JP2000157625A - ポリビニルアルコール製医療用ヒドロゲル及びその製造方法 - Google Patents

ポリビニルアルコール製医療用ヒドロゲル及びその製造方法

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JP2000157625A
JP2000157625A JP10335717A JP33571798A JP2000157625A JP 2000157625 A JP2000157625 A JP 2000157625A JP 10335717 A JP10335717 A JP 10335717A JP 33571798 A JP33571798 A JP 33571798A JP 2000157625 A JP2000157625 A JP 2000157625A
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Hironori Degawa
宏規 出川
Yuki Ikeda
有希 池田
Taiichi Shirogane
泰一 白銀
Kenji Uno
憲治 宇野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引張り強度、耐熱性、耐汚染性に優れた医療
用材料として好適なポリビニルアルコール製ヒドロゲル
を提供する。 【解決手段】 ビニルエステルとトリアリルイソシアヌ
レートの共重合体をケン化して得られるポリビニルアル
コール製ヒドロゲルからなる、熱水中でも不溶なポリビ
ニルアルコール製医療用材料、及び、ビニルエステルと
トリアリルイソシアヌレートを共重合し、次いで得られ
た共重合体を、アルカリを添加した低級アルコール水溶
液に浸漬して加水分解することによる、熱水中でも不溶
なポリビニルアルコール製ヒドロゲル医療用材料の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリビニルアルコ
ール製医療用ヒドロゲル及びその製造方法に関する。よ
り詳しくは、含水状態で非常に優れた引張り強度を有
し、しかも耐熱性、耐汚染性に優れたポリビニルアルコ
ール製医療用ヒドロゲル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコール(PVA)は、数
々の研究がされており、蛋白質、脂質等の吸着が少な
く、更に生体拒絶反応が少ないことが報告されており、
医療用材料として好ましいものである。
【0003】PVAを医療用材料として利用する場合に
は、溶解性カプセル等の水溶性用途を除いて、何らかの
方法で架橋処理を施して不溶化させる必要がある。しか
しながら、PVAをその用途に応じて架橋することは簡
単なことではない。
【0004】従来、PVAの架橋方法としては、ポリ酢
酸ビニル等のビニルエステルの重合体をアルカリ等で加
水分解してPVAとした後に、凍結と解凍を繰り返して
水素結合を形成させて架橋するいわゆる「低温結晶化
法」、ジアルデヒドを用いる方法、メチロール化合物で
あるN−メチロール尿素、N−メチロールメラニン等を
用いる方法、エポキシ化合物を用いる方法等が挙げられ
る。
【0005】一方、PVAヒドロゲルの他の製造方法と
しては、ビニルエステルとトリアリルイソシアヌレート
(TAIC)を共重合して、目的とする形状に成形した
後に加水分解する方法等が開示され、該方法によるゲル
の各種医療用材料の利用が検討されている(特開平9−
40719、特開平9−28786、特開平9−287
84号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のPVA架橋方法
で作製したPVAヒドロゲルは、医療用材料として用い
るには、様々な問題を持っていた。例えば、最も一般的
な低温結晶化法で作製したヒドロゲルは、熱水に溶解し
てしまうために、高圧蒸気滅菌が不可能である。また、
アルデヒド類を用いた架橋では、有害なアルデヒド成分
の除去工程が必要であり安全性に問題がある。また、メ
チロール化合物を用いるとホルマリンが発気し、これも
除去工程が必要となり、安全性にも問題がある。エポキ
シ化合物も同様の問題を抱えており、医療用材料として
用いるには、課題が多く残されている。
【0007】更にこれらの方法では、PVAの架橋の程
度を厳密にコントロールすることも容易でなかったた
め、目的・用途に応じた架橋PVAヒドロゲルを得るこ
とは困難であった。また、一般的に、架橋を行うことで
強度を向上させると、含水率の低下につながり、高含水
であることが要求される用途、例えば人工角膜に使用す
る場合には、含水率か強度のいずれかを犠牲にしなくて
はならず、実用化には大きな問題となっていた。
【0008】また、特開平9−40719号公報は含水
率と形状の安定性に着目するものであり、強度や生体適
合性の検討が行われていない。また、特開平9−287
84、特開平9−28786号公報では、生体適合性に
関して検討は行われているものの、強度に関しての検討
はなされていない。
【0009】PVAはこれまで多くの研究の結果からも
医療用材料として有望であると言われており、早期実用
化が望まれているヒドロゲルである。
【0010】従って、本発明の目的は、引張り強度、耐
熱性、耐汚染性に優れた医療用材料として好適なPVA
ヒドロゲルを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の本発明は、ビニル
エステルとTAICの共重合体をケン化して得られるP
VA製ヒドロゲルからなることを特徴とする、熱水中で
も不溶なPVA製医療用材料である。
【0012】第2の本発明は、ビニルエステルとTAI
Cを共重合し、次いで得られた共重合体を、アルカリを
添加した低級アルコール水溶液に浸漬して加水分解する
ことを特徴とする、熱水中でも不溶なPVA製ヒドロゲ
ル医療用材料の製造方法である。
【0013】第3の本発明は、第2の本発明において、
PVA製ヒドロゲルを共重合する工程を、重合開始剤の
不存在下で波長200〜300nmの紫外線を用いて行
うことを特徴とする。
【0014】第4の本発明は、第2または第3の本発明
において、共重合体の加水分解後に、更に酸性水溶液に
浸漬することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、使用するビニル
エステルの具体的な例としては、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、アクリル
酸ビニル、メタクリル酸ビニル、ソルビン酸ビニル等を
挙げることができるが、好適には酢酸ビニルである。
【0016】架橋剤として用いるTAICの量として
は、ビニルエステル100重量部に対し0.1〜10重
量部が好ましく、特に0.5〜5重量部が推奨される。
【0017】本発明の重合は熱重合、紫外線重合等を用
いて行うことができるが、紫外線重合は熱重合に比べエ
ネルギー量が大きく、重合に費やす時間が短縮できる利
点を持つために、本発明では特に紫外線を用いた重合法
が推奨される。
【0018】また、紫外線重合を行う場合、通常は紫外
線重合開始剤を添加し365nm付近の紫外線を照射し
て重合を行うが、本発明者らは、紫外線波長域が200
から300nm、特に254nm付近の紫外線を照射す
る場合には、通常用いられる紫外線重合開始剤を用いな
い方が、強度が向上することを見出した。
【0019】通常の、紫外線重合開始剤を添加した場合
の重合は、紫外線によって紫外線重合開始剤からラジカ
ルが発生し、周辺にあるモノマーに働きかけることによ
って重合が行われる。この方法の利点としては、紫外線
重合開始剤を添加することで、高圧水銀灯等の一般的に
使用されている光源を使用できるところにある。しかし
ながら、この方法の欠点は、本発明に用いているビニル
エステルは他からのラジカルの影響を受けにくく、重合
が容易には進行しないといった点である。このために、
重合を行う場合に紫外線重合開始剤を通常使用される添
加量よりも多く必要となり、具体的には5000ppm
以上の添加が必要となる。この結果、過剰なラジカルの
発生につながり、急激な重合を行うことになる。急激な
重合は、十分な分子量のポリマー生成を阻害し、強度が
十分に出せないという結果につながる。
【0020】しかしながら、紫外線重合開始剤を用いな
い場合には、ビニルエステルやTAICが紫外線のエネ
ルギーによって、自らがラジカルの発生源となり重合を
進めていくので、紫外線重合開始剤を過剰量添加したと
きのような急激な重合は起こらず、十分な大きさを持つ
分子へと重合が進んでいくために十分な強度を持つ共重
合体が得られると考えられる。
【0021】ケン化時に用いる低級アルコールとして
は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル等が挙げられるが、特にメタノールが推奨される。
【0022】使用するアルカリ剤としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等が挙げられるが、水酸化ナト
リウムを用いるのが好ましい。
【0023】得られるヒドロゲルの特長として、まず残
留モノマーの溶出工程を必要としないことが挙げられ
る。これは重合工程後の加水分解工程が低級アルコール
水溶液中で行われることから、例えモノマーが残留して
いても、ビニルエステルとTAICの共重合体は低級ア
ルコール中では膨潤度が大きいために、膨潤により容易
に溶出してしまうからである。このことから、本発明の
ヒドロゲルは実際の使用に際して溶出物が無く、安全性
が非常に優れていることが分る。
【0024】また、本発明のヒドロゲルの大きな特長の
一つにTAIC量を変化させ、架橋程度を調節し高含水
ヒドロゲルとした場合でも高強度を示す点がある。一般
的に、高含水率のヒドロゲルは、機械的強度に乏しく、
高含水率と機械的強度は両立しないものと考えられてい
た。しかしながら、本発明のヒドロゲルは、ビニルエス
テルとTAICが共重合をしていることに加え、TAI
Cが三官能の架橋モノマーであることから、構造的に安
定なものになっている。この結果、例えば含水率が70
%を上回っているゲルでも引張り破断強度として、20
0gf/mm2を越える値を示す。
【0025】また、本発明のヒドロゲルの最も大きな特
長は、含水状態での耐熱性が優れているので、高圧蒸気
滅菌が可能であることである。このために医療用ゲルと
しての多種の用途が可能となるのである。
【0026】また、本発明で得られるPVAヒドロゲル
は、PVAヒドロゲルの特性の1つである蛋白質の吸着
が少ないという性質を失わずに持ち合わせていることも
大きな特徴である。従来より知られているPVAヒドロ
ゲルの蛋白質の吸着量が少ない性質は、有効な抗血栓性
につながり、また生体拒絶反応も軽減されることとなる
ので、本発明は非常に生体材料として好ましいゲルであ
る。
【0027】更に、本発明のPVA製ヒドロゲルは用途
に応じて更なる強度向上を施すことができる。すなわ
ち、本発明の製造方法において、加水分解後に酸性水溶
液に浸漬処理することで、強度が更に向上するのであ
る。従って、高強度の医療用ヒドロゲルとして利用する
場合には、非常に有効な手段である。
【0028】本発明において使用する酸性水溶液の酸と
しては、通常の酸である塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられ
るが、好ましくは塩酸である。希塩酸水溶液の濃度は低
濃度のものでよい。例えば、1mol/Lの希塩酸を用
いた場合には、該溶液を0.01〜0.5%(1000
0〜200倍)程度に希釈して使用することが好まし
い。
【0029】0.01%未満の希塩酸水溶液を用いた場
合には、効果が現れるまでに時間がかかり過ぎ、0.5
%を越える希塩酸水溶液を用いると、ヒドロゲルが部分
的に酸性になり易く、中和の工程が必要となる場合があ
る。
【0030】また、希塩酸水溶液に浸漬する時間として
は、ゲルの用途により異なるが一般に3時間以上が好ま
しく、6時間以上が最も推奨される。
【0031】このように本発明によれば、溶出物の心配
が無く、耐熱性(不溶性)、蛋白付着耐性に優れ、用途
に応じて含水率を向上させても高強度を失わない医療用
ヒドロゲルを得ることができる。
【0032】これらの特長を生かして、本発明のPVA
製ヒドロゲルは、例えばコンタクトレンズ、創傷被覆
材、人工皮膚、人工血管、人工食道、人工気管、人工角
膜、人工水晶体、人工硝子体、各種人工補綴物等の医療
用ヒドロゲルとして利用できる。しかし、用途は医療用
であればよく、上記用途のみに限定されるものではな
い。
【0033】
【実施例】(実施例1)酢酸ビニル19.8gとTAI
C 0.2gを混合して十分に撹拌した。その後に、該
混合液をポリプロピレン製の成形型に充填して紫外線照
射装置内で、低圧水銀灯により254nmの紫外線照射
エネルギーの測定値14.5mW/cm 2 で20分間照
射して共重合成形物を得た。更に、メタノール水溶液に
水酸化ナトリウムを1.6mg/mLとなるように添加
して得たアルカリケン化液に成形体を浸漬し、室温で2
時間以上加水分解を行った。得られたヒドロゲルを取り
出し多量の水で良く洗浄して目的とするPVAヒドロゲ
ルを得た。
【0034】該PVAヒドロゲルは、JIS規格K67
26に準拠した方法によりケン化が99%以上進行して
いることを確認した。
【0035】(実施例2)実施例1と同様の方法により
製造した、アルカリケン化後の成形体に酸処理を施した
例として、1mol/Lの希塩酸を0.06%に希釈し
た希塩酸水溶液に6時間以上浸漬し、再び架橋PVA製
ヒドロゲルを取り出し多量の水で良く洗浄して目的とす
るPVAヒドロゲルを得た。
【0036】該PVAヒドロゲルは、JIS規格K67
26に準拠した方法によりケン化が99%以上進行して
いることを確認した。
【0037】(実施例3)酢酸ビニルを19.0g、T
AICを1.0gにした以外は、実施例1と同様の方法
で、PVAヒドロゲルを得た。
【0038】該PVAヒドロゲルは、JIS規格K67
26に準拠した方法によりケン化が99%以上進行して
いることを確認した。
【0039】(実施例4)実施例3と同様の方法により
製造した、アルカリケン化後の成形体に酸処理を施した
例として、1mol/Lの希塩酸を0.06%に希釈し
た希塩酸水溶液に6時間以上浸漬し、再び架橋PVA製
ヒドロゲルを取り出し多量の水で良く洗浄して目的とす
るPVAヒドロゲルを得た。
【0040】該PVAヒドロゲルは、JIS規格K67
26に準拠した方法によりケン化が99%以上進行して
いることを確認した。
【0041】(実施例5)酢酸ビニルを19.95g、
TAICを0.05gにした以外は、実施例1と同様の
方法で、PVAヒドロゲルを得た。
【0042】該PVAヒドロゲルは、JIS規格K67
26に準拠した方法によりケン化が99%以上進行して
いることを確認した。
【0043】(実施例6)実施例5と同様の方法により
製造した、アルカリケン化後の成形体に酸処理を施した
例として、1mol/Lの希塩酸を0.06%に希釈し
た希塩酸水溶液に6時間以上浸漬し、再び架橋PVA製
ヒドロゲルを取り出し多量の水で良く洗浄して目的とす
るPVAヒドロゲルを得た。
【0044】該PVAヒドロゲルは、JIS規格K67
26に準拠した方法によりケン化が99%以上進行して
いることを確認した。
【0045】(実施例7)酢酸ビニル19.8gとTA
IC 0.2gを混合して十分に撹拌し、更に紫外線重
合開始剤であるIRGACURE184(日本チバガイ
ギー社製)を10,000ppm添加した。その後に、
該混合液をポリプロピレン製の成形型に充填して紫外線
照射装置内で、高圧水銀灯により365nmの紫外線照
射エネルギーの測定値15.3mW/cm2 で30分間
照射して共重合成形物を得た。更に、メタノール水溶液
に水酸化ナトリウムを1.6mg/mLとなるように添
加して得たアルカリケン化液に成形体を浸漬し、室温で
2時間以上加水分解を行った。得られたヒドロゲルを取
り出し多量の水で良く洗浄して目的とするPVAヒドロ
ゲルを得た。
【0046】該PVAヒドロゲルは、JIS規格K67
26に準拠した方法によりケン化が99%以上進行して
いることを確認した。
【0047】(実施例8)実施例7と同様の方法により
製造した、アルカリケン化後の成形体に酸処理を施した
例として、1mol/Lの希塩酸を0.06%に希釈し
た希塩酸水溶液に6時間以上浸漬し、再び架橋PVA製
ヒドロゲルを取り出し多量の水で良く洗浄して目的とす
るPVAヒドロゲルを得た。
【0048】該PVAヒドロゲルは、JIS規格K67
26に準拠した方法によりケン化が99%以上進行して
いることを確認した。
【0049】(比較例1)従来のPVAヒドロゲルの作
成方法として低温結晶化法を用いて、PVAヒドロゲル
を作成した。具体的には、重合度が2000であるPV
Aを1%水溶液となるように、高圧蒸気滅菌器を用いて
均一に溶解させ、得られたPVA水溶液をステンレス製
のバットに流し込み、−20℃で2時間凍結、その後室
温により2時間溶解を1サイクルとして5サイクル繰り
返し、PVAヒドロゲルを得た。
【0050】〔試験項目〕 <含水率>含水状のサンプルの乾燥重量と含水重量の差
より、含水率を求めた。
【0051】<引張り強度>含水状態のレンズを幅2m
mの短冊状にカットし、試験サンプルとして、以下の装
置及び条件で測定を行った。
【0052】 測定機器 :島津製作所 AGS−5A チャック間距離:6.0mm 試験速度 :100mm/min 引張り強度(gf/cm2 )=破断点荷重(gf)/サ
ンプル断面積(cm2
【0053】<形状安定性試験>サンプルを5cm×5
cmの正方形にカットし、生理食塩水中により高圧蒸気
滅菌を行い形状の変化を観察した。形状変化の判断基準
はその変化率が1%未満の場合のみを変化無しとした。
【0054】<溶出物試験>サンプル0.1gに対し
て、1mLの生理食塩水の割合により抽出を行い、溶出
してくるモノマー(酢酸ビニル、TAIC)をHPLC
を用いて測定した。
【0055】検出限界(0.1ppm)以下の場合は、
「無し」とした。
【0056】
【0057】上記結果より、実施例2、4、6、8は、
酸処理を施していない1、3、5、7に比べて強度が向
上していることが分った。
【0058】更に、比較例1のゲルは形状安定性試験に
おいて溶解しており、高圧蒸気滅菌が必要な医療用ヒド
ロゲルとしては、不適当であることが分った。
【0059】<蛋白質の付着試験>実施例1、2で得ら
れたPVAヒドロゲルをマイクロBCA法に従い、リゾ
チーム蛋白の付着量を測定した。
【0060】
【0061】実施例1、2共に0.3μg/cm2 を下
回る値を示しており、非常に蛋白の吸着が少ないヒドロ
ゲルであることが分った。
【0062】
【発明の効果】本発明のPVAヒドロゲルは、高強度で
あり、汚れ付着も少なく、ヒドロゲルからの溶出物も無
く、更に、耐熱性も良好であるため、医療用材料に不可
欠な高圧蒸気滅菌にも対応できるので、創傷被覆材、人
工皮膚、人工角膜、人工硝子体等の各種医療用材料とし
て好適に用いることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 29/04 U (72)発明者 白銀 泰一 東京都文京区本郷二丁目40番2号 株式会 社シード内 (72)発明者 宇野 憲治 東京都文京区本郷二丁目40番2号 株式会 社シード内 Fターム(参考) 4C081 AA02 AA12 AB13 AB15 AB19 AB21 AB22 AB23 BA15 BB01 BB03 BB08 BB09 CA051 CA062 CB041 CC01 CC05 CC06 DA01 DA02 DA12 EA02 EA05 4J002 BE031 GB01 4J011 QA03 QA27 UA01 VA02 WA07 WA10 4J100 AG02P AG04P AG06P AL75P AQ21Q BA03H CA04 DA40 EA03 HA08 HB25 HB39 JA51

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニルエステルとトリアリルイソシアヌ
    レートの共重合体をケン化して得られるポリビニルアル
    コール製ヒドロゲルからなることを特徴とする、熱水中
    でも不溶なポリビニルアルコール製医療用材料。
  2. 【請求項2】 ビニルエステルとトリアリルイソシアヌ
    レートを共重合し、次いで得られた共重合体を、アルカ
    リを添加した低級アルコール水溶液に浸漬して加水分解
    することを特徴とする、熱水中でも不溶なポリビニルア
    ルコール製ヒドロゲル医療用材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ポリビニルアルコール製ヒドロゲル
    を共重合する工程を、重合開始剤の不存在下で波長20
    0〜300nmの紫外線を用いて行うことを特徴とす
    る、請求項2記載の熱水中でも不溶なポリビニルアルコ
    ール製ヒドロゲル医療用材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記共重合体の加水分解後に、更に酸性
    水溶液に浸漬することを特徴とする、請求項2または3
    記載の熱水中でも不溶なポリビニルアルコール製ヒドロ
    ゲル医療用材料の製造方法。
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