JP2000144520A - 可逆的変色性を有する合成樹脂繊維、糸および衣料 - Google Patents

可逆的変色性を有する合成樹脂繊維、糸および衣料

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JP2000144520A
JP2000144520A JP10335038A JP33503898A JP2000144520A JP 2000144520 A JP2000144520 A JP 2000144520A JP 10335038 A JP10335038 A JP 10335038A JP 33503898 A JP33503898 A JP 33503898A JP 2000144520 A JP2000144520 A JP 2000144520A
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synthetic resin
fiber
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average particle
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Yasuhisa Ikeda
泰久 池田
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CI Kasei Co Ltd
Original Assignee
CI Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源の種類に応じて色が可逆的に変化し、そ
の色調変化が大きな合成樹脂繊維、糸および衣料を提供
する。 【解決の手段】 平均粒子径が5〜100nmの範囲内
にある一般式M2 O3 (ただし、MはHo、Ndまたは
Prを示す)で表される稀土類酸化物超微粒子を配合し
た合成樹脂を紡糸した可逆的変色性を有する合成樹脂繊
維、糸および衣料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可逆的変色性を有
する合成樹脂繊維、糸および衣料に関し、外部光源の種
類に応じてその色が可逆的に変化し、その色調変化が大
きいことを特徴とした合成樹脂繊維、糸および衣料を提
供するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、光照射による化合物の色が可逆
的に変化を起こす物質として有機化合物であるフォトク
ロミック分子が知られている。フォトクロミック分子は
光照射によるエネルギーを吸収することでその化学構造
が変化し、その結果、化合物の色が変化する。また、無
機化合物では、Ho、Nd、Prの酸化物が知られてい
る。これらの酸化物は、特殊な反射分光分布を有してお
り、太陽光や蛍光灯などの光源の種類に応じてその酸化
物の色が変化する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなフォトクロミック分子を色素材料として用いる場
合、色変化の可逆性が不完全である場合が多く、色変化
に要する時間も長い。また、光の吸収による色の変化を
繰り返し行うと色変化の可逆性が消失するなど光劣化を
伴うほか、熱や長時間の紫外線照射によっても光変化の
可逆性が消失することが多く、長期の保存にも適さな
い。一方、無機化合物のHo、Nd、Prの酸化物は、
耐候性、耐熱性などの品質は良いが、その色調変化は小
さく限られた範囲内でしか表現できなかった。
【0004】そこで、本発明者は、上記の問題点を鑑み
なされたもので、光源の種類に応じてその色が可逆的に
変化し、その色調変化が大きく、従来の材料では得られ
なかった色を表現できる合成樹脂繊維、糸およびその衣
類を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、平均粒子径が
5〜100nmの範囲内にある一般式M2 O3 (ただ
し、MはHo、NdまたはPrを示す)で表される稀土
類酸化物超微粒子を配合した合成樹脂を紡糸したことを
特徴とする可逆的変色性を有する合成樹脂繊維を提供す
るものである。
【0006】また、平均粒子径が5〜100nmの範囲
内にある一般式M2 O3 (ただし、MはHo、Ndまた
はPrを示す)で表される稀土類酸化物超微粒子を配合
した合成樹脂を紡糸した可逆的変色性を有する合成樹脂
繊維を含有することを特徴とする糸を提供するものであ
る。
【0007】さらに、平均粒子径が5〜100nmの範
囲内にある一般式M2 O3 (ただし、MはHo、Ndま
たはPrを示す)で表される稀土類酸化物超微粒子を配
合した合成樹脂を紡糸した可逆的変色性を有する合成樹
脂繊維を含有する糸を少なくとも一部に使用された織
物、編み物であることを特徴とする衣料を提供するもの
である。
【0008】本発明の稀土類酸化物超微粒子は、従来の
稀土類酸化物微粒子に対して異なる反射分光分布を有す
る。一例として、従来の平均粒子径が約2μmのHo2
O3微粒子の反射分光分布と平均粒子径が30nmであ
るHo2 O3 超微粒子の反射分光分布を比較すると、粒
子径に依らず460nm、540nm、650nm付近
の波長域に主要な吸収ピークを有するが、特に540n
m、650nm付近の波長域の反射率は、微粒子が50
%以上であるのに対し、超微粒子は20〜30%の反射
率であり大きな吸収を示し、その波長域での反射率が大
きく異なる。
【0009】その結果、490nm、550nm、62
0nm付近に大きな輝線を有する三波長域発光形蛍光灯
にHo2 O3 粒子を照らすと、Ho2 O3 超微粒子の方
が540nmおよび650nm付近の波長が大きく吸収
され、三波長域発光形蛍光灯に含まれる620nm付近
の輝線が反射されるため、Ho2 O3 超微粒子の色調は
赤が強くなり、その結果、濃いピンク色を表現すること
ができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下の実施
例を用いて説明する。本発明において、合成樹脂繊維に
配合される一般式M2 O3 (ただし、MはHo、Ndま
たはPrを示す)で表される稀土類酸化物超微粒子の配
合量は、1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%と
することができる。
【0011】また、上記の稀土類酸化物超微粒子が配合
された可逆体変色性を有する合成樹脂繊維は、染料で着
色してもよく、また通常の可逆体変色性のない繊維との
混紡された糸としてもよい。
【0012】さらに、上記の合成樹脂繊維を含有する糸
を少なくとも一部に使用された織布、編布で構成された
衣料が、Tシャツおよびテニス、ゴルフ、アスレチッ
ク、水着、バレーなどのスポーツ衣料に好適であるが、
限定したものではない。
【0013】この合成樹脂繊維を構成する樹脂として
は、ポリエステル系、ナイロン系、ポリウレタン系、ア
クリル系、ポリオレフィン系などの合成樹脂が使用さ
れ、これらの芯鞘構造をなした複合繊維であってもよ
い。
【0014】
【実施例】実施例1 ナイロン6原料に平均粒子径が30nmであるHo2 O
3 超微粒子を5重量%混合したものを通常の方法で溶融
紡糸して、70デニール40フィラメントのナイロン6
繊維の糸を得た。これを使用して平織り布を製造した。
この織物は、太陽光晒されると薄い黄色を呈し、標準光
源D65の蛍光灯に晒されると薄いピンク色を呈し、さら
に三波長域発光型蛍光灯に晒されると濃いピンク色を呈
する。一方、平均粒子径が約8μmであるHo2 O3 微
粒子を用いて同様の手法によって製造した織物の場合、
三波長域発光型蛍光灯に晒されると濃い肌色であり、こ
のように本発明のHo2 O3 超微粒子を用いれば、従来
表現できなかった色を表現することが可能となる。
【0015】実施例2 ポリエチレンテレフタレート原料に平均平均粒子径が3
0nmであるPr2 O3 超微粒子を7重量%混合したも
のを通常の方法で溶融紡糸して、50デニール24フィ
ラメントのポリエステル繊維の糸を得た。これを使用し
て平織り布を製造した。この織物は、太陽光晒されると
薄い黄色を呈し、標準光源D65の蛍光灯に晒されると黄
緑色を呈し、さらに三波長域発光型蛍光灯に晒されると
濃い黄緑色を呈する。一方、平均粒子径が約10μmで
あるPr2 O3 微粒子を用いて同様の手法によって製造
した織物の場合、三波長域発光型蛍光灯に晒されると薄
い黄緑色であり、このように本発明のPr2 O3 超微粒
子を用いれば、より濃い黄緑色を呈し、より大きな色調
変化を得ることが可能となる。
【0016】実施例3 ポリエチレンテレフタレート原料に平均平均粒子径が3
0nmであるNd2 O3 超微粒子を7重量%混合したも
のを通常の方法で溶融紡糸して、50デニール24フィ
ラメントのポリエステル繊維の糸を得た。これを使用し
て平織り布を製造した。この織物は、太陽光に晒される
と薄い藤色を呈し、標準光源D65の蛍光灯および三波長
域発光型蛍光灯に晒されると濃い青色を呈する。一方、
平均粒子径が約7μmであるNd2 O3 微粒子を用いて
同様の手法によって製造した織物の場合、三波長域発光
型蛍光灯に晒されると薄い青色であり、このように本発
明のNd2 O3 超微粒子を用いれば、より濃い青色を呈
し、より大きな色調変化を得ることが可能となる。
【0017】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、光源の異なる環境で大きな変色を呈すことが可能と
なり、同じ化合物の微粒子より本発明の超微粒子は、色
調が大きく変化するので、従来にない色を表現すること
が可能となる。また、色変化は、稀土類酸化物特有の吸
収・反射によるので、色変化の可逆性も完全で、色変化
の速度も早く、光劣化もないので耐候性、耐熱性などの
品質も良いという利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D02G 3/02 D02G 3/02 D03D 15/00 D03D 15/00 E 102 102Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が5〜100nmの範囲内に
    ある一般式M2 O3(ただし、MはHo、NdまたはP
    rを示す)で表される稀土類酸化物超微粒子を配合した
    合成樹脂を紡糸したことを特徴とする可逆的変色性を有
    する合成樹脂繊維。
  2. 【請求項2】 上記稀土類酸化物超微粒子の配合量が、
    1〜15重量%の範囲であることを特徴とする可逆的変
    色性を有する合成樹脂繊維。
  3. 【請求項3】 平均粒子径が5〜100nmの範囲内に
    ある一般式M2 O3(ただし、MはHo、NdまたはP
    rを示す)で表される稀土類酸化物超微粒子を配合した
    合成樹脂を紡糸した可逆的変色性を有する合成樹脂繊維
    を含有することを特徴とする糸。
  4. 【請求項4】 上記可逆的変色性を有する合成樹脂繊維
    と通常の繊維とが混紡さたことを特徴とする請求項3記
    載の糸。
  5. 【請求項5】 上記通常の繊維が、可逆的変色性のない
    合成樹脂繊維、天然繊維の少なくとも1種であることを
    特徴とする請求項4記載の糸。
  6. 【請求項6】 平均粒子径が5〜100nmの範囲内に
    ある一般式M2 O3(ただし、MはHo、NdまたはP
    rを示す)で表される稀土類酸化物超微粒子を配合した
    合成樹脂を紡糸した可逆的変色性を有する合成樹脂繊維
    を含有する糸を少なくとも一部に使用された織物、編物
    で構成されたことを特徴とする衣料。
  7. 【請求項7】 上記衣料が、Tシャツ、スポーツ衣料で
    あることを特徴とする請求項6記載の衣類。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102206338A (zh) * 2011-04-14 2011-10-05 杭州师范大学 一种尼龙66树脂、尼龙66长丝及其制备方法
CN104233550A (zh) * 2014-08-21 2014-12-24 绍兴文理学院 一种稀土光致变色的闪色喷气涡流纱加工方法
JP2015067917A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 株式会社クラレ 光変色性ポリビニルアルコール系繊維
WO2020073520A1 (zh) * 2018-10-08 2020-04-16 烟台泰和新材料股份有限公司 一种皮芯结构夜光间位芳纶纤维及其制备方法和应用

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