JP2000155945A - 光記録方法 - Google Patents

光記録方法

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JP2000155945A
JP2000155945A JP11109235A JP10923599A JP2000155945A JP 2000155945 A JP2000155945 A JP 2000155945A JP 11109235 A JP11109235 A JP 11109235A JP 10923599 A JP10923599 A JP 10923599A JP 2000155945 A JP2000155945 A JP 2000155945A
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linear velocity
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power
pwl
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JP11109235A
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Ippei Ogawa
一平 小川
Katsuyuki Yamada
勝幸 山田
Eiji Noda
英治 野田
Yuki Nakamura
有希 中村
Kenichi Aihara
謙一 相原
Hiroko Iwasaki
博子 岩崎
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マルチスピード記録が可能な相変化形光記録媒
体に対して、より有効な低線速度記録と高線速度記録を
行うことができる光記録方法を提供する。 【解決手段】本発明の光記録方法では、マルチスピード
記録が可能な相変化形光記録媒体に対して、少なくとも
低線速度記録と高線速度記録を行う光記録方法におい
て、相変化形光記録媒体の低線速度記録(1x記録)に
おける消去パワーPelと記録パワーPwlの比Pel/Pwl
を高線速度記録(2x/4x記録)における消去パワー
Pehと記録パワーPwhの比Peh/Pwhより小さくした
(Pel/Pwl<Peh/Pwh)ことにより、消去領域の余
熱を抑え適正なマークを記録することができるので、低
線速度記録における信号特性の向上が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光メモリー関連機
器、特に書き換え可能なコンパクトディスク(CD−R
W)及び書き換え可能なデジタルバーサタイルディスク
(DVD−RW)に応用される光記録方法に関し、特
に、書き換えが可能である相変化形光記録媒体に光ビー
ムを照射することにより該光記録媒体の記録層に相変化
を生じさせ情報の記録・消去を行う光記録方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】電磁波、特にレーザービームの照射によ
る記録、再生及び消去が可能な光メモリー媒体の一つと
して、結晶−非結晶相間あるいは結晶−結晶相間の転移
を利用する、いわゆる相変化形光記録媒体(相変化型光
記録媒体とも言う)がよく知られている。特に相変化形
光記録媒体は、光磁気メモリーでは困難な単一ビームに
よるオーバーライトが可能であり、ドライブ側の光学系
もより単純であることなどから、最近その研究開発が活
発になっている。その相変化形光記録媒体の代表的な例
としては、USP3530441に開示されているよう
に、Ge−Te,Ge−Te−Sn,Ge−Te−S,
Ge−Se−S,Ge−Se−Sb,Ge−As−S
e,In−Te,Se−Te,Se−Asなどの、いわ
ゆるカルコゲン系合金材料があげられる。また、安定
性、高速結晶化などの向上を目的に、Ge−Te系にA
u、Sn及びAu、Pdなどを添加した材料の提案(特
開昭61−219692号公報、特開昭61−2701
90号公報、特開昭62−19490号公報)や、記録
/消去の繰り返し性能向上を目的に、Ge−Te−Se
−Sb,Ge−Te−Sbの組成比を特定した材料の提
案(特開昭62−73438号、特開昭63−2284
33号公報)などもなされている。しかし、そのいずれ
もが相変化形の書き換え可能な光メモリー媒体として要
求される諸特性の全てを満足しうるものとは言えない。
特に、記録感度、消去感度の向上、オーバーライト時の
消し残りによる消去比低下の防止、並びに記録部、未記
録部の長寿命化が解決すべき最重要課題となっている。
【0003】また、特開昭63−251290号公報で
は、結晶状態が実質的に3元以上の多元化合物単層から
なる記録層を具備した記録媒体が提案されている。ここ
で実質的に三元以上の多元化合物単層とは、三元以上の
化学量論組成を持った化合物(例えばIn3SbTe2
を記録層中に90原子%以上含むものとされている。そ
して、このような記録層を用いることにより、記録、消
去特性の向上が図れるとしている。しかしながら、消去
比が小さい、記録消去に要するレーザーパワーが未だ充
分に低減されてはいないなどの欠点を有している。
【0004】さらに、特開平1−277338号公報に
は、(SbaTe1-a)1-yy(ここで、0.4≦a≦0.
7、y≦0.2であり、MはAg,Al,As,Au,
Bi,Cu,Ga,Ge,In,Pb,Pt,Se,S
i,Sn及びZnからなる群より選ばれる少なくとも1
種である)で表される組成の合金からなる記録層を有す
る光記録媒体が提案されている。この系の基本はSb2
Te3であり、Sb過剰にすることにより、高速消去、
繰り返し特性を向上させ、Mの添加により高速消去を促
進させている。加えて、DC光による消去比も大きいと
している。しかし、この文献にはオーバーライト時の消
去比は示されておらず(本発明者らの検討結果では消し
残りが認められた)、記録感度も不十分である。
【0005】同様に、特開昭60−177446号公報
では、記録層に(In1-xSbx)1-yy(ここで、0.5
≦x≦0.80、0≦y≦0.20であり、MはAu,
Ag,Cu,Pd,Pt,Al,Si,Ge,Ga,S
n,Te,Se,Biである)なる合金を用い、また、
特開昭63−228433号公報では、記録層にGeT
e−Sb2Te3−Sb(過剰)なる合金を用いている
が、いずれも感度、消去比等の特性を満足するものでは
なかった。
【0006】加えて、特開平4−163839号公報に
は、記録薄膜をTe−Ge−Sb合金にNを含有させる
ことによって形成し、該記録薄膜を設けた光記録媒体
が、特開平4−52188号公報には、記録薄膜をTe
−Ge−Se合金にこれら成分のうちの少なくとも一つ
が窒化物となっているものを含有させて形成し、該記録
薄膜を設けた光記録媒体が、特開平4−52189号公
報には、記録薄膜をTe−Ge−Se合金にNを吸着さ
せることによって形成し、該記録薄膜を設けた光記録媒
体が、それぞれ記載されている。しかし、これらの光記
録媒体でも十分な特性を有するものを得ることはできて
いない。
【0007】これまで見てきたように、光記録媒体にお
いては、特に記録感度、消去感度の向上、オーバーライ
ト時の消し残りによる消去比低下の防止、並びに記録
部、未記録部の長寿命化が解決すべき最重要課題となっ
ている。
【0008】一方、近年CD(コンパクトディスク)の
急速な普及にともない、一回だけの書き込みが可能な追
記型コンパクトディスク(CD−R)が開発され、市場
に普及されはじめた。しかし、CD−Rでは書き込み時
に一度でも失敗すると修正不可能なため、そのディスク
は使用不能となってしまい廃棄せざるを得ない。したが
って、その欠点を補える書き換え可能なコンパクトディ
スクの実用化が待望されていた。
【0009】研究開発された一つの例として、光磁気デ
ィスクを利用した書き換え可能なコンパクトディスクが
あるが、オーバーライトの困難さや、CD−ROM、C
D−Rとの互換が取りにくい等といった欠点を有するた
め、原理的に互換確保に有利な相変化形光ディスクの実
用化開発が活発化してきた。
【0010】相変化形光ディスクを用いた書き換え可能
なコンパクトディスクの研究発表例としては、古谷
(他):第4回相変化記録研究会シンポジウム講演予稿
集,70(1992)、神野(他):第4回相変化記録研究会
シンポジウム講演予稿集,76(1992)、川西(他):第
4回相変化記録研究会シンポジウム講演予稿集,82(19
92)、T.Handa(et al):Jpn.J.Appl.Phys.,32(199
3)、米田(他):第5回相変化記録研究会シンポジウ
ム講演予稿集,9(1993)、富永(他):第5回相変化
記録研究会シンポジウム講演予稿集,5(1993)等のよ
うなものがあるが、いずれも、CD−ROMやCD−R
との互換性確保、記録消去性能、記録感度、書き換えの
繰り返し可能回数、再生回数、保存安定性等、総合性能
を充分満足させるものではなかった。それらの欠点は、
主に記録材料の組成、構造に起因する消去比の低さによ
るところが大きかった。これらの事情から消去比が大き
く、高感度の記録、消去に適する相変化形記録材料の開
発、さらには高性能で書き換え可能な相変化形コンパク
トディスク(CD−RW)が望まれていた。
【0011】本発明者等は、それらの欠点を解決する新
材料としてAgInSbTe系記録材料を見出し提案し
てきた。その代表例としては、特開平4−78031号
公報、特開平4−123551号公報、H.Iwasaki(et
al):Jpn.J.Appl.Phys.,31(1992)461、井手(他):
第3回相変化記録研究会シンポジウム講演予稿集,102
(1991)、H.Iwasaki(et al):Jpn.J.Appl.Phys.,32
(1993)5241等があげられる。また、1996年10月
には、書き換え可能なコンパクトディスク(CD−R
W)の規格として、オレンジブックパートIII(ver1.
0)が発行された。
【0012】オレンジブックパートIII(ver1.0)
は、2倍速度(2x)の線速度記録(2.4〜2.8m
/s)のCD−RWに対する規格であるが、このような
低線速度の記録では、記録時間が長くかかってしまい、
より高速記録の書き換え可能なコンパクトディスクが望
まれていた。一方、CD−RWは、オーディオ用途等と
して1倍速度(1x)の線速度記録媒体としても期待さ
れている。これらの複数の記録速度で用いられる光記録
媒体は、同一の光記録媒体で対応できることが望まし
い。つまり、2x,4x記録速度のマルチスピード記録
が可能な光記録媒体で1x線速度記録ができることが望
まれている。
【0013】一方、等角速度(CAV)記録再生方式が
用いられる相変化形光記録媒体(例えば、DVD−RA
M、DVD−RW、etc.)では、内周部と外周部の記録
線速度に2倍以上の差が生じることがある。しかし、製
造コストや品質制御の面からこれらの光記録媒体は、内
周部から外周部まで面内が一様な層構成及び基板構造な
どによって構成されることが望ましい。つまり、同一の
光記録媒体上で線速1倍速度(1x)、2倍速度(2
x)、4倍速度(4x)の記録線速度のマルチスピード
記録が可能であることが望まれている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上に示した開示技術
により、AgInSbTe系記録材料を記録層に用いる
ことによって極めて優れた性能を有する相変化形光記録
媒体を獲得できることは既に明らかである。しかし有効
な記録線速度の範囲拡大等、上記総合性能を完璧に満足
し、新たな市場を形成し得るためには、相変化形光記録
媒体の開発と共に記録技術(光記録方法)の改良が望ま
れていた。
【0015】したがって、本発明の目的は、マルチスピ
ード記録が可能な相変化形光記録媒体に対して、より有
効な低線速度記録と高線速度記録を行うことができる光
記録方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは相変化形光
記録媒体の改善に鋭意研究を重ねた結果、上記目的に合
致する相変化形光記録媒体への光記録方法を見出した。
すなわち、本発明によれば、以下に示す特徴を有する光
記録方法が提供される。
【0017】請求項1に係る光記録方法は、相変化形光
記録媒体に光ビームを照射することにより該光記録媒体
の記録層に相変化を生じさせ情報の記録・消去を行う光
記録方法であり、特にマルチスピード記録が可能な相変
化形光記録媒体(以下、相変化形マルチスピード光記録
媒体と称する)に対して、少なくとも低線速度記録と高
線速度記録を行う光記録方法において、相変化形マルチ
スピード光記録媒体の低線速度記録における消去パワー
Pelと記録パワーPwlの比Pel/Pwlが、高線速度記録
における消去パワーPehと記録パワーPwhの比Peh/P
whより小さく、下式を満たすことを特徴とする。 Pel/Pwl<Peh/Pwh
【0018】請求項2に係る光記録方法は、請求項1に
記載の光記録方法において、相変化形マルチスピード光
記録媒体の低線速度記録における消去パワーPelと記録
パワーPwlの比Pel/Pwlが、高線速度記録における消
去パワーPehと記録パワーPwhの比Peh/Pwhの0.9
倍以下であり、下式を満たすことを特徴とする。 Pel/Pwl=A×(Peh/Pwh) (A≦0.9)
【0019】請求項3に係る光記録方法は、請求項1ま
たは2に記載の光記録方法において、相変化形マルチス
ピード光記録媒体の低線速度記録における消去パワーP
elと記録パワーPwlの比Pel/Pwlが、高線速度記録に
おける消去パワーPehと記録パワーPwhの比Peh/Pwh
の0.45倍以上であり、下式を満たすことを特徴とす
る。 Pel/Pwl=A×(Peh/Pwh) (A≧0.45)
【0020】請求項4に係る光記録方法は、請求項1,
2または3に記載の光記録方法において、相変化形マル
チスピード光記録媒体の低線速度記録の記録マークにお
ける特性Asymmetry:Asymlを、高線速度記録の記録マ
ークにおける特性Asymmetry:Asymhより小さく(Asym
l<Asymh)することを特徴とする。また、請求項5に係
る光記録方法は、請求項1,2,3または4に記載の光
記録方法において、相変化形マルチスピード光記録媒体
の低線速度記録の記録マークにおける特性Asymmetry:
Asymlを−3.0以下(Asyml≦−3.0)にすること
を特徴とする。
【0021】ここで上記低線速度記録、高線速度記録の
記録マークにおける特性Asymmetryについて説明する。
マーク長が3T(基準時間Tの3倍)の記録マークを最
短マークとし、マーク長が11Tの記録マークを最長マ
ークとして、記録マークはマーク長が3T〜11Tまで
整数倍で変化するとする。図8(b)に示すように、最
短マークのマーク長を3T=0.8μmとし、スポット
径=1.6μmの光ビームでマーク長3Tの最短マーク
とマーク長11Tの最長マークの再生を行った場合に、
光ビームのスポット径が最短マークより大きいため、3
Tの最短マークと11Tの最長マークでは図8(a)に
示すように信号の振幅A3T,A11Tが異なり(A3T<A
11T)、その振幅の中間値C3T{C3T=(3TH+3
L)/2},C11T{C11T=(11TH+11TL)/
2}にも差d(d=C3T−C11T)が生じ、これらの値
は記録時の条件によって変化する。そして前述のオレン
ジブックパートIII(ver1.0)においては、この記録
マークのマーク長による信号の非対称な特性をAsymmet
ryと称し、この記録マークにおける特性Asymmetry:A
sym は以下のように定義されている。 Asym={[(3T振幅の中間値)−(11T振幅の中
間値)]÷(11Tの振幅)}×100(%)={(C
3T−C11T)/A11T}×100(%)
【0022】次に請求項6に係る光記録方法は、請求項
1〜5のいずれかに記載の光記録方法において、相変化
形マルチスピード光記録媒体の低線速度記録における消
去パワーPelと記録パワーPwlの差Pwl−Pelが、高線
速度記録における消去パワーPehと記録パワーPwhの差
Pwh−Pehより大きく、下式を満たすことを特徴とす
る。 (Pwl−Pel)>(Pwh−Peh)
【0023】請求項7に係る光記録方法は、請求項6に
記載の光記録方法において、相変化形マルチスピード光
記録媒体の低線速度記録における消去パワーPelと記録
パワーPwlの差Pwl−Pelが、高線速度記録における消
去パワーPehと記録パワーPwhの差Pwh−Pehの1.1
倍以上であり、下式を満たすことを特徴とする。 Pwl−Pel=B×(Pwh−Peh) (B≧1.1)
【0024】請求項8に係る光記録方法は、請求項6ま
たは7に記載の光記録方法において、相変化形マルチス
ピード光記録媒体の低線速度記録における消去パワーP
elと記録パワーPwlの差Pwl−Pelが7.2mW以上
(Pwl−Pel≧7.2mW)であることを特徴とする。
【0025】請求項9に係る光記録方法は、請求項1〜
8のいずれかに記載の光記録方法において、相変化形マ
ルチスピード光記録媒体の低線速度記録においては、記
録ストラテジの前部に消去パワーPe より低いパワーP
i (以後、余熱調節パワーと呼ぶ)をかける領域(以
後、余熱調節パルスと呼ぶ)を挿入することを特徴とす
る。
【0026】請求項10に係る光記録方法は、請求項1
〜9のいずれかに記載の光記録方法において、相変化形
マルチスピード光記録媒体の記録層の構成元素が主にA
g,In,Sb,Te,NあるいはOであり、それぞれ
の組成比α,β,γ,δ,ε(原子%)が、 0<α≦6 3≦β≦15 50≦γ≦65 20≦δ≦35 0≦ε≦10 α+β+γ+δ+ε≦100 であることを特徴とする。
【0027】請求項11に係る光記録方法は、請求項1
〜10のいずれかに記載の光記録方法において、相変化
形マルチスピード光記録媒体の低線速度記録における線
速度が1.2〜1.4m/s、高線速度記録における線
速度が2.4m/s以上であることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0029】本発明は、マルチスピード記録が可能な相
変化形光記録媒体に光ビームを照射することにより該光
記録媒体の記録層に相変化を生じさせ情報の記録・消去
を行う光記録方法に関するものであり、マルチスピード
記録とは、同一の光記録媒体で、2種以上の記録線速度
(例えば、低線速度記録と高線速度記録)で記録・消去
可能とするものである。一般的に相変化形光記録媒体の
記録・消去は、記録層の相変化、例えば光ビームの照射
による溶融後の急冷によるアモルファス化・徐冷による
結晶化を用いる。したがって、マルチスピード記録を可
能とするためには、異なる記録線速度において、同等の
記録層の溶融急冷・徐冷を実現しなければならない。し
かし、一般的に、低線速度記録では、溶融部周辺の余熱
により徐冷(結晶化)は容易となるが、急冷(アモルフ
ァス化)は困難となる。一方、高線速度記録において
は、急冷は容易となるが徐冷は困難となる。
【0030】そこで本発明は、記録層溶融部を効果的に
急冷させることによって低線速度記録におけるより有効
な記録方法を提供するものである。以下、代表的な相変
化形光記録媒体として、CD−RWにおける線速が1倍
速度(1x)、2倍速度(2x)、4倍速度(4x)の
マルチスピード記録方法を例に本発明を説明する。無
論、他のマルチスピード記録の相変化形光記録媒体につ
いても同様の光記録方法が適用できる。
【0031】本発明において、高線速度は低線速度の
1.2倍以上とする。例えば、1x/2x/4x記録対
応CD−RWの場合、低線速度は1x(線速1.2〜
1.4m/s)、高線速度は2x(線速2.4〜2.8
m/s)及び/又は4x(線速4.8〜5.6m/
s)、及び/又は低線速度は2x(線速2.4〜2.8
m/s)、高線速度は4x(線速4.8〜5.6m/
s)となる。また、2x/4x/8x記録対応CD−R
Wの場合、低線速度は2x(線速2.4〜2.8m/
s)、高線速度は4x(線速4.8〜5.6m/s)及
び/又は8x(線速9.6〜11.2m/s)、及び/
又は低線速度は4x(線速4.8〜5.6m/s)、高
線速度は8x(線速9.6〜11.2m/s)となる。
【0032】相変化形CD−RWの記録層としては、A
g,In,Sb,Teを含む4元系材料を主成分として
含有する材料が用いられている。この材料は記録(アモ
ルファス化)感度・速度、消去(結晶化)感度・速度、
及び消去比が極めて良好なため相変化形記録材料に適し
ている。しかしながら、AgInSbTe系記録材料
は、その組成比によって最適な記録線速度が存在する。
そのため、マルチスピード記録に対応するためには目的
とする線速度領域によって、AgInSbTe系記録材
料の組成比や光記録方法を調整する必要がある。
【0033】記録、再生・評価した信号はオレンジブッ
クパートIII に準拠した記録パルスストラテジを用いて
記録したランダムEFM(Eight to Fourteen Modulati
on)信号である。尚、図1にオレンジブック記載の線速
1x記録用と線速2x/4x記録用の記録パルスストラ
テジ(4Tマーク記録時(基準時間Tの4倍のマーク長
を持ったマークの記録時))を示す。再生・評価は、1
x線速度、レーザーの再生パワー1mWで行った。記録
パワーPw は最適記録パワーを用いた。この最適記録パ
ワーとは、各線速についてOPC(Optimum Power Cont
rol)によって求められた記録パワーである。また、O
PCとはCD−RWの規格であるオレンジブックパート
III に定められている記録パワーの測定及び算出方法で
ある。
【0034】表1は1x/2x/4xマルチスピード記
録対応CD−RWの各線速度記録での信号特性である。
記録した信号の品質を示す3T Land Jitterは、CD−
RWの規格では35ns以下ではあるが、多様なドライ
ブとの適性を考慮すると30ns以下が望ましい。2x
及び4x線速度記録において3T Land Jitterは25n
s以下の値を示し、良質な信号が記録されていることを
示している。しかし、低線速度1x記録において3T L
and Jitterは30ns以上の値を示した。そこで、本発
明の光記録方法によって3T Land Jitterを改善し、低
線速度1x記録時の信号特性を向上する。
【0035】
【表1】
【0036】図2は低線速度1x記録における消去パワ
ーPe と記録パワーPw の比Pe/Pwの値による3T L
and Jitterのグラフである。尚、以後の説明では、低線
速度記録における消去パワーPe をPel、記録パワーP
w をPwlと記す。同様に高線速度記録における消去パワ
ーPe をPeh、記録パワーPw をPwhと記す。図2にお
いて、記録パワーは13.0mWであり、記録回数は1
回及び1000回である。3T Land Jitterは、1回記
録、1000回記録ともにPel/Pwlの低下と共に減少
する。したがって、低線速度1x記録時のPel/Pwl
は、高線速度2x,4x記録時の消去パワーPehと記録
パワーPwhの比Peh/Pwhよりも小さくする、すなわち
下式を満たすようにするほうが好適になる。 Pel/Pwl<Peh/Pwh さらに、低線速度1x記録時のPel/Pwlの値は、高線
速度2x,4x記録時におけるPeh/Pwhの0.90倍
以下、すなわち下式を満たすようにするのが好適であ
る。 Pel/Pwl=A×(Peh/Pwh) (A≦0.9) さらに望ましくは、Pel/Pwlの値はPeh/Pwhの0.
85倍以下(A≦0.85)が好適である。さらに10
回程度までのオーバーライトにおける特性の安定性を考
慮すると、Pel/Pwlの値はPeh/Pwhの0.80倍以
下(A≦0.80)が望ましい。ここで、図3は、低線
速度1x記録におけるオーバーライト回数による3T L
andJitterのグラフである。同図より明らかなように、
Pel/Pwlの値を0.4以下(Peh/Pwhの0.80倍
以下)にすることにより、10回程度までのオーバーラ
イトにおいて安定した信号特性が得られる。
【0037】一方、消去パワーPe と記録パワーPw の
比Pe/Pwが低すぎると、消去パワーPe による熱エネ
ルギーが記録層の溶融に必要な熱量に達しないため、前
の記録信号の消去が不十分になる。その結果、オーバー
ライト後の3T Land Jitterが増大する。したがって、
低線速度1x記録における消去パワーPelと記録パワー
Pwlの比Pel/Pwlの値は、高線速度2x,4x記録に
おける消去パワーPehと記録パワーPwhの比Peh/Pwh
の0.45倍以上、すなわち下式を満たすようにするの
が好適である。 Pel/Pwl=A×(Peh/Pwh) (A≧0.45) さらに、望ましくは0.5倍以上(A≧0.5)である
ことが好適である。
【0038】初回記録の信号特性を良くする方法とし
て、記録パワーを上げることによって記録マーク部分の
急冷効果を高める方法が知られている。しかし、余分な
熱量が記録層に加わるため、記録消去を繰り返すにつれ
局所的な記録層の組成の偏りなどを発生させ、オーバー
ライト特性を損なう危険性がある。本発明の光記録方法
では、上述したように記録層に最適記録パワー以上の熱
エネルギーを加えないため、オーバーライト特性を損な
うことはない。
【0039】図4は記録パワー13.0mW、1回記録
及び1000回記録時のAsymmetryに対する3T Land
Jitterのグラフである。Asymmetryの制御は記録パワー
Pwと消去パワーPe の比Pe/Pwの調整及び記録ビー
ム形状の変更で行った。図4に示すようにAsymmetryの
低下に伴い、1回及び1000回記録時の3T LandJit
terが減少する。3T Land Jitterが30ns以下にな
る低線速度1x記録におけるAsymlは−2.5以下であ
る(尚、低線速度記録におけるAsymmetryをAsyml、高
線速度記録におけるAsymmetryをAsymhと記す)。好適
なAsymlは表1の高線速度記録2x/4xのAsymhと比
較して小さい。製造バラツキ等を考慮すると、好適なA
symlは−3以下(Asyml≦−3.0)である。さらに望
ましくはAsymlは−4以下である。本発明のAsymlにお
いて、低線速度記録の1000回オーバーライト特性
は、3T Land Jitterが30ns以下の良好な信号特性
を示す。したがって、Asymmetryを制御することによっ
て信号特性を向上することができる。尚、Asymmetryの
制御法としては、例えば、記録マーク形状、記録及び再
生ビーム形状、記録ストラテジのパルス形状等の改良が
ある。
【0040】図5は消去パワーPe と記録パワーPw の
差Pw−Peを横軸にとった1x/2x/4x線速度記録
の3T Land Jitterのグラフである。記録パワーは10
〜16mWである。Pe/Pwは0.5である。高線速度
2x,4x記録と比較して低線速度1x記録は3T Lan
d Jitterが30ns以下になるPw−Peが大きい。すな
わち、低線速度1x記録におけるPwl−Pelは、線速度
2x記録及び/又は線速度4x記録におけるPwh−Peh
より大きく、 Pwl−Pel>Pwh−Peh であり、さらに、Pwl−PelはPwh−Pehの1.1倍以
上、すなわち下式を満たすようにするのが好適である。 Pwl−Pel=B×(Pwh−Peh) (B≧1.1) さらに、望ましくは、Pwl−PelはPwh−Pehの1.2
倍以上(B≧1.2)において好適である。
【0041】一方、Pwl−Pelの値は7.2mW以上
(Pwl−Pel≧7.2mW)が好適である。さらに望ま
しくは7.8mW以上が好適である。さらに効果を高め
るためには8.1mW以上が好適である。低線速度1x
記録におけるPwl−PelはPel/Pwlの値による依存性
は小さい。したがって、本発明の光記録方法は、Pel/
Pwlの値を考慮することなく、Pwl−Pelのみによって
適用できる。
【0042】図6は1x記録ストラテジの例を示す模式
図である。実線で描かれているストラテジは、オレンジ
ブックに記載されている1x記録用ストラテジである
(図1(a)の1x記録用ストラテジと同じ)。図6に
は本発明による記録ストラテジが太い破線によって描か
れている。本発明による記録ストラテジの特徴は、低線
速度1x記録時においては、フロントパルス(Front Pu
lse)直前部に消去パワーPe より低い余熱調節パワー
Pi をかける余熱調節パルスを設けることである(尚、
図6(a),(b),(c)は余熱調節パルスの開始点
や大きさ、パワーを変えた例を示している)。その結
果、記録マークの記録開始部分付近の消去パワーPe に
よる余熱を取り除くことができる。好適な余熱調節パワ
ーPi の値は消去パワーPe の2/3倍以下である。さ
らに望ましくはPe/2以下である。さらにバイアスパ
ワーPb を使用することもできる。また、余熱調節パワ
ーPiをかける余熱調節パルスの開始点はフロントパル
スの開始点から前方にT/2以内が好適である。さらに
望ましくはT/4以下が好適である。余熱調節パルスの
大きさはT/2以下が好適である。さらに望ましくはT
/4以下が好適である。余熱調節パルスの開始点及び大
きさは、3Tから11Tまでの各マーク長によって調整
することが最も望ましい。各マーク長に適した余熱調節
パルス開始点及び大きさの決定法としては、OPCの記
録マークの長さによって決定する方法やランニングOP
Cの反射強度によって算出して決定する方法がある。
【0043】
【実施例】以下、実施例によって本発明の光記録方法を
具体的に説明する。本発明の実施例に使用したCD−R
Wの記録層は構成元素がAg,In,Sb,Te,Nで
あり、それぞれの組成比α,β,γ,δ,ε(原子%)
は、α=4,β=7,γ=58,δ=29,ε=2であ
る。層構成は図7に示すように、幅0.5μm、深さ3
5nmのグルーブを有する1.2mm厚のポリカーボネ
ート基板1に、層厚が100nmの第1保護層2、層厚
30nmの記録層3、層厚30nmの第2保護層4、層
厚100nmの反射放熱層5を、枚葉型スパッタ装置に
よって10秒タクトで連続成膜し、次いで、紫外線硬化
樹脂のスピンコートにより層厚5μmのハードコート層
7と、層厚10μmのオーバーコート層6を形成し、相
変化形光ディスクを作製した。第1保護層2及び第2保
護層4にはZnSSiO2 を用いた。反射放熱層5には
アルミニウム合金を用いた。次いで、大口径のレーザー
ダイオード(LD)を有する初期化装置によって、光デ
ィスクの記録層3の結晶化処理を行った。初期化条件
は、飽和反射率の95%以上を確保できる条件で行っ
た。次いで、オーバーコート層6の上に印刷層8を形成
した。
【0044】次に上記構成の相変化形光ディスクに対し
て本発明の光記録方法を適用した実施例と、従来の1x
線速度記録を行った比較例とを以下の各表に示す。尚、
実施例及び比較例は、相変化形光ディスクに対してラン
ダムEFM信号の記録、再生を行うことによって評価し
た。また、実施例での記録は、1x,2x,4xの線速
度で行った。再生は、1x線速度、レーザーの波長は7
80nm、再生パワーPr=1mWで行った。
【0045】
【表2】
【0046】表2に示すように、1x記録時の記録パワ
ーと消去パワーの比Pel/Pwlを、2x/4x記録時の
記録パワーと消去パワーの比Peh/Pwhの0.8倍にす
ることによって初回記録時の3T Land Jitterを、従来
(比較例1)の32.0から26.1にまで低減させ、
良好な信号特性が得られることを確認した。また、10
00回記録時の3T Land Jitterを従来(比較例1)の
34.8から32.6にまで低減させ、オーバーライト
特性も改善できることを確認した。一方、Pel/Pwlを
0.15まで下げると、初期記録時の特性の3T Land
Jitterは良好であったが、10回オーバライト後の特性
は、オーバーライトにより信号が劣化することを確認し
た。
【0047】
【表3】
【0048】表3に示すようにレーザービーム形状を光
ディスクの溝(グルーブ)方向に長い楕円からディスク
半径方向に長い楕円にし、1x記録時の記録マークにお
けるAsymmetry(Asyml)を、2x/4x記録時の記録
マークにおけるAsymmetry(Asymh)より低い値−2.
4に低下させた結果、3T Land Jitterを従来(比較例
2)の32.0から28.6にまで低減させることがで
き、より良好な信号を得られることが確認できた。ま
た、Pe/Pwを0.4まで下げることで、1x記録時の
記録マークにおけるAsymmetryを−5.6まで低下させ
た結果、3T Land Jitterを24.9にまで低減し、さ
らに良好な信号を得ることができた。
【0049】
【表4】
【0050】表4に示すように、記録パワーPw を1
3.1mWから14.4mWに上げることによって、1
x記録時のPwl−Pelを2x/4x記録時のPwh−Peh
より大きい7.2mWに拡大した。その結果、3T Lan
d Jitterを従来(比較例3)の32.0から26.8に
低減させ、より良好な信号を得ることができた。また、
1x記録時のPe/Pwを0.40に下げることによって
Pwl−Pelを7.9mWに拡大した結果、3T Land Ji
tterを従来(比較例3)の32.0から26.1に低減
させることができた。このことから、低線速度の1x記
録時のPwl−Pelを下げる方法によらず、高線速度の2
x/4x記録時のPwh−Pehより大きくすることによっ
て、より良好な信号を得ることができた。一方、比較例
3の下段側に示すように、Pw−Peを6.6から5.6
に縮小した結果、3T Land Jitterが32.0から3
4.8に増大することが確認できた。
【0051】
【表5】
【0052】表5におけるストラテジ(記録ストラテジ
形状)は、 A ・・・オレンジブック仕様(1x記録用)、 B ・・・オレンジブック仕様(2x/4x記録用)、 C1・・・本発明の記録ストラテジ、 余熱調節パワー:Pi=Pe/2、 余熱調節パルス開始点:フロントパルス前方T/4、 余熱調節パルスの大きさ:T/4、 C2・・・本発明の記録ストラテジ、 余熱調節パワー:Pi=Pb(=1mW)、 余熱調節パルス開始点:フロントパルス前方T/4、 余熱調節パルスの大きさ:T/4、 である。
【0053】表5に示すように、本発明による記録スト
ラテジC1 を用いて信号を記録した結果、3T Land Ji
tterを、オレンジブックの記録ストラテジによる1x記
録時の記録信号の32.0から24.0まで低減するこ
とができた。さらに、余熱調節パワーPi をバイアスパ
ワーPb まで下げた記録ストラテジC2 による記録信号
では、3T Land Jitterを22.0まで低減することが
できた。
【0054】さて、以上に説明した本発明の光記録方法
を適用した光記録装置を作製して評価した結果、上記の
実施例に示すような良好な記録信号の記録が確認され
た。したがって、本発明による光記録方法を用いること
によって、低線速度記録においてより良好な信号記録が
できる相変化形マルチスピード光記録媒体の光記録装置
が提供できる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1,2また
は3に記載の光記録方法によれば、相変化形マルチスピ
ード光記録媒体の低線速度記録における消去パワーPel
と記録パワーPwlの比Pel/Pwlを、高線速度記録にお
ける消去パワーPehと記録パワーPwhの比Peh/Pwhよ
り小さくすることによって、消去領域の余熱を抑え適正
なマークを記録することができる。その結果、低線速度
記録における信号特性の向上が図れる。また、記録層に
余分なレーザーパワーをかけないため、オーバーライト
特性を保持及び/又は向上することができる。
【0056】請求項4または5に記載の光記録方法によ
れば、上記の効果に加えて、相変化形マルチスピード光
記録媒体の低線速度記録の記録マークにおけるAsymmet
ry(Asyml)を、高線速度記録の記録マークにおけるA
symmetry(Asymh)より小さくすることによって、適正
なマーク形状を記録することができる。その結果、低線
速度記録における信号特性の向上を図ることができる。
【0057】請求項6,7または8に記載の光記録方法
によれば、上記の効果に加えて、相変化形マルチスピー
ド光記録媒体の低線速度記録における消去パワーPelと
記録パワーPwlの差Pwl−Pelを、高線速度記録におけ
る消去パワーPehと記録パワーPwhの差Pwh−Pehより
大きくすることによって、記録マーク内の急冷効果を高
め、適正なマークを記録することができる。
【0058】請求項9に記載の光記録方法によれば、上
記の効果に加えて、相変化形マルチスピード光記録媒体
の低線速度記録においては、記録ストラテジの前部に余
熱調節パルスを設けることによって、マークの記録開始
部分の消去領域からの余熱を断ち、低線速度記録におい
ても適正なマークを記録することができる。
【0059】請求項10に記載の光記録方法によれば、
上記の効果に加えて、相変化形マルチスピード光記録媒
体の記録層の構成元素(Ag,In,Sb,Te,Nあ
るいはO)の組成を調整することにより、低線速度記録
時の信号記録能力をさらに向上し、光記録装置、光記録
媒体の対応記録速度を拡大することができる。
【0060】請求項11に記載の光記録方法によれば、
上記の効果に加えて、CD−RWにおける1倍速度(1
x)線速(1.2〜1.4m/s)の信号記録能力を向
上することによって、CD−RWの対応記録線速を拡大
することができる。
【0061】さらに請求項1〜11のいずれかに記載の
光記録方法を用いることによって、低線速度記録におい
てより良好な信号記録を行うことができる相変化形マル
チスピード光記録媒体用光記録装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オレンジブック記載の線速1x記録用と2x/
4x記録用の記録ストラテジ(4Tマーク記録時)の一
例を示す図である。
【図2】低線速度1x記録におけるPe/Pwと3T Lan
d Jitterの関係を示すグラフである。
【図3】低線速度1x記録におけるオーバーライト回数
と3T Land Jitterの関係を示すグラフである。
【図4】低線速度1x記録の記録マークにおけるAsymm
etryと3T Land Jitterの関係を示すグラフである。
【図5】低線速度1x記録と、高線速度2x,4x記録
におけるPw−Peと3T LandJitterの関係を示すグラ
フである。
【図6】本発明の光記録方法による線速1x記録用の記
録ストラテジ(4Tマーク記録時)の例を示す図であ
る。
【図7】本発明に係る相変化形光記録媒体の層構成の説
明図である。
【図8】記録マークにおける特性Asymmetryの定義を説
明するための図であり、(a)はマーク長3Tの最短マ
ークとマーク長11Tの最長マークの再生信号の振幅の
一例を示す図、(b)はマーク長3Tの最短マークと光
ビームのスポット径を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 第1保護層 3 記録層 4 第2保護層 5 反射放熱層 6 オーバーコート層 7 ハードコート層 8 印刷層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 英治 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 中村 有希 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 相原 謙一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 岩崎 博子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 Fターム(参考) 5D090 AA01 BB05 CC07 CC14 DD03 DD05 EE02 FF21 HH03 KK03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相変化形光記録媒体に光ビームを照射する
    ことにより該光記録媒体の記録層に相変化を生じさせ情
    報の記録・消去を行う光記録方法であり、特にマルチス
    ピード記録が可能な相変化形光記録媒体(以下、相変化
    形マルチスピード光記録媒体と称する)に対して、少な
    くとも低線速度記録と高線速度記録を行う光記録方法に
    おいて、 相変化形マルチスピード光記録媒体の低線速度記録にお
    ける消去パワーPelと記録パワーPwlの比Pel/Pwl
    が、高線速度記録における消去パワーPehと記録パワー
    Pwhの比Peh/Pwhより小さく、下式を満たすことを特
    徴とする光記録方法。 Pel/Pwl<Peh/Pwh
  2. 【請求項2】相変化形マルチスピード光記録媒体の低線
    速度記録における消去パワーPelと記録パワーPwlの比
    Pel/Pwlが、高線速度記録における消去パワーPehと
    記録パワーPwhの比Peh/Pwhの0.9倍以下であり、
    下式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光記録
    方法。 Pel/Pwl=A×(Peh/Pwh) (A≦0.9)
  3. 【請求項3】相変化形マルチスピード光記録媒体の低線
    速度記録における消去パワーPelと記録パワーPwlの比
    Pel/Pwlが、高線速度記録における消去パワーPehと
    記録パワーPwhの比Peh/Pwhの0.45倍以上であ
    り、下式を満たすことを特徴とする請求項1または2に
    記載の光記録方法。 Pel/Pwl=A×(Peh/Pwh) (A≧0.45)
  4. 【請求項4】相変化形マルチスピード光記録媒体の低線
    速度記録の記録マークにおける特性Asymmetry:Asyml
    を、高線速度記録の記録マークにおける特性Asymmetr
    y:Asymhより小さく(Asyml<Asymh)することを特
    徴とする請求項1,2または3に記載の光記録方法。
  5. 【請求項5】相変化形マルチスピード光記録媒体の低線
    速度記録の記録マークにおける特性Asymmetry:Asyml
    を−3.0以下(Asyml≦−3.0)にすることを特徴
    とする請求項1,2,3または4に記載の光記録方法。
  6. 【請求項6】相変化形マルチスピード光記録媒体の低線
    速度記録における消去パワーPelと記録パワーPwlの差
    Pwl−Pelが、高線速度記録における消去パワーPehと
    記録パワーPwhの差Pwh−Pehより大きく、下式を満た
    すことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光
    記録方法。 (Pwl−Pel)>(Pwh−Peh)
  7. 【請求項7】相変化形マルチスピード光記録媒体の低線
    速度記録における消去パワーPelと記録パワーPwlの差
    Pwl−Pelが、高線速度記録における消去パワーPehと
    記録パワーPwhの差Pwh−Pehの1.1倍以上であり、
    下式を満たすことを特徴とする請求項6に記載の光記録
    方法。 Pwl−Pel=B×(Pwh−Peh) (B≧1.1)
  8. 【請求項8】相変化形マルチスピード光記録媒体の低線
    速度記録における消去パワーPelと記録パワーPwlの差
    Pwl−Pelが7.2mW以上(Pwl−Pel≧7.2m
    W)であることを特徴とする請求項6または7に記載の
    光記録方法。
  9. 【請求項9】相変化形マルチスピード光記録媒体の低線
    速度記録においては、記録ストラテジの前部に消去パワ
    ーPe より低いパワーPi (以後、余熱調節パワーと呼
    ぶ)をかける領域(以後、余熱調節パルスと呼ぶ)を挿
    入することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載
    の光記録方法。
  10. 【請求項10】相変化形マルチスピード光記録媒体の記
    録層の構成元素が主にAg,In,Sb,Te,Nある
    いはOであり、それぞれの組成比α,β,γ,δ,ε
    (原子%)が、 0<α≦6 3≦β≦15 50≦γ≦65 20≦δ≦35 0≦ε≦10 α+β+γ+δ+ε≦100 であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載
    の光記録方法。
  11. 【請求項11】相変化形マルチスピード光記録媒体の低
    線速度記録における線速度が1.2〜1.4m/s、高
    線速度記録における線速度が2.4m/s以上であるこ
    とを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光記
    録方法。
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