JP2000156950A - モーター用樹脂封止電磁巻線部品 - Google Patents

モーター用樹脂封止電磁巻線部品

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JP2000156950A
JP2000156950A JP10328899A JP32889998A JP2000156950A JP 2000156950 A JP2000156950 A JP 2000156950A JP 10328899 A JP10328899 A JP 10328899A JP 32889998 A JP32889998 A JP 32889998A JP 2000156950 A JP2000156950 A JP 2000156950A
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resin
electromagnetic winding
polyester resin
motor
electromagnetic coil
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Yasuo Iwata
康男 岩田
Shoichi Wakatake
昌一 若竹
Kazuhiro Moriwaki
和弘 森脇
Koichi Kiyono
幸一 清野
Seiichi Nakamura
清一 中村
Masazumi Nishida
正純 西田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 得られる樹脂封止電磁巻線部品の品質を悪化
させることなく、製造時における熱硬化工程や仕上げ処
理工程を省略することができるモーター用樹脂封止電磁
巻線部品を提供する。 【解決手段】 ハロゲン含有ベンジル(メタ)アクリレ
ート系重合体等の難燃剤を含有する熱可塑性ポリエステ
ル樹脂組成物により、少くとも電磁巻線部分を封止する
ことによりモーター用樹脂封止電磁巻線部品を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モールドモータ等
のモーターに組み込まれる樹脂封止電磁巻線部品に関す
るものであり、特に、熱可塑性樹脂組成物によって樹脂
封止されてなる樹脂封止電磁巻線部品に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】モールドモータ等のモーターに組込まれ
る電磁巻線は、電気絶縁性や錆び防止等のために電気絶
縁性の樹脂によってモールドされている。その樹脂とし
ては、薄肉流動性や対トラッキング性等に優れ、電磁巻
線を損傷せずに均一に薄い樹脂被覆層を形成することが
でき、かつ所望の特性が得られ易い点から、エポキシ樹
脂や不飽和ポリエステル樹脂のような熱硬化性樹脂が用
いられてきている(特開平8−79997号公報、8−
113619号公報等)。
【0003】熱硬化性樹脂を用いて電磁巻線部品を樹脂
封止するには、電磁巻線の表面全体を所定厚さの薄肉で
覆うように、薄肉流動性に優れた所定粘度の樹脂組成物
を流入させた後に、熱硬化させることにより所定厚みの
樹脂被覆層を形成する方法が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来方法では
熱硬化性樹脂を用いているので被覆後の熱硬化が必要で
あり、その熱硬化に要する数分〜数十分の所要時間がか
かるという生産性における問題がある。さらに、被覆後
の熱硬化工程において成形品表面形状が不均一になり易
いので、全品について人手による修正作業(仕上げ処
理)が必要であるという問題もある。従って、熱硬化性
樹脂を用いる従来法では生産性向上や生産工程自動化を
図ることが困難であった。
【0005】そこで、本発明は、得られる樹脂封止電磁
巻線部品の品質を悪化させることなく、製造時における
熱硬化工程および仕上げ処理工程を省略することができ
るモーター用樹脂封止電磁巻線部品を提供することを主
たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的の達成のた
め、本発明のモーター用樹脂封止電磁巻線部品は、難燃
剤を含有する熱可塑性ポリエステル樹脂組成物により、
少くとも電磁巻線部分が封止されてなるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明において「重量」とは「質量」を意味す
る。
【0008】本発明のモーター用樹脂封止電磁巻線部品
において、少くとも電磁巻線部分を封止するために用い
ている熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、ポリブチレ
ンテレフタレート系樹脂及び/又はポリエチレンテレフ
タレート系樹脂で代表される熱可塑性ポリエステル樹脂
に、ハロゲン系難燃剤等の難燃剤やその他の任意の添加
剤を所望の特性を出すために配合してなる樹脂組成物で
あり、難燃剤としてハロゲン含有ベンジル(メタ)アク
リレート系重合体を含有する熱可塑性ポリエステル樹脂
組成物が好ましい。特に、熱可塑性ポリエステル樹脂
に、ハロゲン含有ベンジル(メタ)アクリレート系重合
体のような難燃剤を含有させるとともに、アンチモン化
合物、グリシジル基含有共重合体、及びグリシジル基非
含有オレフィン系共重合体を含有させてなる熱可塑性ポ
リエステル樹脂組成物が好ましい。
【0009】本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル
樹脂は、実質的にテレフタル酸、2,6―ナフタレンジ
カルボン酸、イソフタル酸などから選ばれた少なくとも
1種の酸成分と、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールあ
るいはポリエチレングリコール、ポリテトラメチレング
リコールなどのポリアルキレングリコールなどから選ば
れた少なくとも1種のジオール成分との重縮合によって
得られるものであり、具体的にはポリブチレンテレフタ
レート(PBT)、ポリプロピレンテレフタレート(P
PT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
ヘキシレンテレフタレート(PHT)、ポリエチレンナ
フタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(P
BN)、ポリシクロヘキサン―1,4―ジメチロールテ
レフタレートなどのほか、ポリエチレンイソフタレート
・テレフタレート(PET/I)、ポリブチレンイソフ
タレート・イソフタレート(PET/I)などのような
共重合ポリエステルなどを挙げることができる。
【0010】なお、これらのポリエステルにはさらに3
0モル%以内で他の第3成分、たとえば、アジピン酸、
セバシン酸、ドデカンジオン酸、ヘキサデカンジカルボ
ン酸、オクタデカンジカルボン酸、ダイマー酸、フタル
酸、4,4´―ジフェニルカルボン酸、スルホイソフタ
ル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、シクロヘキサンジカ
ルボン酸、ピスフエノールAのエチレンオキサイド付加
物、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1,5―ペンタンジオ
ール、1,6―ヘキサンジオールなどを共重合させるこ
とができる。またこれらの熱可塑性ポリエステルを2種
以上混合してなるブレンドであってもよい。
【0011】なお、その熱可塑性ポリエステルはオルト
クロルフェノールの0.5%ポリマ溶液を25℃で測定
した相対粘度が1.2〜1.8の範囲で有ることが好ま
しく、そのカルボキシル末端基が20〜80当量/10
6 gのものが好ましい。
【0012】難燃剤としては、ハロゲン含有ベンジル
(メタ)アクリレート系重合体が好ましく、そのハロゲ
ン系難燃剤の配合量はポリエステル樹脂100重量部に
対して、10〜35重量部、特に15〜30重量部が、
所望の難燃化効果を得るとともに靭性低下という悪影響
を避けるために好ましい。
【0013】ハロゲン含有ベンジル(メタ)アクリレー
ト系重合体は、ペンタブロモベンジルアクリレートもし
くはペンタブロモベンジルメタクリレートより選ばれた
少なくとも一種類の臭素含有モノマ単位を構成単位とし
て含む重合体であり、その分子量は1万〜10万程度で
あればよく、具体的にはポリペンタブロモベンジルエス
テルポリアクリレート(PBB−PA)を挙げることが
できる。
【0014】アンチモン化合物としては、三酸化アンチ
モン、五酸化アンチモンなどの酸化アンチモン、リン酸
アンチモン、アンチモン酸ソーダ、KSb(OH)6
酒石酸アンチモニルカリウム、Sb(OCH2 CH3
3 、およびトリフェニルスチビンなどが挙げられ、なか
でも酸化アンチモンが特に好ましい。これらアンチモン
化合物の配合量はポリエステル樹脂100重量部に対し
て、1〜20重量部が、所望の難燃化効果を得るととも
に靭性低下という悪影響を避けるために、好ましい。さ
らに、配合した難燃剤中の臭素2〜5原子に対してアン
チモン化合物中のアンチモン原子1の比率で配合するこ
とが特に好ましい。
【0015】グリシジル基含有共重合体としては、α、
β−不飽和酸のグリシジルエステルとα―オレフィンか
らなるグリシジル基含有共重合体が好ましい。その共重
合体におけるα、β−不飽和酸のグリシジルエステルと
は、一般式
【化1】 (式中、Rは水素原子、低級アルキル基あるいはグリシ
ジルエステル基で置換された低級アルキル基である。)
で示される化合物であり、具体的にはアクリル酸グリシ
ジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジ
ル、イタコン酸グリシジルなどであり、なかでもメタク
リル酸グリシジルが好ましく使用できる。グリシジル基
含有共重合体におけるα、β−不飽和酸のグリシジルエ
ステル共重合量は1〜50重量%、とくに2〜30重量
%の範囲が適当である。また、さらに40重量%以下で
あれば上記の共重合体と共重合可能な不飽和モノマすな
わちビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ルなどのビニルエステル類、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチルなどのアクリル酸およびメタクリル酸エステ
ル類、アクリロニトリル、スチレンなどを1種以上を共
重合してもよい。
【0016】さらにその共重合体中のα―オレフィンと
はエチレン、プロピレン、ブテン―1、ペンテン―1、
4―メチルペンテン―1、イソブチレン、ヘキセン―
1、デセン―1、オクテン―1、1,4―ヘキサジエ
ン、ジシクロペンタジエン等が挙げられ、好ましくはエ
チレン、プロピレン、ブテン―1が用いられる。またこ
れらのα―オレフィンは単独、あるいは2種以上を使用
してもよい。
【0017】そのグリシジル基含有共重合体の好ましい
例としては、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合
体、エチレン/メタクリル酸グリシジル/酢酸ビニル共
重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル/アクリル
酸エステル共重合体、エチレン/アクリル酸グリシジル
共重合体、エチレン/アクリル酸グリシジル/酢酸ビニ
ル共重合体などが挙げられるが、特にエチレン/メタク
リル酸グリシジル/アクリル酸エステル共重合体のよう
なα―オレフィン―グリシジルメタクリレート―メチル
アクリレート共重合体が好ましい。
【0018】そのグリシジル基含有共重合体の配合量は
ポリエステル樹脂100重量部に対して、3〜20重量
部、特に5〜15重量部が、耐衝撃性の低下防止、耐ト
ラッキング性の向上、増粘によるゲル化物の発生防止の
ために好ましい。
【0019】グリシジル基非含有オレフィン系共重合体
としては、α―オレフィンとアクリル酸アルキルエステ
ルからなるオレフィン系共重合体がこのましい。その共
重合体におけるα―オレフィンとはエチレン、プロピレ
ン、ブテン―1、ペンテン―1、4―メチルペンテン―
1、イソブチレン、ヘキセン―1、デセン―1、オクテ
ン―1、1,4―ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン
等が挙げられ、好ましくはエチレン、プロピレン、ブテ
ン―1が用いられる。またこれらのα―オレフィンは単
独、あるいは2種以上を使用しても差し支えない。ま
た、アクリル酸アルキルエステルとは、例えばアクリル
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
n―プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n
―ブチル、アクリル酸t―ブチル、アクリル酸イソブチ
ルが挙げられ、好ましくはアクリル酸メチル、アクリル
酸エチルが用いられる。またこれらのアクリル酸アルキ
ルエステルは単独あるいは2種以上を使用しても差し支
えない。
【0020】そのグリシジル基非含有オレフィン系共重
合体の配合量はポリエステル樹脂100重量部に対し
て、5〜20重量部、特に10〜15重量部が、冷熱サ
イクル性の向上や、熱可塑性ポリエステル本来の優れた
機械特性の低下防止のために好ましい。
【0021】また、グリシジル基含有共重合体と、グリ
シジル基非含有オレフィン系共重合体との配合比は1/
5〜3/1の比率が、耐衝撃性の低下を防止し、所望の
耐冷熱サイクル性を得るために好ましい。
【0022】無機強化剤の配合は必ずしも必須ではない
が、機械的強度、耐熱性、寸法安定性、電気的性能に優
れた成形品を得るためには、目的に応じて繊維状、粉粒
状、板状の充填剤が用いられる。
【0023】繊維状充填剤としては、ガラス繊維、アス
ベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アル
ミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化珪素繊維、窒化硼素繊
維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維、さらにステンレス、
アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属繊維物などの
無機質繊維状物質などがあげられる。特に代表的な繊維
状充填剤はガラス繊維、又はカーボン繊維である。一
方、板状充填剤としては、マイカ、ガラスフレーク、各
種の金属箔等があげられる。
【0024】また、粉粒状充填剤としては、カーボンブ
ラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、
珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、タル
ク、クレー、ウォラストナイトの如き硅酸塩、酸化鉄、
酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナの如き金属の酸化物、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭酸
塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸
塩、その他炭化硅素、窒化硅素、各種粉末等があげられ
る。
【0025】なかでもチョップストランドタイプのガラ
ス繊維が好ましく使用できる。これらの無機充填剤は1
種又は2種以上使用することができる。繊維状充填剤、
特にガラス繊維又はカーボン繊維と粒状及び/又は板状
充填剤の併用は、特に機械的強度と寸法精度、電気的性
質等を改良する上で好ましい。これらの充填剤の使用に
あたっては必要ならば集束剤又は表面処理剤を使用する
ことが望ましい。例えば、エポキシ系化合物、イソシア
ネート系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物
等の官能性化合物があげられる。これら無機強化剤の配
合量は熱可塑性ポリエステル100重量部に対して10
0重量部以下、特に80重量部以下が好ましい。
【0026】さらに、特定のヒンダードフェノール類、
チオエーテル類、3価の有機リン化合物等公知の熱安定
剤を少量添加すれば、なお一層の耐加水分解性および耐
熱性を向上することができる。
【0027】本発明で用いられるヒンダードフェノール
系熱安定剤としては、N,N―ヘキサメチレンビス
(3,5―ジ―t―ブチル―4―ヒドロキシ―ヒドロシ
ンナマミド)、3,5―ジ―t―ブチル―4―ヒドロキ
シ―ベンジルフォスフォネート―ジエチルエステル)、
1,3,5―トリメチル―2,4,6―トリス(3,5
―ジ―t―ブチル―4―ヒドロキシベンジルベンゼン、
1,6―ヘキサンジオール―ビス〔3―(3,5―ジ―
t―ブチル―4―ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、ペンタエリスリチル―テトラ―キス〔3―(3,
5―ジ―t―ブチル―4―ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕、トリス―(3,5―ジ―t―ブチル―4―
ヒドロキシベンジル)―イソシアヌレート等が挙げられ
る。この中で、ペンタエリスリチル―テトラ―キス〔3
―(3,5―ジ―t―ブチル―4―ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕およびトリス(3,5―ジ―t―
ブチル―4―ヒドロキシベンジル)―イソシアヌレート
が好適である。
【0028】チオエーテル系熱安定剤としては、ジラウ
リルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピ
オネート、ジステアリルチオジプロピネート、テトラキ
ス〔メチレン―3―(ドデシルチオ)プロピオネート〕
メタンが挙げられ、特にテトラキス〔メチレン―3―
(ドデシルチオ)プロピオネート〕メタンが好適であ
る。
【0029】また、3価の有機リン化合物としては、ト
リフェニレルホスファイト、ジフェニルイソデシルホス
ファイト、トリスジノニルフェニルホスファイト、トリ
ス(ノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4
―ジ―t―ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,
6―ジ―t―ブチル―4―メチルフェニル)ペタエリス
リトール―ジ―ホスファイト、ビス(2,4―ジ―t―
ブチルフェニル)ペタエリスリトール―ジ―ホスファイ
トが挙げられ、特に、トリス(2,4―ジ―t―ブチル
フェニル)ホスファイト、ビス(2,6―ジ―t―ブチ
ル―4―メチルフェニル)ペンタエリスリトール―ジ―
ホスファイト、ビス(2,4―ジ―t―ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトール―ジ―ホスファイトが好適で
ある。
【0030】これらの熱安定剤の添加量としては0.0
1〜5重量部が好ましい。さらに本発明の組成物に対し
て、本発明の目的を損なわない範囲で酸化防止剤、紫外
線吸収剤、滑剤、離型剤、染料及び顔料を含む着色剤、
核剤などの通常の添加剤を1種以上添加することができ
る。また少量の熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンを添加することもできる。
【0031】本発明で樹脂封止に用いる熱可塑性ポリエ
ステル樹脂組成物は、溶融混練法等の通常の方法で製造
できる。溶融混練法で用いる装置としては押出機、バン
バリーミキサー、ローラー、ニーダー等を例として挙げ
ることができるが、好ましくは本発明の樹脂組成物を単
軸あるいは二軸の押出機に供給して250〜270℃の
温度て溶融混練りする方法が挙げられる。原料の混合順
序に特に制限はない。また、少量添加剤成分について
は、他の成分を上記の方法などで混練りしペレット化し
た後、成形前に添加することもできる。
【0032】このようにして得られる難燃性ポリエステ
ル樹脂組成物は、JIS K7210、250℃、荷重
1000gで測定したメルトフローレート(MFR)値
が2kg/cm2 以上、好ましくは3kg/cm2 以上と流動性
に優れているので、インサート射出成形法により、モー
ター用電磁巻線部品における少くとも電磁巻線部分を樹
脂封止するに用いられる。その樹脂組成物のMFRの上
限値は特に限定されないが実用上からは高くても50kg
/cm2 程度がよい。
【0033】その樹脂封止の方法としては、金型キャビ
ティ内の所定位置にモーター用電磁巻線部品をセット
し、250〜270℃程度の溶融樹脂組成物をゲートか
ら射出、流入させることにより金型キャビティ内のクリ
アランス部分を樹脂で充填して、金型内で冷却固化させ
て樹脂薄肉被覆を形成し、次いで、金型を開いて樹脂封
止電磁巻線部品を取り出すというような、一般的なイン
サート射出成形法を用いればよい。
【0034】なお、本発明で用いる電磁巻線は、モータ
ー用に用いられる通常の電磁巻線であればどのようなタ
イプのものでもよい。
【0035】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらにくわし
く説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお実施例における樹脂組成物の特性は次の方法で
測定した。
【0036】(1)難燃性試験 UL94に準拠する。 (2)耐トラッキング性 IECに準拠して、湿式比較トラッキング指数(CT
I)を測定した。
【0037】(3)耐冷熱サイクル性の評価 大きさ47mm×47mm×27mmの金型ブロックを、内径
50mm×50mm×30mmの金型キャビティ内に配置し
て、シリンダ温度270℃、金型温度80℃の条件でイ
ンサート射出成形し、モールド厚さ1.5mmの金属イン
サートテストピースを製造した。これを、120℃×1
hr、次いで、−30℃×1hrを1サイクルとする冷
熱サイクル処理をし、10サイクル毎に目視によりクラ
ック発生の有無を確認した。クラック発生が認められた
冷熱処理サイクル処理数を耐冷熱サイクル性とした。
【0038】(4)メルトフローレート(MFR) JIS K7210に準拠し、250℃、荷重1000
gで測定した。 (5)引張強度 ASTM1号ダンベルを用いて ASTM D638に
準拠し実施した。
【0039】(6)衝撃強度 ASTM−D256に準拠する。 (7)ゲル発生 プレス成形により厚み100μのフィルムを作成し、目
視でゲルの有無を判定した。
【0040】[実施例1] A−1:相対粘度1.62のポリブチレンテレフタレー
ト 100重量部 B−1:ポリペンタブロモベンジルアクリレート(B
r:75%、分子量約5万) 25重量部 C−1:三酸化アンチモン(Sb2 3 ) 10重量部 D−1:エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グ
リシジル共重合体(64/30/6wt%) 6重量部 E−1:エチレン/アクリル酸エチル共重合体(65/
35wt%) 14重量部 F−1:ガラス繊維(ガラス繊維径10μm、繊維長3
mm) 40重量部
【0041】上記組成をドライブレンドした後、260
℃の温度条件に設定したスクリュー式2軸押出機により
溶融混練後ペレタイズした。
【0042】得られたペレットから、型締力75トンの
射出成型機を用いてシリンダ温度270℃、金型温度8
0℃の条件下で必要な試験片を成形し、その樹脂特性を
測定、評価した結果、次のとおりであった。
【0043】難燃性(UL94): V0 耐トラッキング性: 400V 耐冷熱サイクル性: 500回 引張強度: 1200 kg /cm2 MFR: 3 kg /cm2 衝撃強度: 15 kg ・cm/cm ゲル発生: なし
【0044】得られたペレットを用いて、シリンダ温度
270℃、金型温度80℃の条件で通常のインサート射
出成形法によりモーター用電磁巻線を樹脂封止し、その
後に仕上げ処理することなく樹脂封止電磁巻線部品を製
造した。得られた樹脂封止電磁巻線部品は、電磁巻線の
損傷がなく良好な形状を有し、樹脂被覆が所望厚さで均
一であり、耐トラッキング性や難燃性等も良好なもので
あり、熱硬化性樹脂で封止した従来品に劣らない優れた
品質を有していた。
【0045】
【発明の効果】本発明のモーター用樹脂封止電磁巻線部
品は、熱硬化工程及び仕上げ工程なしで製造することが
でき、しかも、電磁巻線の損傷がなく、良好な形状を有
し、樹脂被覆が所望厚さで均一であり、耐トラッキング
性や難燃性等も良好なものであり、熱硬化性樹脂で封止
した従来品に劣らない優れた品質を有している。この結
果、その製造工程を自動化することが可能となるので、
モーターの生産性向上に極めて有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清野 幸一 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内 (72)発明者 中村 清一 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内 (72)発明者 西田 正純 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目7番23号 東レ株式会社名古屋支店内 Fターム(参考) 4J002 BB072 BB082 BF022 BF032 BG072 BG082 CD192 CF051 CF061 CF071 CF081 DE126 DE186 DH046 EG046 FD012 FD136 GQ05 5H604 AA05 AA08 BB01 DA16 DB03 PB03 PE06 5H605 AA08 BB05 CC09 GG18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難燃剤を含有する熱可塑性ポリエステル
    樹脂組成物により、少くとも電磁巻線部分が封止されて
    なるモーター用樹脂封止電磁巻線部品。
  2. 【請求項2】 難燃剤がハロゲン含有ベンジル(メタ)
    アクリレート系重合体である請求項1記載のモーター用
    樹脂封止電磁巻線部品。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物が、熱
    可塑性ポリエステル樹脂に、難燃剤、アンチモン化合
    物、グリシジル基含有共重合体、及びグリシジル基非含
    有オレフィン系共重合体を含有させてなる熱可塑性ポリ
    エステル樹脂組成物である請求項1又は2記載のモータ
    ー用樹脂封止電磁巻線部品。
  4. 【請求項4】 熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリブチ
    レンテレフタレート系樹脂及び/又はポリエチレンテレ
    フタレート系樹脂である請求項1、2又は3記載のモー
    ター用樹脂封止電磁巻線部品。
  5. 【請求項5】 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物のJI
    S K7210、250℃、荷重1000gで測定した
    メルトフローレートが2kg/cm2 以上である請求項1、
    2、3又は4記載のモーター用樹脂封止電磁巻線部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017018297A1 (ja) * 2015-07-28 2017-02-02 株式会社オートネットワーク技術研究所 コネクタ用樹脂組成物及びコネクタ

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