JP2000145695A - 軸流送風機 - Google Patents

軸流送風機

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JP2000145695A JP10324621A JP32462198A JP2000145695A JP 2000145695 A JP2000145695 A JP 2000145695A JP 10324621 A JP10324621 A JP 10324621A JP 32462198 A JP32462198 A JP 32462198A JP 2000145695 A JP2000145695 A JP 2000145695A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送風向きによる性能差が生じないようにしな
がらも、静翼による整流効果を高めることによって送風
性能を向上させることのできる可逆式の軸流送風機を提
供する。 【解決手段】 正逆両方向に回転可能な複数段の羽根車
2・3を円筒状ケーシング1の内側に備える可逆式の軸
流送風機Aにおいて、隣接する2段の羽根車2・3の間
に、風圧を受けることにより反りの向きを正逆に変更す
る可撓静翼10を配置している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項に係る発明は、各種ト
ンネル内の換気等に使用される可逆式の軸流送風機に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】道路トンネル等の天井部には、トンネル
内の換気を目的として可逆式の軸流送風機が設置されて
いる。図6は、そのような軸流送風機のうち、実用新案
登録第2569693号公報に記載された最近のものに
ついての斜視図(一部は断面にて示す)である。
【0003】図6の送風機Mは、円筒状ケーシング1の
内側に、正逆いずれの方向にも回転駆動される可逆式の
2段の羽根車(周方向に複数の動翼を有するもの)2・
3を備えている。羽根車2・3の回転向きが正逆に変更
可能であるのは、送風の向きをトンネル内の風向き等に
合わせることにより効率的に換気を行えるようにしたも
のである。また、羽根車2・3が2段あるのは、1段の
みの場合よりも多くの仕事ができるようにして送風性能
を上げるためである。
【0004】そしてその送風機Mでは、2段の羽根車2
・3の間に平板状の静翼(1段だが周方向に複数の翼を
含む)10’が配置されている。羽根車2・3のみを配
置しても、前段(上流側)の羽根車2(または3)を通
過した気体はその羽根車2の回転方向に沿った旋回流と
なるため、同じ向きに回転する後段の羽根車3(または
2)が空回りに近い状態になって十分な仕事をすること
ができない。そこで、2段の羽根車2・3の間に上記の
とおり静翼10’を設け、前段の羽根車2でできた旋回
流をそれにて整流し、旋回の少ない流れに変えるのであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図6に示す可逆式の軸
流送風機Mは、羽根車2・3の間に静翼10’を有する
ものではあるが、その静翼10’は上記したとおり平板
状で、翼形の中心線(キャンバ線)がケーシングの軸方
向に沿ったものである。可逆式ではない通常の軸流送風
機においては反りの付いた静翼が羽根車の間に設けられ
る例が多いが、図6の送風機Mは可逆式のものであるた
め、静翼10’が平板状にならざるを得なかったのであ
る。すなわち、反り付きの静翼を設けると、どちらか一
方の向きに送風する場合にはその静翼による整流効果が
十分に発揮されて好ましいが、羽根車を逆回転させて送
風向きを逆にしたときには、同じ静翼が流れを阻害し、
静翼のない場合よりも却って性能が低下する。上記の送
風機Mは、そのような事情を考慮して、いずれの向きに
送風する場合にも同一の性能を発揮できるように上記の
とおり平板状の静翼10’を設けたものである。
【0006】しかし、平板状でケーシングの軸方向に沿
った静翼10’は、滑らかに流れに沿う形状のものでは
ないので、前段の羽根車2で生じた旋回流をあまり円滑
には軸方向に整流することができず、むしろ流れを阻害
する作用をも併せもつ。したがって、図6の送風機Mで
は、羽根車2・3の間に静翼10’が配置されているに
もかかわらず、十分には性能が向上しない場合も多い。
【0007】請求項の発明はそのような課題を考慮した
もので、送風向きによる性能差が生じないようにしなが
らも、静翼による整流効果を高めることによって送風性
能を十分に向上させることのできる可逆式の軸流送風機
を提供しようというものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の軸流送
風機は、正逆両方向に回転可能な複数段の羽根車(各段
の羽根車は周方向に複数の動翼を有する)を円筒状ケー
シングの内側に備えるものにおいて、隣接する2段の羽
根車の間に、風圧を受けることにより反りの向きを正逆
に変更する可撓静翼(やはり周方向に複数の翼を含む)
を配置したことを特徴とする。
【0009】この軸流送風機は、複数段の羽根車を有す
るとともにそれらのうち隣接する2段の間に静翼を有す
る点で、図6に示した軸流送風機と共通する。しかしこ
の送風機は、羽根車間に配置した静翼が図6のものとは
異なり、上記のとおり風圧を受けて反りの向きを正逆に
変更する可撓の静翼である。そのためこの送風機は、構
造をとくに複雑化したものでないにもかかわらず、送風
の向きによらずつねに高い性能を発揮することができ
る。
【0010】そのような性能上の効果がもたらされるの
は、可撓静翼がつぎのような好ましい作用を有するから
である。すなわち、 i) 羽根車を回転させて送風機が特定の方向に送風して
いる場合、羽根車の間にある上記の可撓静翼は、前段の
羽根車によってできる旋回流から風圧を受けてその羽根
車の回転向きに膨らむように撓み、反りを生じる。その
向きの反りは、可逆式でない通常の軸流送風機において
羽根車間に設けられる静翼の反りと向きが同じであり、
流れをほとんど阻害することなく円滑に旋回流を整流す
る(つまり旋回エネルギーを下流向きの流れのエネルギ
ーに変換する)ことができる。
【0011】ii) 送風の向きを変えるべく羽根車の回
転向きを変えると、羽根車間にある可撓静翼は、それま
でとは反対向きの風圧を受けて上記と逆の向きに反りを
生じる。このように反りの向きを変えた可撓静翼は、羽
根車の回転とともに向きの変わった旋回流を整流するの
に好適であり、やはりほとんど流れを阻害せずに円滑に
その旋回エネルギーを下流向きの流れのエネルギーに変
換することができる。
【0012】iii) しかも、可撓静翼は、上記のとおり
風圧を受けることによって反りの向きを変更するもので
あるため、その変更のために何らの駆動機構も制御手段
も必要がない。したがって送風機の構造をほとんど複雑
化することがなく、メンテナンスの必要性を増すことも
ない。
【0013】iv) なお、この送風機は軸流送風機であ
って遠心送風機ではないため、可撓静翼の面内に遠心力
の分布に基づく不均一な力が作用することがなく、した
がって可撓静翼は、旋回流を整流するのに適した滑らか
な曲面を安定的に形成する。軸流式送風機であるため、
両端のみに開口をもつ円筒状の簡単なケーシングを使用
できるうえダンパ類も不要であり、遠心式のものと比べ
て構造が簡単である、という利点もある。
【0014】請求項2に記載の軸流送風機は、上記ケー
シングの内面に、軸方向位置と周方向位置とがともに異
なる対をなしながら半径方向に延びる複数本の支柱を立
設するとともに、撓みやすく伸縮しにくい膜であって各
対の支柱間距離よりもやや長いものを各対の支柱間にか
けわたすことにより、上記の可撓静翼を構成したことを
特徴とする。上記の膜としては、布やフィルム等を使用
すればよいが、耐久性等を考慮して、たとえば、カーボ
ン繊維やガラス繊維を含む布などがとくに好ましい。
【0015】かかる可撓静翼は、たとえば図1における
符号10の静翼として構成することができる。すなわ
ち、ケーシング1の内面に2本ずつの対をなしながら複
数の支柱11が立設され、各対の支柱11間に上記のよ
うに膜12をかけわたす。各対の支柱11は、軸方向位
置と周方向位置とがともに異なるような対をなしながら
(つまり、各対の2本がケーシング1の内面において斜
めに並ぶように)半径方向に延びるものである。このよ
うな可撓静翼は、風圧を受けると反りの向きを正逆に変
更することができて上記i)〜iv)の作用を発揮するが、
支柱と膜とのみによって構成されるため、とくに構造が
簡単である。したがって、この送風機は、製造の容易さ
やメンテナンスの簡単さといった点で一層すぐれている
といえる。
【0016】請求項3に記載の軸流送風機はさらに、羽
根車の駆動用モータを、上記の支柱によって上記ケーシ
ングの内側に支持させたことをも特徴とする。
【0017】羽根車の駆動用モータは、ケーシングの外
に配置してチェーン等の伝動手段により羽根車に接続す
ることも可能であるが、通常はケーシングの内側に、何
らかの部材で支持されて配置される。この送風機は、そ
のようなモータの支持部材として、可撓静翼における上
記の支柱を利用するものである。上記の支柱にモータの
支持を兼ねさせれば、気体の流路中に存在する部材が少
なくなるため、送風効率の改善や騒音の低減に関して好
ましい。
【0018】請求項4の軸流送風機は、上記に加え、風
圧を受けた各可撓静翼に接触することによりその可撓静
翼の正逆の反り線を定めるように、ワイヤ状フレームを
設けたことをも特徴とする。
【0019】このようなフレームを設けておけば、長期
の使用等によって前記可撓静翼(とくにその膜)が伸び
たり変形したりしたとしても、使用時のその静翼の翼形
には変化が生じない。風圧を受けて撓むその静翼が、当
該フレームに接触することにより反り線を一定にするの
で、使用時、つまり風圧を受けている間の翼形が静翼の
伸びや変形によっては影響を受けないのである。なお、
静翼以外の物が気体の流路中に存在しては流れを乱して
好ましくないが、この送風機におけるフレームはワイヤ
状のものであるため、流れに対する影響を最小限に抑え
ることが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】図1(a)・(b)に発明の実施
についての一形態を紹介する。断面で示した送風機A
は、道路トンネルの天井部に設けられる換気用の可逆式
軸流送風機であり、図の(a)・(b)は、それぞれ白
抜き矢印の向き(図の右向きおよび左向き)に風を送っ
ている状態を示す。
【0021】図示の軸流送風機Aは、ケーシング1の内
側に2段の羽根車2・3やその駆動用モータ6などを配
置することにより構成したものである。以下、送風機A
の構造について説明する。
【0022】まず、ケーシング1は円筒形状のものと
し、トンネル(図示せず)の天井部に固定されるよう、
外側に取付け部材(図示せず)を設けている。防音のた
めにケーシングは二重構造とし、当該二重の板の間に吸
音材を含めるとともに内側の板には有孔鋼板を使用して
いる。
【0023】羽根車2は、回転する円盤の外側に動翼2
aを一体化したものである。図のように動翼2aは平板
翼とし、周面上に複数枚を配置している。同じように羽
根車3も、平板翼である複数枚の動翼3aを円盤の外周
に取り付けたものである。これら2段の羽根車2・3を
回転駆動するためのモータ6は、図のようにケーシング
1内の中央付近に配置している。羽根車2・3を可逆式
に駆動する必要上、モータ6として正逆両方向への回転
が可能なものを使用している。またこのモータ6は、自
身の枠体から前後(図の左右)両方向に回転軸を出した
両軸形式のものとし、各軸に羽根車2・3のそれぞれを
接続したことにより、両羽根車2・3を同時に回転駆動
する。円筒形状であるそのモータ6の枠体は、ケーシン
グ1の内面に半径方向に(つまり中心軸へ向けて)立設
した複数の支柱11(後述)にて支持させ、モータ6へ
の給電ケーブルはそれら支柱11のいずれかの内部に通
している。
【0024】ケーシング1の端部開口と羽根車2との間
には円錐状の内筒8を設け、同様にケーシング1の他方
の端部開口と羽根車3との間にも円錐状の内筒9を設け
ている。羽根車2・3やモータ6がケーシング1の中ほ
どにあり、それらの円盤や枠体がケーシング1内の開口
断面を狭めていることとの関係で、断面積の急変を防い
で空気の流れを円滑化する、というのがそれら内筒8・
9の目的である。内筒8・9は、横断面積の広い側の端
部を羽根車2・3の円盤の端面に近づけ、それぞれ支柱
8a・9aによってケーシング1の軸心位置に支えてい
る。
【0025】羽根車2・3のうち前段(上流側)となる
ものから送られる空気の流れを整流して後段へ送るべ
く、羽根車2・3にはさまれたモータ6の枠体の外周上
には複数枚の静翼10を設けている。この静翼10は、
前段の羽根車2または3で形成された旋回流から風圧を
受けて撓むことにより反りを有する翼形になり、旋回流
の向きに応じてその撓み(すなわち反り)の向きが変わ
るように構成した、いわば可撓静翼である。
【0026】静翼10は、ケーシング1内でモータ6を
支えるための前記の支柱11に、伸縮性はないものの可
撓性に富んだカーボンクロス(カーボン繊維を含む布)
製の膜12を張って構成したものである。支柱11は、
静翼10の1枚について2本(一対)を使用し、その各
対は図1のように、ケーシング1の軸方向に間隔をとる
とともに、軸方向へのその間隔の4分の1〜2分の1程
度の間隔を周方向にとって、互いに斜め(スパイラル)
の位置関係となるように配置している。膜12は、各対
の支柱11間の距離よりもやや長いものとし、両端部に
筒状の部分12aを形成してそれを支柱11の外側に通
すことにより各対の支柱11間にかけわたしている。膜
12は撓みやすい布であって上記のように支柱11間の
距離よりも長いため、風を受けてヨットの帆のように膨
らみ、しかも風向きによってその膨らみ(つまり反り)
の向きを変え得るので、反り向きの異なる二つの翼形を
とることができる。
【0027】このような静翼10は、上記のように撓み
得ることと、各両端の支柱11が上記のように互いに斜
めの位置関係にあることから、前段の羽根車2または3
から送られる空気流れを整流するのに極めて都合がよ
い。つまり、羽根車2が前段となって図の右向きに空気
を送る際には、静翼10は、羽根車2からの旋回流を受
けて図1(a)のように撓み、その旋回流を軸方向に向
かう真っ直ぐな流れに変えやすい翼形になる。また逆に
羽根車3が前段となって図の左向きに空気を送る場合に
は、静翼10は、逆向きの旋回流を受けて図1(b)の
ように撓み、当該旋回流を軸方向への真っ直ぐな流れに
変えやすい翼形となるのである。このように反りの向き
を変更して翼形を変える静翼10は、送風向きにかかわ
らず常にすぐれた整流効果を発揮し、旋回流のエネルギ
ー(旋回エネルギー)を円滑に回収して下流への流れの
エネルギーに変える。そのため送風機Aは、いずれの向
きにも、性能差が生じないように高い送風性能を発揮す
ることができる。
【0028】したがって、送風機Aは、道路トンネル内
に設けられたとき、通行する自動車台数の多い向きや自
然の風向きに合わせて送風向きを切り換えて使用され、
常に効率的にトンネル内の換気を行うことができる。送
風効率が高いため、消費電力が少なく騒音が低いといっ
た利点がある。
【0029】なお、図1の送風機Aでは、羽根車2・3
の動翼2a・3aとして平板翼を使用している。2段の
羽根車2・3が平板翼を有する場合、間に静翼10があ
っても、後段(下流側)となる羽根車2または3の下流
には旋回流が発生するので旋回エネルギーの50%程度
までしか回収することはできない。しかし、前段で生じ
る旋回流のエネルギーを回収できるため、全旋回エネル
ギーを無駄にしていた従来の送風機、または旋回エネル
ギーの回収はできるがそれにともなうロスの発生も無視
できない平板静翼設置形の送風機に比べると、効率面で
のメリットは大きい。
【0030】図2には、発明についての第二の実施形態
を示す。この送風機Bもトンネルの換気に使用される可
逆式軸流送風機であり、図の(a)・(b)は、それぞ
れ白抜き矢印の向きに風を送っている状態を示す。図1
におけるのと同一の符号を付した部分は、前記の送風機
Aと構成上の差異のない部分である。
【0031】この送風機Bが図1の送風機Aと異なるの
は、羽根車2・3のそれぞれにいわゆる翼形翼の動翼2
b・3bを設け、その反りの向きを羽根車2・3におい
て点対称にした点にある。このように翼形翼を配置した
方式では、静翼10の有無にかかわらず、後段の動翼2
aまたは3aは遊転し、昇圧に寄与しない。つまり、前
段となる羽根車2または3においてのみ旋回流が発生す
るので、図のように羽根車2・3間に静翼10を配置し
たことにより、この送風機Bでは旋回エネルギーのほぼ
100%を回収できるといえる。
【0032】図3には、発明の第三の実施形態としての
可逆式軸流送風機Cを示す(ケーシング1の内部のみを
示している)。この送風機Cでも、羽根車2・3の間に
可撓の静翼10を配置するなど、前記送風機A・Bと同
様の構成を採用している(図1の送風機A等と同一の構
成部分には同一の符号を付している)。
【0033】ただし、図1の例では支柱8a・9aを用
いて羽根車2・3の前後に内筒8・9を配置していたの
に対し、この例では、羽根車2・3の先にそれぞれスピ
ナ2c・3cを一体化している。スピナ2c・3cは、
ケーシング1の端部寄りの側にドーム状の先端部を形成
したもので、それぞれ羽根車2・3とともに回転する。
先端部がドーム状であるため、空気通路の横断面積が不
連続に変化するのを防止するという、前記の内筒8・9
と同様の作用を有するほか、このスピナ2c・3cは、
羽根車2・3と一体であって支柱等を付随しないため、
前記内筒8・9の場合よりもさらに空気の流れを円滑化
するといえる。気流が円滑で乱れが少ないと、送風効率
や騒音等に関して有利であることは言うまでもない。な
お、図3の送風機Cにおける羽根車2・3の動翼は平板
翼2a・3aであるが、図2の例にならって翼形翼を動
翼とするのもよい。
【0034】続いて図4には、発明の第四の実施形態と
して、3段の羽根車2・3・4を配置するとともに、隣
接する羽根車間に静翼10・20をそれぞれ配置した可
逆式軸流送風機Dを示す(やはりケーシング1の内部の
みを示す)。羽根車4のみを新たにモータ7で駆動する
ようにしたことを除いて、各羽根車2・3・4や各静翼
10・20に関連する構成は前記のものに準じている。
しかしこの送風機Dでは、羽根車2・3・4と静翼10
・20とについて図1〜図3の送風機A・B・Cにおけ
るよりも段数を多くしているため、最大風量や圧力にお
いて前記の送風機A・B・Cより高性能であるうえ、旋
回流のエネルギーを回収できる割合が高い。なお、羽根
車2・3・4に設ける動翼は平板翼でも翼形翼でもよい
ほか、両端の羽根車2・4の前後には図1のような内筒
を配置しても図3のようなスピナを設けてもよい。ま
た、羽根車や静翼の段数は、この例にならってさらに増
やすことが可能である。
【0035】一対(2本)の支柱間に膜をかけることに
より可撓の静翼を構成する場合、材質によってはその膜
が長期間の使用によって伸び、風を受けて過剰に撓むよ
うになることも考えられる。その場合、望ましい翼形
(反り線)にならないため、静翼が却って流れを妨げ送
風機の効率を低下させることにもなり得る。そのような
不都合を避けるためには、図5のような静翼30を、や
はり隣接する羽根車(図示せず)の間に設けるとよい。
図5の各静翼30は、支柱31間にかけわたした膜32
に対して、その正逆両向きの本来の反り線を定めるよう
にワイヤ(硬鋼線)製のフレーム33を設けたものであ
る。当該フレーム33は、図のようにケーシング1の内
面とモータ6の枠体との間に間隔をおいて複数本(図で
は各2本)設けることとし、支柱31の側面上に溶接す
ることにより固定している。
【0036】このようなフレーム33を設けると、長期
の使用等によって静翼30の膜32が伸びたり変形した
りしても、使用時のその静翼30の反り線にはほとんど
変化がない。使用中、風圧を受けて撓む静翼30の膜3
2が当該フレーム33に接触することにより、膜32の
伸び等に関係なくその反り線が定まるからである。フレ
ームがワイヤ状のものであるため、流れに対する影響は
ごく少ない。なお、支柱31の側面にフレーム33を溶
接していることと関連して、膜32は、筒状部分を支柱
31にかぶせる方式でなく、図のように溝状の閉じ合わ
せ部分を有する中空円筒体である支柱31の内部に膜3
2の端部をはさみ込ませる方式で取り付けている。
【0037】またそのほか、可撓の静翼において膜の伸
びによる翼形の乱れを防止するためには、膜の内部に
(または、剥がれないよう膜の表面に)ピアノ線などを
一体化するのもよい。ピアノ線のように伸縮性のない可
撓の線材を、膜と一体にし、かつ膜の伸びる方向にかけ
わたしておけば、膜自体の伸びによる翼形の変化はほと
んど生じないからである。
【0038】
【発明の効果】請求項1に記載した軸流送風機は、送風
方向に応じた適切な向きに反る可撓静翼を羽根車間に有
することから、送風の向きによらずつねに高い性能を発
揮することができる。しかも、その静翼の反りの向きを
変更するのに何らの駆動機構も制御手段も必要としない
ので、送風機の構造をほとんど複雑化することがなく、
メンテナンスの必要性を増すこともない。
【0039】請求項2に記載の軸流送風機は、可撓静翼
が支柱と膜とのみによって構成されるため、とくに構造
が簡単である。したがって、製造の容易さやコスト、メ
ンテナンスの簡単さといった点で一層にすぐれる。
【0040】請求項3に記載の軸流送風機はさらに、上
記の支柱に羽根車駆動のためのモータの支持を兼ねさせ
るので、気体の流路中に存在する部材が少なく、したが
って送風効率の改善や騒音の低減に関して好ましい。
【0041】請求項4の軸流送風機はさらに、ワイヤ状
フレームによって可撓静翼の正逆の反り線を定めるの
で、長期の使用等によってその静翼(膜)が伸びたり変
形したりしたとしても送風性能が低下しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施について第一の形態を示すもので、
図1(a)・(b)は、可逆式の軸流送風機Aがそれぞ
れ白抜き矢印の向きに風を送っている状態を示す断面図
である。
【図2】発明の第二の実施形態を示すもので、図2
(a)・(b)は、可逆式の軸流送風機Bがそれぞれ白
抜き矢印の向きに風を送っている状態を示す断面図であ
る。
【図3】発明の第三の実施形態として可逆式の軸流送風
機Cを示す断面図である。
【図4】発明の第四の実施形態として可逆式の軸流送風
機Dを示す断面図である。
【図5】発明の他の実施形態として可逆式軸流送風機E
の一部を示す断面図であり、可撓の静翼30等を示すも
のである。
【図6】従来の可逆式の軸流送風機Mを示す斜視図(一
部は断面にて示す)である。
【符号の説明】
A〜E 軸流送風機 1 ケーシング 2・3・4 羽根車 6・7 (羽根車駆動用の)モータ 10・20・30 (可撓の)静翼 11・31 支柱 12・32 膜 33 (ワイヤ状の)フレーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04D 29/52 F04D 29/52 E Fターム(参考) 3H022 AA02 BA01 CA51 DA07 DA11 DA13 DA16 DA20 3H032 CA02 CA04 CA08 CA09 NA06 3H033 AA02 BB02 BB08 BB20 CC01 CC03 DD01 DD25 DD26 DD28 EE05 EE16 EE17 3H034 AA02 BB02 BB08 CC03 DD07 DD22 DD24 DD27 EE05 EE06 EE11 EE12 EE17 EE18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正逆両方向に回転可能な複数段の羽根車
    を円筒状ケーシングの内側に備える軸流送風機であっ
    て、 隣接する2段の羽根車の間に、風圧を受けることにより
    反りの向きを正逆に変更する可撓静翼が配置されている
    ことを特徴とする軸流送風機。
  2. 【請求項2】 上記ケーシングの内面に、軸方向位置と
    周方向位置とがともに異なる対をなしながら半径方向に
    延びた複数本の支柱が立設されるとともに、撓みやすく
    伸縮しにくい膜であって各対の支柱間距離よりもやや長
    いものが各対の支柱間にかけわたされることにより、上
    記の可撓静翼が構成されていることを特徴とする請求項
    1に記載の軸流送風機。
  3. 【請求項3】 羽根車の駆動用モータが、上記の支柱に
    よって上記ケーシングの内側に支持されていることを特
    徴とする請求項2に記載の軸流送風機。
  4. 【請求項4】 風圧を受けた各可撓静翼に接触すること
    によりその可撓静翼の正逆の反り線を定めるように、ワ
    イヤ状フレームが設けられていることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の軸流送風機。
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