JP2000155229A - 光導波路及びその製造方法 - Google Patents
光導波路及びその製造方法Info
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Abstract
かつコアの狭間隙部の埋め込み特性の良好なクラッド膜
を有する光導波路及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 多孔質ガラス膜を、下部多孔質ガラス膜
と上部多孔質ガラス膜との2つに分けて、下部多孔質ガ
ラス膜を成膜・焼結した後、上部多孔質ガラス膜を成膜
・焼結すること、すなわちクラッド105を2層以上の
多層構造とすることにより、偏光依存性損失や過剰損失
を小さくしつつ、かつコア102の狭間隙部の埋め込み
特性を良好にすることができる。
Description
処理の分野に適した低損失の石英系材料を主成分とする
光導波路あるいは非線形効果を用いた光導波路及びその
製造方法に関する。
より低損失で信頼性の高い光部品の開発が進められてい
る。特に石英系材料を用いた導波路型の光部品は、その
低損失性に加え複雑な回路を平面基板上に一括して形成
できる可能性があることから最も注目を集めている。
ファ層(下側クラッド層)と呼ばれる低屈折率層を有す
るSi基板や石英基板上に屈折率の高いコアと呼ばれる
光の伝搬領域を形成し、コアをコアより低屈折率のクラ
ッド層で覆った構造をとるのが一般的である。特にコア
部分の材料組成は、SiO2 −TiO2 組成ガラスが有
効とされている。なお、Tiは屈折率を増加させる目的
で添加されている。
する従来の光導波路の断面図である。
によりTiO2 ドープSiO2 膜を成膜した後、ドライ
エッチング加工によりコアガラス膜の不用部分を除去
し、リッジ状のコア602を形成する。続いて、リッジ
化したコア602の屈折率を安定化するため、熱処理温
度1,000〜1,340℃、O2 雰囲気で3時間熱処
理する。
びコア602を覆うようにクラッド603を成膜する。
火炎堆積法は、火炎加水分解反応によるSiO2 −B2
O3−P2 O5 系多孔質ガラス膜及び1,200℃以上
の高温焼結による透明ガラス化を利用してクラッド膜6
03を形成する方法である。
6に示した光導波路の製造方法の説明図である。
711に収容されたBCl3 、容器712に収容された
PCl3 などの液状の原料をそれぞれArでバブリング
してガス状態にした原料を、配管を介して矢印701方
向に酸水素バーナー用ノズル702に供給して吹き出さ
せる。別系統のガスボンベ713、714から酸素及び
水素703を酸水素バーナー用ノズル702に供給す
る。その状態で、酸水素バーナー用ノズル702の先端
704に点火し、火炎705を発生させ、その火炎70
5中で原料ガスを分解、反応させる。この分解、反応に
よってできたB、Pを含んだSiO2 −B2 O3 −P2
O5 系多孔質ガラス膜706を、リッジ化したコア60
2が形成された石英基板601上に堆積させる。その
B、Pを含んだSiO2 微粒子が成膜された基板をHe
気流中、1,340℃で1時間焼結し、透明なSiO2
−B2 O3 −P2 O5 クラッド膜603とすることで、
埋め込み型の光導波路が得られる。
は透明ガラス化温度を低下させる目的で、Bは膜の屈折
率を下げると同時に内部応力を調整する目的で添加され
る。
た従来技術においては以下のような問題がある。
成し1,200℃以上で高温焼結させた後の斜視図であ
り、図8(b)は図8(a)のA−A線断面図である。
分、すなわちコア802の狭間隙部に気泡804が多数
発生する現象が頻繁に起きていたことが分かる。気泡8
04の屈折率は約1.0であり、コア802の屈折率の
1.470に比べて大きな差があるため光の過剰損失が
大きくなってしまう。
生を防止しつつ、光特性を十分な値に維持させる必要が
ある。
いて説明する。
するが、添加するBのドーパント濃度が大きいと、クラ
ッド膜の熱膨張係数と石英ガラス基板の熱膨張係数との
差が大きくなり、内部応力が発生する。光特性の一つで
ある偏光依存性損失は膜の内部応力に依存し、内部応力
が増加すると偏光依存性損失は大きくなることが従来の
光ファイバ製造技術で知られている。
低減するためには、クラッド膜のBのドーパント濃度を
できるだけ小さくする必要がある。また、SiO2 膜内
のBはその膜の屈折率を下げる機能を有し、Pは屈折率
を上げる機能を有しているので、SiO2 −B2 O3 −
P2 O5 ガラス膜の屈折率をノンドープ石英と同じ1.
458とするためにはPのドーパント濃度も小さくしな
ければならない。B、Pのドーパント濃度をできるだけ
小さくした場合、火炎堆積法で形成されるSiO2 −B
2 O3 −P2 O5 系多孔質ガラス膜の焼結にはB、Pの
ドーパント濃度が大きい場合よりも高い焼結温度が必要
となる。この場合、SiO2 −B2 O3−P2 O5 系多
孔質ガラス膜の焼結時に、コアが変形しコア導波路の過
剰損失が増加したり、光回路特性が劣化してしまう。す
なわち、B、Pのドーパント量が適度な量であることが
必要となる。上記より、SiO2 −B2 O3 −P2 O5
系多孔質ガラス膜内のB、Pのドーパント量がある範囲
で決められる。具体的には、B、Pともその重量濃度は
1〜10wt%である。つまり、維持しなければならな
い光特性は内部応力が起因する偏光依存性損失、過剰損
失である。
し、偏光依存性損失や過剰損失を小さくしつつ、かつコ
アの狭間隙部の埋め込み特性の良好なクラッド膜を有す
る光導波路及びその製造方法を提供することにある。
に本発明の光導波路は、基板と、基板上に形成されSi
O2 を主成分とする矩形断面形状のコアと、コアを覆う
と共にSiO2 を主成分とするクラッドとが形成された
光導波路において、クラッドが2層以上の多層構造であ
るものである。
成されSiO2 を主成分とするアスペクト比の大きい複
数の矩形断面形状のコアと、コアを覆うと共にSiO2
を主成分とするクラッドとが形成された光導波路におい
て、コア上への埋め込み特性を向上させるためクラッド
が2層以上の多層構造であるものである。
ッドの各層のうち少なくとも一層はFドープのSiO2
膜からなるのが好ましい。
ッドは2層からなり、第1クラッド層の膜厚はコアの高
さの1〜1.5倍であり、第1クラッド層の上に第2ク
ラッド層が形成されるのが好ましい。
ッドは2層からなり、第1クラッド層の膜厚はコアの高
さの1〜1.5倍であり、第1クラッド層の上に第2ク
ラッド層が形成され、第2クラッド層の膜厚はコアの高
さの1〜5倍であるのが好ましい。
SiO2 を主成分とする矩形断面形状のコアを形成し、
コアを覆うようにSiO2 を主成分とするクラッドとを
形成する光導波路の製造方法において、クラッドを火炎
堆積法、プラズマCVD法、高真空・高密度プラズマが
生成可能なECR−CVD法あるいはスパッタリング法
によって2層以上の多層構造に形成するものである。
SiO2 を主成分とする矩形断面形状のコアを形成し、
コアを覆うようにSiO2 を主成分とするクラッドとを
形成する光導波路の製造方法において、クラッドの各層
を、全て火炎堆積法を用いた多孔質形成と焼結とを繰り
返すことにより2層以上の多層構造に形成するものであ
る。
SiO2 を主成分とする矩形断面形状のコアを形成し、
膜厚がコアの高さの1〜1.5倍となるようにSiO2
を主成分とする第1クラッド層でコアを覆うように形成
し、第1クラッド層の上にコアの高さの1〜5倍の厚さ
の第2クラッド層を形成する光導波路の製造方法であっ
て、第1クラッド層をプラズマCVD法あるいはECR
−CVD法により形成し、第2クラッド層を火炎堆積法
により形成するものである。
法は、第1クラッド層をFドープのSiO2 膜とし、プ
ラズマCVD法あるいはECR−CVD法により形成
し、第2クラッド層を火炎堆積法により形成するのが好
ましい。
法は、クラッド層の各層のうち、少なくとも一層を熱処
理するのが好ましい。
め込みを良好とするためにクラッド膜を2層以上に分け
て製造することを提案した。コアの狭間隙部において気
泡が多数発生した原因について考えてみると、狭間隙部
におけるアスペク卜比(コア高さtとコア間隔wとの比
でt/wで表される。)と、埋め込み特性との関係につ
いて調べる必要がある。
の関係について調べた。その結果を図9(a)〜(d)
に示す。
ッジ状のコア上に形成される多孔質ガラス膜の膜厚を変
化させ成膜・焼結した光導波路の断面図である。図9
(a)に示す多孔質ガラス膜の膜厚をコア高さの1倍と
し、図9(b)に示す多孔質ガラス膜の膜厚をコア高さ
の1.5倍とし、図9(c)に示す多孔質ガラス膜の膜
厚をコア高さの2.0倍とし、図9(d)に示す多孔質
ガラス膜の膜厚をコア高さの3.0倍とした。
の膜厚をコア901の高さの2倍以上とするとコア90
1の狭間隙部に気泡903、904が発生した。このこ
とから、クラッド膜902の膜厚が薄ければ薄い程、ア
スペクト比が2のコアリッジの埋め込みやすくなること
が分かった。なお、905は基板である。
比と埋め込み特性とについて検討した。その結果を図1
0に示す。
ア高さの1.5倍として、アスペクト比を変化させた多
孔質ガラス膜を成膜・焼結した光導波路の断面図であ
る。
を1とし、図10(b)に示したコアのアスペクト比を
2とし、図10(c)に示したコアのアスペクト比を3
とし、図10(d)に示したコアのアスペクト比を4と
した。
を3以上とすると狭間隙部に気泡906、907が発生
した。このことから、アスペクト比3以上の狭間隙部は
コアを埋め込むことができないことが分かった。
た場合、焼結時に多孔質ガラス膜の下部が溶けて狭間隙
部を埋め込んでいくが、多孔質ガラス膜の上部が焼結時
に熱伝導率が悪いため、多孔質ガラス膜の上部の温度が
その融点に達せず、それによって多孔質ガラス膜の上部
が十分に溶融しなくなり気泡906、907が発生する
と考えられる。
部多孔質ガラス膜と上部多孔質ガラス膜との2つに分け
て、下部多孔質ガラス膜を成膜・焼結した後、上部多孔
質ガラス膜を成膜・焼結すれば埋め込み不良は解決され
ると考えた。
O3 −P2 O5 系多孔質ガラス膜内のB、Pのドーパン
ト量の適用可能範囲で火炎堆積法により下部多孔質ガラ
ス膜を成膜し、電気炉により焼結を行って下部ガラス膜
を作製する。
P2 O5 系多孔質ガラス膜内のB、Pのドーパント量の
適用可能範囲で火炎堆積法により上部多孔質ガラス膜を
成膜し、電気炉により焼結を行って上部ガラス膜を作製
することにより、偏光依存性損失や過剰損失を小さくし
つつ、かつコアの狭間隙部の埋め込み特性の良好なクラ
ッド膜を有する光導波路が得られる。
図面に基づいて詳述する。
した光導波路の一実施の形態を示す断面図である。
有するSiあるいは石英からなる基板101と、基板1
01の上に形成されたSiO2 を主成分とする矩形状の
コア102と、SiO2 を主成分としコア102を覆う
ように形成されたクラッド105とを有する光導波路の
クラッド105を2層以上の多層構造とした点である。
きい矩形断面形状のコア102の狭隙間部に気泡が発生
しないように、クラッド105を2層以上の多層構造と
したものである。
3、104の内少なくとも一層にはFドープのSiO2
膜を形成してもよい。FドープのSiO2 膜は屈折率が
1.400〜1.460のSiO2 膜を作製することが
できるので、コア102の屈折率とクラッド105の屈
折率との差が大きくなり、それによってコア102内に
伝搬光を強く閉じ込めることができるという効果があ
る。
なり、第1クラッド103はコア102の高さよりも0
〜50%厚い膜厚とし、その第1クラッド103の上に
第2クラッド104を形成してもよい。第1クラッド1
03の膜厚をコア102の高さよりも0〜50%厚い膜
厚としたのは、コア102の上面のすべての領域をクラ
ッド105で埋め尽くし、また膜厚をコア102の高さ
の1.5倍以上とするとクラッド105内で気泡が発生
しやすくなるからである。
なり、第1クラッド103はコア102の高さよりも0
〜50%厚い膜厚とし、その第1クラッド103の上に
第2クラッド104が形成され、第2クラッド104の
膜厚はコア102の高さの1〜5倍の膜厚であることが
好ましい。
102の高さの1〜5倍としたのは、コア102内に伝
搬光を閉じ込めるため、クラッド105の第1クラッド
103と第2クラッド104とを合わせてコア102の
高さの少なくとも2.0倍であることが必要だからであ
る。
3、104が火炎堆積法、プラズマCVD法、高真空・
高密度プラズマが生成可能なECR−CVD法あるいは
スパッタリング法の中からそれぞれーつの方法を選択し
て作製されることが好ましい。
かプラズマCVD法が用いられるが、アスペクト比2以
上のコア間の狭間隙の埋め込みを可能にするECR−C
VD法、あるいはターゲットと同一の膜特性で大面積に
成膜が可能なスパッタリング法を用いることができる。
3、104はすべて火炎堆積法を用いて、多孔質ガラス
膜形成と焼結とを繰り返すことにより作製することがで
きる。すなわち、はじめにSiO2 −B2 O3 −P2 O
5 系多孔質ガラス膜内のB、Pのドーパント量の適用可
能範囲で火炎堆積法により第1クラッド103の多孔質
ガラス膜を成膜し、電気炉により焼結を行い、第1クラ
ッド103のガラス膜を作製する。
孔質ガラス膜内のB、Pのドーパント量の適用可能範囲
で火炎堆積法により第2クラッド104の多孔質ガラス
膜を成膜し、電気炉により焼結を行い、第2クラッド1
04のガラス膜を作製することにより光導波路が形成さ
れる。
ッド103はプラズマCVD法あるいはECR−CVD
法により作製し、第2クラッド104は火炎堆積法によ
り作製することもできる。クラッド105の第1クラッ
ド103にプラスマCVD法あるいはECR−CVD法
を適用するのは、コア102間の狭間隙の埋め込みに適
した成膜方法を火炎堆積法を除いて順に挙げると、EC
R−CVD法、プラズマCVD法となるからである。
ッド102はFドープのSiO2 膜とし、プラズマCV
D法あるいはECR−CVD法により作製され、その場
合には第2クラッド104は火炎堆積法により作製する
ことが好ましい。上述と同じように、FドープのSiO
2 膜は屈折率が1.400〜1.460のSiO2 膜を
作製できるので、コア102とクラッド105との屈折
率差が大きくなり、それによってコア102内に伝搬光
を強く閉じ込めることができるという効果がある。ま
た、FドープSiO2 膜中のFの脱離を阻止する目的
で、FドープSiO2 膜の上に保護膜としてSiO2 を
主成分とする膜を火炎堆積法により作製することが好ま
しい。
3、104の内少なくとも一層は熱処理することが好ま
しい。これは、SiO2 −B2 O3 −P2 O5 系多孔質
ガラス膜がそのままの状態で光導波路を作製すると過剰
損失が1dB/cm以上と大きな値になってしまい、光
導波路として使用に耐えない。
説明する。
の光導波路の製造方法の一実施例を示す工程図である。
る基板101と、基板101の上に形成されSiO2 を
主成分とする矩形断面形状のコア102と、基板101
の上にコア102を覆うように形成されSiO2 を主成
分とするクラッド104とで構成されている。
なり、クラッド105の第1クラッド103及び第2ク
ラッド104は、B、PドープのSiO2 膜である。第
1クラッド103及び第2クラッド104は同一組成で
あっても異なる組成であってもよい。コア102はクラ
ッド105よりも屈折率が高く、信号光は屈折率が高い
コア102中を伝搬する。コア102とクラッド105
の屈折率及び外径は波長1.31μmあるいは1.55
μmにおいてシングルモードを満足するように決定され
る。
m角で屈折率1.470、クラッド105は第1クラッ
ドが膜厚6.0μmで屈折率1.458、第2クラッド
104が膜厚20μmで屈折率1.458である。但し
数値は限定されるものではない。
図2(a)〜(d)を参照して説明する。
101上に、EB電子ビーム蒸着法によりコアガラス膜
102aとしてTiO2 ドープSiO2 膜を6.0μm
成膜する。なお、コアガラス膜102aにドープするド
ーパントはTiO2 だけではなく、GeO2 を用いても
よい。
2aの成膜後、ドライエッチング加工によりコアガラス
膜102aの不用部分を除去して6.0μm角のリッジ
状のコア102とする。リッジ状のコア102の屈折率
を安定化するため、熱処理温度1,000〜1,340
℃、O2 雰囲気で約3時間熱処理する。
形状のコア102上にSiO2 を主成分とするクラッド
105のうちの第1クラッド103を火炎堆積法により
作製する。
iO2 −B2 O3 −P2 O5 系多孔質ガラス膜形成及び
1,200℃以上の高温焼結による透明ガラス化を利用
してクラッド膜を作製する方法である。
及び図4を用いて説明する。
は火炎堆積法の説明図である。
ーナ301と、複数の円盤状の基板101が装着され、
矢印B方向(逆方向でもよい)に回転自在で矢印C方向
に並進自在な大口径のテーブル303と、反応ガスを排
気するための排気装置304とで構成されている。
101を加熱するためのヒータ(図示せず)がテーブル
303下部に設置されている。また、テーブル303の
上方には火炎雰囲気を形成するための酸水素バーナ30
1が設けられている。
03の下部に設置されたヒータでテーブル303と基板
101を300〜800°まで加熱して、テーブル30
3を回転及び並進運動させる。
孔質ガラス膜の成膜プロセスを図4を参照して詳述す
る。
406に収容されたBCl3 、容器407に収容された
PCl3 などの液状の原料をそれぞれArでバブリング
し、ガス状態にした原料を配管を介して矢印401方向
に酸水素バーナー用ノズル402に供給して吹き出させ
る。別系統のガスボンベ408、409からO2 、H2
を酸水素バーナー用ノズル402に配管を介して矢印4
03方向に供給する。
H2 の各ガス流量はそれぞれ155sccm、20sc
cm、5sccm、6,000sccm、2,500s
ccmである。このような状態で、酸水素バーナー用ノ
ズル402の先端を点火し、火炎410を発生させ、火
炎中で原料ガスを分解・反応させる。この反応によって
できたB、Pを含んだSiO2 −B2 O3 −P2 O5 系
多孔質ガラス膜404を、リッジ化されたコア102が
形成された基板101上に堆積させる。
るように設定する。そのSiO2 微粒子を含めた基板1
01をHe気流中、1,340℃で1時間焼結すること
によりSiO2 −B2 O3 −P2 O5 ガラス膜103が
得られる。
5の第1クラッド103上に、SiO2 を主成分とする
第2クラッド104を火炎堆積法により作製する。具体
的な成膜方法は以下に示すガス流量と堆積膜厚とを除い
て、クラッド105の第2クラッド104を作製する方
法と全く同じなので省略する。
H2 の各ガス流量はそれぞれ155sccm、13sc
cm、3sccm、6,000sccm、2,500s
ccm、堆積膜厚は焼結後の膜厚が20μmとなるよう
に設定する。
は2層に限定されず、クラッド105を3層以上以上と
することができる。また、コア102の高さとコア10
2間隔の比であるアスペクト比の大きい複数の矩形断面
形状のコア102を気泡が発生することなく埋め込むこ
とを主目的として、クラッド105を2層以上として成
膜してもよい。また、クラッド105の各層103、1
04の内少なくとも一層にはFドープのSiO2 膜を適
用してもよい。FドープのSiO2 膜は屈折率が1.4
00〜1.460のSiO2 膜を作製できるので、コア
102とクラッド105との屈折率差が大きくなり、そ
れによってコア102内に伝搬光を強く閉じ込めること
ができるという効果がある。
ラッド103をコア102の高さよりも0〜50%厚い
膜厚に設定して、その第1クラッド103の上に第2ク
ラッド104を形成してもよい。第1クラッド103の
膜厚をコア102の高さよりも0〜50%厚い膜厚とし
たのは、コア102の上面のすべての領域をクラッド1
05で埋めつくすのに十分に厚い膜厚で、かつ気泡が発
生しやすくなるのはクラッド105の膜厚がコア102
の高さの1.5倍以上となる場合だからである。また、
クラッド105を2層とし、第1クラッド103をコア
102の高さよりも0〜50%厚い膜厚に設定して、第
1クラッド103の上に第2クラッド104が形成さ
れ、第2クラッド104の膜厚はコア102の高さの1
〜5倍の膜厚としてもよい。
102の高さの1〜5倍としたのは、コア102内に伝
搬光を閉じ込めるためにクラッド105の第1クラッド
103と第2クラッド104とを合わせてコア102の
高さの少なくとも2.0倍であることが必要だからであ
る。
4は火炎堆積法、プラズマCVD法、高真空・高密度プ
ラズマが生成可能なECR−CVD法あるいはスパリン
グ法の中からそれぞれーつの方法を選択して作製しても
よい。
プラズマCVD法が用いられるが、アスペクト比が2以
上のコア間の狭間隙部の埋め込みを可能にするECR−
CVD法、あるいはターゲットと同一の大面積に成膜が
可能なスパッタリング法を用いてもよい。
4は全て火炎堆積法を用いて、多孔質ガラス膜形成と焼
結とを繰り返すことにより作製することもできる。すな
わち、はじめにSiO2 −B2 O3 −P2 O5 系多孔質
ガラス膜内のB、Pのドーパント量の適用可能範囲で火
炎堆積法により第1クラッド103の多孔質ガラス膜を
成膜し、電気炉(図示せず)により焼結を行い、第1ク
ラッド103のガラス膜を作製する。
孔質ガラス膜内のB、Pのドーパント量の適用可能範囲
で火炎堆積法により第2クラッド104の多孔質ガラス
膜を成膜し、電気炉により焼結を行い、第2クラッド1
04のガラス膜を作製することにより光導波路が得られ
る。
3はプラズマCVD法あるいはECR−CVD法により
作製し、第2クラッド104は火炎堆積法により作製す
ることもできる。クラッド105の第1クラッド103
にプラズマCVD法あるいはECR−CVD法を適用す
るのは、コア間の狭間隙部の埋め込みに適した成膜方法
を火炎堆積法を除いて順に挙げると、ECR−CVD
法、プラズマCVD法となるからである。
クラッド103をプラズマCVD法により作製する場合
について説明する。
iH4 、O2 、Arを用いているので、クラッド105
の第1クラッド103であるガラス膜の組成はSiOx
Hy(以下「SiH」という。)となる。
置の概念図である。
板型のプラズマCVD装置である。その構成は大きく分
けてチャンバ501、ヒータ502、チャンバ501内
にガスを導入するガス導入部を含み、高周波電圧を印加
するための13.56MHzのRF電源503が接続さ
れた下部電極504、試料が設置されかつ高周波電圧を
印加するための13.56MHzのRF電源505が接
続された上部電極506、チャンバ501内のガスを排
気するロータリーポンプ507−1、メカニカルブース
ターポンプ507−2から成っている。
508を1〜20枚設置することができ、つり下げ棒5
09を中心に回転させることができる。上部電極506
と下部電極504との間隔は30〜50mmの間で可変
であり、本実施例では電極間隔を35mmとした。ま
た、上部電極506及び下部電極504の直径は約70
0mmである。
ス膜の成膜を行う工程を説明する。
0-1pa以下にする。
ccm、O2 の流量:80sccm、Arの流量:1,
760sccm、成膜圧力:53pa、基板温度:30
0℃、下部電極504のRFパワー:600W、上部電
極506のRFパワー:1kWとなるように設定して、
プラズマ510を生じさせ、成膜を開始する。
as−depo(成膜直後)のSiO2 膜の膜特性は以
下のようになる。
0、膜密度は2.0g/cm3 であった。なお、成膜速
度は約600A/minであった。
理することが好ましい。これは、SiO2 −B2 O3 −
P2 O5 系ガラス膜は、そのままの状態で光導波路を作
製すると過剰損失が1dB/cm以上と大きな値になっ
てしまい、光導波路として使用に耐えないからである。
上の多層構造とすることにより、クラッドに気泡のない
光導波路を作製することができる。また光回路において
重要な光特性については、偏光依存性損失や過剰損失を
十分に低減することが可能である。さらに、アスペクト
比の大きい狭間隙のコアであっても、クラッドを2層以
上の多層構造とすることにより気泡を無くしながら、狭
間隙を埋め込むことができる。
な優れた効果を発揮する。
つ、かつコアの狭間隙部の埋め込み特性の良好なクラッ
ド膜を有する光導波路及びその製造方法の提供を実現す
ることができる。
路の一実施の形態を示す断面図である。
の一実施例を示す工程図である。
である。
光導波路の断面図である。
る。
200℃以上で高温焼結させた後の斜視図であり、
(b)は(a)のA−A線断面図である。
コア上に形成される多孔質ガラス膜の膜厚を変化させ成
膜・焼結した光導波路の断面図である。
1.5倍として、アスペクト比を変化させた多孔質ガラ
ス膜を成膜・焼結した光導波路の断面図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 基板と、該基板上に形成されSiO2 を
主成分とする矩形断面形状のコアと、該コアを覆うと共
にSiO2 を主成分とするクラッドとが形成された光導
波路において、上記クラッドが2層以上の多層構造であ
ることを特徴とする光導波路。 - 【請求項2】 基板と、該基板上に形成されSiO2 を
主成分とするアスペクト比の大きい複数の矩形断面形状
のコアと、該コアを覆うと共にSiO2 を主成分とする
クラッドとが形成された光導波路において、上記コア上
への埋め込み特性を向上させるため上記クラッドが2層
以上の多層構造であることを特徴とする光導波路。 - 【請求項3】 上記クラッドの各層のうち少なくとも一
層はFドープのSiO2 膜からなる請求項1または2に
記載の光導波路。 - 【請求項4】 上記クラッドは2層からなり、第1クラ
ッド層の膜厚は上記コアの高さの1〜1.5倍であり、
第1クラッド層の上に第2クラッド層が形成された請求
項1から3のいずれかに記載の光導波路。 - 【請求項5】 上記クラッドは2層からなり、第1クラ
ッド層の膜厚はコアの高さの1〜1.5倍であり、第1
クラッド層の上に第2クラッド層が形成され、第2クラ
ッド層の膜厚はコアの高さの1〜5倍である請求項1〜
3のいずれかに記載の光導波路。 - 【請求項6】 基板上にSiO2 を主成分とする矩形断
面形状のコアを形成し、該コアを覆うようにSiO2 を
主成分とするクラッドとを形成する光導波路の製造方法
において、上記クラッドを火炎堆積法、プラズマCVD
法、高真空・高密度プラズマが生成可能なECR−CV
D法あるいはスパッタリング法によって2層以上の多層
構造に形成することを特徴とする光導波路の製造方法。 - 【請求項7】 基板上にSiO2 を主成分とする矩形断
面形状のコアを形成し、該コアを覆うようにSiO2 を
主成分とするクラッドとを形成する光導波路の製造方法
において、上記クラッドの各層を、全て火炎堆積法を用
いた多孔質形成と焼結とを繰り返すことにより2層以上
の多層構造に形成することを特徴とする光導波路の製造
方法。 - 【請求項8】 基板上にSiO2 を主成分とする矩形断
面形状のコアを形成し、膜厚が上記コアの高さの1〜
1.5倍となるようにSiO2 を主成分とする第1クラ
ッド層で上記コアを覆うように形成し、第1クラッド層
の上に上記コアの高さの1〜5倍の厚さの第2クラッド
層を形成する光導波路の製造方法であって、上記第1ク
ラッド層をプラズマCVD法あるいはECR−CVD法
により形成し、上記第2クラッド層を火炎堆積法により
形成することを特徴とする光導波路の製造方法。 - 【請求項9】 上記第1クラッド層をFドープのSiO
2 膜とし、プラズマCVD法あるいはECR−CVD法
により形成し、上記第2クラッド層を火炎堆積法により
形成する請求項8に記載の光導波路の製造方法。 - 【請求項10】 上記クラッド層の各層のうち、少なく
とも一層を熱処理する請求項8に記載の光導波路の製造
方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33145698A JP3971524B2 (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | 光導波路の製造方法 |
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JP33145698A JP3971524B2 (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | 光導波路の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000155229A true JP2000155229A (ja) | 2000-06-06 |
JP3971524B2 JP3971524B2 (ja) | 2007-09-05 |
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JP33145698A Expired - Fee Related JP3971524B2 (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | 光導波路の製造方法 |
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JP (1) | JP3971524B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002267864A (ja) * | 2001-03-06 | 2002-09-18 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 光導波路デバイスの作製方法及び光導波路デバイス |
-
1998
- 1998-11-20 JP JP33145698A patent/JP3971524B2/ja not_active Expired - Fee Related
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