JP2000154228A - 半導電性高分子弾性部材 - Google Patents

半導電性高分子弾性部材

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JP2000154228A
JP2000154228A JP11283479A JP28347999A JP2000154228A JP 2000154228 A JP2000154228 A JP 2000154228A JP 11283479 A JP11283479 A JP 11283479A JP 28347999 A JP28347999 A JP 28347999A JP 2000154228 A JP2000154228 A JP 2000154228A
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roller
electric resistance
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JP11283479A
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English (en)
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Tadashi Nakajima
正 中島
Mitsuharu Takagi
光治 高木
Hiroshi Kaneda
博 金田
Takahiro Kawagoe
隆博 川越
Eiji Sawa
英司 澤
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間通電しても抵抗値の上昇や変動による
性能低下を招くことなく、電子写真用導電ローラとして
好適に用いることを目的とする。 【解決手段】 ポリウレタンのフォーム状発泡体を基材
とし、電気抵抗が、温度28℃,相対湿度85%におい
て測定電圧1000Vで1×105〜1×101 0[Ωc
m]であり、かつ同条件で8時間連続通電した時の電気
抵抗が初期抵抗の5倍未満であり、更に同温度/湿度条
件での測定電圧10Vにおける電気抵抗が、測定電圧5
000Vにおける電気抵抗の2倍以下であることを特徴
とする半導電性高分子弾性部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止機能を有
する包装部材や衝撃吸収部材、電子プロセス等で利用す
る半導電性高分子弾性部材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子技術の進歩に伴い電子部品を
保護するため包装材及び衝撃吸収材の帯電防止技術に対
する要求が高まっている。又、電子写真技術の進歩に伴
い乾式電子写真装置の転写材、トナーに対する接触帯電
部材として半導電性弾性ローラが注目されており、現像
ローラ、複写ローラ等に用いられている。半導電性弾性
ローラは、従来より用いられているコロトロン帯電器と
比較して、転写材等に対して低い電源電圧で必要な帯電
量が与えられるという利点がある。これらの目的に用い
られる弾性ローラには、通常ゴム・ウレタン等の高分子
エラストマーや高分子フォーム材料が用いられ、これに
カーボンブラック等の導電材を配合して所望の導電性を
付与したものが使用されていた。
【0003】このような用途に用いられる半導電性部材
は所定の電気抵抗値であるのみならず、電気抵抗の位置
ばらつきが少なく、かっ電気抵抗の印加電圧依存性が少
なく、かつ連続して通電した際の電気抵抗の変動幅が少
ないことが必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】カーボンブラック等の
混入により電子写真プロセスに必要な1×105〜1×
1010[Ωcm]という中抵抗領域で抵抗値を一定に製
造することは困難であり、又、金属や金属酸化物の粉末
やウィスカー及び/又はカーボンブラック等のフィラー
を混入することにより所定の抵抗値に調整した高分子エ
ラストマーや高分子フオーム等の高分子部材は、電気抵
抗の位置ばらつきが大きく、電気抵抗の測定電圧依存性
が大きいという問題点があった。
【0005】そこで、過塩素酸ナトリウム等の如きイオ
ン導電性物質を混入することにより中抵抗領域で抵抗一
定のローラを製造している。ところが、このようなロー
ラを長時間通電状態で運転し続けると漸次抵抗が増大し
ていき、電子写真用途に用いた場合は画像不良を引き起
こすという問題点があった。従って、本発明はかかる従
来の半導電性弾性材料の欠点を解決し、上述した諸特性
を兼備した半導電性弾性部材を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者等は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた
結果、ポリウレタンのフォーム状発泡体を基材とし、電
気抵抗が、温度28℃,相対湿度85%において測定電
圧1000Vで1×105〜1×1010[Ωcm]であ
り、かつ同条件で8時間連続通電した時の電気抵抗が初
期抵抗の5倍未満であり、更に同温度/湿度条件での測
定電圧10Vにおける電気抵抗が、測定電圧5000V
における電気抵抗の2倍以下である半導電性高分子弾性
部材であれば、長時間通電しても抵抗値の上昇や変動に
よる性能低下を招くことなく、現像ローラや複写ローラ
などの電子写真用導電性ローラとして好適に用いること
ができることを見い出し、本発明を完成したものであ
る。
【0007】従って、本発明は、ポリウレタンのフォー
ム状発泡体を基材とし、電気抵抗が、温度28℃,相対
湿度85%において測定電圧1000Vで1×105
1×1010[Ωcm]であり、かつ同条件で8時間連続
通電した時の電気抵抗が初期抵抗の5倍未満であり、更
に同温度/湿度条件での測定電圧10Vにおける電気抵
抗が、測定電圧5000Vにおける電気抵抗の2倍以下
であることを特徴とする半導電性高分子弾性部材を提供
するものである。
【0008】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明に係る半導電性高分子弾性部材は、上述のよ
うに、電気抵抗が、温度28℃,相対湿度85%におい
て測定電圧1000Vで1×105〜1×1010[Ωc
m]であり、かつ同条件で8時間連続通電した時の電気
抵抗が初期抵抗の5倍未満であり、更に同温度/湿度条
件での測定電圧10Vにおける電気抵抗が、測定電圧5
000Vにおける電気抵抗の2倍以下のものである。
【0009】本発明で基材として使用されるポリウレタ
ンのフォーム状発泡体は、ポリヒドロキシル化合物とポ
リイソシアネート化合物とを混合して加熱硬化させる一
般的な方法により得ることができる。この場合、ポリヒ
ドロキシル化合物としては、一般の軟質ポリウレタンフ
ォームやエラストマーの製造に用いられるポリオール、
即ち末端にポリヒドロキシル基を有するポリエーテルポ
リオール、ポリエステルポリオール、及び両者の共重合
物であるポリエーテルポリエステルポリオール等が挙げ
られるほか、ポリオール中にエチレン性不飽和単量体を
重合させて得られる所謂ポリマーポリオール等の一般的
なポリオールが使用できる。
【0010】上記ポリエーテルポリオール、ポリエステ
ルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール
等の親水性ポリオールを構成成分として含む親水性ウレ
タン基材を主として用いることが好ましい。ここでポリ
イソプレン・ポリオールやポリブタジエン・ポリオー
ル、水素添加ポリブタジエン・ポリオールの如き疎水性
ポリオールを主体として用いると、要求を満足するよう
な導電性を付与することが困難である。
【0011】ポリイソシアネート化合物としては、同様
に一般的な軟質ポリウレタンフォームやエラストマーの
製造に用いられるポリイソシアネート、即ちトリレンジ
イソシアネート(TDI)、粗製TDI、4,4−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MD
I、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素
数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、及びこれらポ
リイソシアネートの混合物や変性物、例えば部分的にポ
リオール類と反応させて得られるプレポリマー等が用い
られる。
【0012】また、本発明に導電剤として用いられる有
機イオン性物質については、具体的には陽イオン性界面
活性剤として、ラウリルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、
オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデ
シルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシル
トリメチルアンモニウムクロライド、変性脂肪族ジメチ
ルエチルアンモニウムエトサルフェート等が、両性イオ
ン界面活性剤として、ラウリルベタイン、ステアリルベ
タイン、ジメチルアルキルラウリルベタイン等、そし
て、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テト
ラブチルアンモニウム、ホウフッ化テトラブチルアンモ
ニウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、塩化テ
トラブチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩が例
示される。なお、これらの中では、ラウリルトリメチル
アンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフ
ェート等の陽イオン性界面活性剤、過塩素酸テトラブチ
ルアンモニウム、ホウフッ化テトラブチルアンモニウム
等の第4級アンモニウム塩が特に好ましく用いられる。
【0013】前記の基材に上記の各種の有機イオン性物
質を混合することにより、体積固有抵抗を1×105
1×1010[Ωcm]という中抵抗領域に調整すること
が可能となる。また、これらをフォーム状に発泡体とす
る場合の発泡方法に制限はないが、発泡剤を混入使用す
る方法や機械的な撹拌により気泡を混入する方法が好ま
しく用いられる。
【0014】ウレタンの製造方法に制限はないが、ポリ
エーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリテ
トラメチレンエーテルグリコール、グリセリンにポリエ
チレイオキサイドやポリプロピレンオキサイドを付加重
合したポリオール、エチレングリコール、プロパンジオ
ール、ブタンジオール等の親水性鎖延長剤とトリレンジ
イソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシ
アネート(MDI)、粗製ジフェニルメタンジイソシア
ネート(クルードMDI)、ウレタンイミン変性MD
I、イソホロンジイソシアネート等の架橋剤を、導電性
付与のために添加する第4級アンモニウム塩、及び必要
に応じてカーボンブラック等の補強剤、架橋反応触媒等
と共に混合した後、加熱硬化させる方法が好ましく用い
られる。
【0015】本発明の主な利用分野である電子写真用導
電性ローラは、現像、転写等の各ローラーとして好適に
用いられるが、これらの用途に限定されるものではな
く、帯電/除電操作を行なうための部材であればいずれ
のものにも適用できる。また、その形態も、図1に示し
たローラ状に限定されるものではなく、例えば、ブラシ
状、プレート状、ブロック状その他の形態であっても良
い。通常は、鉄にメッキを施した、或はステンレス等の
芯金を本発明の導電性材料で被覆したものであり、用途
により更にその外側を導電性及び/又は半導電性及び/
又は絶縁性の塗料により塗装しても良く、要は用途に応
じて導電性ローラー層の表面に保護皮膜を形成したり、
該ローラー層を複数層に形成することも出来る。いずれ
にしても電子写真用導電性ローラーに使用される半導電
性弾性部材は、通常、1×105〜1×1010[Ωc
m]という中抵抗領域で安定な抵抗値を示すものであ
る。
【0016】本導電性ローラを用いた転写装置の一例を
説明すると、図1に示したように、芯金1aの外側に導
電性ローラ層1bを形成した導電性ローラ1を、感光体
ドラム等の被帯電体2に紙等の転写材(図示せず)を介
して当接させ、この転写部材1と被帯電体2との間に電
源3により電圧を印加し、被帯電体と転写材間に電界を
発生させることによって、被帯電体2上のトナー等の現
像剤を転写材に転写するものである。本半導電性部材を
複写機等の電子写真装置に組み込む場合は、静電画像現
像部、トナー又は現像剤転写部等に応用される。
【0017】ここで、従来より用いられていたイオン導
電性物質として過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウ
ム、過塩素酸カルシウムの如き無機塩を添加したウレタ
ン製導電性ローラに、所定の電圧が電源3によって印加
されるが、連続的に同極性電位に保たれたまま運転を継
続した場合、導電性ローラの抵抗が上昇し、所定の電流
を通電せしめる場合に相当の高電位を印加しなくてはな
らなくなり、ひいては所定電流が確保できない状況に陥
る場合があった。
【0018】この抵抗上昇に関するメカニズムは必ずし
も明確ではないが、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリ
ウム、過塩素酸カルシウム、ホウフッ化リチウムの如き
塩の添加により導電性を発現させたローラは、同極性連
続印加がなされると、このイオン性物質の解離・分極が
起こり、電流が流れにくくなるために抵抗が上昇するも
のと考えられる。
【0019】実際、後述する実験例に示すように、過塩
素酸ナトリウムを導電剤として用いた導電性ローラに一
定極性の電圧を印加し、抵抗値が上昇したローラの内側
部分と外側部分のナトリウム量及び過塩素酸量を定量し
たところ、電圧を印加していない標準試料に比較して、
内側部分ではナトリウムが減少していると共に過塩素酸
が増加しており、一方外側部分では逆にナトリウムが増
加していた。このことから、電圧印加による過塩素酸ナ
トリウムの電気泳動分極が認められた。
【0020】イオン導電性物質として過塩素酸リチウ
ム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウムの如き無
機塩に代えて、有機イオン性物質である、ラウリルトリ
メチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチル
アンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアン
モニウムクロライド、ドテシルトリメチルアンモニウム
クロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムエト
サルフェート、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過
塩素酸テトラブチルアンモニウム、ホウフッ化テトラブ
チルアンモニウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウ
ム、塩化テトラブチルアンモニウムの如き第4級アンモ
ニウム塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上を添
加することによって、体積固有抵抗1×105〜1×1
10[Ωcm]で長時間通電時にも抵抗が安定であるウ
レタン材料を得ることができる。
【0021】この際、上記第4級アンモニウム塩の分子
量は140以上、より好ましくは200〜600の範囲
が特に好ましい。なお、この場合抵抗の通電長期安定性
には上記の第4級アンモニウム塩を添加したことが本質
的に重要であるが、本発明の効能を損なわない範囲で、
従来より用いられている過塩素酸リチウム、過塩素酸ナ
トリウム、又は過塩素酸カルシウムの如き無機塩やカー
ボンブラックを併用しても良い。ここで、親水性のポリ
ウレタンは、導電剤を添加しない状態で温度15℃、相
対湿度10%における抵抗値が、温度28℃、相対湿度
85%における抵抗値の100倍以上であり、第4級ア
ンモニウム塩を添加してもなお20倍以上の抵抗値があ
るので、過塩素酸リチウムの如き無機イオンやカーボン
ブラックを併用すると、低温低湿時と高温高湿時の抵抗
変動を少なくすることが出来る。又、第4級アンモニウ
ム塩を各種エーテル、アルコール等の溶媒に溶解して用
いることも好ましい。
【0022】第4級アンモニウム塩を形成する負イオン
種に制限は無いが、Cl-、F-、Br-、I-、Cl
4 -、BF4 -、SO4 2-、C25−SO4 -が用いられ、
特に親水性ウレタンに対する溶解性の点でClO4 -、B
4 -、C25−SO4 -が好ましく用いられる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の半導電性弾性部材の実施例で
ある導電性ローラについて述べるが、本発明は下記実施
例に制限されるものではない。なお、実施例、比較例に
先立ち、電圧印加による導電性部材の抵抗上昇メカニズ
ムについての実験例を記す。
【0024】[実験例]イオンクロマトグラフ法によ
り、イオン物質の分極移動を定量した。用いた試料は、
TDI−100(住友バイエルウレタン社製、スミジュ
ールT−100)20重量部、グリセリンにプロピレン
オキサイドとエチレンオキサイドを付加して分子量50
00としたポリエーテルポリオール(旭硝子社製、エキ
セノール828)100重量部、1,4−ブタンジオー
ル6.3重量部、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカ
社製、SF2935F)4重量部、ジブチルチンジラウ
レート0.03重量部、過塩素酸ナトリウムの33%ジ
エチレングリコールモノメチルエステル溶液0.02重
量部を、Mondomix社製泡立注入機で泡立て、そ
の混合物をローラ芯金を中央部に配置したモールドに注
入し80℃で、12時間キュアーした。キュアー後、所
定の寸法にバフし導電性ローラを得た。導電性ローラの
直径は16.5mmであった。
【0025】次いで、直怪30mmのアルミドラムを対
向電極として、Treck社製Model 610C電
源を用いて、導電性ローラの芯金に+1000Vの電圧
を8時間印加した。電圧印加時の環境は、温度28℃、
湿度85%であった。初期抵抗は約2×107Ωであっ
たものが電圧印加と共に上昇し、8時間後には約1×1
8Ω程度まで抵抗値が上昇した。
【0026】このローラの芯金よりの部分を2mmの厚
さに切り取った試料(以下内側と呼ぶ)0.5gとロー
ラの表面部分を2mmの厚さに切り取った試料(以下外
側と呼ぶ)0.5g、及び電圧を印加しなかった標準試
料0.5gを各々1.4mlの蒸留水に24時間浸漬抽
出し、イオンクロマトグラフ法により定量した。用いた
装置は、東洋曹達CCPDポンブ、ウオータースU−6
Kインジェクター、Wescan電気伝導度検出器、島
津IC−A1(アニオン分析用)又はIC−G1(カチ
オン分析用)カラムで、流速は3ml/分とした。移動
相はアニオン分析にはフタル酸緩衝液(4mM,pH
6.2)、カチオン分析には硝酸水溶液(2mM)を用
いた。分祈結果は表1に示す通りであり、その結果から
イオン物質の分極による抵抗上昇という仮説が支持され
る。
【0027】
【表1】
【0028】[実施例1]上記実験例に示した配合処
方、即ちTDI−100を20重量部、グリセリンにプ
ロピレンオキサイドとエチレンオキサイドを付加して分
子量5000としたポリエーテルポリオール100重量
部、1,4−ブタンジオール6.3重量部、シリコーン
系界面活性剤(日本ユニカ社製、SF2935F)4重
量部、ジブチルチンジラウレート0.03重量部、そし
て、上記実験例のうち過塩素酸ナトリウムの33%ジエ
チレンモノメチルエステル溶液0.02重量部に代えて
変性脂肪族・ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェ
ート(H[CH24-2025N[CH3225
4,分子量466〜550)0.5重量部をMond
omiX社製泡立て注入機で泡立て、その混合物をロー
ラ芯金を中央部に配置したモールドに注入し80℃、1
2時間キュアーした。キュアー後、所定の寸法にバフし
て導電性ローラを得た。
【0029】図1の装置において、1の半導電性弾性材
料部材として直径16.5mmの上記ローラを用い、2
の部分には直径30mmのアルミドラムを用いて、アル
ミドラムの回転数が17rpmとなるように設定した。
次いで、定電流発生電源3としてTreck社製Mod
el 610Cを用い、2μA定電流を印加した。この
時の電圧値を観測して電流値との換算からローラ抵抗を
求め、通電時間に対してプロットしたものが図2であ
る。これにより導電性ローラ抵抗の上昇はほとんど見ら
れず、良好な連続運転が可能であることが示された。
【0030】[比較例1]配合するイオン導電性材料を
変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェー
ト0.5重量部に代えて過塩素酸ナトリウム(NaCl
4、分子量122.5)の33%ジエチレングリコー
ルモノメチルエステル溶液0.02重量部とした以外
は、実施例1と同様にして実験を行い、導電性ローラ抵
抗の時間に対する変化を図3に示した。この場合、初期
抵抗が約2×107Ωであったものが電圧印加と共に上
昇し、8時間後には1×108Ω以上まで抵抗値が上昇
してしまった。このことにより初期値と同等の電流量を
確保するためには、初期値の5倍の電圧を印加しなけれ
ばならないことになる。
【0031】[実施例2]配合するイオン導電性材料を
変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェー
ト0.5重量部に代えてラウリルトリメチルアンモニウ
ムクロライド(C 1225N[CH33Cl、分子量24
9.5)の20%イソプロパノール溶液1重量部とした
以外は実施例1と同様に実験を行い、導電性ローラ抵抗
の時間に対する変化を図4に示した。これにより導電性
ローラ抵抗の上昇はほとんど見られず、良好な連続運転
が可能であることが示された。
【0032】[実施例3]配合するイオン導電性材料を
変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェー
ト0.5重量部に代えてホウフッ化テトラブチルアンモ
ニウム0.2重量部とした以外は実施例1と同様に実験
を行い、導電性ローラ抵抗の時間に対する変化を図5に
示した。導電性ローラ抵抗の上昇はほとんど見られず、
良好な連続運転が可能であることが示された。
【0033】[比較例2]配合するイオン導電性付与剤
を変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェ
ート0.5重量部に代えてアセチレンブラック2重量部
とした以外は実施例1と同様に実験を行った。図1に示
す装置より3の電源より2μAの定電流を供給した際の
電圧変動を測定したところ、ローラの回転に伴い、電圧
が周期的に50Vから400Vの間で変動した。このよ
うな現象は実施例では観測されない。
【0034】[実施例4]配合するイオン導電性付与剤
を変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェ
ート0.5重量部に加え更に過塩素酸ナトリウム(Na
ClO4・分子量122.5)の33%ジエチレングリ
コールモノメチルエステル溶液0.015重量部とした
以外は実施例1と同様に実験を行った。図1に示す装置
より3の電源より2μAの定電流を供給した際の電圧変
動を測定したところ、ローラの回転に伴い電圧が周期的
に変動する現象は観測されず、連続通電時の抵抗安定性
も良好であった。
【0035】[実施例5]配合するイオン導電性材料を
変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェー
ト0.5重量部に加え更にオイルファーネス・カーボン
ブラック(HAF級)4重量部とした以外は実施例1と
同様に実験を行った。図1に示す装置より3の電源より
2μAの定電流を供給した際の電圧変動を測定したとこ
ろ、ローラの回転に伴い電圧が周期的に変動する現象は
観測されず、連続通電時の抵抗安定性も良好であった。
【0036】[比較例3]2,4−トリレンジイソシア
ネート18.2重量部と水素添加1,2−ポリブタジエ
ンポリオール(分子量2000)100重量部、1,4
−ブタンジオール6.3重量部、シリコーン系界面活性
剤(日本ユニカ社製、SF2935F)4重量部、ジブ
チルチンジラウレート0.01重量部、変性脂肪族・ジ
メチルエチルアンモニウムエトサルフェート(H[CH
214-2025N[CH3225SO4、分子量46
6〜550)0.5重量部をMondomix社製泡立
て注入機で泡立て、その混合物をローラ芯金を中央部に
配置したモールドに注入し80℃、12時間キュアーし
た。キュアー後、所定の寸法にバフし弾性ローラを得
た。このローラの抵抗は2×1012Ωであり、導電性を
付与できなかった。
【0037】[実施例6]有機イオン性導電剤として、
変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェー
ト0.5重量部に代えてラウリルトリメチルアンモニウ
ムクロライド(C 1225N[CH33Cl、分子量24
9.5)の20%イソプロパノール溶液1重量部とした
以外は実施例1と同様にして導電性ローラを製造し、実
施例3と同様に実験を行って、導電性ローラ抵抗の時間
に対する変化を調べた。
【0038】その結果、初期抵抗が約2.8×107Ω
であったものが、8時間後には約4.3×107の抵抗
値であった。これにより、導電性ローラ抵抗の上昇はほ
とんど見られず、良好な連続運転が可能であることが確
認された。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導電性
弾性部材によれば、連続使用しても抵抗の上昇のないも
のが得られ、これを電子写真プロセスに適用すれば、長
時間使用においても安定して良好な画像が得られるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導電性弾性部材を用いた帯電システ
ムの一例を示す概略図である。
【図2】実施例1にかかる半導電性弾性部材を用いて製
造した導電性ローラの連続使用による抵抗値変化を示す
グラフである。
【図3】従来の導電性材料を用いて製造した比較例1の
導電性ローラの連続使用による抵抗値変化を示すグラフ
である。
【図4】実施例2にかかる半導電性弾性部材を用いて製
造した導電性ローラの連続使用による抵抗値変化を示す
グラフである。
【図5】実施例3にかかる半導電性弾性部材を用いて製
造した導電性ローラの連続使用による抵抗値変化を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 帯電ローラ(導電部材) 1a 芯金 1b 導電性ローラ層(主体) 2 感光体ロール(被帯電体) 3 電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 501 G03G 15/08 501D 15/16 103 15/16 103 H01B 1/24 H01B 1/24 E (72)発明者 澤 英司 神奈川県藤沢市藤沢34−2−912

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタンのフォーム状発泡体を基材
    とし、電気抵抗が、温度28℃,相対湿度85%におい
    て測定電圧1000Vで1×105〜1×1010[Ωc
    m]であり、かつ同条件で8時間連続通電した時の電気
    抵抗が初期抵抗の5倍未満であり、更に同温度/湿度条
    件での測定電圧10Vにおける電気抵抗が、測定電圧5
    000Vにおける電気抵抗の2倍以下であることを特徴
    とする半導電性高分子弾性部材。
  2. 【請求項2】 上記基材に有機イオン性物質を添加して
    なるものである請求項1記載の半導電性高分子弾性部
    材。
  3. 【請求項3】 ポリウレタンが親水性である請求項1又
    は2記載の半導電性高分子弾性部材。
  4. 【請求項4】 有機イオン性物質が陽イオン性及び/又
    は両性イオン界面活性剤である請求項2又は3記載の半
    導電性高分子弾性部材。
  5. 【請求項5】 無機イオン物質及び/又はカーボンブラ
    ックを有機イオン性物質に加えて基材に添加してなる請
    求項2、3又は4記載の半導電性高分子弾性部材。
  6. 【請求項6】 電子写真プロセス用弾性ローラである請
    求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導電性高分子弾
    性部材。
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