JP2000086609A - シアノ安息香酸の製造法 - Google Patents

シアノ安息香酸の製造法

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JP2000086609A JP10258122A JP25812298A JP2000086609A JP 2000086609 A JP2000086609 A JP 2000086609A JP 10258122 A JP10258122 A JP 10258122A JP 25812298 A JP25812298 A JP 25812298A JP 2000086609 A JP2000086609 A JP 2000086609A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 医農薬中間体として有用なm一またはp−シ
アノ安息香酸を、安全で環境汚染の問題のない方法によ
り純度且つ高収率で製造する方法の提供。 【解決手段】 一般式(1) で示されるシアノベンズアミド化合物と亜硝酸を酸性条
件下で反応させることを特徴とする一般式(2) で示されるシアノ安息香酸化合物の製造方法。(Xは塩
素原子またはフッ素原子を表わし、nは0〜4の整数を
表わす。ただし、nが2以上の場合、Xは同一であって
も異なっていても良い。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般式(2)で示
されるシアノ安息香酸化合物の製法に関する。このシア
ノ安息香酸化合物は医薬、農薬、液晶、機能性高分子モ
ノマーなどの重要な中間体である。
【0002】
【従来の技術】シアノ安息香酸化合物の製法は古くから
いくつか知られている。ここでは代表例としてp−シア
ノ安息香酸の製法をあげる。例えばp一シアノ安息香酸
は古典的にはp−アミノ安息香酸をジアゾ化した後、シ
アン化銅を反応させるサンドマイヤー反応により合成さ
れている(Lucasetal.,J.Am.Che
m.Soc.,51(1929)2718)。また、ト
ルニトリルをクロム酸や過マンガン酸などの強力な試薬
酸化剤で酸化し合成する方法も知られている(Levi
ne et al.,J.Org.Chem.,24
(1959)115)、(Kattwinkel e
t.al.,Chem.Ber.,37(1904)3
226)。
【0003】最近では水系の溶媒中、一酸化炭素加圧
下、パラジウムーホスフィン触媒を用い、p−クロロベ
ンゾニトリルをカルボニル化することにより、p−シア
ノ安息香酸が合成できることが知られている(特開昭6
4−47号公報)。また、テレフタロニトリルの片側ニ
トリル基をモノニトリラーゼなどの酵素を用いて生物学
的に加水分解して、p−シアノ安息香酸を合成できるこ
とが報告されている(特開昭61−85194公報)。
本発明に関連のある先行技術として、テレフタロニトリ
ルを加圧下アンモニア水でニトリル基を加水分解する方
法がある(Arkhipova et a1.,J.G
en.Chem.USSR,33(1963)63
1)。この著者らによれば、テレフタロニトリルの片側
水和で生じるp一シアノベンズアミドのアミド基が加水
分解を受け、p−シアノ安息香酸ができるとしている。
【0004】以上のような方法のうち、サンドマイヤー
法は危険なシアン化銅を必要とし、シアン化水素の遊離
する酸性条件下でのp−シアノ安息香酸の単離精製は危
険でありかつ困難である。あるいはクロム酸や過マンガ
ン酸などの試薬酸化剤を用いた場合は有毒な重金属廃棄
物が化学量論量以上生成し、有毒な重金属を含む廃液が
大量にでて環境に対する間題が多い。またカルボニル化
では、高価なパラジウムとホスフィンを用いるため経済
的方法とはなり得ない。
【0005】酵素または微生物を用いる方法では、片側
ニトリル基の加水分解の選択性が十分でないうえ、反応
濃度をあげることができず生産性が低い。また、テレフ
タロニトリルの加水分解法では、目的のp一シアノ安息
香酸以外にテレフタラミン酸、テレフタラミド、テレフ
タル酸などの副生が避けられず、これら副生物との分離
が困難である。このように、p一シアノ安息香酸は、従
来知られている技術では合成に危険があったり、原料系
に高価な化合物の使用を必要としたり、合成が繁雑で副
生物が生成し、高純度化合物を得るのが困難であった
り、また原料の入手も容易ではないという問題があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、一般式
(2)のシアノ安息香酸化合物を、安全で環境汚染の問
題のない工業的に有利な方法により、高収率、高純度に
製造することにあり、特に医農薬中間体として有用なm
一またはp−シアノ安息香酸を高純度且つ高収率で製造
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、入手が容易
で、安定に供給される一般式(1)のシアノベンズアミ
ド化合物を出発原料として、ベンゼン環上のシアノ基を
損なうことなくアミド基(一CONH2 )をカルボキシ
ル基(一COOH)に変換することにより、上記目的を
達成することができた。すなわち、本発明は[1] 一
般式(1)
【化3】 (式中、一CONH2 と−Xはベンゼン環上の置換基を
表わし、−CONH2 は−CNのメタ位あるいはパラ位
であり、Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは
0〜4の整数を表わす。ただし、nが2以上の場合、X
は同一であっても異なっていても良い。)で示されるシ
アノベンズアミド化合物と亜硝酸を酸性条件下で反応さ
せることを特徴とする一般式(2)
【化4】 (式中、一COOHと−Xはベンゼン環上の置換基を表
わし、−COOHは一CNのメタ位あるいはパラ位であ
り、Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは0〜
4の整数を表わす。ただし、nが2以上の場合、Xは同
一であっても異なっていても良い。)で示されるシアノ
安息香酸化合物の製造方法、
【0008】[2] 亜硝酸塩と酸とから亜硝酸を生成
せしめる前記[1]に記載のシアノ安息香酸化合物の製
造方法、[3] 反応を、強酸性水系溶媒中、反応温度
5〜60℃でおこなう前記[1]または2に記載のシア
ノ安息香酸化合物の製造方法、[4] 反応を、実質的
に水を含まない酸性有機溶媒中、反応温度ー10℃〜1
00℃で行う前記[1]または[2]に記載のシアノ安
息香酸化合物の製造方法、及び[5] シアノベンズア
ミド化合物1モルに対し、亜硝酸塩を少なくとも等モル
〜10モル使用する前記[1]ないし[4]のいずれか
に記載のシアノ安息香酸化合物の製造方法を開発するこ
とにより上記の目的を達成した。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における反応方法は、原料
のシアノベンズアミド化合物及び亜硝酸塩を水系溶媒や
有機溶媒とともに反応器に仕込み、撹件下に所定の温
度、所定の時間、酸性条件下で反応させることにより行
われる。反応原材科の仕込みおよび反応は、加圧または
大気圧下で行うことができる。使用する反応器としては
ガラスあるいは耐強酸性金属容器が適する。本発明の反
応機構として、p−シアノベンズアミドからp−シアノ
安息香酸への反応を例にとり説明する。亜硝酸塩(MN
2 )とプロトン酸(HX)から亜硝酸が生成し[式
(3)]、これがp一シアノベンズアミドのアミド基と
が反応し、p−シアノ安息香酸ができる[式(4)]も
のと思われる。
【0010】
【化5】
【0011】
【化6】
【0012】本発明方法のシアノ安息香酸の合成に用い
られるシアノベンズアミド化合物としては、無置換のシ
アノベンズアミド化合物としてp−シアノベンズアミ
ド、m−シアノベンズアミドなどが挙げられ、これらは
それぞれテレフタロニトリルおよびイソフタロニトリル
の片側のニトリル基の水和反応(Berther et
a1.,Chem.Ber.,92(1959)261
6)で容易に合成できる。
【0013】ハロゲンで置換されたシアノベンズアミド
化合物としては、4一シアノー2,3,5,6一テトラ
クロロベンズアミド、3一シアノー2,4,5,6一テ
トラクロロベンズアミドなどの塩素化シアノベンズアミ
ド化合物があり、これらはテレフタロニトリルの塩素化
により得られるテトラクロロテレフタロニトリルなどの
塩素化テレフタロニトリル化合物およびイソフタロニト
リルの塩素化により得られるテトラクロロイソフタロニ
トリルなどの塩素化イソフタロニトリル化合物の片側ニ
トリル基の水和反応で容易に合成できる。4−シアノー
2,3,5,6−テトラフルオロベンズアミド、3一シ
アノー2,4,5,6一テトラフルオロベンズアミドな
どのフッ素化シアノベンズアミド化合物は、テトラクロ
ロテレフタロニトリルなどの塩素化テレフタロニトリル
化合物およびテトラクロロイソフタロニトリルなどの塩
素化イソフタロニトリル化合物をフッ素化反応すること
により得られるテトラフルオロテレフタロニトリルなど
のフツ素テレフタロニトリル化合物およびテトラフルオ
ロイソフタロニトリルなどのフツ素化イソフタロニトリ
ル化合物の片側ニトリル基の水和反応で高純度品を容易
かつ安全に合成できる。
【0014】本発明で使用する亜硝酸塩としては、亜硝
酸ナトリウム、亜硝酸カリウムなどを用いることができ
る。本発明で使用する亜硝酸塩の量は、シアノベンズア
ミド化合物に対してモル比で1〜10が好ましい。反応
は、酸性条件下、好ましくは強酸性の条件下で行われ
る。使用される酸としては、有機または無機のプロトン
酸である。無機酸としては、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸
などを用いることができ、特に溶媒を兼ねることができ
る硫酸が好適である。また有機酸としては、酢酸、プロ
ピオン酸、トリフルオロ酢酸などのカルボン酸、メタン
スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などのスル
ホン酸を用いることができ、特に溶媒を兼ねることがで
きる低沸点のカルボン酸が好適である。本発明で使用す
る酸の量は、理論的には亜硝酸塩と等モルでよいはずで
あるが、実際の反応には反応系に存在する亜硝酸以外に
過剰量のプロトン酸の存在が必要である。なお亜硝酸塩
として亜硝酸ナトリウムを用いる時、添加する酸が亜硝
酸に対して弱酸(酢酸など)である時は溶媒量相当の大
過剰量が必要である。添加する酸が亜硝酸より遥かに強
い酸の場合は、反応速度の点から1.5倍量(当量比)
程度用いることが好ましい。特に溶媒を兼ねて70重量
%以上の濃度の濃硫酸が最も好適である。
【0015】本反応で用いられる溶媒系としては、水単
独、含水有機溶媒などの水系溶媒、または実質的に水を
含まない有機溶媒など広範囲の溶媒が使用できる。水単
独の場合は無機プロトン酸の存在下で反応を行う。含水
有機溶媒の場合は通常水と均一に混合する有機溶媒を用
い、無機酸あるいは有機酸の存在下で反応をおこなう。
含水有機溶媒に用いることができる有機溶媒としては、
ジオキサン、ジグライムなどの工一テル系、メタノー
ル、エタノールなどのアルコール系、アセトニトリルな
どのニトリル系、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸
類が用いられる。
【0016】実質的に水を含まない有機溶媒の場合は、
塩酸ガスなど水を含まない無機酸およひ有機酸の存在下
で反応をおこなうが必ずしも強酸性条件下を必要としな
い。この場合に用いることができる有機溶媒としてはホ
ルムアミド、ジメチルホルムアミドなどの極性アミド
系、ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含イオウ
系、l,3−ジメチルー2−イミダゾリジオンなどのイ
ミダゾリドン系、ジオキサン、l,2−ジメトキシエタ
ン、ジグライムなどの工一テル系、ジクロロメタン、ク
ロロホルム、1,2一ジクロロエタンなどのハロゲン
系、メタノール、エタノールなどのアルコール系、ベン
ゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系、無水酢酸、無
水プロピオン酸などの酸無水物系、酢酸、トリフルオロ
酢酸、プロピオン酸などの有機カルボン酸系などが用い
られる。有機溶媒は単独で用いてもよいし、混合して使
用してもよい。
【0017】本反応に使用する溶媒量は、シアノベンズ
アミド化合物の重量の5〜100倍が好適である。反応
温度は、本反応の溶媒として水単独あるいは含水有機溶
媒と実質的に水を含まない有機溶媒を用いた場合では異
なる。溶媒に水単独およひ含水有機溶媒を用いる場合に
は、添加する酸の種類及びその濃度にもよるが反応温度
が低すぎると原料のシアノベンズアミド化合物の溶解度
が低く反応速度が遅くなり、高すぎると原料のシアノベ
ンズアミド及び生成物のシアノ安息香酸化合物のニトリ
ル基が水和、加水分解を受けて収率が低くなるため、5
℃〜60℃が好ましく、10℃〜30℃がより好まし
い。一方、実質的に水を含まない有機溶媒を用いた場合
には、ニトリル基はプロトン酸に極めて鈍感なため分解
の危険が少なく、トリフルオロメタンスルホン酸などの
強い酸性条件下でも副反応が少なく実施できるためー1
0℃〜100℃が好ましく、0℃〜80℃がより好まし
い。また本反応の反応時間は、溶媒の組成によるが、1
0分〜10時間が好適である。
【0018】反応終了後、得られたシアノ安息香酸化合
物の単離精製については、反応が強酸性水溶液の場合
は、シアノ安息香酸化合物は水に対する溶解度が極めて
低く、シアノ安息香酸化合物は反応終了後析出する。こ
れをろ過分離し、水洗乾燥するだけで用いたシアノベン
ズアミド化合物の純度を反映した純度のシアノ安息香酸
化合物が得られる。一方、有機溶媒の場合には、使用し
た反応溶媒によりシアノ安息香酸化合物は析出したり、
溶解したままでいる。析出している場合にはろ過、水
洗、乾燥するだけで単離精製できる。またシアノ安息香
酸が溶解している場合は、低温、真空下で溶媒を留去
し、残渣に水を加え、シアノ安息香酸を析出させ、更に
ろ過、水洗、乾燥する。この場合にもシアノ安息香酸化
合物の純度は用いたシアノベンズアミド化合物の純度を
反映する。
【0019】
【実施例】以下に実施例を用いてさらに詳しく本発明を
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。なお分析は次に示す条件で行った。 [高速液体クロマトグラフ分析条件] カラム Shodex(登録商標:昭和電工株式会社) DE−513L+ プレカラム 溶離液 水/アセトニトリル/酢酸=2250/750/15(ml) 1−オクタンスルホン酸ナトリウム6.45g 条件流量 1ml/min UV254nm カラムオーブン 40℃
【0020】(実施例1)70%重量濃度の硫酸水溶液
l00mlに亜硝酸ナトリウム2.07gを加え溶解さ
せた。p一シアノベンズアミド2.92gを加え攪拌さ
せながら室温で1時間反応させた。析出した結晶をろ取
し、水洗後乾燥してp一シアノ安息香酸2.77g(収
率95%)を得た。高速液体クロマトグラフの分析によ
り得られたpーシアノ安息香酸の純度は99%以上であ
った。
【0021】(実施例2)70%重量濃度の硫酸水溶液
100mlに亜硝酸ナトリウム2.07gを加え溶解さ
せた。m一シアノベンズアミド2.92gを加え橙枠さ
せながら40℃で1時間反応させた。析出した結晶をろ
取し、水洗後乾燥してm一シアノ安息香酸2.68g
(収率92%)を得た。純度は99%以上であった。
【0022】(実施例3)p一シアノベンズアミド1.
46g、酢酸20mlを混合し、室温で激しく撹拌し、
続いて亜硝酸ナトリウム2.07gを加え、直ちに95
%重量硫酸3g添加し、1時間激しく攪拌させた。減圧
下酢酸を留去し、残査に水40mlを加えた。析出した
結晶をろ取し、水洗後乾燥してp−シアノ安息香酸l.
26g(収率86%)を得た。純度は95%であった。
【0023】(実施例4)p一シアノベンズアミド1
4.6g、亜硝酸ナトリウム20.7g、酢酸200m
1、無水酢酸20m1を混合し、5℃で激しく撹件し
た。トリフルオロ酢酸35gを3時間かけて滴下し、さ
らに5時間激しく撹拝させた。減圧下溶媒を留去し、残
査に水300mlを加えた。析出した結晶をろ取し、水
洗後乾燥してpーシアノ安息香酸13.4g(収率92
%)を得た。純度は98%であった。
【0024】(実施例5)m−シアノベンズアミド2.
92g、亜硝酸ナトリウム2.76g、ジメチルスルホ
キシド50m1を混合し、室温で激しく撹件した。メタ
ンスルホン酸3.95gを10分間かけて滴下し、さら
に3時間激しく撹件させた。減圧下溶媒を留去し、残査
に水50mlを加えた。析出した結晶をろ取し、水洗後
乾燥してmーシアノ安息香酸2.57g(収率88%)
を得た。純度は96%であった。
【0025】(実施例6)イソフタロニトリル2.56
g、50重量%濃度硫酸100mlを混合し、70℃で
激しく攪拌した。亜硝酸ナトリウム8.6gを1時間か
けて少量づつ添加した。結晶をろ取し、結晶に水を加え
た後、氷冷下、水酸化ナトリウムを加え、pH=8に調
整した。不溶物をろ過した後、所得したろ液に氷冷下濃
硫酸を加えpH=6に調整した。析出した結晶をろ取
し、ろ液を再度pH=6に調整し、結晶を析出させ、結
晶をろ取した。この操作を計3回行った。所得した結晶
をあわせて、水洗後乾燥してm−シアノ安息香酸1.5
3g(収率52%)を得た。純度は93%であった。
【0026】(実施例7)テレフタロニトリル12.8
g、水酸化ナトリウム2.4g、水1.5g、tert
−ブチルアルコール300mlを混合し、80℃で激し
く攪拌した。溶媒を留去し、亜硝酸ナトリウム16.6
g、酢酸250ml、無水酢酸25mlを混合し、5℃
で激しく攪拌した。トリフルオロ酢酸27gを3時間か
けて滴下し、更に5時間激しく攪拌を継続した。減圧下
に溶媒を留去し、残渣に水500mlを加えた。氷冷
下、溶液に水酸化ナトリウムを加え、pH=8に調整し
た。不溶物をろ過した後、所得したろ液に氷冷下濃硫酸
を加え、pH=4に調整した。析出した結晶をろ取し、
水洗後乾燥してp−シアノ安息香酸10.6g(収率7
2%)を得た。純度は95%であった。
【0027】
【発明の効果】本発明のシアノ安息香酸化合物の製造方
法による時は、フタロニトリル化合物から容易に得られ
るシアノベンズアミド化合物と安価な亜硝酸塩から、危
険の多い化合物または高価な原料を使用することなく、
重金属などを含む環境汚染の問題のある廃液の排出もな
く、また分離困難な副生物の生成もないところから高純
度のシアノ安息香酸化合物を高収率で簡単に製造するこ
とができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月16日(1998.9.1
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】 (式中、一CONH2 と−Xはベンゼン環上の置換基を
表わし、−CONH2 は−CNのメタ位あるいはパラ位
であり、Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは
0〜4の整数を表わす。ただし、nが2以上の場合、X
は同一であっても異なっていても良い。)で示されるシ
アノベンズアミド化合物と亜硝酸を酸性条件下で反応さ
せることを特徴とする一般式(2)
【化2】 (式中、一COOHと−Xはベンゼン環上の置換基を表
わし、−COOHは一CNのメタ位あるいはパラ位であ
り、Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは0〜
4の整数を表わす。ただし、nが2以上の場合、Xは同
一であっても異なっていても良い。)で示されるシアノ
安息香酸化合物の製造方法。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、一CONH2 と−Xはベンゼン環上の置換基を
    表わし、−CONH2 は−CNのメタ位あるいはパラ位
    であり、Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは
    0〜4の整数を表わす。ただし、nが2以上の場合、X
    は同一であっても異なっていても良い。)で示されるシ
    アノベンズアミド化合物と亜硝酸を酸性条件下で反応さ
    せることを特徴とする一般式(2) 【化2】 (式中、一COOHと−Xはベンゼン環上の置換基を表
    わし、−COOHは一CNのメタ位あるいはパラ位であ
    り、Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは0〜
    4の整数を表わす。ただし、nが2以上の場合、Xは同
    一であっても異なっていても良い。)で示されるシアノ
    安息香酸化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 亜硝酸塩と酸とから亜硝酸を生成せしめ
    る請求項1に記載のシアノ安息香酸化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 反応を、強酸性水系溶媒中、反応温度5
    〜60℃でおこなう請求項1または2に記載のシアノ安
    息香酸化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 反応を、実質的に水を含まない酸性有機
    溶媒中、反応温度ー10℃〜100℃で行う請求項1ま
    たは2に記載のシアノ安息香酸化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 シアノベンズアミド化合物1モルに対
    し、亜硝酸塩を少なくとも等モル〜10モル使用する請
    求項1ないし4のいずれか1項に記載のシアノ安息香酸
    化合物の製造方法。
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EP0989115A3 (en) * 1998-09-24 2001-04-04 Showa Denko Kabushiki Kaisha Process for producing cyanobenzoic acid derivatives
EP1508567B1 (en) * 1998-09-24 2006-11-15 Showa Denko Kabushiki Kaisha Process for producing cyanobenzoic acid derivatives

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