JP2000146116A - 燃焼装置及びその伝熱管の腐食防止方法 - Google Patents

燃焼装置及びその伝熱管の腐食防止方法

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JP2000146116A
JP2000146116A JP10320155A JP32015598A JP2000146116A JP 2000146116 A JP2000146116 A JP 2000146116A JP 10320155 A JP10320155 A JP 10320155A JP 32015598 A JP32015598 A JP 32015598A JP 2000146116 A JP2000146116 A JP 2000146116A
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ash
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bed furnace
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JP10320155A
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Koji Sasazu
浩司 笹津
Rikiya Abe
力也 阿部
Hachiro Ueda
八郎 上田
Nozomi Iyama
望 井山
Masayuki Nakano
正幸 中野
Koichi Tazawa
浩一 田澤
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Electric Power Development Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝熱管への灰塵の付着を防止でき、熱量のロ
スを抑え伝熱効率を向上させることができるとともに、
伝熱管の腐食を防止できる燃焼装置を提供することを目
的とする。 【解決手段】 流動床炉1と、流動床炉1に連設された
含塵燃焼排ガス流路2と、含塵燃焼排ガス流路2に連設
されたサイクロン3と、サイクロン3の上部出口3aに
連設され伝熱管9a,9bを備えた熱回収部9と、流動
床炉1の上部又は含塵燃焼排ガス流路2に連設され含塵
燃焼排ガス流を熱回収部9に分配する分配流路10と、
を備えた構成を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼排ガスから熱
回収を行う伝熱管の腐食を防止することのできる燃焼装
置、及び燃焼装置の熱回収部等の伝熱管の腐食防止方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭から排出されるゴミは、年間約5,
100万トンに達しており、現在その約7割は焼却施設
で処理されている。しかしながら既設焼却施設の能力不
足や老朽化、ダイオキシン等による汚染が懸案事項とな
っている。また、ゴミには水分が多いため、燃焼が不安
定になりやすいという問題点を有している。一方、近年
では、エネルギー活用の観点からゴミを利用することも
検討されており、例えば、都市ゴミを乾燥し石灰等を加
えて圧縮成形した固形化燃料が新たなエネルギー源や、
廃棄物の有効処理の打開策として注目を浴びている。こ
うして得られた固形化燃料を有害物質の放出を抑制しつ
つ燃焼させ、エネルギー活用を行う装置としては流動床
炉が注目されている。以下、従来の固形化燃料の燃焼に
ついて、循環流動床炉を一例として図面を用いて説明す
る。図7は従来の循環流動床炉の要部模式図である。図
7において、51は固体燃料と珪砂や石灰石等の流動媒
体とを空気で流動させながら燃焼する流動床炉、51a
は固形化燃料を投入する燃料投入部、51bは流動媒体
を投入する流動媒体投入部、51cは流動床炉51へ空
気を流入させる空気流路、51dは蒸気発生器、52は
流動床炉51の上部に連設された含塵燃焼排ガス流路、
53は含塵燃焼排ガス流路52の出口に配設され含塵燃
焼排ガス中から灰塵と流動媒体を分離するサイクロン、
54はサイクロン53の底部に連設され灰塵と流動媒体
を流動床炉51に循環させる循環部、55はサイクロン
53の上部出口に連設された脱塵ガス流路、56は脱塵
ガス流路55に連設された熱回収部であり、56a,5
6bはそれぞれ熱回収部56に内設された1次過熱器,
節炭器であり、56cは熱回収部56から落下した灰塵
を取り出す灰塵取出部、56dは排ガス取出部である。
以上のように構成された従来の循環流動床炉について、
以下その動作を説明する。循環流動床炉51内では、ゴ
ミを乾燥、粉砕した後、石灰等を加えて造粒した固形化
燃料が燃料投入部51aから、珪砂,石灰石等の流動媒
体が流動媒体投入部51bから投入され、空気流入部5
1cからの空気により流動化されて燃焼する。燃焼によ
り発生した熱は、流動床炉51の上部に配設された蒸気
発生器51dを加熱し、炉内温度は850℃前後に保た
れる。一方、循環流動床炉51から発生する含塵燃焼排
ガスは流速5〜6m/sの所定の速度で上昇し、含塵燃
焼排ガス流路52では、約25m/sの流速でサイクロ
ン53に流入し脱塵される。サイクロン53で捕集され
た灰塵と流動媒体は循環部54から流動床炉51に循環
する。ここで、水は節炭器56bで120〜300℃,
蒸気発生器51dで300〜310℃,1次過熱器56
aで310℃以上、と順に昇温され、高温高圧蒸気を発
生し、タービン(図示せず)による発電に利用される。
サイクロン53の上部出口から排出される850℃前後
の脱塵ガスは脱塵ガス流路55を経て、熱回収部56の
1次過熱器56a、次いで節炭器56bの2つの伝熱管
で熱回収される。ここで、粒径が15μm以下の微細な
灰塵はサイクロン53では完全に捕集されにくいため、
脱塵ガス中に残り、熱回収部56を通過する。熱回収部
56を通過する微細な灰塵のうち、落下した灰塵は灰塵
取出部56cから取り出され、飛灰を含む排ガスは排ガ
ス取出部56dから取り出され、後流の電気集塵器やセ
ラミックチューブフィルタ、セラミックキャンドルフィ
ルタ、セラミックハニカムフィルタ、金属フィルタ等の
精密脱塵装置(図示せず)で精密脱塵され、さらに精密
脱塵された後の排ガス中のダイオキシンや重金属等の有
害物質は活性炭処理装置等(図示せず)で除去され、無
害化された後に排出される。
【0003】しかしながら、ゴミを原料とする固形燃料
には、食塩やポリ塩化ビニル等に由来する0.3〜2w
t%前後の塩素分や0.5wt%弱の硫黄分、1wt%
前後のナトリウムやカリウム、微量の亜鉛,鉛,水銀等
が含まれており、燃焼に伴い塩化水素ガスや塩素、硫
酸、金属塩化物、金属硫化物や金属硫酸塩等の腐食性成
分を生じ、燃焼ガス中に混入する。サイクロン53で捕
集されなかった粒径が15μm以下の微細な灰塵は表面
積が大きく、付着性が強いため、1次過熱器56a,節
炭器56bの伝熱管に付着し伝熱効率が下がりエネルギ
ー損失が大きくなるという問題点を有していた。さら
に、低融点の塩化亜鉛等の金属塩化物が伝熱管に付着し
た灰塵に取り込まれ、特に1次過熱器56aを400℃
以上の高温で運転すると、溶融した金属塩化物によって
伝熱管の腐食が生じやすいという問題点を有していた。
耐腐食性のオーステナイト系ステンレス鋼や高ニッケル
合金等で形成した場合でも、表面に腐食性物質が付着す
ると結晶粒界が浸食され、全面腐食の場合よりも深い局
部浸食が起こり、特にオーステナイト系ステンレス鋼を
使用した場合は応力腐食割れ等の問題点を有していた。
タングステンやモリブデン等の合金を伝熱管に使用し、
塩素系化合物に対する耐久性を向上させることも可能で
あるが、材料費が高価である上に、性状が一定しないゴ
ミ固形化燃料に柔軟に対応することは困難で、ゴミの性
状の変化によっては腐食が進行しやすくなるという問題
点を有していた。高温で運転する1次過熱器56aの代
わりに低温の蒸気発生管等を配置する等の伝熱管のアレ
ンジ変更も考えられるが、エネルギー利用効率の面から
は不利であるという問題点を有していた。そこで近年、
燃焼排ガス中の腐食性物質による各部の腐食を防止する
燃焼装置やその伝熱管の腐食防止方法が種々検討されて
いる。例えば、 (1)特開平5−164319号公報(以下、イ号公報
という)には、スートブロワでスチームを伝熱管に吹き
つけて付着した灰塵を剥落させる伝熱管の腐食防止方法
が開示されている。 (2)特開平7−71735号公報(以下、ロ号公報と
いう)には、アルカリ土類金属酸化物を流動媒体の一部
とし、塩素系化合物を含有するゴミをガス化する下段流
動床と、ガスを燃焼させる上段流動床を備えた上段燃焼
炉と、を有する燃焼装置が開示されている。 (3)特開平8−28845号公報(以下、ハ号公報と
いう)には、燃焼ガスを100℃以下の温度に冷却し、
燃焼ガス中の水分含有率を低下させて塩素系化合物の量
を減少させる燃焼装置が開示されている。 (4)特開平8−141364号公報(以下、ニ号公報
という)、特開平9−126434号公報(以下、ホ号
公報という)には、それぞれ燃焼ガス流路の上流側にア
ルカリ金属炭酸塩,カルシウム化合物を供給する燃焼装
置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の燃焼装置及びその伝熱管の腐食防止方法は、以下の
ような課題を有していた。 (1)イ号公報に記載のスートブロワでは多数の配管が
並ぶ1次過熱器や節炭器へのスチームの吹きつけにムラ
が生じやすく、伝熱管の略全面に付着する灰塵を完全に
剥離させることは困難であるという問題点を有してい
た。灰塵の剥離を十分に行うためにはスチーム量を増大
したり、ノズルを移動、回転させなければならず、装置
が大型化、複雑化し、ユーティリティも増大するととも
にメンテナンス性に欠けるという問題点を有していた。 (2)ロ号公報に記載の二段式焼却炉では、下段ガス化
炉で低温でゴミをガス化するため、タール分が生成しや
すくハンドリング性に欠けるとともに、流動床炉が2基
必要なため設置面積が大きく省スペース性に欠けるとい
う問題点を有していた。 (3)ハ号公報に記載の燃焼装置では、燃焼ガスを冷却
しているため、熱量を十分に利用することができず、発
電等に利用することができないという問題点を有してい
た。 (4)ニ号公報及びホ号公報のように中和剤を噴霧する
と、後処理が必要な灰塵量が増大するため、処理コスト
が上昇するという問題点を有していた。
【0005】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、伝熱管への灰塵の付着を防止でき、熱量のロスを抑
え伝熱効率を向上させることができるとともに、伝熱管
の腐食を防止できる燃焼装置の提供、及び伝熱管の耐久
性を向上させ、メンテナンス周期を著しく長期化できる
とともに、長期間にわたり燃焼装置を安定して運転でき
る伝熱管の腐食防止方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るため本発明の燃焼装置は、流動床炉と、前記流動床炉
に連設された含塵燃焼排ガス流路と、前記含塵燃焼排ガ
ス流路に連設されたサイクロンと、前記サイクロンの上
部出口に連設され伝熱管を備えた熱回収部と、前記流動
床炉の上部又は前記含塵燃焼排ガス流路に連設され含塵
燃焼排ガス流を前記熱回収部の所定部に分配する分配流
路と、を備えた構成を有している。この構成により、伝
熱管に付着し腐食性の高い低融点金属塩化物等を含有し
た灰塵に含塵燃焼排ガス中の大粒径の灰塵を直接噴射し
衝撃を与えることができるため、その衝撃力で該灰塵を
伝熱管から効率的に剥離させることができ、伝熱管の伝
熱効率を向上させ熱交換率を高めることができるととも
に腐食を防止することができるという効果を実現でき
る。
【0007】また、本発明の伝熱管の腐食防止方法は、
流動床炉で発生する含塵燃焼排ガス流を含塵燃焼排ガス
流路に連設したサイクロンで脱塵する脱塵工程と、前記
サイクロンの上部出口から排出された脱塵ガスを熱回収
部に流入させ伝熱管で熱回収する熱回収工程と、前記含
塵燃焼排ガス流の一部を前記流動床炉の上部又は含塵燃
焼排ガス流路に配設した分配流路に通して前記熱回収部
に分配する分配工程と、を備えた構成を有している。こ
の構成により、低融点金属塩化物等を含有した灰塵等の
伝熱管への付着や、低融点金属塩化物等による伝熱管の
腐食を抑制することができ、伝熱管の耐久性を向上さ
せ、高い熱交換率を維持しながら長期間にわたり運転を
安定に行うことができるため、メンテナンス性に優れる
という効果を実現できる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の燃焼装
置は、流動床炉と、前記流動床炉に連設された含塵燃焼
排ガス流路と、前記含塵燃焼排ガス流路に連設されたサ
イクロンと、前記サイクロンの上部出口に連設され伝熱
管を備えた熱回収部と、前記流動床炉の上部又は前記含
塵燃焼排ガス流路に連設され含塵燃焼排ガス流を前記熱
回収部に分配する分配流路と、を備えた構成を有してい
る。この構成により、サイクロン上部出口から排出され
る脱塵ガス中の微粒子灰塵と、サイクロンを通過してい
ない含塵燃焼排ガス中の大粒径灰塵とが混合され、灰塵
の粒径分布の幅が広がるため、熱回収部の伝熱管やサポ
ーター等への灰塵自体の付着性を下げることができると
いう作用を有する。また、伝熱管に付着した金属塩化物
等を取り込んだ灰塵にサイクロンを通過していない燃焼
排ガス中に含まれる大粒径の灰塵が衝突するため、その
衝撃力により該灰塵を効果的に剥離させることができる
という作用を有する。伝熱管への灰塵や金属塩化物等の
付着を抑制することができるため、高い伝熱効率を維持
することができるとともに、伝熱管の腐食を防止し伝熱
管の耐久性を向上させることができるという作用を有す
る。連続的に伝熱管への灰塵付着を防止することがで
き、スートブロワのようにスチーム等を別途必要としな
いため、ユーティリティを削減することができ、省エネ
ルギー性に優れるという作用を有する。ここで、分配流
路としては、直管や曲管等が好適に使用され、流動床炉
の上部又は含塵燃焼排ガス流路の所定位置に配設され
る。分配流路に屈曲部を有する場合は、屈曲部としては
磨耗等を防止するため、T字管状に形成されることが好
ましい。分配流路の材質としては、高温耐磨耗性に優れ
るアベスタ鋳鋼(例アベスタ253MA)等が好適に使
用される。
【0009】本発明の請求項2に記載の燃焼装置は、請
求項1において、前記サイクロンで捕集された灰塵を前
記流動床炉に循環する循環部を備えた構成を有してい
る。この構成により、請求項1に記載の発明の作用に加
えて、灰塵に含まれる未燃焼成分を流動床炉に循環させ
て完全燃焼ができるため、燃焼効率を向上させることが
できるという作用を有する。また、未反応の石灰分も流
動床炉に循環させることができるため、脱硫効率も向上
させることができるという作用を有する。
【0010】本発明の請求項3に記載の燃焼装置は、請
求項1又は2において、前記サイクロンで捕集された灰
塵から熱交換する外部熱交換部を備えた構成を有してい
る。この構成により、請求項1又は2に記載の発明の作
用に加えて、高温の灰塵中の流動媒体から熱交換するた
め、発電効率を向上させることができるとともに、灰塵
に塩化水素等の腐食性ガスや低融点の金属塩化物の混入
を避けることができるため、熱交換部の腐食を防止する
ことができるという作用を有する。
【0011】本発明の請求項4に記載の燃焼装置は、請
求項1乃至3の内いずれか1項において、前記分配流路
に分配される含塵燃焼排ガス流量を調節するオリフィ
ス,弁体,ガス注入部等のうちいずれか1以上の流量調
節手段を備えた構成を有している。この構成により、請
求項1乃至3に記載の発明の作用に加えて、燃料中の塩
素含有量や,水分量,難燃(不燃)性成分の含有量等の
違いや燃焼条件の変化,伝熱管への灰塵の付着状況等に
応じて大粒径の灰塵を含有する含塵燃焼排ガスの流量を
最適に調整することができるという作用を有する。オリ
フィスを備えた場合は、構造が簡単であるとともに設置
や設計変更が容易であるという作用を有する。弁体やガ
ス注入部を備えた場合は、燃焼状況の変化や伝熱管への
灰塵の付着状況等に応じて、分配流路に分配される含塵
燃焼排ガス流量と、粗大な灰塵粗粒子成分量を迅速に調
整できるという作用を有する。ガス注入部を備えた場合
は、高圧ガスを流入させる管とバルブ等で構成できるた
め、構造が簡単で設置のコストを著しく低減することが
できるとともに、高温の含塵燃焼排ガス中で機械的に駆
動する部品が不要なため、耐久性に優れるという作用を
有する。ここで、オリフィスとしては、通常の形状のも
のやラバールノズル型のものが使用される。弁体として
は、玉型弁やニードルバルブ,バタフライ弁等の形状の
ものが使用される。各々の流量調節手段を構成する材質
としては、耐熱性や耐磨耗性に優れたセラミックスやア
ベスタ鋳鋼等が好適に使用される。伝熱管への灰塵等の
付着状況は、伝熱管での回収熱量の変化や、熱回収後の
ガス温度の変化等を測定することにより容易に検知する
ことができる。この検知結果と弁体やガス注入部等を連
動させることにより、装置の運転中においても分配流路
への含塵燃焼排ガス流量を変化させることができる。
【0012】本発明の請求項5に記載の伝熱管の腐食防
止方法は、流動床炉で発生する含塵燃焼排ガス流を含塵
燃焼排ガス流路に連設したサイクロンで脱塵する脱塵工
程と、前記サイクロンの上部出口から排出された脱塵ガ
スを熱回収部に流入させ伝熱管で熱回収する熱回収工程
と、前記含塵燃焼排ガス流の一部を前記流動床炉の上部
又は含塵燃焼排ガス流路に配設した分配流路に通して前
記熱回収部に分配する分配工程と、を備えた構成を有し
ている。この構成により、腐食性物質を含有した灰塵の
伝熱管への付着を防止し、伝熱管の耐久性を向上させる
ことができ長期間にわたって燃焼装置の熱回収部等の伝
熱管の腐食を防止できるという作用を有する。
【0013】請求項6に記載の伝熱管の腐食防止方法
は、請求項5において、前記含塵燃焼排ガス中の全灰塵
量に対する前記分配流路に流入する灰塵量(分配率)が
0.001〜2.0%好ましくは0.01%〜1.0%
更に好ましくは0.02〜0.5%である構成を有して
いる。この構成により、サイクロン効率や熱効率に悪影
響を及ぼさない範囲で伝熱管への灰塵の付着を防止し、
十分な腐食防止を行うことができるという作用を有す
る。ここで、分配率が0.02%よりも小さくなるにつ
れ伝熱管への灰塵の付着防止効果が小さくなる傾向があ
り、そのため伝熱管への伝熱効率が低下しだすとともに
腐食防止効果が得られ難くなる傾向を生じ、0.5%よ
り大きくなるにつれ、サイクロン効率が低下しだす傾向
が有り炉内の燃焼効率や脱硫効率が低下しだすととも
に、後述の外部熱交換部を備えた場合は、流入する灰塵
量が減少し、伝熱効率も低下する傾向を生じるためいず
れも好ましくない。分配率が0.01%より小さくなる
か、1.0%より大きくなるにつれこの傾向が更に大き
くなり、0.001%より小さくなるか、2.0%より
大きくなるにつれこの傾向が著しくなるので好ましくな
い。
【0014】以下に本発明の実施の形態を図面を参照し
ながら説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1における
燃焼装置の要部模式図である。図1において、1は固体
燃料と珪砂や石灰石等の流動媒体とを空気で流動させな
がら燃焼する流動床炉、1aは固形化燃料を投入する燃
料投入部、1bは流動媒体を投入する流動媒体投入部、
1cは流動床炉1へ空気を流入させる空気流路、1dは
蒸気発生器、2は流動床炉1の上部に連設された含塵燃
焼排ガス流路、3は含塵燃焼排ガス流路2の出口に配設
され含塵燃焼排ガス中から灰塵と流動媒体を分離するサ
イクロン、3aはサイクロン3で含塵燃焼排ガス中の灰
塵が分離された燃焼排ガスの上部出口、4はサイクロン
3の底部に連設され灰塵と流動媒体の一部を流動床炉1
に循環させる循環部、5はサイクロン3で回収された灰
塵を含む流動媒体が落下する流動媒体流路、5aは流動
媒体流路5に配設された取出弁、6は流動媒体流路に連
設され流動媒体から熱を回収する外部熱交換部であり、
6aは外部熱交換部に内設された最終過熱器、6bは外
部熱交換部内で流動媒体に空気を注入し流動させる空気
流入部、7は灰塵と流動媒体を流動床炉1に循環させる
流動媒体循環部、8はサイクロン3の上部出口に連設さ
れた脱塵ガス流路、9は脱塵ガス流路8に連設された熱
回収部であり、9a,9bはそれぞれ熱回収部9に内設
された1次過熱器,節炭器であり、9cは熱回収部9か
ら落下した灰塵を取り出す灰塵取出部、9dは排ガス取
出部である。10は含塵燃焼排ガス流路2と脱塵ガス流
路8とを連設する分配流路であり、10aは分配流路1
0の端部に含塵燃焼ガス流と対向して形成され、流動床
炉1からの含塵燃焼排ガスを取り出すガス取出部であ
る。
【0015】ここで、ガス取出部10aは含塵燃焼排ガ
ス流を取り込み易い形態であれば良く、端部を含塵燃焼
排ガス流路10から含塵燃焼排ガス流を取り込むように
端部を0°〜45°傾斜させた開口部とし、その周囲は
分配流路10の管壁で側壁を形成するか、分配流路10
の端部を含塵燃焼排ガス流と対向させて45°〜135
°好ましくは90°±10°で折り曲げて形成、若しく
は端部を封止し、含塵燃焼ガス流と対向する周壁面に複
数の孔部を穿孔して形成してもよい。本実施の形態が従
来例と異なる点は、サイクロン3で回収された灰塵を含
む流動媒体の一部を流動媒体流路5から外部熱交換部6
に送り、最終過熱器6aで熱回収し、空気流入部6bか
らの空気により流動し流動媒体循環路7を経て流動床炉
1に循環させる点と、分配流路10により流動床炉1か
らの含塵燃焼排ガス流をサイクロン3で脱塵された脱塵
ガス流に混和する点である。なお、節炭器9bで120
〜300℃,蒸気発生器1dで300〜310℃,1次
過熱器9aで310℃以上、と順に昇温された水蒸気は
外部熱交換部6内に配設された最終過熱器6aで450
〜540℃,100kg/cm2 前後の高温高圧蒸気と
なり、タービン(図示せず)による発電に利用される。
【0016】以上のように構成された実施の形態1にお
ける燃焼装置について、以下その伝熱管の腐食防止方法
を説明する。まず、固形燃料中の塩素含有量や性状、燃
焼条件等に応じて、分配流路10に流入する含塵燃焼排
ガスの分配率が、燃焼排ガス中の全灰塵量の0.001
〜2.0%になるように分配流路10の管径とガス取出
部10aの面積を設定し、サイクロン3の上部出口3a
から流出し、微細な灰塵粒子と金属塩化物等が含まれる
脱塵ガスと分配流路10を通過した粗粒灰塵を混合し、
熱回収部9へ流入するガス中の灰塵の粒径分布を広げ
る。例えば、1次過熱器9a,節炭器9bへの灰塵の付
着が多く見られる条件では、サイクロン効率や熱効率に
影響を及ぼさない範囲で分配率を高めに設定する。
【0017】次に、実施の形態1の燃焼装置について、
以下その作用を説明する。 a.サイクロン3から流出する微細な灰塵と分配流路1
0から流出する粗大な灰塵が混和し灰塵の粒径分布を拡
大するため、伝熱管への灰塵の付着性を下げることがで
きる。 b.1次過熱器9a,節炭器9bの伝熱管に付着した微
細な灰塵に分配流路10からの粗大な灰塵が衝突し、そ
の衝撃力で高濃度で金属塩化物等を含有する付着した灰
塵を剥離させることができる。 c.伝熱管への灰塵の付着と、塩化水素ガスや低融点金
属塩化物等を取り込んだ灰塵を剥離することにより、腐
食性成分による伝熱管の腐食とを抑制することができる
ため、伝熱効率を高く維持することができるとともに、
伝熱管の耐久性を向上させることができる。 d.外部熱交換部6で灰塵を含む高温の流動媒体で最終
過熱器6aを加熱し熱交換するため、高温高圧の蒸気を
発生させることができ、発電効率を向上させることがで
きる。 e.外部熱交換部6には塩化水素等の腐食性ガスや低融
点の金属塩化物の混入を避けることができるため、最終
過熱器6aや内壁部等の腐食を防止することができる。
【0018】(実施の形態2)図2は本発明の実施の形
態2における燃焼装置の要部模式図である。図2におい
て、11は含塵燃焼排ガス流路2に配設された分配流
路、11aはそのガス取出部、12は分配流路11から
分岐し熱回収部9の1次過熱器9a側に連設された1次
過熱器側分配流路、13は分配流路11から分岐し熱回
収部9の節炭器9b側に連設された節炭器側分配流路、
14は分配流路11のガス取出部付近に配設されたバタ
フライ弁、15は節炭器側分配流路13の入口付近に配
設されたバタフライ弁である。尚、実施の形態1と同様
のものについては同一の符号を付して説明を省略する。
【0019】以上のように構成された実施の形態2にお
ける燃焼装置について、以下その伝熱管の腐食防止方法
を説明する。まず、実施の形態1と同様に、固形燃料中
の塩素含有量や性状、燃焼条件等に応じて、分配流路1
1に流入する燃焼排ガス中の灰塵量の分配率が、全含塵
燃焼排ガス中の灰塵量の0.001〜2.0%になるよ
うに分配流路11の管径とガス取出部11aの面積を設
定し、サイクロン3の上部出口から流出する脱塵ガスと
分配流路11を通過する含塵燃焼排ガスを適切に混合
し、熱回収部9へ流入するガス中の灰塵の粒径分布を広
げる。次いで、バタフライ弁14、15の開度を調節
し、1次過熱器9a,節炭器9bのそれぞれの伝熱管に
流入する含塵燃焼排ガス流量と灰塵量を設定する。ここ
で、固形燃料のロットの違い等による性状の変化や燃焼
条件の変化や、1次過熱器9a,節炭器9bの温度の低
下傾向等による1次過熱器9等への灰塵の付着状況の変
化等に応じて、バタフライ弁14,15の開度を調整し
最適の分配率を保つ。
【0020】以上のように本実施の形態は構成されてい
るので、実施の形態1に記載した作用に加えて、以下の
作用を有する。 a.燃焼状態の変化等に追随してバタフライ弁14,1
5をそれぞれ開度を調整することによって1次過熱器9
a,節炭器9bへの流入する灰塵の粒径と量をそれぞれ
制御し、効果的に腐食防止を行うことができる。 b.バタフライ弁15により1次過熱器側分配流路1
2、節炭器側分配流路13への燃焼排ガス流量の分配が
できるので、いずれか一方に灰塵付着量が増大したとき
でも容易に流量を調整し付着した灰塵およびそれに含有
される金属塩化物等を剥離し伝熱管の腐食防止を行うこ
とができる。ここで、伝熱管への灰塵の付着状況は、1
次過熱器9a,節炭器9bでの回収熱量の変化や熱回収
後のガス温度の変化等を測定することにより検知するこ
とができる。
【0021】(実施の形態3)図3は本発明の実施の形
態3における燃焼装置の要部模式図である。図3におい
て、20は分配流路、21はその内部の所定位置に配設
されたオリフィスであり、22は最大径がオリフィス2
1の径より大きくなるように形成したニードル弁や玉形
弁等の弁体、23は弁体22の軸部、24は軸部23を
上下して分配流路20を通過する含塵燃焼排ガス量を調
節する上下動制御装置である。尚、実施の形態1と同様
のものについては同一の符号を付して説明を省略する。
以上のように本実施の形態の燃焼装置は構成されている
ので、運転中の伝熱管や燃焼状態の変化に応じて上下動
制御装置24の駆動させ、分配流路20を通過する含塵
燃焼排ガスの量を最適に制御することができるという作
用を有する。ここで、オリフィスは通常の形状のものや
ラバールノズル型のものが使用される。オリフィスや弁
体の材料としては、耐熱、耐磨耗性の優れたセラミック
スやアベスタ鋳鋼等が好適に使用される。弁体の最大径
はオリフィス径の1.1〜2倍程度に形成されるのが好
ましい。これにより、弁体の上下動でオリフィスの開口
部を完全に開閉することができる。
【0022】(実施の形態4)図4は本発明の実施の形
態4における燃焼装置の要部模式図である。図4におい
て、30は分配流路、30aはそのガス取出部、31は
分配流路30から分岐し熱回収部9の1次過熱器9a側
に連設された1次過熱器側分配流路、32は分配流路3
0から分岐し熱回収部9の節炭器9b側に連設された節
炭器側分配流路、33はガス取出部30aの手前側の含
塵燃焼排ガス流路2に挿設され、高圧の空気や蒸気,窒
素等のガスを注入することにより分配流路30に流入す
る含塵燃焼排ガスの流量を調整するガス注入部であり、
34は1次過熱器側分配流路31の屈曲部に挿設され1
次過熱器9aへの含塵燃焼排ガスの流入を押し止めるガ
ス注入部、35は節炭器側分配流路32の屈曲部等の熱
回収部9の入口手前に挿設され節炭器9bへの含塵燃焼
排ガスの流入を押し止めるガス注入部である。尚、実施
の形態1と同様のものについては同一の符号を付して説
明を省略する。
【0023】以上のように本実施の形態の燃焼装置は構
成されているので、以下の作用を有する。 a.流動床炉1内の燃焼状態の変化等に追随して、ガス
注入部33により分配流路30に流入する燃焼排ガス流
量の調整を行えるとともに、1次過熱器側分配流路31
に挿設したガス注入部34により1次過熱器9aへの燃
焼排ガス流量の調整が行え、また、節炭器側分配流路3
2に挿設したガス注入部35により節炭器9bへの燃焼
排ガス流量の調整が行えるので、1次過熱器9aか節炭
器9bのいずれか一方の灰塵付着量が増大したときでも
容易に流量を調整し付着した灰塵及びそれに含有される
金属塩化物等の腐食性物質を剥離し伝熱管の腐食防止を
行うことができる。 b.ガス注入部33,34,35は、高圧ガスを流入さ
せる管とバルブ等で構成できるため、構造が簡単で設置
のコストを著しく低減することができるとともに、高温
の含塵燃焼排ガス中で機械的に駆動する部品が不要なた
め、耐久性に優れる。なお、本実施の形態では、3箇所
のガス注入部33,34,35を挿設したが、いずれか
2箇所のみを挿設した場合でも、互いに連動させること
により、分配流路を流れるガス流量と1次過熱器9a,
節炭器9bへの燃焼排ガス流量を調節することが可能で
ある。また、燃焼条件,生成する灰塵の付着性や腐食性
等によってはいずれか1箇所だけに挿設してもよい。
【0024】(実施の形態5)図5は本発明の実施の形
態5における燃焼装置を示す要部模式図である。図5に
おいて、40は灰塵取出部9cに配設され、取出した灰
塵に水を加えてスラリー状にし、遠心分離等により金属
塩化物や塩化水素等の腐食性成分を除く腐食性成分除去
装置、41は腐食性成分を溶解した洗浄水の排水部、4
2は腐食性成分除去装置40に連設され腐食性成分を除
いた灰塵を燃料投入部1aから流動床炉1に戻す灰塵戻
し部、42aは灰塵戻し部42に配設されたスラリーポ
ンプである。尚、実施の形態1と同様のものについては
同一の符号を付して説明を省略する。以上のように本実
施の形態の燃焼装置は構成されているので、流動床炉1
内での腐食性成分の濃縮を防止し腐食性成分の濃度を低
く維持しておくことができ、1次過熱器9a,節炭器9
bのそれぞれの伝熱管の腐食を防止することができると
ともに、流動床炉1の炉壁、蒸気発管1d等に掛かる負
担をも軽減することできるという作用を有する。
【0025】
【実施例】次に、本発明を比較例及び実施例により詳細
に説明する。 (比較例1)従来のサイクロン効率ηc=0.995の
循環式流動床炉で、100%負荷時に、伝熱管に流入す
る灰塵の平均粒径は約10μm、最大粒径は75〜10
0μmであった。循環流動床炉内を循環する灰塵の量
(=循環灰塵量:G)と流動床炉に投入される固形化燃
料と流動媒体の内で灰塵となる量(=投入灰塵量:A)
の比(=灰塵循環比)(G)/(A)は200であり、
1次過熱器9a,節炭器9bの伝熱管を観察したとこ
ろ、1週間で著しい腐食が発生することが確認された。
【0026】(実施例1)実施の形態1に準じた循環流
動床ボイラで各種の測定を行った。サイクロン効率ηc
=0.995の場合に、全燃焼排ガス流のうち分配流路
10に分配する含塵燃焼排ガス流量の割合(=分配率)
が0.5%になるように分配流路10の管径、ガス取出
部10aの開口面積を設定したところ、サイクロン3の
上部出口3aから排出される灰塵量(a)と、分配流路
10を通過する灰塵量(b)との分配比(b)/(a)
は略1.0となった。熱回収部9に流入する灰塵の平均
粒径は約11〜13μm、最大粒径は約8,000μm
となり、平均粒径が大きくなるとともに粒径分布が拡大
することがわかった。1次過熱器9a,節炭器9bの腐
食を測定したところ、1か月たっても灰塵の付着やそれ
に伴う伝熱管の腐食は見られず、長期間にわたって腐食
を防止する効果が高いことが確認された。灰塵循環比
(G)/(A)は約100となり、分配流路10を備え
ない比較例1の場合の略半分になったため外部熱交換器
での熱回収量は微減したが、1次過熱器9a、節炭器9
bの熱回収量が略同量増となったため、回収される総熱
量には殆ど影響は見られなかった。
【0027】(実施例2)実施例1と同様の循環流動床
炉で、分配流路10を通過する含塵燃焼排ガス流量の分
配率が1%になるように分配流路10の管径とガス取出
部10aの面積を設定したところ、分配流路10を通過
する灰塵量とサイクロン3の上部出口3aから排出され
る灰塵量の分配比は約2となった。これにより100%
負荷時に、熱回収部9に流入する灰塵の平均粒径は13
〜15μm、最大粒径は約8,000μmとなり、実施
例1と比較して最大粒径は略同じであったが、平均粒径
は更に大きくなることがわかった。1次過熱器9a、節
炭器9bの熱回収量が増加したが、灰塵循環比(G)/
(A)は約67まで下がり外部熱交換器6aでの熱回収
量は実施例1の場合よりも減少し、回収される総熱量は
僅かな減少が認められた。熱効率上は好ましくないが実
用上は問題ないことが確認された。
【0028】(実施例3)サイクロン効率がηc=0.
999の場合と,ηc=0.995の場合のそれぞれに
ついて、分配率と、灰塵循環比(G)/(A)との関係
を求め、それを図6にまとめた。この図6から分かるよ
うに分配率を変えることで循環流動床炉の灰塵循環比
(G)/(A)を変えることができることがわかった。
ここで、ηc=0.995の場合は分配率の変化に伴
い、灰塵循環比(G)/(A)はなだらかに変化する
が、ηc=0.999の場合のようにサイクロン効率が
高い場合は、分配率が0.5%以下の範囲では僅かな分
配率の変化により、灰塵循環比(G)/(A)が大きく
変化することがわかった。但し、一般的なサイクロン効
率の場合は問題がないことがわかった。ここで、分配率
が0.5%を越えるとサイクロンの性能をスポイルする
傾向があり、灰塵循環が不十分となり、外部熱交換器6
での熱回収効率が低下する傾向があることがわかった。
また、分配率が002%よりも低くなるにつれ、灰塵の
剥離効果が弱くなる傾向があることがわかった。
【0029】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載の発明によれ
ば、 a.サイクロン上部出口から排出される脱塵ガス中の微
粒子灰塵と、含塵燃焼排ガス中の大粒径灰塵とが混合さ
れ、灰塵の粒径分布を広げ付着性を下げることができ
る。 b.伝熱管に付着した灰塵にサイクロンを通していない
含塵燃焼排ガス中の大粒径の灰塵が衝突するため、灰塵
を効果的に剥離させることができる。 c.スートブロワのようにスチーム等を必要としないた
め、ユーティリティを削減することができるとともに、
連続的に伝熱管への灰塵付着を防止し、伝熱効率の低下
も避けることができるため、省エネルギー性に優れる。 d.灰塵の付着とそれに伴う伝熱管の腐食を防止するこ
とができるため、伝熱管の寿命を著しく延ばすことがで
きる。
【0030】本発明の請求項2に記載の発明によれば、
請求項1に記載の発明の効果に加えて、未燃焼成分を流
動床炉に循環させることにより、燃焼効率を向上させる
ことができ発電等へのエネルギー利用率を高めることが
できるとともに、未反応の石灰分も流動床炉に循環させ
ることができるため、脱硫効率も向上させることができ
る。
【0031】本発明の請求項3に記載の発明によれば、
請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、高温の流
動媒体から熱交換するため、高温の蒸気を得ることがで
き、発電効率に優れるとともに、塩化水素等の腐食性ガ
スや低沸点の金属塩化物の混入を避けることができるた
め、熱交換部の腐食を防止することができる。
【0032】本発明の請求項4に記載の発明によれば、
請求項1乃至3に記載の発明の効果に加えて、 a.燃料の性状の違いや燃焼条件の変化,伝熱管への灰
塵の付着状況等に応じて大粒径の灰塵を含有する含塵燃
焼排ガスの流量を最適に調整することができる。 b.オリフィスを備えた場合は、設置や設計変更を容易
に行うことができ作業性に優れる。 c.弁体やガス注入部を備えた場合は、燃焼状況の変化
や伝熱管への灰塵の付着状況等に応じて、分配流路に分
配される含塵燃焼排ガス流量と、粗大な灰塵粒子成分量
を迅速に調整できる。 d.ガス注入部を備えた場合は、高圧ガスを流入させる
管とバルブ等で構成できるため、構造が簡単で設置のコ
ストを著しく低減することができるとともに、高温の含
塵燃焼排ガス中で機械的に駆動する部品が不要なため、
耐久性に優れる。
【0033】本発明の請求項5に記載の発明によれば、
塩化水素や低融点金属塩化物等の腐食性物質を含有する
灰塵の伝熱管への付着を防止することができるため、伝
熱管の腐食を防止し、長期間にわたり安定した燃焼装置
の運転ができる。
【0034】本発明の請求項6に記載の発明によれば、
請求項5に記載の発明の効果に加えて、サイクロン効率
や熱効率に悪影響を及ぼさない範囲で伝熱管の腐食防止
を十分に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における燃焼装置の要部
模式図
【図2】本発明の実施の形態2における燃焼装置の要部
模式図
【図3】本発明の実施の形態3における燃焼装置の要部
模式図
【図4】本発明の実施の形態4における燃焼装置の要部
模式図
【図5】本発明の実施の形態5における燃焼装置の要部
模式図
【図6】分配率と循環比との関係を示す図
【図7】従来の循環式流動床炉を示す要部模式図
【符号の説明】
1 流動床炉 1a 燃料投入部 1b 流動媒体投入部 1c 空気流路 1d 蒸気発生管 2 含塵燃焼排ガス流路 3 サイクロン 3a 上部出口 4 循環部 5 流動媒体流路 5a 取出弁 6 外部熱交換部 6a 最終過熱器 6b 空気流入部 7 流動媒体循環部 8 脱塵ガス流路 9 熱回収部 9a 1次過熱器 9b 節炭器 9c 灰塵取出部 9d 排ガス取出部 10 分配流路 10a ガス取出部 11 分配流路 11a ガス取出部 12 1次過熱器側分配流路 13 節炭器側分配流路 14,15 バタフライ弁 20 分配流路 21 オリフィス 22 弁体 23 軸部 24 上下動制御装置 30 分配流路 30a ガス取出部 31 1次過熱器側分配流路 32 節炭器側分配流路 33,34,35 ガス注入部 40 腐食性成分除去装置 41 腐食性成分取出部 42 灰塵戻し部 42a スラリーポンプ 51 流動床炉 51a 燃料投入部 51b 流動媒体投入部 51c 空気流路 51d 蒸気発生管 52 含塵燃焼排ガス流路 53 サイクロン 54 循環部 55 脱塵ガス流路 56 熱回収部 56a 1次過熱器 56b 節炭器 56c 灰塵取出部 56d 排ガス取出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 八郎 福岡県北九州市若松区柳崎町1番 電源開 発株式会社若松総合事業所内 (72)発明者 井山 望 福岡県北九州市若松区柳崎町1番 電源開 発株式会社若松総合事業所内 (72)発明者 中野 正幸 福岡県北九州市若松区柳崎町1番 電源開 発株式会社若松総合事業所内 (72)発明者 田澤 浩一 福岡県北九州市若松区柳崎町1番 電源開 発株式会社若松総合事業所内 Fターム(参考) 3K064 AA06 AA10 AB03 AC01 AC05 AD05 BA07 BA14 BA15 BA17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動床炉と、前記流動床炉に連設された
    含塵燃焼排ガス流路と、前記含塵燃焼排ガス流路に連設
    されたサイクロンと、前記サイクロンの上部出口に連設
    され伝熱管を備えた熱回収部と、前記流動床炉の上部又
    は前記含塵燃焼排ガス流路に連設され含塵燃焼排ガス流
    を前記熱回収部に分配する分配流路と、を備えたことを
    特徴とする燃焼装置。
  2. 【請求項2】 前記サイクロンで捕集された灰塵を前記
    流動床炉に循環する循環部を備えたことを特徴とする請
    求項1に記載の燃焼装置。
  3. 【請求項3】 前記サイクロンで捕集された灰塵から熱
    交換する外部熱交換部を備えたことを特徴とする請求項
    1又は2に記載の燃焼装置。
  4. 【請求項4】 前記分配流路に分配される含塵燃焼排ガ
    ス流量を調節するオリフィス,弁体,ガス注入部等のう
    ちいずれか1以上の流量調節手段を備えたことを特徴と
    する請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の燃焼装
    置。
  5. 【請求項5】 流動床炉で発生する含塵燃焼排ガス流を
    含塵燃焼排ガス流路に連設したサイクロンで脱塵する脱
    塵工程と、前記サイクロンの上部出口から排出された脱
    塵ガスを熱回収部に流入させ伝熱管で熱回収する熱回収
    工程と、前記含塵燃焼排ガス流の一部を前記流動床炉の
    上部又は含塵燃焼排ガス流路に配設した分配流路に通し
    て前記熱回収部に分配する分配工程と、を備えたことを
    特徴とする伝熱管の腐食防止方法。
  6. 【請求項6】 前記含塵燃焼排ガス中の全灰塵量に対す
    る前記分配流路に流入する灰塵量(分配率)が0.00
    1〜2.0%好ましくは0.01%〜1.0%更に好ま
    しくは0.02〜0.5%であることを特徴とする請求
    項5に記載の伝熱管の腐食防止方法。
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