JP2000143246A - リチウムマンガン複合酸化物の製造方法 - Google Patents

リチウムマンガン複合酸化物の製造方法

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JP2000143246A
JP2000143246A JP10314338A JP31433898A JP2000143246A JP 2000143246 A JP2000143246 A JP 2000143246A JP 10314338 A JP10314338 A JP 10314338A JP 31433898 A JP31433898 A JP 31433898A JP 2000143246 A JP2000143246 A JP 2000143246A
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composite oxide
compound
manganese composite
producing
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Setsuo Yoshida
節夫 吉田
Takashi Mori
隆 毛利
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Abstract

(57)【要約】 【構成】マンガン化合物とリチウム化合物によりリチウ
ムマンガン複合酸化物を合成するにおいて、これらの化
合物原料を第一段の混合を施した後、第二段の混合を行
い、粉体のまま又は造粒した後、空気流通下及び/又は
酸素流通下で焼成してなるリチウムマンガン複合酸化物
の製造方法、及び、マンガン化合物とリチウム化合物に
少なくとも一種以上の異種元素原料を添加するリチウム
マンガン複合酸化物の製造方法。 【効果】本発明は原料の混合性を極めて均一にするため
の最良化を図ったものであり、さらに、焼成雰囲気を制
御した相互作用により長期に渡ったサイクル安定性を維
持できるリチウムマンガン複合酸化物の製造が可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウムマンガン複
合酸化物の製造方法に関するものであり、さらに詳しく
は反応性に富み不純物相を含有しない、しかも、極めて
サイクル安定性に優れたリチウムマンガン複合酸化物の
製造方法とその用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池は高エネルギ−密度、
高出力であること、並びに時代のニ−ズである小型・軽
量化に最適な新世二次電池として期待されているエネル
ギ−ソ−スである。
【0003】リチウム二次電池用の正極材料としては、
Co系(LiCoO2)、Ni系(LiNiO2)および
Mn系(LiMn24、LiMnO2)に代表される。
【0004】特に、LiCoO2、LiNiO2並びにL
iMn24は作動電圧が高く、4V級の電池として開発
が進められ、LiCoO2を正極材料に用いたリチウム
イオン二次電池は既に実用化され市場に定着化し、確実
な地位を確保しつつある。しかしながら、LiCoO2
は正極のリチウム電池のコストに占める割合が高いこ
と、並びに資源的な制約をうけることよりLiNiO2
又はLiMn24への転換が鋭意検討されており、Mn
系は既に一部市場に提供されている。また、エネルギー
貯蔵用及び電気自動車用等の大型、大容量への用途開発
を考慮するとコスト、安全性並びに安定性の面で優位に
あるMn系への要求が有望視される。
【0005】リチウムマンガン複合酸化物の主な合成法
としては、固相合成法及び液相合成法に類別できるが通
常は、作業性及びプロセス工程の面で固相合成法が適用
される。
【0006】一般的な固相合成法はリチウム原料とマン
ガン原料を目的とするモル比に混合し、大気中で一段又
は二段の焼成を行うことにより合成される。また、混合
した後、造粒、成型を経ることにより合成される。
【0007】固相合成法におけるリチウムマンガン複合
酸化物の合成は混合性及び焼成条件に大きく左右され
る。
【0008】粉末同志を混合する固相合成法では混合機
を選定して入念に混合した場合、見掛け上は均一に混合
された状態を呈するが完全な均一状態とすることは困難
であるものと思われ、微視的には不均一部が残存する。
この不均一混合は、粒子形状が不定形で、粒子サイズが
大きいほど不均一性は増大し、反応性は低下する。ま
た、粒子サイズが小さいと均一性は向上する傾向にある
が、微粒子が混合機の側面に付着、或は原料粉体密度の
相違の拡大により原料の相分離要因となって不均一性が
増大する傾向にある。
【0009】この様な混合粉を用いて焼成して得られた
合成物を電池の正極活物質として用いた場合、初期の電
気化学特性は比較的良好な特性を示すが、充放電の繰り
返しによるサイクル特性に幾分問題を生じ50サイクル
程度の充放電の繰り返しにより容量に優位差を生じる。
この要因は微量ながら極在化する不均一部によるMn2
3,Mn34或はLi4Mn512等の不純物相の生成
及び構造を支配すると思われる焼成の不適正化が引き金
となって生ずる構造の不安定性にあると思われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記するように固相合
成法では原料粉末の混合状態が生成物の特性を大きく左
右し、不均一混合部の存在が不純物相の生成を招く要因
となる。また、焼成条件、特に雰囲気制御の僅かな相違
が目的とする結晶構造に微量に影響する。これらの僅か
な工程要素の相違が電気化学特性に反映しサイクル維持
率の低下を招く。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、長期に渡
って安定したサイクル特性を維持できるリチウムマンガ
ン複合酸化物の合成を目的に鋭意検討を行なった結果、
マンガン化合物とリチウム化合物、場合により他の異種
元素原料を用いる合成において、これらの原料を第一段
の混合を施した後、第二段の混合を行い、粉体のまま又
は造粒した後、空気流通下及び/又は酸素流通下で焼成
することにより不純物相混入の無い構造の安定した、サ
イクル劣化の極めて小さいリチウムマンガン複合酸化物
が合成できることを確認し本発明を提案するに至った。
【0012】
【作用】本発明は、マンガン化合物とリチウム化合物に
よりリチウムマンガン複合酸化物を合成するにおいて、
これらの原料を第一段の混合を施した後、第二段の混合
を行い、粉体のまま又は造粒した後、空気流通下及び/
又は酸素流通下で焼成するものである。
【0013】第一段の混合、所謂、予備混合を施すこと
により原料の偏りを解消し、原料同志の馴染みを持たす
ことを目的とし、第二段の混合で均一化を図るものであ
る。例えば、第一段の混合を経由しない場合、局部的に
不均一分布が必ず発生する。この現象は原料の色調が異
なるときは混合粉を擦り合わせる動作により目視で明ら
かに判断される。
【0014】二段の混合を施した混合粉を用いて空気流
通下及び/又は酸素流通下、即ち酸化性の雰囲気で焼成
を行うものであり、前工程の二段の混合性との相互作用
により構造の安定性は極めて向上する。この効果の判断
は、得られたリチウムマンガン複合酸化物を正極材料と
して使用して試作した二次電池の長期のサイクル挙動よ
り明確となるものである。
【0015】例えば、二段の混合を行った後、通常の大
気中で焼成を行う場合、又は、通常の一段混合を行った
後、空気流通下及び/又は酸素流通下で焼成を行うとこ
の長期安定性は充分とは言いにくい。
【0016】このことより、本発明の合成法により得ら
れる物質は不純物相混入の無い構造の安定した、しか
も、リチウム二次電池の正極活物質として適用した場
合、サイクル安定性に極めて富んだリチウムマンガン複
合酸化物となるものである。
【0017】本発明の構成要素は、要約すると二段の混
合と雰囲気制御した焼成の相互作用にある。
【0018】以下、本発明を実施態様を例示し、さらに
詳述する。
【0019】例えば、LiMn24を合成する場合、マ
ンガン化合物とリチウム化合物をモル比=2:1で秤
量、分取し、これらの原料を混合機に投入し、第一段の
混合を行う。次に、高速流動型の混合機に移行させ、剪
断、解砕、圧縮作用により第二断の混合を施し、水を添
加して造粒体を形成する。この造粒体を空気を流通させ
ている電気炉に投入し任意の温度条件で焼成することに
より合成されるものである。
【0020】混合は二段階で行われる。
【0021】第一段の混合は原料の塊の分散及び原料の
馴染みの促進、さらには、静電気作用による混合機側壁
への原料の付着防止を目的とするものであり、混合機能
を比較的低下させた簡易的な混合で充分目的は達成され
るものである。
【0022】方法としては、容器回転型、容器固定型の
混合機での対応も可能であるが、ポリ袋に原料を投入し
袋を揺り動かすことによっても充分目的は達成できるも
のである。
【0023】第二段の混合は混合度の向上を目的とする
ものであり、好ましくは剪断、解砕、圧縮作用を伴う混
合機を採用することにより均一に混合される。
【0024】混合粉は粉体のまま次工程の焼成に移行す
ることも出来るが造粒、成型を行うことにより焼成する
ことも出来る。ここで、反応性の向上、粒度分布の均一
化並びに粉体の飛散抑制、延いては組成ズレの抑制を考
慮すると造粒形態である方が好ましい。特に、次工程の
焼成炉がキルン炉のような容器回転型炉である場合、炉
壁への堆積が抑制され、伝熱性は損なわれること無く、
反応性は明らかに向上する。
【0025】焼成は所望とする結晶系を得るために行う
ものである。
【0026】空気流通下及び/又は酸素流通下の酸化力
を有する状態で焼成することにより結晶構造の安定化が
図られる。
【0027】焼成時に流通する流量の基準は用いられる
リチウム化合物のリチウム1mol原子に対し0.5m
ol以上の空気量とし、この空気量を昇温に要す時間と
焼成保持時間の合計時間で除した流速で昇温開始より降
温終了時まで通気させるものであり、より好ましくはリ
チウム1mol原子に対する空気量の2.5倍量以上の
流量を通気することにより行われる。さらに好ましく
は、必要空気量を昇温に要す時間で除した流速で流通さ
せるものである。
【0028】酸素流通下で焼成を行う場合は、必要空気
量を酸素量に換算することにより対応される。
【0029】例えば、前記LiMn24の合成に任意の
マンガン化合物と1molのLiOHを用い、焼成を8
00℃で10時間、昇温時間を200℃/hrとする
と、空気流通速度は0.013dm3/minとなる。
【0030】本発明による合成法で得られた物質は、従
来の一般的な混合、焼成により得られた物質より結晶構
造の安定性は向上しているものと思われ、サイクル特性
は明らかに向上する。
【0031】本発明に用いられるマンガン化合物は特に
限定されるものではなく、MnO2,Mn23,Mn3
4等いかなる化合物が用いられる。
【0032】マンガン化合物の粒径も制限されるもので
はないが、本発明者等の検討によると最終的に得られる
リチウムマンガン複合酸化物の粒子径はマンガン化合物
の粒子径を反映すること、また、電池構成における体積
容量を考えるとマンガン化合物の凝集粒子の粒子径は1
μm〜50μmの粒子径のものを用いることが望まし
い。
【0033】本発明はマンガン化合物とリチウム化合物
の二成分系の他に、これらの原料と相違する少なくとも
一種以上の異種元素原料を添加して行うこともできる。
【0034】添加する異種元素原料は粉粒体形状を有す
るものであれば特に限定されるものではないが、通常は
非金属以外の元素が適用される。
【0035】異種元素原料の平均粒子径は混合性の観点
より小さい方が好ましく、10μm以下の粒子径のもの
を適用することが望ましい。
【0036】本発明のリチウム化合物は炭酸リチウム及
び水酸化リチウムであり、その凝集粒子の平均粒子径が
0.5μm〜10μmを有し、好ましくは1μmから5
μmの粒子を用いることにある。
【0037】ここでいう平均粒子径とは、粒子の積分分
布曲線の50%に相当する粒子径を意味する、所謂、メ
ジアン径(D50)で、体積基準での平均粒子径である。
【0038】平均粒子径が0.5μm以下の場合、一つ
は、機械的に粉砕が困難であり、加工費が高騰するこ
と、そして一つは、粒子密度の差異が増大し、原料が相
分離して第一段での予備混合での原料の馴染みが小さ
く、さらには、静電気作用により混合機壁への付着を生
じる。さらに、第二段の混合に移行しても微細粒子が不
均一に分布し量論組成を逸脱しやすいことにある。一
方、平均粒子径が10μm以上では、混合度が低下し、
結果的に不均一部が残存し、量論組成の逸脱部を形成し
不純物相が出現することにある。
【0039】炭酸リチウム及び水酸化リチウムは比較的
吸湿性が低く粒子がサラサラした状態に有り混合性に有
利であること、また、分解ガスによる環境汚染が低いこ
と、作業面でのハンドリングが容易であること、さらに
は、吸湿性が低いため加工前後の保存、管理が容易であ
ることにある。
【0040】本発明は第二段目の混合を容器固定型の高
速流動型混合機を用いることにある。
【0041】第二段の混合目的は第一段の混合で原料を
分散させ原料同志を馴染ませた粉体を均一に混合すると
ころにあり、前述したように剪断、解砕、圧縮作用を伴
う混合機を選定することにより達成される。
【0042】容器固定型の高速流動型混合機は高速回転
の羽根の剪断衝撃作用により粉粒体を分散させて混合す
る原理のものであり代表的混合機にヘンシェルミキサ−
等がある。また、より混合度の向上を目的に円周方向に
直交した回転を起こす回転翼を装備した混合機の適用は
本発明の効果をより顕著にするものである。
【0043】混合した粉粒体はそのまま又は造粒体とし
て供給することができる。
【0044】造粒体は第二段目の混合機を用いてなされ
る。
【0045】容器回転型の混合機、代表的にはマルメラ
イザ−があるが該混合機は核形成を行い転動、造粒する
様式であり工程が複雑化する。また、転動、造粒は自重
による圧密であるため本発明に用いられる粉粒体は密度
の点で適応性に問題がある。
【0046】その点、容器固定型で、且つ、高速流動型
混合機の機能は剪断、圧縮力に有るため本発明の粉粒体
の造粒には好適である。また、混合と造粒を一機種で併
用できることは作業効率性において大きな利点になる。
【0047】焼成は空気流通下及び/又は酸素流通下、
500℃以上、950℃以下で行うことが望ましく、よ
り好ましくは750℃から900℃で行われる。
【0048】焼成温度が500℃以下では結晶構造の発
達が充分でなく電気化学特性が不充分となる。また、サ
イクル維持率も大きく低下する。また、950℃以上の
温度では、Liの飛散が生じ組成ずれを生じると共に粒
子のネッキングが著しくなり焼結を生じて粒子は著しく
粗大化し、電気化学特性は著しく低下したものとなる。
【0049】本発明の製造法により得られたリチウムマ
ンガン複合酸化物はリチウム二次電池の正極活物質とし
て用いることができ、長期に渡って優れた電気化学特性
を維持するものである。
【0050】本発明の非水系リチウム二次電池の負極と
しては、リチウム金属、リチウム合金及びリチウムがド
−プ、脱ド−プできる炭素質材料が用いられる。
【0051】また、本発明の非水リチウム二次電池の電
解質は特に制限されないが、例えば、カ−ボネ−ト類、
スルホラン類、ラクトン類及びエ−テル類等の有機溶媒
中にリチウム塩を溶解したものやリチウムイオン導電性
の固体電解質を用いることができる。
【0052】本発明で得られたリチウム−マンガン複合
酸化物を正極材料として用いて、図1に示す電池を構成
した。図中において、:蓋、:テフロン製絶縁体、
:負極集電用メッシュ、:負極、:セパレータ
ー、:正極、:正極集電用メッシュ、:容器を示
す。
【0053】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に述べる
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0054】実施例1 水酸化リチウム(LiOH)と平均粒子径が15μmの
二酸化マンガン(MnO2)をLi/Mnモル比=1.
10:2となるように秤量し、第一段の混合としてリボ
ンブレンダ−を用い原料が飛散しないようにゆっくり回
転させ原料の塊を分散させた後、第二段の混合として高
速流動型混合機(バ−チカルグラニュレ−タ−:パウレ
ック製)に移し回転数を制御して一定時間混合した。こ
の混合粉の均一混合性を判断するため任意に20ヵ所の
サンプリングを行い誘導結合プラズマ(ICP)により
組成分析を行ったところ,20点の組成はいづれも2L
i/Mn=1.09〜1.11の範囲内にあり均一に混
合されていることが確認された。
【0055】この混合粉に4wt%のポリビニルアルコ
ール(PVA)を一定速度で滴下し、回転数を調整する
ことにより直径1mm〜3mmの造粒体を形成させた。
この造粒体の一部をアルミナ製のルツボに入れ、電気管
状炉に挿入した後、乾燥させた空気を20dm3/mi
nの流速で流通させ約1時間経過した後、200℃/h
rの昇温速度で加温し800℃に到達した時点で12時
間保持し、自然放冷して焼成を行った。通気は炉内温度
が150℃に低下した時点で停止させた。
【0056】得られた造粒体を任意の粒子径に粉砕し、
焼成粉のX線解析を行ったところJCPDS35−78
2と同一のピークパターンを示し、不純物ピークの無い
LiMn24であることが同定された。
【0057】この焼成粉を50mg採取し導電材のカ−
ボン粉末及び結着材のポリテトラフルオロエチレン粉末
を重量比で、88:7:5の割合で乳鉢混合した。この
混合物を1ton/cm2の圧力で13mmφのペレッ
トに成型した。これを図1の正極()として用い、図
1の負極()にはリチウム箔(厚さ0.2mm)から
切り抜いたリチウム片を用い、電解液にはプロピレンカ
−ボネ−トと1,2ジメトキシエタンを体積比で1:1
の割合で混合した液にLiPF6を1mol/dm3濃度
で溶解した電解液を図1のセパレ−タ()に含浸させ
て、図1に示す電極面積1.33cm2の電池を構成し
た。
【0058】上記方法で作製した電池を用いて、1.3
3mAの一定電流で電池電圧が3.5V〜4.5Vの範
囲で充放電を繰り返した。
【0059】放電容量は1サイクル目が112mAh/
gで50サイクル目の1サイクル目に対する維持率は9
9.90%/サイクルであった。
【0060】実施例2 実施例1の原料を用い、Cr23とのモル比がMn:L
i:Cr=1.9:1.10:0.1となるように秤量
し、実施例1と同一の方法で混合、造粒を行った。この
造粒体を任意に10個採取し組成分析をICPにより行
った。得られた2Li/(Mn+Cr)モル比は1.0
9〜1.11となり、Cr/(Mn+Cr)モル比は
0.052〜0.048であった。
【0061】得られた造粒体を実施例1と同様の方法で
焼成した。焼成粉のX線解析を行ったところ実施例1と
同一パターンを示し、スピネル単相であることが確認さ
れた。この造粒体を分級し、実施例1と同一方法により
電池を構成し評価を行った。
【0062】放電容量は1サイクル目が112mAh/
gで50サイクル目の1サイクル目に対する維持率は9
9.92%/サイクルであった。
【0063】実施例3 平均粒子径15μmの二酸化マンガン(MnO2)と凝
集粒子の平均粒子径が4μmの炭酸リチウム(Li2
3)と凝集粒子の平均粒子径が1.5μmの酸化クロ
ム(Cr23)をモル比がMn:Li:Cr=1.9:
1.10:0.1となるように秤量し、Li2CO3とC
23をポリ袋に投入し揺り動かすことにより混合した
後、MnO2を添加し同様に揺さぶり第一段の混合を行
った。次に、実施例1と同様の混合機を用いて第二段の
混合を行った。この混合粉の一部をメノ−乳鉢に取り乳
棒でゆっくり擦りつけたところLi2CO3の白色は確認
されなかった。
【0064】この混合粉に4wt%PVAを滴下し、第
二段の混合機により造粒を行った。この造粒体の任意の
場所より10個サンプリングし、組成分析をICPによ
り行った。得られた2Li/(Mn+Cr)モル比は
1.10となり、Cr/(Mn+Cr)モル比は0.0
5であり極めて均一性に優れていることが確認された。
【0065】この造粒体を10dm3/minの乾燥空
気を流通させたキルン炉に投入し、100℃/hrの昇
温速度で850℃、10時間の焼成を行った。
【0066】得られた焼成体を150μm以下の粒子に
粉砕し、焼成粉のX線解析を行ったところ実施例1と同
一パターンのスピネル単相であることが確認された。こ
の焼成粉を用いて実施例1と同一の方法で電池の構成を
行った。
【0067】電気化学特性を図2に示す。
【0068】初期容量は112mAh/gであり、50
サイクル目の容量は110mAh/gとなり、維持率9
9.96%/サイクルの特性を示した。
【0069】比較例1 実施例3の原料と組成比で秤量し、第一段の混合操作を
経由しないまま第二段の混合操作を行った。
【0070】混合粉は見掛け上、均一混合できているよ
うに観察できたが、混合機の側壁にLi2CO3の白色粉
の付着があり、また、プラスチック製のヘラで混合粉の
内部を観察したところ回転翼の近傍に白色粉が明らかに
確認できた。この混合粉のサンプリングポイントを数点
とし組成分析をICPで行ったところ2Li/(Mn+
Cr)=1.07〜1.13と分布の広い組成比となっ
た。
【0071】混合粉を実施例1と同様に造粒し、焼成を
行い得られた粉体のX線解析を行ったところ、LiMn
24の単相であることが確認された。
【0072】次に実施例1の構成により電池を作製し、
同一条件で充放電特性を測定したところ、初期特性は1
16mAh/gであったが、50サイクル目の1サイク
ルに対する維持率は99.80%/サイクルとなった。
【0073】比較例2 実施例1の二段で行った混合粉を用い、焼成を空気を流
通させない状態で行った。
【0074】X線解析はスピネル単相のパターンを示し
たが、電気化学特性は図2に示すように35サイクル近
辺より低下傾向となり50サイクル目の1サイクルに対
する維持率は99.84%/サイクルでとなった。
【0075】比較例3 実施例3において、平均粒子径が15μmの炭酸リチウ
ム(Li2CO3)を用いた以外は全て同一の操作を行っ
た。
【0076】混合粉をヘラで均しながら目視観察を行っ
たところ白色粉が点在しているのが確認された。また、
焼成粉のX線測定したところ2θ=33゜付近に不純物
ピークが出現しMn23が生成していることが確認され
た。
【0077】比較例4 マルメライザーによる転動、造粒を行うため、実施例1
の混合粉をビーカーに取り、4%PVAを滴下して撹拌
モーターにより造粒核の形成を試みたが、核同志の結合
を生じ核サイズは大小さまざまとなった。この核を用い
て転動、造粒を試験的に行ったがダマの形成が著しく造
粒することは出来なかった。
【0078】比較例5 実施例3の焼成を450℃で行った以外は同一の方法で
評価を行った。
【0079】X線解析において結晶構造はLiMn24
のピークパターンを示したが、ピーク強度が低く結晶成
長していないことが確認された。また、電池特性におい
ても維持率の低下が90%/サイクル以上となり正極活
物質には不適切であることが確認できた。
【0080】比較例6 焼成を980℃で行った以外は、実施例3と同一の原
料、条件で合成をおこなった。
【0081】その結果、粒子の異常粒成長が認められ、
電池特性は1サイクル目の放電容量は90mAh/gで
あり著しく低い特性となった。
【0082】
【発明の効果】以上述べてきた通り、本発明は原料の混
合性を極めて均一にするための最良化を図ったものであ
り、さらに、焼成雰囲気を制御した相互作用により長期
に渡ったサイクル安定性を維持できる電池正極材料用リ
チウムマンガン複合酸化物の製造が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例で使用した電池の断面概略
図である。
【符号の説明】 :蓋 :テフロン製絶縁体 :負極集電用メッシュ :負極 :セパレーター :正極 :正極集電用メッシュ :容器
【図2】実施例3及び比較例2で得られたリチウムマン
ガン複合酸化物を正極として使用した場合の電池サイク
ル特性を示した図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マンガン化合物とリチウム化合物によりリ
    チウムマンガン複合酸化物を合成するにおいて、これら
    の化合物原料を第一段の混合を施した後、第二段の混合
    を行い、粉体のまま又は造粒した後、空気流通下及び/
    又は酸素流通下で焼成してなるリチウムマンガン複合酸
    化物の製造方法。
  2. 【請求項2】マンガン化合物とリチウム化合物の他に少
    なくとも一種以上の異種元素原料を添加して混合するこ
    とを特徴とする請求項1記載のリチウムマンガン複合酸
    化物の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1及び請求項2に記載のリチウムマ
    ンガン複合酸化物の製造方法において、リチウム化合物
    が炭酸リチウム及び水酸化リチウムであり、その凝集粒
    子の平均粒子径が0.5μmから10μmであることを
    特徴とするリチウムマンガン複合酸化物の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のリチウムマンガン複合酸
    化物の製造方法において、リチウム化合物が炭酸リチウ
    ム及び水酸化リチウムであり、その凝集粒子の平均粒子
    径が1μmから5μmであることを特徴とするリチウム
    マンガン複合酸化物の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4に記載のリチウムマンガン複
    合酸化物の製造方法において、第二段の混合に容器固定
    型の高速流動型混合機を用いることを特徴とするリチウ
    ムマンガン複合酸化物の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載のリチウムマンガン複合酸
    化物の製造方法において、第二段の容器固定型の高速流
    動型混合機を用いて造粒を行うことを特徴とするリチウ
    ムマンガン複合酸化物の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6に記載のリチウムマンガン複
    合酸化物の製造方法において、焼成を500℃以上、9
    50℃以下で行うことを特徴とするリチウムマンガン複
    合酸化物の製造方法。
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