JP2000144706A - 軟弱地盤の改良工法 - Google Patents

軟弱地盤の改良工法

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JP2000144706A
JP2000144706A JP10315225A JP31522598A JP2000144706A JP 2000144706 A JP2000144706 A JP 2000144706A JP 10315225 A JP10315225 A JP 10315225A JP 31522598 A JP31522598 A JP 31522598A JP 2000144706 A JP2000144706 A JP 2000144706A
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improved
improved ground
vacuum pressure
water
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JP10315225A
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English (en)
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Hiroyasu Shima
博保 島
Kazuyoshi Nakakuma
和義 中熊
Akihiro Koga
哲泱 古賀
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KAJITANI ENGINEERING KK
Maruyama Kogyo Co Ltd
Hazama Ando Corp
Original Assignee
KAJITANI ENGINEERING KK
Hazama Gumi Ltd
Maruyama Kogyo Co Ltd
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば20mを越えるような深部であって
も、確実に圧密し、強度増加を促進して、硬質地盤へと
効率よく改良することができる軟弱地盤の改良工法を提
供すること。 【解決手段】 改良地盤A中に所定の間隔をおいて設置
した鉛直ト゛レーン材11とこれに繋がる通水材14を通
じて、前記改良地盤A中に前記通水材14と接続する真
空ポンプ12からの真空圧を負荷することで、前記改良
地盤A中に改良地盤A周辺部と隔離された減圧領域を造
り出すことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば湖沼周囲の
埋立造成区域などの軟弱地盤に多量に含まれる水を排出
することで、軟弱地盤を硬質地盤へと改良する軟弱地盤
の改良工法に関する。詳細には軟弱地盤、特には20m
を越えるような深部であっても、硬質地盤へと効率よく
改良することができる軟弱地盤の改良工法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
軟弱地盤の改良工法としては、サンドドレーン工法やペ
ーパードレーン工法が代表的なものとして挙げられるバ
ーチカルドレーン工法がある。サンドドレーン工法は、
軟弱地盤中に適当な間隔で鉛直方向に数多くのサンドパ
イル(人工的に設けた砂柱)を設置し、このサンドパイ
ルを通して地盤中の水を抜き取って地盤の圧密と強度増
加を促進し、硬質地盤へと改良する方法である。
【0003】一方、ペーパードレン工法は、軟弱な地盤
の圧密を促進するためのものであり、厚さ3mm、幅1
00mm程度の帯状原紙の中に縦方向に連続した通水孔
を設けたカードボードをマンドレルによって適当な間隔
に打ち込み設置し、このカードボードを通して地盤中の
水を抜き取るようにしたものである。
【0004】ところが、これらサンドドレーン工法やペ
ーパードレーン工法などのバーチカルドレーン工法にあ
っては、処理を開始した当初はよいが、水の抜き取りが
進行するにつれて、地盤中に水の通路となるべき間隙が
潰れ、排水機能が低下するという不具合が生じていた。
【0005】そこで、排水効率をさらに高める目的で提
案されたのが図5に示す改良工法である。この工法は、
プラスチックドレーンを打設した後、カードボード1の
上端部1aにこれと接触するように水平状に真空ポンプ
3に連結した有孔管2を配置し、これらカードボード1
及び有孔管2を砂層4で覆い、さらにその砂層4上面を
気密シート5で覆うようにしたものであり、有孔管2を
通してこれに連結した真空ポンプ3からの真空圧を負荷
することで、地盤A上面を減圧状態とし、これにより地
盤A中における間隙水圧との差を大きくし、地盤A中の
水をカードボード1及び有孔管2を介して排水するよう
にしたものである。
【0006】しかしながらこの工法の場合、地盤上面を
減圧状態とし、これにより生じる地盤A中における間隙
水圧との差を利用して、地盤中の水をカードボード1及
び有孔管2を介して排水するようにしていたので、当該
工法による地盤改良は、地盤A上面より5〜10m程度
の深さまでが限度であった。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、例えば20mを越えるような深部であって
も、確実に圧密し、強度増加を促進して、硬質地盤へと
効率よく改良することができる軟弱地盤の改良工法を提
供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、改良地盤中に所定の間隔を
おいて設置した鉛直ト゛レーン材とこれに繋がる通水材を
通じて、前記改良地盤中に前記通水材と接続する真空ポ
ンプからの真空圧を負荷することで、前記改良地盤中に
改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出すことを
特徴とする軟弱地盤の改良工法(以下単に改良工法とい
う)をその要旨とした。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の改
良工法において、鉛直ト゛レーン材内部を0.4気圧以下
に減圧することを特徴とする改良工法をその要旨とし
た。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の改良工法において、真空圧の負荷に先立って前記
改良地盤上面を合成樹脂フィルムを積層した気密シート
で覆うことを特徴とする改良工法をその要旨とした。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載の改良工法において、真空圧の負荷に先立
って前記改良地盤周辺部に止水壁を設けることを特徴と
する改良工法をその要旨とした。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれかに記載の改良工法において、改良地盤中に改良地
盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す過程で、真空
圧を間欠的に負荷することを特徴とするの改良工法をそ
の要旨とした。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれかに記載の改良工法において、改良地盤中に改良地
盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出した後も、前記
真空圧を負荷することを特徴とする改良工法をその要旨
とした。
【0014】請求項7記載の発明は、請求項1〜6のい
ずれかに記載の改良工法において、改良地盤中に改良地
盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出すのに先立っ
て、または前記減圧領域を造り出した後に改良地盤上面
に盛土を載加することを特徴とする改良工法をその要旨
とした。
【0015】
【発明の実施の形態】(作用)本発明の改良工法にあっ
ては、図1〜図3に示すように、改良地盤A中に設置し
た鉛直ト゛レーン材11とこれに繋がる通水材14を通じ
て真空ポンプ12からの真空圧を、鉛直ト゛レーン材11
内部が0.4気圧以下となるように負荷したとき、当該
真空圧は、鉛直ト゛レーン材11からその周囲の地盤A
1、A2・・Anへと伝播し、鉛直ト゛レーン材11を中
心にその周囲の地盤A1、A2・・Anは減圧状態の領
域(以下減圧領域という)となる。
【0016】この過程を詳しく説明すると、以下の様に
なる。すなわち真空ポンプ12を作動させて真空圧を負
荷したとき、まず、鉛直ト゛レーン材11とその周りの地
盤A1との間に圧力差(鉛直ト゛レーン材内部の圧力
(−)、鉛直ト゛レーン材周りの地盤A1の圧力(0))
が生じ、鉛直ト゛レーン材11周りの地盤A1には、減圧
状態の鉛直ト゛レーン材11に向かう地盤加圧(水圧、土
圧)が発生する。
【0017】この地盤加圧に従って、鉛直ト゛レーン材1
1周りの地盤A1に含まれる間隙水が鉛直ト゛レーン材1
1に向かって吸い出され、鉛直ト゛レーン材11とこれに
繋がる通水材14を排水経路として排水され、これに伴
って鉛直ト゛レーン材11周りの地盤A1は減圧領域とな
る。
【0018】真空圧は、減圧領域となった鉛直ト゛レーン
材11周りの地盤A1から、さらにその周囲の地盤A2
へと伝播していく。図2に示すように、鉛直ト゛レーン材
11周りの地盤A1が減圧領域となったとき、その周囲
の地盤A2との間には、鉛直ト゛レーン材11周りの地盤
A1へと向かう地盤加圧(水圧、土圧)が発生する。
【0019】この地盤加圧に従って、鉛直ト゛レーン材1
1周囲の地盤A2に含まれる間隙水が鉛直ト゛レーン材1
1に向かって吸い出され、鉛直ト゛レーン材11周りの地
盤A1、鉛直ト゛レーン材11及び通水材14を排水経路
として排水され、これに伴って鉛直ト゛レーン材11の周
囲の地盤A2も減圧領域となる。
【0020】こうして、図2に示すように、鉛直ト゛レー
ン材11を中心にしてその周囲の地盤A1、A2・・・
Anと次第に減圧領域が広がり、やがて改良地盤A全域
が減圧領域となる。同時に鉛直ト゛レーン材11を中心に
して圧密、強度増加が進行し、改良地盤A全域の圧密、
強度増加が行われることになる。
【0021】一方、鉛直ト゛レーン材11とこれに繋がる
通水材14を配置していない改良地盤A周辺の地盤(以
下非改良地盤という)Bには、真空ポンプ12からの真
空圧が負荷されず、排水経路もないことから、この非改
良地盤Bが減圧領域となることはなく、非改良地盤Bの
圧密、強度増加が進行することもない。
【0022】そして、真空圧の負荷をさらに続けること
で、図3に示すように、改良地盤Aの減圧状態はさらに
(−)方向へ進み、かつこれに伴い改良地盤Aの圧密、
強度増加も進行し、遂には非改良地盤Bのうち、改良地
盤Aからの真空圧(減圧)の影響を受ける改良地盤A周
辺の境界部分B1が変形し、ここに真空圧(減圧)の影
響を受けない非改良地盤Bとの間にクラックC(Vゾー
ン)が発生し、この結果、改良地盤A中に改良地盤A周
辺部と隔離された減圧領域が造り出されることになる。
【0023】また、改良地盤A中に改良地盤A周辺部と
隔離された減圧領域が造り出されるのと同時に、改良地
盤Aの下側、すなわち深部D側にも真空圧(減圧)が伝
播し、また地盤面上に盛土すれば荷重の分散も少なく深
部D側に効率よく盛土荷重が伝わり、改良地盤Aの深部
Dにおける圧密、強度増加が進行し、改良がなされてい
くことになる。
【0024】また、改良地盤A中に改良地盤A周辺部と
隔離された減圧領域を造り出した後も、前記真空圧を負
荷したならば、改良地盤Aの圧密、強度増加はさらにが
進行することになる。また改良地盤Aの深部Dにおける
圧密、強度増加も進行し、改良が進むと共に、さらに深
部へと改良が進むことになる。
【0025】また、軟弱地盤は、一般に有機質を含むも
のが多く、軟弱地盤の改良対象となる浅い地盤の領域
(改良地盤A)には、地下水に溶存ガスが含まれてい
る。このため、このような改良地盤A中に、減圧領域を
造り出した後も、前記真空圧の負荷を継続したならば、
当該改良地盤Aは、減圧によって溶存ガスが分離し、不
飽和な土となる。尚、不飽和な土は、盛土などの上載荷
重による過剰間隙水圧の発生が少なく、飽和な土よりも
強い材質である。そのため、この現象は、改良中あるい
は改良後に盛土する場合、盛土崩壊の危険を大幅に少な
くする効果として寄与する。
【0026】尚、改良地盤周辺部と隔離された減圧領域
を造り出す過程で、真空圧を間欠的に負荷することもで
きる。例えば真空ポンプを間欠的に作動させるなどし
て、真空圧を間欠的に負荷するようにしたとき、真空圧
の負荷による鉛直ト゛レーン材とその周囲の地盤との間に
圧力差の発生、消滅が交互に繰り返されることになる。
真空圧が負荷された状態から負荷されない状態へと変わ
るときには、その圧力差によって地盤中に空気や水が一
気に入り込むことになる。このため、地盤には空気や水
が一気に入り込むことによる大きな衝撃力が作用して振
動するので、ドレーン材周りの地盤を構成する粒子間隙
が広がり、空気や水が通り易くなる。この結果、再び真
空圧を負荷させて、地盤に真空圧が負荷されない状態か
ら負荷された状態へと変わることで、その圧力差によっ
て地盤中の水が吸い出されるようになる。
【0027】また、図3に示すように、真空圧の負荷に
先立って前記改良地盤A周辺部に止水壁15を設けるこ
ともできる。この場合、真空圧の負荷による圧密、強度
増加は、改良地盤A周辺部側方ではなく縦方向、すなわ
ち改良地盤A及び改良地盤Aの深部Dに集中的に進行す
ることになり、より効果的な地盤改良がなされるように
なる。尚、止水壁15は、改良地盤Aの周辺部よりも難
透水性のものであればよく、従来より多用されている剛
な鋼矢板などの他に、水流のジェット噴射などによって
造成される周辺部よりも難透水性の止水壁(例えば改良
地盤と同程度の柔らかな止水壁)も必要に応じて用いる
ことができる。
【0028】尚、減圧領域を造り出すのに先立って、改
良地盤上面に盛土を載加させたならば、真空圧の伝播は
よりスピーディになり、鉛直ト゛レーン材を中心にした減
圧領域の広がり、改良地盤の圧密、強度増加、そして改
良地盤周辺部と隔離された減圧領域の造出はより速く、
しかも確実に行われるようになる。また盛土の載荷重に
よる圧密も同時に働き、地盤改良が大幅に促進され、改
良効果が短時間に現れる。
【0029】減圧領域を造り出した後に改良地盤上面に
盛土を載加させたならば、減圧状態にある改良地盤自体
が剛性の高い領域(減圧領域の疑似剛体化)となってお
り、また、前述のVゾーンによる効果とも相俟って、そ
の盛土荷重はダイレクトに改良地盤の深部にかかり、深
部の圧密、強度増加が進行し、より深い地盤の改良がな
されるようになる。
【0030】以下、本発明の改良工法を図面に示した一
実施の形態に従って詳細に説明する。この改良工法は、
図3に示すように、改良地盤A中に所定の間隔をおいて
設置した鉛直ト゛レーン材11とこれに繋がる通水材14
を通じて、前記改良地盤A中に前記通水材14と接続す
る真空ポンプ12からの真空圧を負荷することで、前記
改良地盤A中に改良地盤A周辺部と隔離された減圧領域
を造り出すことを特徴とするものである。
【0031】図3に示す形態について説明すると、ま
ず、鉛直ドレーン材11を改良地盤A中に所定間隔に打
設する。鉛直ドレーン材11を打設する間隔は、負荷さ
れた真空圧による減圧伝播の可能な範囲が望ましく、具
体的には1m程度である。打設する鉛直ドレーン材11
としては、地盤加圧の環境でも真空圧(減圧)の伝播、
排水経路としての機能を確保でき、目詰まりせず、沈下
による圧縮や減圧で潰れることがないものであれば、そ
の構造、素材、大きさなどは任意である。この形態で
は、図4に示す鉛直ト゛レーン材11を用いた。この鉛直
ト゛レーン材11は、長手方向に一定間隔に立てて並べた
長尺な平板状の合成樹脂線材20aに同じく長尺な平板
状の合成樹脂線材20bを直交方向に所定間隔に立てて
並べて、これらの合成樹脂線材20a、20bを交点で
接合した合成樹脂ネット20と、これを内包する不織布
21とからなる。この鉛直ト゛レーン材11にあっては、
折れたり曲がったりしても、合成樹脂ネット20と不織
布21とによって形成されている通水経路が確保されて
おり、しかも合成樹脂ネット20全体が不織布21で覆
われていて、目詰まりを生じ難いというメリットがあ
る。
【0032】この鉛直ト゛レーン材11をマンドレル(図
示しない)に内挿した状態で地盤A中に貫入し、鉛直ド
レーン材11を改良地盤A内に残したままマンドレル
(図示しない)を引き上げることで打設することができ
る。
【0033】こうして鉛直ドレーン材11を改良地盤A
中に所定の間隔をおいて打設することで、改良地盤A中
には所定の間隔をおいて鉛直状の排水柱が造成されるこ
とになり、各排水柱間の改良地盤A中に含まれる水及び
空気が、図3中矢印で示すように鉛直ドレーン材11を
排水経路として改良地盤A上面へと吸い上げられるよう
になっている。
【0034】この鉛直ト゛レーン材11には通水材14が
繋がれている。図3に示すように、鉛直ドレーン材の上
端部11aは改良地盤Aの上面に突出している。この突
出部分11aに通水材14を接触するように平行状に配
置する。通水材14としては、水及び空気が該通水材1
4の長手方向(水平方向)へと移動できる通路としての
機能を持つものならば、線状や帯状、面状のものなど何
でもよいが、改良地盤A側からの水及び空気が該通水材
14内部へ侵入する口、例えば孔、スリットなどが、地
盤中の砂や土砂などによって閉塞してしまい、水及び空
気の通水材14内部への侵入が困難となったり、同じく
改良地盤A中の砂や土砂などによって通路が閉塞して水
及び空気が該通水材14内を移動できなかったりするこ
とが少ない構造のものが好ましい。
【0035】具体的には図4に示した鉛直ト゛レーン材1
1と同様な構造(合成樹脂ネットとその表面を覆う不織
布とからなるもの)を持つものが好ましい例として挙げ
られる。この場合、水及び空気は、合成樹脂ネットを覆
う不織布側から侵入し、合成樹脂ネットと不織布との隙
間、及び不織布の構成繊維相互間を通して移動するよう
になる。
【0036】この通水材14の一端側には真空ポンプ1
2が接続されている。図3に示した態様では真空ポンプ
12は通水材14の一端側に直接接続されず、排水タン
ク(図示しない)を介している。つまり真空ポンプ12
からの真空圧が排水タンク(図示しない)を介して通水
材14へと伝達されるようになっている。そしてこの作
用により鉛直ト゛レーン材11からの水及び空気が通水材
14へと入り込み、同通水材14内を水平方向に移動し
て排水タンク(図示しない)へと排出されるようになっ
ているのである。
【0037】次いで図3に示すように、改良地盤A上を
前記ドレーン材11の上端部11a及び通水材14とと
もに気密シート13で覆う。気密シート13は、厚手の
合成樹脂シート単独のものでも良いが、図3に示す形態
では、当該気密シート13の気密性とともに破損防止、
ピンホールの発生防止という観点から、織物、不織布な
どの繊維基材表面に合成樹脂フィルムをラミネートした
ものを用いた。この気密シート13で改良地盤A上を覆
い、この状態で真空ポンプ12を作動させると、真空ポ
ンプ12からの真空圧が、排水タンク(図示しない)を
介して通水材14、鉛直ト゛レーン材11へと伝達される
過程で漏気し難く、当該真空圧が改良地盤A中に確実に
負荷されるようになる。
【0038】また陸上部においては、気密シート13で
改良地盤A上を覆ったとき、改良地盤Aの表層部は太陽
熱で暖められて、地温が高くなる。上述のように減圧下
で温度が温度が上がると、改良地盤A表層部における蒸
発が盛んになり、表層部の土が乾燥して、土の材質が向
上し、強い土(不飽和土)となる。
【0039】真空ポンプ12からの真空圧は、鉛直ト゛レ
ーン材11内部が0.4気圧以下となるように負荷する
のが望ましい。
【0040】尚、上述の改良工法に用いる鉛直ドレーン
材、通水材及び気密シートのいずれか又は全てを生分解
性成形材料により構成することができる。生分解性成形
材料とは土中又は水中に存在する微生物や水分などによ
り容易に分解してしまう材料をいう。この生分解性成形
材料によって構成された鉛直ドレーン材、通水材及び気
密シートを用いて、上述の方法に従い改良工法を施工し
た場合、鉛直ドレーン材、通水材及び気密シートを構成
する生分解性成形材料が、改良地盤内の土中又は水中に
存在する微生物や水分などにより容易に分解してしまう
ため、これらの部材を撤去する必要がなく、地盤改良に
要する費用と手間とを大幅に削減することができる。
【0041】生分解性成形材料としては、芋類、米麦
類、コーン類などの澱粉質、澱粉に酢酸ビニルなどのビ
ニルモノマーを共重合させた澱粉質誘導体、パルプ、セ
ルロースなどの植物繊維又は植物粉末、天然ゴム、アラ
ビアゴムなどの植物性高分子、ガゼイン、ゼラチン、グ
ルテンなどの動物性タンパク質といった天然高分子を主
体とするものが好ましい。というのは、これら天然高分
子を主体とするものにあっては、施工後に地盤内で分解
しても環境に悪影響を与えることがないからである。
【0042】尚、上記実施の形態に示した例は、単なる
説明例に過ぎず、例えば地盤中に負荷する真空圧を、改
良当初は高くし、その後は低い状態に維持したり、高い
状態と低い状態とを交互に繰り返したりするなど、特許
請求の範囲の欄に記載された範囲内で自由に変更するこ
とができる。
【0043】
【発明の効果】本発明の改良工法にあっては、改良地盤
中に所定の間隔をおいて設置した鉛直ト゛レーン材とこれ
に繋がる通水材を通じて、前記改良地盤中に前記通水材
と接続する真空ポンプからの真空圧を負荷することで、
前記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域
を造り出すようにしたので、改良地盤はもとより、従来
工法では困難とされていた改良地盤の深部、例えば20
mを越えるような深部であっても、確実に圧密し、強度
増加を促進して、硬質地盤へと効率よく改良することが
できる。
【0044】また本発明の改良工法において、真空圧の
負荷に先立って前記改良地盤上面を合成樹脂フィルムを
積層した気密シートで覆うようにしたならば、真空ポン
プからの真空圧が、鉛直ト゛レーン材を通じて改良地盤に
伝達される過程で漏気し難く、当該真空圧が改良地盤中
に確実に負荷されるようになるので、より効率的に改良
を行うことができる。
【0045】また陸上部においては、気密シートで改良
地盤上を覆ったとき、改良地盤の表層部は太陽熱で暖め
られて、地温が高くなる。上述のように減圧下で温度が
温度が上がると、改良地盤表層部における蒸発が盛んに
なり、表層部の土が乾燥して、土の材質が向上し、強い
土(不飽和土)となる。
【0046】また本発明の改良工法において、改良地盤
中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出した
後も、真空圧を負荷したならば、改良地盤の圧密、強度
増加はさらにが進行することになる。また改良地盤の深
部における圧密、強度増加も進行し、改良が進むと共
に、さらに深部へと改良が進むことになる。
【0047】また本発明の改良工法において、改良地盤
に減圧領域を造り出す過程で、真空圧を間欠的に負荷し
た場合、真空圧の負荷による鉛直ト゛レーン材とその周囲
の地盤との間に圧力差の発生が交互に繰り返されること
になり、より効果的な排水を行うことができる。
【0048】また本発明の改良工法において、真空圧の
負荷に先立って前記改良地盤周辺部に止水壁を設けた場
合、真空圧の負荷による圧密、強度増加は、改良地盤周
辺部側方ではなく改良地盤及び改良地盤の深部に集中的
に進行することになり、より効果的な地盤改良ができ
る。
【0049】また本発明の改良工法において、減圧領域
を造出に先立って、改良地盤上面に盛土を載加させたな
らば、真空圧の伝播はよりスピーディになり、鉛直ト゛レ
ーン材を中心にした減圧状態(減圧領域)の広がり、改
良地盤の圧密、強度増加、そして改良地盤周辺部と隔離
された減圧領域の造出はより速く、しかも確実に行われ
るようになる。また盛土の載荷重による圧密も同時に働
き、地盤改良が大幅に促進され、改良効果が短時間に現
れる。
【0050】また本発明の改良工法において、減圧領域
を造出後に改良地盤上面に盛土を載加させたならば、減
圧状態にある改良地盤自体が剛性の高い領域(減圧領域
の疑似剛体化)となっており、また、前述のVゾーンに
よる効果とも相俟って、その盛土荷重はダイレクトに改
良地盤の深部にかかり、深部の圧密、強度増加が進行
し、より深い地盤の改良がなされるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の改良工法の一過程を示した模式図。
【図2】 本発明の改良工法の別の過程を示した模式
図。
【図3】 本発明の改良工法の一形態を示した模式図。
【図4】 本発明の改良工法に用いる鉛直ト゛レーン材を
示した拡大斜視図。
【図5】 従来の改良工法を示した模式図。
【符号の説明】
11・・・鉛直ト゛レーン材 12・・・真空ポンプ 13・・・気密シート 14・・・通水材 15・・・止水壁 A・・・改良地盤 B・・・非改良地盤 C・・・クラック(Vゾーン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島 博保 東京都港区西麻布3−13−14 梶谷エンジ ニア株式会社内 (72)発明者 中熊 和義 埼玉県入間郡三芳町竹間沢422 丸山工業 株式会社内 (72)発明者 古賀 哲泱 東京都港区南青山2−5−8 株式会社間 組内 Fターム(参考) 2D043 DA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 改良する軟弱地盤(以下改良地盤とい
    う)中に所定の間隔をおいて設置した鉛直ト゛レーン材と
    これに繋がる通水材を通じて、前記改良地盤中に前記通
    水材と接続する真空ポンプからの真空圧を負荷すること
    で、前記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧
    領域を造り出すことを特徴とする軟弱地盤の改良工法。
  2. 【請求項2】 前記鉛直ト゛レーン材内部を0.4気圧以
    下に減圧することを特徴とする請求項1記載の軟弱地盤
    の改良工法。
  3. 【請求項3】 前記真空圧の負荷に先立って前記改良地
    盤上面を合成樹脂フィルムを積層した気密シートで覆う
    ことを特徴とする請求項1または2記載の軟弱地盤の改
    良工法。
  4. 【請求項4】 前記真空圧の負荷に先立って前記改良地
    盤周辺部に止水壁を設けることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の軟弱地盤の改良工法。
  5. 【請求項5】 前記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離
    された減圧領域を造り出す過程で、真空圧を間欠的に負
    荷することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の軟弱地盤の改良工法。
  6. 【請求項6】 前記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離
    された減圧領域を造り出した後も、前記真空圧を負荷す
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の軟
    弱地盤の改良工法。
  7. 【請求項7】 前記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離
    された減圧領域を造り出すのに先立って、または前記減
    圧領域を造り出した後に改良地盤上面に盛土を載加する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の軟弱
    地盤の改良工法。
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