯合わせ装置の実施例を示
す概略的正面図である。
【図3】図2に示す実施例装置の概略的平面図である。
【図4】本発明に適用される歯合わせ装置をサポート1
1に設置した場合を示す概略的平面図である。
【図5】本発明に適用される歯合わせ装置において、ホ
ブ切り刃の位置検出並びに被加工歯車の歯みぞの位置検
出を説明するための説明図である。
【図6】特定円ライン上の座標値θ1、θ2から補正回
転角度Cθを検出する態様を説明するための説明図であ
る。
【図7】ホブ回転方向の切り刃検出の態様を説明するた
めの説明図である。
【図8】ホブシフト開始位置におけるホブ切り刃検出の
態様を説明するための説明図である。
【図9】本発明に適用される歯合わせ装置についての制
御システムを示すブロック線図である。
【符号の説明】
1 ホブ軸 2 ワーク軸 3 回転テーブル 4 ホブヘッド 5 ホブシフト台 6、6’ 歯合わせ装置 9 センサーヘッド H ホブ W 被加工歯車 S 旋回軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホブと被加工歯車を互いにかみ合わせ、
    数値制御装置によって前記ホブと前記被加工歯車を同期
    回転させるとともに、前記数値制御装置によって前記ホ
    ブを軸方向シフトさせ、前記ホブによって前記被加工歯
    車を仕上げ加工するようにしたホブ盤において、前記ホ
    ブと前記被加工歯車をかみ合わせる前、センサの検出ヘ
    ッドを前記ホブと前記被加工歯車間の創成中心線上に配
    置し、前記ホブの軸方向シフト開始位置において、前記
    ホブをその回転基準位置から回転させ、前記ホブの切り
    刃が前記創成中心線に達したとき、前記センサによって
    それを検出し、前記ホブをその位置で停止させ、次い
    で、前記ホブを適当量軸方向シフトさせ、前記センサに
    よって前記ホブの切り刃の位置を検出し、その検出信号
    にもとづき、前記数値制御装置によって前記創成中心線
    と前記切り刃の位置のずれを演算し、その演算値を前記
    被加工歯車の回転角度値に換算し、その換算値を第1回
    転角度値として使用し、さらに、前記被加工歯車を適当
    角度回転させ、前記センサによって前記被加工歯車の歯
    みぞの位置を検出し、その検出信号にもとづき、前記数
    値制御装置によって前記創成中心線と前記歯みぞの位置
    のずれを演算し、その演算値を前記被加工歯車の回転角
    度値に換算し、その換算値を第2回転角度値として使用
    し、前記第2回転角度値を前記第1回転角度値に加え、
    その合計値だけ前記被加工歯車の角度位置をずらせ、こ
    れによって前記ホブの切り刃と前記被加工歯車の歯みぞ
    を位置合わせすることを特徴とするホブ盤の歯車仕上げ
    加工方法。
  2. 【請求項2】 被加工歯車の仕上げ加工毎に、その都
    度、前記センサによって前記被加工歯車の歯みぞの位置
    を検出し、前記数値制御装置によって前記創成中心線と
    前記歯みぞの位置のずれを演算し、その演算値を前記被
    加工歯車の回転角度値に換算し、その換算値を第2回転
    角度値として使用し、それを前記第1回転角度値に加
    え、その合計値だけ前記被加工歯車の角度位置をずら
    せ、これによって前記ホブの切り刃と前記被加工歯車の
    歯みぞを位置合わせすることを特徴とする請求項1に記
    載の歯車仕上げ加工方法。
  3. 【請求項3】 前記被加工歯車の仕上げ加工にあたっ
    て、前記ホブをあらかじめ軸方向シフトさせるとき、そ
    の軸方向シフト量を前記被加工歯車の回転角度値に換算
    し、その換算値をシフト量回転角度値として使用し、デ
    ータによって前記ホブの軸方向熱膨張量を求め、その軸
    方向熱膨張量を前記被加工歯車の回転角度値に換算し、
    その換算値を熱膨張量回転角度値として使用し、前記シ
    フト量回転角度値、前記熱膨張量回転角度値および前記
    第2回転角度値を前記第1回転角度値に加え、その合計
    値だけ前記被加工歯車の角度位置をずらせ、これによっ
    て前記ホブの切り刃と前記被加工歯車の歯みぞを位置合
    わせすることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の被加工歯車仕上げ加工方法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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