JP2000155939A - 情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

情報記録媒体の製造方法

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JP2000155939A
JP2000155939A JP10326338A JP32633898A JP2000155939A JP 2000155939 A JP2000155939 A JP 2000155939A JP 10326338 A JP10326338 A JP 10326338A JP 32633898 A JP32633898 A JP 32633898A JP 2000155939 A JP2000155939 A JP 2000155939A
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layer
coating
hook metal
recording medium
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JP10326338A
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Takatoshi Kuroda
隆利 黒田
Teruo Oto
照夫 大戸
Yoichi Yuasa
養一 湯浅
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布層の膜厚が均一で、ヘッドクラッシュ、
スティクション等の発生のない優れた情報記録媒体を優
ることのできる情報記録媒体の製造方法を提供する。 【解決手段】 中央に開孔を有する情報記録媒体用基板
の該開孔を吊り具で支承した状態で基板を塗布液中に浸
漬し、次いで引き上げを行うことにより基板に塗布層を
形成するにあたり、該吊り具は下面側に傾斜部を有する
情報記録媒体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は情報記録媒体の製造
方法、更に詳しくは塗布液の塗布によって形成された塗
布層が均一で特性の優れた情報記録媒体を得ることので
きる情報記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータ等の情報処理技術の
発達に伴い、その外部記憶装置として磁気記録装置や光
記録装置が、その媒体として磁気ディスク等の磁気記録
媒体や、光磁気ディスクや相変化型光ディスク、DVD
−ROMなどの光記録媒体が広く用いられている。
【0003】磁気記録媒体としては、従来、アルミニウ
ム合金基板にアルマイト処理やNi−Pメッキ等の非磁
性メッキ処理を施した非磁性基板に、CrまたはCr合
金、Ni−Al合金等の下地層を形成し、次いで、Co
系合金の磁性層を形成した上に炭素質の保護層で被覆を
し、潤滑剤を塗布したものが使用されている。かかる磁
気記録媒体は記録の高密度化が進行しており、磁気ディ
スクと磁気ヘッドとの間隔、すなわち浮上量はますます
小さくなっており、最近では0.10μm以下が要求さ
れている。
【0004】また、光記録媒体として、プラスチック基
板に反射層、磁性層および保護層を形成した後潤滑剤を
塗布した光磁気ディスクが用いられているが、光磁気デ
ィスクにおいても浮上量が3μm以下の浮上型ヘッドあ
るいは接触型ヘッドが使用されている。記録あるいは再
生ヘッドの浮上量が小さくなると記録媒体表面の均一性
は高い精度が要求され、不均一部があるとヘッドクラッ
シュが生じて破損に至るおそれがあり、また、ヘッドク
ラッシュに至らないまでも、記録・再生のエラーの原因
となる。
【0005】また、磁気ディスク等は、ディスク起動時
にヘッドがディスク面に固着したまま浮上しないという
付着現象が生じたり、動作中にヘッドとディスクとが接
触して摩擦抵抗のため正常な回転が阻害される問題があ
る。磁気ディスクにおいては特に、上述の高密度化(低
浮上量化)と並行して小型化も進められており、スピン
ドル回転用のモーターもますます小さくなっている。そ
の結果、モーターのトルクが不足し、起動時に磁気ヘッ
ドが磁気ディスク面に固着したまま浮上しないという付
着現象(スティクション)が生ずるおそれがある。また
動作中に磁気ヘッドと磁気ディスクとが接触して、摩擦
抵抗のため正常な回転が阻害されるおそれもある。
【0006】本発明者の検討の結果、ディスク基板の保
護層上に設ける潤滑層の面内膜厚ムラが大きい場合、こ
の付着現象も大きいことが判明した。これらの現象の発
生を防止する手段として、磁気ディスクの場合は、基板
表面に微細な凹凸を形成するテキスチャ加工と称する表
面処理が行われているが、付着現象を必ずしも防ぎきれ
なかった。
【0007】従って、基板上に形成される各層は膜厚が
均一で表面の平坦度の精度を高く維持する必要がある。
しかして、基板上の機能層は塗布液の塗布によって形成
されるものが多く、この場合、基板を塗布液中に浸漬し
て塗布する浸漬塗布法が広く用いられている。浸漬塗布
においては、基板を塗布液に浸漬して引き上げたとき、
基板と受け具との接触部分に溜りができて塗膜が不均一
になる問題がある。
【0008】例えば、図4に示すように、従来、情報記
録媒体用基板21,21の中央に穿設された中央開孔2
2に吊り具23が挿通され、複数の媒体用基板21,2
1が所定の間隔をおいて吊り具23に保持された状態で
塗布槽24中の塗布液25に浸漬された後引き上げられ
て乾燥が行なわれる。この時、基板を塗布液から引き上
げる際に吊り具に起因して塗布液が波立ってしまい、基
板の一部がこれに接触して塗布液の溜りが生じこの部分
の塗布層が肉厚となったり、これがたれ下って塗膜を不
均一にする問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塗布層の膜
厚が均一で、ヘッドクラッシュ、スティクション等の発
生のない優れた情報記録媒体を優ることのできる情報記
録媒体の製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の要旨
は、中央に開孔を有する情報記録媒体用基板の該開孔を
吊り具で支承した状態で基板を塗布液中に浸漬し、次い
で引き上げを行うことにより基板に塗布層を形成するに
あたり、該吊り具は下面側に傾斜部を有することを特徴
とする情報記録媒体の製造方法に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、情報記録媒体用の基板
に塗布液を浸漬塗布法によって塗布して機能層を形成す
る場合に適用される。本発明において基板とは、機能層
が形成される基盤となる機材から機能層が形成されて情
報記録媒体になるまでの各段階の状態を含むものであ
る。
【0012】情報記録媒体としては、情報を担持し、あ
るいは記録再生する媒体を広く意味し、磁気ディスク等
の磁気記録媒体や、光磁気ディスクや相変化型光ディス
ク、DVD−ROM等の光記録媒体などを含む。磁気記
録媒体としては、基板上に少なくとも磁性層を有するも
のであればその他の構成は任意であるが、通常は基板上
に下地層、磁性層および保護層が順次形成される。
【0013】本発明における磁気記録媒体の基板として
は、アルミニウム、アルミニウム合金、ガラス等のディ
スク状非磁性基板が用いられる。通常の場合、これらの
非磁性基板は、所定の厚さに加工後その表面を鏡面加工
したのち、非磁性金属、例えばNi−P合金、Nu−C
i−P合金等を無電解メッキ処理等により約5〜20μ
mの膜厚で成膜して表面層を形成させた後使用される。
【0014】このようにして基板上に形成した表面層に
は必要に応じてテキスチャ加工を施し、微細な溝または
凸凹を精度良く加工形成し、特定の表面粗さに仕上げた
加工面とする。このテキスチャ加工により、磁気ヘッド
と磁気記録媒体との吸着が防止でき、かつCSS特性が
改善され、更に磁気異方性が良好となる。更に、この表
面加工層上には下地層を形成した後、磁性層を被着形成
する。下地層は、Cr合金、Ni−Al合金下地層をス
パッタリング法により、膜厚50〜2000Å程度に成
膜することによって形成される。
【0015】この下地層上に形成される磁性層として
は、Co−Cr,Co−Ni,Co−Cr−X,Co−
Ni−X,Co−W−X等で表されるCo系合金の磁性
層が好適である。なおここで、XとしてはLi,Si,
Ca,Ti,V,Cr,Ni,As,Y,Zr,Nb,
Mo,Ru,Rh,Ag,Sb,Hf,Ta,W,R
e,Os,Ir,Pt,Au,La,Ce,Pr,N
d,Pm,SmおよびEuよりなる群から選ばれる1種
または2種以上の元素が挙げられる。
【0016】このようなCo系合金からなる金属磁性層
は、スパッタリング等の手段により基板の下地層上に被
着形成される。この金属磁性層の膜厚としては、通常、
50〜600Åの範囲とされる。保護層は、炭素膜、水
素化カーボン膜、窒素化カーボン膜、TiC,SiC等
の炭化膜、SiN,TiN等の窒化膜、SiO,Al2
3,ZrO等の酸化物膜等によって構成されるが、特
に炭素膜、水素化カーボン膜及び窒素化カーボン膜が好
ましく、蒸着法、CVD法、スパッタ法、イオンプレー
ティング法、湿式法等により形成される。
【0017】例えは、水素化カーボン膜としては、水素
と炭素を含有する膜であればよく、特に限定されるもの
ではないが、例えば、カーボンをターゲットとして希ガ
スと水素ガスを含むプラズマ中でスパッタリングするこ
とにより形成される。ここで使用されるターゲットとし
ては、ダイヤモンド状、グラファイト状、または、アモ
ルファス状のカーボンが用いられる。
【0018】また、希ガスとしては、アルゴン、ヘリウ
ム、ネオン、キセノン、ラドン、クリプトン等が挙げら
れるが、これらのうち、特に、アルゴンが好適に用いら
れる。アルゴンガス等の希ガスと水素ガスを含むスパッ
タリング雰囲気中の水素ガスの含有量は、通常、2〜2
0体積%、望ましくは5〜10体積%の範囲である。ス
パッタリング法としては、通常直流マグネトロンスパッ
タリング法が採用されるが、高周波マグネトロンスパッ
タリング法も使用できる。
【0019】スパッタリング時のチャンバー内の圧力
は、通常、0.5〜20mTorr、望ましくは1〜1
0mTorrとされ、基板の温度は通常300℃以下で
あり、望ましくは常温〜250℃の範囲とする。基板と
ターゲットとの間隔、スパッタ時間、投入電力等は、形
成する水素化カーボン保護層の膜厚に応じて適宜決定さ
れる。
【0020】なお、水素化カーボン保護層の厚さは、通
常、50〜1000Å、望ましくは100〜600Åの
範囲である。保護層の表面には、塗布法によって潤滑層
が設けられる。潤滑層の厚さは約15〜50Åの範囲が
好ましい。また、潤滑層形成後に加熱処理を施してもよ
い。加熱温度は50℃以上であるが、潤滑剤の分解温度
よりも低い温度の範囲で適宜選択すればよい。
【0021】潤滑剤としてはフッ素系液体潤滑剤が好ま
しい。特には、末端又は側鎖に水酸基を有し、分子骨格
中にフルオロカーボン骨格を有する化合物、例えば、パ
ーフルオロカルボン酸エステル、パーフルオロチオール
カルボン酸エステル、パーフルオロジカルボン酸エステ
ル、パーフルオロカルボン酸パーフルオロアルキルエス
テル、パーフルオロ安息香酸エステル、カルボン酸パー
フルオロアルキルエステル、ジカルボン酸パーフルオロ
アルキルエステル、カルボン酸パーフルオロアルコキシ
アルキルエステル、パーフルオロカルボン酸アミド、パ
ーフルオロポリエーテル、パーフルオロポリエーテルカ
ルボン酸、パーフルオロポリエーテルアルコール、パー
フルオロポリエーテルエステル等を用いることができ
る。
【0022】このような潤滑剤としては、例えば、Au
simont社製のFomblin−Z−DOL(商品
名)、Fomblin−Z−Tetraol(商品名)
等が挙げられる。一方、光記録媒体としてはピットやグ
ルーブを設けた樹脂基板が用いられる。樹脂としては、
アクリル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリオレフィン
樹脂、液晶ポリマー、ポリカーボネート等が挙げられ、
例としてポリメチルメタクリレート(PMMA)、AR
TON(日本合成ゴム社 ノルボルネン系エステル置換
環状オレフィン開環重合体水添物)、ZEONEX(日
本ゼオン社 ノルボルネン系環状オレフィン開環重合体
水添物)、芳香族ポリエステル系液晶ポリマー、ポリカ
ーボネートなどが挙げられる。
【0023】ピットおよびグルーブを設けたスタンパー
をもとに、これら樹脂を用いて射出成形、射出圧縮成
形、放射線硬化などによりピット/グルーブを転写形成
して樹脂基板とする。ガラス、金属、セラミック等と異
なり、樹脂を用いることで、幅または長さが2μm以
下、深さが100nm以下の微細なピットや溝が精密か
つ安価に形成できる。
【0024】基板の厚みは0.4〜2mm程度が一般的
である。あまり薄すぎると、基板が自重によりたわんで
平面性が出にくくなるが、2mmを超えると強度面では
大差がなくなる。基板上に形成する光記録層としては、
各種のものを用いることができ、例えば光磁気記録層や
相変化型記録層、色素型記録層が用いられる。また、層
構成としても特に制限はなく、各種層構成を採用するこ
とができる。
【0025】光磁気記録層としては、例えばTbFe,
TbFeCo,TbCo,GdFeCo,DyTbFe
Co等の希土類と遷移金属との非晶質磁性層、MnB
i,MnCuBi等の多結晶垂直磁化層、Pt/Co多
層膜等が用いられる。光磁気記録層は単層であっても良
いし、オーバーライトやMSRを可能とするためにGd
TbFe/TbFeのように2層以上の磁性層を重ねて
用いても良い。
【0026】相変化型記録層としては、例えばGeSb
TeやInSbTe,AgSbTe,AgInSbTe
といった化合物が使用できる。好ましくは、{(Sb2
Te31-x(GeTe)x1-ySby(0.2<x<
0.9、0≦y<0.1)合金、および該3元合金に1
0原子%程度までのIn,Ga,Zn,Sn,Si,C
u,Au,Ag,Pd,Pt,Pb,Cr,Co,O,
S,Se,Ta,Nb,Vのうち少なくとも1種を含む
合金薄膜があげられる。
【0027】あるいは、高速でのオーバーライトが可能
な材料として、Sb70Te30共晶点近傍のSbTe合金
を主成分とする、MSbTe(M=In,Ga,Zn,
Ge,Sn,Si,Cu,Au,Ag,Pd,Pt,P
b,Cr,Co,O,S,Se,Ta,Nb,Vのうち
少なくとも1種)合金薄膜が好ましい。光記録層上には
耐候性、高硬度、高滑性などの性質を備えた透明中間層
が設けられる。中間層の材質はこれら性質を考慮の上選
ばれる。
【0028】中間層として誘電体が好ましく金属酸化
物、窒化物、カルコゲン化物、炭化物、フッ化物、およ
びその混合物などが用いられる。金属酸化物としてはA
23,Ta25,SiO2,SiO,TiO2等の金属
酸化物単独またはこれらの混合物、或いはAl−Ta−
Oの複合酸化物等が挙げられる。
【0029】金属窒素物としては、窒化ケイ素、窒化ア
ルミニウム等が挙げられる。カルコゲン化物としては、
ZnS,ZnSe等のカルコゲン化亜鉛、CdS,Cd
Se等のII−V族化合物、La23,Ce23等の希土
類硫化物、TaS2,MgS,CaS等があげられる。
カルコゲン化亜鉛は化学的にも安定で、その中でも特に
ZnSは毒性も低く最も好ましい。
【0030】これら誘電体層の形成方法としては、蒸着
やスパッタリングが挙げられるが、スパッタリングがよ
り好ましい。滑性に優れた材質としては炭素膜、水素化
カーボン膜、窒素化カーボン膜、TiC,SiC等の炭
化膜、SiN、TiN等の窒化膜、SiO,Al23
ZrO等の酸化物膜等によって構成され、通常、スパッ
タ法、等により形成される。
【0031】より好ましくは、炭素膜、水素化カーボン
膜および窒素化カーボン膜である。中間層は保護層およ
び滑性層としての役割を有するが、これを複数層として
もよい。例えば記録層に接する側に耐候性に優れ硬度の
高い保護層を、潤滑層に接する側に滑性に優れた滑性層
を設けると、全体として両方に優れた性質を得ることが
でき、好ましい。
【0032】光磁気記録層に接する層としては、窒化シ
リコン、SiO2,Ta25などが好適に用いられる。
相変化型記録層に接する層としては、ZnSと金属酸化
物の混合物が好適に用いられる。好ましくは、基板と記
録層との間に反射層を設ける。反射層としては高反射率
の金属または合金が用いられ、例えばAl,Ag,A
u,Cuやこれを主成分とする合金である。
【0033】さらに、基板あるいは反射層と、記録層と
の間に、光を干渉させ増幅させる目的や記録層保護の目
的等で透明中間層を設けても良い。材質としては、上述
した誘電体等が好ましく用いられる。これ等光記録媒体
の最外層には潤滑剤層が形成される。潤滑剤としては磁
気ディスクに用いるものと同じでよいが、エステル結合
を有するパーフルオロポリエーテル、ジアルキルアミド
カルボン酸、パークロロポリエーテル、ステアリン酸、
ステアリン酸ナトリウム、リン酸エステル等が好まし
い。エステル結合は分子内のどこにあってもよいが、末
端にエステル結合の官能基を有すると分子中の可動部が
長くなり潤滑性が得られ易いためより好ましい。
【0034】特に主鎖に−Ca2aO−単位(但し、a
は1〜4の整数)を有し、末端にエステル結合の官能基
を有するパーフルオロポリエーテルが好ましい。例え
は、アウジモント社製Fomblin−Z−DEALは
CF2CF2OとCF2Oの重合体で直鎖構造を有し、両
末端にエステル基−COOR(但し、Rはフッ素で置換
されていてもよいアルキル基を表す。)を有する。ま
た、ダイキン工業社製Demnumタイプ(SPやS
Y)はヘキサフルオロプロピレンオキシドのホモポリマ
ーで、片方の末端にエステル基−COOR(但し、Rは
フッ素で置換されていてもよいアルキル基を表す。)を
有する。
【0035】潤滑剤の分子量は100〜10000の範
囲内が好ましい。分子量が低いと一般的に蒸気圧が高
く、塗布した後にわずかずつ揮散し、時間と共に所望の
膜厚から外れてしまう。逆に分子量が高い場合は、一般
的に粘性が高く、所望の潤滑性が得られない時がある。
また、これらを溶解させる溶媒としては例えばフロン
系、アルコール系、炭化水素系、ケトン系、エーテル
系、フッ素系、芳香族系等が用いられる。
【0036】潤滑剤の塗布膜厚としては、1〜20nm
の範囲であることが好ましい。この範囲外すなわち薄い
場合は、所望の潤滑性が得られないが、あまり厚くして
も一定以上の潤滑性は得られず余分な潤滑剤がディスク
の回転に伴って外周側へ移動し、内外周での膜厚分布が
発生しやすくなる。このような情報記録媒体の製造にお
いて、潤滑層形成等塗布液を塗布する工程に本発明は適
用される。
【0037】本発明による塗布は図1に示す塗布装置1
を用いて行なうことができる。塗布装置1は塗布液2を
貯溜する塗布槽3を有し、また、基板4の中央開孔5に
挿通して複数の基板4,4を所定間隔をおいて保持する
吊り具6を有している。吊り具6は、ステンレススチー
ル、クロムメッキされた銅、真ちゅう等の杆状体で形成
され、水平に保持されて、上下および長さ方向に移動可
能に構成される。
【0038】上記吊り具6には、下面傾斜部7が形成さ
れ、また、保持される基板4の間隔に合せた間隔のV字
状の上面凹凸部8,8が形成されている。かかる装置を
用いて塗布を行なうときは、搬送機構(図示せず)によ
って搬送されてきた基板4の中央開孔5に吊り具6を挿
入した後吊り具6を上方向へ上昇せしめて、複数の基板
4,4をV字状の上面凹凸部8,8の間隔をおいて吊り
具5に保持させる。
【0039】基板4,4を保持した吊り具6は横方向に
移動して塗布槽3の上方に位置した後、下降し、基板4
全体を塗布液2中に浸漬し、所定時間浸漬後、吊り具6
を上昇させることによって基板4,4は塗布液2から引
き上げられる。引き上げ後の基板4は乾燥工程に移送さ
れる。吊り具6の下部が平坦である場合、引き上げ時に
吊り具6の下部が液面から同時に離れる際に波立ち、該
波が基板に当たりその部分の膜厚が厚くなり、膜厚むら
が発生する原因となることが分かった。
【0040】そこで、図1のごとく吊り具6の先端から
根元にかけて若干の勾配をつけた下部傾斜面7を形成し
たところ、基板4引き上げ時に吊り具先端部分が一番最
初に液面上に出、続いて、基板4との接触部分に発生し
たメニスカスが先端から根元に向かってスムーズに移動
するため、従来の波立ち現象が完全に抑えられた。これ
により、波立ち現象に起因する膜厚ムラも解消された。
【0041】吊り具の傾斜角は1〜5゜の範囲が好まし
い。傾斜による効果を十分に得るためには1゜以上が好
ましい。また、傾斜は一定以上あれば効果はさほど変わ
らず、一方あまり大きくすると基板内周部と不必要に接
触しやすくなるため、5゜以下が好ましい。また、傾斜
の方向は先端から根元に向かっていても、根元から先端
に向かっていてもいずれでもよい。
【0042】また、吊り具の凹部8をVノッチ形状と
し、そのVノッチの角度を100〜160゜の範囲とす
ることにより、吊り具との接触点に液溜りが生じにくく
なり、液じみが生じにくくより均一な塗膜が得られ、好
ましい。すなわち、図3に示すごとく、吊り具6の凹部
8のVノッチ部に基板4をセットし塗布液に浸漬後引き
上げた際に、基板とVノッチ部との接触部分に微量の塗
布液が残り、しみとなりやすい。このVノッチの角度を
100〜160゜の広角度とすると、塗布液の残り量が
少なくなり、しみも残りにくく好ましい。
【0043】また、この場合、Vノッチの頂点をできる
だけ鋭利なものとし、例えば0.2mm程度以下に薄肉
化することで、基板との接触面積が小さくなり、やはり
塗布液の残り量が少なくなり好ましい。ただし、あまり
薄くすると耐久性が悪化するため、0.05mm程度以
上が好ましい。本発明者らの実験によれば、基板上に下
地層、磁性層、保護層を形成した磁気ディスク基板を、
潤滑剤塗布液に浸漬に引き上げるにあたり、吊り具のV
ノッチの頂点を0.1mm程度としたうえでVノッチの
角度を100゜、120゜、140゜としたとき、しみ
の長さはそれぞれ0.148mm、0.115nm、
0.058nmであり、いずれも実用上問題のない長さ
であった。また、広角度ほどしみが小さくなることが明
らかである。
【0044】なお、しみの長さの測定は、該塗布後のデ
ィスクをOM撮影したのち、ディスク内周端面からしみ
の端部までの長さを測定した。以上のことから、しみを
小さくするためにはVノッチの角度を100゜以上に広
くすることが好ましい。ただし、広角化しすぎると基板
支持の安定性が悪化するため、160゜以下とするのが
好ましい。
【0045】より好ましくは140゜〜160゜、最も
好ましくは140゜〜150゜である。本発明塗布装置
1は各種の構造とすることができ例えば図2の構造をと
ることができる。図2に示す装置は、吊り具6から各基
板4,4を支持する鉤部10,10が垂設され、その他
は図1の装置と同じ構成とされている。
【0046】図2の装置を用いて塗布を行なうときは、
搬送装置(図示せず)で搬送されてきた基板4,4の中
央開孔5に吊り具6の鉤部10,10を挿通して基板4
を支持し、塗布槽3上で下降し基板4,4は塗布液2に
浸漬され、所定時間後上昇させて基板4,4を塗布液2
から引き上げる。
【0047】
【発明の効果】本発明は、基板を保持する吊り具の下面
を傾斜させたから、引き上げ持の基板と吊り具による塗
布液面の波立ちが抑えられ、均一な塗布層を形成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に使用される塗布装置の一例を示す縦
断面図。
【図2】 本発明に使用される塗布装置の他の例を示す
縦断面図。
【図3】 本発明の吊り具の基板接触部を示す模式図
【図4】 従来の塗布装置の縦断面図。
【符号の説明】
1 塗布装置 2 塗布液 3 塗布槽 4 基板 5 中央開孔 6 吊り具 7 下面傾斜部 8 上面凹凸部 10 鉤部 21 情報記録媒体用基板 22 中央開孔 23 吊り具 24 塗布槽 25 塗布液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯浅 養一 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島事業所内 Fターム(参考) 5D112 AA24 CC01 CC07 KK01 5D121 AA03 GG12 JJ02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央に開孔を有する情報記録媒体用基板
    の該開孔を吊り具で支承した状態で基板を塗布液中に浸
    漬し、次いで引き上げを行うことにより基板に塗布層を
    形成するにあたり、該吊り具は下面側に傾斜部を有する
    ことを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記傾斜部の角度が1〜5゜の範囲であ
    る請求項1に記載の情報記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 該吊り具は上面側に基板を支持するため
    の凹凸部を有し、かつ該凹凸部がVノッチ形状であり、
    該Vノッチの角度が100〜160゜の範囲である請求
    項1または2に記載の情報記録媒体の製造方法。
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