JP2000156246A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

Info

Publication number
JP2000156246A
JP2000156246A JP10318109A JP31810998A JP2000156246A JP 2000156246 A JP2000156246 A JP 2000156246A JP 10318109 A JP10318109 A JP 10318109A JP 31810998 A JP31810998 A JP 31810998A JP 2000156246 A JP2000156246 A JP 2000156246A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
secondary battery
lithium secondary
electrode plate
battery
positive electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10318109A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3910740B2 (ja
Inventor
Masanobu Kito
賢信 鬼頭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP31810998A priority Critical patent/JP3910740B2/ja
Publication of JP2000156246A publication Critical patent/JP2000156246A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3910740B2 publication Critical patent/JP3910740B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電深度が深くなった場合でも出力の低下が
小さく、充放電特性が良好であり、特に電気自動車等の
モータ駆動用電池として好適に使用されるリチウム二次
電池を提供する。 【解決手段】 正極板2と負極板3とを、多孔性ポリマ
ーからなるセパレータ4を介して捲回した内部電極体1
を電池ケースに収容し、有機電解液を用いたリチウム二
次電池である。放電深度80%における出力を放電深度
0%のときの出力の60%以上とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、放電深度が深く
なった場合でも出力の低下が小さく、また、内部抵抗が
小さく充放電サイクル特性が良好であり、特に電気自動
車等のモータ駆動用電池として好適に使用されるリチウ
ム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】 近年、環境保護運動の高まりを背景と
して、自動車業界ではガソリン車等の化石燃料を使用す
る自動車に替えて、電気自動車(EV)やハイブリッド
電気自動車(HEV)の導入を促進すべく、EV実用化
の鍵を握るモータ駆動用電池の開発が鋭意行われてい
る。
【0003】 このEV、HEV用電池として、近年、
エネルギー密度の大きいリチウム二次電池が注目されて
おり、これにより、従来の鉛蓄電池やニッケル水素電池
を使用した場合に比べて、一充電当たりの走行距離を長
くすることができる。
【0004】 リチウム二次電池は、正極活物質にリチ
ウム化合物を用い、一方、負極には種々の炭素質材料を
用いて、充電時には正極活物質中のリチウムイオンが負
極活物質中へ移動し、放電時には逆に負極に捕捉されて
いたリチウムイオンが正極へ移動することで、充放電が
行われるものである。
【0005】 このようなリチウム二次電池における電
池反応の場である内部電極体の構造は、捲回型と積層型
とに大別され、捲回型の内部電極体は、図4に示すよう
に、正極板2と負極板3とをセパレータ4を介して巻芯
11の外周に捲回しつつ、正極板2と負極板3に、それ
ぞれ集電用リード線としてのタブ5を取り付けることで
作製される。そして、この円柱状の内部電極体1を電解
液と共に筒状容器に収納して密閉することで単電池が作
製される。このような捲回型の内部電極体1を用いた単
電池の構造は、大面積の電極板(正極板及び/又は負極
板)を用いつつ、コンパクトな電池を作製するのに適し
ている。また、この捲回型の内部電極体1にあっては、
正負各電極板2・3からのタブ5の数は最低1本あれば
よく、正負各電極板2・3からの集電抵抗を小さくした
い場合でも、タブ5の数を増加させればよい。
【0006】 一方、図5に示されるように、積層型の
内部電極体7は、正極板8と負極板9とをセパレータ1
0を介しながら交互に積層して形成され、正極板8等の
1枚当たりの面積が大きくない場合であっても、複数段
に積層することによって電池全体の電極面積を大きくす
ることができる。作製される内部電極体7の形状は、正
負各電極板8・9の形状と積層数により、直方体型や円
板型あるいは円筒型と任意に設計することができるた
め、電池形状に制約がある場合の使用に適するが、正負
各電極板8・9ごとにタブ6が必要となること等から、
電池内部の構造が複雑化し、電池の組立作業性の点から
は捲回型の方が優れる。
【0007】 いずれの電池構造を採用した場合であっ
ても、リチウム二次電池は端子電圧が約4Vあるために
水溶液系電解液が使用できず、水溶液系電解液に比べて
リチウムイオン伝導度が低い有機系電解液を使用する必
要がある。そのため、電池の内部抵抗が大きくなり易い
が、EVあるいはHEV用電池においては、電池の内部
抵抗及び出力特性が主に加速性能、登坂性能等を決定す
るため、電池の内部抵抗を小さくし、出力特性の安定化
を図ることが重要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】 EV用電池としての
リチウム二次電池について、例えば、社団法人自動車技
術会学術講演会前刷集971(1997年)の53頁か
ら56頁に、正極活物質にLiCoO2を使用し、負極
活物質としてハードカーボンを使用したものの特性が記
載されている。
【0009】 ここで、電池の放電特性としては、各放
電深度(以下「DODと記す)における10秒目の放電
出力密度が示されており、4Vを満充電とした場合、D
ODが0%のときに1540W/kg、DODが80%
のときに500W/kgが得られているが、DODが8
0%のときの出力密度はDODが0%のときの約32%
程度にしか達しない。また、4.2Vを満充電とした場
合、DODが0%のときに1740W/kg、DODが
80%のときに620W/kgであり、DODが80%
のときの出力密度はDODが0%のときの約36%程度
である。
【0010】 このように、従来のリチウム二次電池に
おいては、DODが深くなると、DODが浅い場合に比
べて出力が大きく低下するという問題がある。この原因
の一つとして、正極活物質中でのリチウムイオンの拡散
が、正極活物質として使用されているLiCoO2の結
晶構造中のリチウム面方向に限定され、二次元的にしか
リチウムイオンが拡散できず、その結果、内部抵抗が大
きくなることが考えられる。
【0011】 即ち、DODが深くなるにつれて、リチ
ウムイオンを取り込むLiCoO2中のサイトが減少
し、更にリチウムイオンの拡散方向が限定されることに
よって、リチウムイオンのLiCoO2への取り込み速
度が遅くなってリチウムイオンの負極から正極への移動
が妨げられて内部抵抗値が高くなり、出力低下が引き起
こされるものと考えられる。このリチウムイオンの拡散
は、当然ながらLiCoO2粒子表面から起こるため、
特に粒子表面でこの現象が顕著であると考えられる。な
お、このことは、LiCoO2と同様に正極活物質に用
いられるニッケル酸リチウム(LiNiO2)について
も同様である。
【0012】 このようにDODが深い場合の出力低下
が大きい場合には、電池の残容量によって、特に大きな
出力を必要とする加速時の加速性能に差が生ずる。こう
して、加速性能が低下した場合には、背後から追突され
るおそれや、他車の走行を妨げ、渋滞を引き起こすこと
等も懸念される。従って、EVやHEV用電池では、D
ODが深い場合、即ち、電池の残存容量が小さい場合で
も所定の加速性能を発揮する必要があり、DODの深さ
の変化にともなう内部抵抗の上昇及び出力低下が小さい
電池が必要である。
【0013】 これに対して、DODが深い場合におい
ても、十分な加速性能を得るに必要な出力が得られる程
度に、電池全体の容量を大きくすることもできるが、電
池体積が大きくなるために自動車のスペースユーティリ
ティが悪化する、車重が全体として重くなり電池の利用
効率が悪くなる、増えた電池の分だけコストが増大する
という数々の点で不利である。
【0014】 また、正極活物質に使用されているLi
CoO2に関しては、構成物質であるCoの生産量が世
界的にみても必ずしも多いとはいえず、比較的高価な材
料であるために、汎用部品としての利用にはコスト的に
問題がある。更に、原産国が限られているために、原料
の確保、安定な市場への製品の供給といった面での問題
もある。
【0015】 なお、EVやHEV用電池では、上述し
たDODの問題以外にも、充放電サイクルに伴う放電容
量の減少を抑えることもまた重要となる。ここで、上述
した捲回型の内部電極体1においては、タブ5を複数取
り付けて集電抵抗を低減する場合であっても、タブ5の
取付位置を適切なものとしなければ、内部電極体1内部
において電流密度の分布が生じ、大電流が流れやすい部
分で劣化が進み易くなる問題を生ずる。また、複数のタ
ブ5を取り付ける場合には、タブ5の取付位置が電池の
組立作業性にも影響を与えるので、生産性が高まるよう
に、タブ5の取付位置を決定することが重要となる。
【0016】
【課題を解決するための手段】 本発明者らは、上述し
た従来技術の問題点に鑑み、主に正極活物質にマンガン
酸リチウムを、負極活物質に黒鉛系炭素材料を使用し、
EV及びHEV用単電池として必要と考えられる5Ah
以上の大容量リチウム二次電池を作製し、そのDODと
内部抵抗及び出力との関係を明らかにすることにより、
DOD80%での内部抵抗がDOD0%での内部抵抗の
120%以下である電池、及びDOD80%での出力が
DOD0%での出力の60%以上である電池が、EV及
びHEV用電池として適していることを見出すととも
に、捲回型の内部電極体を用いた場合のタブの取付位置
を適切なものとすることによって、サイクル特性の低下
を抑制すると同時に、生産性をも高めるに至った。
【0017】 即ち、本発明によれば、正極板と負極板
とをセパレータを介して当該正極板と当該負極板とが直
接に接触しないように捲回又は積層した内部電極体を電
池ケースに収容してなるリチウム二次電池であって、放
電深度80%における出力が、放電深度0%のときの出
力の60%以上であることを特徴とするリチウム二次電
池、が提供される。
【0018】 また、本発明によれば、正極板と負極板
とをセパレータを介して当該正極板と当該負極板とが直
接に接触しないように捲回又は積層した内部電極体を電
池ケースに収容してなるリチウム二次電池であって、放
電深度80%における内部抵抗が、放電深度0%のとき
の内部抵抗の120%以下であることを特徴とするリチ
ウム二次電池、が提供される。
【0019】 このようなリチウム二次電池は、電気自
動車(EV)もしくはハイブリッド電気自動車(HE
V)用に好適に用いられ、単電池の電池容量は好ましく
は5Ah以上に設定される。また、本発明のリチウム二
次電池においては、負極活物質として、黒鉛もしくは高
黒鉛化炭素材料を用いることが好ましく、一方、正極活
物質としてはマンガン酸リチウムが好適に用いられ、そ
のLi/Mn比は0.5より大きいことが、より好まし
い。
【0020】 また、本発明によれば、電池の内部抵抗
及び出力のDOD依存性が小さいリチウム二次電池とし
て、正極板と負極板とをセパレータを介して当該正極板
と当該負極板とが直接に接触しないように捲回又は積層
した内部電極体を電池ケースに収容したリチウム二次電
池であって、正極活物質としてスピネル構造を有するマ
ンガン酸リチウムを用い、電気自動車もしくはハイブリ
ッド電気自動車用に用いられることを特徴とするリチウ
ム二次電池、が提供される。ここで、スピネル構造を有
するマンガン酸リチウムについては、そのLi/Mn比
が0.5より大きいものが好適に用いられる。
【0021】 更に、本発明によれば、集電用のタブが
取り付けられた正極板と負極板とをセパレータを介して
捲回した内部電極体を電池ケースに収容し、有機電解液
を用いてなるリチウム二次電池であって、当該内部電極
体の端面において、少なくとも1群の当該タブが、中心
角45゜以内の領域に取付位置の中心が入るように、取
り付けられていることを特徴とするリチウム二次電池、
が提供される。
【0022】 ここで、1群のタブが略同一動径上に配
設されていると、タブの集合接続が容易となって生産性
が向上するとともに、タブに加わる円周方向の応力が低
減されて、タブの破損が効果的に回避される。また、正
極板及び負極板にそれぞれ取り付けられた隣接するタブ
間の距離は、内部電極体の外周長さ以下で、かつ、その
外周長さの1/4以上とすることが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】 上述の通り、本発明のリチウム
二次電池は、出力のDOD依存性が小さく、しかも内部
抵抗が小さく、サイクル特性に優れるという特徴を有す
るため、特にEV用電池として好適に使用することがで
きる。以下、本発明の実施の形態について説明するが、
本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではな
い。
【0024】 本発明におけるリチウム二次電池の内部
電極体は、負極板と正極板とを多孔性ポリマーからなる
セパレータを介して負極板と正極板とが直接に接触しな
いように捲回又は積層して構成されるもので、具体的に
は、先に図4又は図5に示した構造のもの、即ち、内部
電極体1・7が挙げられる。
【0025】 正極板としては、正極活物質に導電性を
向上させるためのカーボン粉末を混合した正極材料を集
電体となるアルミニウム箔に塗布したものが好適に用い
られる。ここで本発明においては、正極活物質としてマ
ンガン酸リチウム(LiMn24)が好適に用いられ、
特に、立方晶系に属し、スピネル型の結晶構造を有する
マンガン酸リチウム(LiMn24スピネル)を用いる
ことが好ましく、これによりDODに対する出力の安定
性の保持と内部抵抗の低減が図られる。但し、後述する
実施例に記すように、LiCoO2を用いた場合であっ
ても、特定の負極活物質との組み合わせることにより、
内部抵抗と出力のDOD依存性が、LiMn24を用い
た場合よりは大きいが従来の電池よりも小さい電池を作
製することが可能である。
【0026】 なお、本発明のリチウム二次電池に用い
られるLiMn24は、このような化学量論組成を有す
るものに限定されるものではなく、結晶構造が維持され
る限度において、陽イオンが欠損しあるいは過剰に存在
し、一方、酸素イオンが欠損しあるいは過剰に存在して
いても構わない。更に、Mnの一部を他のイオン、例え
ば、Li、Fe、Mn、Ni、Mg、Zn、B、Al、
Co、Cr、Si、Ti、Sn、P、V、Sb、Nb、
Ta、Mo、W等の置換元素Mの中から選ばれた1種類
以上の陽イオンで一部置換したものであってもよい。
【0027】 また本発明においては、上述したLiM
24の中でも、特に、Li/Mn比が0.5より大き
いものを用いると、化学量論組成のものを用いた場合と
比較して、内部抵抗が更に低減され、高出力電池を得る
ことができ、好ましい。Li/Mn比が0.5より大き
いものの例としては、Mnの一部をLiで置換したLi
(LiXMn2-X)O4や、Mnの一部をLi以外の前記
置換元素Mで置換したLiMXMn2-X4等を挙げるこ
とができる。なお、前者のLi/Mn比は(1+X)/
(2−X)、後者のLi/Mn比は1/(2−X)でそ
れぞれ与えられるので、X>0の場合には両者のLi/
Mn比は0.5より必ず大きくなる。
【0028】 さて、LiMn24を用いた場合であっ
ても、放電深度が深くなるにつれてリチウムイオンの配
位サイトは減少し、リチウムイオンの拡散が遅くなるた
め、出力の低下を完全になくすることは困難である。し
かしながら、LiMn24は、前述したLiCoO2
LiNiO2のようにリチウムイオンの拡散面が結晶構
造中のリチウム面に限定されず、リチウムイオンの拡散
が三次元的に起こる点で、LiCoO2やLiNiO2
りも有利である。即ち、正極活物質におけるリチウムイ
オンの空の配位サイト数がこれらの活物質において同じ
である場合には、リチウムイオンの拡散経路が多いLi
Mn24を用いた場合に、空の配位サイトへのリチウム
イオンの配位がスムーズに進むと推測される。
【0029】 また、このように拡散経路が三次元的で
あることは、正極活物質粉末を金属箔に塗布して正極板
としたときにも拡散経路が確保されることを示してい
る。即ち、LiCoO2のように二次元的なリチウムイ
オンの拡散経路しかもたない粉末を金属箔に塗布した場
合に、上述した拡散面の入口が他の粒子や金属箔との接
触より閉塞されてしまった粒子は、リチウムイオンの拡
散面の入口でない表面が電解液との界面を形成していた
としても実質的に電極活物質として機能しないこととな
るが、三次元の拡散経路を有するLiMn24では、粉
体の全表面が閉塞されない限り、LiCoO2よりも電
極板を形成したときのイオン拡散経路が確保されやす
い。こうして、LiMn24を用いた場合には、LiC
oO2を用いた場合よりも深い放電深度における出力密
度の低下が抑制されると考えられる。
【0030】 このようなLiMn24におけるリチウ
ムイオンの拡散経路を考えた場合、結晶構造の対称性が
よいLiMn24、即ち、LiMn24スピネルが、最
もリチウムイオンの拡散が容易に行われ、好ましい。更
に、放電時にリチウムイオンが正極活物質中の配位サイ
トへの均一に拡散・配位するように、正極活物質粉末と
しては、粒度分布範囲の狭い粒子であって、形状の整っ
たものが好ましい。
【0031】 ここで、物質によっては結晶化学的性
質、例えば結晶構造の異方性から均一な形状の粒子の作
製が困難である場合が多々ある。しかし、LiMn24
スピネルは立方晶系という対称性のよい結晶構造を有す
るため、種々の合成法、粉末処理法により、均一な粒径
の粒子を得ることが比較的容易である。
【0032】 但し、どのような形状や粒径を有する電
極活物質粉末を用いた場合であっても、それらの粉末を
金属箔に塗布して固定した場合に、結果的に単位重量当
たりの電極板として機能する電極活物質粉末と電解液と
の界面の面積が小さくなったり、あるいは、電極活物質
粉末と電解液との界面の面積は大きく取れたが、導電性
が低下して電極板の内部抵抗が大きくなってしまうとい
った状況は回避しなければならない。つまり、電極活物
質粉末の特性が電極板として十分に発現できることが必
要とされる。
【0033】 なお、上述の通り、リチウムイオンの正
極活物質粉末への拡散経路が確保されているということ
は良好な放電特性が得られることを示しているが、反対
に、正極活物質からのリチウムイオンの拡散もまた良好
に行われる、即ち、充電特性にも優れていることを示し
ている。
【0034】 こうして選定された正極活物質に添加す
るカーボン粉末としては、アセチレンブラックやグラフ
ァイト粉末等を例示することができる。また、正極板を
構成するアルミニウム箔としては、電池の電気化学反応
による腐食による電池性能の低下を防止するために、高
純度の素材を使用することが好ましい。
【0035】 次に、負極板としては、負極活物質とし
てのソフトカーボンやハードカーボンといったアモルフ
ァス系炭素質材料や天然黒鉛等の炭素質粉末を銅箔に塗
布したものを使用することができるが、本発明において
は、負極活物質として、結晶内でのリチウムイオンの拡
散が容易であり、比重が大きく、単位重量当たりに保持
できる充放電に寄与するリチウムイオンの割合が大きい
黒鉛もしくは人造黒鉛等の高黒鉛化炭素材料が特に好ま
しい。
【0036】 なお、負極板として使用される銅箔につ
いてもまた、正極板に使用されるアルミニウム箔と同様
に、電気化学反応による腐食に耐えるために、高純度の
材料を使用することが好ましい。
【0037】 また、セパレータとしては、マイクロポ
アを有するリチウムイオン透過性のポリエチレンフィル
ム(PEフィルム)を、多孔性のリチウムイオン透過性
のポリプロピレンフィルム(PPフィルム)で挟んだ三
層構造としたものが好適に用いられる。これは、内部電
極体の温度が上昇した場合に、PEフィルムが約130
℃で軟化してマイクロポアが潰れ、リチウムイオンの移
動即ち電池反応を抑制する安全機構を兼ねたものであ
る。そして、このPEフィルムをより軟化温度の高いP
Pフィルムで挟持することによって、PEフィルムが軟
化した場合においても、PPフィルムが形状を保持して
正極板と負極板の接触・短絡を防止し、電池反応の確実
な抑制と安全性の確保が可能となる。
【0038】 電解液としては、電解質としてのLiP
6をエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボ
ネート(DEC)との混合溶液に溶解したもの等が好適
に使用される。また、電池構造に特に限定はなく、小型
のリチウム二次電池の構造を相似的に拡大した構造を採
用することが可能である。また、本発明者らは先に、特
願平9−202963号において種々の圧力解放機構を
適所に配設した電池構造を提案しており、このような電
池構造も好適に採用され得る。
【0039】 このような本発明において好適とされる
種々の材料を用いて作製したリチウム二次電池は、DO
D80%における出力がDOD0%のときの出力の60
%以上である優れた出力特性を示すとともに、DOD8
0%における内部抵抗がDOD0%のときの内部抵抗の
120%以下という低い内部抵抗上昇特性を示す。これ
により、本発明のリチウム二次電池は、EV及びHEV
用電池として好適に用いられる。
【0040】 このような電池特性は、正極活物質であ
るLiMn24粉末中のリチウムイオンの配位サイトが
DODの深まりとともに少なくなっていくにもかかわら
ず、空の配位サイトへのリチウムイオンの拡散が空の配
位サイトが多く存在するDODの浅い状態と大差のない
状態にある、即ち、配位サイトが正極板に均一に分布
し、リチウムイオンの拡散経路の確保と均一な拡散が行
われていることに最も大きく起因し、更に、このような
リチウムイオンの拡散が行われるべく、負極板からのリ
チウムイオンの拡散もまた良好に行われていることを示
していると考えられる。
【0041】 ところで、以上は本発明のリチウム二次
電池の特徴を、主にDODの面から説明したものである
が、特に図4に示したような捲回型の内部電極体1を用
いた場合に、タブ5の取付位置を最適化することで、内
部電極体1からの集電抵抗を低減し、また電流密度の高
低分布を低減してサイクル特性を向上させるとともに、
生産性をも高めることが可能となる。
【0042】 図6(a)、(b)は、内部電極体1の
端面の平面図であるが、本発明においては、図6(a)
に示されるように、内部電極体1の端面において、少な
くとも1群のタブ5が、中心角45゜以内の領域21に
取付位置の中心が入るように取り付けられることが好ま
しい。また、1群のタブ5は、図6(b)に示される複
数の群(図6(b)では4群)のように、複数ほど設け
られていても構わない。理論的はこの中心角を考える
と、8群のタブを設けることが可能であるが、電池の組
立作業性を考えると、4群以下とすることが好ましい。
【0043】 ここで、図7(a)は図6(a)と対応
する内部電極体1の端面構造の別の実施形態を示す平面
図であるが、1群のタブ5が領域21内であっても、特
に略同一動径(X軸における一方の半径)上に配設され
ていると、タブ5の集合接続が容易となって生産性が向
上するとともに、タブ5に加わるねじれ応力が低減され
て、タブ5の破損が効果的に回避される。同様に図7
(b)は図6(b)に対応する内部電極体1の端面構造
の別の実施形態を示しており、ほぼX軸とY軸上に位置
するようにタブ5が取り付けられている。
【0044】 さて、正極板2に取り付けられた隣接す
るタブ5間の距離は、内部電極体1の外周長さ以下で、
かつ、その外周長さの1/4以上とすることが好まし
い。この条件は負極板3についても同様である。前述し
たように、タブ5の取付位置は略同一動径上にあるよう
に設定することが好ましく、ここでタブ5の枚数が多い
ほど内部抵抗が小さくなることは明らかである。その一
方で、後述する実施例に示すように、タブ5間の距離を
概略一定とすることでサイクル特性における劣化が小さ
いことを、発明者らは実験的に確認している。そこで、
隣接するタブ5の距離(間隔)は、最外周のタブ間距離
を基準として、なるべくその他のタブ間距離がこの基準
値と等しくなるようにして、しかも、略同一動径上に揃
うようにタブ5の取付位置を決定することが望ましい。
【0045】 例えば、図7(a)に示したように、1
群のタブ5のみを設ける場合には、最外周部における隣
接するタブ5間の距離を基準とする。このとき、外周部
では1巻き当たりに1枚のタブが配設されることとな
り、隣接するタブ間距離は、概略、内部電極体の外周長
さとなる。この場合、内周部においては、正負各電極板
2・3の1巻き当たりの捲回長さが短くなるため、複数
巻き当たりに1枚のタブ5が取り付けられることとな
る。
【0046】 また、図7(b)に示したように、4群
のタブ5を設ける場合には、隣接するタブ5間の距離は
内部電極体1の外周長さの約1/4となる。このとき内
周部においては、正負各電極板2・3それぞれについ
て、1巻き当たりに4枚のタブ5を設けることは不可能
となるので、1巻き当たりについて4群の内の少なくと
も1群にタブが設けられるか、もしくは1巻き当たりに
タブ5が取り付けられない部分も生じ得る。そして外周
に向かうにつれて1巻き当たりのタブの取付数が2から
3そして4へと増えることとなる。逆に言えば、タブ間
距離を内部電極体1の外周長さの1/4未満とすると、
内周部では正負各電極板2・3において、1巻当たりに
4枚のタブを取り付けることができるが、最外周におい
ては、4群に収まらない数のタブ5を取り付けなければ
ならない事態を生ずる。
【0047】
【実施例】 次に、本発明のリチウム二次電池の実施例
について説明するが、本発明はこの実施例に限定される
ものではない。
【0048】(電池の作製)化学量論組成を有するLi
Mn24スピネル(Li/Mn比=0.5)を正極活物
質として、これに導電性を向上させるための炭素粉末
(アセチレンブラック)を添加、混合したものをアルミ
ニウム箔に塗布し、電極面形状が捲回方向長さ3400
mm×幅200mmの正極板を作製した。一方、負極板
は、高黒鉛化炭素材料(繊維状粉末)を銅箔に塗布する
ことで、捲回方向長さ3600mm×幅200mmのも
のを作製した。こうして作製した正極板と負極板とをポ
リプロピレン製のマイクロポーラスセパレータを用いて
絶縁しながら捲回して内部電極体を作製した。
【0049】 次に、作製した内部電極体を円筒形の電
池ケースに嵌挿し、その一端を図1に示す封止構造によ
り封止した後、LiPF6電解質をエチレンカーボネー
ト(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との混合
溶液に溶解した電解液を充填し、他端もまた図1に示す
封止構造で封止することにより電池を密閉した。
【0050】 図1において、正極板又は負極板のいず
れか一方の電極板(図示せず)に接続された集電用のタ
ブ32は、電池ケース39封止用の円板34に取り付け
られた金属製のリベット33に接続される。そして、円
板34には一定圧力で破裂する放圧弁35が設けられ、
金属リング36を介して外部端子37が円板34と電気
的に接続されるように、かつ、円板34と金属リング3
6及び外部端子37が電池ケースとは電気的に絶縁され
るように、エチレンプロピレンゴム38を介して電池ケ
ース39にかしめ加工される。こうして、電池ケース3
9の一端に正負極いずれか一方の外部端子が配設された
円筒型両端端子型の電池が作製される。なお、電池ケー
ス39としては、アルミニウムからなる外径50mm、
肉厚1mm、長さ245mmの円筒形のものを用い、円
板34としては、正極側はアルミニウム製のものを、負
極側は銅製のものをそれぞれ用いた。
【0051】 なお、正負各電極板からの集電は正負各
電極板に設けられた集電用タブに溶接されたタブを用い
て行った。ここで集電用タブは、上記電池構造とするた
めに、内部電極体の各端面に分かれて形成されるよう設
けられている。そして、各電極板を平面に展開した状態
で、隣合う集電用タブ間の距離は、電池の円周長より長
くならないように約100mm前後の間隔で、図7
(a)記載の構造を有するように捲回後に各集電用タブ
が内部電極体の端面上の同一動径上にくるように設定し
た。使用したタブは30枚であり、内周部においては複
数巻き当たりに1枚のタブが配設されている。こうして
作製した電池を実施例1の電池とする。なお、実施例1
の電池は、内部抵抗等測定用とサイクル特性評価用に2
個作製した。
【0052】 次に、実施例2の電池として、正極活物
質にLi/Mn比が0.55のLiMn24スピネルを
用い、その他の材料は実施例1と同じものを使用し、実
施例1と同じ構造を有する電池を作製した。
【0053】 また、実施例3の電池として、正極活物
質にLiCoO2粉末を用い、その他の材料は実施例1
と同じものを使用し、実施例1と同じ構造を有する電池
を作製した。
【0054】 一方、比較例1の電池として、上述した
実施例1〜3と同様の構造を有する電池を、正極活物質
として実施例3に用いたものと同じLiCoO2を、負
極活物質としてハードカーボンをそれぞれ用いて作製し
た。
【0055】 更に、比較例2の電池として、実施例1
と同じ材料を用い、タブの取付についてのみ、捲回後に
各集電用タブが内部電極体の端面上の同一動径上にくる
ように、かつ、1巻き当たりに1枚のタブを取り付けた
電池を作製した。従って、使用したタブは40枚と実施
例1よりも多く、隣接するタブ間距離は実施例1のよう
な概略等間隔ではない。
【0056】(充電条件とDODの調整)作製した実施
例1〜3及び比較例1の電池について、10A定電流−
4.1V定電圧充電により満充電した。満充電時の電池
容量は、実施例1で25Ah、実施例2で22Ah、実
施例3及び比較例1で30Ahであった。この満充電の
状態をDOD0%として、この状態から放電レート0.
2C(5時間率)に相当する電流(実施例1では25A
×0.2=5A、実施例2では22A×0.2=4.4
A、実施例3及び比較例1では30A×0.2=6A)
で1時間定電流放電することにより、DODを20%と
した。同様にして、DODが40%、60%、80%の
状態を準備する。
【0057】(電池の内部抵抗及び出力の測定)各DO
Dにおける内部抵抗の測定は、開回路状態から放電レー
ト0.2Cの電流を印加し、開回路電圧と電流印加直後
の電圧の差を電流値で割ることにより求め、DOD0%
での内部抵抗を100%として規格化した。また、各D
ODでの出力の測定は、放電開始10秒後に2.5Vを
下回らないような電流値で10秒間の定電流放電を行
い、10秒目の電圧と電流の積により求め、DOD0%
のときの出力を100%として規格化した。
【0058】(サイクル特性の評価)実施例1及び比較
例2の電池を用いて、図8に示される充放電サイクルを
1サイクルとして、これを繰り返すことにより耐久試験
を行った。1サイクルは50%の充電状態の電池を10
C(放電レート)相当の電流250Aにて9秒間放電し
た後18秒間休止し、その後175Aで6秒間充電後、
続いて45Aで27秒間充電し、再び50%の充電状態
とするパターンに設定した。なお、充電の2回目(45
A)の電流値を微調整することにより、各サイクルにお
けるDODのずれを最小限に止めた。また、この耐久試
験中の電池容量の変化を知るために、適宜、0.2Cの
電流強さで充電停止電圧4.1V、放電停止電圧2.5
Vとした容量測定を行い、所定のサイクル数における電
池容量を初回の電池容量で除した値により電池容量の変
化率を求めた。
【0059】(試験結果〜内部抵抗及び出力とDODと
の関係)図2に内部抵抗の変化率とDODとの関係を示
す。比較例1においては、DODが深くなるにつれて内
部抵抗値が徐々に大きくなり、DOD80%のときの内
部抵抗値は、DOD0%のときの128%にまで上昇し
た。これに対し、実施例1・2においては、内部抵抗の
上昇はほとんど見られず、DODが80%に至るまで実
質的に変化はみられなかった。また、実施例3において
は、DOD80%のときの内部抵抗はDODが0%のと
きの約116%に上昇した。従って、実施例1・2と実
施例3との比較から、正極活物質におけるリチウムイオ
ンの拡散経路の違いによる拡散抵抗の差が内部抵抗値の
上昇に現れていると考えられる。また、実施例3と比較
例1との比較から、負極活物質とリチウムイオンとの反
応性の差もまた、内部抵抗の上昇に影響を与える要因と
なっていると推測されるが、その効果は、正極活物質に
よるものよりは小さいと推定される。
【0060】 なお、DOD0%での内部抵抗は、実施
例1で4.0mΩであったが、実施例2では3.1mΩ
と、実施例1よりも約20%ほど小さい値が得られた。
このことから、LiMn24スピネルであっても、その
Li/Mn比が0.5より大きい場合には、内部抵抗自
体の低減の効果もまた得られることが明らかとなった。
【0061】 次に、図3に出力の変化率とDODとの
関係を示す。実施例1・2においては、DODが深くな
っても放電出力密度の低下が小さく、DODが80%の
ときにおいても、DODが0%のときの約82%の放電
出力密度が得られた。また、実施例3では、DODが8
0%のときの出力が、DODが0%のときの約69%ま
での低下にとどまった。これに対し、比較例1において
は、前述の引用文献に記載された内容をほぼ再現し、D
ODが80%のときの出力は、DODが0%のときの約
36%にしか達しなかった。
【0062】 なお、DOD0%での出力密度は実施例
1で1000W/kgであったが、実施例2では120
0W/kgと、実施例1よりも約20%ほど大きい値が
得られた。このことは、Li/Mn比が0.5より大き
いLiMn24スピネルを用いることにより電池の内部
抵抗自体が低減されたことに起因すると考えられる。
【0063】 以上の結果から、DODが深くなること
にともなう電池の内部抵抗の上昇が、電池の出力低下の
唯一の原因ではないが、電池の内部抵抗の上昇が小さい
もので出力の低下が抑えられているという傾向は顕著に
現れている。従って、正極活物質にLiMn24を用い
ることが、内部抵抗及び出力のDOD依存性を小さく
し、広範なDOD範囲において、安定した出力を得る目
的に適している。また、負極活物質のみが異なる実施例
3と比較例1の内部抵抗及び出力のDOD依存性を比較
すると明らかなように、負極活物質としては高黒鉛化炭
素材料を用いることが好ましい。
【0064】(試験結果〜サイクル特性)試験結果を図
9に示す。タブを概略等間隔に取り付けた実施例1の電
池で放電容量の低下が抑制されている。これは、実施例
1では、1枚のタブが受け持つ正極板及び負極板の集電
面積がほぼ等しいために、内部電極体内での電流分布が
生じ難い一方、比較例2では、タブ間距離の短い内周部
において大電流が流れ易くなっているために内部電極体
内で電流分布が生じた結果、内周部における劣化が進
み、サイクル特性が低下したものと考えられる。
【0065】
【発明の効果】 以上、本発明のリチウム二次電池によ
れば、放電深度が深くなった場合であっても内部抵抗値
の上昇率が小さく、また、出力の低下が小さいために、
使用状態に依存せずに常に必要とされる大きな出力を得
ることができ、充放電特性が良好であるという優れた効
果を奏する。更に、Li/Mn比が0.5よりも大きい
LiMn24を正極活物質として用いることにより、内
部抵抗自体の低減が図られ、電池の高出力化が図られる
という顕著な効果を奏する。また、本発明は、捲回型内
部電極体を用いた場合にあっては、タブの取付位置を適
切なものとすることで、前述した内部抵抗の低減を更に
助長すると共に、内部電極体内の電流密度の高低分布を
低減してサイクル特性を向上させ、更に生産性の向上が
図られるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜3において作製したリチウム二次
電池の端部構造を示す断面図である。
【図2】 実施例1〜3及び比較例1の放電深度と内部
抵抗変化率の関係を示すグラフである。
【図3】 実施例1〜3及び比較例1の放電深度と出力
変化率の関係を示すグラフである。
【図4】 捲回型内部電極体の構造を示す斜視図であ
る。
【図5】 積層型内部電極体の構造を示す斜視図であ
る。
【図6】 捲回型内部電極体の端面の構造の一実施形態
を示す平面図である。
【図7】 捲回型内部電極体の端面の構造の一実施形態
を示す平面図である。
【図8】 サイクル試験における充放電パターンを示す
説明図である。
【図9】 サイクル試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…内部電極体、2…正極板、3…負極板、4…セパレ
ータ、5…タブ、6…タブ、7…内部電極体、8…正極
板、9…負極板、10…セパレータ、11…巻芯、21
…領域、32…タブ、33…リベット、34…円板、3
5…放圧弁、36…金属リング、37…外部端子、38
…エチレンプロピレンゴム、39…電池ケース。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極板と負極板とをセパレータを介して
    捲回又は積層した内部電極体を電池ケースに収容し、有
    機電解液を用いてなるリチウム二次電池であって、 放電深度80%における出力が、放電深度0%のときの
    出力の60%以上であることを特徴とするリチウム二次
    電池。
  2. 【請求項2】 正極板と負極板とをセパレータを介して
    捲回又は積層した内部電極体を電池ケースに収容し、有
    機電解液を用いてなるリチウム二次電池であって、 放電深度80%における内部抵抗が、放電深度0%のと
    きの内部抵抗の120%以下であることを特徴とするリ
    チウム二次電池。
  3. 【請求項3】 電気自動車もしくはハイブリッド電気自
    動車用に用いられることを特徴とする請求項1又は2記
    載のリチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 5Ah以上の電池容量を有することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウム
    二次電池。
  5. 【請求項5】 負極活物質として黒鉛もしくは高黒鉛化
    炭素材料が用いられていることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  6. 【請求項6】 正極活物質としてマンガン酸リチウムが
    用いられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    か一項に記載のリチウム二次電池。
  7. 【請求項7】 当該マンガン酸リチウムにおけるLi/
    Mn比が0.5より大きいことを特徴とする請求項6記
    載のリチウム二次電池。
  8. 【請求項8】 正極板と負極板とをセパレータを介して
    捲回又は積層した内部電極体を電池ケースに収容し、有
    機電解液を用いてなるリチウム二次電池であって、 正極活物質としてスピネル構造を有するマンガン酸リチ
    ウムを用い、電気自動車もしくはハイブリッド電気自動
    車用に用いられることを特徴とするリチウム二次電池。
  9. 【請求項9】 当該マンガン酸リチウムにおけるLi/
    Mn比が0.5より大きいことを特徴とする請求項8記
    載のリチウム二次電池。
  10. 【請求項10】 集電用のタブが取り付けられた正極板
    と負極板とをセパレータを介して捲回した内部電極体を
    電池ケースに収容し、有機電解液を用いてなるリチウム
    二次電池であって、 当該内部電極体の端面において、少なくとも1群の当該
    タブが、中心角45゜以内の領域に取付位置の中心が入
    るように取り付けられていることを特徴とするリチウム
    二次電池。
  11. 【請求項11】 当該タブが略同一動径上に配設されて
    いることを特徴とする請求項10記載のリチウム二次電
    池。
  12. 【請求項12】 当該正極板及び当該負極板にそれぞれ
    取り付けられた隣接する当該タブ間の距離が、当該内部
    電極体の外周長さ以下、かつ、当該外周長さの1/4以
    上であることを特徴とする請求項10又は11記載のリ
    チウム二次電池。
JP31810998A 1997-11-10 1998-11-09 リチウム二次電池 Expired - Fee Related JP3910740B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31810998A JP3910740B2 (ja) 1997-11-10 1998-11-09 リチウム二次電池

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-306930 1997-11-10
JP30693097 1997-11-10
JP26351398 1998-09-17
JP10-263513 1998-09-17
JP31810998A JP3910740B2 (ja) 1997-11-10 1998-11-09 リチウム二次電池

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001392806A Division JP2002246008A (ja) 1997-11-10 2001-12-25 リチウム二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000156246A true JP2000156246A (ja) 2000-06-06
JP3910740B2 JP3910740B2 (ja) 2007-04-25

Family

ID=27335230

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31810998A Expired - Fee Related JP3910740B2 (ja) 1997-11-10 1998-11-09 リチウム二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3910740B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002298927A (ja) * 2001-03-30 2002-10-11 Sony Corp 非水電解質電池及びその製造方法
JP2003346904A (ja) * 2002-05-29 2003-12-05 Japan Storage Battery Co Ltd 非水電解質二次電池
JP2006260786A (ja) * 2005-03-15 2006-09-28 Hitachi Maxell Ltd 非水電解質二次電池
US7172836B2 (en) 2001-03-30 2007-02-06 Sony Corporation Nonaqueous electrolyte battery and method for manufacturing it, and positive active material, and method for producing it
JP2007103065A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Dainippon Printing Co Ltd 非水電解液二次電池用電極板、非水電解液二次電池、及び評価方法
JP2007194203A (ja) * 2005-12-19 2007-08-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd リチウムイオン二次電池
JP2014035925A (ja) * 2012-08-09 2014-02-24 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池
JP2014035926A (ja) * 2012-08-09 2014-02-24 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池
WO2024057933A1 (ja) * 2022-09-12 2024-03-21 パナソニックIpマネジメント株式会社 非水電解質二次電池

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002298927A (ja) * 2001-03-30 2002-10-11 Sony Corp 非水電解質電池及びその製造方法
US7172836B2 (en) 2001-03-30 2007-02-06 Sony Corporation Nonaqueous electrolyte battery and method for manufacturing it, and positive active material, and method for producing it
JP2003346904A (ja) * 2002-05-29 2003-12-05 Japan Storage Battery Co Ltd 非水電解質二次電池
JP2006260786A (ja) * 2005-03-15 2006-09-28 Hitachi Maxell Ltd 非水電解質二次電池
JP2007103065A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Dainippon Printing Co Ltd 非水電解液二次電池用電極板、非水電解液二次電池、及び評価方法
JP2007194203A (ja) * 2005-12-19 2007-08-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd リチウムイオン二次電池
JP2014035925A (ja) * 2012-08-09 2014-02-24 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池
JP2014035926A (ja) * 2012-08-09 2014-02-24 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池
WO2024057933A1 (ja) * 2022-09-12 2024-03-21 パナソニックIpマネジメント株式会社 非水電解質二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP3910740B2 (ja) 2007-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100749197B1 (ko) 비수전해질 전지, 전지 팩 및 자동차
JP5223166B2 (ja) 電池活物質および二次電池
CN102035028B (zh) 非水电解质电池、电池组以及汽车
US9209462B2 (en) Non-aqueous electrolyte solution type lithium ion secondary battery
US6455198B1 (en) Lithium secondary battery with a lithium manganese oxide positive electrode
JP5710535B2 (ja) 非水電解質二次電池及び電池パック
KR20070006593A (ko) 비수전해질 전지, 전지 팩 및 자동차
EP1698004A2 (en) Positive electrode material for non-aqueous electrolyte lithium ion battery and battery using the same
JP2007207626A (ja) リチウムイオン二次電池および組電池、並びにこれらを搭載した車両
JP2019102226A (ja) 電池システム及び車両
US6972164B2 (en) Lithium secondary battery for use in electric vehicle
US6228529B1 (en) Lithium secondary battery
KR20140079290A (ko) 이차 전지
JP6493757B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP5397715B2 (ja) リチウム二次電池
CN106558725B (zh) 锂离子二次电池
JPH11120990A (ja) リチウム二次電池
JP3910740B2 (ja) リチウム二次電池
JP2002246008A (ja) リチウム二次電池
JP2005116321A (ja) リチウム二次電池及びその低温特性評価方法
JP5678569B2 (ja) リチウムイオン二次電池およびその製造方法
JP2000182656A (ja) リチウム二次電池
JP2005267953A (ja) リチウム二次電池
US20230290948A1 (en) Secondary battery

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040519

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040708

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20040726

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20040917

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100202

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110202

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120202

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130202

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130202

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees