JP2000156235A - 溶融炭酸塩型燃料電池集電部材の腐食抑制法 - Google Patents

溶融炭酸塩型燃料電池集電部材の腐食抑制法

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JP2000156235A
JP2000156235A JP10329255A JP32925598A JP2000156235A JP 2000156235 A JP2000156235 A JP 2000156235A JP 10329255 A JP10329255 A JP 10329255A JP 32925598 A JP32925598 A JP 32925598A JP 2000156235 A JP2000156235 A JP 2000156235A
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fuel cell
carbonate
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cathode
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Kiyoshi Hiyama
清志 檜山
Shohei Uozumi
昇平 魚住
Masahito Takeuchi
将人 竹内
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YOYU TANSANENGATA NENRYO DENCHI HATSUDEN SYSTEM GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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YOYU TANSANENGATA NENRYO DENCH
YOYU TANSANENGATA NENRYO DENCHI HATSUDEN SYSTEM GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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Abstract

(57)【要約】 【課題】Li2CO3−Na2CO3系電解質を用いた溶融
塩型燃料電池の初期焼成時にカソード側セパレータ集電
部に発生するピット状腐食を抑制することにある。 【解決手段】Li2CO3−Na2CO3系共晶塩をピット
状腐食の発生域(電解質融点から約570℃まで)上限
である580℃以上の融点を持つ少なくとも2種以上の
混合塩に分離して、グリーンシート内に配置して、初期
焼成時のピット状腐食発生の抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解質にLi2
3−Na2CO3系炭酸塩を用いた溶融塩型燃料電池の
初期焼成時にカソード側集電部に発生するピット状腐食
の抑制法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融炭酸塩型燃料電池(以下、単に燃料
電池という)は、カソード及びアノード一対のガス拡散
性多孔質電極と、該電極間に配設されるアルカリ金属炭
酸塩の溶融電解質を保持している電解質板と、前記一対
のガス拡散性多孔質電極の一方に酸化剤を供給するため
の酸化剤ガスの流通できる反応ガス流路、及び前記一対
のガス拡散性多孔質の他方に燃料を供給するための燃料
ガスの流通できる反応ガス流路をもって単位電池を構成
してなる。また、実用規模の燃料電池プラントにおいて
は、前記単位電池を多数段直列に積層することにより電
池電圧を高め、かつ電池を大面積化することにより大電
流を取り出し、電池出力の大容量化を図っている。
【0003】ここで用いられる電解質板は特開平1−3
964号公報に示されるように、電解質マトリックス材
にバインダ等を添加して成形した可撓性グリーンシート
と炭酸塩電解質をそれぞれの単電池に組込み、電池を昇
温する過程でグリーンシート中に含まれるバインダ等の
加熱分解及び燃焼で可燃性成分を除去し、電解質マトリ
ックス材で構成された電解質基板に電池内で電解質を浸
透、含浸して電解質板を形成させる、いわゆる内部含浸
電解質板を採用している。
【0004】また、流路の形成材としてはカソード側が
SUS316Lで、アノード側はNiやNiのクラッド
材を用いている。なお、この炭酸塩電解質としてLi/
K系(Li2CO3/K2CO3=62/38mol%の共
晶組成炭酸塩)が用いられていたが、加圧下運転で、カ
ソードからNiOが溶出し、電解質板中析出して短絡が
生じる。その抑制策としてLi/Na系(Li2CO3
Na2CO3=52/48mol%の共晶組成炭酸塩)の
採用が進められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】燃料電池の焼成は、上
記グリーンシート中バインダを燃焼により除去するた
め、カソード側に酸素を含むガスを供給しておこなって
いる。この焼成時に、Li/Na系電解質材を用いた燃
料電池ではカソード側セパレータ構成材料であるステン
レス鋼(SUS316L)にピット状の腐食が発生し、
カソード側の接触抵抗(カソード/カソードセパレータ
間抵抗)の増大をもたらし問題となる。
【0006】本発明の目的は、初期焼成時のカソード側
セパレータ構成部材のピット状腐食を抑制し、電解質材
ロスの抑制及び腐食生成物による内部抵抗増大を抑制
し、電池の寿命を長する溶融炭酸塩型燃料電池集電部材
の腐食抑制法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【0008】
【表1】
【0009】表1にカソード酸化ガス条件下におけるピ
ット状腐食発生と温度の関係を示す(SUS316L,
70%Air30%CO2,52mol%Li2CO3
48mol%Na2CO3,半浸漬法)。
【0010】その腐食は電解質材の融点近傍から約57
0℃までに発生し、それ以上の温度では発生しない。ま
た、本腐食発生には溶融塩の存在が不可欠である。本発
明は、焼成時、580℃以下のカソード側セパレータ集
電部構成材(SUS316L)への溶融塩付着を抑制す
ることで、上記ピット状腐食の発生を抑制しようとする
ものである。
【0011】即ち、本発明のピット状腐食抑制法は、電
解質保持用の電解質マトリックスの両側にそれぞれ多孔
質体からなる一対の電極を設け、該電極の外側に該電極
への反応ガス流路を有するセパレータを設けて成る単位
電池を少なくとも1個以上接続して構成する溶融炭酸塩
型燃料電池において、上記一対の電極間に複数の電解質
マトリックスを配置し、複数の電解質マトリックスつま
り電解質板グリーンシート間の少なくとも積層方向の2
個所に580℃以上の融点を有する組成の異なる混合炭
酸塩(Li2CO3−Na2CO3系)を配置した単位電池
を構成し、少なくとも1個以上の単位電池を焼成炉で5
80℃以上に昇温することにある。尚、配置個所を電解
質板だけに限定することもセパレータへの溶融炭酸塩付
着を遅らせるのに効果がある。
【0012】また上記混合炭酸塩は少なくとも580℃
まで固液混相状態となり、580℃以上で液相状態に成
り、且つステンレス材のカソード側セパレータに保護膜
を形成することにある。
【0013】更に、前記アルカリ金属炭酸塩としてはL
2CO3、Na2CO3とし、完全溶融後、混合した時点
で目的(Li/Na=52/48:mol%)の組成に
なるようにLi2CO3−Na2CO3の共晶塩を、Liリ
ッチな組成とNaリッチな組成に分けた組合せであるこ
とが望ましい。腐食による炭酸塩の損耗は初期に多く
(このシステムにおける腐食が放物線則に従うことか
ら)、特にカソード側ではLiの方が消費されるので、
Liリッチな組成の炭酸塩の方をカソード側、Naリッ
チな炭酸塩の方をアノード側に配することが望ましい。
【0014】また、完全に580℃までのカソード側で
の溶融塩付着を防止するという点では、前記でカソード
側に配するLiリッチな炭酸塩をLi2CO3の単塩にす
ることが望ましい。
【0015】更に、アノード側セパレータ集電部構成材
として使用されているNiやNiクラッド材の初期焼成
時における酸化を抑制する必要があり、電解質板中の酸
素拡散を押さえることが望ましい。よって、電解質板ア
ノード側は低い温度でも溶融塩で満たし、ガス拡散を防
止する必要がある。そのために、アノード側には目的の
Li2CO3−Na2CO3系共晶塩の一部を配し、同じ共
晶塩の残りをLiリッチな組成とNaリッチな組成に分
けてグリーンシート内の2個所(アノード側を除く)、
計3個所に配することが望ましい。
【0016】また、前記のLi2CO3の消費という点か
らはカソード側にLiリッチな混合塩を配することが望
ましい。カソード側で580℃での炭酸塩溶融の完全防
止という点ではLiリッチな塩としてLi2CO3の単塩
を用いることも有効である。
【0017】更に、Li2CO3−K2CO3ではこのピッ
ト状腐食の発生が認められていないことから、カソード
側セパレータ集電部表面にLi2CO3−K2CO3系炭酸
塩を塗布してもこの腐食を抑制できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施例について、図1、
図2により説明する。
【0019】内部含浸法電解質板を適用した単位燃料電
池(以後単位電池10と称する)の基本構成を図1に示
す。
【0020】単位電池10は次のように構成されてい
る。電解質保持用の電解質マトリックスの両側にそれぞ
れ多孔質体からなる一対の電極3を設ける。一対の電極
3はアノード3Aとカソード3Bとより成る。アノード
3Aとカソード3Bの外側にアノードカレントコレクタ
4Aとカソードカレントコレクタ4Bを配置している。
さらにアノードカレントコレクタ4Aとカソードカレン
トコレクタ4Bの外側にステンレス材より成るアノード
セパレータ5Aとカソードセパレータ5Bを配置してい
る。アノードセパレータ5A及びカソードセパレータ5
Bは燃料ガス流通路6A及び酸化剤ガス流通路6Bを形
成している。
【0021】電解質マトリックス保持材にバインダ、可
塑剤等を添加して形成した可撓性の電解質板グリーンシ
ート1を形成した。電解質板グリーンシート1A,1C
間及び1B,1D間に580℃以上の融点を有する混合
炭酸塩電解質材(以後電解質材2A及び2Bと称する)
をそれぞれ配置する。これらの電解質材2A,2Bは炭
酸リチウム(Li2CO3)と炭酸ナトリウム(Na2
3)の混合塩を用いる。ここで用いた電解質材2A及
び2Bの混合塩はLi2CO3/Na2CO3=44.7/
55.3:mol%(36/64:wt%)及び71.
8/28.2:mol%(64/36:wt%)の混合
塩であり、燃料電池設計技術((株)サイエンスフォー
ラム編)第164頁より引用した本発明の図2のA点及
びB点に相当し、その融点はそれぞれ約600及び62
0℃である。尚、電解質板グリーンシート1A,1Bの
少なくとも積層方向の2か所に電解質材2A及び2Bを
それぞれ配置する。
【0022】このようにして組み立てた単位電池10を
積層する場合には、燃料ガス流通路6A及び酸化剤ガス
流通路6Bをそれぞれの面に設けてあるセパレータ(バ
イポーラプレート)を介して積層する。
【0023】こうして単位電池10を組み立てた燃料電
池を、図示していないN2ガス等雰囲気焼成炉に配置す
る。焼成炉内の燃料電池には燃料ガス流路6AよりN2
ガス等を供給し、酸化剤ガス流路6Bより空気を供給し
ながら、予め設定した所定のパターンに従って昇温して
いく。
【0024】従来技術では一組成の共晶炭酸塩を用いて
いたため、図2から分かるように温度が約500℃に達
したところから全体で一様に混合塩の溶融が始まり、電
解質板部をまず充足し、余分の電解質の電極、さらには
セパレータへの浸透が約500℃から可能となってい
た。
【0025】しかし、本発明のように、単位電池10内
に組成の異なる580℃以上の融点を持つ電解質材2A
及び2Bを配することで、580℃まで固液混相状態と
なり、同温度における液相分が従来技術の場合より少な
いため、電解質板外への浸透が抑制され、電池集電部で
の溶融塩付着が高温側にシフトし、初期焼成時のピット
状腐食の発生が抑制される。
【0026】更に、昇温を続けると、それぞれの電解質
材2A及び2Bはその液相部分の割合が増加していき、
それぞれの融点に達すると完全に溶融状態になり、最終
的に電解質板の細孔を完全に埋め尽くす。この溶融過程
において、電解質材2A及び2Bの溶融物が互いに接触
して混合していくと、それぞれの電解質材2A,2Bの
組成は共晶組成の方向に変化していき、所定の電解質組
成を得ることができると共に、カソードセパレータ5B
はより高温まで酸化(予備酸化的なものつまり保護膜の
形成)されるので、電解質による腐食が抑制される。こ
の結果、本発明のカソード側の接触抵抗(カソード/カ
ソードセパレータ間抵抗)が従来技術より増大すること
無く、電解質の急激な損耗を抑制出来るため、長寿命と
なり、安定して電力を供給することが出来る。尚カソー
ド側の接触抵抗ついては後述する。
【0027】これまでの説明はLi2CO3−Na2CO3
系混合塩で述べてきたが、どちらか一方が融点になれば
浸透混合による溶融がおこるので、必ずしもそれに限定
される必要はなく、電解質材の一方が単塩であってもか
まわない。
【0028】(実施例1)平均一次粒径0.1μのリチ
ウムアルミネート微粉末とアルミナ繊維を主原料とし、
これにバインダ(ポリビニールブチラール)、可塑剤
(ブチルフタリルグリコール酸ブチル)及び溶剤(トリ
クロールエチレン、テトラクロールエチレン、n−ブタ
ノール)を混合してスラリー状にし、これをドクターブ
レード法により成形して可撓性グリーンシートを製作
し、140mm角に切り出して用いた。
【0029】アノードは平均一次粒子径3μmのニッケ
ル粉末を出発原料とし、バインダ(カルボキシメチルセ
ルロース)及び溶媒(水)を加えスラリー化し、金網に
添着し乾燥後、水素含有ガス雰囲気で700〜900℃
に加熱して還元焼結して作成した。
【0030】一方、カソードは、前記アノードを空気雰
囲気中で700〜900℃に加熱焼成して得た。これら
の電極を100mm角に切出して用いた。
【0031】このようにして得た可撓性グリーンシー
ト、アノード、カソード等を用いて図1に示すごとき単
位電池を組み立てた。
【0032】電解質材の一方はLi2CO3/Na2CO3
=44.7/55.3(mol%)の組成の混合炭酸塩
電解質材であり、ポリエチレングリコールでペースト状
にしてこれを4枚重ねの可撓性電解質グリーンシートア
ノード側(2B部)に塗布して配した。その重量は21
gであった。
【0033】電解質材の他方はLi2CO3/Na2CO3
=71.8/28.2(mol%)の組成の炭酸塩であ
り、前記同様にして4枚重ねの可撓性電解質グリーンシ
ートカソード側(2A部)に塗布して配した。その重量
は7gであった。この電池の昇温において腐食発生域の
500℃以上の昇温速度を3℃/hとして実施した。そ
の後反応ガスを流通させて発電を行った。その際、カソ
ード側の接触抵抗(カソード/カソードセパレータ間抵
抗)も測定した。その結果は実施例5に示す。
【0034】(実施例2)実施例1と同仕様、同寸法の
電池構成部材を用いて電池を組み立てた。
【0035】電解質材の一方はLi2CO3/Na2CO3
=46.8/53.2(mol%)=36/62(wt
%)の組成の混合炭酸塩電解質材であり、実施例1と同
様に4枚重ねの可撓性電解質グリーンシートをアノード
側(2B部)及び中央部(2C部)に塗布して配した。
その重量は25.7gであった。アノード側(2B部)
に電解質の多量塗布を行うと、アノードの過剰浸透が生
じやすいので、その抑制のために中央部(2C部)にも
配した。
【0036】電解質材の他方はLi2CO3の単塩であ
り、前記同様にして4枚重ねの可撓性電解質グリーンシ
ートをカソード側(2A部)に塗布して配した。その重
量は2.3gであった。この電池を実施例1と同様の昇
温パターンで焼成した。その後反応ガスを流通させて発
電を行った。その際、カソード側の接触抵抗も測定し
た。その結果は実施例5に示す。
【0037】(実施例3)実施例1と同仕様、同寸法の
電池構成部材を用いて電池を組み立てた。
【0038】電解質材2は4枚重ねの可撓性を有するア
ノード側の電解質板グリーンシート1Aと1Cとの間の
電解質材2BにLi2CO3/Na2CO3=52/48
(mol%):10g、中央の電解質板グリーンシート
1Cと1Dとの間の電解質材2CにLi2CO3/Na2
CO3=44.7/55.3(mol%):12g、カ
ソード側の電解質グリーンシート1Dと1Bとの間の電
解質材2AにLi2CO3/Na2CO3=71.8/2
8.2(mol%):6gをそれぞれ配置した。これに
より、アノード側Ni又はNiクラッドの酸化力抑制
で、この電池を実施例1と同様の昇温パターンで焼成し
た。その後反応ガスを流通させて発電を行った。その
際、カソード側の接触抵抗も測定した。その結果は実施
例5に示す。
【0039】(実施例4)実施例1と同仕様、同寸法の
電池構成部材を用いて電池を組み立てた。
【0040】電解質材は4枚重ねの可撓性電解質グリー
ンシート中央にLi2CO3/Na2CO3=52/48
(mol%):28gを配し、カソード側セパレータ集
電部表面には単位実表面積当たり1mg/cm2になる
ようにLi2CO3/K2CO3=62/38を塗布した。
これは、Li2CO3/K2CO3ではピット状腐食が発生
しないので、Li2CO3/K2CO3による腐食に先立
ち、Li2CO3/K2CO3で腐食させ腐食皮膜を安定化
させるためのものである。この電池を実施例1と同様の
昇温パターンで焼成した。その後反応ガスを流通させて
発電を行った。その際、カソード側の接触抵抗も測定し
た。その結果は第5実施例に示す。
【0041】(実施例5)
【0042】
【表2】
【0043】表2は焼成後100hにおける電池のカソ
ード側接触抵抗の測定結果を示すものである。72
(%)H218CO210%H2Oの燃料ガスをアノード
側に流通し、70(%)空気、30(%)CO2の酸化
剤ガスをカソード側に流通して、実施例1から実施例4
までの単位電池及び第1比較例の単電池の650℃にお
ける発電試験を実施した。また、その時の電池カソード
側の接触抵抗を交流4端子法により測定した。発電試験
後100hの結果を第2表に示す。第2表に示すよう
に、本発明による実施例1〜4は第1比較例に比べ、初
期のカソード側接触抵抗を低く押さえられる。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、Li2
CO3/Na2CO3系共晶塩を2種以上の混合塩に分離
することにより、ピット腐食域上限温度である580℃
以上の融点をもつ電解質として、電解質グリーンシート
内に配することができ、初期焼成で電解質板からオーバ
ーフローして電極及びセパレータ集電部に炭酸塩が浸透
できる温度が高められる。このことにより、ピット状腐
食の抑制ができる。
【0045】また、本発明は、セパレータへの炭酸塩浸
透を高温側にシフトさせようというものだから、セパレ
ータに保護膜を形成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である溶融炭酸塩型燃料電池の
主要部を示した構成図。
【図2】図1に使用した炭酸リチウム−炭酸ナトリウム
二元系電解質の状態図。
【符号の説明】
1A,1B,1C,1D…電解質板グリーンシート、2
…電解質材、2A,2B,2C…電解質材、3…電極、
3A…アノード、3B…カソード、4A…アノードカレ
ントコレクター、4B…カソードカレントコレクター、
5A…アノードセパレータ、5B…カソードセパレー
タ、6…反応ガス流通路、6A…燃料ガス流通路、6B
…酸化剤ガス流通路、10…単位電池。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月30日(1999.9.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】電解質マトリックス保持材にバインダ、可
塑剤等を添加して形成した可撓性の電解質板グリーンシ
ート1を形成した。電解質板グリーンシート1A,1C
間及び1B,1D間に580℃以上の融点を有する混合
炭酸塩電解質材(以後電解質材2及び2と称する)
をそれぞれ配置する。これらの電解質材2A,2Bは炭
酸リチウム(Li2CO3)と炭酸ナトリウム(Na2
3)の混合塩を用いる。ここで用いた電解質材2A及
び2Bの混合塩はLi2CO3/Na2CO3=44.7/
55.3:mol%(36/64:wt%)及び71.
8/28.2:mol%(64/36:wt%)の混合
塩であり、燃料電池設計技術((株)サイエンスフォー
ラム編)第164頁より引用した本発明の図2のA点及
びB点に相当し、その融点はそれぞれ約600及び62
0℃である。尚、電解質板グリーンシート1A,1Bの
少なくとも積層方向の2か所に電解質材2A及び2Bを
それぞれ配置する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 将人 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 Fターム(参考) 5H018 AA05 BB01 HH08 5H026 AA05 BB01 BB04 EE08 HH00 HH05 HH08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質保持用の電解質板の両側にそれぞ
    れ多孔質体からなる一対の電極を設け、該電極の外側に
    電極への反応ガス流路を有するセパレータを設けて成る
    単位電池を少なくとも1個以上接続して構成する溶融炭
    酸塩型燃料電池において、上記一対の電極間に複数の電
    解質板グリーンシートを配置し、複数の電解質板グリー
    ンシートの少なくとも積層方向の2個所に580℃以上
    の融点を有する組成の異なる電解質材の混合炭酸塩(L
    2CO3−Na2CO3系)を配置した単位電池を構成
    し、少なくとも1個以上の単位電池を焼成炉で580℃
    以上に昇温することを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池
    集電部材の腐食抑制法。
  2. 【請求項2】 上記混合炭酸塩は580℃まで固液混相
    状態となり、580℃以上で液相状態に成り、且つステ
    ンレス材のカソード側セパレータに保護膜を形成するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の溶融炭酸塩型燃料電池
    集電部材の腐食抑制法。
  3. 【請求項3】 上記混合炭酸塩としてLi2CO3−Na
    2CO3の共晶塩を、Liリッチな組成とNaリッチな組
    成に分けた組合せであることを特徴とする請求項1に記
    載の溶融炭酸塩型燃料電池集電部材の腐食抑制法。
  4. 【請求項4】 上記混合炭酸塩としてLi2CO3−Na
    2CO3の共晶塩の一部を電解質板グリーンシートのアノ
    ード側に配し、残りの共晶塩をLiリッチな組成とNa
    リッチな組成に分け、電解質板グリーンシートの他の2
    個所に配することを特徴とする請求項1に記載の溶融炭
    酸塩型燃料電池集電部材の腐食抑制法。
  5. 【請求項5】 Liリッチな炭酸塩の方をカソード側近
    傍に配することを特徴とする請求項1,3,4いずれか
    1項記載の溶融炭酸塩型燃料電池集電部材の腐食抑制
    法。
  6. 【請求項6】 上記電極のうちカソード側セパレータ集
    電部表面に予めLi2CO3−K2CO3系炭酸塩を塗布し
    て電池を構成し、該電池を焼成することを特徴とする請
    求項1に記載の溶融炭酸塩型燃料電池集電部材の腐食抑
    制法。
  7. 【請求項7】 前記塗布量として単位実金属表面積当た
    り1mg/cm2であることを特徴とする請求項6に記
    載の溶融炭酸塩型燃料電池集電部材の腐食抑制法。
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CN115595588A (zh) * 2022-10-27 2023-01-13 江阴市珞珈绿碳科技有限公司(Cn) 一种熔融碳酸盐电解体系用钛酸盐基阳极缓蚀剂及其制备方法
JP7358652B2 (ja) 2020-05-18 2023-10-10 中国華能集団清潔能源技術研究院有限公司 溶融炭酸塩型燃料電池のセパレータ焙焼のオンライン評価方法

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