JP2000153873A - キャリアテープ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプロケット孔にバリを発生させないキャリ
アテープの提供。 【解決手段】 キャリアテープ１の側辺に沿って凹陥状
のスプロケット孔２、または突起状スプロケット孔を設
け、スプロケット孔を設ける際のプレスパンチ金型を不
要とし、スプロケット孔の周辺部に発生するバリに起因
する検査、位置決め装置（画像処理装置等）の誤作動を
なくしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子部品や精
密部品を多数収納して、保管、搬送し、あるいは基板等
への表面実装機の円滑な稼働を行うのに有用なキャリア
テープに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のキャリアテープは、図５（ａ）に
示すように、長尺のキャリアテープ１１の中央部に設け
られた電子部品等を収納する部品収納凹部１５とキャリ
アテープの側辺に沿って設けられたスプロケット孔１２
からなり、このスプロケット孔１２は、プレスパンチ金
型を用いて、打抜き加工により設けていた。このキャリ
アテープの移送は、図５（ｂ）に示すように、キャリア
テープ１１のスプロケット孔１２に挿入された歯１４を
有するギヤ１３を回転させて行い、部品収納用凹部１５
を所定量移動させている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】一般的なキャリアテー
プは、原材料として熱可塑性プラスチックシートを用い
ているため、プレスパンチ金型を用いたスプロケット孔
の打抜きでは、加工時にスプロケット孔の周辺部にバリ
が生じるが、このバリの発生を完全になくすことは、そ
の加工方法上、非常に困難である。また、スプロケット
孔の打抜き時に生じる孔周辺部のバリの発生を低レベル
に保持しようとした場合、摩耗によるダレを修正するた
めに、頻繁にプレスパンチ金型の研磨を行う必要があ
る。

【０００４】加えて、近年、表面実装機やチップマウン
ターに、画像処理装置等の高精度な検査、位置決め装置
が急速に導入されており、従来では、問題のないレベル
の孔周辺部のバリであっても、これらの装置が誤作動を
生じるため使用できなくなってきている。したがって、
本発明の課題は、スプロケット孔にバリを一切発生させ
ないキャリアテープを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のキャリアテープ
は、キャリアテープの側辺に沿って凹陥状または突起状
のスプロケット孔を設けている。すなわち、従来のキャ
リアテープのスプロケット孔は、貫通孔であるが、本発
明のキャリアテープでは、スプロケット孔を貫通孔とせ
ず、凹陥状または突起状に形成している。

【０００６】本発明の凹陥状または突起状のスプロケッ
ト孔は、キャリアテープのスプロケット孔を表面実装機
の構造に合わせ、下方からギヤの歯が挿入されるタイプ
の表面実装機用には突起状に、逆に移送用のギヤの歯が
上方からスプロケット孔に挿入されるタイプの表面実装
機用には凹陥状に形成することにより、スプロケット孔
を設ける際の打抜き加工を不要とし、孔周辺部からのバ
リの発生を無くしている。本発明の凹陥状または突起状
のスプロケット孔は、表面実装機のギアの歯を受け入
れ、その先端部がスプロケット孔の先端面に当接しない
大きさに形成することが好ましい。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図１は、本発明のキャリアテ
ープの部分斜視図であり、図２は、本発明のキャリアテ
ープの他の態様の部分斜視図である。また、図３は、図
１のキャリアテープの使用状態を示す部分概略図であ
り、図４は、図２のキャリアテープの使用状態を示す部
分概略図である。図１、図２に示すように、本発明のキ
ャリアテープ１，１’には、側辺に沿って凹陥状または
突起状のスプロケット孔２，２’が設けられている。

【０００８】図１に示すキャリアテープ１は、図３に示
すようにギヤ３の歯４が上方からスプロケット孔２に挿
入されるタイプの表面実装機用のもので、スプロケット
孔２が凹陥状に形成され、このスプロケット孔２に歯４
が挿入されたギヤ３が回転することにより、部品収納用
凹部５が所定量移動する。また、図２に示すキャリアテ
ープ１’は、図４に示すように、下方からギヤ３’の歯
４’が挿入されるタイプの実装機用のもので、スプロケ
ット孔２’が突起状に形成され、このスプロケット孔
２’に歯４’が挿入されたギヤ３’が回転することによ
り、部品収納用凹部５’が所定量移動する。

【０００９】本発明のキャリアテープは、一定幅にスリ
ットされた熱可塑性プラスチックシートを加熱軟化さ
せ、部品収納用凹部を単列、あるいは多列成形すると同
時に、従来のキャリアテープにおける部品収納用凹部の
成形と同様の手法（真空成形法、圧空成形法、及びプレ
ス成形法等）を用い、従来のスプロケット孔と同じ位置
に、凹陥状または突起状のスプロケット孔を成形するこ
とにより、容易に製造することができる。

【００１０】

【実施例】以下に、本発明のキャリアテープの実施例
を、図に基づき説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。 ［実施例１］幅８ｍｍ、スプロケット孔のピッチが４ｍ
ｍのキャリアテープを、以下の方法により６列採りにて
作製した。幅６０ｍｍ、厚さ０．２５ｍｍのポリスチレ
ン製シートを、予熱ロールおよび加熱ロールにより加熱
軟化させ、成形ドラム金型により真空成形法にて、１．
４５ｍｍ×２．２ｍｍ、深さ１．４ｍｍの部品収納用凹
部５と、内径φ１．６０ｍｍ、深さの内寸が２．０ｍｍ
の凹陥状スプロケット孔２を連続成形（５ｍ／ｍｉｎ）
して、図１に示すような本発明のキャリアテープＡを作
製した。 ［実施例２］また、深さの内寸が２．０ｍｍの突起状ス
プロケット孔２’を成形する他は、実施例１と同様にし
て、図２に示すような本発明のキャリアテープＢを作製
した。

【００１１】上記キャリアテープＡ，Ｂの収納凹部に、
チップ部品（セラミックコンデンサー）を収納したもの
を、表面実装機に装填して移送させたが、従来のキャリ
アテープと同様、全く支障なく移送できた。また、従来
のキャリアテープのようにスプロケット孔にバリが発生
しないため、検査、位置決め装置（画像処理装置等）の
誤作動は全く無く、表面実装機やチップマウンターに画
像処理装置を用いても、誤作動を生じることがなく、円
滑な表面実装作業が行えた。

【００１２】

【発明の効果】本発明によれば、従来のスプロケット孔
を有するキャリアテープのバリに起因する問題点を解決
することができる。すなわち、キャリアテープのスプロ
ケット孔を設ける際のプレスパンチ金型を不要とし、孔
周辺部のバリに起因する検査、位置決め装置（画像処理
装置等）の誤作動をなくすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のキャリアテープの部分斜視図である。

【図２】本発明のキャリアテープの他の態様の部分斜視
図である。

【図３】図３は、図１のキャリアテープの使用状態を示
す部分概略図である。

【図４】図２のキャリアテープの使用状態を示す部分概
略図である。

【図５】（ａ）は、従来のキャリアテープの部分斜視図
であり、（ｂ）は、（ａ）のキャリアテープの使用状態
の部分概略図である。

【符号の説明】

１、１’、１１ キャリアテープ ２、２’、１２ スプロケット孔 ３、３’、１３ ギヤ ４、４’、１４ 歯 ５、５’、１５ 部品収納用凹部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャリアテープの側辺に沿って凹陥状ま
   たは突起状のスプロケット孔を設けたことを特徴とする
   キャリアテープ。