JP2000143604A - シアノベンズアルデヒド化合物の製造法 - Google Patents

シアノベンズアルデヒド化合物の製造法

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JP2000143604A JP10320787A JP32078798A JP2000143604A JP 2000143604 A JP2000143604 A JP 2000143604A JP 10320787 A JP10320787 A JP 10320787A JP 32078798 A JP32078798 A JP 32078798A JP 2000143604 A JP2000143604 A JP 2000143604A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シアノベンズアルデヒド化合物を工業的に有
利な方法により高収率、高純度に製造することにあり、
特に医薬中間体として有用なp−またはm−シアノベン
ズアルデヒドを高純度且つ高収率で製造することにあ
る。 【解決手段】 シアノベンジルアミン化合物をハロゲン
化剤と反応させた後、塩基性化合物と反応させ、さらに
酸性水溶液で処理する対応のシアノベンズアルデヒド化
合物の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般式(2)で示
されるシアノベンズアルデヒド化合物の製造法に関す
る。シアノベンズアルデヒド化合物は医薬、農薬、液
晶、機能性高分子モノマーなどの重要な中間体である。
【0002】
【従来の技術】シアノベンズアルデヒド化合物の製法は
いくつか知られている。ここでは代表例としてp−シア
ノベンズアルデヒドの製法をあげる。p−シアノベンズ
アルデヒドは、古典的には、p−シアノ安息香酸をチオ
ニルクロライドなどの塩素化剤でp−シアノベンゾイル
クロライドに変換し、それをローゼムンド(Rosen
mund)還元することにより合成されている(Rap
oport et al.,J.Am.Chem.So
c.,75,1125(1953))。また、p−クロ
ロメチルベンゾニトリルとヘキサメチレンテトラミンと
を油水二層系で反応させる(特開昭60−166655
号公報)方法が知られている。最近では、入手容易なト
ルイル酸クロライドを原料とし、はじめにトルイル酸ク
ロライドのメチル基をジクロロ化し、続いて酸クロライ
ドをアミドに誘導した後アミドを脱水しニトリルに変換
し、最後にモルホリン存在下でジクロロメチル基を加水
分解することによりp−シアノベンズアルデヒドを合成
する方法が知られている(特開平9−227490)。
また、シアノベンジルアミン類を酸化する方法が知られ
ており、p−シアノベンジルアミンを、2,6−ルチジ
ン、過塩素酸塩存在下、2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジニル−1−オキシドをメディエーターとして電
解酸化する方法(Semmelhack et a
l.,J.Am.Chem.Soc.,105,673
2(1983))がある。さらに、p−シアノ−N,N
−ジメチルベンジルアミンを触媒量の鉄−ポルフィリン
錯体存在下、ヨードシルベンゼンにより酸化する方法が
知られている(Smith et al.,J.Che
m.Soc.Chem.Commun.,(198
5),64)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、p−シ
アノベンズアルデヒドの合成法の問題点として、それぞ
れRosenmund還元法では原料のp−シアノ安息
香酸の合成に多段階を要し入手し難い、またp−ハロゲ
ノメチルベンゾニトリルを原料とする方法では、原料の
p−トルニトリルの入手が困難なうえ、過剰のヘキサメ
チレンテトラミンを必要とするため廃棄物が多く経済的
でない等の欠点がある。p−トルイル酸を原料とする方
法は、メチル基の選択的なジクロロ化に十分な選択性が
でないうえ工程が長く煩雑で経済的な方法ではない。ま
た、p−シアノベンジルアミンの電解酸化では、8倍量
の三級アミンが必要なうえ、酸化メディエーターが20
%mol量要し反応の進行に伴い分解するという問題が
あり、経済的に大規模につくる方法として適当でない。
上記のように、p−シアノベンズアルデヒドは、従来知
られている技術では合成が繁雑で高純度体を得るのが困
難であり、また原料の入手も容易ではないという問題が
あった。本発明の目的は、一般式(2)のシアノベンズ
アルデヒド化合物を工業的に有利な方法により高収率、
高純度に製造することにあり、特に医薬中間体として有
用なp−またはm−シアノベンズアルデヒドを高純度且
つ高収率で製造することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、一般式
(1)で示されるシアノベンジルアミン化合物を出発原
料として、ベンゼン環上のシアノ基を損なうことなくア
ミノメチル基(−CH2 NH2 )をアルデヒド基(−C
HO)に変換することにより、上記目的を達成すること
ができた。
【0005】すなわち、本発明は以下の発明に関する。 (a)下記一般式(1)
【0006】
【化3】
【0007】(式中、CH2 NH2 とXはベンゼン環上
の置換基を表わし、CH2 NH2 は−CNのm位あるい
はp位であり、Xは塩素原子またはフッ素原子を表わ
し、nは0〜4の整数を表わす。ただし、nが2以上の
場合、Xは同一であっても異なっていても良い。)で示
されるシアノベンジルアミン化合物をハロゲン化剤と反
応させた後、塩基性化合物と反応させ、さらに酸性水溶
液で処理することを特徴とする下記一般式(2)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、CHOとXはベンゼン環上の置換
基を表わし、CHOはCNのm位あるいはp位であり、
Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは0〜4の
整数を表わす。ただし、nが2以上の場合、Xは同一で
あっても異なっていても良い。)で示されるシアノベン
ズアルデヒド化合物の製造法。 (b)反応をラジカル開始剤の存在下で行わせる(a)
に記載のシアノベンズアルデヒド化合物の製造法。 (c)一般式(1)で示されるシアノベンジルアミン化
合物がp−またはm−シアノベンジルアミンであり、一
般式(2)で示されるシアノベンジルアミン化合物がp
−またはm−シアノベンジルアミン化合物である(a)
または(2)に記載のシアノベンズアルデヒド化合物の
製造法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における反応方法は、好ま
しくは、シアノベンジルアミン化合物、ハロゲン化剤を
反応容器に仕込み、撹拌下に反応温度まで上昇させ、所
定の時間まで加熱、攪拌反応させ、シアノベンジルアミ
ン化合物の消失をみた後、塩基性化合物を反応容器に仕
込み脱ハロゲン化反応をみた後、さらに水の存在下で溶
液の液性を酸性にすることによりおこなわれる。反応の
仕込および反応の実施は、特に制限はないが、通常大気
圧下でおこなうことができる。反応器としては、ガラ
ス、耐酸金属容器が適する。本発明における「ハロゲン
化剤」とは、シアノベンジルアミン化合物のアミノ基に
ハロゲン原子を導入できうる化合物を意味する。本発明
における「塩基」とは、酸塩基反応によりプロトン酸捕
捉能のある化合物を意味する。本発明において考えられ
る反応経路について反応の態様を説明する。代表例とし
てp−シアノベンジルアミンからp−シアノベンズアル
デヒドへの反応を説明するが、本発明の他の化合物の反
応経路についての反応の態様も同様に理解されるべきで
ある。
【0011】
【化5】
【0012】p−シアノベンジルアミンとハロゲン化剤
(XY)が反応し、一級アミンのアミノ基がハロゲン化
される(式a:本反応を以降、「ハロゲン化」とい
う。)。アミノ基がハロゲン化されたp−シアノベンジ
ルアミンに塩基(B)を反応させると、脱ハロゲン化水
素反応がおこり、イミンが生成する(式b:本反応を以
降、「脱ハロゲン化水素」という。)。次に酸(HA)
の存在下でイミンを加水分解すると、p−シアノベンズ
アルデヒドが生成する(式c:本反応を以降、「酸加水
分解」という。)。ハロゲン化反応において、好ましく
は。塩基はp−シアノベンジルアミンとハロゲン化剤と
の反応が終了したのち加える。ハロゲン化剤存在下で塩
基を加え工程を短縮してもてもよいが、同一反応系内で
脱ハロゲン化水素反応がおこりイミンが生成し、イミン
は未反応のp−シアノベンジルアミンと反応しp−シア
ノベンジルアミンの二量体が副生し、その結果p−シア
ノベンズアルデヒドの収率が低下する場合がある。ハロ
ゲン化に際し、揮発性のハロゲン化剤は、窒素などの気
体を導入することにより除去できるが、不揮発性のハロ
ゲン化剤は適当な還元剤等を用いて分解除去してもよ
い。酸加水分解は、好ましくは、脱ハロゲン化水素が完
結した後加える。また、(式a)のハロゲン化の際に過
剰のハロゲン化剤の存在により、あるいは、モノクロラ
イド体の選択性の低さにより、シアノベンジルアミン化
合物のN−ジクロル体が得られることがある(式d)。
【0013】
【化6】
【0014】この場合は、塩基性化合物で脱ハロゲン化
水素化反応(式e)をおこない、N−モノクロライド体
にした後、還元剤(MH)を用いて対応するイミン体に
誘導する(式f)。以下は(式c)と同様におこなえば
よい。このとき、還元剤を用いず、N−モノクロライド
体を直接加水分解することができるが、加水分解に比較
的過酷な条件を要し、シアノ基が分解する恐れがあるの
で好ましくはない。また、(式e)において過剰の塩基
の存在により、生成物のクロロイミンがさらに脱ハロゲ
ン化水素反応をおこし、ニトリルになる場合がある。こ
のように、N−ジクロロ化されると、余分な還元操作や
副生物が生じる経路が生じるため、ハロゲン化に際して
はN−モノハロゲン体で止めることが好ましい。
【0015】本反応で用いられるシアノベンジルアミン
化合物について説明する。無置換のシアノベンジルアミ
ン化合物はp−シアノベンジルアミン、m−シアノベン
ジルアミンであり、それぞれテレフタロニトリルおよび
イソフタロニトリルの片側ニトリル基の還元反応(特公
昭40−10133号公報)で容易に合成できる。次に
ハロゲンで置換されたシアノベンジルアミン化合物につ
いて説明する。4−シアノ−2,3,5,6−テトラク
ロロベンジルアミン、3−シアノ−2,4,5,6−テ
トラクロロベンジルアミンなどの塩素化シアノベンジル
アミン化合物はテレフタロニトリルおよびイソフタロニ
トリルの塩素化により得られるテトラクロロテレフタロ
ニトリルなどの塩素化テレフタロニトリル化合物および
テトラクロロイソフタロニトリルなどの塩素化イソフタ
ロニトリル化合物の片側ニトリル基の還元反応で容易に
合成できる。4−シアノ−2,3,5,6−テトラフル
オロベンジルアミン、3−シアノ−2,4,5,6−テ
トラフルオロベンジルアミンなどのフッ素化シアノベン
ジルアミン化合物はテトラクロロテレフタロニトリルな
どの塩素化テレフタロニトリル化合物およびテトラクロ
ロイソフタロニトリルなどの塩素化イソフタロニトリル
化合物のフッ素化反応で得られるテトラフルオロテレフ
タロニトリルなどのフッ素テレフタロニトリル化合物お
よびテトラフルオロイソフタロニトリルなどのフッ素化
イソフタロニトリル化合物の片側ニトリル基の還元反応
で容易に合成できる。本反応で用いるハロゲン化剤は、
塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン分子類、塩化臭素
(BrCl)、臭化ヨウ素(IBr)等の混合ハロゲン
分子類、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシ
ンイミド、N−ブロモアセトアミドなどのハロイミド、
ハロアミド類、カルシウムハイポクロライト(Ca(C
lO)2)、t−ブチルハイポクロライト等の過ハロゲ
ン酸塩、過ハロゲン酸エステル類、スルフリルクロリ
ド、スルフリルブロマイド等の塩化物、臭化物が用いら
れるが、本発明に適用できるハロゲン化剤は上記ハロゲ
ン化剤に限定されるわけではなく、有機合成一般に用い
られるハロゲン化剤を使用することができる。シアノベ
ンジルアミン化合物1mol当量に対し、ハロゲン化剤
は1mol当量が好適なので、その近傍での使用が好ま
しい。また、反応温度は20〜120℃程度、好ましく
は40〜80℃である。反応時間としては0.5〜8時
間が好ましい。
【0016】シアノベンジルアミン化合物とハロゲン化
剤の反応においては、ラジカル開始剤の存在によって反
応が有効に促進される。ラジカル開始剤としては、特に
制限はないが、通常ラジカル開始剤として知られている
ものであれば使用できる。例えば、アゾビスイソブチリ
ロニトリルなどのアゾビス類、ベンゾイルパーオキサイ
ドなどのジアシルパーオキサイド類、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどのジアルキ
ルパーオキサイド類、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオコサイドなどのハイドロパー
オキサイド類、t−ブチルパーアセテート、t−ブチル
パーベンゾエートなどのアルキルパーエステル類などを
挙げることができる。本反応は反応の進行につれてハロ
ゲン由来のラジカルが遊離し反応を促進するので、初め
に加えるラジカル開始剤は極微量でもよい。シアノベン
ジルアミン化合物とハロゲン化剤との反応により得られ
た化合物と塩基との反応の溶媒は、シアノベンジルアミ
ン化合物とハロゲン化剤との反応溶媒と同一でもよい
し、別な溶媒を加え混合溶媒としたり、また溶媒を置換
してもよい。反応温度は0〜80℃程度、好ましくは1
0〜50℃である。反応温度が0℃より低いと反応が完
結する時間が著しく長くなり、また反応温度が80℃よ
り高いと反応基質が分解し脱ハロゲン化水素反応の収率
が低くなる。反応時間としては30分〜10時間が好ま
しい。反応時間は塩基の添加量と反応温度に依存し、仕
込みのシアノベンジルアミン化合物の少なくとも当モル
量必要であり、溶液が二層系であったり弱い塩基などを
用いた場合には、過剰の塩基を用いると脱ハロゲン化水
素反応の速度を向上させることができる。また、前工程
のハロゲン化反応により酸性化合物が生じた場合には、
過剰の酸を塩として補足する分の塩基の追加が必要であ
る。
【0017】本発明で用いることのできる塩基は、有
機、無機塩基性化合物を用いることができる。有機塩基
性化合物としては、アミン類、含窒素複素環式化合物な
どを用いることができ、好ましくは、三級アミン類、含
窒素複素環式化合物であり、例えば、ピリジン、トリエ
チルアミン、N−メチルモルホリンなどが好適である。
無機塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリおよびア
ルカリ土類水酸化物、酸化マグネシウムや酸化カルシウ
ムなどのアルカリ土類酸化物、過酸化ナトリウム、過酸
化カリウムなどのアルカリ金属過酸化物、超酸化ナトリ
ウム、超酸化カリウムなどのアルカリ金属超酸化物、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、ナトリウ
ムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム三級ブ
トキシドなどのアルカリ金属のアルコキシド類などを用
いることができる。
【0018】最終工程の酸加水分解について説明する。
反応は、好ましくは、水を含む酸性溶液中でおこなわれ
る。酸加水分解はpHは1〜6でおこなわれ、好適には
pHは3〜5である。酸の量は、脱ハロゲン化水素反応
で生成したイミンと当モル以上であり、過剰の塩基を塩
として補足する場合はその過剰な塩基の分に対しての酸
の追加が必要である。また、反応温度は20〜100℃
程度、好ましくは40〜80℃である。反応時間として
は0.5〜8時間が好ましい。酸加水分解反応において
は、ハロゲン化工程と脱ハロゲン化水素の反応溶媒と同
一でもよいし、別な溶媒を加え混合溶媒としたり、また
溶媒を置換してもよい。ハロゲン化工程と脱ハロゲン化
水素の工程に水を使用していない場合は、少なくともイ
ミンと当モル以上の水が必要であり、反応系内から反応
化合物が析出しない範囲で溶媒として水を加えてよい。
本発明で酸加水分解に用いることのできる酸は、有機、
無機のプロトン酸である。有機酸としては、酢酸、プロ
ピオン酸、トリフルオロ酢酸などのカルボン酸、メタン
スルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸
類などを用いることができる。無機酸としては、硫酸、
塩酸、硝酸、リン酸などを用いることができる。
【0019】本発明の製造法で用いることができる溶媒
は、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエ
ーテル系、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノールなどのアルコール系、アセトニトリル、プロピ
オニトリルなどのニトリル系、ジクロロメタン、1,2
−ジクロロエタンなどのハロゲン系、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶
などが挙げられる。また、水も溶媒として用いることが
できるが、反応原料、中間体、生成物などが析出する場
合があるので、原料や生成物などの析出を防ぐために
は、上記の有機溶媒と混合して反応をおこなうことがで
きる。この場合、水と有機溶媒が混合し均一系となって
もよいし、水と相溶性のある有機溶媒を用いるなら二層
系で反応をおこなってもよい。ハロゲン化、脱ハロゲン
化、酸加水分解の各工程を通じて、同一の溶媒を用いて
もよいし、各原料、中間体、生成物の溶解度にあわせ
て、適宜溶媒を選択して混合または置換してもよい。
【0020】
【実施例】以下に実施例を用いてさらに詳しく本発明を
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。得られたシアノベンズアルデヒド化合物の純度
は高速液体クロマトグラフにより測定した。高速液体ク
ロマトブラフの分析条件は、カラムはShodex D
E−513L(Shodex:昭和電工株式会社の登録
商標)とプレカラムであり、溶離液は水/アセトニトリ
ル/酢酸=2250/750/15(ml)に1−オク
タンスルホン酸ナトリウム6.45gが溶解している液
であり、流量1ml/min、検出条件UV254n
m、カラムオーブン40℃の条件である。
【0021】実施例1 p−シアノベンジルアミン13.2gとt−ブチルアル
コール300mmlを混合し、t−ブチルハイポクロラ
イト11.9gを攪拌させながらを50℃で30分かけ
て滴下し、さらに1時間同温度で攪拌した。室温に冷却
した後、カリウムt−ブトキシド12.3gを加え60
℃で3時間攪拌した。室温に冷却した後、10%重量濃
度の硫酸60gを1時間かけて滴下し、さらに1時間攪
拌した。反応溶液に酢酸ナトリウムを加えpHを6に調
整し、溶媒を減圧下留去した。残査をトルエンで抽出
し、トルエン層を水で洗浄した。トルエンを留去した
後、減圧蒸留(135℃/15mmHg)をおこないp
−シアノベンズアルデヒド7.3g(収率56%)を得
た。高速液体クロマトグラフの分析により得られたp−
シアノベンズアルデヒドの純度は98%であった。
【0022】実施例2 m−シアノベンズアルデヒド6.6g、N−ブロモサク
シンイミド10.7g、アゾビスイソブロニトリル0.
1gと1,2−ジクロロエタン100mlを混合し攪拌
させながら70℃で2時間反応させた。室温に冷却した
後、炭酸ナトリウム6.4gと水40mlを加え激しく
2時間攪拌した。酢酸50mlを加え60℃で3時間激
しく攪拌した。溶媒を減圧下留去し、残査に水とトルエ
ンを加え攪拌し、不溶成分をろ別し、トルエン層を分液
した。トルエンを留去した後、取得した粗生成物をシク
ロヘキサンから再結晶して、3.4g(収率52%)を
得た。高速液体クロマトグラフの分析により得られたm
−シアノベンズアルデヒドの純度は97%であった。
【0023】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、フタロニトリ
ル化合物から容易に得られるシアノベンジルアミン化合
物とハロゲン化剤と酸、塩基からシアノベンズアルデヒ
ド化合物を収率よく、かつ純度よく製造することができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、CH2 NH2 とXはベンゼン環上の置換基を表
    わし、CH2 NH2 は−CNのm位あるいはp位であ
    り、Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは0〜
    4の整数を表わす。ただし、nが2以上の場合、Xは同
    一であっても異なっていても良い。)で示されるシアノ
    ベンジルアミン化合物をハロゲン化剤と反応させた後、
    塩基性化合物と反応させ、さらに酸性水溶液で処理する
    ことを特徴とする下記一般式(2) 【化2】 (式中、CHOとXはベンゼン環上の置換基を表わし、
    CHOはCNのm位あるいはp位であり、Xは塩素原子
    またはフッ素原子を表わし、nは0〜4の整数を表わ
    す。ただし、nが2以上の場合、Xは同一であっても異
    なっていても良い。)で示されるシアノベンズアルデヒ
    ド化合物の製造法。
  2. 【請求項2】 反応をラジカル開始剤の存在下で行わせ
    る請求項1に記載のシアノベンズアルデヒド化合物の製
    造法。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で示されるシアノベンジル
    アミン化合物がp−またはm−シアノベンジルアミンで
    あり、一般式(2)で示されるシアノベンジルアミン化
    合物がp−またはm−シアノベンジルアミン化合物であ
    る請求項1または2に記載のシアノベンズアルデヒド化
    合物の製造法。
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