JP2000156486A - 固体撮像装置の製造方法 - Google Patents
固体撮像装置の製造方法Info
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- JP2000156486A JP2000156486A JP10330477A JP33047798A JP2000156486A JP 2000156486 A JP2000156486 A JP 2000156486A JP 10330477 A JP10330477 A JP 10330477A JP 33047798 A JP33047798 A JP 33047798A JP 2000156486 A JP2000156486 A JP 2000156486A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 固体撮像装置のオンチップマイクロレンズの
耐熱性には限界があるため、反射防止膜は低温で形成さ
れる。この反射防止膜の付着力を改善し、クラックの発
生を防止する。 【解決手段】 各受光部に対応するようにマイクロレン
ズが形成されたシリコンウェハ14に、蒸着源15から
蒸着材料を蒸発させて生じた蒸気流20に電子銃16か
ら電子ビーム21を照射することにより、反射防止膜を
形成する蒸気化された材料を活性化する。
耐熱性には限界があるため、反射防止膜は低温で形成さ
れる。この反射防止膜の付着力を改善し、クラックの発
生を防止する。 【解決手段】 各受光部に対応するようにマイクロレン
ズが形成されたシリコンウェハ14に、蒸着源15から
蒸着材料を蒸発させて生じた蒸気流20に電子銃16か
ら電子ビーム21を照射することにより、反射防止膜を
形成する蒸気化された材料を活性化する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体撮像装置に関
するものであり、さらに詳しくは感度を改善するため
に、マイクロレンズ上に反射防止膜を形成した固体撮像
装置の製造方法に関するものである。
するものであり、さらに詳しくは感度を改善するため
に、マイクロレンズ上に反射防止膜を形成した固体撮像
装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CCD(電荷結合素子)等を用いた固体
撮像装置においては、小型化、高解像度化の要請によ
り、受光部であるフォトダイオードの面積が減少してき
ている。このような受光部の面積減少に伴う光電変換特
性の低下を補うため、いわゆるオンチップマイクロレン
ズが開発された。オンチップマイクロレンズは、画素ご
とに形成された受光部の上方に、ドーム型や半球状、半
円筒状に成形された樹脂から構成される。このマイクロ
レンズは、転送領域に入射しようとする光を屈折させて
受光部に集光する役割を担う。
撮像装置においては、小型化、高解像度化の要請によ
り、受光部であるフォトダイオードの面積が減少してき
ている。このような受光部の面積減少に伴う光電変換特
性の低下を補うため、いわゆるオンチップマイクロレン
ズが開発された。オンチップマイクロレンズは、画素ご
とに形成された受光部の上方に、ドーム型や半球状、半
円筒状に成形された樹脂から構成される。このマイクロ
レンズは、転送領域に入射しようとする光を屈折させて
受光部に集光する役割を担う。
【0003】マイクロレンズの成形方法を図6を用いて
説明する。まず、図示を省略する受光部の上方に形成さ
れた平坦化膜23上に合成樹脂層31が形成される(図
6(a))。この合成樹脂層31は、g線(波長436
nm)、i線(波長365nm)等の紫外光33の照射
により(図6(b))、各受光部に対応するように分割
される(図6(c))。分割された各合成樹脂部分32
は、加熱されることにより上方に凸となったドーム形状
へと変形し、マイクロレンズ22へと成形される(図6
(d))。マイクロレンズを構成する樹脂としては、例
えば、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系
樹脂等であって、上記のような成形方法が適用できる樹
脂材料が用いられる。
説明する。まず、図示を省略する受光部の上方に形成さ
れた平坦化膜23上に合成樹脂層31が形成される(図
6(a))。この合成樹脂層31は、g線(波長436
nm)、i線(波長365nm)等の紫外光33の照射
により(図6(b))、各受光部に対応するように分割
される(図6(c))。分割された各合成樹脂部分32
は、加熱されることにより上方に凸となったドーム形状
へと変形し、マイクロレンズ22へと成形される(図6
(d))。マイクロレンズを構成する樹脂としては、例
えば、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系
樹脂等であって、上記のような成形方法が適用できる樹
脂材料が用いられる。
【0004】固体撮像装置の感度を向上させるために、
さらにマイクロレンズ上に反射防止膜を形成することも
提案されている。例えば特開平10−150179号公
報には、反射防止膜としてフッ化アルミニウム膜を成膜
した固体撮像装置が開示されている。フッ化アルミニウ
ム膜等の反射防止膜は、蒸着法により形成されることが
多い。
さらにマイクロレンズ上に反射防止膜を形成することも
提案されている。例えば特開平10−150179号公
報には、反射防止膜としてフッ化アルミニウム膜を成膜
した固体撮像装置が開示されている。フッ化アルミニウ
ム膜等の反射防止膜は、蒸着法により形成されることが
多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ガラスのような無機材
料を基板として蒸着法により反射防止膜を形成する場合
には、膜の付着強度を上げるために、蒸着は、通常、基
板を加熱しながら実施される。また、膜材料によっては
相変化が生じる温度にまで基板を加熱しながら蒸着する
ことが望ましい。例えばガラスレンズやガラス板の表面
にフッ化マグネシウムからなる反射防止膜を成膜する場
合には、フッ化マグネシウムの相転移温度である350
℃以上に加熱すると膜が強固に付着する。
料を基板として蒸着法により反射防止膜を形成する場合
には、膜の付着強度を上げるために、蒸着は、通常、基
板を加熱しながら実施される。また、膜材料によっては
相変化が生じる温度にまで基板を加熱しながら蒸着する
ことが望ましい。例えばガラスレンズやガラス板の表面
にフッ化マグネシウムからなる反射防止膜を成膜する場
合には、フッ化マグネシウムの相転移温度である350
℃以上に加熱すると膜が強固に付着する。
【0006】一方、マイクロレンズを基板として反射防
止膜を成膜する場合には、基板の温度には注意を払う必
要がある。マイクロレンズの温度が高くなり過ぎると、
マイクロレンズの透過率の低下、着色等の問題が生じる
ことがあるからである。しかし、200℃程度以下の温
度で蒸着すると、反射防止膜の付着強度が十分には得ら
れない。また、膜形成後に温度変化が生じると、膜材料
によっては残留応力によりクラックが生じてしまう場合
もある。
止膜を成膜する場合には、基板の温度には注意を払う必
要がある。マイクロレンズの温度が高くなり過ぎると、
マイクロレンズの透過率の低下、着色等の問題が生じる
ことがあるからである。しかし、200℃程度以下の温
度で蒸着すると、反射防止膜の付着強度が十分には得ら
れない。また、膜形成後に温度変化が生じると、膜材料
によっては残留応力によりクラックが生じてしまう場合
もある。
【0007】特に固体撮像装置の場合、反射防止膜を形
成する工程の後に、加熱を必須とする工程が控えてい
る。すなわち、図7に示したように、受光部、マイクロ
レンズ、反射防止膜等が形成され、光電変換機能が付与
された半導体チップ41は、パッケージ42内に固定す
る工程において、150℃程度にまで加熱される。ま
た、半導体チップ41は、このチップを収納したパッケ
ージ42をガラス43により封止する工程においても、
やはり150℃程度にまで加熱される。このように、固
体撮像装置のマイクロレンズ上に形成される反射防止膜
は、形成後の固体撮像装置の製造工程において相当の温
度変化に曝される。従って、マイクロレンズ上に成膜す
る場合には、同じ樹脂材料であっても、例えばプラスチ
ックレンズ上に成膜する場合とは異なり、反射防止膜を
低温で蒸着すると、その後の製造工程中で膜にクラック
が発生しやすくなるという特有の問題があった。
成する工程の後に、加熱を必須とする工程が控えてい
る。すなわち、図7に示したように、受光部、マイクロ
レンズ、反射防止膜等が形成され、光電変換機能が付与
された半導体チップ41は、パッケージ42内に固定す
る工程において、150℃程度にまで加熱される。ま
た、半導体チップ41は、このチップを収納したパッケ
ージ42をガラス43により封止する工程においても、
やはり150℃程度にまで加熱される。このように、固
体撮像装置のマイクロレンズ上に形成される反射防止膜
は、形成後の固体撮像装置の製造工程において相当の温
度変化に曝される。従って、マイクロレンズ上に成膜す
る場合には、同じ樹脂材料であっても、例えばプラスチ
ックレンズ上に成膜する場合とは異なり、反射防止膜を
低温で蒸着すると、その後の製造工程中で膜にクラック
が発生しやすくなるという特有の問題があった。
【0008】本発明は、上記従来の問題を解決するべ
く、マイクロレンズの耐熱性を考慮して低温で形成され
る反射防止膜の付着力およびクラックの発生を改善する
ことを目的とする。
く、マイクロレンズの耐熱性を考慮して低温で形成され
る反射防止膜の付着力およびクラックの発生を改善する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の固体撮像装置の製造方法では、反射防止膜
を形成するための蒸気化した材料に、電子ビームを照射
することとした。
に、本発明の固体撮像装置の製造方法では、反射防止膜
を形成するための蒸気化した材料に、電子ビームを照射
することとした。
【0010】すなわち、上記目的を達成するために、本
発明の第1の固体撮像装置の製造方法は、半導体基板の
表面に受光部を形成し、前記受光部の上方に前記受光部
に対応するようにマイクロレンズを形成し、蒸着工程に
より前記マイクロレンズ上に反射防止膜を形成する固体
撮像装置の製造方法であって、前記蒸着工程において、
前記反射防止膜を形成する蒸気化した材料に電子ビーム
を照射することを特徴とする。
発明の第1の固体撮像装置の製造方法は、半導体基板の
表面に受光部を形成し、前記受光部の上方に前記受光部
に対応するようにマイクロレンズを形成し、蒸着工程に
より前記マイクロレンズ上に反射防止膜を形成する固体
撮像装置の製造方法であって、前記蒸着工程において、
前記反射防止膜を形成する蒸気化した材料に電子ビーム
を照射することを特徴とする。
【0011】また、上記目的を達成するために、本発明
の第2の固体撮像装置の製造方法は、半導体基板の表面
に受光部を形成し、前記受光部の上方に前記受光部に対
応するようにマイクロレンズを形成し、蒸着源から蒸着
材料を蒸発させて生じた蒸気流を付着させることにより
前記マイクロレンズ上に反射防止膜を形成する固体撮像
装置の製造方法であって、前記蒸気流に電子ビームを照
射することを特徴とする。
の第2の固体撮像装置の製造方法は、半導体基板の表面
に受光部を形成し、前記受光部の上方に前記受光部に対
応するようにマイクロレンズを形成し、蒸着源から蒸着
材料を蒸発させて生じた蒸気流を付着させることにより
前記マイクロレンズ上に反射防止膜を形成する固体撮像
装置の製造方法であって、前記蒸気流に電子ビームを照
射することを特徴とする。
【0012】このように電子ビームを照射すれば、蒸着
材料を活性化することができる。本発明の製造方法によ
れば、蒸着材料が活性化するために、反射防止膜の膜の
付着力が向上し、また反射防止膜の内部に残留する応力
が緩和してクラックの発生が抑制される。
材料を活性化することができる。本発明の製造方法によ
れば、蒸着材料が活性化するために、反射防止膜の膜の
付着力が向上し、また反射防止膜の内部に残留する応力
が緩和してクラックの発生が抑制される。
【0013】本発明の製造方法においては、マイクロレ
ンズを200℃以下に保ちながら反射防止膜を形成する
ことが好ましい。
ンズを200℃以下に保ちながら反射防止膜を形成する
ことが好ましい。
【0014】また、上記製造方法は、反射防止膜がフッ
化物膜を含む場合に特に効果が大きい。フッ化物として
は、特に限定されないが、フッ化マグネシウムが好適で
ある。
化物膜を含む場合に特に効果が大きい。フッ化物として
は、特に限定されないが、フッ化マグネシウムが好適で
ある。
【0015】また、上記製造方法においては、反射防止
膜が多層膜であることが好ましい。多層膜を構成する各
層の屈折率、膜厚を適切に調整すれば、反射防止効果を
さらに向上させることができる。
膜が多層膜であることが好ましい。多層膜を構成する各
層の屈折率、膜厚を適切に調整すれば、反射防止効果を
さらに向上させることができる。
【0016】また、上記製造方法においては、反射防止
膜がフッ化物膜を含み、前記フッ化物膜とマイクロレン
ズとの間にバッファ層を含むことが好ましい。膜の内部
応力が問題となりやすいフッ化物(特にフッ化マグネシ
ウム)のクラックの発生をさらに効果的に抑制すること
ができるからである。
膜がフッ化物膜を含み、前記フッ化物膜とマイクロレン
ズとの間にバッファ層を含むことが好ましい。膜の内部
応力が問題となりやすいフッ化物(特にフッ化マグネシ
ウム)のクラックの発生をさらに効果的に抑制すること
ができるからである。
【0017】また、上記製造方法においては、反射防止
膜を形成することにより、隣接するマイクロレンズの間
隔を0.4μm以下とすることが好ましい。マイクロレ
ンズ間のギャップを狭小化することより、集光面積を拡
大できるからである。
膜を形成することにより、隣接するマイクロレンズの間
隔を0.4μm以下とすることが好ましい。マイクロレ
ンズ間のギャップを狭小化することより、集光面積を拡
大できるからである。
【0018】このように、本発明によれば、付着力、残
留応力等の点において、従来よりも優れた反射防止膜を
備えた固体撮像装置が提供される。
留応力等の点において、従来よりも優れた反射防止膜を
備えた固体撮像装置が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しながら説明する。まず、図1は、本発明の製造方
法により製造される固体撮像装置の一形態を示す断面図
である。図1に示すように、この固体撮像装置は、シリ
コンウェハの内部および表面に形成された受光部12、
転送電極9、カラーフィルタ4、平坦化膜3、マイクロ
レンズ2等から構成されている。マイクロレンズ2上に
は、マイクロレンズのドーム型の表面に沿ってさらに反
射防止膜1が形成される。この反射防止膜1は、単層ま
たは多層の膜として蒸着法により形成される。
参照しながら説明する。まず、図1は、本発明の製造方
法により製造される固体撮像装置の一形態を示す断面図
である。図1に示すように、この固体撮像装置は、シリ
コンウェハの内部および表面に形成された受光部12、
転送電極9、カラーフィルタ4、平坦化膜3、マイクロ
レンズ2等から構成されている。マイクロレンズ2上に
は、マイクロレンズのドーム型の表面に沿ってさらに反
射防止膜1が形成される。この反射防止膜1は、単層ま
たは多層の膜として蒸着法により形成される。
【0020】反射防止膜1を成膜するための蒸着法とし
ては、基本的には、従来から行われてきた各種の蒸着
法、例えば抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法を利用す
ることができる。ただし、本発明によれば、抵抗の発
熱、電子ビームの照射等により蒸着材料が蒸発して蒸気
流となり、その蒸気流に電子ビームが照射され、蒸気流
(蒸気化した材料)が活性化された状態でマイクロレン
ズ上に付着して反射防止膜を構成する。
ては、基本的には、従来から行われてきた各種の蒸着
法、例えば抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法を利用す
ることができる。ただし、本発明によれば、抵抗の発
熱、電子ビームの照射等により蒸着材料が蒸発して蒸気
流となり、その蒸気流に電子ビームが照射され、蒸気流
(蒸気化した材料)が活性化された状態でマイクロレン
ズ上に付着して反射防止膜を構成する。
【0021】図2により、本発明による反射防止膜の形
成方法の一例を説明する。図2に模式的に示した蒸着装
置には、電子ビーム蒸着源15と対向する位置に、図1
に示した内部構造を有するシリコンウェハ14が設置さ
れている。電子ビーム蒸着源15のるつぼには反射防止
膜を構成する蒸着材料18が収納されており、この蒸着
材料18が、フィラメント17からの電子ビーム19に
より加熱されて蒸発して蒸気流20となる。蒸気流20
には、電子銃16から照射される電子ビーム21が照射
される。蒸気流20は、電子ビーム21によりエネルギ
ー的に励起され、活性化された状態でシリコンウェハ1
4のマイクロレンズ上において反射防止膜を形成する。
成方法の一例を説明する。図2に模式的に示した蒸着装
置には、電子ビーム蒸着源15と対向する位置に、図1
に示した内部構造を有するシリコンウェハ14が設置さ
れている。電子ビーム蒸着源15のるつぼには反射防止
膜を構成する蒸着材料18が収納されており、この蒸着
材料18が、フィラメント17からの電子ビーム19に
より加熱されて蒸発して蒸気流20となる。蒸気流20
には、電子銃16から照射される電子ビーム21が照射
される。蒸気流20は、電子ビーム21によりエネルギ
ー的に励起され、活性化された状態でシリコンウェハ1
4のマイクロレンズ上において反射防止膜を形成する。
【0022】このように電子ビームを照射しながら蒸着
することにより、蒸着材料は、マイクロレンズの温度を
高くしなくても、活性化された状態で反射防止膜を形成
することになる。従って、形成される反射防止膜は、付
着力が改善され、残留応力が緩和されてクラックも生じ
にくい膜となる。
することにより、蒸着材料は、マイクロレンズの温度を
高くしなくても、活性化された状態で反射防止膜を形成
することになる。従って、形成される反射防止膜は、付
着力が改善され、残留応力が緩和されてクラックも生じ
にくい膜となる。
【0023】上記のように、蒸着材料の活性化を電子ビ
ームにより達成すれば、マイクロレンズは必ずしも加熱
する必要はない。マイクロレンズの温度は、特に限定さ
れないが、マイクロレンズの着色等を防止するために、
200℃以下、特に100℃以下が好ましい。
ームにより達成すれば、マイクロレンズは必ずしも加熱
する必要はない。マイクロレンズの温度は、特に限定さ
れないが、マイクロレンズの着色等を防止するために、
200℃以下、特に100℃以下が好ましい。
【0024】蒸気化された蒸着材料を活性化する電子ビ
ーム21は、マイクロレンズが形成されるシリコンウェ
ハ表面近傍に照射すれば、効果的に本発明の目的を達す
ることができる。このように電子ビームを照射すると、
マイクロレンズの表面が活性化されることにもなる。マ
イクロレンズの表面の活性化は、反射防止膜の付着力を
向上させる観点からは好ましい。なお、電子ビームの強
度は、本発明の上記目的が達成される限り特に限定され
ないが、現実には、シリコンウェハ上における電流密度
が10μA/cm2以下となる程度が好ましい。
ーム21は、マイクロレンズが形成されるシリコンウェ
ハ表面近傍に照射すれば、効果的に本発明の目的を達す
ることができる。このように電子ビームを照射すると、
マイクロレンズの表面が活性化されることにもなる。マ
イクロレンズの表面の活性化は、反射防止膜の付着力を
向上させる観点からは好ましい。なお、電子ビームの強
度は、本発明の上記目的が達成される限り特に限定され
ないが、現実には、シリコンウェハ上における電流密度
が10μA/cm2以下となる程度が好ましい。
【0025】電子ビームの照射は、イオンビームの照射
よりも、マイクロレンズ上の反射防止膜を構成する蒸気
化した材料を活性化する手段としては適している。電子
ビームに代えてイオンビームを照射すると、マイクロレ
ンズがイオンビームにより損傷する場合がある。また、
例えばフッ化マグネシウムのような蒸着材料では、蒸気
化した材料が解離に至るおそれもある。
よりも、マイクロレンズ上の反射防止膜を構成する蒸気
化した材料を活性化する手段としては適している。電子
ビームに代えてイオンビームを照射すると、マイクロレ
ンズがイオンビームにより損傷する場合がある。また、
例えばフッ化マグネシウムのような蒸着材料では、蒸気
化した材料が解離に至るおそれもある。
【0026】蒸着材料としては、各種のフッ化物、酸化
物等の誘電体から、反射防止効果を得るに適した屈折率
を有する材料を選択することが好ましい。例えば、反射
防止膜を単層膜とする場合には、各種フッ化物や酸化シ
リコン等の低屈折率材料が適している。フッ化物として
は、具体的には、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウ
ム、フッ化リチウム、フッ化アルミニウム等を用いるこ
とができる。また、反射防止膜を多層膜とする場合に
は、上記低屈折率材料と中高屈折率材料とを積層して光
学干渉効果を利用することにより、反射防止効果を向上
させることが好ましい。中高屈折率材料としては、酸化
セリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化
チタン、酸化タンタル等が好適である。
物等の誘電体から、反射防止効果を得るに適した屈折率
を有する材料を選択することが好ましい。例えば、反射
防止膜を単層膜とする場合には、各種フッ化物や酸化シ
リコン等の低屈折率材料が適している。フッ化物として
は、具体的には、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウ
ム、フッ化リチウム、フッ化アルミニウム等を用いるこ
とができる。また、反射防止膜を多層膜とする場合に
は、上記低屈折率材料と中高屈折率材料とを積層して光
学干渉効果を利用することにより、反射防止効果を向上
させることが好ましい。中高屈折率材料としては、酸化
セリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化
チタン、酸化タンタル等が好適である。
【0027】反射防止膜を多層膜とする場合には、少な
くとも、マイクロレンズ上に直接成膜される第1層目の
層を形成する際に電子ビームを照射することが好まし
い。また、多層膜とする場合には、膜内に残留する応力
が大きい層とマイクロレンズとの間に、バッファ層を設
けることが好ましい。残留応力が大きい層としては、フ
ッ化マグネシウム等のフッ化物層が挙げられる。また、
バッファ層としては、酸化シリコン等の酸化物層が好適
である。
くとも、マイクロレンズ上に直接成膜される第1層目の
層を形成する際に電子ビームを照射することが好まし
い。また、多層膜とする場合には、膜内に残留する応力
が大きい層とマイクロレンズとの間に、バッファ層を設
けることが好ましい。残留応力が大きい層としては、フ
ッ化マグネシウム等のフッ化物層が挙げられる。また、
バッファ層としては、酸化シリコン等の酸化物層が好適
である。
【0028】反射防止膜を形成すると、反射防止効果と
ともに、マイクロレンズによる集光面積が拡大するとい
う利点も生じる。すなわち、集光面積を拡大するために
は、マイクロレンズ間のギャップ(隣接するマイクロレ
ンズの平坦化膜上における間隔)が小さいことが望まし
いが、このギャップには、製造工程中マイクロレンズの
材料にパターニングのために露光するi線等の波長(図
6参照)により制限される下限がある。しかし、反射防
止膜を形成すると、マイクロレンズの有効径が拡大して
上記ギャップの縮小が実現される。
ともに、マイクロレンズによる集光面積が拡大するとい
う利点も生じる。すなわち、集光面積を拡大するために
は、マイクロレンズ間のギャップ(隣接するマイクロレ
ンズの平坦化膜上における間隔)が小さいことが望まし
いが、このギャップには、製造工程中マイクロレンズの
材料にパターニングのために露光するi線等の波長(図
6参照)により制限される下限がある。しかし、反射防
止膜を形成すると、マイクロレンズの有効径が拡大して
上記ギャップの縮小が実現される。
【0029】なお、反射防止膜を形成する前のマイクロ
レンズのギャップは、特に限定されないが、好ましくは
0.5μm以下、さらに好ましくは0.4μm以下であ
る。もっとも、反射防止膜を多層膜とする場合には、反
射防止膜が比較的膜厚となるため、この膜厚を見込んで
反射防止膜を形成する前のマイクロレンズのギャップ間
隔を調整してもよい。
レンズのギャップは、特に限定されないが、好ましくは
0.5μm以下、さらに好ましくは0.4μm以下であ
る。もっとも、反射防止膜を多層膜とする場合には、反
射防止膜が比較的膜厚となるため、この膜厚を見込んで
反射防止膜を形成する前のマイクロレンズのギャップ間
隔を調整してもよい。
【0030】いずれにしても、反射防止膜を形成した後
のマイクロレンズ間のギャップ間隔は、好ましくは0.
4μm以下、さらに好ましくは0.3μm以下、特に好
ましくは0.2μmである。なお、上記ギャップは、反
射防止膜により完全に埋められていても構わない(ギャ
ップ間隔=0)。
のマイクロレンズ間のギャップ間隔は、好ましくは0.
4μm以下、さらに好ましくは0.3μm以下、特に好
ましくは0.2μmである。なお、上記ギャップは、反
射防止膜により完全に埋められていても構わない(ギャ
ップ間隔=0)。
【0031】反射防止膜の膜厚自体は、用いる蒸着材料
の屈折率等によって適宜選択すればよく特に限定されな
い。しかし、マイクロレンズ間のギャップよりも反射防
止膜を厚く形成し過ぎると、マイクロレンズのレンズ形
状が変化する場合がある。このような観点から、反射防
止膜の膜厚は、例えば単層膜とする場合には、0.05
μm〜0.2μm程度とすることが好ましい。また、多
層膜とする場合には、層数にもよるが、0.1μm〜
0.4μm程度が適当である。
の屈折率等によって適宜選択すればよく特に限定されな
い。しかし、マイクロレンズ間のギャップよりも反射防
止膜を厚く形成し過ぎると、マイクロレンズのレンズ形
状が変化する場合がある。このような観点から、反射防
止膜の膜厚は、例えば単層膜とする場合には、0.05
μm〜0.2μm程度とすることが好ましい。また、多
層膜とする場合には、層数にもよるが、0.1μm〜
0.4μm程度が適当である。
【0032】以下、上記方法を適用して反射防止膜を形
成する固体撮像装置の内部構造の例につき、図1に基づ
いてさらに詳細に説明する。固体撮像措置の反射防止膜
以外の各構成部分については、基本的には常法に従って
製造すればよい。図1に示した形態では、n型半導体基
板10の表層にp型ウェル層11が形成され、n型不純
物領域である受光部(フォトダイオード)12が、垂直
転送レジスタ13等とともにイオン注入法により形成さ
れている。基板上には、シリコン酸化膜およびシリコン
窒化膜からなる絶縁膜8、多結晶シリコン膜からなる転
送電極9、受光部上方を覆う遮光膜7(例えばアルミニ
ウム膜や高融点金属膜)が形成される。さらにこれら被
膜上には、絶縁膜6が形成される。この絶縁膜6として
は、例えばCVD法により形成されたBPSG(ボロン
−リン−シリケートガラス)膜が用いられる。
成する固体撮像装置の内部構造の例につき、図1に基づ
いてさらに詳細に説明する。固体撮像措置の反射防止膜
以外の各構成部分については、基本的には常法に従って
製造すればよい。図1に示した形態では、n型半導体基
板10の表層にp型ウェル層11が形成され、n型不純
物領域である受光部(フォトダイオード)12が、垂直
転送レジスタ13等とともにイオン注入法により形成さ
れている。基板上には、シリコン酸化膜およびシリコン
窒化膜からなる絶縁膜8、多結晶シリコン膜からなる転
送電極9、受光部上方を覆う遮光膜7(例えばアルミニ
ウム膜や高融点金属膜)が形成される。さらにこれら被
膜上には、絶縁膜6が形成される。この絶縁膜6として
は、例えばCVD法により形成されたBPSG(ボロン
−リン−シリケートガラス)膜が用いられる。
【0033】絶縁膜6上には、さらに第1の平坦化層5
が形成される。第1の平坦化層5は、絶縁膜6よりも屈
折率が高い材料から構成することが好ましい。上記のよ
うに絶縁膜6をBPSGにより構成する場合、このよう
な材料としては、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、
アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は例えば
回転塗布法により成膜される。このように、絶縁膜6よ
りも屈折率の高い平坦化層5を採用し、これらの膜の界
面を図1に示したような曲面とすれば、第1の平坦化層
5は、層内マイクロレンズとして機能することになる。
上記BPSGは、レンズ形成に好ましい波形曲線を構成
する観点からも好ましい材料である。この層内マイクロ
レンズは、後述するオンチップマイクロレンズととも
に、受光部12への集光効率を向上させる作用を奏する
ため、必須の層ではないが、形成することが好ましい。
が形成される。第1の平坦化層5は、絶縁膜6よりも屈
折率が高い材料から構成することが好ましい。上記のよ
うに絶縁膜6をBPSGにより構成する場合、このよう
な材料としては、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、
アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は例えば
回転塗布法により成膜される。このように、絶縁膜6よ
りも屈折率の高い平坦化層5を採用し、これらの膜の界
面を図1に示したような曲面とすれば、第1の平坦化層
5は、層内マイクロレンズとして機能することになる。
上記BPSGは、レンズ形成に好ましい波形曲線を構成
する観点からも好ましい材料である。この層内マイクロ
レンズは、後述するオンチップマイクロレンズととも
に、受光部12への集光効率を向上させる作用を奏する
ため、必須の層ではないが、形成することが好ましい。
【0034】第1の平坦化層5上にはカラーフィルタ層
4が形成される。カラーフィルタ層4は、染色により構
成してもよく、顔料等を分散して構成してもよい。カラ
ーフィルター層4上には、第2の平坦化層3が形成され
る。この平坦化層3は、カラーフィルタ層4上の微小な
凸凹を低減する。第2の平坦化層3も、例えば回転塗布
法によりアクリル樹脂等を塗布することにより形成する
ことが好ましい。
4が形成される。カラーフィルタ層4は、染色により構
成してもよく、顔料等を分散して構成してもよい。カラ
ーフィルター層4上には、第2の平坦化層3が形成され
る。この平坦化層3は、カラーフィルタ層4上の微小な
凸凹を低減する。第2の平坦化層3も、例えば回転塗布
法によりアクリル樹脂等を塗布することにより形成する
ことが好ましい。
【0035】第2の平坦化膜3上には、上記で説明した
工程(図6参照)によりマイクロレンズ2が形成され
る。マイクロレンズの材料としては、上記のように、フ
ェノール系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂が適
しているが、特に、ポリパラビニルフェノール系樹脂に
ナフトキノンジアジドを添加した感光性樹脂が好まし
い。この樹脂は、ポジ型レジストとして用いることがで
き、熱処理すると、熱可塑性により液状化して形状が半
球状に変形し、その後熱硬化性による形状固定と固化が
進行し、安定したレンズ形状が実現される。また、上記
感光性樹脂は、現像直後の工程において紫外線照射によ
り可視光透過率を90%以上にまで向上させ、この透明
化した状態でレンズ形状へと変形させることもできる。
工程(図6参照)によりマイクロレンズ2が形成され
る。マイクロレンズの材料としては、上記のように、フ
ェノール系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂が適
しているが、特に、ポリパラビニルフェノール系樹脂に
ナフトキノンジアジドを添加した感光性樹脂が好まし
い。この樹脂は、ポジ型レジストとして用いることがで
き、熱処理すると、熱可塑性により液状化して形状が半
球状に変形し、その後熱硬化性による形状固定と固化が
進行し、安定したレンズ形状が実現される。また、上記
感光性樹脂は、現像直後の工程において紫外線照射によ
り可視光透過率を90%以上にまで向上させ、この透明
化した状態でレンズ形状へと変形させることもできる。
【0036】以上に説明したような内部構造が形成され
たシリコンウェハは、所定の大きさに切断される。こう
して形成された半導体チップが、図7に基づいて上記で
説明したように、パッケージに収納され、さらに外部に
信号を伝達するための配線が形成される。
たシリコンウェハは、所定の大きさに切断される。こう
して形成された半導体チップが、図7に基づいて上記で
説明したように、パッケージに収納され、さらに外部に
信号を伝達するための配線が形成される。
【0037】なお、本発明は、上記に例示した構成を有
する固体撮像装置に限ることなく、MOS型の固体撮像
装置も含め、マイクロレンズ上に反射防止膜が形成され
た固体撮像装置すべてに適用することができる。
する固体撮像装置に限ることなく、MOS型の固体撮像
装置も含め、マイクロレンズ上に反射防止膜が形成され
た固体撮像装置すべてに適用することができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は下記実施例により限定されるもので
はない。図1に示したと同様の構造を有する固体撮像装
置の反射防止膜として、各種の単層または多層膜を形成
した。なお、マイクロレンズの材料としては、ポリパラ
ビニルフェノール系樹脂にナフトキノンジアジドを添加
した上記感光性樹脂(屈折率1.56)を用いた。反射
防止膜は、図2に示したと同様の装置を用いた電子ビー
ム蒸着法により形成した。形成した反射防止膜の構成
を、マイクロレンズ側を第1層として、表1に示す。
明するが、本発明は下記実施例により限定されるもので
はない。図1に示したと同様の構造を有する固体撮像装
置の反射防止膜として、各種の単層または多層膜を形成
した。なお、マイクロレンズの材料としては、ポリパラ
ビニルフェノール系樹脂にナフトキノンジアジドを添加
した上記感光性樹脂(屈折率1.56)を用いた。反射
防止膜は、図2に示したと同様の装置を用いた電子ビー
ム蒸着法により形成した。形成した反射防止膜の構成
を、マイクロレンズ側を第1層として、表1に示す。
【0039】 (表1) [nm] ―――――――――――――――――――――――――――― 電子線 第1層 第2層 第3層 ―――――――――――――――――――――――――――― サンプル1 照射 MgF2 − − 100 サンプル2 照射 SiO2 MgF2 190 100 サンプル3 照射 Al2O3 ZrO2 MgF2 85 132 100 サンプル4 照射せず MgF2 − − 100 ――――――――――――――――――――――――――――
【0040】サンプル1〜サンプル3の反射防止膜は、
各層とも、電子線を照射しながら成膜した。このときの
電子線の強度は、シリコンウェハ上における電流密度が
5μA/cm2となるように調整した。一方、サンプル
4の反射防止膜は、電子線を照射せずに成膜した。な
お、成膜時のシリコンウェハの温度(マイクロレンズの
温度)は、室温(20℃前後)とした。
各層とも、電子線を照射しながら成膜した。このときの
電子線の強度は、シリコンウェハ上における電流密度が
5μA/cm2となるように調整した。一方、サンプル
4の反射防止膜は、電子線を照射せずに成膜した。な
お、成膜時のシリコンウェハの温度(マイクロレンズの
温度)は、室温(20℃前後)とした。
【0041】反射防止膜の形成後、各サンプルのシリコ
ンウェハを150℃にまで加熱し、その後室温の大気中
で放冷した。この操作を5回繰り返した後、反射防止膜
の表面を走査型電子顕微鏡により観察したところ、サン
プル4の反射防止膜の表面にはクラックが生じているこ
とが確認された。一方、その他のサンプルの表面にはク
ラックは生じていなかった。また、サンプル2およびサ
ンプル3において、第1層の成膜時のみに電子線を照射
して同様の反射防止膜を成膜して上記と同様に加熱およ
び放冷を実施したところ、反射防止膜のクラックはやは
り発生しなかった。
ンウェハを150℃にまで加熱し、その後室温の大気中
で放冷した。この操作を5回繰り返した後、反射防止膜
の表面を走査型電子顕微鏡により観察したところ、サン
プル4の反射防止膜の表面にはクラックが生じているこ
とが確認された。一方、その他のサンプルの表面にはク
ラックは生じていなかった。また、サンプル2およびサ
ンプル3において、第1層の成膜時のみに電子線を照射
して同様の反射防止膜を成膜して上記と同様に加熱およ
び放冷を実施したところ、反射防止膜のクラックはやは
り発生しなかった。
【0042】さらに、サンプル1〜サンプル3の各シリ
コンウェハを、加熱後の冷却速度を速くすることによ
り、反射防止膜の耐熱性を比較した。その結果、サンプ
ル1と比較して、サンプル2およびサンプル3の反射防
止膜は、さらにクラックが生じにくくなっていることが
確認された。これは、サンプル2およびサンプル3にお
いては、残留引っ張り応力を有するフッ化マグネシウム
膜とマイクロレンズとの間の酸化物膜がバッファ層とし
て作用したためである。
コンウェハを、加熱後の冷却速度を速くすることによ
り、反射防止膜の耐熱性を比較した。その結果、サンプ
ル1と比較して、サンプル2およびサンプル3の反射防
止膜は、さらにクラックが生じにくくなっていることが
確認された。これは、サンプル2およびサンプル3にお
いては、残留引っ張り応力を有するフッ化マグネシウム
膜とマイクロレンズとの間の酸化物膜がバッファ層とし
て作用したためである。
【0043】サンプル1〜サンプル3のいずれにおいて
も、反射防止膜を形成することによりマイクロレンズに
よる集光効率は改善された。具体的には、反射防止膜を
形成しない場合と比較して、例えばサンプル1の反射防
止膜を備えた固体撮像装置の感度は、約12%向上し
た。サンプル2およびサンプル3の感度向上は、それ以
上となった。
も、反射防止膜を形成することによりマイクロレンズに
よる集光効率は改善された。具体的には、反射防止膜を
形成しない場合と比較して、例えばサンプル1の反射防
止膜を備えた固体撮像装置の感度は、約12%向上し
た。サンプル2およびサンプル3の感度向上は、それ以
上となった。
【0044】サンプル1〜サンプル3の反射防止膜を、
平坦に形成した上記感光性樹脂材料上に、表1と同様の
膜厚で成膜して、分光反射率曲線を測定した。結果を図
4〜図6として示す。サンプル1およびサンプル2より
も、サンプル3の多層膜構成によるほうが、全体の反射
率が低く、しかも可視光域においてフラットな反射率曲
線が得られることがわかる(450〜700nmの波長
領域において反射率1%以下)。カラー画像用固体撮像
装置には、このような反射防止膜のフラットな分光光学
特性は、特に暗いシーンでのカラー撮像において好まし
い。
平坦に形成した上記感光性樹脂材料上に、表1と同様の
膜厚で成膜して、分光反射率曲線を測定した。結果を図
4〜図6として示す。サンプル1およびサンプル2より
も、サンプル3の多層膜構成によるほうが、全体の反射
率が低く、しかも可視光域においてフラットな反射率曲
線が得られることがわかる(450〜700nmの波長
領域において反射率1%以下)。カラー画像用固体撮像
装置には、このような反射防止膜のフラットな分光光学
特性は、特に暗いシーンでのカラー撮像において好まし
い。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
蒸着源から蒸発させて生じる蒸気流に電子ビームを照射
することにより、マイクロレンズの耐熱性を考慮して低
温で形成される反射防止膜の付着力およびクラックの発
生を改善することができる。
蒸着源から蒸発させて生じる蒸気流に電子ビームを照射
することにより、マイクロレンズの耐熱性を考慮して低
温で形成される反射防止膜の付着力およびクラックの発
生を改善することができる。
【図1】 本発明の製造方法により製造される固体撮像
装置の一形態を示す断面図である。
装置の一形態を示す断面図である。
【図2】 本発明の固体撮像装置の製造方法を実施する
ための装置を模式的に示す断面図である。
ための装置を模式的に示す断面図である。
【図3】 本発明の製造方法により形成される反射防止
膜の例の分光反射率曲線を示す図である。
膜の例の分光反射率曲線を示す図である。
【図4】 本発明の製造方法により形成される反射防止
膜の別の例の分光反射率曲線を示す図である。
膜の別の例の分光反射率曲線を示す図である。
【図5】 本発明の製造方法により形成される反射防止
膜の別の例の分光反射率曲線を示す図である。
膜の別の例の分光反射率曲線を示す図である。
【図6】 固体撮像装置のマイクロレンズの製造工程を
示す図である。
示す図である。
【図7】 半導体チップをパッケージに収納した段階の
固体撮像装置の断面図である。
固体撮像装置の断面図である。
1 反射防止膜 2 マイクロレンズ 3 平坦化膜 12 受光部 14 シリコンウェハ 15 蒸着源 16 電子銃 18 蒸着材料 20 蒸気流(蒸発した蒸着材料) 21 電子ビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 祐二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 友田 尚紀 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 市川 美千代 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4M118 AA01 AA08 AB01 BA10 CA04 CA34 CA40 DA28 EA01 EA07 GB11 GC07 GD04 GD07 5C024 AA01 CA12 CA31 FA01 FA18 GA11 5F049 NB05 PA06 QA18 SS03 SZ03 TA12 5F058 BA20 BC20 BF17 BJ03
Claims (7)
- 【請求項1】 半導体基板の表面に受光部を形成し、前
記受光部の上方に前記受光部に対応するようにマイクロ
レンズを形成し、蒸着工程により前記マイクロレンズ上
に反射防止膜を形成する固体撮像装置の製造方法であっ
て、 前記蒸着工程において、前記反射防止膜を形成する蒸気
化した材料に電子ビームを照射することを特徴とする固
体撮像装置の製造方法。 - 【請求項2】 半導体基板の表面に受光部を形成し、前
記受光部の上方に前記受光部に対応するようにマイクロ
レンズを形成し、蒸着源から蒸着材料を蒸発させて生じ
た蒸気流を付着させることにより前記マイクロレンズ上
に反射防止膜を形成する固体撮像装置の製造方法であっ
て、 前記蒸気流に電子ビームを照射することを特徴とする固
体撮像装置の製造方法。 - 【請求項3】 マイクロレンズを200℃以下に保ちな
がら反射防止膜を形成する請求項1または2に記載の固
体撮像装置の製造方法。 - 【請求項4】 反射防止膜がフッ化物膜を含む請求項1
〜3のいずれかに記載の固体撮像装置の製造方法。 - 【請求項5】 反射防止膜が多層膜である請求項1〜4
のいずれかに記載の固体撮像装置の製造方法。 - 【請求項6】 反射防止膜がフッ化物膜を含み、前記フ
ッ化物膜とマイクロレンズとの間にバッファ層を含む請
求項5に記載の固体撮像装置の製造方法。 - 【請求項7】 反射防止膜を形成することにより、隣接
するマイクロレンズの間隔を0.4μm以下とする請求
項1〜6のいずれかに記載の固体撮像装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10330477A JP2000156486A (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | 固体撮像装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10330477A JP2000156486A (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | 固体撮像装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000156486A true JP2000156486A (ja) | 2000-06-06 |
Family
ID=18233071
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10330477A Pending JP2000156486A (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | 固体撮像装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000156486A (ja) |
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-11-20 JP JP10330477A patent/JP2000156486A/ja active Pending
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WO2020196620A1 (ja) | 2019-03-27 | 2020-10-01 | 株式会社クラレ | 微細凹凸パターンフィルムおよびヘッドアップディスプレイ装置 |
CN113678028A (zh) * | 2019-03-27 | 2021-11-19 | 株式会社可乐丽 | 微细凹凸图案薄膜和平视显示器装置 |
WO2022244327A1 (ja) * | 2021-05-17 | 2022-11-24 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 | 半導体チップおよびその製造方法、並びに電子機器 |
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JP7490706B2 (ja) | 2021-06-10 | 2024-05-27 | 大立光電股▲ふん▼有限公司 | カメラモジュール、電子装置及び車両工具 |
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