JP2000146597A - 光ファイバジャイロ - Google Patents

光ファイバジャイロ

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JP2000146597A
JP2000146597A JP31603198A JP31603198A JP2000146597A JP 2000146597 A JP2000146597 A JP 2000146597A JP 31603198 A JP31603198 A JP 31603198A JP 31603198 A JP31603198 A JP 31603198A JP 2000146597 A JP2000146597 A JP 2000146597A
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light
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optical fiber
phase
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Yoshiyuki Okada
芳幸 岡田
Yoshiaki Imamura
良明 今村
Mikio Morohoshi
幹雄 諸星
Tsurashi Yamamoto
貫志 山本
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Tokimec Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】変調ゲイン誤差および干渉光の光強度変化によ
る影響を除去可能なディジタル方式の光ファイバジャイ
ロを提供する。 【解決手段】ディジタル信号処理器100は、光ファイ
バループ6での光伝搬時間をτとした場合、干渉光の位
相差が、±(γ−θ)、±(γ+θ+δ)、および±
(γ+θ−δ)の6値、あるいは、±(γ+θ)、±
(γ−θ−δ)、および±(γ−θ+δ)の6値を、各
ステップの継続時間をτ/2として、所定の順番で繰り
返しとるように位相変調を行わせるバイアス変調信号
と、サニャック位相差を打ち消すためのセロダイン信号
とを合成することで、各種位相変調の合成信号を生成す
る。該信号は、D/A変換器10などを介して、位相変
調器5に入力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、航空
機、船舶、自動車等に適用される、回転角速度または回
転角度を検出する光ファイバジャイロに関し、特に、階
段状のセロダイン信号によりサニャック位相シフトを打
ち消すよう閉ループに構成されたディジタル方式の光フ
ァイバジャイロに関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバジャイロにおいて、光ファイ
バループを互いに反対方向に伝搬する2つの光を再結合
することで得られた干渉光の光強度変化は、該2つの光
のサニャック位相差をφsとすると、cos(φs)で
ある。このため、図24に示すように、サニャック位相
差が0近傍では、該位相差の変化に対して僅かしか光強
度が変化しない。
【0003】この問題を解決する光ファイバジャイロと
して、特開昭56−94680号公報記載のものがあ
る。
【0004】この技術では、光ファイバループを伝搬す
る2つの光を位相変調する位相変調器を設け、該位相変
調器に、図24に示すように、+π/2および−π/2
の位相シフトを2τ(τ:光ファイバループでの光の伝
搬時間)周期で生じさせる矩形波の位相変調信号を該位
相変調器に加えることで、前記干渉光のサニャック位相
差による光強度変化を(P0/2)・cos(φs±π
/2)(ここで、P0は干渉光の光強度のピーク値)で
取り出せるようにしている。
【0005】また、従来のディジタル方式の光ファイバ
ジャイロでは、サニャック位相差検出のダイナミックレ
ンジ拡大のため、各階段の持続時間が通常τの階段信号
であるセロダイン信号を位相変調器に入力して、該位相
変調器に対して、光ファイバジャイロへの入力角速度に
応じたサニャック位相差と同量、異符号の位相差を生じ
るよう位相変調を行わせている。これにより、光ファイ
バループを伝搬する2つの光のサニャック位相差を打ち
消すよう閉ループに構成されている。ただし、セロダイ
ン信号の出力を無限に大きくすることはできないため、
通常、セロダイン信号による位相シフトが±2πに達し
たときにリセットしている。
【0006】ところで、セロダイン信号のリセットが正
確に行われない場合、すなわち、変調ゲインに誤差が含
まれると、光ファイバジャイロの入力レートと出力レー
トとの関係において、スケールファクタ誤差が生ずる。
【0007】この問題を解決するディジタル方式の光フ
ァイバジャイロとして、特開平3−210417号公報
記載や特開平3−48715号公報記載のものがある。
【0008】前者は、位相変調器に入力する位相変調信
号として、 δφ1=φ0 δφ2=aφ0 δφ3=−φ0 δφ4=−aφ0 (ここで、φ0は一定の位相シフト、aはcosφ0=c
os(aφ0)を満足する正の定数)からなる4つのス
テップを一周期とする信号を用いている。
【0009】ここで、位相変調信号の各ステップの周期
は、たとえばτ/2(合計で2τ)である。また、aは
2である。この場合、変調位相差は図25のようにな
る。
【0010】一方、後者は、位相変調器に入力する位相
変調信号として、位相差電気信号から得た利得信号と合
計位相変調信号とを演算することで得られた信号を用い
ている。この合計位相変調信号は、以下の信号を合計す
ることで得られる。
【0011】・第一の周波数を用いて作成したセロダイ
ン信号。
【0012】・第一の周波数を有した周期的方形波より
なる速度バイアス信号。
【0013】・セロダイン信号の周期の半分に等しい連
続した等間隔時間の終わりで遷移する一連のステップ電
圧よりなる利得バイアス信号。
【0014】ここで、たとえば、連続した等間隔時間と
はτ/j(jは整数)である。jを2とした場合、速度
バイアス信号は周波数1/2τとなる。また、速度バイ
アス信号は、π/2および−π/2間を遷移する方形波
であり、利得バイアス信号は、2π、0、−2πおよび
0の一連の誘起位相シフトを有する。この場合、変調位
相差は、たとえば、 ・0〜τ/2 期間: +π/2+2π=+5π/2 ・τ/2〜τ 期間: +π/2+0=+π/2 ・τ〜3τ/2 期間: −π/2−2π=−5π/2 ・3τ/2〜2τ期間: −π/2+0=−π/2 となり、したがって、図26のようになる。
【0015】両者とも、位相変調器に所定周期で位相シ
フトさせる信号を印加することで、サニャック位相差が
0となる光強度の点を周期的にシフトさせることができ
る。このため、サニャック位相差の0近傍における光強
度の感度を向上させることができる。
【0016】また、図25および図26に示すように、
位相変調器に所定周期で±iπ(図25ではa=2のと
き±4/3π、図26では±2π)の位相シフトをさせ
る信号を位相変調器に印加することで、該位相シフトの
際に生ずる変調ゲイン誤差を検出できるようにしてい
る。
【0017】したがって、該変調ゲイン誤差がゼロとな
るように変調制御を行い、位相変調信号およびセロダイ
ン信号の変調ゲインを最適値に制御することで、セロダ
イン信号によって発生するジャイロ出力におけるスケー
ルファクタ誤差を低減することができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光ファイバ
ループを互いに反対方向に伝搬する2つの光を生成する
ための光源やその他の光学部品などの特性が変化する
と、検出される干渉光の光強度値が変化し、安定したセ
ロダイン制御や変調制御の妨げとなる。特に、セロダイ
ン制御においては、前記干渉光の光強度値の変化により
サニャック位相差(P0/2)・cos(φs±π/
2)(ここで、P0は干渉光の光強度のピーク値、±π
/2は位相変調振幅値)の検出ゲインが変化し、セロダ
イン制御のループゲインが変動する。このループゲイン
の変動は、セロダイン制御の閉ループ動作における周波
数特性の変動をもたらし、セロダイン制御ひいてはジャ
イロの回転角速度出力の安定動作の妨げとなる。このた
め、光源やその他の光学部品などの特性変化による干渉
光の光強度値の変化にかかわらず、セロダイン制御系の
ループゲインが常に所定の値となるよう制御することが
好ましい。
【0019】しかしながら、上記の特開平3−2104
17号公報記載および特開平3−48715号公報記載
のディジタル方式の光ファイバジャイロでは、この点に
ついて、何ら考慮されていない。
【0020】また、上記の特開平3−210417号公
報記載および特開平3−48715号公報記載のディジ
タル方式の光ファイバジャイロでは、図25および図2
6に示すように、位相シフトの際に干渉光のピーク点
(最明点)またはボトム点(最暗点)を通過するため、
出力波形にスパイク状のノイズ(光スパイク)が発生す
る。検出光に光スパイクによる誤差が含まれると、変調
制御において誤差が発生し、位相変調信号およびセロダ
イン信号の変調ゲインを最適値にすることができず、結
果として、光ジャイロの出力におけるスケールファクタ
誤差が発生することがある。
【0021】本発明は、上記事情に基づいてなされたも
のであり、その目的は、安定動作が可能な高精度のディ
ジタル方式の光ファイバジャイロを提供することにあ
る。
【0022】具体的には、変調ゲイン誤差および干渉光
の光強度変化を検出可能とすることで、安定した変調制
御およびセロダイン制御を可能とすることを目的とす
る。
【0023】また、光源の出力特性を安定させること
で、安定した変調制御およびセロダイン制御を可能とす
ることを目的とする。
【0024】さらに、位相変調信号による位相シフトの
際に発生する光スパイクによる影響を除去することで、
正確な変調制御を可能とすることを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の態様は、光ファイバループを互いに
反対方向に伝搬する2つの光を再結合することで得られ
る干渉光のサニャック位相差に応じた回転角速度または
回転角度を検出する光ファイバジャイロであって、前記
光ファイバループを互いに反対方向に伝搬する2つの光
を生成するための光源と、前記干渉光の光強度を検出し
て電気信号に変換する受光手段と、前記受光手段により
検出された干渉光の光強度に応じた信号に基づいて、前
記干渉光のサニャック位相差に応じた信号を算出するサ
ニャック位相差演算手段と、前記サニャック位相差演算
手段で生成された前記干渉光のサニャック位相差に応じ
た信号にしたがい、前記干渉光のサニャック位相差を打
ち消すための階段状波でなるセロダイン信号を生成する
セロダイン信号生成手段と、前記干渉光の位相差が、±
(γ−θ)、±(γ+θ+δ)、および±(γ+θ−
δ)の6値、あるいは、±(γ+θ)、±(γ−θ−
δ)、および±(γ−θ+δ)の6値を、所定の時間間
隔且つ所定の順番で繰り返しとるように位相変調を行わ
せるバイアス変調信号と、前記セロダイン信号生成手段
で生成されたセロダイン信号とを合成して、各種位相変
調の合成信号を生成する合成信号生成手段と、前記合成
信号生成手段で生成された各種位相変調の合成信号にし
たがい、前記2つの光を各々位相変調する位相変調器
と、前記受光手段により検出された干渉光の光強度に応
じた信号に基づいて、前記バイアス変調信号による位相
シフトの際に発生する変調ゲイン誤差に応じた信号を算
出する変調ゲイン演算手段と、前記変調ゲイン演算手段
で生成された変調ゲイン誤差に応じた信号にしたがい、
前記各種位相変調の合成信号のゲインを制御する変調ゲ
イン制御手段と、前記受光手段により検出された干渉光
の光強度に応じた信号に基づいて、前記干渉光の光強度
値を求める光強度演算手段と、前記光強度演算手段で求
めた前記干渉光の光強度値に応じて、前記光源への入力
を制御して光量を調節する光源制御手段と、を備えるこ
とを特徴とする。
【0026】また、本発明の第2の態様は、光ファイバ
ループを互いに反対方向に伝搬する2つの光を再結合す
ることで得られる干渉光のサニャック位相差に応じた回
転角速度または回転角度を検出する光ファイバジャイロ
であって、前記光ファイバループを互いに反対方向に伝
搬する2つの光を生成するための第1の光源と、前記第
1の光源の予備としての第2の光源と、前記干渉光の光
強度を検出して電気信号に変換する受光手段と、前記受
光手段により検出された干渉光の光強度に応じた信号に
基づいて、前記干渉光のサニャック位相差に応じた信号
を算出するサニャック位相差演算手段と、前記サニャッ
ク位相差演算手段で生成された前記干渉光のサニャック
位相差に応じた信号にしたがい、前記干渉光のサニャッ
ク位相差を打ち消すための階段状波でなるセロダイン信
号を生成するセロダイン信号生成手段と、前記干渉光の
位相差が、±(γ−θ)、±(γ+θ+δ)、および±
(γ+θ−δ)の6値、あるいは、±(γ+θ)、±
(γ−θ−δ)、および±(γ−θ+δ)の6値を、所
定の時間間隔且つ所定の順番で繰り返しとるように位相
変調を行わせるバイアス変調信号と、前記セロダイン信
号生成手段で生成されたセロダイン信号とを合成して、
各種位相変調の合成信号を生成する合成信号生成手段
と、前記合成信号生成手段で生成された各種位相変調の
合成信号にしたがい、前記2つの光を各々位相変調する
位相変調器と、前記受光手段により検出された干渉光の
光強度に応じた信号に基づいて、前記バイアス変調信号
による位相シフトの際に発生する変調ゲイン誤差に応じ
た信号を算出する変調ゲイン演算手段と、前記変調ゲイ
ン演算手段で生成された変調ゲイン誤差に応じた信号に
したがい、前記各種位相変調の合成信号のゲインを制御
する変調ゲイン制御手段と、前記受光手段により検出さ
れた干渉光の光強度に応じた信号に基づいて、前記干渉
光の光強度値を求める光強度演算手段と、前記光強度演
算手段で求めた前記干渉光の光強度値に応じて、前記第
1の光源への入力を制御して光量を調節するとともに、
前記第1の光源への入力が所定の閾値を越えた場合に、
前記光ファイバループを互いに反対方向に伝搬する2つ
の光を生成するための光源を前記第1の光源から前記第
2の光源に切り換え、前記光強度演算手段で求めた前記
干渉光の光強度値に応じて、前記第2の光源への入力を
制御して光量を調節する光源制御手段と、を備えること
を特徴とする。
【0027】ここで、前記干渉光の位相差が、γ+θ+
δ、γ−θ、−γ−θ−δ、−γ+θ、γ+θ−δ、γ
−θ、−γ−θ+δ、−γ+θの順番でなる一連のステ
ップ、γ−θ、γ+θ+δ、−γ+θ、−γ−θ−δ、
γ−θ、γ+θ−δ、−γ+θ、−γ−θ+δの順番で
なる一連のステップ、γ−θ−δ、γ+θ、−γ+θ+
δ、−γ−θ、γ−θ+δ、γ+θ、−γ+θ−δ、−
γ−θの順番でなる一連のステップ、あるいは、γ+
θ、γ−θ−δ、−γ−θ、−γ+θ+δ、γ+θ、γ
−θ+δ、−γ−θ、−γ+θ−δの順番でなる一連の
ステップ(周期4τ、各ステップの継続時間τ/2)を
繰り返しとるように位相変調を行わせる前記バイアス変
調信号を生成するバイアス変調信号生成手段を設けても
よい。
【0028】このバイアス変調信号生成手段は、たとえ
ば、θの位相シフトを行うのに必要な出力値を有する第
一の定出力信号を変調して、周波数1/τ(ただし、τ
は前記光ファイバループでの光の伝搬時間)の矩形波で
なる第一の位相変調信号を生成する第一の変調手段と、
δの位相シフトを行うのに必要な出力値を有する第二の
定出力信号を変調して、パルス幅τ/2のパルスが時間
間隔2τ毎に正負交互に現れる第二の位相変調信号を生
成する第二の変調手段と、前記第一の位相変調信号、前
記第二の位相変調信号およびγの位相シフトを行うのに
必要な出力値を有する第三の定出力信号を加算して信号
を生成する加算手段と、前記加算手段で生成された信号
を周波数1/2τで変調する第三の変調手段とにより構
成することができる。
【0029】また、このようなバイアス変調信号生成手
段を設けた場合、サニャック位相差演算手段は、たとえ
ば、前記受光手段により検出した信号を1/τの周波数
で復調する第一の復調手段と、前記第一の復調手段の出
力を1/2τの周波数で復調する第二の復調手段と、前
記第二の復調手段の出力を、時間2τまたは4τ毎に、
時間τだけずれたもの同士の和をとって平均化すること
で、前記干渉光のサニャック位相差に応じた信号を生成
する演算手段とにより構成することができる。
【0030】本発明による変調位相差の一例を図1に示
す。ここでは、各種位相変調の合成信号として、前記干
渉光の位相差が、γ+θ+δ、γ−θ、−γ−θ−δ、
−γ+θ、γ+θ−δ、γ−θ、−γ−θ+δ、−γ+
θの順番でなる一連のステップ(周期4τ、各ステップ
の継続時間τ/2)を繰り返しとるように位相変調を行
わせるバイアス変調信号と、セロダイン信号とを合成す
ることで得られる各種位相変調の合成信号を用いた場合
における変調位相差を示している。なお、図1に示す例
では、0<θ≦π/2、γ=π、0<δ≦10度に設定
し、説明を簡単にするため、入力角速度を0にしてい
る。
【0031】図1に示すように、本発明によれば、位相
シフトが、γ+θ+δ(または−γ−θ−δ)のときに
検出される干渉光の光強度とγ−θ(または−γ+θ)
のときに検出される干渉光の光強度との強度差、およ
び、γ+θ−δ(または−γ−θ+δ)のときに検出さ
れる干渉光の光強度とγ−θ(または−γ+θ)のとき
に検出される干渉光の光強度との強度差に基づいて、あ
るいは、γ+θ+δ(または−γ−θ−δ)のときに検
出される干渉光の光強度とγ+θ−δ(または−γ−θ
+δ)のときに検出される干渉光の光強度との強度差に
基づいて、間接的に、光ファイバループを互いに反対方
向に伝搬する2つの光を生成するための光源やその他の
光学部品などの特性変化による干渉光の光強度値の変化
を検出することができる。
【0032】したがって、光強度演算手段にて前記干渉
光の光強度値の変化を検出し、光源制御手段により、こ
の検出した変化がなくなる方向に、すなわち、検出され
る光強度値が一定となるように、光源への入力(たとえ
ば入力電流)を制御して光量を調節することにより、安
定したセロダイン制御、ひいてはジャイロの回転角速度
または回転角度の安定した出力が得られる。
【0033】特に、本発明の第2の態様では、光源制御
手段により、光源への入力が所定の閾値(たとえば最大
定格値)を越えると、光ファイバループを互いに反対方
向に伝搬する2つの光を生成するための光源を、第1の
光源から第2の光源へ切り替えるようにしているので、
長時間に亘り光ファイバジャイロを継続して使用しなけ
ればならない場合に好適である。
【0034】また、本発明によれば、位相シフトが、γ
+θ+δ(または−γ−θ−δ)のときに検出される干
渉光の光強度とγ−θ(または−γ+θ)のときに検出
される干渉光の光強度との強度差、および、γ+θ−δ
(または−γ−θ+δ)のときに検出される干渉光の光
強度とγ−θ(または−γ+θ)のときに検出される干
渉光の光強度との強度差に基づいて、あるいは、γ+θ
+δ(または−γ−θ−δ)のときに検出される干渉光
の光強度とγ−θ(または−γ+θ)のときに検出され
る干渉光の光強度との強度差、および、γ+θ+δ(ま
たは−γ−θ−δ)のときに検出される干渉光の光強度
とγ+θ−δ(または−γ−θ+δ)のときに検出され
る干渉光の光強度の強度差に基づいて、各種位相変調の
合成信号による位相シフトの際に生ずる変調ゲイン誤差
を検出することができる。
【0035】したがって、変調ゲイン演算手段にて前記
変調ゲイン誤差を検出し、変調ゲイン制御手段により、
前記検出した変調ゲイン誤差をゼロとするように各種位
相変調の合成信号の変調ゲインを制御することにより、
正確な変調制御およびセロダイン制御を行うことがで
き、ジャイロ出力におけるスケールファクタ誤差を低減
することが可能となる。
【0036】なお、本発明の各態様において、前記受光
手段の出力側に接続されたスイッチ手段と、前記スイッ
チング手段の出力側に接続されたホールド手段と、をさ
らに設け、前記スイッチ手段により、前記合成信号生成
手段で生成された各種位相変調の合成信号の立ち上がり
および下がりに同期して、前記受光手段により検出され
た信号の出力を所定期間遮断し、前記ホールド手段によ
り、前記スイッチ手段を介して前記受光手段から送られ
てきた信号の値を所定時間維持するようにしてもよい。
【0037】光ファイバループを互いに反対方向に伝搬
する2つの光各々を位相変調すると、該2つの光を再結
合することで得られた干渉光に光スパイクと呼ばれるス
パイク状のノイズが生ずる。
【0038】図1に示す例では、位相シフトが、+γ−
θから−γ−θ−δに変わる場合、−γ+θから+γ+
θ−δに変わる場合、+γ−θから−γ−θ+δに変わ
る場合、そして、−γ+θから+γ+θ+δに変わる場
合に、図1の検出光の強度−時間特性に示すように、干
渉光の光強度が瞬間的にピーク値P0に達する光スパイ
クが生じている。この光スパイクが検出信号に含まれる
と、変調制御において誤差が発生し、各種位相変調の合
成信号の変調ゲインを最適値にすることができず、結果
として、ジャイロ出力におけるスケールファクタ誤差が
発生することがある。
【0039】これに対し、本発明では、前記のスイッチ
手段とホールド手段とをさらに設けることにより、受光
手段から出力された信号に含まれる光スパイクによる誤
差分を除去することができる。また、スイッチ手段が受
光手段から送られてきた信号を遮断している期間(すな
わち、該誤差分が除去されている期間)、ホールド手段
に保持された遮断直前の信号が出力されるので、スイッ
チ手段の遮断による不連続動作の影響を低減するととも
に、外部からの電磁ノイズ等の混入を防止することがで
き、これにより安定した検出信号を得ることができ、し
たがって変調制御およびセロダイン制御の動作をより安
定させることができる。
【0040】なお、スイッチ手段は、必ずしも、合成信
号生成手段で生成された各種位相変調の合成信号の立ち
上がりおよび下がりの全てに同期して、受光手段から送
られてきた信号の出力を所定期間遮断する必要はない。
該合成信号の立ち上がりおよび下がりのうち、光スパイ
クを伴う位相シフトを行うものにのみ同期して、該電気
的信号の出力を所定期間遮断するようにしてもよい。
【0041】また、本発明の各態様において、前記セロ
ダイン信号による変調位相差の累積結果が第一の閾値に
達すると、−2πの位相シフトを生じさせるように前記
セロダイン信号生成手段をリセットし、かつ、前記セロ
ダイン信号による変調位相差の累積結果が前記第一の閾
値よりも2π低い第二の閾値に達すると、+2πの位相
シフトを生じさせるように、前記セロダイン信号生成手
段をリセットするリセット手段を設けてもよい。
【0042】このようにした場合、たとえば第一の閾値
を+π、第二の閾値を−πに設定することで、上記従来
の技術で説明したディジタル方式の光ファイバジャイロ
のように、セロダイン信号による位相シフトが±2πに
達したときに0にリセットする場合に比べ、セロダイン
信号のピーク−ピーク値を小さくすることができる。こ
れにより、消費電力を減らすことができる。また、たと
えば、前記第一の閾値を+2π、第二の閾値を0に設定
することで、セロダイン信号生成のための電源として、
単電源を用いることが可能となる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の第1実施形態に
ついて説明する。
【0044】図2は、本発明の第1実施形態が適用され
たディジタル方式の光ファイバジャイロの概略構成図で
ある。
【0045】ここで、符号500は光干渉計である。光
干渉計500は、光源1、カプラ2、偏光子3、カプラ
4、位相変調器5、および、光ファイバが複数回巻かれ
て構成された光ファイバループ6で構成されている。
【0046】光源1には、コヒーレンス長が長いスーパ
ルミネッセントダイオード(SLD)や、SLDよりも
さらに出力強度が高いエルビウムドウプト光ファイバ光
源(EDFS)などが用いられる。通常、これらの光源
は、半導体の発光素子に電流を注入することにより、所
望の発光強度が得られるように構成される。
【0047】なお、一般に、偏光子3、カプラ4、およ
び位相変調器5は、光集積回路(IOC:Integrated O
ptical Circuit)として、一つの基板に集積されてい
る。また、図2では、光ファイバループ6の一端に位相
変調器5を設けているが、これを両端に設け、光ファイ
バループ6に対して互いに逆方向に位相変調を行うよう
にしてもよい。
【0048】光源1から発せられた光は、カプラ2およ
び偏光子3を経てカプラ4に入射され、そこで2つの光
に分割される。この2つの光のうちの一方は、光ファイ
バループ6を右回りで伝搬し、位相変調器5で位相変調
された後、カプラ4に戻る。他方は、光ファイバループ
6を左回りで伝搬し、位相変調器5で位相変調された
後、カプラ4に戻る。そして、両者は、カプラ4にて合
成される。これにより、干渉光が形成される。
【0049】ここで、光ファイバループ6に回転角速度
Ωが加えられたとする。この際、光ファイバループ6を
互いに反対方向に伝搬している2つの光の間に光路長差
が生じ、結果として位相差が生じる。この位相差は、上
記従来の技術で説明したように、サニャック位相差φs
と呼ばれている。このサニャック位相差φsは、次式で
表される。
【0050】 φs=(2πDL/λc)Ω (1) ここで、Dは光ファイバループ6のループ径、Lは光フ
ァイバ長、λは光源1から発せられる光の波長、そし
て、cは光速である。
【0051】また、干渉光の光強度Pとサニャック位相
差φsとは、次式の関係がある。
【0052】 P=(P0/2)(1+cosφs) (2) ここで、P0は、干渉光の光強度のピーク値である。
【0053】さて、カプラ4で形成された干渉光は、受
光器7で受光され、干渉光の光強度に応じた電流信号に
変換される。この電流信号は、電流/電圧(I/V)変
換器8にて、電圧信号に変換された後、広帯域の増幅器
9で増幅される。
【0054】増幅器9で増幅された電圧信号は、ハイパ
スフィルタや直流オフセット加算器により構成された直
流除去器20により直流成分が除去された後、広帯域の
増幅器22で増幅される。その後、スパイク除去器24
にて、信号に含まれる光スパイクによる成分が除去され
る。このスパイク除去器24は、スイッチとローパスフ
ィルタ(LPF)とを含んで構成される。その詳細につ
いては後述する。
【0055】スパイク除去器24で光スパイク成分が除
去された電圧信号は、セロダイン制御および変調制御の
ためのA/D変換器26に入力され、そこで、基準信号
発生器300からのサンプリング信号Dにしたがい、サ
ンプリングされて、ディジタル信号に変換される。
【0056】なお、サンプリング信号のサンプリング周
期は、スパイク除去器24を構成するLPFの時定数な
どにより異なるが、少なくとも、後述する各種位相変調
の合成信号の各ステップの継続時間(本実施形態ではτ
/2)より短く設定する必要がある。ここで、τは光フ
ァイバループ6での光の伝搬時間であり、光ファイバル
ープ6の光ファイバ長をL、光ファイバループ6を構成
する光ファイバの屈折率n0、光速をcとした場合、次
式で表される。
【0057】 τ=n0L/c (3) ディジタル信号処理器100は、A/D変換器26から
の出力を基に、干渉光のサニャック位相差φsに応じた
ジャイロ出力(回転角速度あるいは回転角度)を算出す
る。
【0058】また、ディジタル信号処理器100は、干
渉光の位相差が、(γ+θ+δ)→(γ−θ)→(−γ
−θ−δ)→(−γ+θ)→(γ+θ−δ)→(γ−
θ)→(−γ−θ+δ)→(−γ+θ)の順番でなる一
連のステップ(周期4τ、各ステップの継続時間τ/
2)を繰り返しとるように位相変調を行わせるバイアス
変調信号と、算出したサニャック位相差φsと同量、異
符号の位相差を生じさせる、各階段の継続時間がτある
いはτ/2の階段状のセロダイン信号とを合成して、各
種位相変調の合成信号を生成する。
【0059】ただし、上記のバイアス変調信号におい
て、γ=kπ(ただし、kは1以上の整数)であり、 kが奇数:0<θ≦π/2 kが偶数:π/2≦θ<π とする。また、0<δ<θとする。
【0060】また、上記のセロダイン信号は、当該セロ
ダイン信号による変調位相差の累積結果が第一の閾値
(たとえば+π)に達すると、干渉光の位相差が−2π
の位相シフトとなるようにリセットされ、かつセロダイ
ン信号による変調位相差の累積結果が第一の閾値よりも
2π低い第二の閾値に達すると、干渉光の位相差が+2
πの位相シフトとなるようにリセットされる。
【0061】さて、ディジタル信号処理器100におい
て生成された各種位相変調の合成信号は、D/A変換器
10にてアナログ信号に変換された後、ドライバ11を
介して位相変調器5に入力される。
【0062】これを受けて、位相変調器5は、光ファイ
バループ6を互い反対方向に伝搬する2つの光に対し
て、各種位相変調の合成信号に応じた位相変調を各々行
う。
【0063】本実施形態による位相変調により、光ファ
イバループ6を互いに反対方向に伝搬する2つの光の間
に生ずる変調位相差と、該2つの光を再結合することで
得られる干渉光の光強度との関係について説明する。
【0064】図1は、本実施形態の光ファイバジャイロ
による変調位相差を示している。なお、図1に示す例で
は、0<θ≦π/2、γ=π、0<δ≦10度に設定し
ている。ただし、本発明はこれに限定されるものではな
く、γ=kπ(kは1以上の整数)、0<δ<θであれ
ばよい。
【0065】本実施形態によれば、図1に示すように、
位相シフトが、γ+θ+δ(または−γ−θ−δ)のと
きに検出される干渉光の光強度とγ−θ(または−γ+
θ)のときに検出される干渉光の光強度との強度差、お
よび、γ+θ−δ(または−γ−θ+δ)ときに検出さ
れる干渉光の光強度とγ−θ(または−γ+θ)のとき
に検出される干渉光の光強度との強度差に基づいて、あ
るいは、γ+θ+δ(または−γ−θ−δ)のときに検
出される干渉光の光強度とγ+θ−δ(または−γ−θ
+δ)のときに検出される干渉光の光強度との強度差に
基づいて、間接的に、光源1や光干渉計500を構成す
るその他の光学部品などの特性変化による干渉光の光強
度値の変化を検出することができる。
【0066】そこで、本実施形態では、ディジタル信号
処理器100において、上記のようにして干渉光の光強
度値の変化を検出し、光源制御部600により、この変
化がなくなる方向に、すなわち、検出される干渉光の光
強度値が一定となるように、光源1への入力電流を制御
している。このようにすることで、安定したセロダイン
制御ひいてはジャイロの回転角速度または回転角度の安
定した出力を得ることができる。
【0067】また、本実施形態によれば、図1に示すよ
うに、位相シフトが、γ+θ+δ(または−γ−θ−
δ)のときに検出される干渉光の光強度とγ−θ(また
は−γ+θ)のときに検出される干渉光の光強度との強
度差、および、γ+θ−δ(または−γ−θ+δ)のと
きに検出される干渉光の光強度とγ−θ(または−γ+
θ)のときに検出される干渉光の光強度との強度差に基
づいて、バイアス位相変調信号による位相シフトの際に
生ずる変調ゲイン誤差を検出することができる。
【0068】そこで、本実施形態では、ディジタル信号
処理器100において、上記のようにして変調ゲイン誤
差を検出し、これをゼロとするように各種位相変調の合
成信号のゲインを調節している。このようにすること
で、正確な変調制御およびセロダイン制御を行うことが
可能となり、ジャイロ出力におけるスケールファクタ誤
差を低減することが可能となる。
【0069】次に、本実施形態の主要な構成であるスパ
イク除去器24、ディジタル信号処理器100、およ
び、光源制御部600について、詳しく説明する。
【0070】まず、スパイク除去器24について説明す
る。
【0071】図3は、スパイク除去器24の概略構成図
である。
【0072】スパイク除去器24は、図3に示すよう
に、スイッチ40と、抵抗器およびコンデンサでなるロ
ーパスフィルタ(LPF)兼ホールド回路42と、増幅
器46とでなる。
【0073】スイッチ40は、増幅器22から送られて
きた電圧信号の出力を、基準信号発生器300で生成さ
れた信号Eにしたがって所定期間遮断する。ここで、信
号Eは、1/τの周波数を持ち、かつディジタル信号処
理器100で生成される各種位相変調の合成信号に同期
した基準信号である。また、遮断期間は、干渉光の光ス
パイクの発生時間を考慮して設定する。スイッチ40に
より、増幅器22から送られてきた電圧信号に含まれる
干渉光の光スパイクによる誤差成分を除去することがで
きる。
【0074】LPF兼ホールド回路42は、スイッチ4
0がオンのときは、スイッチ40を介して送られてきた
電圧信号に含まれる白色雑音成分やその他の高周波電磁
ノイズを除去する。また、スイッチ40がオフ(遮断)
のときは、LPF兼ホールド回路42を構成するコンデ
ンサに蓄えられた電荷により、遮断直前の電圧信号を保
持する。この電圧信号は増幅器46を介してA/D変換
器26へ出力される。
【0075】このように、LPF兼ホールド回路42に
より、スイッチ40のオン・オフによる不連続動作の影
響を低減することができるとともに、外部からの電磁ノ
イズなどの混入を防止することができる。これにより、
安定した信号検出を行うことができるので、変調制御お
よびセロダイン制御の動作を、より安定させることがで
きる。また、電圧信号に含まれる各種雑音成分を除去す
るようにLPFの時定数を設定し、帯域制限を行うこと
により、極度のオーバサンプルを行う必要がなくなるた
め、A/D変換器26およびディジタル信号処理器10
0の処理速度を、従来の光ファイバジャイロに比べ低く
することができ、より安価の部品で光ファイバジャイロ
を構成することが可能となる。
【0076】くわえて、本実施形態では、電圧信号を増
幅器22により十分に増幅した後、上記スパイク除去器
24により光スパイクを除去している。この構成では、
電圧信号が十分に増幅されているので、スイッチ40の
オン・オフによって発生するノイズの影響を効果的に低
減することができ、安定した信号検出を行う上で、より
好ましい構成となっている。
【0077】なお、増幅器46は、バッファ構成となっ
ているが、増幅器46を用いずに、LPF兼ホールド回
路42出力を、直接、A/D変換器26に入力するよう
にしてもよい。
【0078】以上、スパイク除去器24について説明し
た。
【0079】次に、ディジタル信号処理器100につい
て説明する。
【0080】図4は、ディジタル信号処理器100の概
略構成図である。
【0081】ディジタル信号処理器100は、図4に示
すように、信号処理部110と、セロダイン制御部14
0と、変調制御部170と、光強度演算部210と、ジ
ャイロ出力演算部240とにより構成される。これらの
各構成は、ASIC(Application Specific Integrat
ed Circuits)、FPGA(Field Programmable GateAr
ray)などの集積ロジックICによりハード的に実現さ
れるものでもよいし、あるいは、DSP(Digital Sign
al Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実
現されるものでもよい。また、各構成での具体的な処理
は、以下に説明するものに限定されるものではなく、同
じ機能を実現できるものであれば、どのようなものであ
ってもよい。
【0082】信号処理部110は、A/D変換器26か
ら出力された信号を復調する。
【0083】図5は、図4に示す信号処理部110の概
略構成図である。
【0084】第1復調器112は、基準信号発生器30
0で生成された基準信号B(周波数1/τで、たとえば
±1の2値を有するパルス信号)により、A/D変換器
26の出力信号を復調する。この復調器は、たとえば乗
算器で構成される。
【0085】なお、A/D変換器26でのサンプリング
間隔がτ/2より短い場合、すなわちサンプリング点が
τ/2期間中に2カ所以上ある場合は、A/D変換器2
6と第1復調器112との間に平均化処理を行うフィル
タを設け、第1復調器112への入力信号がτ/2間隔
で出力されるようにする。
【0086】第2復調器114は、基準信号発生器30
0で生成された基準信号A(周波数1/2τで、たとえ
ば±1の2値を有するパルス信号)により、第1復調器
112の出力信号を復調する。この復調器は、たとえば
乗算器で構成される。
【0087】第1演算器116は、時間2τあるいは4
τ毎に、第2復調器114の出力について、時間τだけ
ずれたもの同士の和をとって平均し出力する。この出力
は、セロダイン制御部140を含む閉ループであるセロ
ダイン制御系の偏差信号である。
【0088】ここで、図1に示すような位相変調動作に
おいて、光ファイバループ6に角速度が入力され、サニ
ャック位相差φsが生じた場合を想定する。この場合、
変調位相差は図6に示すようになる。
【0089】図6に示すように、A/D変換器26の出
力信号(検出信号)を第1復調器112により周波数1
/τで復調し、この復調結果を第2復調器114により
周波数1/2τで復調すると、復調された検出信号の符
号は、2τ期間において、τ/2毎に、(+)→(−)
→(−)→(+)と変わる。したがって、τずれた出力
同士の和をとることで、セロダイン信号生成のために必
要なサニャック位相差φsに応じた信号(セロダイン制
御系の偏差信号)を取り出すことができる。
【0090】第2演算器122は、A/D変換器26の
出力信号について、図1に示すように、最初の2τ期間
において、位相シフトが、γ+θ+δ(あるいは−γ−
θ−δ)のときに検出された干渉光の光強度に応じた信
号とγ−θ(あるいは−γ+θ)のときに検出された干
渉光の光強度に応じた信号との差分Xを検出し、検出結
果の平均Xaveを求める。次の2τ期間において、位相
シフトが、γ+θ−δ(あるいは−γ−θ+δ)のとき
に検出された干渉光の光強度に応じた信号とγ−θ(あ
るいは−γ+θ)のときに検出された干渉光の光強度に
応じた信号との差分Zを検出し、検出結果の平均Zave
を求める。上記の処理を繰り返し行う。したがって、第
2演算器122の出力は、2τ期間毎に、Xave
ave、Xave、Zave、・・・というように、交互に変
わる。
【0091】第3演算器124は、第2演算器122の
出力信号Xave、Zaveを基に次式を満たす信号を生成す
る。
【0092】 信号=Xave+KθB・Zave (4) ただし、KθB=−sin(θ+δ/2)・sin(γ
+δ/2)/(sin(θ−δ/2)・sin(γ−δ
/2)) なお、図1に示す例では、γ=πである。
【0093】この信号は、変調制御部170を含む閉ル
ープである変調制御系の偏差信号である。この偏差信号
は変調制御部170へ出力される。
【0094】ここで、図1に示すような位相変調動作に
おいて、位相変調器5による位相変調の変調ゲインGに
誤差が含まれている場合を想定する。この場合、変調位
相差は図7に示すようになる。
【0095】本実施形態では、後述する変調制御部17
0において、上記の式(4)によって特定される偏差信
号が常に0になるように、位相変調器5へ出力する各種
位相変調の合成信号のゲインを調節している。上記の式
(4)は、変調ゲイン誤差がないときに偏差信号が0に
なるので、変調ゲイン誤差をキャンセルするように、す
なわち、常にG=1となるように、各種位相変調の合成
信号のゲインを調節することができる。
【0096】図8に、上記の式(4)と変調ゲインGと
の関係、および差分X、Zと変調ゲインGとの関係を示
す。この図から分かるように、上記の式(4)が0のと
き、変調ゲインGは1になる。
【0097】なお、この偏差信号は、温度変化や経年変
化により位相変調器5やD/A変換器10でのゲインが
変化した場合に、後述する変調制御部170で生成され
る各種位相変調の合成信号のゲインを調整するためのも
のである。このため、変調制御系のサーボループは、高
速である必要がない。また、第3演算器124での演算
処理は、msecオーダで行われるものでよい。
【0098】第4演算器136は、第2演算器122の
出力信号Xave、Zaveを基に次式を満たす信号を生成す
る。
【0099】 信号=Xave−Zave (5) 上記の式(5)により算出される信号は、干渉光の光強
度のピーク値P0に比例した信号となる。この信号は、
信号Yaveとして、光強度演算部210へ送出される。
【0100】図4に戻って説明を続ける。
【0101】セロダイン制御部140は、信号処理部1
10の第1演算器116から出力されたサニャック位相
差φsに応じた信号にしたがいセロダイン信号を生成す
る。
【0102】図9は、図4に示すセロダイン制御部14
0の概略構成図である。
【0103】第1演算器142は、信号処理部110か
ら送られてきたサニャック位相差φsに応じた信号を2
τあるいは4τの時間間隔で積分する。この結果は、光
ファイバループ6への入力角速度に比例した信号にな
る。
【0104】第2演算器144は、増幅器あるいはロー
パスフィルタとして機能する。なお、ゲインあるいはフ
ィルタ定数の設定は、セロダイン制御系のサーボループ
の設計にしたがい行う。
【0105】第3演算器146は、第2演算器144を
介して送られてきた第1演算器142の出力信号をτあ
るいはτ/2の時間間隔で積分する。上述したように、
第1演算器142の出力信号は、光ファイバループ6へ
の入力角速度に比例した信号である。該入力角速度が一
定ならば、第1演算器142の出力信号も一定となる。
この場合、第3演算器146の出力結果は、各階段の継
続時間がτあるいはτ/2で、高さが一定の階段信号に
なる。この階段信号は、セロダイン信号として、変調制
御部170へ出力される。
【0106】比較器150は、第3演算器146から出
力されたセロダイン信号による変調位相差の累積結果
が、第一の閾値、あるいは第一の閾値よりも2π低い第
二の閾値に達したか否かを判断する。そして、第一の閾
値に達した場合は、干渉光の位相差が−2πの位相シフ
トとなるように第3演算器146をリセットする。ま
た、第二の閾値に達した場合は、干渉光の位相差が+2
πの位相シフトとなるように第3演算器146をリセッ
トする。
【0107】ここで、比較器150の動作を図10〜図
12を用いて、さらに詳しく説明する。図10は、第一
の閾値を+2π、第二の閾値を−2πに設定した場合に
おける、比較器150の動作フローを示している。
【0108】比較器150は、まず、第3演算器146
で生成されたセロダイン信号による変調位相差の累積結
果が2πに達したか否かを判断する(ステップ100
1)。
【0109】2πに達した場合は、−2πの位相シフト
(負リセット)を行うものと判定する(ステップ100
2)。その後、第3演算器146に対して、干渉光の位
相差が−2πの位相シフトとなるように指令を出す(ス
テップ1003)。これを受けて、第3演算器146
は、干渉光の位相差が、−2πの位相シフトとなるよう
にセロダイン信号の出力を調節する。
【0110】一方、2πに達していない場合は、セロダ
イン信号による変調位相差の累積結果が−2πに達した
か否かを判断する(ステップ1004)。
【0111】−2πに達した場合は、+2πの位相シフ
ト(正リセット)を行うものと判定する(ステップ10
05)。その後、第3演算器146に対して、干渉光の
位相差が+2πの位相シフトとなるように指令を出す
(ステップ1006)。これを受けて、第3演算器14
6は、干渉光の位相差が+2πの位相シフトとなるよう
にセロダイン信号の出力を調節する。
【0112】一方、−2πに達していない場合は、リセ
ットの必要なしと判断する(ステップ1007)。この
場合、第3演算器146に対して位相シフトの指令を出
力しない。
【0113】図11は、第一の閾値を+2π、第二の閾
値を0に設定した場合における、比較器150の動作フ
ローを示している。このフローにおいて、図10に示す
フローと異なる点は、ステップ1004の代わりにステ
ップ1004aを設け、ここで、セロダイン信号による
変調位相差の累積結果が0より小さくなったか否かを判
断する。そして、0より小さい場合はステップ1005
へ移行し、そうでない場合はステップ1007へ移行す
る。
【0114】図12は、第一の閾値を+π、第二の閾値
を−πに設定した場合における、比較器150の動作フ
ローを示している。このフローにおいて、図10に示す
フローと異なる点は、ステップ1001、1004の代
わりにステップ1001a、1004bを各々設けたこ
とである。
【0115】ステップ1001aでは、セロダイン信号
による変調位相差の累積結果が+πに達したか否かを判
断する。+πに達した場合はステップ1002へ移行
し、そうでない場合はステップ1004bへ移行する。
【0116】ステップ1004bでは、セロダイン信号
による変調位相差の累積結果が−πに達したか否かを判
断する。−πに達した場合はステップ1005へ移行
し、そうでない場合はステップ1007へ移行する。
【0117】図13に第3演算器146で生成されるセ
ロダイン信号の波形を示す。ここで、図13(a)は図
10に示すフローにより第3演算器146で生成される
セロダイン信号の波形を示しており、図13(b)は図
11に示すフローにより第3演算器146で生成される
セロダイン信号の波形を示している。また、図13
(c)は図12に示すフローにより第3演算器146で
生成されるセロダイン信号の波形を示している。
【0118】これらの波形から分かるように、図11の
フローによれば、光ファイバループ6への入力角速度の
極性によらず、セロダイン信号を単極性で生成すること
ができる。このため、セロダイン信号生成のためのD/
A変換器やドライバを単電源で構成することが可能とな
る。
【0119】通常、ディジタル信号処理器100および
基準信号発生器300は、+5V等の単電源で動作する
ので、D/A変換器10が単電源で動作可能であれば、
電源の共通化が可能となり、装置の小型化、低コスト化
が可能になる。
【0120】なお、図11のフローにおいて、ステップ
1001で、セロダイン信号による変調位相差の累積結
果が0より大きくなったか否かを判断し、ステップ10
04aで、セロダイン信号による変調位相差の累積結果
が−2π以下になったか否かを判断するようにしても、
同様の効果を奏する。
【0121】また、図12のフローによれば、セロダイ
ン信号のピーク−ピーク値は、図12に示すフローに比
べ1/2に低減される。これにより、位相変調器5の終
端抵抗での消費電力を1/4に低減させることが可能と
なる。
【0122】第4演算器152は、後述する変調制御部
170で生成された変調ゲイン制御のための基準信号
(上記の式(4)で特定される変調ゲイン誤差に応じた
信号が0となるように、すなわち、変調ゲインGが1と
なるように、出力値が補正された基準信号)に基づい
て、比較器150で用いる第一、第二の閾値を特定する
ための値や、第3演算器146でのリセットによる位相
シフト量を特定するための値を出力する。たとえば、基
準信号が2πの位相シフトを行うのに必要な出力値を有
する場合、この基準信号の出力値から第一、第二の閾値
を特定するための値やリセットによる位相シフト量を特
定するための値を算出して出力する。また、第4演算器
152は、上記の基準信号による変調ゲインの制御に伴
い必要となるジャイロ出力演算のためのスケールファク
タ修正値を、ジャイロ出力演算部240へ出力する。
【0123】図4に戻って説明を続ける。
【0124】変調制御部170は、θの位相シフトを行
うのに必要な値を有する第1の定出力信号を変調するこ
とで得られた周波数1/τの矩形波でなる第1の位相変
調信号と、δの位相シフトを行うのに必要な値を有する
第2の定出力信号を変調することで得られた、パルス幅
τ/2のパルスが時間間隔2τ毎に正負交互に現れる第
2の位相変調信号と、γの位相シフトを行うのに必要な
値を有する第3の定出力信号とを合成し、これを周波数
1/2τで変調することで、干渉光の位相差が、(γ+
θ+δ)→(γ−θ)→(−γ−θ−δ)→(−γ+
θ)→(γ+θ−δ)→(γ−θ)→(−γ−θ+δ)
→(−γ+θ)の順番でなる一連のステップ(周期4
τ、各ステップの継続時間τ/2)を繰り返しとるよう
に位相変調を行わせるバイアス変調信号を生成する。そ
して、上記のようにして生成したバイアス変調信号と、
セロダイン制御部140で生成したセロダイン信号とを
合成して、各種位相変調の合成信号を生成する。
【0125】図14は、図4に示す変調制御部170の
概略構成図である。
【0126】基準値記憶部196には、θ、γおよびδ
の位相シフトを各々行わせるために必要な出力値を生成
するための基準値(たとえば、2πの位相シフトを行わ
せるために必要な出力値)が記憶されており、この値を
基準信号として出力する。
【0127】第1演算器172は、信号処理部110か
ら送られてきた変調制御系の偏差信号(上記の式(4)
で特定される変調ゲイン誤差に応じた信号)を積分する
積分器である。
【0128】第2演算器174は、増幅器あるいはロー
パスフィルタである。変調制御系のサーボループの設計
に合わせてゲインあるいはフィルタ定数を設計する。
【0129】第3演算器190は、第2演算器174か
ら出力された変調制御系の偏差信号にしたがい、基準値
記憶部196から出力された基準信号を調節する。たと
えば、変調制御系の偏差信号が正の値を有する場合は基
準信号の出力値(たとえば、2πの位相シフトを行うの
に必要な値)が小さくなるように調節し、変調制御系の
偏差信号が負の値を有する場合は、基準信号の出力値が
大きくなるように調節する。このようにすることで、変
調制御系の動作(サーボループ)により、変調制御系の
偏差信号が0となるように、すなわち、変調ゲインGが
1となるように、出力値が補正された基準信号を生成す
る。この第3演算器190には、たとえば加算器などが
用いられる。
【0130】振幅θ発生器202は、第3演算器190
にて出力値が補正された基準信号を基にθの位相シフト
を行うのに必要な値を有する定出力信号を生成する。た
とえば、基準信号が2πの位相シフトを行うのに必要な
出力値を有する場合、この基準信号の出力値からθの位
相シフトを行うのに必要な値を算出して出力する。
【0131】振幅δ発生器180は、第3演算器190
にて出力値が補正された基準信号を基にδの位相シフト
を行わせるために必要な値を有する定出力信号を生成す
る。たとえば、基準信号が2πの位相シフトを行うのに
必要な出力値を有する場合、この基準信号の出力値から
δの位相シフトを行うのに必要な値を算出して出力す
る。
【0132】振幅γ発生器208は、第3演算器190
にて出力値が補正された基準信号を基にγの位相シフト
を行わせるために必要な値を有する定出力信号を生成す
る。たとえば、基準信号が2πの位相シフトを行うのに
必要な出力値を有する場合、この基準信号の出力値から
γの位相シフトを行うのに必要な値を算出して出力す
る。
【0133】位相変調発生器204は、基準信号発生器
300で生成された基準信号B(周波数1/τ、たとえ
ば±1の2値をとるパルス信号)にしたがい、振幅θ発
生器202で生成された定出力信号を変調し、これによ
り、周波数1/τの矩形波でなる第1の位相変調信号を
生成する。この位相変調発生器204は、たとえば乗算
器で構成される。
【0134】δ変調発生器182は、基準信号発生器3
00で生成された上記の基準信号Bを基に、各ステップ
の継続時間がτ/2で1→0→0→0という一連のステ
ップを繰り返すパルス信号を生成し、これを、基準信号
発生器300で生成された基準信号C(周波数1/4τ
で、たとえば±1の2値をとるパルス信号)で変調す
る。これにより、各ステップの継続時間がτ/2で1→
0→0→0→−1→0→0→0という一連ステップを繰
り返すパルス信号を生成する。次に、δ変調発生器18
2は、この生成したパルス信号にしたがい、振幅δ発生
器180で生成された定出力信号を変調し、これによ
り、パルス幅τ/2のパルスが時間間隔2τ毎に正負交
互に現れる第2の位相変調信号を生成する。
【0135】加算器206は、位相変調発生器204で
生成された第1の位相変調信号と、δ変調発生器182
で生成された第2の位相変調信号と、振幅γ発生器20
8で生成された定出力信号とを、同期させて加算する。
【0136】変調発生器200は、基準信号発生器30
0で生成された基準信号A(位相変調の動作点切換周波
数1/2τで、たとえば±1の2値をとるパルス信号)
により、加算器206の出力信号を変調する。これによ
り、干渉光の位相差が、(γ+θ+δ)→(γ−θ)→
(−γ−θ−δ)→(−γ+θ)→(γ+θ−δ)→
(γ−θ)→(−γ−θ+δ)→(−γ+θ)の順番で
なる一連のステップ(周期4τ、各ステップの継続時間
τ/2)を繰り返しとるように位相変調を行わせるバイ
アス変調信号を生成する。
【0137】加算器176は、変調発生器200で生成
されたバイアス変調信号とセロダイン制御部140で生
成されたセロダイン信号とを加算して、各種位相変調の
合成信号を生成する。
【0138】図15に、変調制御部170の各部での出
力信号波形を示す。
【0139】図15(a)は位相変調発生器204の出
力信号(第1の位相変調信号)波形を、図15(b)は
δ変調発生器182の出力信号(第2の位相変調信号)
波形を、図15(c)は加算器206の出力信号波形
を、そして、図15(d)は、変調発生器200の出力
信号(バイアス変調信号)波形を示している。
【0140】図15(a)に示す第1の位相変調信号
は、時間τに対して対称波形となっており、τ時間ずれ
たもの同士の差がゼロである。光ファイバループ6を互
いに反対方向に伝搬する2つの光の位相差は、τ時間ず
れたもの同士の間で発生するため、図15(a)に示し
た第1の位相変調信号では、干渉光において、位相差を
発生させることができない。すなわち、位相変調がかか
らない。
【0141】図15(d)に示すバイアス変調信号は、
図15(a)に示す第1の位相変調信号と図15(b)
に示す第2の位相変調信号と振幅γ発生器208で生成
された定出力信号とを同期させて加算した信号(図15
(c)に示す信号)を、周波数1/2τで変調したもの
である。周波数1/2τで変調することにより、バイア
ス変調信号は、時間τ毎に極性が交互に変わり、τ時間
ずれたもの同士の間で生じる干渉光の位相差を発生させ
る。この周期4τ、各ステップの継続時間τ/2のバイ
アス変調信号により、干渉光の位相差が、(γ+θ+
δ)→(γ−θ)→(−γ−θ−δ)→(−γ+θ)→
(γ+θ−δ)→(γ−θ)→(−γ−θ+δ)→(−
γ+θ)の順番でなる一連のステップ(周期4τ、各ス
テップの継続時間τ/2)を繰り返しとるように位相変
調を行わせることができる。
【0142】なお、光ファイバループ6を互いに反対方
向に伝搬する2つの光の位相差は、τ時間ずれたもの同
士の間で発生するので、上記第1の位相変調信号とし
て、位相変調器5に対し、θ/2の位相シフトを行わせ
るよう設定することにより、干渉光の位相差において、
振幅θの位相シフトを発生させることができる。
【0143】また、上記第2の位相変調信号として、位
相変調器5に対して、各ステップの継続時間τ/2で、
(+δ)→0→0→0→(−δ)→0→0→0でなる一
連の位相シフトを繰り返しとるように位相変調を行わせ
るものを用いることで、干渉光の位相差において、各ス
テップの継続時間τ/2で、(+δ)→0→(−δ)→
0→(−δ)→0→(+δ)→0でなる一連の位相シフ
トを繰り返し発生させることができる。
【0144】さらに、上記γの位相シフトを行うのに必
要な定出力信号として、位相変調器5に対し、γ/2の
位相シフトを行わせるよう設定することにより、干渉光
の位相差において、振幅γの位相シフトを発生させるこ
とができる。
【0145】図4に戻って説明を続ける。
【0146】光強度演算部210は、信号処理部110
の第4演算器136で求めた干渉光の光強度のピーク値
0に比例した信号Yaveと、変調制御部170から出力
されたθ、δおよびγの位相シフトを行うのに必要な値
を各々有する定出力信号とに基づいて、干渉光の光強度
のピーク値P0を求める。そして、求めたピーク値P0
初期値からの変化分を示す信号を生成する。この信号
は、干渉光の光強度値を示す光源制御信号として、光源
制御部600へ出力される。
【0147】図16は、図4に示す光強度演算部210
の概略構成図である。
【0148】第1演算器212は、信号処理部110の
第4演算器136で求めた干渉光の光強度のピーク値P
0に比例した信号Yaveと、変調制御部170から出力さ
れたθ、δおよびγの位相シフトを行うのに必要な値を
各々有する定出力信号とに基づいて、干渉光の光強度の
ピーク値P0を求めるための演算処理を行う。
【0149】この演算処理は、次式により行われる。
【0150】 P0=Yave/(−sinδ・sin(γ+θ)) (6) ただし、γ=π この演算処理は、高速に処理する必要がない。msec
前後の間隔で処理すればよい。したがって、信号処理部
110の第4演算器136で求めた信号Yaveを平均化
し、この平均化された値を用いて、上記の式(6)によ
り干渉光の光強度のピーク値P0を求めるようにしても
よい。
【0151】レジスタ216は、干渉計500の組み立
て時に第1演算器212にて最初に算出された干渉光の
光強度のピーク値を、初期値として記憶する。
【0152】第2演算器218は、第1演算器212で
求めた干渉光の光強度のピーク値P0とレジスタ216
に記憶された初期値との差分を求める。
【0153】第3演算器220は、第3演算器218の
結果を積分する。この積分結果を、光源制御信号とし
て、光源制御部600へ出力する。
【0154】図4に戻って説明を続ける。
【0155】ジャイロ出力演算部240は、セロダイン
制御部140の第1演算器142から送られてきたサニ
ャック位相差φsに応じた信号にしたがい、光ファイバ
ループ6への入力回転角速度あるいは回転角度を算出す
る。
【0156】図17は、図4に示すジャイロ出力演算部
240の概略構成図である。
【0157】第1演算器242は、セロダイン制御部1
40の第1演算器142から送られてきたサニャック位
相差φs、すなわち光ファイバループ6への入力回転角
速度に応じた信号を時間積分する。この結果は、光ファ
イバループ6の回転角度に比例したものとなる。なお、
平均回転角速度を求める場合は、この積分結果をさらに
積分時間で除算してやればよい。
【0158】レジスタ244には、光ファイバジャイロ
の初期状態における、入出力のスケールファクタ値が記
憶される。
【0159】第2演算器246は、セロダイン制御部1
40の第4演算器152から送られてきた、変調制御部
170の第3演算器190で生成した基準信号(出力値
が正しく補正された基準信号)による変調ゲイン制御に
伴い必要となるスケールファクタ修正値により、レジス
タ244に記憶されたスケールファクタ値を修正するこ
とで得られるスケールファクタ値を用いて、第1演算器
242の出力を補正する。これにより、光ファイバルー
プ6への入力回転角速度あるいは回転角度を算出する。
この第2演算器246は、たとえば乗算器で構成され
る。
【0160】以上、ディジタル信号処理器100につい
て説明した。
【0161】次に、光源制御部600について説明す
る。
【0162】光源制御部600は、光強度演算部210
より受け取った光源制御信号にしたがい、ディジタル信
号処理器100にて検出される干渉光の光強度値(干渉
光の光強度のピーク値P0)が一定となるように、光源
1を制御する。
【0163】図18は、光源制御部600の概略構成図
である。
【0164】基準値記憶部605は、光源1の出力(光
強度)を所定値にするための基準値を格納している。
【0165】第1演算器606は、光強度演算部210
より受け取った光源制御信号(現時点における干渉光の
光強度のピーク値の、初期状態における干渉光の光強度
のピーク値からの変化分を示す信号)にしたがい、基準
値記憶部605に格納されている基準値を修正した値を
算出し、当該値に応じた信号を生成する。そして、この
信号を、光源1の入力電流を特定する信号として、D/
A変換器608へ入力する。
【0166】具体的には、光源制御信号が、現時点にお
ける干渉光の光強度のピーク値が初期状態における干渉
光の光強度のピーク値より低くなっていることを示して
いる場合、その低くなった分だけ光源1の出力を上げる
ように前記基準値を修正した値を算出し、当該値に応じ
た信号を生成する。
【0167】また、光源制御信号が、現時点における干
渉光の光強度のピーク値が初期状態における干渉光の光
強度のピーク値より高くなっていることを示している場
合、その高くなった分だけ光源1の出力を下げるように
前記基準値を修正した値を算出し、当該値に応じた信号
を生成する。
【0168】したがって、光源制御信号が、現時点にお
ける干渉光の光強度のピーク値が初期状態における干渉
光の光強度のピーク値と同じであることを示している場
合、第1演算器606は、前記基準値に応じた信号を生
成することになる。
【0169】なお、光ファイバジャイロの電源投入時に
おいては、先ず、所定期間、基準値記憶部605に格納
されている基準値に応じた信号を光源1の入力電流を特
定する信号としてD/A変換器608へ出力し、その
後、光強度演算部210より受け取った光源制御信号に
したがい、基準値記憶部605に格納されている基準値
を修正した値を算出し、当該値に応じた信号を光源1の
入力電流を特定する信号としてD/A変換器608へ出
力するようにするようにしてもよい。このようにするこ
とで、電源投入時に、光源1へ過大な電流が入力される
のを防止することができる。
【0170】D/A変換器608は、第1演算器606
より出力された光源1の入力電流を特定する信号(ディ
ジタル信号)を、アナログ信号に変換する。
【0171】第2演算器602は、D/A変換器608
から出力された信号(電圧信号)を電流信号に変換す
る。
【0172】ドライバ604は、第2演算器602から
出力された電流信号を電流増幅し、これを光源1の入力
電流(駆動電流)として、光源1に供給する。
【0173】以上、本発明の第1実施形態について説明
した。
【0174】本実施形態では、変調制御部170におい
て、干渉光の位相差が、(γ+θ+δ)→(γ−θ)→
(−γ−θ−δ)→(−γ+θ)→(γ+θ−δ)→
(γ−θ)→(−γ−θ+δ)→(−γ+θ)の順番で
なる一連のステップ(周期4τ、各ステップの継続時間
τ/2)を繰り返しとるように位相変調を行わせるバイ
アス変調信号と、光ファイバジャイロへの入力角速度に
応じたサニャック位相差φsと同量、異符号の位相差を
生じさせる、各階段の継続時間がτあるいはτ/2の階
段状のセロダイン信号とを合成して、各種位相変調の合
成信号を生成し、これを位相変調器5に入力している。
【0175】そして、信号処理部110において、位相
シフトがγ+θ+δ(あるいは−γ−θ−δ)のときに
検出された干渉光の光強度とγ−θ(あるいは−γ+
θ)のときに検出された干渉光の光強度との強度差X、
および、γ+θ−δ(あるいは−γ−θ+δ)のときに
検出された干渉光の光強度とγ−θ(あるいは−γ+
θ)のときに検出された干渉光の光強度の強度差Zとに
基づいて、あるいは、γ+θ+δ(または−γ−θ−
δ)のときに検出される干渉光の光強度とγ+θ−δ
(または−γ−θ+δ)のときに検出される干渉光の光
強度との強度差Yに基づいて、干渉光の光強度のピーク
値P0を検出している。そして、求めたピーク値P0から
干渉光の光強度値の変化を検出し、これに応じて前記干
渉光の光強度値が一定になるように制御している。具体
的には、光源1の出力が低下したときに、光源1への入
力電流を増加させることで、前記干渉光の光強度値が一
定になるように制御している。
【0176】このようにすることで、安定したセロダイ
ン制御、ひいてはジャイロの回転角速度または回転角度
を安定して出力することができる。
【0177】また、本実施形態では、位相シフトがγ+
θ+δ(あるいは−γ−θ−δ)のときに検出された干
渉光の光強度とγ−θ(あるいは−γ+θ)のときに検
出された干渉光の光強度との強度差X、および、γ+θ
−δ(あるいは−γ−θ+δ)のときに検出された干渉
光の光強度とγ−θ(あるいは−γ+θ)のときに検出
された干渉光の光強度との強度差Zに基づいて、各種位
相変調の合成信号による位相変調の変調ゲイン誤差を検
出している。そして、検出した変調ゲイン誤差をゼロと
するように各種位相変調の合成信号のゲインを制御して
いる。
【0178】このようにすることで、各種位相変調の合
成信号による正確な位相変調を行うことができ、ひいて
は、ジャイロ出力におけるスケールファクタ誤差を低減
することが可能となる。
【0179】また、本実施形態では、信号処理部110
において、A/D変換器26の出力を第1復調器112
により周波数1/τで復調し、この復調結果を第2復調
器114により周波数1/2τで復調することで、時間
2τにおいて、極性がτ/2毎に(+)→(−)→
(−)→(+)と変わる検出信号を生成している。そし
て、上記の検出信号について、第1演算器116によ
り、時間2τあるいは4τ毎に、時間τだけずれたもの
の同士の和をとって平均することで、セロダイン信号生
成のために必要なサニャック位相差φsに応じた信号
(セロダイン制御系の偏差信号)を取り出している。
【0180】このようにすることで、たとえば、温度や
振動などによる光強度のゆらぎや受光器7の出力からA
/D変換器26の入力部までにおける低周波電磁ノイズ
の混入などにより、光干渉計500からの出力信号に、
ある傾きをもった直流成分が重畳している場合、この直
流成分の変動分をキャンセルすることができる。すなわ
ち、上記の検出信号について、時間τだけずれたものの
同士の和に含まれる直流成分の変動分はその極性が交互
に変わるので、時間2τあるいは4τ毎に平均化するこ
とで直流成分の変動分をキャンセルすることができる。
これにより、より正確なサニャック位相差検出が可能と
なり、また、ジャイロ出力(回転角速度または回転角
度)の精度を向上させることができる。
【0181】さらに、本実施形態では、上述したよう
に、前記バイアス変調信号により干渉光の位相差を発生
させ、この際に検出される干渉光の光強度値を用いて、
サニャック位相差、変調ゲイン誤差、および干渉光の光
強度値の変化を検出することができるので、セロダイン
制御、変調制御、および光強度演算のための検出信号を
共有することができる。このため、セロダイン制御、変
調制御、および光強度演算用の検出信号生成のためのA
/D変換器が1つで済む。
【0182】くわえて、本実施形態によれば、以下のよ
うな効果を有する。
【0183】従来のデジタル方式の光ファイバジャイロ
では、たとえば、特開昭61−29715(特公平4−
7931)号公報記載のように、セロダイン信号(デジ
タルの階段状ランプ)に対して、該信号が2πに達する
と−2πの位相シフトを行うようにリセットするととも
に、セロダイン信号と位相変調信号との合成信号に対し
ても、該信号が2πに達すると−2πの位相シフトを行
うようにリセットしている。
【0184】このため、セロダイン信号と位相変調信号
との合成信号が2πに達してから、セロダイン信号が2
πに達するまで、リセットが繰り返し行われることにな
る。特に、光ファイバジャイロへの入力角速度が非常に
低い場合、リセットの繰り返しが長時間に渡って行われ
ることになるため、ロックイン現象と呼ばれる、入力角
速度測定を測定不可能な不感帯が発生してしまう。
【0185】これに対し、本実施形態では、セロダイン
信号に対してのみリセットを行うようにしているので、
光ファイバジャイロへの入力角速度が非常に低い場合
に、リセットが繰り返し行われることはない。したがっ
て、低入力角速度時におけるロックイン現象を防止する
ことができる。
【0186】次に、本発明の第2実施形態について説明
する。
【0187】本実施形態は、上記の第1実施形態におい
て、予備の光源を用意し、使用中の光源への入力電流が
所定の閾値(たとえば最大定格入力電流値)を越えた場
合に、使用する光源を使用中のものから予備のものへ切
り替えることができるようにしたものである。
【0188】図19は、本発明の第2実施形態が適用さ
れたディジタル方式の光ファイバジャイロの概略構成図
である。
【0189】図示するように、本実施形態において、図
2に示す第1実施形態が適用されたディジタル方式の光
ファイバジャイロと異なる点は、光源1の予備としての
光源21を設けた点、光源1および光源21のいずれか
より出力される光をカプラ2へ導くためのカプラ22を
設けた点、および、光源制御部600に代えて光源制御
部600aを設けた点である。その他については、第1
実施形態のものと同様である。
【0190】光源制御部600aは、上記の第1実施形
態と同様に、光強度演算部210より受け取った光源制
御信号にしたがい、ディジタル信号処理器100にて検
出される干渉光の光強度値(干渉光の光強度のピーク値
0)が一定となるように、光源1への入力電流を制御
する。それに加えて、光源1への入力電流が所定の閾値
を越えた場合は、使用する光源を光源1から光源21へ
切り換え、強度演算部210より受け取った光源制御信
号にしたがい、ディジタル信号処理器100にて検出さ
れる干渉光の光強度値が一定となるように、光源21へ
の入力電流を制御する。
【0191】図20は、光源制御部600aの概略構成
図である。
【0192】基準値記憶部605aは、光源1や光源2
1の出力(光強度)を所定値にするための基準値を格納
している。また、使用する光源を光源1から光源21へ
切り替えるための閾値を格納している。この閾値は、た
とえば光源1の絶対最大定格入力電流値に基づいて定め
られる。
【0193】第1演算器606aは、光強度演算部21
0より受け取った光源制御信号(現時点における干渉光
の光強度のピーク値の、初期状態における干渉光の光強
度のピーク値からの変化分を示す信号)にしたがい、基
準値記憶部605aに格納されている基準値を修正した
値を算出し、当該値に応じた信号を生成し、この信号
を、光源1の入力電流を特定する信号としてD/A変換
器608aへ出力する。また、第1演算器606aは、
前記算出した値(基準値を修正した値)が、基準値記憶
部605aに格納されている閾値を越えた場合、使用す
る光源を光源1から光源21へ切り替える。そして、光
強度演算部210より受け取った光源制御信号にしたが
い、基準値記憶部605aに格納されている基準値を修
正した値を算出し、当該値に応じた信号を生成し、この
信号を、光源21の入力電流を特定する信号としてD/
A変換器608aへ出力する。
【0194】なお、光ファイバジャイロの電源投入時に
おいては、先ず、所定期間、基準値記憶部605aに格
納されている基準値に応じた信号を光源1の入力電流を
特定する信号としてD/A変換器608aへ出力し、そ
の後、光強度演算部210より受け取った光源制御信号
(現時点における干渉光の光強度のピーク値の、初期状
態における干渉光の光強度のピーク値からの変化分を示
す信号)にしたがい、基準値記憶部605aに格納され
ている基準値を修正した値を算出し、当該値に応じた信
号を光源1の入力電流を特定する信号としてD/A変換
器608aへ出力するようにしてもよい。このようにす
ることで、電源投入時に、光源1へ過大な電流が入力さ
れるのを防止することができる。
【0195】また、前記算出した値(基準値を修正した
値)が基準値記憶部605aに格納されている閾値を越
えた場合、先ず、所定期間、基準値記憶部605aに格
納されている基準値に応じた信号を光源21の入力電流
を特定する信号としてD/A変換器608aへ出力し、
その後、光強度演算部210より受け取った光源制御信
号にしたがい、基準値記憶部605aに格納されている
基準値を修正した値を算出し、当該値に応じた信号を光
源21の入力電流を特定する信号としてD/A変換器6
08aへ出力するようにしてもよい。このようにするこ
とで、使用する光源を光源1から光源21へ切り替えた
際に、光源21へ過大な電流が入力されるのを防止する
ことができる。
【0196】D/A変換器608aは、第1演算器60
6aより出力された、光源1あるいは光源21の入力電
流を特定する信号(ディジタル信号)を、アナログ信号
に変換する。
【0197】第2演算器602は、D/A変換器608
aにてアナログ信号に変換された、光源1の入力電流を
特定する信号(電圧信号)を電流信号に変換する。一
方、第3演算器610は、D/A変換器608aにてア
ナログ信号に変換された、光源21の入力電流を特定す
る信号(電圧信号)を電流信号に変換する。
【0198】ドライバ604は、第2演算器602から
出力された電流信号を電流増幅し、これを光源1の入力
電流(駆動電流)として、光源1に供給する。一方、ド
ライバ612は、第3演算器610から出力された電流
信号を電流増幅し、これを光源21の入力電流(駆動電
流)として、光源21に供給する。
【0199】以上、本発明の第2実施形態について説明
した。
【0200】本実施形態では、予備の光源21を用意
し、使用中の光源1への入力が所定の閾値を越えた場合
に、使用する光源を使用中のものから予備のものへ切り
替えるようにしているので、長時間に亘り光ファイバジ
ャイロを継続して使用しなければならない場合に好適で
ある。
【0201】なお、本実施形態では、光源1および光源
21のいずれかより出力される光をカプラ2へ導くため
のカプラ22を設けているが、カプラ22およびカプラ
2の代わりに、図21に示すような3×2のスターカプ
ラ23を設けてもよい。
【0202】また、本実施形態では、光源制御部600
aとして、図20に示すように、第2演算器602およ
びドライバ604と、第3演算器610およびドライバ
612とを並列に設け、第1演算器606aより光源1
の入力電流を特定する信号が出力された場合は、当該信
号をD/A変換器608aを介して第2演算器602に
入力し、ドライバ604により光源1の入力電流を制御
し、第1演算器606aより光源21の入力電流を特定
する信号が出力された場合は、当該信号をD/A変換器
608aを介して第3演算器610に入力し、ドライバ
612により光源21の入力電流を制御している。
【0203】しかしながら、たとえば、図20におい
て、第3演算器610およびドライバ612を削除し
て、D/A変換器608aより送られてきた光源1ある
いは光源2の入力電流を特定する信号を第2演算器60
2に入力するとともに、ドライバ604への後段にセレ
クタを設け、第1演算器606aより光源1の入力電流
を特定する信号が出力された場合はドライバ604の出
力を光源1に供給し、光源21の入力電流を特定する信
号が出力された場合はドライバ604の出力を光源21
に供給するようにセレクタを制御してもよい。
【0204】次に、本発明の第3実施形態について説明
する。
【0205】上記の各実施形態では、変調ゲイン制御と
して、信号処理部110の第3演算器124で生成した
変調ゲイン誤差に応じた信号(変調制御系の偏差信号)
をゼロとするように、すなわち、検出した変調ゲイン誤
差をゼロとするように、変調制御部170の振幅θ発生
器202、振幅δ発生器180および振幅γ発生器20
8で生成される各定出力信号の出力値を調節するととも
に、セロダイン制御部152の比較器150、第3演算
器146で用いる第一、第二の閾値やセロダイン信号の
リセットによる位相シフト量を調節することで、各種位
相変調の合成信号のゲインを制御している。本実施形態
では、変調ゲイン制御として、変調制御部170の加算
器176の出力側に乗算器を設け、この乗算器により、
信号処理部110の第3演算器124で生成した変調ゲ
イン誤差に応じた信号をゼロとするように、すなわち、
検出した変調ゲイン誤差をゼロとするように、加算器1
76から出力された各種位相変調の合成信号のゲインを
調節するものについて説明する。
【0206】図22は本実施形態で用いるセロダイン制
御部140aの概略構成図であり、図23は本実施形態
で用いる変調制御部170aの概略構成図である。
【0207】なお、本実施形態において、セロダイン制
御部140aおよび変調制御部170a以外について
は、上記の各実施形態で説明したものをそのまま用いる
ことができるので、その詳細な説明を省略する。
【0208】先ず、セロダイン制御部140aについて
説明する。
【0209】本実施形態で用いるセロダイン制御部14
0aが図9に示す第1、第2実施形態で用いるセロダイ
ン制御部140と異なる点は、図22に示すように、第
4演算器152に代えて基準値記憶部148を設けた点
である。
【0210】基準値記憶部148は、比較器150で用
いる第一、第二の閾値を特定するための値や、第3演算
器146でのリセットによる位相シフト量を設定するた
めの値(たとえば、2πの位相シフトを行うのに必要な
位相シフト量を特定する値)を格納する。
【0211】次に、変調制御部170aについて説明す
る。
【0212】本実施形態で用いる変調制御部170aが
図14に示す第1、第2実施形態で用いる変調制御部1
70と異なる点は、図23に示すように、第1演算器1
72、第2演算器174、第3演算器190および基準
値記憶部196に代えて、第1演算器171、第2演算
器173および乗算器178を設けた点である。
【0213】第1演算器171は、信号処理部110の
第3演算器124で生成した変調ゲイン誤差に応じた信
号を積分する積分器である。
【0214】第2演算器173は、増幅器あるいはロー
パスフィルタである。変調制御系のサーボループの設計
に合わせてゲインあるいはフィルタ定数を設計する。
【0215】乗算器178は、加算器176から出力さ
れた各種位相変調の合成信号のゲインを、第2演算器1
73から出力された変調ゲイン誤差に応じた信号にした
がい調節する。この結果は、D/A変換器10へ出力さ
れる。
【0216】以上、本発明の第3実施形態について説明
した。
【0217】本実施形態においても、上記の第1、第2
実施形態と同様、変調ゲインが一定となるように、変調
ゲイン制御を行うことができる。
【0218】ただし、本実施形態では、乗算器178に
おいて、加算器176から出力される各種位相変調の合
成信号の各ステップに合わせて、すなわち、時間τ/2
毎に演算処理を行う必要がある。これに対し、上記の第
1、第2実施形態では、変調制御部170の振幅θ発生
器202、振幅δ発生器180および振幅γ発生器20
8で生成される各定出力信号の出力値や、セロダイン制
御部140で用いる第一、第二の閾値およびセロダイン
信号のリセットによる位相シフト量を調節することで、
各種位相変調の合成信号のゲインを制御しているので、
本実施形態に比べ、変調ゲイン制御に要求される演算処
理の速度を著しく低速にすることができる。
【0219】たとえば、光ファイバループ6の光ファイ
バ長Lを100m〜2kmとした場合、光ファイバルー
プ6での光伝搬時間τは、上記の式(3)より、約50
0nsec〜10μsecとなる。このような場合にお
いて、本実施形態のように、加算器176の出力側に設
けられた乗算器178により変調ゲインを制御しようと
すると、τ/2毎の演算、すなわち、250nsec〜
5μsec毎の演算が必要となる。これに対し、上記の
第1、第2実施形態では、変調ゲイン誤差を修正するの
に必要な処理速度で演算を行えばよい。変調ゲイン誤差
は、外乱源である温度などの変化により生じ、光ファイ
バループの長さには依存しない。このため、通常、数m
sec前後の処理速度を演算を行えば、十分な変調ゲイ
ン制御が可能となる。
【0220】以上、本発明の各実施形態について説明し
た。
【0221】なお、本発明は上記の各実施形態に限定さ
れるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形が可
能である。
【0222】たとえば、上記の各実施形態では、信号処
理部110の第2演算器122により、位相シフトがγ
+θ+δ(あるいは−γ−θ−δ)のときに検出された
干渉光の光強度とγ−θ(あるいは−γ+θ)のときに
検出された干渉光の光強度の強度差X、および、γ+θ
−δ(あるいは−γ−θ+δ)のときに検出された干渉
光の光強度とγ−θ(あるいは−γ+θ)のときに検出
された干渉光の光強度との強度差Zを求め、第3演算器
124において、上記の式(4)により変調ゲイン誤差
に応じた信号(変調制御系の偏差信号)を生成してい
る。
【0223】しかしながら、本発明はこれに限定される
ものではない。信号処理部110の第2演算器122に
より、位相シフトがγ+θ+δ(あるいは−γ−θ−
δ)のときに検出された干渉光の光強度とγ−θ(ある
いは−γ+θ)位相シフトのときに検出された干渉光の
光強度との強度差X、および、γ+θ+δ(あるいは、
−γ−θ−δ)のときに検出された干渉光の光強度とγ
+θ−δ(あるいは−γ−θ+δ)のときに検出された
干渉光の光強度との強度差Yを求め、第3演算器124
において、 信号=KθC・X−Y (7 ) ただし、KθC=2sinδ・sin(γ+θ)/(c
os(γ−θ)−cos(γ+θ+δ)) により変調ゲイン誤差に応じた信号を生成するようにし
てもよい。
【0224】なお、このようにした場合、信号処理部1
10に第4演算器136を設ける必要がなくなる。すな
わち、第2演算器122で求めた強度差Yを光強度演算
部210へ出力することができる。光強度演算部210
の第1演算器212は、この強度差Yを用いて、上記の
式(6)により、干渉光の光強度のピーク値P0を求め
ることができる。
【0225】また、上記の各実施形態では、変調制御部
170、170aにおいて、θの位相シフトを行うのに
必要な値を有する第1の定出力信号を変調することで得
られた周波数1/τの矩形波でなる第1の位相変調信号
と、δの位相シフトを行うのに必要な値を有する第2の
定出力信号を変調することで得られた、パルス幅τ/2
のパルスが時間間隔2τ毎に正負交互に現れる第2の位
相変調信号と、γの位相シフトを行うのに必要な値を有
する第3の定出力信号とを合成し、これを周波数1/2
τで変調することで、干渉光の位相差が、(γ+θ+
δ)→(γ−θ)→(−γ−θ−δ)→(−γ+θ)→
(γ+θ−δ)→(γ−θ)→(−γ−θ+δ)→(−
γ+θ)の順番でなる一連のステップ(周期4τ、各ス
テップの継続時間τ/2)を繰り返しとるように位相変
調を行わせるバイアス変調信号を生成している。そし
て、上記のようにして生成したバイアス変調信号と、セ
ロダイン制御部140で生成したセロダイン信号とを合
成して、各種位相変調の合成信号を生成している。
【0226】しかしながら、バイアス変調信号は、上記
のものに限定されるものではない。バイアス変調信号
は、干渉光の位相差が、±(γ−θ)、±(γ+θ+
δ)、および±(γ+θ−δ)の6値、あるいは、±
(γ+θ)、±(γ−θ−δ)、および±(γ−θ+
δ)の6値を、所定の時間間隔且つ所定の順番で繰り返
しとるように位相変調を行わせるものであればよい。
【0227】たとえば、θの位相シフトを行うのに必要
な値を有する第1の定出力信号を変調することで得られ
た周波数1/τの矩形波でなる第1の位相変調信号と、
δの位相シフトを行うのに必要な値を有する第2の定出
力信号を変調することで得られた、パルス幅τ/2のパ
ルスが時間間隔2τ毎に正負交互に現れる第2の位相変
調信号と、γの位相シフトを行うのに必要な値を有する
第3の定出力信号とを合成し、これを周波数1/2τで
変調することで、干渉光の位相差が、(γ−θ)→(γ
+θ+δ)→(−γ+θ)→(−γ−θ−δ)→(γ−
θ)→(γ+θ−δ)→(−γ+θ)→(−γ−θ+
δ)の順番でなる一連のステップ、もしくは、(γ−θ
−δ)→(γ+θ)→(−γ+θ+δ)→(−γ−θ)
→(γ−θ+δ)→(γ+θ)→(−γ+θ−δ)→
(−γ−θ)の順番でなる一連のステップ、あるいは、
(γ+θ)→(γ−θ−δ)→(−γ−θ)→(−γ+
θ+δ)→(γ+θ)→(γ−θ+δ)→(−γ−θ)
→(−γ+θ−δ)の順番でなる一連のステップ(周期
4τ、各ステップの継続時間τ/2)を繰り返しとるよ
うに位相変調を行わせるバイアス変調信号を生成するよ
うにしてもよい。
【0228】これは、変調制御部170,170aにお
いて、第1の位相変調信号、第2の位相変調信号および
第3の定出力信号を生成し、これらを加算器206によ
り加算し、それから、変調発生器200により、周波数
1/2τの変調信号で変調してバイアス変調信号を生成
する際に、第1の位相変調信号、第2の位相変調信号、
および周波数1/2τの変調信号の各位相(同期)関係
を調整することで実現できる。
【0229】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
干渉光の位相差から干渉光の光強度値の変化を検出する
ことができるので、この変化に応じて、前記干渉光の光
強度値が一定になるように制御することにより、安定し
たセロダイン制御ひいてはジャイロの回転角速度または
回転角度を安定して出力することが可能となる。
【0230】また、同様に、干渉光の位相差から変調ゲ
イン誤差を検出することができるので、検出した変調ゲ
イン誤差をゼロとするように変調制御することで、正確
な位相変調を行うことができ、これにより、ジャイロ出
力におけるスケールファクタ誤差を低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における干渉光の光強度
と変調位相差との関係を説明するための図である。
【図2】本発明の第1実施形態が適用されたディジタル
方式の光ファイバジャイロの概略構成図である。
【図3】図2に示すスパイク除去器24の概略構成図で
ある。
【図4】図2に示すディジタル信号処理器100の概略
構成図である。
【図5】図4に示す信号処理部110の概略構成図であ
る。
【図6】図1に示すような位相変調動作において、光フ
ァイバループ6に角速度が入力され、サニャック位相差
φsが生じた場合の変調位相差を説明するための図であ
る。
【図7】図1に示すような位相変調動作において、位相
変調器5による位相変調の変調ゲインGに誤差が含まれ
ている場合の変調位相差を説明するための図である。
【図8】変調制御系の偏差信号(変調ゲイン誤差に応じ
た信号)と変調ゲインGとの関係を示す図である。
【図9】図4に示すセロダイン制御部140の概略構成
図である。
【図10】図9において、第一の閾値を+2π、第二の
閾値を−2πに設定した場合における、比較器150の
動作フローを示す図である。
【図11】図9において、第一の閾値を+2π、第二の
閾値を0に設定した場合における、比較器150の動作
フローを示す図である。
【図12】図9において、第一の閾値を+π、第二の閾
値を−πに設定した場合における、比較器150の動作
フローを示す図である。
【図13】図9に示す第3演算器146で生成されるセ
ロダイン信号の波形を示す図である。
【図14】図4に示す変調制御部170の概略構成図で
ある。
【図15】図14に示す変調制御部170の各部での出
力信号の波形を示す図である。
【図16】図4に示す光強度演算部210の概略構成図
である。
【図17】図4に示すジャイロ出力演算部240の概略
構成図である。
【図18】図2に示す光源制御部600の概略構成図で
ある。
【図19】本発明の第2実施形態が適用されたディジタ
ル方式の光ファイバジャイロの概略構成図である。
【図20】図19に示す光源制御部600aの概略構成
図である。
【図21】本発明の第2実施形態の変形例が適用された
ディジタル方式の光ファイバジャイロの概略構成図であ
る。
【図22】本発明の第3実施形態が適用されたディジタ
ル方式の光ファイバジャイロに用いるセロダイン制御部
140aの概略構成図である。
【図23】本発明の第3実施形態が適用されたディジタ
ル方式の光ファイバジャイロに用いる変調制御部170
aの概略構成図である。
【図24】従来のジャイロによる変調位相差を説明する
ための図である。
【図25】従来のジャイロによる変調位相差を説明する
ための図である。
【図26】従来のジャイロによる変調位相差を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1、21 光源 2、4、22、23 カプラ 3 偏光子 5 位相変調器 6 光ファイバループ 7 受光器 8 電流/電圧(I/V)変換器 9、22 増幅器 10、608、608a D/A変換器 11、604、612 ドライバ 20 直流除去器 24 スパイク除去器 26 A/D変換器 40 スイッチ 42 LPF 46 演算増幅器 100 ディジタル信号処理器 110 信号処理部 112 第1復調器 114 第2復調器 116、142、171、172、212、242、6
06、606a 第1演算器 122、144、173、174、218、246、6
02 第2演算器 124、146、190、220、610 第3演算器 136、152 第4演算器 140、140a セロダイン制御部 148、196、605、605a 基準値記憶部 150 比較器 170、170a 変調制御部 176、206 加算器 178 乗算器 180 振幅δ発生器 182 δ変調発生器 200 変調発生器 202 振幅θ発生器 204 位相変調発生器 208 振幅γ発生器 210 光強度演算部 216、244 レジスタ 240 ジャイロ出力演算部 300 基準信号発生器 500 干渉計 600、600a 光源制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 諸星 幹雄 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株式 会社トキメック内 (72)発明者 山本 貫志 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株式 会社トキメック内 Fターム(参考) 2F105 AA01 AA02 AA03 BB04 BB07 DD02 DE01 DE05 DE08 DE12 DE21 DE25 DF01 DF02 DF04 DF05 DF06 DF07 DF10

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ファイバループを互いに反対方向に伝搬
    する2つの光を再結合することで得られる干渉光のサニ
    ャック位相差に応じた回転角速度または回転角度を検出
    する光ファイバジャイロであって、 前記光ファイバループを互いに反対方向に伝搬する2つ
    の光を生成するための光源と、 前記干渉光の光強度を検出して電気信号に変換する受光
    手段と、 前記受光手段により検出された干渉光の光強度に応じた
    信号に基づいて、前記干渉光のサニャック位相差に応じ
    た信号を算出するサニャック位相差演算手段と、 前記サニャック位相差演算手段で生成された前記干渉光
    のサニャック位相差に応じた信号にしたがい、前記干渉
    光のサニャック位相差を打ち消すための階段状波でなる
    セロダイン信号を生成するセロダイン信号生成手段と、 前記干渉光の位相差が、±(γ−θ)、±(γ+θ+
    δ)、および±(γ+θ−δ)の6値、あるいは、±
    (γ+θ)、±(γ−θ−δ)、および±(γ−θ+
    δ)の6値を、所定の時間間隔且つ所定の順番で繰り返
    しとるように位相変調を行わせるバイアス変調信号と、
    前記セロダイン信号生成手段で生成されたセロダイン信
    号とを合成して、各種位相変調の合成信号を生成する合
    成信号生成手段と、 前記合成信号生成手段で生成された各種位相変調の合成
    信号にしたがい、前記2つの光を各々位相変調する位相
    変調器と、 前記受光手段により検出された干渉光の光強度に応じた
    信号に基づいて、前記バイアス変調信号による位相シフ
    トの際に発生する変調ゲイン誤差に応じた信号を算出す
    る変調ゲイン演算手段と、 前記変調ゲイン演算手段で生成された変調ゲイン誤差に
    応じた信号にしたがい、前記各種位相変調の合成信号の
    ゲインを制御する変調ゲイン制御手段と、 前記受光手段により検出された干渉光の光強度に応じた
    信号に基づいて、前記干渉光の光強度値を求める光強度
    演算手段と、 前記光強度演算手段で求めた前記干渉光の光強度値に応
    じて、前記光源への入力を制御して光量を調節する光源
    制御手段と、を備えることを特徴とする光ファイバジャ
    イロ。
  2. 【請求項2】光ファイバループを互いに反対方向に伝搬
    する2つの光を再結合することで得られる干渉光のサニ
    ャック位相差に応じた回転角速度または回転角度を検出
    する光ファイバジャイロであって、 前記光ファイバループを互いに反対方向に伝搬する2つ
    の光を生成するための第1の光源と、 前記第1の光源の予備としての第2の光源と、 前記干渉光の光強度を検出して電気信号に変換する受光
    手段と、 前記受光手段により検出された干渉光の光強度に応じた
    信号に基づいて、前記干渉光のサニャック位相差に応じ
    た信号を算出するサニャック位相差演算手段と、 前記サニャック位相差演算手段で生成された前記干渉光
    のサニャック位相差に応じた信号にしたがい、前記干渉
    光のサニャック位相差を打ち消すための階段状波でなる
    セロダイン信号を生成するセロダイン信号生成手段と、 前記干渉光の位相差が、±(γ−θ)、±(γ+θ+
    δ)、および±(γ+θ−δ)の6値、あるいは、±
    (γ+θ)、±(γ−θ−δ)、および±(γ−θ+
    δ)の6値を、所定の時間間隔且つ所定の順番で繰り返
    しとるように位相変調を行わせるバイアス変調信号と、
    前記セロダイン信号生成手段で生成されたセロダイン信
    号とを合成して、各種位相変調の合成信号を生成する合
    成信号生成手段と、 前記合成信号生成手段で生成された各種位相変調の合成
    信号にしたがい、前記2つの光を各々位相変調する位相
    変調器と、 前記受光手段により検出された干渉光の光強度に応じた
    信号に基づいて、前記バイアス変調信号による位相シフ
    トの際に発生する変調ゲイン誤差に応じた信号を算出す
    る変調ゲイン演算手段と、 前記変調ゲイン演算手段で生成された変調ゲイン誤差に
    応じた信号にしたがい、前記各種位相変調の合成信号の
    ゲインを制御する変調ゲイン制御手段と、 前記受光手段により検出された干渉光の光強度に応じた
    信号に基づいて、前記干渉光の光強度値を求める光強度
    演算手段と、 前記光強度演算手段で求めた前記干渉光の光強度値に応
    じて、前記第1の光源への入力を制御して光量を調節す
    るとともに、前記第1の光源への入力が所定の閾値を越
    えた場合に、前記光ファイバループを互いに反対方向に
    伝搬する2つの光を生成するための光源を前記第1の光
    源から前記第2の光源に切り換え、前記光強度演算手段
    で求めた前記干渉光の光強度値に応じて、前記第2の光
    源への入力を制御して光量を調節する光源制御手段と、
    を備えることを特徴とする光ファイバジャイロ。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の光ファイバジャイ
    ロであって、 前記光源制御手段は、 前記光強度演算手段で求める前記干渉光の光強度値が一
    定となるように、前記光ファイバループを互いに反対方
    向に伝搬する2つの光を生成するための光源への入力を
    制御して光量を調節することを特徴とする光ファイバジ
    ャイロ。
  4. 【請求項4】請求項3記載の光ファイバジャイロであっ
    て、 前記光源制御手段は、 前記光ファイバループを互いに反対方向に伝搬する2つ
    の光を生成するための光源への入力電流を制御して光量
    を調節することを特徴とする光ファイバジャイロ。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4記載の光ファイ
    バジャイロであって、 前記光強度演算手段は、 前記各種位相変調の合成信号による位相シフトがγ+θ
    +δ(あるいは−γ−θ−δ)のときに前記受光手段に
    より検出された信号と該位相シフトがγ−θ(あるいは
    −γ+θ)のときに前記受光手段により検出された信号
    との差分X、および、該位相シフトがγ+θ−δ(ある
    いは−γ−θ+δ)のときに前記受光手段により検出さ
    れた信号と該位相シフトがγ−θ(あるいは、−γ+
    θ)のときに前記受光手段により検出された信号との差
    分Zを求め、求めた差分X、Zを基に、前記干渉光の光
    強度値として、当該干渉光のピーク値を求めることを特
    徴とする光ファイバジャイロ。
  6. 【請求項6】請求項5記載の光ファイバジャイロであっ
    て、 前記光強度演算手段は、 前記干渉光の光強度のピーク値をP0とした場合、 P0=(X−Z)/(−sinδ・sin(γ+θ)) により、前記干渉光の光強度のピーク値を求めることを
    特徴とする光ファイバジャイロ。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3または4記載の光ファイ
    バジャイロであって、 前記光強度演算手段は、 前記各種位相変調の合成信号による位相シフトがγ+θ
    +δ(あるいは、−γ−θ−δ)のときに前記受光手段
    により検出された信号と該位相シフトがγ+θ−δ(あ
    るいは−γ−θ+δ)のときに前記受光手段により検出
    された信号との差分Yを求め、求めた差分Yを基に、前
    記干渉光の光強度値として、当該干渉光のピーク値を求
    めることを特徴とする光ファイバジャイロ。
  8. 【請求項8】請求項7記載の光ファイバジャイロであっ
    て、 前記光強度演算手段は、前記干渉光の光強度のピーク値
    をP0とした場合、 P0=Y/(−sinδ・sin(γ+θ)) により、前記干渉光の光強度のピーク値を求めることを
    特徴とする光ファイバジャイロ。
  9. 【請求項9】請求項1、2、3、4、5、6、7または
    8記載の光ファイバジャイロであって、 前記変調ゲイン演算手段は、 前記各種位相変調の合成信号による位相シフトがγ+θ
    +δ(あるいは−γ−θ−δ)のときに前記受光手段に
    より検出された信号と該位相シフトがγ−θ(あるいは
    −γ+θ)のときに前記受光手段により検出された信号
    との差分X、および、該位相シフトがγ+θ−δ(ある
    いは−γ−θ+δ)のときに前記受光手段により検出さ
    れた信号と該位相シフトがγ−θ(あるいは、−γ+
    θ)のときに前記受光手段により検出された信号との差
    分Zを求め、 信号=X+KθB・Z ただし、KθB=−sin(θ+δ/2)・sin(γ
    +δ/2)/(sin(θ−δ/2)・sin(γ−δ
    /2)) を満たす信号を、前記変調ゲイン誤差に応じた信号とし
    て出力するものであり、前記変調ゲイン制御手段は、 前記変調ゲイン演算手段から出力される信号が零になる
    ように、前記各種位相変調の合成信号のゲインを制御す
    ることを特徴とする光ファイバジャイロ。
  10. 【請求項10】請求項1、2、3、4、5、6、7また
    は8記載の光ファイバジャイロであって、 前記変調ゲイン演算手段は、 前記各種位相変調の合成信号による位相シフトがγ+θ
    +δ(あるいは−γ−θ−δ)のときに前記受光手段に
    より検出された信号と該位相シフトがγ−θ(あるいは
    −γ+θ)のときに前記受光手段により検出された信号
    との差分X、および、該位相シフトがγ+θ+δ(ある
    いは、−γ−θ−δ)のときに前記受光手段により検出
    された信号と該位相シフトがγ+θ−δ(あるいは−γ
    −θ+δ)のときに前記受光手段により検出された信号
    との差分Yを求め、 信号=KθC・X−Y ただし、KθC=2sinδ・sin(γ+θ)/(c
    os(γ−θ)−cos(γ+θ+δ)) を満たす信号を、前記変調ゲイン誤差に応じた信号とし
    て出力するものであり、前記変調ゲイン制御手段は、前
    記変調ゲイン演算手段から出力される信号が零になるよ
    うに、前記各種位相変調の合成信号のゲインを制御する
    ことを特徴とする光ファイバジャイロ。
  11. 【請求項11】請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9または10記載の光ファイバジャイロであって、 前記受光手段の出力側に接続されたスイッチ手段と、 前記スイッチ手段の出力側に接続されたホールド手段
    と、をさらに備え、 前記スイッチ手段は、前記合成信号生成手段で生成され
    た各種位相変調の合成信号の立ち上がりおよび下がりに
    同期して、前記受光手段により検出された信号の出力を
    所定期間遮断するものであり、 前記ホールド手段は、前記スイッチング手段を介して前
    記受光手段から送られてきた信号の値を所定時間維持す
    るものであることを特徴とする光ファイバジャイロ。
  12. 【請求項12】請求項11記載の光ファイバジャイロで
    あって、 前記ホールド手段は、抵抗とコンデンサとでなるフィル
    タであることを特徴とする光ファイバジャイロ。
  13. 【請求項13】請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11または12記載の光ファイバジャイ
    ロであって、 前記セロダイン信号による変調位相差の累積結果が第一
    の閾値に達すると、−2πの位相シフトを生じさせるよ
    うに、前記セロダイン信号生成手段をリセットし、か
    つ、前記セロダイン信号による変調位相差の累積結果が
    前記第一の閾値よりも2π低い第二の閾値に達すると、
    +2πの位相シフトを生じさせるように、 前記セロダイン信号生成手段をリセットするリセット手
    段をさらに備えることを特徴とする光ファイバジャイ
    ロ。
  14. 【請求項14】請求項13記載の光ファイバジャイロで
    あって、 前記第一の閾値は+πであり、前記第二の閾値は−πで
    あることを特徴とする光ファイバジャイロ。
  15. 【請求項15】請求項13記載の光ファイバジャイロで
    あって、 前記第一の閾値は+2πであり、前記第二の閾値は0で
    あることを特徴とする光ファイバジャイロ。
  16. 【請求項16】請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、13、14または15記載
    の光ファイバジャイロであって、 前記バイアス変調信号は、 前記干渉光の位相差が、γ+θ+δ、γ−θ、−γ−θ
    −δ、−γ+θ、γ+θ−δ、γ−θ、−γ−θ+δ、
    −γ+θの順番でなる一連のステップ、γ−θ、γ+θ
    +δ、−γ+θ、−γ−θ−δ、γ−θ、γ+θ−δ、
    −γ+θ、−γ−θ+δの順番でなる一連のステップ、
    γ−θ−δ、γ+θ、−γ+θ+δ、−γ−θ、γ−θ
    +δ、γ+θ、−γ+θ−δ、−γ−θの順番でなる一
    連のステップ、あるいは、γ+θ、γ−θ−δ、−γ−
    θ、−γ+θ+δ、γ+θ、γ−θ+δ、−γ−θ、−
    γ+θ−δの順番でなる一連のステップ(周期4τ、各
    ステップの継続時間τ/2)を繰り返しとるように位相
    変調を行わせることを特徴とする光ファイバジャイロ。
  17. 【請求項17】請求項16記載の光ファイバジャイロで
    あって、 前記バイアス変調信号を生成するバイアス変調信号生成
    手段をさらに備え、 当該バイアス変調信号生成手段は、 θの位相シフトを行うのに必要な出力値を有する第一の
    定出力信号を変調して、周波数1/τ(ただし、τは前
    記光ファイバループでの光の伝搬時間)の矩形波でなる
    第一の位相変調信号を生成する第一の変調手段と、 δの位相シフトを行うのに必要な出力値を有する第二の
    定出力信号を変調して、パルス幅τ/2のパルスが時間
    間隔2τ毎に正負交互に現れる第二の位相変調信号を生
    成する第二の変調手段と、 前記第一の位相変調信号と、前記第二の位相変調信号
    と、γの位相シフトを行うのに必要な出力値を有する第
    三の定出力信号とを加算して信号を生成する加算手段
    と、 前記加算手段で生成された信号を周波数1/2τで変調
    することで前記バイアス変調信号を生成する第三の変調
    手段と、を備えることを特徴とする光ファイバジャイ
    ロ。
  18. 【請求項18】請求項16または17記載の光ファイバ
    ジャイロであって、 前記サニャック位相差演算手段は、 前記受光手段により検出した信号を1/τの周波数で復
    調する第一の復調手段と、 前記第一の復調手段の出力を1/2τの周波数で復調す
    る第二の復調手段と、 前記第二の復調手段の出力を、時間2τまたは4τ毎
    に、時間τだけずれたもの同士の和をとって平均化する
    ことで、前記干渉光のサニャック位相差に応じた信号を
    生成する演算手段と、を備えることを特徴とする光ファ
    イバジャイロ。
  19. 【請求項19】請求項16、17または18記載の光フ
    ァイバジャイロであって、 前記セロダイン信号は、τまたはτ/2の継続時間を有
    する階段状の信号であることを特徴とする光ファイバジ
    ャイロ。
  20. 【請求項20】請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、13、14、15、16、
    17、18または19記載の光ファイバジャイロであっ
    て、 γ=kπ(ただし、kは1以上の整数)であり、 kが奇数:0<θ≦π/2 kが偶数:π/2≦θ<π であることを特徴とする光ファイバジャイロ。
  21. 【請求項21】請求項20記載の光ファイバジャイロで
    あって、 kは1であることを特徴とする光ファイバジャイロ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012103251A (ja) * 2010-11-10 2012-05-31 Honeywell Internatl Inc 光ファイバージャイロスコープにおける放射及び振動の不感度性のためのデジタル復調強度抑制と組み合わせた光源電流サーボ機構を用いる一定光パワーセンサー
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JP2022529240A (ja) * 2019-04-15 2022-06-20 イクスブルー ループ又は直線光ファイバを有する干渉計

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