JP2000155211A - 多色反射板及びその製造方法 - Google Patents
多色反射板及びその製造方法Info
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Abstract
り、かつ配向性も良好に維持できる多色反射板及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】 光学活性基含有モノマーを一成分とする
共重合体であるコレステリック液晶ポリマーがグランジ
ャン配向して形成され、前記光学活性基の有効成分含有
量の相違に基づいて反射波長の異なる複数種の反射領域
が形成された非流動層を有する多色反射板において、前
記非流動層が光酸発生剤及び/又はその光分解物を含有
すると共に、前記光酸発生剤が、トリアジン環の炭素原
子に結合する炭素原子とその隣接炭素原子間に、炭素−
炭素二重結合を有するハロゲン原子含有トリアジン化合
物であることを特徴とする。
Description
置の反射板として、カラー表示化に好適な液晶ポリマー
からなる多色反射板及びその製造方法に関する。
装置と比較するとバックライトが不要であるという大き
な特徴を有し、従って、表示装置が薄く、軽くすること
が可能であり、しかもバックライトに必要な電力消費を
削減することができる。かかる特徴は、液晶表示装置を
備え、電源の容量が限られた携帯用の機器類、とりわけ
携帯用のノートパソコンの表示装置としての利用価値が
大きい。
型液晶表示装置に準じてカラー表示化を達成することが
要求されており、これまでは透過型液晶表示装置で使用
のカラーフィルターを用いたカラー化技術が使用されて
いた。しかるに、かかるカラー反射型液晶表示装置では
表示が暗くなって視認性に乏しいものであることから、
別個のカラー化技術が求められている。
新たなカラー化技術としては、液晶の複屈折による着色
変化(ECBモード)を利用したものが提案されてい
る。しかしながら、表示色やその色数が限定されて多色
カラー性に乏しく、また色純度にも劣って鮮明性に乏し
いという難点があった。
による選択反射性を利用したカラー化技術も提案されて
いる(J.Phys.D:Appl.Phys.,vo
l.8,1441;1975)。しかしながら、液状の
液晶を用いるためガラス基板間等に挟持した構造とする
必要があるので、重くて厚いものとなり、反射型の液晶
表示装置には不向きであると共に、液晶の流動性が色区
画の固定性を低下させ、また熱により色特性が変化しや
すいという問題があった。
モノマーに溶解させてそれを温度制御下に活性光線を使
用して重合固定化したフィルムも提案されている(特開
昭59−83113号公報)。しかしながら、この技術
では、色制御を温度によって行う必要があること、また
液晶ポリマーがリオトロピック性のためにフィルム形成
時に基板挟持構造とすることが必要であること等のた
め、赤色領域、緑色領域、青色領域等の色区画を微細化
することが困難であると共に大面積化や量産化も困難で
あった。
10−54905号公報には、シッフ塩基を有するコレ
ステリック液晶ポリマーにトリアジン化合物等の光酸発
生剤を添加し、紫外線等の活性光線の照射にて発生した
酸により、シッフ塩基を切断等してコレステリック液晶
ポリマーの面内でのコレステリックピッチを制御した多
色反射板、並びにその製造方法が提案されている。この
技術により、表示色や色数の制御が容易で色純度に優
れ、反射型液晶表示装置における鮮明で豊富な多色カラ
ーによる良視認性の表示が達成でき、しかも軽くて薄
く、色区画の固定性に優れ、色特性が実用温度で変化し
にくい光学素子を製造することができる。
を行うための活性光線の照射において、多色反射板に応
用する上で十分な多色化を行うためには、大量の活性光
線を露光する必要があり、エネルギーコスト的に有利と
は言えず、またそのような大量の露光ではコレステリッ
ク液晶ポリマー自身にまで損傷が及ぶこともあり、量産
化および品質の点でも改善の余地があった。
広範囲な色制御が可能であり、かつ配向性も良好に維持
できる多色反射板及びその製造方法を提供することにあ
る。
における光酸発生剤の種類について鋭意検討した結果、
特定の骨格を有するトリアジン化合物を用いることによ
り、非常に少量の紫外線で広範囲な色制御が可能であ
り、かつ配向性も良好に維持できる事を見出し、本発明
を完成するに至った。
含有モノマーを一成分とする共重合体であるコレステリ
ック液晶ポリマーがグランジャン配向して形成され、前
記光学活性基の有効成分含有量の相違に基づいて反射波
長の異なる複数種の反射領域が形成された非流動層を有
する多色反射板において、前記非流動層が光酸発生剤及
び/又はその光分解物を含有すると共に、前記光酸発生
剤が、トリアジン環の炭素原子に結合する炭素原子とそ
の隣接炭素原子間に、炭素−炭素二重結合を有するハロ
ゲン原子含有トリアジン化合物であることを特徴とす
る。
ては、後述のように種々のものを用いることができる
が、前記トリアジン化合物が、下記の一般式〔化3〕で
示される化合物であることが好ましい。
子、ハロゲン原子、又はアルコキシ基を示す。) また、前記光学活性基含有モノマーとしては、後述のよ
うに種々のものを用いることができるが、シッフ塩基を
有するものであることが好ましい。
有モノマーを一成分とする共重合体であるコレステリッ
ク液晶ポリマーがグランジャン配向して形成され、前記
光学活性基の有効成分含有量の相違に基づいて反射波長
の異なる複数種の反射領域が形成された非流動層を有す
る多色反射板を製造するに際し、光酸発生剤を含有する
非流動層に対し、少なくとも活性光線照射工程及び加熱
配向処理工程を行うことにより、前記光学活性基の有効
成分含有量を制御する多色反射板の製造方法において、
前記光酸発生剤が、トリアジン環の炭素原子に結合する
炭素原子とその隣接炭素原子間に、炭素−炭素二重結合
を有するハロゲン原子含有トリアジン化合物であること
を特徴とする。
前記と同様に下記の一般式〔化4〕で示される化合物で
あることが好ましい。
子、ハロゲン原子、又はアルコキシ基を示す。) 〔作用効果〕本発明の多色反射板によると、後述の実施
例の結果が示すように、少量の紫外線で広範囲な色制御
が可能であり、かつ配向性も良好に維持できる多色反射
板及びその製造方法を提供することができる。その理由
の詳細は明らかではないが、次のように推測される。
が、トリアジン環の炭素原子に結合する炭素原子とその
隣接炭素原子間に、炭素−炭素二重結合を有するため、
紫外線によってハロゲン原子を遊離させる効果が高くな
り、ハロゲン化水素等を発生させ易くなり、これによっ
て光学活性基の有効成分含有量を効率良く減少させるこ
とができる。従って、少量の紫外線でコレステリックピ
ッチを有効に制御でき、広範囲な色制御が可能であり、
しかも紫外線が少量のため、コレステリック液晶ポリマ
ーに損傷が及びにくく、配向性も良好に維持できると考
えられる。
〔化3〕で示される化合物である場合、その共役構造や
ハロゲン原子の結合部位のため、より少量の紫外線で広
範囲な色制御が可能になると考えられる。
フ塩基を有するものである場合、発生する酸により、光
学活性基の切断等が容易に行えるため、より少量の紫外
線で広範囲な色制御が可能になると考えられる。
含有する非流動層に対し、少なくとも活性光線照射工程
及び加熱配向処理工程を行うことにより、前記光学活性
基の有効成分含有量を制御するにあたり、上記のような
ハロゲン原子含有トリアジン化合物を用いるため、上記
と同様に、少量の紫外線で広範囲な色制御が可能であ
り、かつ配向性も良好に維持できる多色反射板の製造方
法を提供することができる。
般式〔化4〕で示される化合物である場合、その共役構
造やハロゲン原子の結合部位のため、より少量の紫外線
で広範囲な色制御が可能になると考えられる。
の含有量の変化は、単なる計算上の含有量の変化のみで
なく、光学活性基の構造の変化により選択反射波長がシ
フトする効果が得られる場合も含むものである。
基含有モノマーを一成分とする共重合体であるコレステ
リック液晶ポリマーがグランジャン配向して形成され、
前記光学活性基の有効成分含有量の相違に基づいて反射
波長の異なる複数種の反射領域が形成された非流動層を
有する多色反射板において、前記非流動層が光酸発生剤
及び/又はその光分解物を含有すると共に、前記光酸発
生剤が、トリアジン環の炭素原子に結合する炭素原子と
その隣接炭素原子間に、炭素−炭素二重結合を有するハ
ロゲン原子含有トリアジン化合物であることを特徴とす
る。
るハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げ
られ、例えばハロゲン化メチル基等の形でトリアジン環
に結合される。また、炭素−炭素二重結合は、例えばト
リアジン環に結合する置換されていてもよいスチリル基
等の形で存在する。
ン化合物を例示すると、前記の一般式〔化1〕で示され
る化合物が挙げられる。一般式〔化1〕におけるR1 〜
R5のハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素等が
挙げられ、また、アルコキシ基としては、直鎖又は分岐
の炭素数1〜12のアルコキシ基が挙げられる。このよ
うな化合物としては、市販品を用いることができ、また
通常公知の合成方法により製造したものを用いることが
できる。
チル)−6−(3’−クロロ−4’−メトキシ−β−ス
チリル)トリアジン、2,4‐ビス(トリクロロメチ
ル)−6−(2’−メトキシ−β−スチリル)トリアジ
ン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(2’−
メトキシ−4’−メトキシ−β−スチリル)トリアジ
ン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4’−
ペントキシ−β−スチリル)トリアジン、2,4−ビス
(トリクロロメチル)−6−(4’−イソプロポキシ−
β−スチリル)トリアジンなどが例示される。
合量は、液晶ポリマーの25重量%以下、就中0.1〜
20重量%、特に0.5〜10重量%が一般的である
が、これに限定されない。従って、製品における光酸発
生剤及び/又はその光分解物の総含有量も、液晶ポリマ
ーの25重量%以下、就中0.1〜20重量%、特に
0.5〜10重量%が一般的である。
ては、例えばハロゲン原子が水素原子等で置換されたも
のや、二量体化したものなどが挙げられる。
物を使用してもよい。具体例としては、フェノチアジ
ン、N−メチルフェノチアジン、2−メトキシフェノチ
アジン、2−アセチルフェノチアジン等が挙げられる。
リック液晶ポリマーとして、光学活性基含有のモノマー
成分をネマチック性の液晶モノマーとの共重合体の状態
で有するもの、すなわち、光学活性基含有のモノマー成
分に基づいてコレステリック液晶性を示し、そのグラン
ジャン配向の螺旋軸に対して平行に入射する自然光の
内、ある特定波長の光の約半分を右(又は左)円偏光と
して反射し、残りの約半分を左(又は右)円偏光として
透過する特性を示すコレステリック液晶ポリマーは、特
に限定なく使用しうる。
れる(式中、nは液晶の平均屈折率、pはコレステリッ
ク相の螺旋ピッチである)。また反射円偏光の左右は、
コレステリック相の螺旋状態で決定され、螺旋の旋回方
向と一致する。
ては、下記の一般式〔化5〕にて表されるものなどが挙
げられる。
数、X1 はエステル結合(COO基又はOCO基)であ
り、pおよびqは1又は2で、かつp+q=3を満足す
る。
ては、下記の一般式〔化6〕にて表されるものなどが挙
げられる。
X2 はエステル結合である。また、R3 は下記〔化7〕
に示される7種の置換基から選択される置換基である。
4種の置換基から選択され、R5 はメチル基、フェニル
基、メトキシカルボニル基から選択され、R6はメチル
基、ベンジル基、t−ブチル基から選択される置換基で
ある。
リル系モノマーは、公知の方法で合成することができ
る。具体例として、化学式(a1)で表されるアクリル
系モノマーの合成例を下記〔化9〕に示した。
チレンクロロヒドリンと4−ヒドロキシ安息香酸を、ヨ
ウ化カリウムを触媒としてアルカリ水溶液中で加熱還流
させてヒドロキシカルボン酸を得た後、それをアクリル
酸又はメタクリル酸と脱水反応させて(メタ)アクリレ
ートとし、その(メタ)アクリレートをDCC(ジシク
ロヘキシルカルボジイミド)とDMAP(ジメチルアミ
ノピリジン)の存在下に4−シアノ−4’−ヒドロキシ
ビフエニルにてエステル化することにより目的物の(a
1)を得ることができる。
含有するアクリル系モノマーの具体的な合成例を下記
〔化10〕に示した。
ルキルハライドと4−ヒドロキシ安息香酸を、ヨウ化カ
リウムを触媒としてアルカリ水溶液中で加熱還流させて
ヒドロキシカルボン酸を得た後、それをアクリル酸又は
メタクリル酸と脱水反応させて(メタ)アクリレートと
し、その(メタ)アクリレートを、4位に不斉炭素基を
有するフェノールでDCCとDMAPの存在下にエステ
ル化することにより目的物の(b1)を得ることができ
る。
は、例えば下記〔化11〕に具体例を示した如く、4−
ヒドロキシベンズアルデヒドと(S)−(−)−1−フ
ェニルエチルアミンをトルエン中で共沸脱水することに
より得ることができる。
アクリル系モノマーも、目的の導入基を有する適宜な原
料を用いて上記に準じて合成することができる。
式、カチオン重合方式、アニオン重合方式などの公知の
アクリル系モノマーの重合方式に準じて行うことができ
る。なおラジカル重合方式を適用する場合、各種の重合
開始剤を用いうるが、そのうちアゾビスイソブチロニト
リルや過酸化ベンゾイルなどの分解温度が高くもなく、
かつ低くもない中間的温度(60〜120℃程度)で分
解するものが好ましく用いられる。
を含有するモノマー単位の含有率に基づいてコレステリ
ック液晶のピッチが変化し、反射波長は当該ピッチで決
定されることより、前記含有率の制御で反射波長に基づ
く色を調節することができる。なお当該含有率が高いほ
どピッチが小さくなり、反射光か短波長側にシフトす
る。一方、当該含有率が過多では液晶性に乏しくなり、
過少ではコレステリック液晶性に乏しくなる傾向にあ
る。
リック液晶性等の点より好ましく用いうる液晶ポリマー
は、ネマチック性の液晶モノマーの1種又は2種以上
と、光学活性基を含有するモノマーの1種又は2種以上
とを光学活性基含有モノマーの共重合割合が50〜3重
量%、好ましくは45〜5重量%であり、特に40〜1
0重量%となるように共重合したものが好ましい。
ーを製造する共重合の方法は、ランダム共重合、ブロッ
ク共重合、グラフト共重合等のいずれであってもよい。
に基づき2k〜100kであることが好ましい。2k未
満では非流動層としての成膜性に乏しくなり、100k
を超えると液晶としての配向性、特にラビング配向膜等
を介したモノドメイン化に乏しくなって均一な配向状態
を形成しにくくなる。安定した成膜性と配向状態を得る
ことができる点で、特に2.5k〜50kであることが
好ましい。
を混合して多色反射板の形成に用いることができる。得
られる多色反射板の耐久性や、ピッチ等の配向特性の実
用時における温度変化などに対する安定性、ないし無変
化性などの点よりガラス転移温度が80℃以上の液晶ポ
リマーを使用することが好ましい。
如きコレステリック液晶ポリマーがグランジャン配向し
て形成され、前記光学活性基の有効成分含有量の相違に
基づいて反射波長の異なる複数種の反射領域が形成され
た非流動層を有する多色反射板を製造するに際し、光酸
発生剤を含有する非流動層に対し、少なくとも活性光線
照射工程及び加熱配向処理工程を行うことにより、前記
光学活性基の有効成分含有量を制御する多色反射板の製
造方法において、前記光酸発生剤が、前述したトリアジ
ン化合物であることを特徴とする。つまり、螺旋ピッチ
の制御に寄与する有効な光学活性基の含有量の調節は、
光酸発生剤存在下での活性光線の照射により行なわれ
る。
含むトリアジン化合物から効率よく酸を発生させる紫外
線、特に300nmから400nmの波長の紫外線が好
ましく用いられる。一方、活性光線の照射により発生し
た酸により光学活性基が変性ないし失活する液晶ポリマ
ーとしては、上記した一般式〔化6〕で表されるモノマ
ーを成分とするものなどが挙げられる。
−CH=N−構造を有するシッフ塩基とすると、前述の
ように発生する酸による切断効果が高いが、ウレタン結
合やカーボネート結合においても活性光線の照射による
切断は可能である。なお、一般式〔化6〕のR3 を例示
した〔化7〕の置換基は、いずれもシッフ塩基、ウレタ
ン結合、カーボネート結合を有している。
非流動層の形成は、従来の配向処理に準じた方法で行い
うる。具体的な一例としては、基板上にポリイミドやポ
リビニルアルコール等からなる配向膜を形成してそれを
レーヨン布等でラビング処理した後、その上に液晶ポリ
マーを展開してガラス転移温度以上、等方相転移温度来
満に加熱し、液晶ポリマー分子がグランジャン配向した
状態でガラス転移温度来満に冷却してガラス状態とし、
当該配向が固定化された固化層を形成する方法等が挙げ
られる。処理効率の点より、ガラス転移温度よりも30
〜70℃、特に好ましくは、約50℃高い温度に加熱し
て配向処理することが好ましい。
セルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリ
アリレート、ポリエステル、ボリカーボネート、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、エポキシ系樹脂の如き
樹脂からなるフィルム、あるいはガラス板などの適宜な
ものを用いうる。基板上に形成した液晶ポリマーの非流
動層は、基板との一体物としてそのまま多色反射板の形
成に用いうるし、基板より剥離してフィルムなどからな
る多色反射板の形成に用いることもできる。
ってもよいし、溶剤による溶液として展開することもで
きる。溶液とする場合に使用する溶剤としては、例えば
塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタ
ン、等のハロゲン化炭化水素、シクロヘキサノン等のケ
トン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類、N−メチルピロリドンなどの適宜なものを用いう
る。展開は、バーコーターやスピナー、ロールコーター
などの適宜な塗工機にて行うことができる。
は、薄すぎると選択反射特性(色特性)を示しにくくな
り、厚すぎると均一配向性に劣って選択反射特性を示さ
なかったり、配向処理に長時間を要することなどの理由
により、0.5〜20μmであることが好ましく、特に
1〜10μmであることが好ましい。なお多色反射板の
形成に際しては、当該液晶ポリマー以外のポリマーや安
定剤、可塑剤などの無機化合物、有機化合物、金属やそ
の化合物などの1種以上の添加剤を必要に応じて配合す
ることができる。
性基の有効成分含有量の相違に基づいて反射波長の異な
る反射領域を形成することにより行うことができる。そ
の場合、活性光線を照射する方式では、一般的に光学活
性基の有効成分を減少させる処理となるので反射光を長
波長化する処理となる。
化においては、反射領域は、赤色領域、緑色領域、青色
領域(RGB)からなることが好ましく、且つこれらの
反射領域が規則的に形成されていることが好ましい。こ
のような反射領域を有する多色反射板を形成する場合に
は、最も短波長の青以下の反射波長を示す液晶ポリマー
をべースに用いて、それを活性光線を介し所定の配色パ
ターンとなるように長波長化処理する必要がある。
応じた2色以上の適宜な数に設定でき、その配色パター
ンや色区画の大きさなどについても使用目的に応じて適
宜に決定することができる。ちなみに反射型液晶表示装
置に好適なRGB反射板では、例えばトライアングル状
やストライブ状、格子状や市松模様状などの配置パター
ンが一般的である。また活性光線の照射方式では、フォ
トマスク等を使用して照射量を精度よくコントロールで
きることより、色区画の大きさを数ミクロンオーダーと
することも可能である。なお上記した活性光線の照射方
式において、照射対象の非流動層は、配向処理されてい
ないものであってもよいが、配向の再現性による発色精
度などの点より、予め配向処理して所定の単色反射を示
す非流動層に対して多色化するための照射処理を施すこ
とか好ましい。多色化に必要な活性光線の照射量は、光
学活性基の結合基等の種類や光酸発生剤の種類や配合量
などによって異なるが、一般には0.1〜10000m
J/cm2 程度の照射量とされる。
施した非流動層における所定の配色は、上記した加熱配
向処理(加熱配向処理工程)を行うことにより発現させ
ることができる。加熱配向処理前の状態、従って多色化
処理を終えた状態のままでは目的の配色が発現せず、多
色化処理前の状態を維持する。加熱配向処理は、多色化
するための照射処理と同時に施すことも出来るし、照射
処理後に施すことも出来る。
板として種々の目的に用いることができ、特にRGB等
の配色パターンからなる色区画の精度や微細性に優れる
ものも容易に得られることより反射や液晶表示装置の多
色カラー表示等に好ましく用いることができる。
2〕に示されるモノマー(a2)((a1)においてR
1 =Hであるモノマー)が75モル%、光学活性基を含
有するモノマーとして〔化13〕に示されるモノマー
(b2)((b1)においてR 2 =H、n=2であるモ
ノマー)が25モル%の共重合体からなる重量平均分子
量が7000、ガラス転移温度が80℃、等方相転移温
度が270℃でその間の温度でコレステリック構造を示
す側鎖型コレステリック液晶ポリマーを使用した。
ノン溶液に2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−
(2’−メトキシ−4’−メトキシ−β−スチリル)ト
リアジンを液晶ポリマーの5重量%加えたものを、厚さ
50μmのトリアセチルセルロースフィルムに厚さ約
0.1μmのポリビニルアルコール層を設け、それをレ
ーヨン布でラビング処理した処理面にスピンコータにて
塗工し、乾燥後160℃で5分間加熱配向処理して室温
にて放冷し、厚さが2.0μmで反射光の中心波長が4
40nmの液晶ポリマーからなる非流動層がトリアセチ
ルセルロースフィルムと一体化した光学素子を得た。
が100%、0%の2領域をそれぞれ100μm、20
0μmピッチでストライプ状に配列形成したフォトマス
クを介して超高圧水銀ランプによる紫外線を100mJ
/cm2 照射した後、再度160℃で5分間加熱配向処
理して室温にて放冷した。次に、フォトマスクをストラ
イプパターンの直交方向に100μm移動させて、さら
に紫外線を500mJ/cm2 照射した後、160℃で
5分間加熱配向処理して室温にて放冷し、反射光の中心
波長が610nm、540nmおよび440nmからな
る3領域を100μmピッチのストライプ状配列で有す
る多色反射板を得た。
学式〔化14〕で表されるモノマー(b3)を用いてな
る、化学式〔化12〕で表したモノマー(a2)82モ
ル%、化学式〔化14〕で表したモノマー(b3)18
モル%の共重合体からなる重量平均分子量が8000、
ガラス転移温度が85℃、等方相転移温度が280℃の
側鎖型コレステリック液晶ポリマーを用いたほかは実施
例1に準じて、反射光の中心波長が610nm、540
nmおよび440nmからなる3領域を所定ピッチで有
する多色反射板を得た。
アジン化合物に代えて、2,4−ビス(トリクロロメチ
ル)−6−(4’−メトキシ−β−スチリル)トリアジ
ンを液晶ポリマーの2重量%加えた非流動層を形成し、
2回の照射量をそれぞれ80mJ/cm2、300mJ
/cm2 としたほかは実施例1に準じて、反射光の中心
波長が610nm、540nmおよび440nmからな
る3領域を所定ピッチで有する多色反射板を得た。
アジン化合物に代えて、2,4−ビス(トリクロロメチ
ル)−6−(4’−メトキシフェニル)トリアジンを液
晶ポリマーの5重量%加えた非流動層を形成し、2回の
照射量をそれぞれ500mJ/cm2 、3000mJ/
cm2 としたほかは実施例1に準じて、580nm、5
00nmおよび440nmからなる3領域を所定ピッチ
で有する多色反射板を得た。
範囲、配向性を評価した結果を表1に示した。なお、多
色反射板の色再現範囲は、各領域の反射スペクトルのシ
フトの仕方のシフト幅により評価し、また、配向性は光
学顕微鏡観察により評価した。
と、紫外線の照射量が比較例よりかなり少量であるにも
係わらず、色再現範囲が広く、しかも配向性が良好であ
った。
Claims (5)
- 【請求項1】 光学活性基含有モノマーを一成分とする
共重合体であるコレステリック液晶ポリマーがグランジ
ャン配向して形成され、前記光学活性基の有効成分含有
量の相違に基づいて反射波長の異なる複数種の反射領域
が形成された非流動層を有する多色反射板において、 前記非流動層が光酸発生剤及び/又はその光分解物を含
有すると共に、前記光酸発生剤が、トリアジン環の炭素
原子に結合する炭素原子とその隣接炭素原子間に、炭素
−炭素二重結合を有するハロゲン原子含有トリアジン化
合物であることを特徴とする多色反射板。 - 【請求項2】 前記トリアジン化合物が、下記の一般式
〔化1〕で示される化合物である請求項1記載の多色反
射板。 【化1】 (ここで、R1 〜R5 は、同一又は相異なって、水素原
子、ハロゲン原子、又はアルコキシ基を示す。) - 【請求項3】 前記光学活性基含有モノマーがシッフ塩
基を有するものである請求項1又は2記載の多色反射
板。 - 【請求項4】 光学活性基含有モノマーを一成分とする
共重合体であるコレステリック液晶ポリマーがグランジ
ャン配向して形成され、前記光学活性基の有効成分含有
量の相違に基づいて反射波長の異なる複数種の反射領域
が形成された非流動層を有する多色反射板を製造するに
際し、光酸発生剤を含有する非流動層に対し、少なくと
も活性光線照射工程及び加熱配向処理工程を行うことに
より、前記光学活性基の有効成分含有量を制御する多色
反射板の製造方法において、 前記光酸発生剤が、トリアジン環の炭素原子に結合する
炭素原子とその隣接炭素原子間に、炭素−炭素二重結合
を有するハロゲン原子含有トリアジン化合物であること
を特徴とする多色反射板の製造方法。 - 【請求項5】 前記トリアジン化合物が、下記の一般式
〔化2〕で示される化合物である請求項4記載の多色反
射板の製造方法。 【化2】 (ここで、R1 〜R5 は、同一又は相異なって、水素原
子、ハロゲン原子、又はアルコキシ基を示す。)
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