JP2000146966A - リポタンパク質(a)の免疫学的測定方法及び免疫学的測定試薬 - Google Patents
リポタンパク質(a)の免疫学的測定方法及び免疫学的測定試薬Info
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- JP2000146966A JP2000146966A JP10320647A JP32064798A JP2000146966A JP 2000146966 A JP2000146966 A JP 2000146966A JP 10320647 A JP10320647 A JP 10320647A JP 32064798 A JP32064798 A JP 32064798A JP 2000146966 A JP2000146966 A JP 2000146966A
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 リポタンパク質(a)に結合させる抗体
として、アポリポタンパク質(a)のクリングル4様ド
メインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タ
イプ9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメイン又
はプロテアーゼ様ドメインに特異的に結合し、かつアポ
リポタンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイ
プ2には結合しない抗体だけを使用することを特徴とす
る、試料中のリポタンパク質(a)の免疫学的測定方法
及び免疫学的測定試薬。 【効果】 試料中のリポタンパク質(a)のフェノタイ
プの種類によって測定値が変動し、誤差が生じてしまう
という問題を解決できる。
として、アポリポタンパク質(a)のクリングル4様ド
メインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タ
イプ9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメイン又
はプロテアーゼ様ドメインに特異的に結合し、かつアポ
リポタンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイ
プ2には結合しない抗体だけを使用することを特徴とす
る、試料中のリポタンパク質(a)の免疫学的測定方法
及び免疫学的測定試薬。 【効果】 試料中のリポタンパク質(a)のフェノタイ
プの種類によって測定値が変動し、誤差が生じてしまう
という問題を解決できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動脈硬化症の危険
因子であり臨床的に意義があるリポタンパク質(a)を
測定する際に、試料によるリポタンパク質(a)のフェ
ノタイプの種類の違いにより測定値が変動し誤差が生じ
ることを防ぎ、試料中の正確なリポタンパク質(a)濃
度を測定することができる方法及び試薬に関するもので
ある。本発明は、分子生物学分野、医療分野、特に臨床
検査分野において有用なものである。
因子であり臨床的に意義があるリポタンパク質(a)を
測定する際に、試料によるリポタンパク質(a)のフェ
ノタイプの種類の違いにより測定値が変動し誤差が生じ
ることを防ぎ、試料中の正確なリポタンパク質(a)濃
度を測定することができる方法及び試薬に関するもので
ある。本発明は、分子生物学分野、医療分野、特に臨床
検査分野において有用なものである。
【0002】
【従来の技術】リポタンパク質(a)(lipopro
tein(a)、Lp(a))は、1963年ベルクに
よりβ−リポタンパク質の変異型として初めて報告され
た〔K.Berg,Acta Pathol.Micr
obiol.Scand.,59,369−382(1
963)〕。
tein(a)、Lp(a))は、1963年ベルクに
よりβ−リポタンパク質の変異型として初めて報告され
た〔K.Berg,Acta Pathol.Micr
obiol.Scand.,59,369−382(1
963)〕。
【0003】リポタンパク質(a)の臨床的側面につい
て、狭心症や心筋梗塞をはじめとする虚血性心疾患患者
で、試料中のリポタンパク質(a)濃度が高い者が多い
ということが報告されている〔G.Dahlen et
al.,Acta Med.Scand.,(Sup
pl.)531,1−29(1972),K.Berg
et al.,Clin.Genet.,16,34
7−352(1979),G.M.Kostner e
t al.,Atherosclerosis,38,
51−61(1981)〕。
て、狭心症や心筋梗塞をはじめとする虚血性心疾患患者
で、試料中のリポタンパク質(a)濃度が高い者が多い
ということが報告されている〔G.Dahlen et
al.,Acta Med.Scand.,(Sup
pl.)531,1−29(1972),K.Berg
et al.,Clin.Genet.,16,34
7−352(1979),G.M.Kostner e
t al.,Atherosclerosis,38,
51−61(1981)〕。
【0004】更に、リポタンパク質(a)は、コレステ
ロール、LDL−コレステロール、HDL−コレステロ
ール等の虚血性心疾患の既知のマーカーとは相関を示さ
ず、動脈硬化症、虚血性心疾患の独立した新規な危険因
子であることが報告された〔C.Ehnholm et
al.,Biochim.Biophys.Act
a,236,431−439(1971),H.Sch
riewer et al.,J.Clin.Chem.
Clin.Biochem.,22,591−596
(1984)〕。
ロール、LDL−コレステロール、HDL−コレステロ
ール等の虚血性心疾患の既知のマーカーとは相関を示さ
ず、動脈硬化症、虚血性心疾患の独立した新規な危険因
子であることが報告された〔C.Ehnholm et
al.,Biochim.Biophys.Act
a,236,431−439(1971),H.Sch
riewer et al.,J.Clin.Chem.
Clin.Biochem.,22,591−596
(1984)〕。
【0005】また、リポタンパク質(a)が動脈硬化症
の危険因子としてだけではなく、糖尿病性腎症あるいは
PTCA(経皮的冠動脈内腔拡張術)術後再狭窄をおこ
した人で高値を示す傾向があるということや、CRPの
ような急性反応性タンパク質と同様の挙動を示すという
報告もあり、血液等の生体試料中のリポタンパク質
(a)及びアポリポタンパク質(a)を測定することは
臨床的に重要な意義を持つものとなってきており、リポ
タンパク質(a)及びアポリポタンパク質(a)を正確
に測定できる方法が望まれている。
の危険因子としてだけではなく、糖尿病性腎症あるいは
PTCA(経皮的冠動脈内腔拡張術)術後再狭窄をおこ
した人で高値を示す傾向があるということや、CRPの
ような急性反応性タンパク質と同様の挙動を示すという
報告もあり、血液等の生体試料中のリポタンパク質
(a)及びアポリポタンパク質(a)を測定することは
臨床的に重要な意義を持つものとなってきており、リポ
タンパク質(a)及びアポリポタンパク質(a)を正確
に測定できる方法が望まれている。
【0006】リポタンパク質(a)は、通常生体内でコ
レステロールエステルの輸送を主な役割とする低密度リ
ポタンパク質(LDL)とリポタンパク質(a)に特有
なタンパク質であるアポリポタンパク質(a)(apo
lipoprotein(a)、apo(a)、アポ
(a))からなり、LDLのタンパク質部分であるアポ
リポタンパク質B−100とアポリポタンパク質(a)
との間でジスルフィド結合により結合した物質である
(図1参照)。
レステロールエステルの輸送を主な役割とする低密度リ
ポタンパク質(LDL)とリポタンパク質(a)に特有
なタンパク質であるアポリポタンパク質(a)(apo
lipoprotein(a)、apo(a)、アポ
(a))からなり、LDLのタンパク質部分であるアポ
リポタンパク質B−100とアポリポタンパク質(a)
との間でジスルフィド結合により結合した物質である
(図1参照)。
【0007】1987年、イートンら〔D.L.Eat
on et al.,Proc.Natl.Acad.
Sci.U.S.A.,84,3224−3228(1
987)〕は、生化学的手法により、次いでマクリーン
ら〔J.W.McLeanet al.,Natur
e,330,132−137(1987)〕は、cDN
A塩基配列よりアポリポタンパク質(a)のアミノ酸配
列を決定した。
on et al.,Proc.Natl.Acad.
Sci.U.S.A.,84,3224−3228(1
987)〕は、生化学的手法により、次いでマクリーン
ら〔J.W.McLeanet al.,Natur
e,330,132−137(1987)〕は、cDN
A塩基配列よりアポリポタンパク質(a)のアミノ酸配
列を決定した。
【0008】これによりアポリポタンパク質(a)は、
その分子構造の大部分が、線溶系に働くプラスミノーゲ
ンと相同性の高い構造から構成されていることが判明し
た。このことは、リポタンパク質(a)及びアポリポタ
ンパク質(a)が、動脈硬化、及び血液凝固線溶系を同
一の視点で考えるうえでの重要な鍵となることを示唆す
るものである。
その分子構造の大部分が、線溶系に働くプラスミノーゲ
ンと相同性の高い構造から構成されていることが判明し
た。このことは、リポタンパク質(a)及びアポリポタ
ンパク質(a)が、動脈硬化、及び血液凝固線溶系を同
一の視点で考えるうえでの重要な鍵となることを示唆す
るものである。
【0009】そして、アポリポタンパク質(a)は、セ
リンプロテアーゼであるプラスミノーゲンのクリングル
4と呼ばれる構造と相同性の高い構造を最大37個有す
るクリングル4様ドメイン、プラスミノーゲンのクリン
グル5と呼ばれる構造と相同性の高い構造からなるクリ
ングル5様ドメイン、及びプラスミノーゲンのプロテア
ーゼ構造部分と相同性の高い構造を有するプロテアーゼ
様ドメインから構成されている。なお、このクリングル
4様ドメインのクリングルは、アミノ酸レベルの違いで
10種類のタイプがあり、それぞれ、タイプ1、タイプ
2、タイプ3、タイプ4、タイプ5、タイプ6、タイプ
7、タイプ8、タイプ9及びタイプ10と呼ばれてい
る。
リンプロテアーゼであるプラスミノーゲンのクリングル
4と呼ばれる構造と相同性の高い構造を最大37個有す
るクリングル4様ドメイン、プラスミノーゲンのクリン
グル5と呼ばれる構造と相同性の高い構造からなるクリ
ングル5様ドメイン、及びプラスミノーゲンのプロテア
ーゼ構造部分と相同性の高い構造を有するプロテアーゼ
様ドメインから構成されている。なお、このクリングル
4様ドメインのクリングルは、アミノ酸レベルの違いで
10種類のタイプがあり、それぞれ、タイプ1、タイプ
2、タイプ3、タイプ4、タイプ5、タイプ6、タイプ
7、タイプ8、タイプ9及びタイプ10と呼ばれてい
る。
【0010】このクリングル4様ドメインの各タイプ
は、N末端側から、タイプ1、タイプ2、タイプ3、タ
イプ4、タイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タ
イプ9、そして、タイプ10と順につながっている
〔S.Marcovina etal.,BBRC,1
91,1192−1196(1993)〕。そして、タ
イプ2は、全く同じ構造のクリングルが10〜43個つ
ながった構造よりなっている〔McLean et a
l.,Nature,330,132−137(198
7)等〕。
は、N末端側から、タイプ1、タイプ2、タイプ3、タ
イプ4、タイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タ
イプ9、そして、タイプ10と順につながっている
〔S.Marcovina etal.,BBRC,1
91,1192−1196(1993)〕。そして、タ
イプ2は、全く同じ構造のクリングルが10〜43個つ
ながった構造よりなっている〔McLean et a
l.,Nature,330,132−137(198
7)等〕。
【0011】また、リポタンパク質(a)にはフェノタ
イプ(イソ型)が存在し、多形(型)性を有することが
報告されている。〔G.Utermann et a
l.,J.Clin.Invest.,80,458−
465(1987),H.G.Kraft et a
l.,Arteriosclerosis,8,212
−216(1988),G.Utermann et
al.,Hum.Genet.,78,41−46(1
988)〕。これは、アポリポタンパク質(a)のクリ
ングル4様ドメイン中のクリングルの繰り返し数の違い
によるものと考えられている〔V.N.Trieu e
t al.,J.Biol.Chem.,266,54
80−5485(1991)〕。
イプ(イソ型)が存在し、多形(型)性を有することが
報告されている。〔G.Utermann et a
l.,J.Clin.Invest.,80,458−
465(1987),H.G.Kraft et a
l.,Arteriosclerosis,8,212
−216(1988),G.Utermann et
al.,Hum.Genet.,78,41−46(1
988)〕。これは、アポリポタンパク質(a)のクリ
ングル4様ドメイン中のクリングルの繰り返し数の違い
によるものと考えられている〔V.N.Trieu e
t al.,J.Biol.Chem.,266,54
80−5485(1991)〕。
【0012】フェノタイプは、SDS電気泳動法と免疫
ブロット法を用いた分画により、F型、B型、S1型、
S2型、S3型、S4型及びO型が認められた〔G.U
termann et al.,J.Clin.Inv
est.,8 0,458−465(1987)〕。また
最近、クリングル4様ドメインのタイプ2のクリングル
の繰り返し数の1個の違いを明らかにできるアガロース
電気泳動法が開発された。これとウエスタンブロット法
とを組み合わせた分析により、現在34種類のフェノタ
イプが確認されている〔S.Marcovina et
al.,BBRC,191,1192−1196(1
993)〕。
ブロット法を用いた分画により、F型、B型、S1型、
S2型、S3型、S4型及びO型が認められた〔G.U
termann et al.,J.Clin.Inv
est.,8 0,458−465(1987)〕。また
最近、クリングル4様ドメインのタイプ2のクリングル
の繰り返し数の1個の違いを明らかにできるアガロース
電気泳動法が開発された。これとウエスタンブロット法
とを組み合わせた分析により、現在34種類のフェノタ
イプが確認されている〔S.Marcovina et
al.,BBRC,191,1192−1196(1
993)〕。
【0013】リポタンパク質(a)の測定方法として
は、種々の測定方法が提案されているが、低濃度のリポ
タンパク質(a)まで感度よく測定が行える方法とし
て、単純免疫拡散法、ラテックス凝集反応、ロケット免
疫電気泳動法、免疫比濁法(TIA)、ラテックス比濁
法、放射免疫測定法(RIA)〔J.J.Albers
et al.,J.Lipid Res.,18,33
1−338(1977)〕、及び酵素免疫測定法(EI
A、ELISA)〔A.Abe et al.,Cli
n.Chim.Acta,177,31−40(198
8)〕等の免疫学的測定方法が推奨され、使用されてい
る。
は、種々の測定方法が提案されているが、低濃度のリポ
タンパク質(a)まで感度よく測定が行える方法とし
て、単純免疫拡散法、ラテックス凝集反応、ロケット免
疫電気泳動法、免疫比濁法(TIA)、ラテックス比濁
法、放射免疫測定法(RIA)〔J.J.Albers
et al.,J.Lipid Res.,18,33
1−338(1977)〕、及び酵素免疫測定法(EI
A、ELISA)〔A.Abe et al.,Cli
n.Chim.Acta,177,31−40(198
8)〕等の免疫学的測定方法が推奨され、使用されてい
る。
【0014】しかし、リポタンパク質(a)を免疫原と
して動物に免疫して得られる抗体をこれらの免疫学的測
定法にそのまま使用すると、リポタンパク質(a)はそ
の分子中にLDLを含み、そしてプラスミノーゲンと相
同性の高い部分を持つため、生体試料に含まれるLDL
やプラスミノーゲンとも反応してしまい、LDLやプラ
スミノーゲンをも測りこんでしまうので、正確なリポタ
ンパク質(a)の測定値を得ることができない。
して動物に免疫して得られる抗体をこれらの免疫学的測
定法にそのまま使用すると、リポタンパク質(a)はそ
の分子中にLDLを含み、そしてプラスミノーゲンと相
同性の高い部分を持つため、生体試料に含まれるLDL
やプラスミノーゲンとも反応してしまい、LDLやプラ
スミノーゲンをも測りこんでしまうので、正確なリポタ
ンパク質(a)の測定値を得ることができない。
【0015】そこで、リポタンパク質(a)からLDL
部分を除いたアポリポタンパク質(a)を免疫原として
用いてリポタンパク質(a)に対する抗血清(ポリクロ
ーナル抗体)を作製するという方法が報告されているが
〔G.M.Fless etal.,J.Biol.C
hem.,261,8712−8718(1986),
G.Utermann et al.,J.Biol.
Chem.,265,981−986(1990)〕、
この方法により得られた抗血清(ポリクローナル抗体)
はLDLとは交叉反応を起こさないものの、アポリポタ
ンパク質(a)はプラスミノーゲンと相同性の高い部分
を持つために、この抗血清(ポリクローナル抗体)はプ
ラスミノーゲンとは交叉反応性を有する。
部分を除いたアポリポタンパク質(a)を免疫原として
用いてリポタンパク質(a)に対する抗血清(ポリクロ
ーナル抗体)を作製するという方法が報告されているが
〔G.M.Fless etal.,J.Biol.C
hem.,261,8712−8718(1986),
G.Utermann et al.,J.Biol.
Chem.,265,981−986(1990)〕、
この方法により得られた抗血清(ポリクローナル抗体)
はLDLとは交叉反応を起こさないものの、アポリポタ
ンパク質(a)はプラスミノーゲンと相同性の高い部分
を持つために、この抗血清(ポリクローナル抗体)はプ
ラスミノーゲンとは交叉反応性を有する。
【0016】そのため、この抗血清(ポリクローナル抗
体)はヒトプラスミノーゲンで吸収操作を行いプラスミ
ノーゲンと反応する抗体を除去するという煩雑な操作を
行わなければ使用できない。そして、このような操作に
よって調製されたリポタンパク質(a)又はアポリポタ
ンパク質(a)に対する抗血清及びポリクローナル抗体
はロット差が非常に大きく、同一条件でリポタンパク質
(a)又はアポリポタンパク質(a)の測定を行った場
合には、抗血清又はポリクローナル抗体のロットによっ
て測定値に差が生じてしまうため、ロットごとに測定条
件を設定し直す必要がある。
体)はヒトプラスミノーゲンで吸収操作を行いプラスミ
ノーゲンと反応する抗体を除去するという煩雑な操作を
行わなければ使用できない。そして、このような操作に
よって調製されたリポタンパク質(a)又はアポリポタ
ンパク質(a)に対する抗血清及びポリクローナル抗体
はロット差が非常に大きく、同一条件でリポタンパク質
(a)又はアポリポタンパク質(a)の測定を行った場
合には、抗血清又はポリクローナル抗体のロットによっ
て測定値に差が生じてしまうため、ロットごとに測定条
件を設定し直す必要がある。
【0017】また、前記のように、アポリポタンパク質
(a)は、クリングル4様ドメインのタイプ2のクリン
グルの繰り返し数が一定ではなく、分子量を異にする多
形(型)性を有しフェノタイプが存在するため、前記の
免疫学的測定方法によるリポタンパク質(a)の測定値
に誤差を生じさせてしまっている。つまり、従来の免疫
学的測定方法(免疫学的測定試薬)によるリポタンパク
質(a)の測定方法(測定試薬)は、クリングル4様ド
メインのタイプ2のクリングルに結合する抗体又はこの
抗体を含むポリクローナル抗体を使用するため、クリン
グル4様ドメインのタイプ2のクリングルの繰り返し数
の違い、つまりフェノタイプの種類の違いにより、得ら
れるシグナルの量が違ってしまい、即ち測定値が変動し
てしまい、真のリポタンパク質(a)濃度とは異なる濃
度を算出してしまう(誤差を生じてしまう)ものであっ
た。
(a)は、クリングル4様ドメインのタイプ2のクリン
グルの繰り返し数が一定ではなく、分子量を異にする多
形(型)性を有しフェノタイプが存在するため、前記の
免疫学的測定方法によるリポタンパク質(a)の測定値
に誤差を生じさせてしまっている。つまり、従来の免疫
学的測定方法(免疫学的測定試薬)によるリポタンパク
質(a)の測定方法(測定試薬)は、クリングル4様ド
メインのタイプ2のクリングルに結合する抗体又はこの
抗体を含むポリクローナル抗体を使用するため、クリン
グル4様ドメインのタイプ2のクリングルの繰り返し数
の違い、つまりフェノタイプの種類の違いにより、得ら
れるシグナルの量が違ってしまい、即ち測定値が変動し
てしまい、真のリポタンパク質(a)濃度とは異なる濃
度を算出してしまう(誤差を生じてしまう)ものであっ
た。
【0018】この問題点について、多くの研究者が解決
策の模索を試みてきた。例えば、マルコビーナ(Mar
covina)らは、フェノタイプ既知の試料を、固相
化したリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメイン
のタイプ2のクリングルに結合するモノクローナル抗体
とパーオキシダーゼ(POD)で標識したリポタンパク
質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ2のクリン
グルに結合するモノクローナル抗体とを用いたELIS
A法での測定方法と、固相化したリポタンパク質(a)
のクリングル4様ドメインのタイプ2のクリングルに結
合するモノクローナル抗体とパーオキシダーゼ(PO
D)で標識したリポタンパク質(a)のクリングル4様
ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、
タイプ9又はタイプ10のクリングルに結合するモノク
ローナル抗体とを用いたELISA法での測定方法と
で、それぞれ測定して測定値の比較、検討を行っている
〔S.Marcovina et al.,Clin.
Chem.,4 1,246−255(1995)〕。
策の模索を試みてきた。例えば、マルコビーナ(Mar
covina)らは、フェノタイプ既知の試料を、固相
化したリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメイン
のタイプ2のクリングルに結合するモノクローナル抗体
とパーオキシダーゼ(POD)で標識したリポタンパク
質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ2のクリン
グルに結合するモノクローナル抗体とを用いたELIS
A法での測定方法と、固相化したリポタンパク質(a)
のクリングル4様ドメインのタイプ2のクリングルに結
合するモノクローナル抗体とパーオキシダーゼ(PO
D)で標識したリポタンパク質(a)のクリングル4様
ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、
タイプ9又はタイプ10のクリングルに結合するモノク
ローナル抗体とを用いたELISA法での測定方法と
で、それぞれ測定して測定値の比較、検討を行っている
〔S.Marcovina et al.,Clin.
Chem.,4 1,246−255(1995)〕。
【0019】しかし、ここで開示された測定方法は、い
ずれも固相化した抗体がクリングル4様ドメインのタイ
プ2のクリングルに結合する抗体であるため、試料中の
リポタンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイ
プ2のクリングルの繰り返し数の違い、つまりフェノタ
イプの種類により測定値が変動し、誤差が生じてしまう
ものである。また、リポタンパク質(a)の免疫学的測
定方法において、アポリポタンパク質(a)に対する抗
体と、アポリポタンパク質Bに対する抗体を用いる測定
方法が開示されている〔S.Marcovina et
al.,Clin.Chem.,41,246−25
5(1995)〕。
ずれも固相化した抗体がクリングル4様ドメインのタイ
プ2のクリングルに結合する抗体であるため、試料中の
リポタンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイ
プ2のクリングルの繰り返し数の違い、つまりフェノタ
イプの種類により測定値が変動し、誤差が生じてしまう
ものである。また、リポタンパク質(a)の免疫学的測
定方法において、アポリポタンパク質(a)に対する抗
体と、アポリポタンパク質Bに対する抗体を用いる測定
方法が開示されている〔S.Marcovina et
al.,Clin.Chem.,41,246−25
5(1995)〕。
【0020】しかし、この測定方法は、リポタンパク質
(a)中のアポリポタンパク質(a)とアポリポタンパ
ク質Bが1対1で結合していることを前提として考えら
れたものであるが、リポタンパク質(a)が種々のタン
パク質と相互作用を持っているという報告があり〔J.
J.Albers et al.,J.LipidRe
s.,37,192−196(1996)〕、また、リ
ジン−セファロースアフィニティークロマトグラフィー
カラムで精製したリポタンパク質(a)中のアポリポタ
ンパク質(a)とアポリポタンパク質Bの比が2対1で
あるとの報告もあるので〔G.M.Fless et
al.,Biochemistry,33,13492
−13501(1994)〕、前記の前提が成り立たな
い可能性も十分考えられる。
(a)中のアポリポタンパク質(a)とアポリポタンパ
ク質Bが1対1で結合していることを前提として考えら
れたものであるが、リポタンパク質(a)が種々のタン
パク質と相互作用を持っているという報告があり〔J.
J.Albers et al.,J.LipidRe
s.,37,192−196(1996)〕、また、リ
ジン−セファロースアフィニティークロマトグラフィー
カラムで精製したリポタンパク質(a)中のアポリポタ
ンパク質(a)とアポリポタンパク質Bの比が2対1で
あるとの報告もあるので〔G.M.Fless et
al.,Biochemistry,33,13492
−13501(1994)〕、前記の前提が成り立たな
い可能性も十分考えられる。
【0021】更に、最近、アポリポタンパク質Bと結合
していないフリーのアポリポタンパク質(a)の存在が
報告されているが〔E.Trenkwalder et
al.,Kidney Internationa
l,52,1685−1692(1997)〕、この測
定方法では、フリーのアポリポタンパク質(a)の測定
は行うことができない。
していないフリーのアポリポタンパク質(a)の存在が
報告されているが〔E.Trenkwalder et
al.,Kidney Internationa
l,52,1685−1692(1997)〕、この測
定方法では、フリーのアポリポタンパク質(a)の測定
は行うことができない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】前記のような現状に鑑
みて、本発明者らは、リポタンパク質(a)の免疫学的
測定方法及び免疫学的測定試薬において、試料中のリポ
タンパク質(a)のフェノタイプの種類によって測定値
が変動し、誤差が生じてしまう問題を、従来技術とは異
なる手段を用いて改善することを課題とした。即ち、試
料中のリポタンパク質(a)のフェノタイプの種類によ
らず、真のリポタンパク質(a)濃度を正確かつ簡便に
得ることができる試料中のリポタンパク質(a)の免疫
学的測定方法及び免疫学的測定試薬の提供を課題とした
ものである。
みて、本発明者らは、リポタンパク質(a)の免疫学的
測定方法及び免疫学的測定試薬において、試料中のリポ
タンパク質(a)のフェノタイプの種類によって測定値
が変動し、誤差が生じてしまう問題を、従来技術とは異
なる手段を用いて改善することを課題とした。即ち、試
料中のリポタンパク質(a)のフェノタイプの種類によ
らず、真のリポタンパク質(a)濃度を正確かつ簡便に
得ることができる試料中のリポタンパク質(a)の免疫
学的測定方法及び免疫学的測定試薬の提供を課題とした
ものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の発明を
包含する。 (1)試料中のリポタンパク質(a)の免疫学的測定方
法において、リポタンパク質(a)に結合させる抗体と
して、アポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメ
インのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイ
プ9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメイン又は
プロテアーゼ様ドメインに特異的に結合し、かつアポリ
ポタンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ
2には結合しない抗体だけを使用することを特徴とする
リポタンパク質(a)の免疫学的測定方法。
包含する。 (1)試料中のリポタンパク質(a)の免疫学的測定方
法において、リポタンパク質(a)に結合させる抗体と
して、アポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメ
インのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイ
プ9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメイン又は
プロテアーゼ様ドメインに特異的に結合し、かつアポリ
ポタンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ
2には結合しない抗体だけを使用することを特徴とする
リポタンパク質(a)の免疫学的測定方法。
【0024】(2)アポリポタンパク質(a)のクリン
グル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タ
イプ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリングル5様
ドメイン又はプロテアーゼ様ドメインに特異的に結合
し、かつアポリポタンパク質(a)のクリングル4様ド
メインのタイプ2には結合しない抗体が、アポリポタン
パク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ5、タ
イプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9又はタイプ10
に特異的に結合し、かつアポリポタンパク質(a)のク
リングル4様ドメインのタイプ2には結合しない抗体で
ある前記(1)に記載の測定方法。
グル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タ
イプ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリングル5様
ドメイン又はプロテアーゼ様ドメインに特異的に結合
し、かつアポリポタンパク質(a)のクリングル4様ド
メインのタイプ2には結合しない抗体が、アポリポタン
パク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ5、タ
イプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9又はタイプ10
に特異的に結合し、かつアポリポタンパク質(a)のク
リングル4様ドメインのタイプ2には結合しない抗体で
ある前記(1)に記載の測定方法。
【0025】(3)試料中のリポタンパク質(a)の免
疫学的測定試薬において、リポタンパク質(a)に結合
させる抗体として、アポリポタンパク質(a)のクリン
グル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タ
イプ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリングル5様
ドメイン又はプロテアーゼ様ドメインに特異的に結合
し、かつアポリポタンパク質(a)のクリングル4様ド
メインのタイプ2には結合しない抗体だけを使用するこ
とを特徴とするリポタンパク質(a)の免疫学的測定試
薬。
疫学的測定試薬において、リポタンパク質(a)に結合
させる抗体として、アポリポタンパク質(a)のクリン
グル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タ
イプ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリングル5様
ドメイン又はプロテアーゼ様ドメインに特異的に結合
し、かつアポリポタンパク質(a)のクリングル4様ド
メインのタイプ2には結合しない抗体だけを使用するこ
とを特徴とするリポタンパク質(a)の免疫学的測定試
薬。
【0026】(4)アポリポタンパク質(a)のクリン
グル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タ
イプ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリングル5様
ドメイン又はプロテアーゼ様ドメインに特異的に結合
し、かつアポリポタンパク質(a)のクリングル4様ド
メインのタイプ2には結合しない抗体が、アポリポタン
パク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ5、タ
イプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9又はタイプ10
に特異的に結合し、かつアポリポタンパク質(a)のク
リングル4様ドメインのタイプ2には結合しない抗体で
ある前記(3)に記載の測定試薬。
グル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タ
イプ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリングル5様
ドメイン又はプロテアーゼ様ドメインに特異的に結合
し、かつアポリポタンパク質(a)のクリングル4様ド
メインのタイプ2には結合しない抗体が、アポリポタン
パク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ5、タ
イプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9又はタイプ10
に特異的に結合し、かつアポリポタンパク質(a)のク
リングル4様ドメインのタイプ2には結合しない抗体で
ある前記(3)に記載の測定試薬。
【0027】
【発明の実施の形態】〔1〕抗体 抗体 本発明のリポタンパク質(a)の免疫学的測定方法及び
免疫学的測定試薬においては、リポタンパク質(a)に
結合させる抗体として、アポリポタンパク質(a)のク
リングル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ
7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリング
ル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ドメインに特異的に
結合し、かつアポリポタンパク質(a)のクリングル4
様ドメインのタイプ2には結合しない抗体(以下、「本
発明使用の抗体」ということがある)だけを使用する。
免疫学的測定試薬においては、リポタンパク質(a)に
結合させる抗体として、アポリポタンパク質(a)のク
リングル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ
7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリング
ル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ドメインに特異的に
結合し、かつアポリポタンパク質(a)のクリングル4
様ドメインのタイプ2には結合しない抗体(以下、「本
発明使用の抗体」ということがある)だけを使用する。
【0028】リポタンパク質(a)の測定に用いる抗体
は、「プラスミノーゲン」と結合しないことが、試料中
の「プラスミノーゲン」を測り込んで正誤差を生じない
ため好ましい。よって、「プラスミノーゲン」と非常に
相同性の高い「アポリポタンパク質(a)のクリングル
5様ドメイン及びプロテアーゼ様ドメイン」とは結合し
ない抗体であることが、「プラスミノーゲン」と結合し
てしまう可能性が非常に小さくなることから好ましい。
は、「プラスミノーゲン」と結合しないことが、試料中
の「プラスミノーゲン」を測り込んで正誤差を生じない
ため好ましい。よって、「プラスミノーゲン」と非常に
相同性の高い「アポリポタンパク質(a)のクリングル
5様ドメイン及びプロテアーゼ様ドメイン」とは結合し
ない抗体であることが、「プラスミノーゲン」と結合し
てしまう可能性が非常に小さくなることから好ましい。
【0029】この点で、本発明使用の抗体は、アポリポ
タンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ
5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9又はタイ
プ10に特異的に結合し、かつアポリポタンパク質
(a)のクリングル4様ドメインのタイプ2には結合し
ない抗体であることが好ましい。なお、この本発明使用
の抗体は、クリングル4様ドメインのタイプ2に結合し
ないことが必須であるが、アポリポタンパク質(a)の
クリングル4様ドメインのタイプ1、タイプ3又はタイ
プ4にも結合しないことが好ましい。
タンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ
5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9又はタイ
プ10に特異的に結合し、かつアポリポタンパク質
(a)のクリングル4様ドメインのタイプ2には結合し
ない抗体であることが好ましい。なお、この本発明使用
の抗体は、クリングル4様ドメインのタイプ2に結合し
ないことが必須であるが、アポリポタンパク質(a)の
クリングル4様ドメインのタイプ1、タイプ3又はタイ
プ4にも結合しないことが好ましい。
【0030】更に、この本発明使用の抗体は、LDLと
交叉反応を起こさないものであることが好ましい。そし
て、この本発明使用の抗体は、プラスミノーゲンと交叉
反応を起こさないものであることが好ましい。この本発
明使用の抗体は、ポリクローナル抗体、ポリクローナル
抗体よりなる抗血清又はモノクローナル抗体のいずれの
タイプのものでもよく、またこれらの抗体のフラグメン
ト(Fab、F(ab')2、Fab' 等)も含むものである。
交叉反応を起こさないものであることが好ましい。そし
て、この本発明使用の抗体は、プラスミノーゲンと交叉
反応を起こさないものであることが好ましい。この本発
明使用の抗体は、ポリクローナル抗体、ポリクローナル
抗体よりなる抗血清又はモノクローナル抗体のいずれの
タイプのものでもよく、またこれらの抗体のフラグメン
ト(Fab、F(ab')2、Fab' 等)も含むものである。
【0031】本発明使用の抗体は、リポタンパク質
(a)、アポリポタンパク質(a)、又はアポリポタン
パク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ5、タ
イプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ
10、クリングル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ドメ
インの全体又は一部を抗体産生用免疫原として動物に免
疫し、アポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメ
インのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイ
プ9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメイン又は
プロテアーゼ様ドメインに特異的に結合し、かつアポリ
ポタンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ
2には結合しない抗体を選択することにより得ることが
できる。
(a)、アポリポタンパク質(a)、又はアポリポタン
パク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ5、タ
イプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ
10、クリングル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ドメ
インの全体又は一部を抗体産生用免疫原として動物に免
疫し、アポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメ
インのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイ
プ9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメイン又は
プロテアーゼ様ドメインに特異的に結合し、かつアポリ
ポタンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ
2には結合しない抗体を選択することにより得ることが
できる。
【0032】この抗体産生用免疫原は、前記の物質その
ものを抗体産生用免疫原として動物に免疫してもよい
し、これらの物質と担体(キャリア)を結合させたもの
を抗体産生用免疫原として動物に免疫してもよい。な
お、抗体産生用免疫原として用いる物質が低分子物質の
場合には、担体と結合したものを免疫するのが一般的で
あるものの、アミノ酸数5のペプチドを免疫原としてこ
れに対する特異抗体を産生させたとの報告〔木山ら「日
本薬学会第112年会講演要旨集3」,1992,p.
122.〕もあるので、担体を使用することは必須では
ない。担体を使用する場合には、スカシガイのヘモシア
ニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト
血清アルブミン、ニワトリ血清アルブミン、ポリ−L−
リジン、ポリアラニルリジン、ジパルミチルリジン、破
傷風トキソイド又は多糖類等の担体として公知なものを
用いることができる。
ものを抗体産生用免疫原として動物に免疫してもよい
し、これらの物質と担体(キャリア)を結合させたもの
を抗体産生用免疫原として動物に免疫してもよい。な
お、抗体産生用免疫原として用いる物質が低分子物質の
場合には、担体と結合したものを免疫するのが一般的で
あるものの、アミノ酸数5のペプチドを免疫原としてこ
れに対する特異抗体を産生させたとの報告〔木山ら「日
本薬学会第112年会講演要旨集3」,1992,p.
122.〕もあるので、担体を使用することは必須では
ない。担体を使用する場合には、スカシガイのヘモシア
ニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト
血清アルブミン、ニワトリ血清アルブミン、ポリ−L−
リジン、ポリアラニルリジン、ジパルミチルリジン、破
傷風トキソイド又は多糖類等の担体として公知なものを
用いることができる。
【0033】そして、抗体産生用免疫原として用いる前
記の物質と担体の結合法は、グルタルアルデヒド法、1
−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミド法、マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシサ
クシニミドエステル法、N−サクシミジル−3−(2−
ピリジルジチオ)プロピオン酸法、ビスジアゾ化ベンジ
ジン法又はジパルミチルリジン法等の公知の結合法を用
いることができる。また、ニトロセルロース粒子、ポリ
ビニルピロリドン又はリポソーム等の担体に前記の物質
を吸着させたものを抗体産生用免疫原とすることもでき
る。
記の物質と担体の結合法は、グルタルアルデヒド法、1
−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミド法、マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシサ
クシニミドエステル法、N−サクシミジル−3−(2−
ピリジルジチオ)プロピオン酸法、ビスジアゾ化ベンジ
ジン法又はジパルミチルリジン法等の公知の結合法を用
いることができる。また、ニトロセルロース粒子、ポリ
ビニルピロリドン又はリポソーム等の担体に前記の物質
を吸着させたものを抗体産生用免疫原とすることもでき
る。
【0034】ポリクローナル抗体、抗血清 ポリクローナル抗体又は抗血清よりなる本発明使用の抗
体は、以下の操作により調製することができる。まず、
リポタンパク質(a)、アポリポタンパク質(a)、又
はアポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメイン
のタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9
もしくはタイプ10、クリングル5様ドメイン又はプロ
テアーゼ様ドメインの全体又は一部を抗体産生用免疫原
(担体は使用してもよいし、使用しなくてもよい)とし
て、哺乳動物(マウス、ウサギ、ラット、ヒツジ、ヤ
ギ、ウマ等)又は鳥類(ニワトリ等)に免疫する。
体は、以下の操作により調製することができる。まず、
リポタンパク質(a)、アポリポタンパク質(a)、又
はアポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメイン
のタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9
もしくはタイプ10、クリングル5様ドメイン又はプロ
テアーゼ様ドメインの全体又は一部を抗体産生用免疫原
(担体は使用してもよいし、使用しなくてもよい)とし
て、哺乳動物(マウス、ウサギ、ラット、ヒツジ、ヤ
ギ、ウマ等)又は鳥類(ニワトリ等)に免疫する。
【0035】この抗体産生用免疫原の免疫量は免疫動物
の種類、免疫注射部位等により適宜決められるものであ
るが、例えば、マウスの場合には約5〜10週齢のマウ
ス一匹当たり一回につき0.1μg〜5mg、好ましく
は50μg〜1mgの前記抗体産生用免疫原を免疫注射
する。また、ウサギの場合はウサギ一匹当たり一回につ
き10μg〜数十mgの前記抗体産生用免疫原を免疫注
射するのが好ましい。なお、抗体産生用免疫原はアジュ
バントを添加混合して免疫注射をすることが好ましい。
アジュバントとしては、フロイント完全アジュバント、
フロイント不完全アジュバント、水酸化アルミニウムア
ジュバント又は百日咳菌アジュバント等の公知なものを
用いることができる。
の種類、免疫注射部位等により適宜決められるものであ
るが、例えば、マウスの場合には約5〜10週齢のマウ
ス一匹当たり一回につき0.1μg〜5mg、好ましく
は50μg〜1mgの前記抗体産生用免疫原を免疫注射
する。また、ウサギの場合はウサギ一匹当たり一回につ
き10μg〜数十mgの前記抗体産生用免疫原を免疫注
射するのが好ましい。なお、抗体産生用免疫原はアジュ
バントを添加混合して免疫注射をすることが好ましい。
アジュバントとしては、フロイント完全アジュバント、
フロイント不完全アジュバント、水酸化アルミニウムア
ジュバント又は百日咳菌アジュバント等の公知なものを
用いることができる。
【0036】免疫注射は、皮下、静脈内、腹腔内又は背
部等の部位に行えばよい。初回免疫後、2〜3週間間隔
で、皮下、静脈内、腹腔内又は背部等の部位に抗体産生
用免疫原を追加免疫注射する。この場合も抗体産生用免
疫原はアジュバントを添加混合して追加免疫注射をする
ことが好ましい。初回免疫の後、免疫動物の血清中の抗
体価の測定をELISA法等により繰り返し行い、抗体
価がプラトーに達したら全採血を行い、血清を分離して
抗血清を得る。
部等の部位に行えばよい。初回免疫後、2〜3週間間隔
で、皮下、静脈内、腹腔内又は背部等の部位に抗体産生
用免疫原を追加免疫注射する。この場合も抗体産生用免
疫原はアジュバントを添加混合して追加免疫注射をする
ことが好ましい。初回免疫の後、免疫動物の血清中の抗
体価の測定をELISA法等により繰り返し行い、抗体
価がプラトーに達したら全採血を行い、血清を分離して
抗血清を得る。
【0037】この抗血清を、硫酸アンモニウム、硫酸ナ
トリウム等による塩析法、イオン交換クロマトグラフィ
ー、ゲル濾過法又はアフィニティークロマトグラフィー
等の方法、あるいはこれらの方法を組み合わせて抗体の
精製を行い、ポリクローナル抗体を得る。なお、これら
の抗血清又はポリクローナル抗体中には、アポリポタン
パク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ2に結
合する抗体も含まれるので、この抗体を吸収して除去す
る。この除去は、アポリポタンパク質(a)のクリング
ル4様ドメインのタイプ2からなるフラグメントを、得
られた抗体あるいは抗血清の溶液中に添加して生成した
凝集物を取り除くか、前記フラグメントを不溶化担体に
固相化してアフィニティークロマトグラフィーにより除
去する方法等により行うことができる。
トリウム等による塩析法、イオン交換クロマトグラフィ
ー、ゲル濾過法又はアフィニティークロマトグラフィー
等の方法、あるいはこれらの方法を組み合わせて抗体の
精製を行い、ポリクローナル抗体を得る。なお、これら
の抗血清又はポリクローナル抗体中には、アポリポタン
パク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ2に結
合する抗体も含まれるので、この抗体を吸収して除去す
る。この除去は、アポリポタンパク質(a)のクリング
ル4様ドメインのタイプ2からなるフラグメントを、得
られた抗体あるいは抗血清の溶液中に添加して生成した
凝集物を取り除くか、前記フラグメントを不溶化担体に
固相化してアフィニティークロマトグラフィーにより除
去する方法等により行うことができる。
【0038】また、抗体産生用免疫原に担体としてヒト
血清アルブミン又はBSAを用いた場合は、得られた抗
体あるいは抗血清中にヒト血清アルブミンと交叉反応を
起こす抗体が含まれる可能性があるので、このような抗
体の除去処理を行うことが好ましい。この除去処理方法
としては、担体として用いたヒト血清アルブミン又はB
SAを、得られた抗体あるいは抗血清の溶液中に添加し
て生成した凝集物を取り除くか、担体として用いたヒト
血清アルブミン又はBSAを不溶化担体に固相化してア
フィニティークロマトグラフィーにより除去する方法等
を用いることができる。以上のようにして本発明におけ
る抗血清及びポリクローナル抗体を得ることができる。
血清アルブミン又はBSAを用いた場合は、得られた抗
体あるいは抗血清中にヒト血清アルブミンと交叉反応を
起こす抗体が含まれる可能性があるので、このような抗
体の除去処理を行うことが好ましい。この除去処理方法
としては、担体として用いたヒト血清アルブミン又はB
SAを、得られた抗体あるいは抗血清の溶液中に添加し
て生成した凝集物を取り除くか、担体として用いたヒト
血清アルブミン又はBSAを不溶化担体に固相化してア
フィニティークロマトグラフィーにより除去する方法等
を用いることができる。以上のようにして本発明におけ
る抗血清及びポリクローナル抗体を得ることができる。
【0039】モノクローナル抗体 次に、モノクローナル抗体の調製法について以下説明を
行う。モノクローナル抗体は、ケラーらの細胞融合法
〔G.Koehler etal.,Nature,2
56,495−497(1975)〕によるハイブリド
ーマ、又はエプスタン−バーウイルス等のウイルスによ
る腫瘍化細胞等の抗体産生細胞により得ることができ
る。
行う。モノクローナル抗体は、ケラーらの細胞融合法
〔G.Koehler etal.,Nature,2
56,495−497(1975)〕によるハイブリド
ーマ、又はエプスタン−バーウイルス等のウイルスによ
る腫瘍化細胞等の抗体産生細胞により得ることができ
る。
【0040】細胞融合法によるモノクローナル抗体の調
製は、以下の操作により行うことができる。まず、リポ
タンパク質(a)、アポリポタンパク質(a)、又はア
ポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタ
イプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もし
くはタイプ10、クリングル5様ドメイン又はプロテア
ーゼ様ドメインの全体又は一部を抗体産生用免疫原(担
体は使用してもよいし、使用しなくてもよい)として、
哺乳動物(マウス、ヌードマウス、ラット等、例えば近
交系マウスのBALB/c)又は鳥類(ニワトリ等)に
免疫する。
製は、以下の操作により行うことができる。まず、リポ
タンパク質(a)、アポリポタンパク質(a)、又はア
ポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタ
イプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もし
くはタイプ10、クリングル5様ドメイン又はプロテア
ーゼ様ドメインの全体又は一部を抗体産生用免疫原(担
体は使用してもよいし、使用しなくてもよい)として、
哺乳動物(マウス、ヌードマウス、ラット等、例えば近
交系マウスのBALB/c)又は鳥類(ニワトリ等)に
免疫する。
【0041】抗体産生用免疫原の免疫量は、免疫動物の
種類、免疫注射部位等により適宜決められるものである
が、例えば、マウスの場合には一匹当たり一回につき
0.1μg〜5mgの抗体産生用免疫原を免疫注射する
のが好ましい。なお、抗体産生用免疫原はアジュバント
を添加混合して免疫注射をすることが好ましい。アジュ
バントとしては、フロイント完全アジュバント、フロイ
ント不完全アジュバント、水酸化アルミニウムアジュバ
ント又は百日咳菌アジュバント等の公知なものを用いる
ことができる。免疫注射は、皮下、静脈内、腹腔内又は
背部等の部位に行えばよい。
種類、免疫注射部位等により適宜決められるものである
が、例えば、マウスの場合には一匹当たり一回につき
0.1μg〜5mgの抗体産生用免疫原を免疫注射する
のが好ましい。なお、抗体産生用免疫原はアジュバント
を添加混合して免疫注射をすることが好ましい。アジュ
バントとしては、フロイント完全アジュバント、フロイ
ント不完全アジュバント、水酸化アルミニウムアジュバ
ント又は百日咳菌アジュバント等の公知なものを用いる
ことができる。免疫注射は、皮下、静脈内、腹腔内又は
背部等の部位に行えばよい。
【0042】初回免疫後、1〜2週間間隔で、皮下、静
脈内、腹腔内又は背部等の部位に抗体産生用免疫原を追
加免疫注射する。この追加免疫注射の回数としては2〜
6回が一般的である。この場合も抗体産生用免疫原はア
ジュバントを添加混合して追加免疫注射をすることが好
ましい。初回免疫の後、免疫動物の血清中の抗体価の測
定をELISA法等により繰り返し行い、抗体価がプラ
トーに達したら、抗体産生用免疫原を生理食塩水(0.
9%塩化ナトリウム水溶液)に溶解したものを静脈内又
は腹腔内に注射し、最終免疫とする。この最終免疫の3
〜5日後に、免疫動物の脾細胞、リンパ節細胞又は末梢
リンパ球等の抗体産生能を有する細胞を取得する。
脈内、腹腔内又は背部等の部位に抗体産生用免疫原を追
加免疫注射する。この追加免疫注射の回数としては2〜
6回が一般的である。この場合も抗体産生用免疫原はア
ジュバントを添加混合して追加免疫注射をすることが好
ましい。初回免疫の後、免疫動物の血清中の抗体価の測
定をELISA法等により繰り返し行い、抗体価がプラ
トーに達したら、抗体産生用免疫原を生理食塩水(0.
9%塩化ナトリウム水溶液)に溶解したものを静脈内又
は腹腔内に注射し、最終免疫とする。この最終免疫の3
〜5日後に、免疫動物の脾細胞、リンパ節細胞又は末梢
リンパ球等の抗体産生能を有する細胞を取得する。
【0043】この免疫動物より得られた抗体産生能を有
する細胞と哺乳動物(マウス、ヌードマウス、ラット
等)の骨髄腫細胞(ミエローマ細胞)とを細胞融合させ
るのであるが、ミエローマ細胞としてはヒポキサンチン
・グアニン・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ(H
GPRT)又はチミジンキナーゼ(TK)等の酵素を欠
損した細胞株のものが好ましく、例えば、BALB/c
マウス由来のHGPRT欠損細胞株である、P3−X6
3−Ag8株(ATCC TIB9)、P3−X63−
Ag8−U1株(癌研究リサーチソースバンク(JCR
B)9085)、P3−NS1−1−Ag4−1株(J
CRB 0009)、P3−X63−Ag8・653株
(JCRB 0028)又はSP2/O−Ag−14株
(JCRB0029)などを用いることができる。
する細胞と哺乳動物(マウス、ヌードマウス、ラット
等)の骨髄腫細胞(ミエローマ細胞)とを細胞融合させ
るのであるが、ミエローマ細胞としてはヒポキサンチン
・グアニン・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ(H
GPRT)又はチミジンキナーゼ(TK)等の酵素を欠
損した細胞株のものが好ましく、例えば、BALB/c
マウス由来のHGPRT欠損細胞株である、P3−X6
3−Ag8株(ATCC TIB9)、P3−X63−
Ag8−U1株(癌研究リサーチソースバンク(JCR
B)9085)、P3−NS1−1−Ag4−1株(J
CRB 0009)、P3−X63−Ag8・653株
(JCRB 0028)又はSP2/O−Ag−14株
(JCRB0029)などを用いることができる。
【0044】細胞融合は、各種分子量のポリエチレング
リコール(PEG)、リポソーム又はセンダイウイルス
(HVJ)等の融合促進剤を用いて行うか、又は電気融
合法により行うことができる。ミエローマ細胞がHGP
RT欠損株又はTK欠損株のものである場合には、ヒポ
キサンチン・アミノプテリン・チミジンを含む選別用培
地(HAT培地)を用いることにより、抗体産生能を有
する細胞とミエローマ細胞の融合細胞(ハイブリドー
マ)のみを選択的に培養し、増殖させることができる。
リコール(PEG)、リポソーム又はセンダイウイルス
(HVJ)等の融合促進剤を用いて行うか、又は電気融
合法により行うことができる。ミエローマ細胞がHGP
RT欠損株又はTK欠損株のものである場合には、ヒポ
キサンチン・アミノプテリン・チミジンを含む選別用培
地(HAT培地)を用いることにより、抗体産生能を有
する細胞とミエローマ細胞の融合細胞(ハイブリドー
マ)のみを選択的に培養し、増殖させることができる。
【0045】このようにして得られたハイブリドーマの
培養上清をELISA法やウエスタンブロット法等の免
疫学的測定法により測定することにより、アポリポタン
パク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ5、タ
イプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ
10、クリングル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ドメ
インに特異的に結合し、かつアポリポタンパク質(a)
のクリングル4様ドメインのタイプ2には結合しない抗
体を産生するハイブリドーマを選択することができ、こ
の方法と限界希釈法等の公知のクローニングの方法を組
み合わせて行うことにより、本発明に使用するモノクロ
ーナル抗体の産生細胞株を単離して得ることができる。
培養上清をELISA法やウエスタンブロット法等の免
疫学的測定法により測定することにより、アポリポタン
パク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ5、タ
イプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ
10、クリングル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ドメ
インに特異的に結合し、かつアポリポタンパク質(a)
のクリングル4様ドメインのタイプ2には結合しない抗
体を産生するハイブリドーマを選択することができ、こ
の方法と限界希釈法等の公知のクローニングの方法を組
み合わせて行うことにより、本発明に使用するモノクロ
ーナル抗体の産生細胞株を単離して得ることができる。
【0046】このモノクローナル抗体産生細胞株を適当
な培地で培養して、その培養上清から本発明に使用する
モノクローナル抗体を得ることができるが、培地として
は無血清培地又は低濃度血清培地等を用いてもよく、こ
の場合は抗体の精製が容易となる点で好ましく、DME
M培地、RPMI1640培地又はASF培地103等
の培地を用いることができる。
な培地で培養して、その培養上清から本発明に使用する
モノクローナル抗体を得ることができるが、培地として
は無血清培地又は低濃度血清培地等を用いてもよく、こ
の場合は抗体の精製が容易となる点で好ましく、DME
M培地、RPMI1640培地又はASF培地103等
の培地を用いることができる。
【0047】また、モノクローナル抗体産生細胞株を、
これに適合性がありプリスタン等であらかじめ刺激した
哺乳動物の腹腔内に注入し、一定期間の後、腹腔にたま
った腹水より本発明のモノクローナル抗体を得ることも
できる。このようにして得られたモノクローナル抗体
は、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム等による塩析
法、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過法又はア
フィニティークロマトグラフィー等の方法、あるいはこ
れらの方法を組み合わせることにより、精製された本発
明に使用するモノクローナル抗体を得ることができる。
これに適合性がありプリスタン等であらかじめ刺激した
哺乳動物の腹腔内に注入し、一定期間の後、腹腔にたま
った腹水より本発明のモノクローナル抗体を得ることも
できる。このようにして得られたモノクローナル抗体
は、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム等による塩析
法、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過法又はア
フィニティークロマトグラフィー等の方法、あるいはこ
れらの方法を組み合わせることにより、精製された本発
明に使用するモノクローナル抗体を得ることができる。
【0048】〔2〕測定方法、測定試薬 本発明における、リポタンパク質(a)に結合させる抗
体として、アポリポタンパク質(a)のクリングル4様
ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、
タイプ9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメイン
又はプロテアーゼ様ドメインに特異的に結合し、かつア
ポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタ
イプ2には結合しない抗体だけを使用することを特徴と
する試料中のリポタンパク質(a)の免疫学的測定方法
及び免疫学的測定試薬は、試料中のリポタンパク質
(a)のフェノタイプの種類により測定値が変動し誤差
が生じてしまうことがなく、試料中のリポタンパク質
(a)の濃度を正確かつ簡便に測定することができる方
法及び試薬である。
体として、アポリポタンパク質(a)のクリングル4様
ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、
タイプ9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメイン
又はプロテアーゼ様ドメインに特異的に結合し、かつア
ポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタ
イプ2には結合しない抗体だけを使用することを特徴と
する試料中のリポタンパク質(a)の免疫学的測定方法
及び免疫学的測定試薬は、試料中のリポタンパク質
(a)のフェノタイプの種類により測定値が変動し誤差
が生じてしまうことがなく、試料中のリポタンパク質
(a)の濃度を正確かつ簡便に測定することができる方
法及び試薬である。
【0049】なお、本発明のリポタンパク質(a)の免
疫学的測定方法及び免疫学的測定試薬に使用する前記抗
体は、アポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメ
インのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイ
プ9又はタイプ10に特異的に結合し、かつアポリポタ
ンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ2に
は結合しない抗体であることが好ましい。本発明の測定
方法及び測定試薬においては、リポタンパク質(a)に
結合させる抗体として、前記の性質を有する抗体のうち
1種類の抗体を用いるだけでなく、前記の性質を有する
複数種類の抗体を組み合わせて用いてもよい。
疫学的測定方法及び免疫学的測定試薬に使用する前記抗
体は、アポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメ
インのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイ
プ9又はタイプ10に特異的に結合し、かつアポリポタ
ンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ2に
は結合しない抗体であることが好ましい。本発明の測定
方法及び測定試薬においては、リポタンパク質(a)に
結合させる抗体として、前記の性質を有する抗体のうち
1種類の抗体を用いるだけでなく、前記の性質を有する
複数種類の抗体を組み合わせて用いてもよい。
【0050】そして、本測定方法(本測定試薬)は、抗
原抗体反応を利用する測定方法(測定試薬)、即ち免疫
学的測定方法(免疫学的測定試薬)であればいずれの方
法(試薬)においても、その測定方法(測定試薬)で使
用される抗体として、前記の抗体を用いることにより、
所期の効果を奏するものである。例えば、酵素免疫測定
法(ELISA法、EIA法)、蛍光免疫測定法、放射
免疫測定法(RIA法)、発光免疫測定法、酵素抗体
法、蛍光抗体法、免疫比濁法(TIA)、ラテックス凝
集反応、ラテックス比濁法、赤血球凝集反応、粒子凝集
反応、単純免疫拡散法、ロケット免疫電気泳動法、又は
ウエスタンブロット法等により本測定方法(本測定試
薬)は実施される。
原抗体反応を利用する測定方法(測定試薬)、即ち免疫
学的測定方法(免疫学的測定試薬)であればいずれの方
法(試薬)においても、その測定方法(測定試薬)で使
用される抗体として、前記の抗体を用いることにより、
所期の効果を奏するものである。例えば、酵素免疫測定
法(ELISA法、EIA法)、蛍光免疫測定法、放射
免疫測定法(RIA法)、発光免疫測定法、酵素抗体
法、蛍光抗体法、免疫比濁法(TIA)、ラテックス凝
集反応、ラテックス比濁法、赤血球凝集反応、粒子凝集
反応、単純免疫拡散法、ロケット免疫電気泳動法、又は
ウエスタンブロット法等により本測定方法(本測定試
薬)は実施される。
【0051】本発明の免疫学的測定方法(免疫学的測定
試薬)により測定を行うものは、試料中に含まれる、リ
ポタンパク質(a)もしくはアポリポタンパク質(a)
又はこれらの構成部分である。なお、本明細書において
は、これらを総称して「リポタンパク質(a)」と記載
する。本測定方法(本測定試薬)における試料として
は、ヒト又は動物の、血液、血清、血漿、尿、髄液、唾
液、汗、涙、腹水、羊水等の体液;ヒトもしくは動物の
脳等の臓器、毛髪、皮膚、爪、筋肉又は神経組織等の抽
出液;ヒト又は動物の糞便の抽出液又は懸濁液;細胞の
抽出液等、リポタンパク質(a)が含まれる可能性のあ
る生体試料であれば対象となる。
試薬)により測定を行うものは、試料中に含まれる、リ
ポタンパク質(a)もしくはアポリポタンパク質(a)
又はこれらの構成部分である。なお、本明細書において
は、これらを総称して「リポタンパク質(a)」と記載
する。本測定方法(本測定試薬)における試料として
は、ヒト又は動物の、血液、血清、血漿、尿、髄液、唾
液、汗、涙、腹水、羊水等の体液;ヒトもしくは動物の
脳等の臓器、毛髪、皮膚、爪、筋肉又は神経組織等の抽
出液;ヒト又は動物の糞便の抽出液又は懸濁液;細胞の
抽出液等、リポタンパク質(a)が含まれる可能性のあ
る生体試料であれば対象となる。
【0052】本測定方法(本測定試薬)を、酵素免疫測
定法、蛍光免疫測定法、放射免疫測定法又は発光免疫測
定法等の標識抗体を用いた免疫学的測定方法(免疫学的
測定試薬)により実施する場合には、サンドイッチ法又
は競合法により行うこともでき、サンドイッチ法の場合
には固相化抗体及び標識抗体等、直接リポタンパク質
(a)と結合する抗体のいずれも前記の抗体を用いる。
固相担体としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリビニルトルエン、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリメタクリレート、ラテ
ックス、ゼラチン、アガロース、セルロース、セファロ
ース、ガラス、金属、セラミックス又は磁性体等の材質
よりなるビーズ、マイクロプレート、試験管、スティッ
ク又は試験片等の形状の固相担体を用いることができ
る。固相化抗体は、固相担体と抗体を物理的吸着法、化
学的結合法又はこれらの併用等の公知の方法に従って結
合させることにより調製することができる。
定法、蛍光免疫測定法、放射免疫測定法又は発光免疫測
定法等の標識抗体を用いた免疫学的測定方法(免疫学的
測定試薬)により実施する場合には、サンドイッチ法又
は競合法により行うこともでき、サンドイッチ法の場合
には固相化抗体及び標識抗体等、直接リポタンパク質
(a)と結合する抗体のいずれも前記の抗体を用いる。
固相担体としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリビニルトルエン、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリメタクリレート、ラテ
ックス、ゼラチン、アガロース、セルロース、セファロ
ース、ガラス、金属、セラミックス又は磁性体等の材質
よりなるビーズ、マイクロプレート、試験管、スティッ
ク又は試験片等の形状の固相担体を用いることができ
る。固相化抗体は、固相担体と抗体を物理的吸着法、化
学的結合法又はこれらの併用等の公知の方法に従って結
合させることにより調製することができる。
【0053】標識物質としては、酵素免疫測定法の場合
には、パーオキシダーゼ(POD)、アルカリホスファ
ターゼ(ALP)、β−ガラクトシダーゼ、ウレアー
ゼ、カタラーゼ、グルコースオキシダーゼ、乳酸脱水素
酵素又はアミラーゼ等を、蛍光免疫測定法の場合には、
フルオレセインイソチオシアネート、テトラメチルロー
ダミンイソチオシアネート、置換ローダミンイソチオシ
アネート又はジクロロトリアジンイソチオシアネート等
を、そして放射免疫測定法の場合には、トリチウム、ヨ
ウ素125又はヨウ素131等を用いることができる。
また、発光免疫測定法は、NADH−FMNH2 −ルシ
フェラーゼ系、ルミノール−過酸化水素−POD系、ア
クリジニウムエステル系又はジオキセタン化合物系等を
用いることができる。
には、パーオキシダーゼ(POD)、アルカリホスファ
ターゼ(ALP)、β−ガラクトシダーゼ、ウレアー
ゼ、カタラーゼ、グルコースオキシダーゼ、乳酸脱水素
酵素又はアミラーゼ等を、蛍光免疫測定法の場合には、
フルオレセインイソチオシアネート、テトラメチルロー
ダミンイソチオシアネート、置換ローダミンイソチオシ
アネート又はジクロロトリアジンイソチオシアネート等
を、そして放射免疫測定法の場合には、トリチウム、ヨ
ウ素125又はヨウ素131等を用いることができる。
また、発光免疫測定法は、NADH−FMNH2 −ルシ
フェラーゼ系、ルミノール−過酸化水素−POD系、ア
クリジニウムエステル系又はジオキセタン化合物系等を
用いることができる。
【0054】標識物質と抗体との結合法は、グルタルア
ルデヒド法、マレイミド法、ピリジルジスルフィド法又
は過ヨウ素酸法等の公知の方法を用いることができる。
測定の操作法は公知の方法〔日本臨床病理学会編「臨床
病理臨時増刊特集第53号 臨床検査のためのイムノア
ッセイ−技術と応用−」,臨床病理刊行会,198
3.,石川榮治ら編「酵素免疫測定法」,第3版,医学
書院,1987.,北川常廣ら編「蛋白質核酸酵素別冊
No.31 酵素免疫測定法」,共立出版,198
7.〕等により行うことができる。
ルデヒド法、マレイミド法、ピリジルジスルフィド法又
は過ヨウ素酸法等の公知の方法を用いることができる。
測定の操作法は公知の方法〔日本臨床病理学会編「臨床
病理臨時増刊特集第53号 臨床検査のためのイムノア
ッセイ−技術と応用−」,臨床病理刊行会,198
3.,石川榮治ら編「酵素免疫測定法」,第3版,医学
書院,1987.,北川常廣ら編「蛋白質核酸酵素別冊
No.31 酵素免疫測定法」,共立出版,198
7.〕等により行うことができる。
【0055】例えば、固相化抗体と試料を反応させ、同
時に標識抗体を反応させるか、又は洗浄の後に標識抗体
を反応させて、固相化抗体−リポタンパク質(a)−標
識抗体の複合体を形成させる。そして、未結合の標識抗
体を洗浄分離して、結合標識抗体量又は未結合標識抗体
量より試料中のリポタンパク質(a)量を測定すること
ができる。具体的には、酵素免疫測定法の場合は、標識
酵素にその至適条件下で基質を反応させ、その反応生成
物の量を光学的方法等により測定する。蛍光免疫測定法
の場合には蛍光物質標識による蛍光強度を、放射免疫測
定法の場合には放射性物質標識による放射線量を測定す
る。発光免疫測定法の場合は発光反応系による発光量を
測定する。
時に標識抗体を反応させるか、又は洗浄の後に標識抗体
を反応させて、固相化抗体−リポタンパク質(a)−標
識抗体の複合体を形成させる。そして、未結合の標識抗
体を洗浄分離して、結合標識抗体量又は未結合標識抗体
量より試料中のリポタンパク質(a)量を測定すること
ができる。具体的には、酵素免疫測定法の場合は、標識
酵素にその至適条件下で基質を反応させ、その反応生成
物の量を光学的方法等により測定する。蛍光免疫測定法
の場合には蛍光物質標識による蛍光強度を、放射免疫測
定法の場合には放射性物質標識による放射線量を測定す
る。発光免疫測定法の場合は発光反応系による発光量を
測定する。
【0056】本測定方法(本測定試薬)を、免疫比濁
法、ラテックス凝集反応、ラテックス比濁法、赤血球凝
集反応又は粒子凝集反応等の免疫複合体凝集物の生成
を、その透過光や散乱光を光学的方法により測るか、目
視的に測る測定方法(測定試薬)により実施する場合に
は、溶媒として、リン酸緩衝液、グリシン緩衝液、トリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液又はグッド
緩衝液等を用いることができ、更にポリエチレングリコ
ール等の反応促進剤や非特異的反応抑制剤を含ませても
よい。
法、ラテックス凝集反応、ラテックス比濁法、赤血球凝
集反応又は粒子凝集反応等の免疫複合体凝集物の生成
を、その透過光や散乱光を光学的方法により測るか、目
視的に測る測定方法(測定試薬)により実施する場合に
は、溶媒として、リン酸緩衝液、グリシン緩衝液、トリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液又はグッド
緩衝液等を用いることができ、更にポリエチレングリコ
ール等の反応促進剤や非特異的反応抑制剤を含ませても
よい。
【0057】抗体を固相担体に感作させて用いる場合に
は、固相担体としては、ポリスチレン、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、(メタ)アクリル酸エステル類ポリマ
ー、ラテックス、ゼラチン、リポソーム、マイクロカプ
セル、赤血球、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、
金属化合物、金属、セラミックス又は磁性体等の材質よ
りなる粒子を使用することができる。この感作の方法と
しては、物理的吸着法、化学的結合法又はこれらの方法
の併用等の公知の方法を使うことができる。
は、固相担体としては、ポリスチレン、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、(メタ)アクリル酸エステル類ポリマ
ー、ラテックス、ゼラチン、リポソーム、マイクロカプ
セル、赤血球、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、
金属化合物、金属、セラミックス又は磁性体等の材質よ
りなる粒子を使用することができる。この感作の方法と
しては、物理的吸着法、化学的結合法又はこれらの方法
の併用等の公知の方法を使うことができる。
【0058】測定の操作法は公知の方法により行うこと
ができるが、例えば、光学的方法により測定する場合に
は、試料と抗体、又は試料と固相担体に感作させた抗体
とを反応させ、エンドポイント法又はレート法により、
透過光や散乱光を測定する。また、目視的に測定する場
合には、プレートやマイクロタイタープレート等の容器
中で、試料と固相担体に感作させた抗体とを反応させ、
凝集の状態を目視的に判定する。なお、目視的に測定す
る代わりにマイクロプレートリーダー等の機器を用いて
測定を行ってもよい。
ができるが、例えば、光学的方法により測定する場合に
は、試料と抗体、又は試料と固相担体に感作させた抗体
とを反応させ、エンドポイント法又はレート法により、
透過光や散乱光を測定する。また、目視的に測定する場
合には、プレートやマイクロタイタープレート等の容器
中で、試料と固相担体に感作させた抗体とを反応させ、
凝集の状態を目視的に判定する。なお、目視的に測定す
る代わりにマイクロプレートリーダー等の機器を用いて
測定を行ってもよい。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 〔実施例1〕 アポリポタンパク質(a)のクリングル
4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ
8、タイプ9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメ
イン又はプロテアーゼ様ドメインに特異的に結合し、か
つアポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメイン
のタイプ2には結合しない抗体の調製
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 〔実施例1〕 アポリポタンパク質(a)のクリングル
4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ
8、タイプ9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメ
イン又はプロテアーゼ様ドメインに特異的に結合し、か
つアポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメイン
のタイプ2には結合しない抗体の調製
【0060】〔1〕抗体産生用免疫原の調製 ヒト血清1,000mLに臭化カリウムを添加し、密度
d(Kg/L)が、1.05<d<1.12の範囲に入
るようにした。これを、超遠心分離機(日立工機社製;
SCP65型)を使用して等密度超遠心分離を行い、リ
ポタンパク質(a)に富むフラクションを分取した。次
に、このリポタンパク質(a)に富むフラクションを、
0.01%アジ化ナトリウム及び0.01%EDTAを
含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)で十分に透析
した後、このリン酸緩衝液で平衡化されているリジン−
セファロースアフィニティークロマトグラフィーカラム
にかけた。そして、十分に洗浄した後、6−アミノカプ
ロン酸を含む0.1Mリン酸緩衝液を溶出液として流
し、リポタンパク質(a)を溶出させた。このリポタン
パク質(a)を抗体産生用免疫原とした。
d(Kg/L)が、1.05<d<1.12の範囲に入
るようにした。これを、超遠心分離機(日立工機社製;
SCP65型)を使用して等密度超遠心分離を行い、リ
ポタンパク質(a)に富むフラクションを分取した。次
に、このリポタンパク質(a)に富むフラクションを、
0.01%アジ化ナトリウム及び0.01%EDTAを
含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)で十分に透析
した後、このリン酸緩衝液で平衡化されているリジン−
セファロースアフィニティークロマトグラフィーカラム
にかけた。そして、十分に洗浄した後、6−アミノカプ
ロン酸を含む0.1Mリン酸緩衝液を溶出液として流
し、リポタンパク質(a)を溶出させた。このリポタン
パク質(a)を抗体産生用免疫原とした。
【0061】〔2〕動物への免疫 (1) 前記〔1〕のようにして得たリポタンパク質
(a)を抗体産生用免疫原として、50μg/mLにな
るように生理食塩水に溶解し、これをフロイント完全ア
ジュバントと等量ずつ混合しエマルジョンとして、8週
齢のメスのBALB/cマウス(日本チャールズリバー
社)の腹部皮下に0.5mLを免疫注射した。 (2) 初回免疫から2週間後に、前記の抗体産生用免
疫原を30μg/mLになるように生理食塩水で溶解
し、フロイント不完全アジュバントと等量ずつ混合しエ
マルジョンとして、その0.5mLにより追加免疫注射
を行った。この追加免疫注射は2週間おきに行った。
(a)を抗体産生用免疫原として、50μg/mLにな
るように生理食塩水に溶解し、これをフロイント完全ア
ジュバントと等量ずつ混合しエマルジョンとして、8週
齢のメスのBALB/cマウス(日本チャールズリバー
社)の腹部皮下に0.5mLを免疫注射した。 (2) 初回免疫から2週間後に、前記の抗体産生用免
疫原を30μg/mLになるように生理食塩水で溶解
し、フロイント不完全アジュバントと等量ずつ混合しエ
マルジョンとして、その0.5mLにより追加免疫注射
を行った。この追加免疫注射は2週間おきに行った。
【0062】(3) 免疫動物であるこのマウスの血清
中の抗体価を酵素免疫測定法(ELISA法、EIA
法)にて1週間ごとに測定した。このELISA法は、
前記〔1〕で得たリポタンパク質(a)〔抗体産生用免
疫原〕をマイクロプレートに1ウエル当たり1μgずつ
固相化し、適当な濃度に希釈した免疫動物の血清をこれ
に加えて反応させ、洗浄後更にパーオキシダーゼ(PO
D)標識抗マウスIgG抗体を加えて反応を行わせ、そ
して洗浄した後、過酸化水素と2,2’−アジノ−ビス
(3−エチルベンズチアゾリン−6−スルホン酸)〔A
BTS〕を含んだ発色液を加えて発色させ、EIAプレ
ートリーダー(バイオラッド社製)にて415nmの吸
光度を測定して抗体価を求めるという操作法により行っ
た。
中の抗体価を酵素免疫測定法(ELISA法、EIA
法)にて1週間ごとに測定した。このELISA法は、
前記〔1〕で得たリポタンパク質(a)〔抗体産生用免
疫原〕をマイクロプレートに1ウエル当たり1μgずつ
固相化し、適当な濃度に希釈した免疫動物の血清をこれ
に加えて反応させ、洗浄後更にパーオキシダーゼ(PO
D)標識抗マウスIgG抗体を加えて反応を行わせ、そ
して洗浄した後、過酸化水素と2,2’−アジノ−ビス
(3−エチルベンズチアゾリン−6−スルホン酸)〔A
BTS〕を含んだ発色液を加えて発色させ、EIAプレ
ートリーダー(バイオラッド社製)にて415nmの吸
光度を測定して抗体価を求めるという操作法により行っ
た。
【0063】(4) 追加免疫を4回行った後に、抗体
価がプラトーに達したと認められたので、この免疫動物
であるマウスの腹部皮下に、生理食塩水で100μg/
mLとした前記〔1〕で得たリポタンパク質(a)〔抗
体産生用免疫原〕の0.5mLを注射した。その後3日
目に、この免疫動物のマウスより脾臓を取得した。
価がプラトーに達したと認められたので、この免疫動物
であるマウスの腹部皮下に、生理食塩水で100μg/
mLとした前記〔1〕で得たリポタンパク質(a)〔抗
体産生用免疫原〕の0.5mLを注射した。その後3日
目に、この免疫動物のマウスより脾臓を取得した。
【0064】〔3〕骨髄腫細胞の増殖 BALB/cマウス由来のヒポキサンチン・グアニン・
ホスホリボシル・トランスフェラーゼ欠損の骨髄腫細胞
株であるP3−X63−Ag8−U1株(癌研究リサー
チソースバンク 9085)を、胎生ウシ血清を10%
含有しグルタミン、ペニシリン及びストレプトマイシン
を補ったRPMI1640組織培養培地(ギブコ・オリ
エンタル社製)で増殖を行った。これは、この骨髄腫細
胞を細胞培養用中型ボトル(ヌンク社製、200mL
容)内で、ボトルの底面の約8割を細胞が占めるまで増
殖させた。なお、細胞数は、トリパン青染料排除法及び
血球計で計数を行った。
ホスホリボシル・トランスフェラーゼ欠損の骨髄腫細胞
株であるP3−X63−Ag8−U1株(癌研究リサー
チソースバンク 9085)を、胎生ウシ血清を10%
含有しグルタミン、ペニシリン及びストレプトマイシン
を補ったRPMI1640組織培養培地(ギブコ・オリ
エンタル社製)で増殖を行った。これは、この骨髄腫細
胞を細胞培養用中型ボトル(ヌンク社製、200mL
容)内で、ボトルの底面の約8割を細胞が占めるまで増
殖させた。なお、細胞数は、トリパン青染料排除法及び
血球計で計数を行った。
【0065】〔4〕細胞融合 (1) 前記の免疫動物のマウスから取得した脾臓を、
ステンレススチールメッシュ#200を使用して充分に
ほぐし、血清を含まないRPMI1640培地液で洗浄
しながら濾過した。その後、200gで遠心分離を行
い、脾臓細胞を分離した。更に、再度血清を含まないR
PMI1640培地液で3回脾臓細胞を洗浄した。 (2) この脾臓細胞と前記の増殖させたP3−X63
−Ag8−U1株骨髄腫細胞を5対1の割合で混合した
後、遠心分離を行った。混合した細胞を、ポリエチレン
グリコール1500(PEG1500、ベーリンガーマ
ンハイム社製)を50%含むRPMI1640培地液に
ゆっくりと懸濁した。そして、最終的にポリエチレング
リコール濃度が5%となるように、これをRPMI16
40培地液で徐々に希釈した。
ステンレススチールメッシュ#200を使用して充分に
ほぐし、血清を含まないRPMI1640培地液で洗浄
しながら濾過した。その後、200gで遠心分離を行
い、脾臓細胞を分離した。更に、再度血清を含まないR
PMI1640培地液で3回脾臓細胞を洗浄した。 (2) この脾臓細胞と前記の増殖させたP3−X63
−Ag8−U1株骨髄腫細胞を5対1の割合で混合した
後、遠心分離を行った。混合した細胞を、ポリエチレン
グリコール1500(PEG1500、ベーリンガーマ
ンハイム社製)を50%含むRPMI1640培地液に
ゆっくりと懸濁した。そして、最終的にポリエチレング
リコール濃度が5%となるように、これをRPMI16
40培地液で徐々に希釈した。
【0066】(3) これより細胞を遠心分離で分離
し、5%のハイブリドーマクローニングファクター(オ
リゲン社製)を含んだS−クローン培地(三光純薬社
製)よりなる増殖培地に徐々に分散させた。そして、平
底の96穴マイクロタイタープレート(ヌンク社製)の
ウエルに、1ウエル当たり106 個/100μLの細胞
数の細胞を植え、5%の二酸化炭素中37℃で培養し
た。 (4) 細胞融合後1日目に、各ウエルに100μLの
HAT培地(前記の増殖培地に0.01mMヒポキサン
チン、1.6μMチミジン及び0.04μMアミノプテ
リンとなるようにそれぞれを補充したもの、いずれも東
京化成社製)を加えた。その後3日間は、毎日、約半分
のHAT培地を新しいHAT培地と交換し、更にその後
は、2〜3日毎に同様の交換を行った。
し、5%のハイブリドーマクローニングファクター(オ
リゲン社製)を含んだS−クローン培地(三光純薬社
製)よりなる増殖培地に徐々に分散させた。そして、平
底の96穴マイクロタイタープレート(ヌンク社製)の
ウエルに、1ウエル当たり106 個/100μLの細胞
数の細胞を植え、5%の二酸化炭素中37℃で培養し
た。 (4) 細胞融合後1日目に、各ウエルに100μLの
HAT培地(前記の増殖培地に0.01mMヒポキサン
チン、1.6μMチミジン及び0.04μMアミノプテ
リンとなるようにそれぞれを補充したもの、いずれも東
京化成社製)を加えた。その後3日間は、毎日、約半分
のHAT培地を新しいHAT培地と交換し、更にその後
は、2〜3日毎に同様の交換を行った。
【0067】(5) 細胞は、顕微鏡で観察した。ハイ
ブリドーマ(融合細胞)のクローンは10日以後より出
現し、14日以降にリポタンパク質(a)に結合する抗
体の産生を検査するため、ウエルの上澄み液をELIS
A法でスクリーニングした。なお、このELISA法の
操作は、免疫動物の血清に代えてウエルの上澄み液を用
いる他は、前記〔2〕の(3)と同様にして行った。 (6) 前記(5)のスクリーニングにおいて、リポタ
ンパク質(a)に結合する抗体を産生していることが判
明したウエルのハイブリドーマを24穴のウエルがある
プレートに拡げて培養し、細胞密度が高くなるに従い、
小型ボトル、中型ボトルとスケールを大きくして培養し
た。
ブリドーマ(融合細胞)のクローンは10日以後より出
現し、14日以降にリポタンパク質(a)に結合する抗
体の産生を検査するため、ウエルの上澄み液をELIS
A法でスクリーニングした。なお、このELISA法の
操作は、免疫動物の血清に代えてウエルの上澄み液を用
いる他は、前記〔2〕の(3)と同様にして行った。 (6) 前記(5)のスクリーニングにおいて、リポタ
ンパク質(a)に結合する抗体を産生していることが判
明したウエルのハイブリドーマを24穴のウエルがある
プレートに拡げて培養し、細胞密度が高くなるに従い、
小型ボトル、中型ボトルとスケールを大きくして培養し
た。
【0068】(7) そして、ハイブリドーマはHT培
地(アミノプテリン及びハイブリドーマクローニングフ
ァクターを含まないHAT培地)で培養、保持した。 (8) リポタンパク質(a)に結合する抗体の産生を
ELISA法により前記(5)と同様にして調べたとこ
ろ、リポタンパク質(a)と結合する抗体を産生する3
2個のハイブリドーマを確認した。
地(アミノプテリン及びハイブリドーマクローニングフ
ァクターを含まないHAT培地)で培養、保持した。 (8) リポタンパク質(a)に結合する抗体の産生を
ELISA法により前記(5)と同様にして調べたとこ
ろ、リポタンパク質(a)と結合する抗体を産生する3
2個のハイブリドーマを確認した。
【0069】〔5〕ハイブリドーマサブクローニング (1) 前記の32個のハイブリドーマを限界希釈法に
てサブクローニングした。これらのハイブリドーマの細
胞数を、トリパン青染料排除法及び血球計により計数を
行った。そして、これらのハイブリドーマを、100μ
LのHT培地当たり、0.5個の生育細胞数の割合と1
個の生育細胞数の割合の2種類の割合で懸濁し、96穴
の平底マイクロプレートの1ウエル当たり100μLず
つ分注した。これを、2〜3日毎に培地を交換して、ハ
イブリドーマを増殖させた。 (2) 2週間後、顕微鏡下で各ウエルのコロニー数を
調べ、そして、リポタンパク質(a)と結合する抗体を
産生するウエルを前記と同様にしてELISA法で調べ
た。1ウエル中に1コロニーが存在し、そしてこのよう
な抗体を産生するウエルを6個得た。
てサブクローニングした。これらのハイブリドーマの細
胞数を、トリパン青染料排除法及び血球計により計数を
行った。そして、これらのハイブリドーマを、100μ
LのHT培地当たり、0.5個の生育細胞数の割合と1
個の生育細胞数の割合の2種類の割合で懸濁し、96穴
の平底マイクロプレートの1ウエル当たり100μLず
つ分注した。これを、2〜3日毎に培地を交換して、ハ
イブリドーマを増殖させた。 (2) 2週間後、顕微鏡下で各ウエルのコロニー数を
調べ、そして、リポタンパク質(a)と結合する抗体を
産生するウエルを前記と同様にしてELISA法で調べ
た。1ウエル中に1コロニーが存在し、そしてこのよう
な抗体を産生するウエルを6個得た。
【0070】(3) これを、24穴のプレートに移
し、細胞生育が良好となるまで2週間培養を行った。 (4) 次に、これらのハイブリドーマが産生する抗体
の、「アポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメ
インのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイ
プ9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメイン又は
プロテアーゼ様ドメイン」、「アポリポタンパク質
(a)のクリングル4様ドメインのタイプ1、タイプ
2、タイプ3又はタイプ4」、「LDL」、そして「プ
ラスミノーゲン」それぞれとの反応性を前記のELIS
A法により調べた。
し、細胞生育が良好となるまで2週間培養を行った。 (4) 次に、これらのハイブリドーマが産生する抗体
の、「アポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメ
インのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイ
プ9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメイン又は
プロテアーゼ様ドメイン」、「アポリポタンパク質
(a)のクリングル4様ドメインのタイプ1、タイプ
2、タイプ3又はタイプ4」、「LDL」、そして「プ
ラスミノーゲン」それぞれとの反応性を前記のELIS
A法により調べた。
【0071】(5) その後、このハイブリドーマを、
再度前記(1)及び(2)と同様にしてクローニングを
行い、それぞれのウエルについて抗体の産生を調べたと
ころ、1ウエル中に1コロニーのハイブリドーマが存在
した。そして、「アポリポタンパク質(a)のクリング
ル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイ
プ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリングル5様ド
メイン又はプロテアーゼ様ドメイン」と結合し、かつ
「アポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメイン
のタイプ1、タイプ2、タイプ3又はタイプ4」、「L
DL」とは結合しない抗体を産生するものを全部で4ク
ローン得た。
再度前記(1)及び(2)と同様にしてクローニングを
行い、それぞれのウエルについて抗体の産生を調べたと
ころ、1ウエル中に1コロニーのハイブリドーマが存在
した。そして、「アポリポタンパク質(a)のクリング
ル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイ
プ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリングル5様ド
メイン又はプロテアーゼ様ドメイン」と結合し、かつ
「アポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメイン
のタイプ1、タイプ2、タイプ3又はタイプ4」、「L
DL」とは結合しない抗体を産生するものを全部で4ク
ローン得た。
【0072】(6) これらのハイブリドーマ細胞株
を、リポタンパク質(a)に結合するモノクローナル抗
体を産生するハイブリドーマ細胞株「202A9株」、
「202F8株」、「203E2株」及び「104D1
1株」とした。これらのハイブリドーマ細胞株「202
A9株」、「202F8株」「203E2株」及び「1
04D11株」は、通商産業省工業技術院生命工学工業
技術研究所にそれぞれ「FERM P−17042」、
「FERM P−17043」、「FERM P−17
044」及び「FERM P−17045」として平成
10年11月5日付けにて寄託されている。
を、リポタンパク質(a)に結合するモノクローナル抗
体を産生するハイブリドーマ細胞株「202A9株」、
「202F8株」、「203E2株」及び「104D1
1株」とした。これらのハイブリドーマ細胞株「202
A9株」、「202F8株」「203E2株」及び「1
04D11株」は、通商産業省工業技術院生命工学工業
技術研究所にそれぞれ「FERM P−17042」、
「FERM P−17043」、「FERM P−17
044」及び「FERM P−17045」として平成
10年11月5日付けにて寄託されている。
【0073】〔6〕モノクローナル抗体の産生 (1) 得られたリポタンパク質(a)に結合するモノ
クローナル抗体産生細胞株を、中型ボトル(ヌンク社
製)の中で、底面の約8割を細胞が占めるまでHT培地
中で培養を行った。 (2) その後、これらのハイブリドーマを掻き取り、
そして200g、5分間の遠心分離を行い集めた。次
に、これを血清を含まないRPMI1640培地液で3
回洗浄した後、2mLのRPMI1640培地液に懸濁
した。
クローナル抗体産生細胞株を、中型ボトル(ヌンク社
製)の中で、底面の約8割を細胞が占めるまでHT培地
中で培養を行った。 (2) その後、これらのハイブリドーマを掻き取り、
そして200g、5分間の遠心分離を行い集めた。次
に、これを血清を含まないRPMI1640培地液で3
回洗浄した後、2mLのRPMI1640培地液に懸濁
した。
【0074】(3) 前もって2,6,10,14−テ
トラメチルペンタデカンで処置しておいたオスのBAL
B/cマウス(日本チャールズリバー社)の腹腔に、前
記(2)で得たハイブリドーマ懸濁液1mLを注射し
た。注射から2週間以内に腹部の膨張が認められなかっ
た場合には、再度これを繰り返し行った。 (4) このマウスの腹部の膨張が認められたときに腹
水を採取した。これを200g、5分間の遠心分離にか
け、リポタンパク質(a)に結合するモノクローナル抗
体を含む上澄み液をハイブリドーマから分離して取得し
た。
トラメチルペンタデカンで処置しておいたオスのBAL
B/cマウス(日本チャールズリバー社)の腹腔に、前
記(2)で得たハイブリドーマ懸濁液1mLを注射し
た。注射から2週間以内に腹部の膨張が認められなかっ
た場合には、再度これを繰り返し行った。 (4) このマウスの腹部の膨張が認められたときに腹
水を採取した。これを200g、5分間の遠心分離にか
け、リポタンパク質(a)に結合するモノクローナル抗
体を含む上澄み液をハイブリドーマから分離して取得し
た。
【0075】〔7〕モノクローナル抗体の精製 (1) リポタンパク質(a)に結合するモノクローナ
ル抗体を含む上澄み液の10mLに、22℃で硫酸ナト
リウム1.8gを撹拌しながら加え、硫酸ナトリウムが
完全に溶けてから更に1時間撹拌を続けて塩析を行っ
た。 (2) これを22℃で遠心分離(7,000g、15
分間)を行い、上澄み液と分離して得た沈殿を、30m
M塩化ナトリウムを含む40mMリン酸ナトリウム緩衝
液(pH8.0)2mLに溶解した。
ル抗体を含む上澄み液の10mLに、22℃で硫酸ナト
リウム1.8gを撹拌しながら加え、硫酸ナトリウムが
完全に溶けてから更に1時間撹拌を続けて塩析を行っ
た。 (2) これを22℃で遠心分離(7,000g、15
分間)を行い、上澄み液と分離して得た沈殿を、30m
M塩化ナトリウムを含む40mMリン酸ナトリウム緩衝
液(pH8.0)2mLに溶解した。
【0076】(3) 次に、これを前記の塩化ナトリウ
ムを含むリン酸ナトリウム緩衝液に対して充分に透析し
た後、1,000gで20分間遠心分離し不溶性のもの
を除去した。 (4) これを前記の塩化ナトリウムを含むリン酸ナト
リウム緩衝液で平衡化しておいたDEAE−セルロース
イオン交換カラム(セルバ社製)〔1×10cm〕に流
速0.4mL/分で通して、溶出液を2mLずつ集め
た。 (5) 免疫グロブリンG(IgG)が溶出液の素通り
画分に含まれていることを280nmの吸光度より確認
し、これを集めて2mLに濃縮した。
ムを含むリン酸ナトリウム緩衝液に対して充分に透析し
た後、1,000gで20分間遠心分離し不溶性のもの
を除去した。 (4) これを前記の塩化ナトリウムを含むリン酸ナト
リウム緩衝液で平衡化しておいたDEAE−セルロース
イオン交換カラム(セルバ社製)〔1×10cm〕に流
速0.4mL/分で通して、溶出液を2mLずつ集め
た。 (5) 免疫グロブリンG(IgG)が溶出液の素通り
画分に含まれていることを280nmの吸光度より確認
し、これを集めて2mLに濃縮した。
【0077】(6) 更に、これをプロテインA−セフ
ァロースCL−4Bアフィニティークロマトグラフィー
カラム(ファルマシア−エルケービー社製)にかけて精
製を行い、リポタンパク質(a)に結合するマウスモノ
クローナル抗体を得た。なお、この得られたモノクロー
ナル抗体の量は、それぞれタンパク質量で10〜30m
gであった。また、ここで得たリポタンパク質(a)に
結合するモノクローナル抗体の抗体クラスとサブタイプ
は、市販の特異抗マウス免疫グロブリン抗血清(ダコ社
製)を用いたオクタロニイ免疫拡散法により、いずれも
IgG1 、λ鎖と決定した。本実施例で得た4種類のリ
ポタンパク質(a)に結合するマウスモノクローナル抗
体を以下にまとめた。
ァロースCL−4Bアフィニティークロマトグラフィー
カラム(ファルマシア−エルケービー社製)にかけて精
製を行い、リポタンパク質(a)に結合するマウスモノ
クローナル抗体を得た。なお、この得られたモノクロー
ナル抗体の量は、それぞれタンパク質量で10〜30m
gであった。また、ここで得たリポタンパク質(a)に
結合するモノクローナル抗体の抗体クラスとサブタイプ
は、市販の特異抗マウス免疫グロブリン抗血清(ダコ社
製)を用いたオクタロニイ免疫拡散法により、いずれも
IgG1 、λ鎖と決定した。本実施例で得た4種類のリ
ポタンパク質(a)に結合するマウスモノクローナル抗
体を以下にまとめた。
【0078】 「202A9株」〔FERM P−1
7042〕由来のリポタンパク質(a)に結合する抗体 「202F8株」〔FERM P−17043〕由
来のリポタンパク質(a)に結合する抗体 「203E2株」〔FERM P−17044〕由
来のリポタンパク質(a)に結合する抗体 「104D11株」〔FERM P−17045〕
由来のリポタンパク質(a)に結合する抗体
7042〕由来のリポタンパク質(a)に結合する抗体 「202F8株」〔FERM P−17043〕由
来のリポタンパク質(a)に結合する抗体 「203E2株」〔FERM P−17044〕由
来のリポタンパク質(a)に結合する抗体 「104D11株」〔FERM P−17045〕
由来のリポタンパク質(a)に結合する抗体
【0079】〔実施例2〕 実施例1で得られたリポタ
ンパク質(a)に結合する抗体のLDLへの反応性の確
認 実施例1で得られた4種類のリポタンパク質(a)に結
合する抗体のLDLへの反応性をウエスタンブロット法
により確かめた。 (1) LDL濃度が高いヒト血清を、超遠心分離を行
い、比重が1.006以上かつ1.063以下の部分を
分取し、抗リポタンパク質(a)抗体(イムノ社製)を
リガンドとして結合させたアフィニティークロマトグラ
フィーカラムにかけて素通り画分を分取して、精製LD
Lを得た。
ンパク質(a)に結合する抗体のLDLへの反応性の確
認 実施例1で得られた4種類のリポタンパク質(a)に結
合する抗体のLDLへの反応性をウエスタンブロット法
により確かめた。 (1) LDL濃度が高いヒト血清を、超遠心分離を行
い、比重が1.006以上かつ1.063以下の部分を
分取し、抗リポタンパク質(a)抗体(イムノ社製)を
リガンドとして結合させたアフィニティークロマトグラ
フィーカラムにかけて素通り画分を分取して、精製LD
Lを得た。
【0080】(2) このLDLを0.5mg/mLに
なるように生理食塩水に溶解し、この2μLを試料とし
てタイタン・ジェル・リポタンパク質電気泳動キット
(ヘレナ研究所社製)を用いて電気泳動を行った。な
お、支持体はアガロースゲルであり、泳動緩衝液はバル
ビタール緩衝液(pH8.8)を使用して、電圧90V
で75分間通電して行った。 (3) 転写はノバ・ブロット・エレクトロフォレティ
ック・トランスファー・キット(ファルマシア−エルケ
ービー社製)を用いて、その使用説明書に従い、ドライ
方式で行った。
なるように生理食塩水に溶解し、この2μLを試料とし
てタイタン・ジェル・リポタンパク質電気泳動キット
(ヘレナ研究所社製)を用いて電気泳動を行った。な
お、支持体はアガロースゲルであり、泳動緩衝液はバル
ビタール緩衝液(pH8.8)を使用して、電圧90V
で75分間通電して行った。 (3) 転写はノバ・ブロット・エレクトロフォレティ
ック・トランスファー・キット(ファルマシア−エルケ
ービー社製)を用いて、その使用説明書に従い、ドライ
方式で行った。
【0081】(4) 転写用装置上に置いた(2)のア
ガロースゲルの上に、9cm×9cmのニトロセルロー
ス膜(バイオラッド社製)を重ね、48mMトリス(ヒ
ドロキシメチル)アミノメタン、39mMグリシン、
0.0375%(W/V)ドデシル硫酸ナトリウム(S
DS)及び20%(V/V)メタノールよりなる転写用
緩衝液を用いて、電流65mAで2時間転写を行った。 (5) 転写を行ったニトロセルロース膜を、1%BS
Aを含むリン酸緩衝生理食塩水(5.59mMリン酸水
素二ナトリウム、1.47mMリン酸二水素カリウム、
137mM塩化ナトリウム、2.68mM塩化カリウム
(pH7.2))20mLに4℃で1晩浸漬して、ブロ
ッキングを行った。
ガロースゲルの上に、9cm×9cmのニトロセルロー
ス膜(バイオラッド社製)を重ね、48mMトリス(ヒ
ドロキシメチル)アミノメタン、39mMグリシン、
0.0375%(W/V)ドデシル硫酸ナトリウム(S
DS)及び20%(V/V)メタノールよりなる転写用
緩衝液を用いて、電流65mAで2時間転写を行った。 (5) 転写を行ったニトロセルロース膜を、1%BS
Aを含むリン酸緩衝生理食塩水(5.59mMリン酸水
素二ナトリウム、1.47mMリン酸二水素カリウム、
137mM塩化ナトリウム、2.68mM塩化カリウム
(pH7.2))20mLに4℃で1晩浸漬して、ブロ
ッキングを行った。
【0082】(6) 次にこれを洗浄液〔0.05%ツ
イーン20(Tween20 )を含むリン酸緩衝生理食塩水〕
20mL中で10分間振とう洗浄を行った。この操作を
3回行った。 (7) 実施例1で得られた4種類のリポタンパク質
(a)に結合する抗体(「202A9株」由来、「20
2F8株」由来、「203E2株」由来及び「104D
11株」由来)を、それぞれ20mLのリン酸緩衝生理
食塩水に80μg溶解して4種類の溶液を調製した。次
に、これらの溶液に(6)の操作を行ったニトロセルロ
ース膜をそれぞれ室温で2時間浸漬して反応させた。
イーン20(Tween20 )を含むリン酸緩衝生理食塩水〕
20mL中で10分間振とう洗浄を行った。この操作を
3回行った。 (7) 実施例1で得られた4種類のリポタンパク質
(a)に結合する抗体(「202A9株」由来、「20
2F8株」由来、「203E2株」由来及び「104D
11株」由来)を、それぞれ20mLのリン酸緩衝生理
食塩水に80μg溶解して4種類の溶液を調製した。次
に、これらの溶液に(6)の操作を行ったニトロセルロ
ース膜をそれぞれ室温で2時間浸漬して反応させた。
【0083】(8) なお対照として、実施例1で得ら
れたリポタンパク質(a)に結合する抗体の代わりに、
LDLの構成成分のアポリポタンパク質B−100に対
する同濃度のヤギ抗アポリポタンパク質B抗体(インタ
ーナショナルエンザイム社製)を用いて、前記(7)の
操作を行った。また、(6)で得られたニトロセルロー
ス膜に、実施例1で得られたリポタンパク質(a)に結
合する抗体及び対照に使用したヤギ抗アポリポタンパク
質B抗体のいずれも作用させないものを陰性対照として
用意した。 (9) 前記(7)又は(8)の操作を行ったニトロセ
ルロース膜を洗浄液20mLで10分間振とう洗浄を行
った。これを3回行った。
れたリポタンパク質(a)に結合する抗体の代わりに、
LDLの構成成分のアポリポタンパク質B−100に対
する同濃度のヤギ抗アポリポタンパク質B抗体(インタ
ーナショナルエンザイム社製)を用いて、前記(7)の
操作を行った。また、(6)で得られたニトロセルロー
ス膜に、実施例1で得られたリポタンパク質(a)に結
合する抗体及び対照に使用したヤギ抗アポリポタンパク
質B抗体のいずれも作用させないものを陰性対照として
用意した。 (9) 前記(7)又は(8)の操作を行ったニトロセ
ルロース膜を洗浄液20mLで10分間振とう洗浄を行
った。これを3回行った。
【0084】(10) 次にパーオキシダーゼ標識抗マ
ウスIgG抗体(ダコ社製)及びパーオキシダーゼ標識
抗ヤギIgG抗体(ダコ社製)を、3%BSAを含むリ
ン酸緩衝生理食塩水で500倍希釈して20mLの溶液
を調製し、これにそれぞれのニトロセルロース膜を室温
で2時間浸漬して反応させた。 (11) これらのニトロセルロース膜を洗浄液20m
Lで10分間振とう洗浄した。これを3回行った。
ウスIgG抗体(ダコ社製)及びパーオキシダーゼ標識
抗ヤギIgG抗体(ダコ社製)を、3%BSAを含むリ
ン酸緩衝生理食塩水で500倍希釈して20mLの溶液
を調製し、これにそれぞれのニトロセルロース膜を室温
で2時間浸漬して反応させた。 (11) これらのニトロセルロース膜を洗浄液20m
Lで10分間振とう洗浄した。これを3回行った。
【0085】(12) 0.025%3,3’−ジアミ
ノベンジジン四塩酸塩及び0.01%過酸化水素を含む
リン酸緩衝生理食塩水20mLに室温で15分間前記
(11)のニトロセルロース膜を浸漬して発色させた。
このウエスタンブロット法の結果を図2に示した。図2
において、Pは対照、Nは陰性対照、1は「202A9
株」由来の抗体を作用させたもの、2は「203E2
株」由来の抗体を作用させたもの、3は「202F8
株」由来の抗体を作用させたもの、4は「104D11
株」由来の抗体を作用させたものである。
ノベンジジン四塩酸塩及び0.01%過酸化水素を含む
リン酸緩衝生理食塩水20mLに室温で15分間前記
(11)のニトロセルロース膜を浸漬して発色させた。
このウエスタンブロット法の結果を図2に示した。図2
において、Pは対照、Nは陰性対照、1は「202A9
株」由来の抗体を作用させたもの、2は「203E2
株」由来の抗体を作用させたもの、3は「202F8
株」由来の抗体を作用させたもの、4は「104D11
株」由来の抗体を作用させたものである。
【0086】図2における対照との比較より、前記実施
例1で得られた4種類のリポタンパク質(a)に結合す
る抗体は、いずれも、市販の抗アポリポタンパク質B抗
体が発色を示す位置には発色を認めないことから、LD
Lとは結合しないことが確かめられた。更に、前記実施
例1で得られた4種類の抗体、及び市販の抗アポリポタ
ンパク質B抗体のいずれも作用させていない陰性対照に
発色が見られないことから、非特異的な発色が起きてい
ないことが示された。
例1で得られた4種類のリポタンパク質(a)に結合す
る抗体は、いずれも、市販の抗アポリポタンパク質B抗
体が発色を示す位置には発色を認めないことから、LD
Lとは結合しないことが確かめられた。更に、前記実施
例1で得られた4種類の抗体、及び市販の抗アポリポタ
ンパク質B抗体のいずれも作用させていない陰性対照に
発色が見られないことから、非特異的な発色が起きてい
ないことが示された。
【0087】〔実施例3〕 実施例1で得られたリポタ
ンパク質(a)に結合する抗体のプラスミノーゲンへの
反応性の確認実施例1で得られた4種類のリポタンパク
質(a)に結合する抗体のプラスミノーゲンへの反応性
をウエスタンブロット法により確かめた。 (1) プラスミノーゲン濃度が高いヒト血漿を、超遠
心分離を行い比重が1.21以上の部分を分取し、リジ
ン−セファロース4Bアフィニティークロマトグラフィ
ーカラム(ファルマシア−エルケービー社製)にかけ、
更に抗リポタンパク質(a)抗体(イムノ社製)をリガ
ンドとして結合させたアフィニティークロマトグラフィ
ーカラムにかけて素通り画分を分取し、精製プラスミノ
ーゲンを得た。
ンパク質(a)に結合する抗体のプラスミノーゲンへの
反応性の確認実施例1で得られた4種類のリポタンパク
質(a)に結合する抗体のプラスミノーゲンへの反応性
をウエスタンブロット法により確かめた。 (1) プラスミノーゲン濃度が高いヒト血漿を、超遠
心分離を行い比重が1.21以上の部分を分取し、リジ
ン−セファロース4Bアフィニティークロマトグラフィ
ーカラム(ファルマシア−エルケービー社製)にかけ、
更に抗リポタンパク質(a)抗体(イムノ社製)をリガ
ンドとして結合させたアフィニティークロマトグラフィ
ーカラムにかけて素通り画分を分取し、精製プラスミノ
ーゲンを得た。
【0088】(2) 1.0mg/mLになるように生
理食塩水に溶解した前記精製プラスミノーゲンの10μ
Lを試料として電気泳動を行った。なお、支持体は3〜
12%SDSポリアクリルアミドゲルで、泳動緩衝液は
0.1%SDSを含む25mMトリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタン−0.19Mグリシン緩衝液を使用し
て、電流20mAで120分間通電して行った。 (3) 転写はノバ・ブロット・エレクトロフォレティ
ック・トランスファー・キット(ファルマシア−エルケ
ービー社製)を用いて、その使用説明書に従い、ドライ
方式で行った。
理食塩水に溶解した前記精製プラスミノーゲンの10μ
Lを試料として電気泳動を行った。なお、支持体は3〜
12%SDSポリアクリルアミドゲルで、泳動緩衝液は
0.1%SDSを含む25mMトリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタン−0.19Mグリシン緩衝液を使用し
て、電流20mAで120分間通電して行った。 (3) 転写はノバ・ブロット・エレクトロフォレティ
ック・トランスファー・キット(ファルマシア−エルケ
ービー社製)を用いて、その使用説明書に従い、ドライ
方式で行った。
【0089】(4) 転写用装置上に置いた前記(2)
の3〜12%SDSポリアクリルアミドゲルの上に、9
cm×9cmのニトロセルロース膜(バイオラッド社
製)を重ね、48mMトリス(ヒドロキシメチル)アミ
ノメタン、39mMグリシン、0.0375%(W/
V)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)及び20%(V
/V)メタノールよりなる転写用緩衝液を用いて、電流
65mAで2時間転写を行った。 以下の操作は、前記実施例2の(5)〜(12)に記載
の方法と同様にして行った。但し、前記実施例2の
(8)の操作において、対照として、ヤギ抗アポリポタ
ンパク質B抗体の代わりにヤギ抗プラスミノーゲン抗体
(医学生物学研究所社製)を用いて操作を行った。
の3〜12%SDSポリアクリルアミドゲルの上に、9
cm×9cmのニトロセルロース膜(バイオラッド社
製)を重ね、48mMトリス(ヒドロキシメチル)アミ
ノメタン、39mMグリシン、0.0375%(W/
V)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)及び20%(V
/V)メタノールよりなる転写用緩衝液を用いて、電流
65mAで2時間転写を行った。 以下の操作は、前記実施例2の(5)〜(12)に記載
の方法と同様にして行った。但し、前記実施例2の
(8)の操作において、対照として、ヤギ抗アポリポタ
ンパク質B抗体の代わりにヤギ抗プラスミノーゲン抗体
(医学生物学研究所社製)を用いて操作を行った。
【0090】ウエスタンブロット法の結果を図3に示し
た。図3において、Pは対照、Nは陰性対照、1は「2
02A9株」由来の抗体を作用させたもの、2は「20
3E2株」由来の抗体を作用させたもの、3は「202
F8株」由来の抗体を作用させたもの、4は「104D
11株」由来の抗体を作用させたものである。図3にお
ける対照との比較より、「202A9株」由来、「20
2F8株」由来、及び「203E2株」由来の3種類の
実施例1で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗
体は、いずれも、市販の抗プラスミノーゲン抗体が発色
を示す位置には発色を認めないことから、プラスミノー
ゲンとは結合しないことが確かめられた。
た。図3において、Pは対照、Nは陰性対照、1は「2
02A9株」由来の抗体を作用させたもの、2は「20
3E2株」由来の抗体を作用させたもの、3は「202
F8株」由来の抗体を作用させたもの、4は「104D
11株」由来の抗体を作用させたものである。図3にお
ける対照との比較より、「202A9株」由来、「20
2F8株」由来、及び「203E2株」由来の3種類の
実施例1で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗
体は、いずれも、市販の抗プラスミノーゲン抗体が発色
を示す位置には発色を認めないことから、プラスミノー
ゲンとは結合しないことが確かめられた。
【0091】また、「104D11株」由来の実施例1
で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗体は、市
販の抗プラスミノーゲン抗体が発色を示す位置に発色を
認めることから、プラスミノーゲンと結合することが確
かめられた。更に、前記実施例1で得られた4種類の抗
体及び市販の抗プラスミノーゲン抗体のいずれも作用さ
せていない陰性対照に発色が見られないことから、非特
異的な発色が起きていないことが示された。
で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗体は、市
販の抗プラスミノーゲン抗体が発色を示す位置に発色を
認めることから、プラスミノーゲンと結合することが確
かめられた。更に、前記実施例1で得られた4種類の抗
体及び市販の抗プラスミノーゲン抗体のいずれも作用さ
せていない陰性対照に発色が見られないことから、非特
異的な発色が起きていないことが示された。
【0092】〔実施例4〕 「クリングル5ドメイン及
びプロテア−ゼドメインからなるフラグメント」の調製 (1) 前記実施例3に記載の方法に従って調製した精
製プラスミノ−ゲン500mgを、0.06%トリプシ
ンインヒビターを含む0.1M炭酸水素アンモニウム緩
衝液(pH8.3)5mLに溶解後、ブタ膵エラスタ−
ゼ1.5mgを添加し、室温で4時間ゆっくりと撹拌し
ながら反応させた。
びプロテア−ゼドメインからなるフラグメント」の調製 (1) 前記実施例3に記載の方法に従って調製した精
製プラスミノ−ゲン500mgを、0.06%トリプシ
ンインヒビターを含む0.1M炭酸水素アンモニウム緩
衝液(pH8.3)5mLに溶解後、ブタ膵エラスタ−
ゼ1.5mgを添加し、室温で4時間ゆっくりと撹拌し
ながら反応させた。
【0093】(2) 次に、前記の0.1M炭酸水素ア
ンモニウム緩衝液で平衡化されているセファデックスG
−75(5×120cm)でゲルろ過を行い、ピ−ク
1、ピーク2、ピーク3及びピーク4の4つのピ−クを
得た。ピ−ク2には、「クリングル1ドメイン、クリン
グル2ドメイン及びクリングル3ドメインからなるフラ
グメント」、そして「クリングル5ドメイン及びプロテ
ア−ゼドメインからなるフラグメント」が含まれてい
た。また、ピーク3には、「クリングル4ドメインに無
関係なタンパク質」が含まれていた。
ンモニウム緩衝液で平衡化されているセファデックスG
−75(5×120cm)でゲルろ過を行い、ピ−ク
1、ピーク2、ピーク3及びピーク4の4つのピ−クを
得た。ピ−ク2には、「クリングル1ドメイン、クリン
グル2ドメイン及びクリングル3ドメインからなるフラ
グメント」、そして「クリングル5ドメイン及びプロテ
ア−ゼドメインからなるフラグメント」が含まれてい
た。また、ピーク3には、「クリングル4ドメインに無
関係なタンパク質」が含まれていた。
【0094】(3) ピ−ク2中の成分を分離するた
め、このピーク2の画分をリジン−セファロース4Bア
フィニティークロマトグラフィーカラムに通した。この
結果、素通り画分に「クリングル5ドメイン及びプロテ
ア−ゼドメインからなるフラグメント」が単一なタンパ
ク質成分として溶出した。その後、6−アミノカプロン
酸により溶出させた画分に「クリングル1ドメイン、ク
リングル2ドメイン及びクリングル3ドメインからなる
フラグメント」が単一なタンパク質成分として溶出し
た。
め、このピーク2の画分をリジン−セファロース4Bア
フィニティークロマトグラフィーカラムに通した。この
結果、素通り画分に「クリングル5ドメイン及びプロテ
ア−ゼドメインからなるフラグメント」が単一なタンパ
ク質成分として溶出した。その後、6−アミノカプロン
酸により溶出させた画分に「クリングル1ドメイン、ク
リングル2ドメイン及びクリングル3ドメインからなる
フラグメント」が単一なタンパク質成分として溶出し
た。
【0095】(4) 次に、ピ−ク3中の成分を分離す
るため、このピーク3の画分をリジン−セファロース4
Bアフィニティークロマトグラフィーカラムに通した。
この結果、「クリングル4ドメインに無関係なタンパク
質」は素通りしてしまい、その後、6−アミノカプロン
酸により溶出させた画分に、「クリングル4ドメインの
タイプ1、タイプ2及びタイプ3からなるフラグメン
ト」が単一なタンパク質成分として溶出した。
るため、このピーク3の画分をリジン−セファロース4
Bアフィニティークロマトグラフィーカラムに通した。
この結果、「クリングル4ドメインに無関係なタンパク
質」は素通りしてしまい、その後、6−アミノカプロン
酸により溶出させた画分に、「クリングル4ドメインの
タイプ1、タイプ2及びタイプ3からなるフラグメン
ト」が単一なタンパク質成分として溶出した。
【0096】〔実施例5〕 「クリングル4様ドメイン
のタイプ1、タイプ2、タイプ3及びタイプ4からなる
フラグメント」及び「クリングル4様ドメインのタイプ
5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9及びタイ
プ10、クリングル5様ドメイン、プロテアーゼ様ドメ
イン並びにLDLからなるフラグメント」の調製 (1) 実施例1に記載の方法に従って調製したヒトの
リポタンパク質(a)50mgを、150mM塩化ナト
リウム、4mM塩化カルシウム及び0.01%アジ化ナ
トリウムを含む125mMトリス塩酸緩衝液(pH7.
8)5mLに溶解した後、サーモライシン(ベーリンガ
ーマンハイム社製、40単位/mg)0.1mgを添加
し、37℃で30分間反応させた。
のタイプ1、タイプ2、タイプ3及びタイプ4からなる
フラグメント」及び「クリングル4様ドメインのタイプ
5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9及びタイ
プ10、クリングル5様ドメイン、プロテアーゼ様ドメ
イン並びにLDLからなるフラグメント」の調製 (1) 実施例1に記載の方法に従って調製したヒトの
リポタンパク質(a)50mgを、150mM塩化ナト
リウム、4mM塩化カルシウム及び0.01%アジ化ナ
トリウムを含む125mMトリス塩酸緩衝液(pH7.
8)5mLに溶解した後、サーモライシン(ベーリンガ
ーマンハイム社製、40単位/mg)0.1mgを添加
し、37℃で30分間反応させた。
【0097】(2) これに10mM EDTAを添加
し反応を止めた後、50mM塩化ナトリウム及び0.0
1%アジ化ナトリウムを含む10mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.6)に対して、4℃で一晩透析を行った。 (3) 次に、前記の塩化ナトリウム及びアジ化ナトリ
ウムを含むトリス塩酸緩衝液で平衡化されているヘパリ
ン−セファロースアフィニティークロマトグラフィーカ
ラム(ファルマシア社製、10×3cm)に通した。
し反応を止めた後、50mM塩化ナトリウム及び0.0
1%アジ化ナトリウムを含む10mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.6)に対して、4℃で一晩透析を行った。 (3) 次に、前記の塩化ナトリウム及びアジ化ナトリ
ウムを含むトリス塩酸緩衝液で平衡化されているヘパリ
ン−セファロースアフィニティークロマトグラフィーカ
ラム(ファルマシア社製、10×3cm)に通した。
【0098】このアフィニティーカラムに結合せずに素
通りしたものが「クリングル4様ドメインのタイプ1、
タイプ2、タイプ3及びタイプ4からなるフラグメン
ト」であり、0.5M塩化ナトリウム及び0.01%ア
ジ化ナトリウムを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH
7.6)を流したときに溶出してきたものが「クリング
ル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイ
プ8、タイプ9及びタイプ10、クリングル5様ドメイ
ン、プロテアーゼ様ドメイン並びにLDLからなるフラ
グメント」(LDLはクリングル4様ドメインのタイプ
9に結合している)であった。
通りしたものが「クリングル4様ドメインのタイプ1、
タイプ2、タイプ3及びタイプ4からなるフラグメン
ト」であり、0.5M塩化ナトリウム及び0.01%ア
ジ化ナトリウムを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH
7.6)を流したときに溶出してきたものが「クリング
ル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイ
プ8、タイプ9及びタイプ10、クリングル5様ドメイ
ン、プロテアーゼ様ドメイン並びにLDLからなるフラ
グメント」(LDLはクリングル4様ドメインのタイプ
9に結合している)であった。
【0099】〔実施例6〕 実施例1で得られたリポタ
ンパク質(a)に結合する抗体の「クリングル4様ドメ
インのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイ
プ9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメイン又は
プロテアーゼ様ドメイン」への反応性の確認 実施例1で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗
体のうち、3種類の抗体(「202A9株」由来、「2
02F8株」由来及び「203E2株」由来)につい
て、「クリングル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、
タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ10、ク
リングル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ドメイン」に
対する反応性をウエスタンブロット法により確かめた。
ンパク質(a)に結合する抗体の「クリングル4様ドメ
インのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイ
プ9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメイン又は
プロテアーゼ様ドメイン」への反応性の確認 実施例1で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗
体のうち、3種類の抗体(「202A9株」由来、「2
02F8株」由来及び「203E2株」由来)につい
て、「クリングル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、
タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ10、ク
リングル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ドメイン」に
対する反応性をウエスタンブロット法により確かめた。
【0100】(1) 実施例5に記載の方法に従って調
製した「クリングル4様ドメインのタイプ5、タイプ
6、タイプ7、タイプ8、タイプ9及びタイプ10、ク
リングル5様ドメイン、プロテアーゼ様ドメイン並びに
LDLからなるフラグメント」を0.5mg/mLにな
るように生理食塩水に溶解した。 (2) 次に、この2μLを試料としてタイタン・ジェ
ル・リポタンパク質電気泳動キット(ヘレナ研究所社
製)を用いて電気泳動を行った。なお、支持体はアガロ
−スゲルであり、泳動緩衝液はバルビタール緩衝液(p
H8.8)を使用して、電圧90Vで75分間通電して
行った。
製した「クリングル4様ドメインのタイプ5、タイプ
6、タイプ7、タイプ8、タイプ9及びタイプ10、ク
リングル5様ドメイン、プロテアーゼ様ドメイン並びに
LDLからなるフラグメント」を0.5mg/mLにな
るように生理食塩水に溶解した。 (2) 次に、この2μLを試料としてタイタン・ジェ
ル・リポタンパク質電気泳動キット(ヘレナ研究所社
製)を用いて電気泳動を行った。なお、支持体はアガロ
−スゲルであり、泳動緩衝液はバルビタール緩衝液(p
H8.8)を使用して、電圧90Vで75分間通電して
行った。
【0101】以下の操作は、前記実施例2の(3)〜
(12)に記載の方法と同様にして行った。但し、前記
実施例2の(7)の操作において、3種類の実施例1で
得られたリポタンパク質(a)に結合する抗体(「20
2A9株」由来、「202F8株」由来、及び「203
E2株」由来)を、それぞれリン酸緩衝生理食塩水に溶
解して、3種類の溶液を調製した。また、前記実施例2
の(8)の操作において、対照として、ヤギ抗アポリポ
タンパク質B抗体の代わりにヤギ抗リポタンパク質
(a)ポリクローナル抗体(インターナショナルエンザ
イム社製)を用いて操作を行った。
(12)に記載の方法と同様にして行った。但し、前記
実施例2の(7)の操作において、3種類の実施例1で
得られたリポタンパク質(a)に結合する抗体(「20
2A9株」由来、「202F8株」由来、及び「203
E2株」由来)を、それぞれリン酸緩衝生理食塩水に溶
解して、3種類の溶液を調製した。また、前記実施例2
の(8)の操作において、対照として、ヤギ抗アポリポ
タンパク質B抗体の代わりにヤギ抗リポタンパク質
(a)ポリクローナル抗体(インターナショナルエンザ
イム社製)を用いて操作を行った。
【0102】ウエスタンブロット法の結果を図4に示し
た。図4において、Pは対照、Nは陰性対照、1は「2
02A9株」由来の抗体を作用させたもの、2は「20
2F8株」由来の抗体を作用させたもの、3は「203
E2株」由来の抗体を作用させたものである。図4にお
ける対照との比較より、「202A9株」由来、「20
2F8株」由来、及び「203E2株」由来の3種類の
実施例1で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗
体は、いずれも、市販の抗リポタンパク質(a)ポリク
ローナル抗体が発色を示す位置に発色を認めることか
ら、「クリングル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、
タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ10、ク
リングル5様ドメイン、プロテアーゼドメイン、又はL
DL」と結合することが確かめられた。
た。図4において、Pは対照、Nは陰性対照、1は「2
02A9株」由来の抗体を作用させたもの、2は「20
2F8株」由来の抗体を作用させたもの、3は「203
E2株」由来の抗体を作用させたものである。図4にお
ける対照との比較より、「202A9株」由来、「20
2F8株」由来、及び「203E2株」由来の3種類の
実施例1で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗
体は、いずれも、市販の抗リポタンパク質(a)ポリク
ローナル抗体が発色を示す位置に発色を認めることか
ら、「クリングル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、
タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ10、ク
リングル5様ドメイン、プロテアーゼドメイン、又はL
DL」と結合することが確かめられた。
【0103】しかしながら、前記実施例2の検討結果よ
り、「202A9株」由来、「202F8株」由来、及
び「203E2株」由来の3種類のリポタンパク質
(a)に結合する抗体は、いずれも、LDLには結合し
ないことが確認されているので、これらの「202A9
株」由来、「202F8株」由来、及び「203E2
株」由来の抗体は、「クリングル4様ドメインのタイプ
5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくは
タイプ10、クリングル5様ドメイン又はプロテアーゼ
様ドメイン」と結合するものであることが分かった。更
に、前記の実施例1で得たリポタンパク質(a)に結合
する抗体及び市販の抗リポタンパク質(a)ポリクロー
ナル抗体のいずれも作用させていない陰性対照に発色が
見られないことから、非特異的な発色が起きていないこ
とが示された。
り、「202A9株」由来、「202F8株」由来、及
び「203E2株」由来の3種類のリポタンパク質
(a)に結合する抗体は、いずれも、LDLには結合し
ないことが確認されているので、これらの「202A9
株」由来、「202F8株」由来、及び「203E2
株」由来の抗体は、「クリングル4様ドメインのタイプ
5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくは
タイプ10、クリングル5様ドメイン又はプロテアーゼ
様ドメイン」と結合するものであることが分かった。更
に、前記の実施例1で得たリポタンパク質(a)に結合
する抗体及び市販の抗リポタンパク質(a)ポリクロー
ナル抗体のいずれも作用させていない陰性対照に発色が
見られないことから、非特異的な発色が起きていないこ
とが示された。
【0104】〔実施例7〕 実施例1で得られたリポタ
ンパク質(a)に結合する抗体(104D11株由来)
の「クリングル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タ
イプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリ
ングル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ドメイン」への
反応性の確認 実施例1で得られた「104D11株」由来のリポタン
パク質(a)に結合する抗体の「クリングル4様ドメイ
ンのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ
9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメイン又はプ
ロテアーゼ様ドメイン」に対する反応性をウエスタンブ
ロット法により確かめた。
ンパク質(a)に結合する抗体(104D11株由来)
の「クリングル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タ
イプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリ
ングル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ドメイン」への
反応性の確認 実施例1で得られた「104D11株」由来のリポタン
パク質(a)に結合する抗体の「クリングル4様ドメイ
ンのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ
9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメイン又はプ
ロテアーゼ様ドメイン」に対する反応性をウエスタンブ
ロット法により確かめた。
【0105】3種類の実施例1で得られたリポタンパク
質(a)に結合する抗体(「202A9株」由来、「2
02F8株」由来、及び「203E2株」由来)に代え
て、「104D11株」由来の実施例1で得られたリポ
タンパク質(a)に結合する抗体を用いる他は、前記実
施例6に記載の方法と同様にして操作を行った。ウエス
タンブロット法の結果を図5に示した。図5において、
Pは対照、Nは陰性対照、1は「104D11株」由来
の抗体を作用させたものである。
質(a)に結合する抗体(「202A9株」由来、「2
02F8株」由来、及び「203E2株」由来)に代え
て、「104D11株」由来の実施例1で得られたリポ
タンパク質(a)に結合する抗体を用いる他は、前記実
施例6に記載の方法と同様にして操作を行った。ウエス
タンブロット法の結果を図5に示した。図5において、
Pは対照、Nは陰性対照、1は「104D11株」由来
の抗体を作用させたものである。
【0106】図5における対照との比較より、「104
D11株」由来の実施例1で得られたリポタンパク質
(a)に結合する抗体は、市販の抗リポタンパク質
(a)ポリクローナル抗体が発色を示す位置に発色を認
めることから、「クリングル4様ドメインのタイプ5、
タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイ
プ10、クリングル5様ドメイン、プロテアーゼドメイ
ン、又はLDL」と結合することが確かめられた。
D11株」由来の実施例1で得られたリポタンパク質
(a)に結合する抗体は、市販の抗リポタンパク質
(a)ポリクローナル抗体が発色を示す位置に発色を認
めることから、「クリングル4様ドメインのタイプ5、
タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイ
プ10、クリングル5様ドメイン、プロテアーゼドメイ
ン、又はLDL」と結合することが確かめられた。
【0107】しかしながら、前記実施例2の検討結果よ
り、「104D11株」由来のリポタンパク質(a)に
結合する抗体も、LDLには結合しないことが確認され
ているので、この「104D11株」由来の抗体は、
「クリングル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイ
プ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリン
グル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ドメイン」と結合
するものであることが分かった。更に、前記の実施例1
で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗体及び市
販の抗リポタンパク質(a)ポリクローナル抗体のいず
れも作用させていない陰性対照に発色が見られないこと
から、非特異的な発色が起きていないことが示された。
り、「104D11株」由来のリポタンパク質(a)に
結合する抗体も、LDLには結合しないことが確認され
ているので、この「104D11株」由来の抗体は、
「クリングル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイ
プ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリン
グル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ドメイン」と結合
するものであることが分かった。更に、前記の実施例1
で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗体及び市
販の抗リポタンパク質(a)ポリクローナル抗体のいず
れも作用させていない陰性対照に発色が見られないこと
から、非特異的な発色が起きていないことが示された。
【0108】〔実施例8〕 実施例1で得られたリポタ
ンパク質(a)に結合する抗体3種類の「クリングル4
様ドメインのタイプ1、タイプ2、タイプ3及びタイプ
4」への反応性の確認 実施例1で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗
体のうち、3種類の抗体(「202A9株」由来、「2
02F8株」由来、及び「203E2株」由来)につい
て、「クリングル4様ドメインのタイプ1、タイプ2、
タイプ3及びタイプ4」に対する反応性をウエスタンブ
ロット法により確かめた。
ンパク質(a)に結合する抗体3種類の「クリングル4
様ドメインのタイプ1、タイプ2、タイプ3及びタイプ
4」への反応性の確認 実施例1で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗
体のうち、3種類の抗体(「202A9株」由来、「2
02F8株」由来、及び「203E2株」由来)につい
て、「クリングル4様ドメインのタイプ1、タイプ2、
タイプ3及びタイプ4」に対する反応性をウエスタンブ
ロット法により確かめた。
【0109】(1) 実施例5に記載の方法に従って調
製した「クリングル4様ドメインのタイプ1、タイプ
2、タイプ3及びタイプ4からなるフラグメント」を
0.5mg/mLになるように生理食塩水に溶解した。 (2) 次に、この2μLを試料としてタイタン・ジェ
ル・リポタンパク質電気泳動キット(ヘレナ研究所社
製)を用いて電気泳動を行った。なお、支持体はアガロ
ースゲルであり、泳動緩衝液はバルビタール緩衝液(p
H8.8)を使用して、電圧90Vで75分間通電して
行った。
製した「クリングル4様ドメインのタイプ1、タイプ
2、タイプ3及びタイプ4からなるフラグメント」を
0.5mg/mLになるように生理食塩水に溶解した。 (2) 次に、この2μLを試料としてタイタン・ジェ
ル・リポタンパク質電気泳動キット(ヘレナ研究所社
製)を用いて電気泳動を行った。なお、支持体はアガロ
ースゲルであり、泳動緩衝液はバルビタール緩衝液(p
H8.8)を使用して、電圧90Vで75分間通電して
行った。
【0110】以下の操作は、前記実施例2の(3)〜
(12)に記載の方法と同様にして行った。但し、前記
実施例2の(7)の操作において、3種類の実施例1で
得られたリポタンパク質(a)に結合する抗体(「20
2A9株」由来、「202F8株」由来、及び「203
E2株」由来)を、それぞれリン酸緩衝生理食塩水に溶
解して、3種類の溶液を調製した。また、前記実施例2
の(8)の操作において、対照として、ヤギ抗アポリポ
タンパク質B抗体の代わりにヤギ抗リポタンパク質
(a)ポリクローナル抗体(インターナショナルエンザ
イム社製)を用いて操作を行った。ウエスタンブロット
法の結果を図6に示した。図6において、Pは対照、N
は陰性対照、1は「202A9株」由来の抗体を作用さ
せたもの、2は「203E2株」由来の抗体を作用させ
たもの、3は「202F8株」由来の抗体を作用させた
ものである。
(12)に記載の方法と同様にして行った。但し、前記
実施例2の(7)の操作において、3種類の実施例1で
得られたリポタンパク質(a)に結合する抗体(「20
2A9株」由来、「202F8株」由来、及び「203
E2株」由来)を、それぞれリン酸緩衝生理食塩水に溶
解して、3種類の溶液を調製した。また、前記実施例2
の(8)の操作において、対照として、ヤギ抗アポリポ
タンパク質B抗体の代わりにヤギ抗リポタンパク質
(a)ポリクローナル抗体(インターナショナルエンザ
イム社製)を用いて操作を行った。ウエスタンブロット
法の結果を図6に示した。図6において、Pは対照、N
は陰性対照、1は「202A9株」由来の抗体を作用さ
せたもの、2は「203E2株」由来の抗体を作用させ
たもの、3は「202F8株」由来の抗体を作用させた
ものである。
【0111】図6における対照との比較より、「202
A9株」由来、「202F8株」由来、及び「203E
2株」由来の3種類の実施例1で得られたリポタンパク
質(a)に結合する抗体は、いずれも、市販の抗リポタ
ンパク質(a)ポリクローナル抗体が発色を示す位置に
は発色を認めないことから、「クリングル4様ドメイン
のタイプ1、タイプ2、タイプ3及びタイプ4」とは、
結合しないことが確かめられた。更に、前記の実施例1
で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗体及び市
販の抗リポタンパク質(a)ポリクローナル抗体のいず
れも作用させていない陰性対照に発色が見られないこと
から、非特異的な発色が起きていないことが示された。
A9株」由来、「202F8株」由来、及び「203E
2株」由来の3種類の実施例1で得られたリポタンパク
質(a)に結合する抗体は、いずれも、市販の抗リポタ
ンパク質(a)ポリクローナル抗体が発色を示す位置に
は発色を認めないことから、「クリングル4様ドメイン
のタイプ1、タイプ2、タイプ3及びタイプ4」とは、
結合しないことが確かめられた。更に、前記の実施例1
で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗体及び市
販の抗リポタンパク質(a)ポリクローナル抗体のいず
れも作用させていない陰性対照に発色が見られないこと
から、非特異的な発色が起きていないことが示された。
【0112】〔実施例9〕 実施例1で得られたリポタ
ンパク質(a)に結合する抗体(104D11株由来)
の「クリングル4様ドメインのタイプ1、タイプ2、タ
イプ3及びタイプ4」への反応性の確認 実施例1で得られた「104D11株」由来のリポタン
パク質(a)に結合する抗体の「クリングル4様ドメイ
ンのタイプ1、タイプ2、タイプ3及びタイプ4」に対
する反応性をウエスタンブロット法により確かめた。
ンパク質(a)に結合する抗体(104D11株由来)
の「クリングル4様ドメインのタイプ1、タイプ2、タ
イプ3及びタイプ4」への反応性の確認 実施例1で得られた「104D11株」由来のリポタン
パク質(a)に結合する抗体の「クリングル4様ドメイ
ンのタイプ1、タイプ2、タイプ3及びタイプ4」に対
する反応性をウエスタンブロット法により確かめた。
【0113】3種類の実施例1で得られたリポタンパク
質(a)に結合する抗体(「202A9株」由来、「2
02F8株」由来、及び「203E2株」由来)に代え
て、「104D11株」由来の実施例1で得られたリポ
タンパク質(a)に結合する抗体を用いる他は、前記実
施例8に記載の方法と同様にして操作を行った。ウエス
タンブロット法の結果を図7に示した。図7において、
Pは対照、Nは陰性対照、1は「104D11株」由来
の抗体を作用させたものである。
質(a)に結合する抗体(「202A9株」由来、「2
02F8株」由来、及び「203E2株」由来)に代え
て、「104D11株」由来の実施例1で得られたリポ
タンパク質(a)に結合する抗体を用いる他は、前記実
施例8に記載の方法と同様にして操作を行った。ウエス
タンブロット法の結果を図7に示した。図7において、
Pは対照、Nは陰性対照、1は「104D11株」由来
の抗体を作用させたものである。
【0114】図7における対照との比較より、「104
D11株」由来の実施例1で得られたリポタンパク質
(a)に結合する抗体は、市販の抗リポタンパク質
(a)ポリクローナル抗体が発色を示す位置には発色を
認めないことから、「クリングル4様ドメインのタイプ
1、タイプ2、タイプ3及びタイプ4」とは、結合しな
いことが確かめられた。更に、前記の実施例1で得られ
たリポタンパク質(a)に結合する抗体及び市販の抗リ
ポタンパク質(a)ポリクローナル抗体のいずれも作用
させていない陰性対照に発色が見られないことから、非
特異的な発色が起きていないことが示された。
D11株」由来の実施例1で得られたリポタンパク質
(a)に結合する抗体は、市販の抗リポタンパク質
(a)ポリクローナル抗体が発色を示す位置には発色を
認めないことから、「クリングル4様ドメインのタイプ
1、タイプ2、タイプ3及びタイプ4」とは、結合しな
いことが確かめられた。更に、前記の実施例1で得られ
たリポタンパク質(a)に結合する抗体及び市販の抗リ
ポタンパク質(a)ポリクローナル抗体のいずれも作用
させていない陰性対照に発色が見られないことから、非
特異的な発色が起きていないことが示された。
【0115】〔実施例10〕 実施例1で得られたリポ
タンパク質(a)に結合する抗体(104D11株由
来)の「クリングル5ドメイン又はプロテア−ゼドメイ
ン」への反応性の確認 実施例1で得られた「104D11株」由来のリポタン
パク質(a)に結合する抗体の「クリングル5ドメイン
又はプロテアーゼドメイン」に対する反応性をウエスタ
ンブロット法により確かめた。
タンパク質(a)に結合する抗体(104D11株由
来)の「クリングル5ドメイン又はプロテア−ゼドメイ
ン」への反応性の確認 実施例1で得られた「104D11株」由来のリポタン
パク質(a)に結合する抗体の「クリングル5ドメイン
又はプロテアーゼドメイン」に対する反応性をウエスタ
ンブロット法により確かめた。
【0116】(1) 実施例4に記載の方法に従って調
製した「クリングル5ドメイン及びプロテアーゼドメイ
ンからなるフラグメント」を0.5mg/mLになるよ
うに生理食塩水に溶解した。 (2) 次に、この2μLを試料としてタイタン・ジェ
ル・リポタンパク質電気泳動キット(ヘレナ研究所社
製)を用いて電気泳動を行った。なお、支持体はアガロ
−スゲルであり、泳動緩衝液はバルビタール緩衝液(p
H8.8)を使用して、電圧90Vで75分間通電して
行った。
製した「クリングル5ドメイン及びプロテアーゼドメイ
ンからなるフラグメント」を0.5mg/mLになるよ
うに生理食塩水に溶解した。 (2) 次に、この2μLを試料としてタイタン・ジェ
ル・リポタンパク質電気泳動キット(ヘレナ研究所社
製)を用いて電気泳動を行った。なお、支持体はアガロ
−スゲルであり、泳動緩衝液はバルビタール緩衝液(p
H8.8)を使用して、電圧90Vで75分間通電して
行った。
【0117】以下の操作は、前記実施例2の(3)〜
(12)に記載の方法と同様にして行った。但し、前記
実施例2の(7)の操作において、実施例1で得られた
リポタンパク質(a)に結合する抗体(「104D11
株」由来)をリン酸緩衝生理食塩水に溶解して、1種類
の溶液を調製した。また、前記実施例2の(8)の操作
において、対照として、ヤギ抗アポリポタンパク質B抗
体の代わりに、ヒツジ抗プラスミノーゲンポリクローナ
ル抗体(ダコ社製)を用いて操作を行った。
(12)に記載の方法と同様にして行った。但し、前記
実施例2の(7)の操作において、実施例1で得られた
リポタンパク質(a)に結合する抗体(「104D11
株」由来)をリン酸緩衝生理食塩水に溶解して、1種類
の溶液を調製した。また、前記実施例2の(8)の操作
において、対照として、ヤギ抗アポリポタンパク質B抗
体の代わりに、ヒツジ抗プラスミノーゲンポリクローナ
ル抗体(ダコ社製)を用いて操作を行った。
【0118】更に、前記実施例2の(10)の操作にお
いて、パーオキシダーゼ標識抗ヤギIgG抗体の代わり
に、パーオキシダーゼ標識抗ヒツジIgG抗体(ダコ社
製)を用いて操作を行った。ウエスタンブロット法の結
果を図8に示した。図8において、Pは対照、Nは陰性
対照、1は実施例1で得られた「104D11株」由来
のリポタンパク質(a)に対する抗体を作用させたもの
である。
いて、パーオキシダーゼ標識抗ヤギIgG抗体の代わり
に、パーオキシダーゼ標識抗ヒツジIgG抗体(ダコ社
製)を用いて操作を行った。ウエスタンブロット法の結
果を図8に示した。図8において、Pは対照、Nは陰性
対照、1は実施例1で得られた「104D11株」由来
のリポタンパク質(a)に対する抗体を作用させたもの
である。
【0119】図8における対照との比較より、実施例1
で得られた「104D11株」由来のリポタンパク質
(a)に対する抗体は、市販の抗プラスミノーゲンポリ
クローナル抗体が発色を示す位置に発色を認めることか
ら、「クリングル5ドメイン又はプロテアーゼドメイ
ン」と結合することが確かめられた。更に、前記の実施
例1で得られた抗体及び市販の抗プラスミノーゲンポリ
クローナル抗体のいずれも作用させていない陰性対照に
発色が見られないことから、非特異的な発色が起きてい
ないことが示された。以上の実施例2、実施例3、実施
例6、実施例7、実施例8、実施例9及び実施例10の
検討結果をまとめると下記のようになる。
で得られた「104D11株」由来のリポタンパク質
(a)に対する抗体は、市販の抗プラスミノーゲンポリ
クローナル抗体が発色を示す位置に発色を認めることか
ら、「クリングル5ドメイン又はプロテアーゼドメイ
ン」と結合することが確かめられた。更に、前記の実施
例1で得られた抗体及び市販の抗プラスミノーゲンポリ
クローナル抗体のいずれも作用させていない陰性対照に
発色が見られないことから、非特異的な発色が起きてい
ないことが示された。以上の実施例2、実施例3、実施
例6、実施例7、実施例8、実施例9及び実施例10の
検討結果をまとめると下記のようになる。
【0120】 「202A9株」由来、「202F8
株」由来、及び「203E2株」由来の3種類の実施例
1で得られた抗体は、「アポリポタンパク質(a)のク
リングル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ
7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリング
ル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ドメイン」と結合す
るものの、「LDL」、「プラスミノーゲン」、そして
「アポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメイン
のタイプ1、タイプ2、タイプ3及びタイプ4」とは結
合しない。
株」由来、及び「203E2株」由来の3種類の実施例
1で得られた抗体は、「アポリポタンパク質(a)のク
リングル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ
7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリング
ル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ドメイン」と結合す
るものの、「LDL」、「プラスミノーゲン」、そして
「アポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメイン
のタイプ1、タイプ2、タイプ3及びタイプ4」とは結
合しない。
【0121】 「104D11株」由来の実施例1で
得られた抗体は、「アポリポタンパク質(a)のクリン
グル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タ
イプ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリングル5様
ドメイン又はプロテアーゼ様ドメイン」、「プラスミノ
ーゲンのクリングル5ドメイン又はプロテアーゼドメイ
ン」、そして「プラスミノーゲン」と結合するものの、
「LDL」、そして「アポリポタンパク質(a)のクリ
ングル4様ドメインのタイプ1、タイプ2、タイプ3及
びタイプ4」とは結合しない。
得られた抗体は、「アポリポタンパク質(a)のクリン
グル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タ
イプ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリングル5様
ドメイン又はプロテアーゼ様ドメイン」、「プラスミノ
ーゲンのクリングル5ドメイン又はプロテアーゼドメイ
ン」、そして「プラスミノーゲン」と結合するものの、
「LDL」、そして「アポリポタンパク質(a)のクリ
ングル4様ドメインのタイプ1、タイプ2、タイプ3及
びタイプ4」とは結合しない。
【0122】つまり、実施例1で得られたリポタンパク
質(a)に結合する抗体は、4種類いずれも、「アポリ
ポタンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ
5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくは
タイプ10、クリングル5様ドメイン又はプロテアーゼ
様ドメイン」に、特異的に結合し、かつ「クリングル4
様ドメインのタイプ2」には結合しない抗体であること
が確かめられた。
質(a)に結合する抗体は、4種類いずれも、「アポリ
ポタンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ
5、タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくは
タイプ10、クリングル5様ドメイン又はプロテアーゼ
様ドメイン」に、特異的に結合し、かつ「クリングル4
様ドメインのタイプ2」には結合しない抗体であること
が確かめられた。
【0123】なお、「202A9株」由来、「202F
8株」由来、及び「203E2株」由来の3種類の実施
例1で得られた抗体は、「アポリポタンパク質(a)の
クリングル5様ドメイン及びプロテアーゼ様ドメイン」
と非常に相同性の高い箇所を持つ「プラスミノーゲン」
には結合しないものの、「アポリポタンパク質(a)の
クリングル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ
7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリング
ル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ドメイン」には結合
することから、「アポリポタンパク質(a)のクリング
ル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイ
プ8、タイプ9もしくはタイプ10」の箇所に結合する
ものと推察される。
8株」由来、及び「203E2株」由来の3種類の実施
例1で得られた抗体は、「アポリポタンパク質(a)の
クリングル5様ドメイン及びプロテアーゼ様ドメイン」
と非常に相同性の高い箇所を持つ「プラスミノーゲン」
には結合しないものの、「アポリポタンパク質(a)の
クリングル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ
7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ10、クリング
ル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ドメイン」には結合
することから、「アポリポタンパク質(a)のクリング
ル4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイ
プ8、タイプ9もしくはタイプ10」の箇所に結合する
ものと推察される。
【0124】〔実施例11〕 単一のリポタンパク質
(a)のフェノタイプからなる血清試料の選択、及びフ
ェノタイプの種類の決定 単一のリポタンパク質(a)のフェノタイプからなる血
清試料を選択し、選択した血清試料のフェノタイプの種
類を決定した。 (1) 1.5%のアガロースゲル〔90mMホウ酸、
2mM EDTA、0.1%SDS、1.5%アガロ−
ス及び90mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ンを含む;20×25cm〕、電気泳動緩衝液〔45m
Mホウ酸、2mMEDTA及び0.1%SDSを含む4
5mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝
液〕、及び還元緩衝液(β−メルカプトエタノールと、
0.5%BPBと、5%グリセリン及び5%SDSと
を、各々1:2:10で混合したもの)を調製し、Su
persub HE100システム(ファルマシア・バ
イオテック社製)を用いて、約150検体の血清試料に
ついてサブマリン電気泳動を行った。
(a)のフェノタイプからなる血清試料の選択、及びフ
ェノタイプの種類の決定 単一のリポタンパク質(a)のフェノタイプからなる血
清試料を選択し、選択した血清試料のフェノタイプの種
類を決定した。 (1) 1.5%のアガロースゲル〔90mMホウ酸、
2mM EDTA、0.1%SDS、1.5%アガロ−
ス及び90mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ンを含む;20×25cm〕、電気泳動緩衝液〔45m
Mホウ酸、2mMEDTA及び0.1%SDSを含む4
5mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝
液〕、及び還元緩衝液(β−メルカプトエタノールと、
0.5%BPBと、5%グリセリン及び5%SDSと
を、各々1:2:10で混合したもの)を調製し、Su
persub HE100システム(ファルマシア・バ
イオテック社製)を用いて、約150検体の血清試料に
ついてサブマリン電気泳動を行った。
【0125】(2) 各々の血清試料30μLと還元緩
衝液60μLとをそれぞれ混合し、これを100℃で1
分間インキュベートし還元処理を行った。これらの還元
処理した試料25〜30μLをそれぞれ前記のアガロー
スゲルにアプライし、4℃の冷蔵庫中、10Wで通電
し、17時間電気泳動を行った。
衝液60μLとをそれぞれ混合し、これを100℃で1
分間インキュベートし還元処理を行った。これらの還元
処理した試料25〜30μLをそれぞれ前記のアガロー
スゲルにアプライし、4℃の冷蔵庫中、10Wで通電
し、17時間電気泳動を行った。
【0126】(3) 次に、これらのウエスタンブロッ
トを行った。まず、転写緩衝液〔39mMグリシン、
0.0375%SDS及び20%エタノールを含む48
mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝
液〕、ブロッキング剤(0.1%BSAを含む0.1M
リン酸緩衝液)、洗浄液〔0.5M塩化ナトリウム及び
0.05%ツイーン(Tween20 )を含む20mMトリス
(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液〕及びPOD
発色液(0.5M塩化ナトリウム、2.5mM%ジアミ
ノベンジジン及び0.003%過酸化水素を含む20m
Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液)を
調製した。
トを行った。まず、転写緩衝液〔39mMグリシン、
0.0375%SDS及び20%エタノールを含む48
mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝
液〕、ブロッキング剤(0.1%BSAを含む0.1M
リン酸緩衝液)、洗浄液〔0.5M塩化ナトリウム及び
0.05%ツイーン(Tween20 )を含む20mMトリス
(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液〕及びPOD
発色液(0.5M塩化ナトリウム、2.5mM%ジアミ
ノベンジジン及び0.003%過酸化水素を含む20m
Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液)を
調製した。
【0127】(4) 転写は、ノバ・ブロットトランス
ファーユニットシステム(ノバ社製)を使用し、タンパ
ク質の前記の電気泳動を行ったゲルからニトロセルロー
ス膜(バイオラッド社製)への転写を400mAで3時
間かけて行った。 (5) 転写後、これらのニトロセルロース膜をブロッ
キング剤に浸し、4℃で一晩放置しブロッキングを行っ
た。十分に洗浄剤で洗浄した後、ブロッキングしたニト
ロセルロース膜を、ヤギ抗リポタンパク質(a)ポリク
ローナル抗体(インターナショナルエンザイム社製)4
00μgを前記ブロッキング剤40mLに溶解して調製
した液に浸し、37℃で6時間反応させた。 (6) 再び洗浄剤で洗浄した後、ブロッキング剤で
2,000倍希釈したPOD標識抗ヤギイムノグロブリ
ン抗体(ダコ社製)に浸して反応させた。
ファーユニットシステム(ノバ社製)を使用し、タンパ
ク質の前記の電気泳動を行ったゲルからニトロセルロー
ス膜(バイオラッド社製)への転写を400mAで3時
間かけて行った。 (5) 転写後、これらのニトロセルロース膜をブロッ
キング剤に浸し、4℃で一晩放置しブロッキングを行っ
た。十分に洗浄剤で洗浄した後、ブロッキングしたニト
ロセルロース膜を、ヤギ抗リポタンパク質(a)ポリク
ローナル抗体(インターナショナルエンザイム社製)4
00μgを前記ブロッキング剤40mLに溶解して調製
した液に浸し、37℃で6時間反応させた。 (6) 再び洗浄剤で洗浄した後、ブロッキング剤で
2,000倍希釈したPOD標識抗ヤギイムノグロブリ
ン抗体(ダコ社製)に浸して反応させた。
【0128】(7) 最後にもう一度洗浄剤で十分に洗
浄した後、発色剤に浸して発色させた。 (8) これらの血清試料のバンドを5種類のリポタン
パク質(a)のフェノタイプよりなる標準血清(イムノ
社製)の各々のバンドの泳動位置と比較した。そして、
単一なリポタンパク質(a)のフェノタイプからなる5
種類の血清試料(血清試料1、血清試料2、血清試料
3、血清試料4及び血清試料5)を選択し、フェノタイ
プの種類を決定した。この結果を表1に示した。なお、
この表において、アポリポタンパク質(a)のクリング
ル4様ドメイン中のクリングルの数で、リポタンパク質
(a)のフェノタイプの種類を表した。
浄した後、発色剤に浸して発色させた。 (8) これらの血清試料のバンドを5種類のリポタン
パク質(a)のフェノタイプよりなる標準血清(イムノ
社製)の各々のバンドの泳動位置と比較した。そして、
単一なリポタンパク質(a)のフェノタイプからなる5
種類の血清試料(血清試料1、血清試料2、血清試料
3、血清試料4及び血清試料5)を選択し、フェノタイ
プの種類を決定した。この結果を表1に示した。なお、
この表において、アポリポタンパク質(a)のクリング
ル4様ドメイン中のクリングルの数で、リポタンパク質
(a)のフェノタイプの種類を表した。
【0129】
【表1】
【0130】〔実施例12〕 標準物質の調製及び設定 (1) 標準物質の設定は、実施例11で選択した単一
なフェノタイプからなる血清試料(血清試料5;クリン
グル4様ドメイン中のクリングルの数が27であるフェ
ノタイプのみよりなる)よりリポタンパク質(a)を精
製して、その全体量(脂質量、及びアミノ酸分析より求
めたタンパク質量)を決定することにより行った。な
お、血清試料のリポタンパク質(a)の精製は、実施例
1の〔1〕に記載した方法に従って行った。
なフェノタイプからなる血清試料(血清試料5;クリン
グル4様ドメイン中のクリングルの数が27であるフェ
ノタイプのみよりなる)よりリポタンパク質(a)を精
製して、その全体量(脂質量、及びアミノ酸分析より求
めたタンパク質量)を決定することにより行った。な
お、血清試料のリポタンパク質(a)の精製は、実施例
1の〔1〕に記載した方法に従って行った。
【0131】(2) このように精製したリポタンパク
質(a)を1.0mg/mLになるように生理食塩水に
溶解し、この10μLを試料として電気泳動を行った。
なお、支持体は3〜12%SDSポリアクリルアミドゲ
ルで、泳動緩衝液は0.1%SDSを含む25mMトリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−0.19Mグリ
シン緩衝液を使用して、電流20mAで120分間通電
して行った。その後、クマシーブリリアントブルーより
なる染色液に60分間浸した後、泳動後のバンドの確認
を行った。結果は、リポタンパク質(a)のバンドだけ
が認められ、他のバンドは認められなかった。
質(a)を1.0mg/mLになるように生理食塩水に
溶解し、この10μLを試料として電気泳動を行った。
なお、支持体は3〜12%SDSポリアクリルアミドゲ
ルで、泳動緩衝液は0.1%SDSを含む25mMトリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−0.19Mグリ
シン緩衝液を使用して、電流20mAで120分間通電
して行った。その後、クマシーブリリアントブルーより
なる染色液に60分間浸した後、泳動後のバンドの確認
を行った。結果は、リポタンパク質(a)のバンドだけ
が認められ、他のバンドは認められなかった。
【0132】(3) この精製したリポタンパク質
(a)の脂質類(リン脂質、総コレステロール及び中性
脂肪)の測定を市販の測定試薬(リン脂質:「クイック
オートネオPL」、総コレステロール:「クイックオー
トネオT−CHOII」、中性脂肪:「クイックオートネ
オTGII」;いずれもシノテスト社製)を使用して行っ
た。総脂質含量は、75.5mg/dLであった。 (4) また、タンパク質量をアミノ酸分析機(L−8
500;日立製作所社製)により求めた。タンパク質量
は25.7mg/dLであった。 (5) この標品をリポタンパク質(a)の一次標準物
質とした。
(a)の脂質類(リン脂質、総コレステロール及び中性
脂肪)の測定を市販の測定試薬(リン脂質:「クイック
オートネオPL」、総コレステロール:「クイックオー
トネオT−CHOII」、中性脂肪:「クイックオートネ
オTGII」;いずれもシノテスト社製)を使用して行っ
た。総脂質含量は、75.5mg/dLであった。 (4) また、タンパク質量をアミノ酸分析機(L−8
500;日立製作所社製)により求めた。タンパク質量
は25.7mg/dLであった。 (5) この標品をリポタンパク質(a)の一次標準物
質とした。
【0133】〔実施例13〕 サンドイッチ・ELIS
A法によるリポタンパク質(a)測定方法(測定試薬)
の構築と検量線の作成 実施例1で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗
体を用いるELISA法(サンドイッチ法)によるリポ
タンパク質(a)測定方法(測定試薬)を構築した。ま
た、検量線を作成した。
A法によるリポタンパク質(a)測定方法(測定試薬)
の構築と検量線の作成 実施例1で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗
体を用いるELISA法(サンドイッチ法)によるリポ
タンパク質(a)測定方法(測定試薬)を構築した。ま
た、検量線を作成した。
【0134】(1) 実施例1で得られた「アポリポタ
ンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ5、
タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイ
プ10、クリングル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ド
メインに特異的に結合し、かつアポリポタンパク質
(a)のクリングル4様ドメインのタイプ2には結合し
ない抗体」(203E2株由来)をリン酸緩衝生理食塩
水(5.59mMリン酸水素二ナトリウム、1.47m
Mリン酸二水素カリウム、137mM塩化ナトリウム、
2.68mM塩化カリウム(pH7.2))により15
μg/mLとした後、96ウエル−マイクロプレート
(ヌンク社製)に1ウエル当たり100μLずつ加え、
37℃で2時間静置して、前記の抗体の固相化を行った
(固相化抗体)。
ンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ5、
タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイ
プ10、クリングル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ド
メインに特異的に結合し、かつアポリポタンパク質
(a)のクリングル4様ドメインのタイプ2には結合し
ない抗体」(203E2株由来)をリン酸緩衝生理食塩
水(5.59mMリン酸水素二ナトリウム、1.47m
Mリン酸二水素カリウム、137mM塩化ナトリウム、
2.68mM塩化カリウム(pH7.2))により15
μg/mLとした後、96ウエル−マイクロプレート
(ヌンク社製)に1ウエル当たり100μLずつ加え、
37℃で2時間静置して、前記の抗体の固相化を行った
(固相化抗体)。
【0135】(2) このマイクロプレートを洗浄液
〔0.05%ツイーン(Tween20 )を含むリン酸緩衝生
理食塩水(pH7.2)〕で洗浄した後、1%BSAを
含む10mMリン酸二水素カリウム−リン酸水素二カリ
ウム緩衝液(pH7.2)を1ウエル当たり300μL
ずつ加えて、37℃で2時間静置してブロッキングを行
い、その後再び洗浄液で洗浄した。
〔0.05%ツイーン(Tween20 )を含むリン酸緩衝生
理食塩水(pH7.2)〕で洗浄した後、1%BSAを
含む10mMリン酸二水素カリウム−リン酸水素二カリ
ウム緩衝液(pH7.2)を1ウエル当たり300μL
ずつ加えて、37℃で2時間静置してブロッキングを行
い、その後再び洗浄液で洗浄した。
【0136】(3) 実施例12で調製したリポタンパ
ク質(a)の標品(一次標準物質)をリポタンパク質
(a)を含まない血清で希釈して、リポタンパク質
(a)濃度が18.6mg/dL、35.1mg/d
L、48.4mg/dL、71.0mg/dL及び9
8.5mg/dLの5種類の試料を調製した。なお、リ
ポタンパク質(a)を含まない血清をリポタンパク質
(a)濃度0mg/dLの試料とした。 (4) 前記(3)で調製した6種類の試料を生理食塩
水で1,000倍希釈した後、前記(2)で調製したマ
イクロプレートに1ウエル当たり100μLずつ分注
し、37℃で2時間静置して抗原抗体反応を行わせた。
その後、これを洗浄液で洗浄した。
ク質(a)の標品(一次標準物質)をリポタンパク質
(a)を含まない血清で希釈して、リポタンパク質
(a)濃度が18.6mg/dL、35.1mg/d
L、48.4mg/dL、71.0mg/dL及び9
8.5mg/dLの5種類の試料を調製した。なお、リ
ポタンパク質(a)を含まない血清をリポタンパク質
(a)濃度0mg/dLの試料とした。 (4) 前記(3)で調製した6種類の試料を生理食塩
水で1,000倍希釈した後、前記(2)で調製したマ
イクロプレートに1ウエル当たり100μLずつ分注
し、37℃で2時間静置して抗原抗体反応を行わせた。
その後、これを洗浄液で洗浄した。
【0137】(5) 実施例1で得られた「アポリポタ
ンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ5、
タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイ
プ10、クリングル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ド
メインに特異的に結合し、かつアポリポタンパク質
(a)のクリングル4様ドメインのタイプ2には結合し
ない抗体」(202A9株由来)5mgを0.5mLの
リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)に溶解した。こ
れに0.6mgのS−アセチルメルカプトコハク酸無水
物を溶解した0.01mLのN,N−ジメチルホルムア
ミドを加え、室温で30分間インキュベートした。
ンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ5、
タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイ
プ10、クリングル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ド
メインに特異的に結合し、かつアポリポタンパク質
(a)のクリングル4様ドメインのタイプ2には結合し
ない抗体」(202A9株由来)5mgを0.5mLの
リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)に溶解した。こ
れに0.6mgのS−アセチルメルカプトコハク酸無水
物を溶解した0.01mLのN,N−ジメチルホルムア
ミドを加え、室温で30分間インキュベートした。
【0138】次にこれに、0.1M EDTA0.02
mL、1Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩
衝液(pH7.0)0.1mL及び1Mヒドロキシルア
ミン塩酸緩衝液(pH7.0)0.1mLを加え、30
℃で30分間インキュベートした。これを、5mM E
DTAを含む0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH
6.0)で平衡化しておいたセファデックスG−25カ
ラムでゲルろ過を行い、メルカプト・サクシニル化抗体
を得た。
mL、1Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩
衝液(pH7.0)0.1mL及び1Mヒドロキシルア
ミン塩酸緩衝液(pH7.0)0.1mLを加え、30
℃で30分間インキュベートした。これを、5mM E
DTAを含む0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH
6.0)で平衡化しておいたセファデックスG−25カ
ラムでゲルろ過を行い、メルカプト・サクシニル化抗体
を得た。
【0139】(6) 2mgのパーオキシダーゼ(PO
D)を0.3mLの0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液
(pH7.0)に溶解した。これに、0.25mgのN
−サクシミジル−6−マレイミドヘキサン酸を溶解した
N,N−ジメチルホルムアミド30μLを加えて、30
℃で60分間インキュベートした。これを、0.1Mリ
ン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)で平衡化しておい
たセファデックスG−25カラムでゲルろ過を行い、マ
レイミド化パーオキシダーゼを得た。
D)を0.3mLの0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液
(pH7.0)に溶解した。これに、0.25mgのN
−サクシミジル−6−マレイミドヘキサン酸を溶解した
N,N−ジメチルホルムアミド30μLを加えて、30
℃で60分間インキュベートした。これを、0.1Mリ
ン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)で平衡化しておい
たセファデックスG−25カラムでゲルろ過を行い、マ
レイミド化パーオキシダーゼを得た。
【0140】(7) 前記(5)で調製したメルカプト
・サクシニル化抗体2.3mgを5mM EDTAを含
む0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)0.
25mLに溶解した。これに、前記(6)で調製したマ
レイミド化パーオキシダーゼ1.8mgを0.25mL
の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)に溶
解したものを添加した。これを30℃で20時間インキ
ュベートした後、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(p
H6.5)で平衡化しておいたウルトラゲルAcA34
カラムでゲルろ過を行い、実施例1で得られた抗体(2
02A9株由来)をパーオキシダーゼで標識したPOD
標識抗体(202A9株由来)を得た。
・サクシニル化抗体2.3mgを5mM EDTAを含
む0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)0.
25mLに溶解した。これに、前記(6)で調製したマ
レイミド化パーオキシダーゼ1.8mgを0.25mL
の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)に溶
解したものを添加した。これを30℃で20時間インキ
ュベートした後、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(p
H6.5)で平衡化しておいたウルトラゲルAcA34
カラムでゲルろ過を行い、実施例1で得られた抗体(2
02A9株由来)をパーオキシダーゼで標識したPOD
標識抗体(202A9株由来)を得た。
【0141】(8) 前記(7)で得たPOD標識抗体
(202A9株由来)を1%BSAを含むリン酸緩衝生
理食塩水に溶解した。これを1ウエル当たり100μL
ずつ前記(4)のマイクロプレートの各ウエルに分注
し、37℃で2時間静置して反応を行わせた。その後、
これを洗浄液で洗浄した。 (9) これを洗浄液で洗浄した後、パーオキシダーゼ
反応液〔3mM 3,3’,5,5’−テトラメチルベ
ンジジン(TMBZ)を含む50mMリン酸水素二ナト
リウム−24mMクエン酸緩衝液1mLに対して2μL
の1.7%過酸化水素を使用直前に添加したもの〕を1
ウエル当たり100μLずつ加え、室温で反応させた。
15分後に1ウエル当たり100μLの6N硫酸を加え
て反応を停止させた。これをEIAマイクロプレートリ
ーダー(バイオラッド社製)にて、450nmにおける
吸光度の測定を行った。
(202A9株由来)を1%BSAを含むリン酸緩衝生
理食塩水に溶解した。これを1ウエル当たり100μL
ずつ前記(4)のマイクロプレートの各ウエルに分注
し、37℃で2時間静置して反応を行わせた。その後、
これを洗浄液で洗浄した。 (9) これを洗浄液で洗浄した後、パーオキシダーゼ
反応液〔3mM 3,3’,5,5’−テトラメチルベ
ンジジン(TMBZ)を含む50mMリン酸水素二ナト
リウム−24mMクエン酸緩衝液1mLに対して2μL
の1.7%過酸化水素を使用直前に添加したもの〕を1
ウエル当たり100μLずつ加え、室温で反応させた。
15分後に1ウエル当たり100μLの6N硫酸を加え
て反応を停止させた。これをEIAマイクロプレートリ
ーダー(バイオラッド社製)にて、450nmにおける
吸光度の測定を行った。
【0142】この結果を図9に示した。なお、このサン
ドイッチ・ELISA法によるリポタンパク質(a)測
定方法(測定試薬)での検量線を示す図において、横軸
はリポタンパク質(a)の濃度、縦軸は450nmにお
ける吸光度の測定値を表す。但し、吸光度の測定値は、
リポタンパク質(a)濃度が0mg/dLの試料の吸光
度を盲検値として差し引いたものを表した。この図よ
り、本発明はELISA法において、試料中のリポタン
パク質(a)の定量が行えることが確認できた。 〔実施例14〕 本発明の測定方法(測定試薬)〔EL
ISA法〕及び従来の測定試薬におけるフェノタイプの
種類による測定値の変動の確認 実施例1で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗
体を下記のように組み合わせ、実施例13に記載した方
法(ELISA法;サンドイッチ法)に従って、実施例
11で得た単一なリポタンパク質(a)のフェノタイプ
からなる5種類の血清試料(血清試料1〜血清試料5)
を試料として測定を行った。なお、POD標識抗体
(「104D11株」由来)は、前記実施例1で得られ
たリポタンパク質(a)に結合する抗体(「104D1
1株」由来)を、前記実施例13の(5)〜(7)に記
載の方法に従って処理し、調製した。
ドイッチ・ELISA法によるリポタンパク質(a)測
定方法(測定試薬)での検量線を示す図において、横軸
はリポタンパク質(a)の濃度、縦軸は450nmにお
ける吸光度の測定値を表す。但し、吸光度の測定値は、
リポタンパク質(a)濃度が0mg/dLの試料の吸光
度を盲検値として差し引いたものを表した。この図よ
り、本発明はELISA法において、試料中のリポタン
パク質(a)の定量が行えることが確認できた。 〔実施例14〕 本発明の測定方法(測定試薬)〔EL
ISA法〕及び従来の測定試薬におけるフェノタイプの
種類による測定値の変動の確認 実施例1で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗
体を下記のように組み合わせ、実施例13に記載した方
法(ELISA法;サンドイッチ法)に従って、実施例
11で得た単一なリポタンパク質(a)のフェノタイプ
からなる5種類の血清試料(血清試料1〜血清試料5)
を試料として測定を行った。なお、POD標識抗体
(「104D11株」由来)は、前記実施例1で得られ
たリポタンパク質(a)に結合する抗体(「104D1
1株」由来)を、前記実施例13の(5)〜(7)に記
載の方法に従って処理し、調製した。
【0143】 本発明1 固相化抗体: 「203E2株」由来の抗体 POD標識抗体: 「202A9株」由来の抗体 本発明2 固相化抗体: 「203E2株」由来の抗体 POD標識抗体: 「104D11株」由来の抗体
【0144】また、比較のため、市販されている従来の
リポタンパク質(a)測定試薬(サンドイッチ・ELI
SA法;A社製)でも同一の試料を測定した。試料中の
リポタンパク質(a)濃度は、測定により得られた吸光
度の測定値を、前記実施例13で得た検量線にあてはめ
て求めた。この結果を表2に示した。
リポタンパク質(a)測定試薬(サンドイッチ・ELI
SA法;A社製)でも同一の試料を測定した。試料中の
リポタンパク質(a)濃度は、測定により得られた吸光
度の測定値を、前記実施例13で得た検量線にあてはめ
て求めた。この結果を表2に示した。
【0145】
【表2】
【0146】この表において、前記本発明1における測
定値(V1)、前記本発明2における測定値(V2)、
従来のリポタンパク質(a)測定試薬における測定値
(V0)、そしてこれらの測定値の比であるV1/V2
及びV0/V1を示した。本発明における測定値である
V1とV2は、血清試料1〜血清試料5のいずれにおい
てもほとんど同じ値が得られているのに対して、従来の
測定試薬における測定値V0は、血清試料1以外では異
なってしまっている。また、本発明における測定値同士
の比であるV1/V2は、リポタンパク質(a)のフェ
ノタイプの種類がそれぞれ異なる血清試料1〜血清試料
5のいずれにおいてもほぼ1となっている。
定値(V1)、前記本発明2における測定値(V2)、
従来のリポタンパク質(a)測定試薬における測定値
(V0)、そしてこれらの測定値の比であるV1/V2
及びV0/V1を示した。本発明における測定値である
V1とV2は、血清試料1〜血清試料5のいずれにおい
てもほとんど同じ値が得られているのに対して、従来の
測定試薬における測定値V0は、血清試料1以外では異
なってしまっている。また、本発明における測定値同士
の比であるV1/V2は、リポタンパク質(a)のフェ
ノタイプの種類がそれぞれ異なる血清試料1〜血清試料
5のいずれにおいてもほぼ1となっている。
【0147】これより本発明の測定方法(測定試薬)
は、いずれのフェノタイプのリポタンパク質(a)で
も、リポタンパク質(a)1分子を正しく1分子として
捉えることができ、フェノタイプの種類(クリングル4
様ドメイン中のクリングルの数)により測定値が変動す
ることがない方法(試薬)であることが分かる。これに
対して、従来の測定試薬における測定値V0と本発明に
おける測定値V1の比であるV0/V1は、血清試料1
においては1であるものの、試料中のリポタンパク質
(a)のクリングル4様ドメイン中のクリングルの数が
増えるにつれて増加してゆく。
は、いずれのフェノタイプのリポタンパク質(a)で
も、リポタンパク質(a)1分子を正しく1分子として
捉えることができ、フェノタイプの種類(クリングル4
様ドメイン中のクリングルの数)により測定値が変動す
ることがない方法(試薬)であることが分かる。これに
対して、従来の測定試薬における測定値V0と本発明に
おける測定値V1の比であるV0/V1は、血清試料1
においては1であるものの、試料中のリポタンパク質
(a)のクリングル4様ドメイン中のクリングルの数が
増えるにつれて増加してゆく。
【0148】これより従来の測定試薬(測定方法)で
は、試料中のリポタンパク質(a)のクリングル4様ド
メイン中のクリングルの数が増えるにつれて、得られる
シグナルも増加してしまい、リポタンパク質(a)1分
子を正しく1分子として捉えることができず、測定値に
誤差が生じてしまうことが分かる。以上のことより、本
発明のリポタンパク質(a)の免疫学的測定方法(免疫
学的測定試薬)は、従来の測定方法(測定試薬)のよう
に、試料中のリポタンパク質(a)のフェノタイプの種
類により測定値が変動し、誤差が生じてしまうようなこ
とがなく、正確なリポタンパク質(a)の測定値が得ら
れる方法(試薬)であることが確かめられた。
は、試料中のリポタンパク質(a)のクリングル4様ド
メイン中のクリングルの数が増えるにつれて、得られる
シグナルも増加してしまい、リポタンパク質(a)1分
子を正しく1分子として捉えることができず、測定値に
誤差が生じてしまうことが分かる。以上のことより、本
発明のリポタンパク質(a)の免疫学的測定方法(免疫
学的測定試薬)は、従来の測定方法(測定試薬)のよう
に、試料中のリポタンパク質(a)のフェノタイプの種
類により測定値が変動し、誤差が生じてしまうようなこ
とがなく、正確なリポタンパク質(a)の測定値が得ら
れる方法(試薬)であることが確かめられた。
【0149】〔実施例15〕 ラテックス比濁法による
リポタンパク質(a)測定方法(測定試薬)の構築と検
量線の作成 実施例1で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗
体を用いるラテックス比濁法によるリポタンパク質
(a)測定方法(測定試薬)を構築した。また、検量線
を作成した。
リポタンパク質(a)測定方法(測定試薬)の構築と検
量線の作成 実施例1で得られたリポタンパク質(a)に結合する抗
体を用いるラテックス比濁法によるリポタンパク質
(a)測定方法(測定試薬)を構築した。また、検量線
を作成した。
【0150】(1) 実施例1で得られた「アポリポタ
ンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ5、
タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイ
プ10、クリングル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ド
メインに特異的に結合し、かつアポリポタンパク質
(a)のクリングル4様ドメインのタイプ2には結合し
ない抗体」(202A9株由来)600μgと、10%
ラテックス粒子懸濁液(粒径0.12μm;日本ペイン
ト社製)100μLと、0.1Mグリシン緩衝液(pH
8.4)1mLを混合し、振とうしながら、37℃で2
時間反応させた。
ンパク質(a)のクリングル4様ドメインのタイプ5、
タイプ6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイ
プ10、クリングル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ド
メインに特異的に結合し、かつアポリポタンパク質
(a)のクリングル4様ドメインのタイプ2には結合し
ない抗体」(202A9株由来)600μgと、10%
ラテックス粒子懸濁液(粒径0.12μm;日本ペイン
ト社製)100μLと、0.1Mグリシン緩衝液(pH
8.4)1mLを混合し、振とうしながら、37℃で2
時間反応させた。
【0151】(2) その後、これに1%BSA及び
0.05M塩化ナトリウムを含む0.1Mグリシン緩衝
液(pH8.4)1mLを添加し、振とうしながら、3
7℃で1時間反応させた。そして、これを16,000
r.p.m.で遠心分離し、上清を取り除いた。 (3) 次に、これに0.05M塩化ナトリウムを含む
0.1Mグリシン緩衝液(pH8.4)の1mLを添加
し、16,000r.p.m.で遠心分離を行い、上清
を取り除いて洗浄を行った。この洗浄操作を更に2回繰
り返した。
0.05M塩化ナトリウムを含む0.1Mグリシン緩衝
液(pH8.4)1mLを添加し、振とうしながら、3
7℃で1時間反応させた。そして、これを16,000
r.p.m.で遠心分離し、上清を取り除いた。 (3) 次に、これに0.05M塩化ナトリウムを含む
0.1Mグリシン緩衝液(pH8.4)の1mLを添加
し、16,000r.p.m.で遠心分離を行い、上清
を取り除いて洗浄を行った。この洗浄操作を更に2回繰
り返した。
【0152】(4) その後、これを0.01%アジ化
ナトリウム及び0.05M塩化ナトリウムを含む0.1
Mグリシン緩衝液(pH8.4)0.5mLに再分散さ
せた。これをラテックス試薬Aとした。 (5) 実施例1で得られた「アポリポタンパク質
(a)のクリングル4様ドメインのタイプ5、タイプ
6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ1
0、クリングル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ドメイ
ンに特異的に結合し、かつアポリポタンパク質(a)の
クリングル4様ドメインのタイプ2には結合しない抗
体」(203E2株由来)600μgを用い、前記
(1)〜(4)に記載の方法に従って、ラテックス試薬
Bを調製した。
ナトリウム及び0.05M塩化ナトリウムを含む0.1
Mグリシン緩衝液(pH8.4)0.5mLに再分散さ
せた。これをラテックス試薬Aとした。 (5) 実施例1で得られた「アポリポタンパク質
(a)のクリングル4様ドメインのタイプ5、タイプ
6、タイプ7、タイプ8、タイプ9もしくはタイプ1
0、クリングル5様ドメイン又はプロテアーゼ様ドメイ
ンに特異的に結合し、かつアポリポタンパク質(a)の
クリングル4様ドメインのタイプ2には結合しない抗
体」(203E2株由来)600μgを用い、前記
(1)〜(4)に記載の方法に従って、ラテックス試薬
Bを調製した。
【0153】(6) 前記(4)のラテックス試薬Aと
前記(5)のラテックス試薬Bを等量ずつ混合して、第
二試薬を調製した。 (7) 0.01%アジ化ナトリウム及び0.05M塩
化ナトリウムを含む0.1Mトリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタン緩衝液(pH8.4)を調製し、第一
試薬とした。 (8) 実施例13の(3)に記載の方法に従い、リポ
タンパク質(a)濃度が13mg/dL、39.4mg
/dL及び94.1mg/dLの血清試料を調製した。
前記(5)のラテックス試薬Bを等量ずつ混合して、第
二試薬を調製した。 (7) 0.01%アジ化ナトリウム及び0.05M塩
化ナトリウムを含む0.1Mトリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタン緩衝液(pH8.4)を調製し、第一
試薬とした。 (8) 実施例13の(3)に記載の方法に従い、リポ
タンパク質(a)濃度が13mg/dL、39.4mg
/dL及び94.1mg/dLの血清試料を調製した。
【0154】(9) 測定は、日立−7150形自動分
析装置(日立製作所社製)を使用して行った。試料10
μLに第一試薬200μLを添加し、37℃で5分間反
応させ、その後、第二試薬50μLを添加し、更に5分
間37℃で反応させた。試料に第一試薬を添加してから
10分後の、主波長800nm、副波長570nmにお
ける吸光度を測定した。 (10) この測定の結果を図10に示した。この図よ
り、本発明はラテックス比濁法においても、試料中のリ
ポタンパク質(a)の定量が行えることが確認できた。
また、このことより、前記(1)記載の202A9株由
来の実施例1で得られた抗体と、前記(5)記載の20
3E2株由来の実施例1で得られた抗体は、試料中のリ
ポタンパク質(a)との結合において、お互いに阻害し
合わない(干渉し合わない)ことが確かめられた。
析装置(日立製作所社製)を使用して行った。試料10
μLに第一試薬200μLを添加し、37℃で5分間反
応させ、その後、第二試薬50μLを添加し、更に5分
間37℃で反応させた。試料に第一試薬を添加してから
10分後の、主波長800nm、副波長570nmにお
ける吸光度を測定した。 (10) この測定の結果を図10に示した。この図よ
り、本発明はラテックス比濁法においても、試料中のリ
ポタンパク質(a)の定量が行えることが確認できた。
また、このことより、前記(1)記載の202A9株由
来の実施例1で得られた抗体と、前記(5)記載の20
3E2株由来の実施例1で得られた抗体は、試料中のリ
ポタンパク質(a)との結合において、お互いに阻害し
合わない(干渉し合わない)ことが確かめられた。
【0155】
【発明の効果】本発明のリポタンパク質(a)の免疫学
的測定方法及び免疫学的測定試薬は、試料中のリポタン
パク質(a)のフェノタイプの種類によって測定値が変
動し、誤差が生じてしまうという問題を解決したもので
ある。つまり、試料中のリポタンパク質(a)のフェノ
タイプの種類によらず、真のリポタンパク質(a)濃度
を正確かつ簡便に得ることができる、という効果を有す
るものである。
的測定方法及び免疫学的測定試薬は、試料中のリポタン
パク質(a)のフェノタイプの種類によって測定値が変
動し、誤差が生じてしまうという問題を解決したもので
ある。つまり、試料中のリポタンパク質(a)のフェノ
タイプの種類によらず、真のリポタンパク質(a)濃度
を正確かつ簡便に得ることができる、という効果を有す
るものである。
【図1】リポタンパク質(a)の構造を示した図であ
る。
る。
【図2】4種類の実施例1で得られた抗体(「202A
9株」由来、「202F8株」由来、「203E2株」
由来、及び「104D11株」由来)のLDLへの反応
性を確かめたウエスタンブロットの図である。(実施例
2)
9株」由来、「202F8株」由来、「203E2株」
由来、及び「104D11株」由来)のLDLへの反応
性を確かめたウエスタンブロットの図である。(実施例
2)
【図3】4種類の実施例1で得られた抗体(「202A
9株」由来、「202F8株」由来、「203E2株」
由来、及び「104D11株」由来)のプラスミノーゲ
ンへの反応性を確かめたウエスタンブロットの図であ
る。(実施例3)
9株」由来、「202F8株」由来、「203E2株」
由来、及び「104D11株」由来)のプラスミノーゲ
ンへの反応性を確かめたウエスタンブロットの図であ
る。(実施例3)
【図4】3種類の実施例1で得られた抗体(「202A
9株」由来、「202F8株」由来、及び「203E2
株」由来)の「アポリポタンパク質(a)のクリングル
4様ドメインのタイプ5〜タイプ10、クリングル5様
ドメイン又はプロテアーゼ様ドメイン」への反応性を確
かめたウエスタンブロットの図である。(実施例6)
9株」由来、「202F8株」由来、及び「203E2
株」由来)の「アポリポタンパク質(a)のクリングル
4様ドメインのタイプ5〜タイプ10、クリングル5様
ドメイン又はプロテアーゼ様ドメイン」への反応性を確
かめたウエスタンブロットの図である。(実施例6)
【図5】実施例1で得られた抗体(「104D11株」
由来)の「アポリポタンパク質(a)のクリングル4様
ドメインのタイプ5〜タイプ10、クリングル5様ドメ
イン又はプロテアーゼ様ドメイン」への反応性を確かめ
たウエスタンブロットの図である。(実施例7)
由来)の「アポリポタンパク質(a)のクリングル4様
ドメインのタイプ5〜タイプ10、クリングル5様ドメ
イン又はプロテアーゼ様ドメイン」への反応性を確かめ
たウエスタンブロットの図である。(実施例7)
【図6】3種類の実施例1で得られた抗体(「202A
9株」由来、「202F8株」由来、及び「203E2
株」由来)の「アポリポタンパク質(a)のクリングル
4様ドメインのタイプ1〜タイプ4」への反応性を確か
めたウエスタンブロットの図である。(実施例8)
9株」由来、「202F8株」由来、及び「203E2
株」由来)の「アポリポタンパク質(a)のクリングル
4様ドメインのタイプ1〜タイプ4」への反応性を確か
めたウエスタンブロットの図である。(実施例8)
【図7】実施例1で得られた抗体(「104D11株」
由来)の「アポリポタンパク質(a)のクリングル4様
ドメインのタイプ1〜タイプ4」への反応性を確かめた
ウエスタンブロットの図である。(実施例9)
由来)の「アポリポタンパク質(a)のクリングル4様
ドメインのタイプ1〜タイプ4」への反応性を確かめた
ウエスタンブロットの図である。(実施例9)
【図8】実施例1で得られた抗体(「104D11株」
由来)の「プラスミノーゲンのクリングル5ドメイン又
はプロテアーゼドメイン」への反応性を確かめたウエス
タンブロットの図である。(実施例10)
由来)の「プラスミノーゲンのクリングル5ドメイン又
はプロテアーゼドメイン」への反応性を確かめたウエス
タンブロットの図である。(実施例10)
【図9】本発明の測定方法(測定試薬)〔ELISA
法〕における検量線を示した図である。(実施例13)
法〕における検量線を示した図である。(実施例13)
【図10】本発明の測定方法(測定試薬)〔ラテックス
比濁法〕における検量線を示した図である。(実施例1
5)
比濁法〕における検量線を示した図である。(実施例1
5)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月17日(1998.11.
17)
17)
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図3】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安部 彰 岐阜県関市市平賀字長峰795 岐阜医療技 術短期大学内 (72)発明者 久保 信彦 埼玉県大宮市天沼町1−847 自治医科大 学 大宮医療センター内 (72)発明者 櫻林 郁之介 埼玉県大宮市天沼町1−847 自治医科大 学 大宮医療センター内
Claims (4)
- 【請求項1】 試料中のリポタンパク質(a)の免疫学
的測定方法において、リポタンパク質(a)に結合させ
る抗体として、アポリポタンパク質(a)のクリングル
4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ
8、タイプ9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメ
イン又はプロテアーゼ様ドメインに特異的に結合し、か
つアポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメイン
のタイプ2には結合しない抗体だけを使用することを特
徴とするリポタンパク質(a)の免疫学的測定方法。 - 【請求項2】 アポリポタンパク質(a)のクリングル
4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ
8、タイプ9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメ
イン又はプロテアーゼ様ドメインに特異的に結合し、か
つアポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメイン
のタイプ2には結合しない抗体が、アポリポタンパク質
(a)のクリングル4様ドメインのタイプ5、タイプ
6、タイプ7、タイプ8、タイプ9又はタイプ10に特
異的に結合し、かつアポリポタンパク質(a)のクリン
グル4様ドメインのタイプ2には結合しない抗体である
請求項1記載の測定方法。 - 【請求項3】 試料中のリポタンパク質(a)の免疫学
的測定試薬において、リポタンパク質(a)に結合させ
る抗体として、アポリポタンパク質(a)のクリングル
4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ
8、タイプ9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメ
イン又はプロテアーゼ様ドメインに特異的に結合し、か
つアポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメイン
のタイプ2には結合しない抗体だけを使用することを特
徴とするリポタンパク質(a)の免疫学的測定試薬。 - 【請求項4】 アポリポタンパク質(a)のクリングル
4様ドメインのタイプ5、タイプ6、タイプ7、タイプ
8、タイプ9もしくはタイプ10、クリングル5様ドメ
イン又はプロテアーゼ様ドメインに特異的に結合し、か
つアポリポタンパク質(a)のクリングル4様ドメイン
のタイプ2には結合しない抗体が、アポリポタンパク質
(a)のクリングル4様ドメインのタイプ5、タイプ
6、タイプ7、タイプ8、タイプ9又はタイプ10に特
異的に結合し、かつアポリポタンパク質(a)のクリン
グル4様ドメインのタイプ2には結合しない抗体である
請求項3記載の測定試薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10320647A JP2000146966A (ja) | 1998-11-11 | 1998-11-11 | リポタンパク質(a)の免疫学的測定方法及び免疫学的測定試薬 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10320647A JP2000146966A (ja) | 1998-11-11 | 1998-11-11 | リポタンパク質(a)の免疫学的測定方法及び免疫学的測定試薬 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000146966A true JP2000146966A (ja) | 2000-05-26 |
Family
ID=18123756
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10320647A Withdrawn JP2000146966A (ja) | 1998-11-11 | 1998-11-11 | リポタンパク質(a)の免疫学的測定方法及び免疫学的測定試薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000146966A (ja) |
-
1998
- 1998-11-11 JP JP10320647A patent/JP2000146966A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060207 |