JP2000144025A - インクジェット記録用インク - Google Patents

インクジェット記録用インク

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JP2000144025A
JP2000144025A JP31730298A JP31730298A JP2000144025A JP 2000144025 A JP2000144025 A JP 2000144025A JP 31730298 A JP31730298 A JP 31730298A JP 31730298 A JP31730298 A JP 31730298A JP 2000144025 A JP2000144025 A JP 2000144025A
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Japan
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ink
residue
compound
ink according
alkyl group
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JP31730298A
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English (en)
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Toshihiko Takeda
俊彦 武田
Tomonari Horikiri
智成 堀切
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 普通紙に記録した場合でも、発色性、定着
性、インクの滲み、かつ印字物の耐水性に優れたインク
ジェット記録用のインクを提供する。 【解決手段】 記録剤と溶媒体を含むインクジェット記
録用のインクにおいて、G1 −NHCO−R1 (G1
糖質残基、R1 は炭素数2〜18の飽和直鎖状アルキル
基及び/又は飽和分岐状アルキル基を示す)で示す自己
組織化により分子集合体を形成可能な化合物を含有する
インクジェット記録用インク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
用のインクに関し、特に塗工紙は勿論、一般にオフィス
や家庭で使用されている非塗工紙、いわゆる普通紙に対
しても、高速かつ高精細、高画質フルカラー記録が可能
なインクジェット記録用のインクに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式による画像形成
方法として、近年、その重要性を増しつつある技術の一
つに、オフィスや家庭で使用される電子写真用紙、ノー
ト、レポート用紙、便箋、ボンド紙、及び連続伝表用紙
などの非塗工紙(以下、本発明では、これらの紙を総称
して普通紙と呼ぶ)に対しても、高精細なフルカラー画
像が得られる画像形成方法が強く要望されており、これ
を達成するために数多くの提案がなされている。特に、
インクの改良に関する提案が数多くなされている。
【0003】例えば、特開昭55−29546号公報に
は、インク中に界面活性剤を添加し、インクの表面張力
を下げる事で、紙内部へのインクの浸透性を高める方法
が開示され、特開昭55−57862号公報には、イン
クに強塩基性物質を転化する事で、インク付与時に紙の
サイズ剤やパルプ剤を化学的に溶解し、ドットの広がり
とインク吸収性とを制御する方法が開示されている。
【0004】更には、特開平3−172362号公報に
は、特定のエマルジョンをインク中に添加する事によ
り、ドットの広がりとインク吸収性とを制御する方法が
開示されている。
【0005】また、固体−液体相変化インクを用いる例
として、米国特許第3653932号公報には、室温で
は固体であるが、ある特定温度以上では液体となるイン
クが開示されている。このタイプの固体−液体相変化イ
ンクは、液体として射出された後、被記録材に衝突して
直ちに該被記録材表面で凝固するものである。
【0006】更には、ゾル−ゲル転移インクを用いる例
として、特開昭62−181372号公報には、室温で
はゲル状態であるが、加熱するとゾル状態へ転移するイ
ンクが開示されている。このタイプのゾル−ゲル転移イ
ンクは、上記固体−液体相変化インクと同様に、被記録
材に衝突した後にゲル状態に戻り、インクの滲みを抑え
ようとするものである。
【0007】また、米国特許第5100471号明細書
には、ポリマーコアと染料が共有結合したシリカシェル
からなる着色粒子を含むインクが提案され、紙上で鮮明
な色が形成されること、温度に安定なこと等の特徴を有
している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には次のような問題点がある。即ち、インク中へ
の界面活性剤の添加により、紙内部へのインクの浸透性
を高める方法では、インクの紙への定着性は向上する
が、インク中の染料等の記録剤もまた紙内部へ深く浸透
してしまうために発色性が低下するという問題点があ
る。
【0009】インク中へ強塩基性物質を添加する方法で
は、ある種のサイズ剤を用いた紙、例えば中性紙に対し
てはインクの滲み及び定着性とも充分ではなく、インク
の人体に対する安全性でも問題点がある。更に、これら
インクでは、印字物の耐水性に問題がある場合があっ
た。
【0010】また、インク中にポリマーやある種のエマ
ルジョンを添加するだけではフルカラー記録のようにイ
ンクの記録密度が大きくなるような領城では、異なる色
間での混色等が生じるため、充分な効果は得られない。
【0011】一方、固体−液体相変化インクでは、動作
時にインクを液体化しなければならないためにインク供
給系の温度制御等の装置上の負担が重くなる。更に、印
字物の保存温度変化によっては、印字物に流動性が生
じ、画像の流れ出しによる混色汚損及び転写汚損の問題
が発生する。
【0012】ゾル−ゲル転移インクも、固体−液体相変
化インクと同様に、取り扱いが容易でなく、印字物の保
存性に問題がある。また、インクの着弾後の温度低下に
伴う粘度上昇が緩慢であるため、インクジェット記録の
様に1画素を数10msec以下の高速で記録する事が
困難な場合があった。更に、インクジェット記録に使用
すると、インク吐出時の粘度の上限が20mPa・s以
下と低いため、低濃度で用いなければならず、十分な増
粘効果を得る事が困難である。
【0013】また、ポリマーコア/シリカシェル構造の
インクでは、顔料の分散安定性では優れているが、色材
の紙表面での凝集に特別な手段を持たないため、インク
の混色等の問題が生じる場合があった。
【0014】そこで、本発明の目的は、普通紙に記録し
た場合でも、良好な発色性を有し、複数色のインクが打
ち込まれても、定着性に優れ、インクの滲みの極めて少
ない記録画像を与える事が可能であり、かつ印字物の保
存性(耐水)にも優れたインクジェット記録用のインク
を提供する事である。
【0015】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、記録剤
と溶媒体を含むインクジェット記録用のインクにおい
て、自己組織化により分子集合体を形成可能な化合物を
含有する事を特徴とするインクジェット記録用インクで
ある。
【0016】前記自己組織化が前記化合物分子間の相互
作用により生じ、該相互作用が水素結合及び/又は疎水
結合である事が好ましい。また、前記化合物が水素結合
及び/又は疎水結合を形成可能な部位を有している化合
物を用いるこよが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に関するインクジェット記録用のインクは、記録
剤と溶媒体を含み、更に自己組織化により分子集合体を
形成可能な化合物を含有する事を特徴とする。
【0018】本発明に関する化合物の自己組織化は、化
合物分子間の相互作用により生じる事を特徴とする。こ
の分子間相互作用としては、水素結合と疎水結合をあげ
る事ができる。
【0019】また、本発明に関する化合物は、化合物分
子間の相互作用を形成可能な部位を有している事を特徴
としている。例えば、水素結合や疎水結合を形成可能な
部位を有している事を特徴とする。水素結合を形成可能
な部位として、−NHCO及び/又は−OHを挙げる事
ができる。疎水結合を形成可能な部位として、直鎖アル
キル基をあげる事ができる。なお、本発明に関する分子
間相互作用は水素結合や疎水結合に限定されるものでは
ない。例えば、配位結合、静電結合なども挙げる事がで
き、そのような結合を形成可能な部位を有していても構
わない。
【0020】この様に、本発明に関する化合物は、その
分子構造に起因する分子間相互作用(水素結合などの非
共有結合)により自己組織化し、分子集合体を形成す
る。この分子集合体の形態は、後で述べるように、幾何
学的な秩序(例えば、ねじれ構造)を示す。
【0021】次に本発明に関する自己組織化により分子
集合体を形成可能な化合物を以下に示す。
【0022】
【化7】G1 −NHCO−R1 (a) (式中、G1 は糖質残基、R1 は炭素数2〜18の飽和
直鎖状アルキル基及び/又は飽和分岐状アルキル基を示
す)
【0023】
【化8】 G2 −NHCO−R2 −CONH−G2 (b) (式中、G2 は糖質残基、R2 は炭素数2〜18の飽和
直鎖状アルキル基及び/又は飽和分岐状アルキル基を示
す)
【0024】
【化9】 G3 −NHCO−S1 −CONH−G3 (c) (式中、G3 は糖質残基、S1 はシロキサン化合物残基
を示す)
【0025】
【化10】 (式中、R4 は炭素数2〜18の飽和直鎖状アルキル基
及び/又は飽和分岐状アルキル基を示す)
【0026】前記シロキサン化合物残基S1 は下記
(e)式で示されるシロキサン化合物残基が好ましい。
【0027】
【化11】 (式中、R3 は炭素数1〜8の有機基である。nは1〜
15の整数、mは正の整数である。)
【0028】上記(a)式〜(d)式で示した化合物
は、分子中の−NHCO−及び糖質残基中の−OHを介
して他の化合物分子と水素結合をする。またアルキル基
を介して他の化合物分子と疎水結合をする。
【0029】上記糖質残基の糖質とは、単糖、オリゴ
糖、多糖が挙げられる。単糖としては、グルコース、ガ
ラクトース、マンノース、グルコサミン、グルクロン酸
などがある。オリゴ糖は通常単糖が2から10個程度結
合したものである。オリゴ糖としては、マルトース、セ
ロビオース、ラクトース、イソマルトース、スクロー
ス、キトビオースなどの2糖類、セロトリオース、マル
トトリオース、ラフィノースなどの3糖類などがある。
多糖類としては、プルラン、セルロース、でんぷんのほ
か、フルクタン、ガラクタン、マンナンなどがある。
【0030】また、上記の糖質残基G がグルコサミン
残基またはグルコサミンの−NH を除いた残基である
のが好ましい。前記糖質残基G がグルコース残基また
はグルコースの還元末端水酸基を除いた残基、あるいは
グルコサミン残基またはグルコサミンの−NH を除い
た残基であるのが好ましい。前記糖質残基G がグルコ
サミン残基またはグルコサミンの−NH を除いた残
基、あるいはグルコース残基またはグルコースの還元末
端水酸基を除いた残基であるのが好ましい。
【0031】上記(a)式〜(d)式で示した化合物の
分子集合体の形態は、幾何学的な秩序を示す。上記
(a)式で示した化合物の具体例を下記(a−1)式に
示す(Fuhrhop“J.Am.Chem.So
c.”1990,112,1768〜1776参照)。
【0032】
【化12】
【0033】また、上記(b)式で示した化合物の具体
例を下記(b−1)式に示す(特開平9−143193
号公報参照)。
【0034】
【化13】
【0035】また、上記(d)式で示した化合物の具体
例を下記(d−1)式に示す(Hanabusa,“A
ngew.Chem.Int.Ed.Engl”199
6,1949〜1951参照)。
【0036】
【化14】
【0037】本発明に関するインクを被記録材に付着さ
せると、インク中の溶媒体は被記録材に吸収されたり蒸
発する。この結果、本発明に関する化合物の濃度は急速
に上昇し、化合物分子間の相互作用が強くなる。その結
果、化合物分子は自己組織化により分子集合体を形成す
る。更に分子集合体は凝集し、より高次の分子集合体を
形成する。この様な分子集合体の形成は、インクが被記
録材に付着する前に化合物分子の集合体がインク中に存
在していれば、それが1種の成長核となり、更に加速さ
れる。これらの化合物分子集合体は染料等の記録剤を取
り込む事により、記録剤を高濃度に凝集させている。本
発明に関する化合物の分子集合体が形成されると、イン
クは急速に増粘する。インクの増粘により、不必要に記
録剤が被記録材の奥深くまで浸透する事がなく、被記録
材表層に記録剤が残り、しかも上述したように分子集合
体により記録剤が高濃度に凝集しているので、発色性も
良好になる。同時にインクの横方向への広がりも抑制さ
れるので、インクの滲みが抑制される。同様の理由か
ら、フルカラー画像を形成した場合にもカラーインク同
士の混色による滲みを抑制する事が可能であり、しかも
定着性の良好なカラーインクジェット記録が可能とな
る。
【0038】本発明に関するインクは、上記(a)〜
(d)式に示した化合物を少なくとも1種類含む事を特
徴としている。これら化合物のインク中での含有量とし
ては、使用する染料等の記録剤、溶媒体等の種類によっ
て異なるが、インク中の重量百分率として0.0l〜2
0重量%、好適には0.05〜10重量%、更に好まし
くは0.1〜5重量%が望ましい。本発明に関する化合
物の含有量を20重量%以下にする事は、インクを吐出
するノズルの目結まり防止、インクの吐出特性の向上等
の記録ヘッドの信頼性の点で好ましい。また、0.0l
重量%以上とする事は、本発明に関する化合物の分子集
合体形成による効果、例えばインクの増粘、記録剤の凝
集等の効果を充分に発揮する上で好ましい。
【0039】本発明のインクは、記録剤と、水及び有機
溶剤等の溶媒体と、上記の化合物を含有する事を特徴と
するが、その他の含有成分として、各種の分散剤、界面
活性剤、酸化防止剤等を含有していてもよい。
【0040】また、本発明のインクに使用される記録剤
としては、直接染料、酸性染料、食用染料、反応性染
料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応性分散
性染料、油性染料、顔料等が挙げられる。これら記録剤
のインク中での含有量は、溶媒体成分の種類、インクに
要求される特性等に依存して決定されるが、本発明にお
いては、インク全重量に対して0.2〜20重量%、好
適には0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量
%が望ましい。
【0041】本発明のインクに使用される有機溶媒とし
ては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n
−プロピルアルコール等のアルコール類;ジメチルホル
ムアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトン等のケト
ン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン等のエー
テル類;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル等のオキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合
体;エチレングリコール、プロピレングリコール等のア
ルキレングリコール類;チオグリコール、グリセリン、
エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル
類;スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン等があげ
られる。上記有機溶剤の含有量は、本発明においては、
インクの全重量に対して1〜50重量%、好ましくは2
〜30重量%の範囲である。
【0042】上述した有機溶剤は単独でも混合物として
も使用できるが、好ましい溶媒体成分は、水と1種類以
上の上記有機溶剤との混合物であり、より好ましくは、
該有機溶剤として、例えば、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール
のような水溶性高沸点溶剤の少なくとも1種との混合
物、特に好ましくは、該有機溶剤として、該水溶性高沸
点溶剤及び1価アルコールとの混合物である。
【0043】特に、上記高沸点水溶性溶剤の含有は、イ
ンクを吐出するノズルの目詰まり防止、インクの吐出特
性の向上等の記録ヘッドの信頼性の点で好ましい。
【0044】水としては、イオン交換水(脱イオン水)
等が用いられ、水の含有量はインク全重量に対して5〜
99重量%、好適には10〜90重量%が望ましい。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。即ち以下の実施例で用いた化合物に限定される
ものでないことは言うまでもない。また用途もインクの
みに限定されるものでないことは言うまでもない。
【0046】本発明に関するインクを用いて得られた印
字物の発色性、定着性、インクの滲み、混色、耐水性
は、以下の方法により評価した。 (評価1)発色性 A4サイズの用紙に5mm四方の正方形のべた部が5個
所あるパターンをプリントし、30分以上経過後のプリ
ントサンプルについて光学濃度(OD)の測定を行う。
プリント画像内5個所のべた部の濃度をマスベス反射濃
度計RD914にて測定し、その平均値をOD値とし
た。
【0047】(評価2)定着性 A4サイズの用紙にアルファベット26文字、数字(0
〜9)を連続して1行36文字40列を1行1秒、ライ
ンフィード0.5秒の速度で記録し、プリンタから排紙
されてくると同時にシルボン紙Cで包んだ重りを記録面
に40g/cm 2 で押しつけ、画像がこすれて流れなく
なった時間を計測した。
【0048】(評価3)インクの滲み A4サイズの用紙に記録ヘッドのノズルの1本おきに開
いたドットを記録し、30分以上経過したプリントサン
プルのドットを拡大鏡で観察し5段階評価した。
【0049】5:真円のドット 4:円周の1/4に滲みが見られるか変形しているもの 3:円周の1/2に滲みが見られるか変形しているもの 2;円周の3/4に滲みが見られるか変形しているもの 1:円弧の部分が全くないもの
【0050】(評価4)混色 A4サイズの用紙に20mm四方の正方形のべた部を記
録し、それに隣接するように先に記録したインクとは異
なる色のインクで同様に20mm四方の正方形のべた部
を記録する。30分以上経過したプリントサンプルにつ
いて色の境界部分を拡大鏡で観察し、官能評価により5
段階評価した。
【0051】5:色境界線20mmの長さで全く混色の
ないもの 4:色境界線20mmの長さで混色している部分の幅が
およそ1ドット径(100μm)分のもの 3:色境界線20mmの長さで混色している部分の幅が
およそ2ドット径分のもの 2:色境界線20mmの長さで混色している部分の幅が
およそ3ドット径分のもの 1:色境界線20mmの長さで混色している部分の幅が
およそ4ドット径分以上のもの
【0052】(評価5)耐水性 A4サイズの用紙に評価項目1と同じパターンを記録
し、あらかじめOD値を測定しておく。1時間経過後の
プリントサンプルをイオン交換水を満たした40cm四
方のステンレス製パットの中に5秒間浸漬する。次に用
紙をパットから取り出し、自然乾燥後、再びOD値を測
定して(測定OD値)/(初期OD値)の値を算出し、
その百分率を耐水性の評価とした。
【0053】上記いずれの評価も温度23℃、湿度60
%の恒温試験室で行った。また、上記評価用の記録装置
としてキヤノン(株)製BJ300(商品名)を使用し
た。また評価に使用した用紙は、市販の電子写真用紙
(商品名、PPC用紙、キヤノン社製)である。
【0054】実施例1 本実施例では、下記(A)式で示した物質を分子集合体
を形成する化合物としてインクに含有させた。(A)式
で示した化合物は、以下に示す方法により合成した。
【0055】
【化15】
【0056】まず、1−β−グルコサミン4gをジメチ
ルホルムアミド200mlに溶解し、更にピリジン2m
lを加えた。この溶液中へ窒素雰囲気下で、下記(p)
式で示した化合物を10g滴下し、60℃で3時間撹拌
した。この反応溶液から溶媒を除去した後に得られた物
質を水に投入し、不溶部分を取り出した。次に、これを
ヘキサンで洗浄した。その結果、8.7gの反応生成物
を得る事ができた。この物質のIR評価をしたところ、
−CO−NH−に由来するピーク(1743cm-1
近)が観測でき、−O−CO−に由来するピークは観測
できなかった。
【0057】
【化16】 CH3 (CH27 COOH (p)
【0058】本実施例では、表1〜4に示す成分を混合
してインクを作成した。作成したインクの色は、ブラツ
ク、イエロー、マゼンダ、シアンの4色である。
【0059】インクの作成手順は、適当な濃度(20重
量%以下)の上記化合物Aの水溶液を調整する。この水
溶液に水、有機溶剤、染料、界面活性剤の順に所定量添
加し、所定の化合物Aの濃度に調整し、5時間撹拌後、
ポアサイズ0.22μmのメンブランフィルター(商品
名:フロロポアフィルター、住友電工(株)製)にて加
圧濾過し、上記4色のインクを得た。
【0060】本実施例で得られたブラツク、イエロー、
マゼンダ、シアンのインクをそれぞれB1、Y1、M
1、C1と呼ぶ事にする。上記インクによる印字物に対
して、前記5つの評価を行った。その結果を表5、6に
示す。
【0061】実施例2 本実施例では、下記(B)式で示した物質を分子集合体
を形成する化合物としてインクに含有させた。(B)式
で示した化合物は、公知の合成法(例えば、特開平9−
143192号公報参照)に従って合成した。
【0062】
【化17】
【0063】本実施例では、表1〜4に示す成分を混合
してインクを作成した。作成したインクの色は、ブラッ
ク、イエロー、マゼンダ、シアンの4色である。
【0064】インクの作成手順は、適当な濃度(20重
量%以下)の上記化合物Bの水溶液を調整する。この水
溶液に水、有機溶剤、染料、界面活性剤の順に所定量添
加し、所定の化合物Bの濃度に調整し、5時間撹拌後、
ポアサイズ0.22μmのメンブランフィルター(商品
名:フロロポアフィルター、住友電工(株)製)にて加
圧濾過し、上記4色のインクを得た。
【0065】本実施例で得られたブラック、イエロー、
マゼンダ、シアンのインクをそれぞれB2、Y2、M
2、C2と呼ぶ事にする。上記インクによる印字物に対
して、前記5つの評価を行った。その結果を表5、6に
示す。
【0066】実施例3 本実施例では、下記(C)式で示した物質を分子集合体
を形成する化合物としてインクに含有させた。(C)式
で示した化合物は、以下に示す方法により合成した。
【0067】
【化18】 (式中、Meはメチル基を示す)
【0068】下記(q)式で示される末端カルボキシル
変性シロキサンオリゴマー(n=7、東芝シリコーン
製)l0gを塩化メチレン200mlに溶解し、窒素雰
囲気下で塩化チオニル4gを加え、3時間撹拌した。反
応溶液から溶媒を除去したところ、約l0gの反応生成
物(以下、反応生成物1と呼ぶ事にする)を得た。
【0069】
【化19】
【0070】次に、1−β−グルコサミン4gをジメチ
ルホルムアミド200mlに溶解し、更にピリジン2m
lを加えた。この溶液中へ窒素雰囲気下で、前記反応生
成物1をl0g滴下し、60℃で3時間撹拌した。この
反応溶液から溶媒を除去した後に得られた物質を水に投
入し、不溶部分を取り出した。次に、これをヘキサンで
洗浄した。その結果、8.7gの反応生成物を得る事が
できた。この物質のIR評価をしたところ、−CO−N
H−に由来するピーク(1743cm-1付近)が観測で
き、−O−CO−に由来するピークは観測できなかっ
た。
【0071】本実施例では、表1〜4に示す成分を混合
レてインクを作成した。作成したインクの色は、ブラッ
ク、イエロー、マゼンダ、シアンの4色である。インク
の作成手順は、適当な濃度(20重量%以下)の上記化
合物Cの水溶液を調整する。この水溶液に水、有機溶
剤、染料、界面活性剤の順に所定量添加し、所定の化合
物Cの濃度に調整し、5時間撹拌後、ポアサイズ0.2
2μmのメンブランフィルター(商品名:フロロポアフ
ィルター、住友電工(株)製)にて加圧濾過し、上記4
色のインクを得た。
【0072】本実施例で得られたブラック、イエロー、
マゼンダ、シアンのインクをそれぞれB3、Y3、M
3、C3と呼ぶ事にする。上記インクによる印字物に対
して、前記5つの評価を行った。その結果を表5、6に
示す。
【0073】実施例4 本実施例では、下記(D)式で示した物質を分子集合体
を形成する化合物としてインクに含有させた。(D)式
で示した化合物は、公知の合成法(例えば、特開平8−
231942号公報参照)を参考にして合成した。
【0074】
【化20】
【0075】本実施例では、表1〜4に示す成分を混合
てインクを作成した。作成したインクの色は、ブラッ
ク、イエロー、マゼンダ、シアンの4色である。インク
の作成手順は、適当な濃度(20重量%以下)の上記化
合物Dの水溶液を調整する。この水溶液に水、有機溶
剤、染料、界面活性剤の順に所定量添加し、所定の化合
物Dの濃度に調整し、5時間撹拌後、ポアサイズ0.2
2μmのメンブランフィルター(商品名:フロロポアフ
ィルター、住友電工(株)製)にて加圧濾過し、上記4
色のインクを得た。
【0076】本実施例で得られたブラック、イエロー、
マゼンダ、シアンのインクをそれぞれB4、Y4、M
4、C4と呼ぶ事にする。上記インクによる印字物に対
して、前記5つの評価を行った。その結果を表5、6に
示す。
【0077】実施例5 本実施例では、表1〜表4に示す成分を混合してインク
を作成した。作成したインクの色は、ブラック、イエロ
ー、マゼンダ、シアンの4色である。インクの作成手頂
は、適当な濃度(20重量%以下)の上記化合物Aと化
合物Bの両方を含む水溶液を調整する。この水溶液に
水、有機溶剤、染料、界面活性剤の順に所定量添加し、
所定の化合物濃度に調整し、5時間撹拌後、ポアサイズ
0.22μmのメンブランフィルター(商品名:フロロ
ポアフィルター、住友電工(株)製)にて加圧濾過し、
上記4色のインクを得た。本実施例で得られたブラッ
ク、イエロー、マゼンダ、シアンのインクをそれぞれB
5、Y5、M5、C5と呼ぶ事にする。上記インクによ
る印字物に対して、前記5つの評価を行った。その結果
を表5、6に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】比較例1〜4 上記実施例1〜5の比較例として、上記化合物A〜Dを
使用しなかった他は、各実施例と同様の組成で表7に示
す組成のインクを作成し、比較例1〜4のインクとし
た。ただし化合物A〜Dの分は、水で置き換えた。
【0085】比較例のブラック、イエロー、マゼンダ、
シアンのインクをそれぞれBR、YR、MR、CRと呼
ぶ事にする。上記インクによる印字物に対して、前記5
つの評価を行った。その結果を表8、9に示す。
【0086】以上述べてきた実施例1〜5、比較例1〜
4で明らかな様に、本発明に関するインクを用いた場
合、普通紙に対して印字適性の良好な記録画像が得られ
る。しかし、比較例で示したインクを用いた場合には発
色性、印字滲み、定着性などの全てを満足するものはな
かった。
【0087】
【表7】
【0088】
【表8】
【0089】
【表9】
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、普通紙
に記録した場合でも良好な発色性を有し、複数色のイン
クが打ち込まれても、定着性に優れ、インクの滲みや混
色が極めて少ない記録画像を与える事が可能であり、か
つ印字物の保存性(耐水性)にも優れたインクを提供す
ることができた。
フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC02 4J039 BC07 BC31 BC36 BC57 BE25 BE33 CA03 CA06 EA38 EA42 EA43 EA47 GA24

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録剤と溶媒体を含むインクジェット記
    録用のインクにおいて、自己組織化により分子集合体を
    形成可能な化合物を含有する事を特徴とするインクジェ
    ット記録用インク。
  2. 【請求項2】 前記自己組織化が前記化合物分子間の相
    互作用により生じる事を特徴とする請求項1記載のイン
    ク。
  3. 【請求項3】 前記相互作用が水素結合及び/又は疎水
    結合である事を特徴とする請求項2記載のインク。
  4. 【請求項4】 前記化合物が水素結合及び/又は疎水結
    合を形成可能な部位を有している事を特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかの項に記載のインク。
  5. 【請求項5】 前記水素結合を形成可能な部位が−NH
    CO及び/又は−OHである事を特徴とする請求項4記
    載のインク。
  6. 【請求項6】 前記疎水結合を形成可能な部位が直鎖状
    アルキル基である事を特徴とする請求項4記載のイン
    ク。
  7. 【請求項7】 前記化合物が下記(a)式で示される化
    合物である事を特徴とする請求項1記載のインク。 【化1】G1 −NHCO−R1 (a) (式中、G1 は糖質残基、R1 は炭素数2〜18の飽和
    直鎖状アルキル基及び/又は飽和分岐状アルキル基を示
    す)
  8. 【請求項8】 前記糖質残基G1 がグルコサミン残基で
    ある事を特徴とする請求項7記載のインク。
  9. 【請求項9】 前記糖質残基G1 がグルコサミンの−N
    2 を除いた残基である事を特徴とする請求項8記載の
    インク。
  10. 【請求項10】 前記化合物が下記(b)式で示される
    化合物である事を特徴とする請求項1記載のインク。 【化2】 G2 −NHCO−R2 −CONH−G2 (b) (式中、G2 は糖質残基、R2 は炭素数2〜18の飽和
    直鎖状アルキル基及び/又は飽和分岐状アルキル基を示
    す)
  11. 【請求項11】 前記糖質残基G2 がグルコース残基で
    ある事を特徴とする請求項10記載のインク。
  12. 【請求項12】 前記糖質残基G2 がグルコースの還元
    末端水酸基を除いた残基である事を特徴とする請求項1
    1記載のインク。
  13. 【請求項13】 前記糖質残基G2 がグルコサミン残基
    である事を特徴とする請求項10記載のインク。
  14. 【請求項14】 前記糖質残基G2 がグルコサミンの−
    NH2 を除いた残基である事を特徴とする請求項13記
    載のインク。
  15. 【請求項15】 前記化合物が下記(c)式で示される
    化合物である事を特徴とする請求項1記載のインク。 【化3】 G3 −NHCO−S1 −CONH−G3 (c) (式中、G3 は糖質残基、S1 はシロキサン化合物残基
    を示す)
  16. 【請求項16】 前記シロキサン化合物残基S1 が下記
    (e)で示される化合物である事を特徴とする請求項1
    記載のインク。 【化4】 (式中、R3 は炭素数1〜8の有機基である。nは1〜
    15の整数、mは正の整数である。)
  17. 【請求項17】 前記糖質残基G3 がグルコサミン残基
    である事を特徴とする請求項15記載のインク。
  18. 【請求項18】 前記糖質残基G3 がグルコサミンの−
    NH2 を除いた残基である事を特徴とする請求項17記
    載のインク。
  19. 【請求項19】 前記糖質残基G3 がグルコース残基で
    ある事を特徴とする請求項15記載のインク。
  20. 【請求項20】 前記糖質残基G3 がグルコースの還元
    末端水酸基を除いた残基である事を特徴とする請求項1
    9記載のインク。
  21. 【請求項21】 前記化合物が下記(d)式で示される
    化合物である事を特徴とする請求項1記載のインク。 【化5】 (式中、R4 は炭素数2〜18の飽和直鎖状アルキル基
    及び/又は飽和分岐状アルキル基を示す)
  22. 【請求項22】 前記化合物が下記(f)式で示される
    化合物である請求項21記載のインク。 【化6】 (式中、R4 は炭素数2〜18の飽和直鎖状アルキル基
    及び/又は飽和分岐状アルキル基を示す)
  23. 【請求項23】 前記化合物として請求項7、請求項1
    0、請求項15および請求項21に記載した化合物を少
    なくとも1種類含有する事を特徴とする請求項1記載の
    インク。
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