JP2000158027A - 圧延機のワークロールサーマルクラウン計算方法 - Google Patents

圧延機のワークロールサーマルクラウン計算方法

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JP2000158027A
JP2000158027A JP10341375A JP34137598A JP2000158027A JP 2000158027 A JP2000158027 A JP 2000158027A JP 10341375 A JP10341375 A JP 10341375A JP 34137598 A JP34137598 A JP 34137598A JP 2000158027 A JP2000158027 A JP 2000158027A
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rolling
work roll
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rolled material
thermal crown
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Yasuyuki Takamachi
恭行 高町
Shigeru Ogawa
茂 小川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークロールサーマルクラウン予測誤差を減
少させ、圧延スケジュール全般にわたって、既設の板ク
ラウン及び形状制御端を使用して、所望の板クラウン及
び形状を得るためのサーマルクラウン計算方法を提供す
ること。 【解決手段】 熱間圧延の仕上圧延機列における各圧延
機での当該圧延材の板クラウン及び形状制御のためのセ
ットアップ計算に用いるワークロールのサーマルクラウ
ンを計算する方法において、当該圧延材が仕上圧延機列
通過後に、各圧延機を通過した実績圧延時間及び実績圧
延材温度を実測または推定し、さらに各圧延機の実績ワ
ークロール冷却条件及び実績圧延スケジュールから、仕
上圧延機列における各圧延機でのワークロールのサーマ
ルクラウンを実績計算することにより、ワークロールサ
ーマルクラウン予測誤差を減少させ、仕上圧延機列出側
で所望の板クラウン及び形状に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧延セットアップ
計算時点からサーマルクラウン推定計算時に生じる圧延
時間、アイドル時間、圧延材温度の推定誤差、ロール冷
却条件の変更等に伴う必然的に生じるワークロールサー
マルクラウン推定誤差を減少させ、圧延スケジュール全
般にわたり、圧延材の板クラウン及び形状を所望に制御
するための圧延機のワークロールプロフィル計算方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】熱間連続仕上圧延機においては、図6に
示した仕上圧延機列1の各圧延機での板クラウン及び形
状制御のためのセットアップ計算は、たとえば図6に示
した粗ミル最終圧延機2に当該圧延材3が噛み込んだ時
点で、先ず、上記セットアップ計算に必要な当該圧延材
が仕上圧延機列の各圧延機に噛み込むまでの時間、およ
び各圧延機での圧延時間、圧延材温度、圧延荷重、ロー
ルプロフィル推定値(サーマルクラウン及び摩耗)等を
計算し、これらの推定値を用いて、図6に示した仕上圧
延機列1出側の目標板クラウン及び形状に制御するため
の最適板クラウン及び形状スケジュールが計算され、仕
上圧延機列の各圧延機でのクラウン及び形状制御端の操
作量が決定される。
【0003】このとき、上述したようにワークロールの
サーマルクラウン予測計算は、圧延材毎に上記セットア
ップ計算が行われる前に終了しなければならない。その
ため、サーマルクラウン予測計算は、前圧延材通過時点
から当該圧延材が仕上圧延機列の各圧延機に噛み込むま
での時間(アイドル時間)、各圧延機での圧延時間、圧
延材温度等を先ず予測し、これら予測値と各圧延機での
ロール冷却条件及び圧延スケジュールから推定計算が行
われる。
【0004】しかしながら、上述した各圧延機でのサー
マルクラウン予測に必要な上記アイドル時間、圧延時
間、圧延材温度等は、予測計算値を使用しており、必ず
しも実績値と一致しない。さらに、ワークロール冷却に
関しても、たとえば近年の省エネルギー等の要求に対し
て、ロール冷却水の水量を可変とし、不必要な冷却水を
使用しない操業形態が取られている。すなわち、ロール
冷却水の開閉時刻は、当該圧延材が、たとえば、図6で
示した粗ミル最終圧延機2に噛み込んだ時点から仕上圧
延機列の各圧延機を通過する時刻を予測して設定時刻が
決定されている。この場合においても、上記アイドル時
間、圧延時間の予測誤差が存在することから、サーマル
クラウン予測計算におけるロール冷却水の有無を考慮す
る時間(タイミング)に誤差が生じることになる。
【0005】すなわち、サーマルクラウン予測誤差に
は、上記アイドル時間、圧延時間、圧延材温度等の予測
誤差及びロール冷却方法の変更が大きな影響を与え、圧
延本数が増加するに従い、サーマルクラウン予測誤差が
大きくなることが問題であり、さらに、サーマルクラウ
ン予測誤差に起因した上記セットアップ計算から出力さ
れる各圧延機のクラウン及び形状制御端の操作量を使用
した場合、仕上圧延機列出側で所望の板クラウン及び形
状を得ることができないことが問題であった。
【0006】また、他の従来技術としては、例えば特開
昭60−240317号公報に開示されているように、
圧延機のロール組替後の圧延履歴情報を用いてサーマル
クラウン量を計算し、次圧延材の板クラウン及び形状制
御のためのセットアップ計算に用いる方法が知られてい
る。しかしながら、上記従来方法による場合、前圧延材
から当該圧延材が通過する際までのワークロールサーマ
ルクラウンの変化を推定することができないため、例え
ばアイドル時間が大きくなるような操業がある場合、ワ
ークロールサーマルクラウンが大幅に減少しているにも
関わらず、この誤差要因をワークロールサーマルクラウ
ン予測に取り込むことができず、仕上圧延機列出側で所
望した板クラウンより大幅に大きくなるという問題があ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術の問題点を解決し、かつ圧延スケジュール全般に
わたって、既設の板クラウン及び形状制御端を使用し
て、所望の板クラウン及び形状を得ることが可能なサー
マルクラウン計算方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に係る本発明の要旨とするところは、熱間連
続圧延の仕上圧延機列における各圧延機での当該圧延材
の板クラウン及び形状制御のためのセットアップ計算に
用いるワークロールのサーマルクラウンを計算する方法
において、前記セットアップ計算に用いるワークロール
サーマルクラウンを、前圧延材までが仕上圧延機列の各
圧延機を通過した後の圧延実績、すなわち実績アイドル
時間、圧延時間、圧延材温度、ワークロール冷却条件及
び圧延スケジュールからワークロールサーマルクラウン
を計算して、前記圧延実績値から計算したワークロール
サーマルクラウン計算値を当該圧延材でのワークロール
サーマルクラウンの初期値とし、ついで前圧延材から当
該圧延材が仕上圧延機列における各圧延機を通過する際
の各圧延機でのアイドル時間、圧延時間、圧延材温度、
ワークロール冷却条件及び圧延スケジュールを推定計算
し、前記推定計算値から、仕上圧延機列における各圧延
機でのワークロールサーマルクラウンを予測計算するこ
とを特徴とする圧延機のワークロールサーマルクラウン
計算方法である。
【0009】また、本発明請求項2は、厚板圧延におけ
る仕上圧延機での当該圧延材の板クラウン及び形状制御
のためのセットアップ計算に用いるワークロールのサー
マルクラウンを計算する方法において、前記セットアッ
プ計算に用いるワークロールサーマルクラウンを、前圧
延材までが仕上圧延機を通過した後の各パスの圧延実
績、すなわち実績アイドル時間、圧延時間、圧延材温
度、ワークロール冷却条件及び圧延スケジュールからワ
ークロールサーマルクラウンを計算して、前記圧延実績
値から計算したワークロールサーマルクラウン計算値を
当該圧延材でのワークロールサーマルクラウンの初期値
とし、ついで前圧延材から当該圧延材が仕上圧延機を通
過する際の各パスでのアイドル時間、圧延時間、圧延材
温度、ワークロール冷却条件及び圧延スケジュールを推
定計算し、前記推定計算値から、仕上圧延機でのワーク
ロールサーマルクラウンを予測計算することを特徴とす
る圧延機のワークロールサーマルクラウン計算方法であ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】仕上圧延機列の各圧延機における
ロールサーマルクラウン予測計算結果は、仕上圧延機列
での板クラウン及び形状制御のためのセットアップ計算
に使用され、セットアップ計算では仕上圧延機出側での
所望の板クラウン及び形状を得るための各圧延機でのク
ラウン及び形状制御端の操作量が決定される。そのた
め、仕上圧延機列の各圧延機におけるロールサーマルク
ラウン予測計算は、上記セットアップ計算が開始される
前に終了する必要がある。このとき、上記セットアップ
計算は、たとえば図6に示した粗ミル最終圧延機2に当
該圧延材が噛み込んだ時点で開始し、当該圧延材が仕上
圧延機列入側に噛み込む前に終了しなければならない。
そのため、ロールサーマルクラウン予測計算は、前圧延
材通過時点から当該圧延材が仕上圧延機列の各圧延機に
噛み込むまでの時間(アイドル時間)、各圧延機での圧
延時間、圧延材温度等を先ず予測し、これら予測値と各
圧延機でのロール冷却条件及び圧延スケジュールから、
推定計算が行われことになる。発明者らは、仕上圧延機
列出側の板クラウン及び形状予測と実績値との誤差の要
因を調査するために、先ず、上述したようなワークロー
ルサーマルクラウン予測計算値と板クラウン及び形状に
着目し圧延操業実態の調査を行った。
【0011】ところで、上述したようにワークロールの
サーマルクラウン予測計算は、圧延材毎に上記セットア
ップ計算が行われる前に終了しなければならない。その
ため、サーマルクラウン予測計算は、前圧延材通過時点
から当該圧延材が仕上圧延機列の各圧延機に噛み込むま
での時間(アイドル時間)、各圧延機での圧延時間、圧
延材温度等を先ず予測し、これら予測値と各圧延機での
ロール冷却条件を加味して推定計算が行われる。しかし
ながら、圧延操業実態の調査結果より、各圧延機でのサ
ーマルクラウン予測に必要な上記アイドル時間、圧延時
間、圧延材温度等は、予測計算値を使用しており、必ず
しも実績値と一致していないことが分かった。
【0012】さらに、ワークロール冷却に関しても、た
とえば近年の省エネルギー等の要求に対して、ロール冷
却水の水量を可変とし、不必要な冷却水を使用しない操
業形態が取られている。すなわち、ロール冷却水の開閉
時刻に関しても、当該圧延材が、たとえば、図6で示し
た粗ミル最終圧延機2に噛み込んだ時点から仕上圧延機
列の各圧延機を通過する時刻を予測して設定されてお
り、上記アイドル時間、圧延時間の予測誤差が存在する
ことから、サーマルクラウン予測計算におけるロール冷
却水の有無を考慮する時間(タイミング)に誤差が生じ
ることが分かった。
【0013】このことから、発明者らは、実際の圧延操
業に使用しているワークロールサーマルクラウン予測モ
デルを用いて、圧延操業実績から得られる仕上圧延機列
の各圧延機での圧延材が通過した時刻における実績アイ
ドル時間、圧延時間、圧延材温度、ロール冷却条件及び
圧延スケジュールから各圧延機でのサーマルクラウンの
計算を行い、その計算結果を用いて仕上圧延機列出側板
クラウンの推定計算をオフラインで行った。図5には、
上記ワークロールサーマルクラウンに関するオフライン
計算結果を用いた板クラウン推定値と実績板クラウン値
との誤差、及びオンラインによる板クラウン推定値と実
績板クラウン値との誤差を比較した結果を示す。ここ
で、オンラインによる板クラウン推定値とは、上記板ク
ラウン及び形状制御のためのセットアップ計算から算出
される推定値である。図5より、ワークロールサーマル
クラウン計算に必要な当該圧延材の仕上圧延機列各圧延
機でのアイドル時間、圧延時間、圧延材温度、及びロー
ル冷却条件等の実績値を用いて板クラウンのセットアッ
プ計算を行えば、板クラウン予測精度が大幅に向上する
ことを知見した。
【0014】そこで、発明者らは、仕上圧延機列出側で
の板クラウン及び形状予測誤差を減少させるためのワー
クロールサーマルクラウン予測計算方法として、前圧延
材までが仕上圧延機列の各圧延機を通過した後の圧延実
績、すなわち実績アイドル時間、圧延時間、圧延材温
度、ワークロール冷却条件及び圧延スケジュールからワ
ークロールサーマルクラウンを計算して、前記圧延実績
値から計算したワークロールサーマルクラウン計算値を
当該圧延材でのワークロールサーマルクラウンの初期値
とし、ついで前圧延材から当該圧延材が仕上圧延機列に
おける各圧延機を通過する際の各圧延機でのアイドル時
間、圧延時間、圧延材温度、ワークロール冷却条件及び
圧延スケジュールを推定計算し、前記推定計算値から、
仕上圧延機列における各圧延機でのワークロールサーマ
ルクラウンを予測する計算方法を知見した。本発明によ
れば、上述した要因で必然的に生じるワークロールサー
マルクラウン累積予測誤差を、当該圧延材の圧延終了後
に、熱延仕上圧延機列の各圧延機での上記実績値を用い
て実績計算を行うことにより、ワークロールサーマルク
ラウン予測精度が向上することから、同計算値が大きく
影響を及ぼす板クラウン及び形状予測精度も向上するこ
とになる。
【0015】また、当該圧延材の前でアイドル時間が大
幅に変化する条件においても、上述したように前圧延材
から当該圧延材が仕上圧延機列における各圧延機を通過
する際の各圧延機でのアイドル時間、圧延時間、圧延材
温度、ワークロール冷却条件及び圧延スケジュールを推
定計算して、当該圧延材におけるワークロールサーマル
クラウン予測誤差を最小限にできることから、従来方法
に比べて板クラウン及び形状予測精度は大幅に向上する
ことになる。このとき、ワークロールサーマルクラウン
予測モデルに関しては、予測モデル精度の観点から、た
とえば特開平7−80517号公報に開示されているワ
ークロールサーマルクラウン計算方法を用いることが好
ましい。
【0016】ここで、実績アイドルに関しては、たとえ
ば仕上熱間圧延機列の各圧延機に当該圧延材が圧延され
ている実績圧延時間から計算すればよい。また、圧延及
びアイドル中に上記ワークロール冷却条件が変更される
場合、すなわち冷却水の絶対量の変更やワークロール軸
方向に対する冷却水量の変更がある場合には、その実績
変更期間(時間)をも考慮し、これらの実績ロール冷却
量条件を加味して、ワークロールに対する抜熱条件、た
とえば熱伝達係数または抜熱量の変更を行えばよい。こ
のとき、上記熱伝達係数または抜熱量に関しては、仕上
圧延機列の各圧延機ごとに冷却水量を変更した実機調査
を行い、サーマルクラウン量に対する冷却水量と熱伝達
係数または抜熱量との関係をあらかじめ求めておけばよ
い。また、各圧延機での実績圧延材温度に関しては、た
とえば仕上熱間圧延機列の入出側に温度計を設置し、前
記入出側温度実績を用いて、既存の圧延材温度モデルで
再計算した値を用いてもよい。実績圧延スケジュールに
関しては、仕上熱間圧延機列の各圧延機での実績入出側
板厚(圧下条件)及び実績板幅を考慮して、ワークロー
ルに対する入熱条件(熱伝達係数数または入熱量)の変
更を行えばよい。本発明による具体的な実施形態につい
ては、実施例で詳しく述べるものとする。
【0017】また、本発明は、ロールサーマルクラウン
計算を当該圧延材で、前記セットアップ計算のための予
測計算と前記実績値に基づいた実績計算とを圧延操業中
に行うことを意味しており、圧延操業中におけるロール
サーマルクラウン計算に対する計算機負荷が多大なもの
となる恐れがあり、前記セットアップ計算に支障を及ぼ
す可能性がある。このような場合には、前記セットアッ
プに関わる計算機の他にロールサーマルクラウン計算に
関わる計算機を別途設け、板クラウン及び形状制御関連
の計算に対して計算機負荷の分散を行ってもよい。ま
た、前記ロールサーマルクラウン計算用の計算機は、必
ずしも圧延操業計算のための専用計算機である必要はな
く、前記セットアップ用計算機に直結したエンジニアリ
ングワークステーション、またはパースナルコンピュー
タを用いてもよい。また、本発明は上述した熱間連続圧
延機列のみならず冷間圧延機機列にも適用することもで
きる。
【0018】
【実施例】(実施例1)本発明を仕上熱間連続圧延機列
に適用した具体的な実施例を図1を用いて説明する。本
発明では、図1に示すように、前記セットアップ計算に
用いるワークロールサーマルクラウン値を計算する際
に、先ず前圧延材までが仕上圧延機列の各圧延機を通過
した後の圧延実績、すなわち実績アイドル時間、圧延時
間、圧延材温度、ワークロール冷却条件及び圧延スケジ
ュールからワークロールサーマルクラウンを計算を行
う。ついで、前記圧延実績値から計算したワークロール
サーマルクラウン計算値を当該圧延材でのワークロール
サーマルクラウンの初期値とし、前圧延材から当該圧延
材が仕上圧延機列における各圧延機を通過する際の各圧
延機でのアイドル時間、圧延時間、圧延材温度、ワーク
ロール冷却条件及び圧延スケジュールを推定計算し、前
記ワークロールサーマルクラウンの初期値と前記推定計
算値とから、仕上圧延機列における各圧延機でのワーク
ロールサーマルクラウンを予測計算を行い、前記ロール
サーマルクラウンの予測値を用いて、板クラウン及び形
状制御のためのセットアップ計算を行う。
【0019】実施例1の本発明と従来技術であるワーク
ロールサーマルクラウン予測モデルの入力条件を予測値
のみで行った場合による、仕上熱間圧延機列出側での板
クラウン予測誤差の比較結果を図2に示す。本発明によ
る場合、従来技術では解消することができなかったロー
ルサーマルクラウン予測の累積誤差を解消することがで
き、圧延本数の増加に関わらず、従来技術に比べて、仕
上熱間圧延機列出側の板クラウン予測誤差を小さくで
き、所望の板クラウン及び形状を得ることができた。ま
た、当該圧延材の前でアイドル時間が大幅に変化する条
件においても、たとえば特開昭60−240317号公
報に開示されている他の従来技術のように、仕上圧延機
出側で当該圧延材において板クラウン予測誤差が大きく
なることはなかった。
【0020】(実施例2)本発明を厚板圧延における仕
上圧延機に適用した具体的な実施例を図3を用いて説明
する。本発明では、図3に示すように、前記セットアッ
プ計算に用いるワークロールサーマルクラウン計算する
際に、先ず前圧延材までが仕上圧延機を通過した後の各
パスの圧延実績、すなわち実績アイドル時間、圧延時
間、圧延材温度、ワークロール冷却条件及び圧延スケジ
ュールからワークロールサーマルクラウンを計算を行
う。ついで、前記圧延実績値から計算したワークロール
サーマルクラウン計算値を当該圧延材でのワークロール
サーマルクラウンの初期値とし、前圧延材から当該圧延
材が仕上圧延機を通過する際の各パスでのアイドル時
間、圧延時間、圧延材温度、ワークロール冷却条件及び
圧延スケジュールを推定計算し、前記ワークロールサー
マルクラウンの初期値と前記推定計算値とから、仕上圧
延機での各パスでのワークロールサーマルクラウンを予
測計算を行い、前記各パスのロールサーマルクラウンの
予測値を用いて、各パスにおける板クラウン及び形状制
御のためのセットアップ計算を行う。
【0021】ここで、各パスの実績アイドル時間に関し
ては、たとえば仕上圧延機に当該圧延材が圧延されてい
る各パスの実績圧延時間から計算すればよい。また、圧
延及びアイドル中に上記ワークロール冷却条件が変更さ
れる場合、すなわち冷却水の絶対量の変更やワークロー
ル軸方向に対する冷却水量の変更がある場合には、その
実績変更期間(時間)をも考慮し、これらの実績ロール
冷却量条件を加味して、ワークロールに対する抜熱条
件、たとえば熱伝達係数または抜熱量の変更を行えばよ
い。このとき、上記熱伝達係数または抜熱量に関して
は、仕上圧延機の冷却水量を変更した実機調査を行い、
サーマルクラウン量に対する冷却水量と熱伝達係数また
は抜熱量との関係をあらかじめ求めておけばよい。前記
各圧延機での実績圧延材温度に関しては、たとえば仕上
圧延機の入出側に温度計を設置し、前記入出側温度実績
を用いて、既存の圧延材温度モデルで再計算した値を用
いてもよい。実績圧延スケジュールに関しては、仕上熱
間圧延機の実績入出側板厚(圧下条件)及び実績板幅を
考慮して、ワークロールに対する入熱条件(熱伝達係数
数または入熱量)の変更を行えばよい。
【0022】実施例2の本発明と従来技術による仕上圧
延機出側での板クラウン予測誤差の比較結果を図4に示
す。本発明による場合、従来技術では解消することがで
きなかったロールサーマルクラウン予測の累積誤差を解
消することができ、圧延本数の増加に関わらず、従来技
術に比べて、仕上圧延機出側の板クラウン予測誤差を小
さくでき、所望の板クラウン及び形状を得ることができ
た。また、当該圧延材の前でアイドル時間が大幅に変化
する条件においても、たとえば特開昭60−24031
7号公報に開示されている他の従来技術のように、仕上
圧延機出側で当該圧延材において板クラウン予測誤差が
大きくなることはなかった。
【0023】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、従来技術では解消することができなかったロールサ
ーマルクラウン予測の累積誤差を当該圧延材内で解消す
ることができ、圧延本数の増加に関わらず、従来技術に
比べて、仕上圧延機出側の板クラウン予測誤差を小さく
でき、所望の板クラウン及び形状に制御することが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す図。
【図2】本発明と従来技術の比較結果を示す図。
【図3】本発明の実施形態の他の一例を示す図。
【図4】本発明と従来技術の比較結果を示す図。
【図5】本発明によるサーマルクラウン計算方法の妥当
性を検証のために行った仕上圧延機列出側での板クラウ
ン推定誤差と従来技術の比較を示す図。
【図6】一般的な熱間連続圧延機列の配置を示す図。
【符号の説明】
1 仕上熱間圧延機列 2 粗最終圧延機 3 圧延材 4 ローラテーブル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間連続圧延の仕上圧延機列における各
    圧延機での当該圧延材の板クラウン及び形状制御のため
    のセットアップ計算に用いるワークロールのサーマルク
    ラウンを計算する方法において、 前記セットアップ計算に用いるワークロールサーマルク
    ラウンを、前圧延材までが仕上圧延機列の各圧延機を通
    過した後の圧延実績、すなわち実績アイドル時間、圧延
    時間、圧延材温度、ワークロール冷却条件及び圧延スケ
    ジュールからワークロールサーマルクラウンを計算し
    て、前記圧延実績値から計算したワークロールサーマル
    クラウン計算値を当該圧延材でのワークロールサーマル
    クラウンの初期値とし、ついで前圧延材から当該圧延材
    が仕上圧延機列における各圧延機を通過する際の各圧延
    機でのアイドル時間、圧延時間、圧延材温度、ワークロ
    ール冷却条件及び圧延スケジュールを推定計算し、前記
    推定計算値から、仕上圧延機列における各圧延機でのワ
    ークロールサーマルクラウンを予測計算することを特徴
    とする圧延機のワークロールサーマルクラウン計算方
    法。
  2. 【請求項2】 厚板圧延における仕上圧延機での当該圧
    延材の板クラウン及び形状制御のためのセットアップ計
    算に用いるワークロールのサーマルクラウンを計算する
    方法において、 前記セットアップ計算に用いるワークロールサーマルク
    ラウンを、前圧延材までが仕上圧延機を通過した後の各
    パスの圧延実績、すなわち実績アイドル時間、圧延時
    間、圧延材温度、ワークロール冷却条件及び圧延スケジ
    ュールからワークロールサーマルクラウンを計算して、
    前記圧延実績値から計算したワークロールサーマルクラ
    ウン計算値を当該圧延材でのワークロールサーマルクラ
    ウンの初期値とし、ついで前圧延材から当該圧延材が仕
    上圧延機を通過する際の各パスでのアイドル時間、圧延
    時間、圧延材温度、ワークロール冷却条件及び圧延スケ
    ジュールを推定計算し、前記推定計算値から、仕上圧延
    機でのワークロールサーマルクラウンを予測計算するこ
    とを特徴とする圧延機のワークロールサーマルクラウン
    計算方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009061484A (ja) * 2007-09-07 2009-03-26 Nippon Steel Corp サーマルクラウン予測方法及びサーマルクラウン予測装置

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JP2009061484A (ja) * 2007-09-07 2009-03-26 Nippon Steel Corp サーマルクラウン予測方法及びサーマルクラウン予測装置

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