JP2000142768A - 易開封性口栓 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】使用時に小さな注出孔を必要する容器に適用で
き、流通過程での外力により開封する危惧がなく、１パ
ーツで開封し易い易開封性口栓を提供する。 【解決手段】フランジ13の内周に周壁12を立設し、この
周壁の上端に中程から前方が前下がりに傾斜し後方が水
平な天板11を設け、後方の天板の中心部に環状薄肉脆弱
部14を形成し、この環状薄肉脆弱部の内側の天板上面に
支柱15を立設し、この支柱の上端に天板の先端部上に達
する天板に平行な開封操作板16を設け、この開封操作板
の前方部の下面に傾斜する前方の天板に立設する支持棒
17の先端を所定の力で離脱するように接続し、後方の天
板の開封操作板の後方近傍位置に保護板18を立設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液体用紙容器の頂
部などに突設される易開封性口栓に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、食品や非食品の液体内容物に使用
される液体用紙容器には、使用時の使い易さを考慮し
て、例えば図３（ａ）に示すように、胴部（２１）が四
角柱状で、切り妻屋根型の頂部の傾斜板（２２）にキャ
ップ（２００）とスパウト（１００）の２パーツからな
る口栓（１０）を突設させた液体用紙容器（２０）が広
く使用されていた。この口栓は、容器から突出するスパ
ウトの注出筒にキャップを螺合したものであるが、流通
保管時の密封性の完全さと使用時の易開封性を兼ね備え
るため、図３（ｂ）に示すように、スパウト（１００）
の注出筒（１１０）の内側下方に封鎖板（１３０）を設
けて封止し、この封鎖板の開封位置に環状薄肉脆弱部
（１３１）を周設する切取り部（１３２）を設け、この
切取り部の内側周縁にプルリング（１３４）を上端にも
つ支柱（１３３）を立設したものが広く使用されてお
り、容器を開封するときは、キャップを取り外し、スパ
ウトの注出筒の内側に収容されいるプルリングを指先に
掛けて上方へ引っ張って、切取り部を周設する環状薄肉
脆弱部を引き裂いて開封していた。なお、口栓の容器へ
の取り付けは、下端に設けられた図３（ｂ）に示すフラ
ンジ（１２０）（容器に接着するリング）の上面あるい
は下面を容器の内面あるいは外面に超音波シール法など
により熱融着して接着するものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の口栓は、容器を開封するときに、スパウトの注出
筒の内側に収容されているプルリングに指先を掛けて引
っ張ったときに、プルリングがウェルドマーク（成形時
の溶融樹脂の合流部分）から切れたり、小さくて掛けに
くいことなどがあった。また、このプルリングを用いる
開封方式は、注出孔が小さいもの例えば低粘度の内容物
で径が２．８ｍｍ程度の注出孔が一個でよい場合などに
は、適用することができなかった。

【０００４】本発明は、上述の従来の問題を解決するも
のであり、使用時に小さな注出孔を必要する容器に適用
でき、流通過程での外力により開封する危惧がなく、１
パーツで開封し易い易開封性口栓を提供するものであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、フ
ランジの内周に周壁を立設し、この周壁の上端に中程か
ら前方が前下がりに傾斜し後方が水平な天板を設け、前
記後方の天板の中心部に環状薄肉脆弱部を形成し、この
環状薄肉脆弱部の内側の天板上面に支柱を立設し、この
支柱の上端に天板の先端部上に達する天板に平行な開封
操作板を設け、この開封操作板の前方部の下面に前記傾
斜する前方の天板に立設する支持棒の先端を所定の力で
離脱するように接続し、前記後方の天板の開封操作板の
後方近傍位置に保護板を立設したことを特徴とする易開
封性口栓である。

【０００６】

【作用】本発明の易開封性口栓を取り付けた液体用紙容
器は、容器を開封するときに、口栓の開封操作板の先端
を指で引き上げると、開封操作板が支持棒の先端から分
離し、さらに開封操作板を引き上げると、支柱の下方に
設けられた天板の環状薄肉脆弱部が梃子の原理で切断さ
れて、天板に注出孔が開口して容器が開封する。この開
封操作は、ワンタッチででき極めて容易であり、また、
開口する注出孔は、開口機構から小口径のものでも可能
である。

【０００７】また、本発明の易開封性口栓は、流通過程
では開封操作板が前方部の下面を前方の天板に立設する
支持棒の先端と接続し、また、開封操作板の後方近傍に
は後方の天板に立設する保護板があり、故意に開封しな
い限り、流通過程での通常の自然の外力では開封するこ
とがない。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の易開封性口栓を一実施形
態に基づいて、次に図を用いて詳細に説明する。

【０００９】本発明の易開封性口栓の構造は、図１
（ａ）又は（ｂ）に示すように、フランジ（１３）の内
周に周壁（１２）を立設し、この周壁の上端に中程から
前方が前下がりに傾斜し後方が水平な天板（１１）を設
け、前記後方の天板の中心部に環状薄肉脆弱部（１４）
を形成し、この環状薄肉脆弱部の内側の天板上面に支柱
（１５）を立設し、この支柱の上端に天板の先端部上に
達する天板に平行な開封操作板（１６）を設け、この開
封操作板の前方部の下面に前記傾斜する前方の天板に立
設する支持棒（１７）の先端を所定の力で離脱するよう
に接続し、前記後方の天板の開封操作板の後方近傍位置
に保護板（１８）を立設するものである。

【００１０】なお、本発明の易開封性口栓は、ポリエチ
レンなどの熱可塑性樹脂を用いて射出成形法により一体
に成形して作製するものであり、上述の天板に形成する
環状薄肉脆弱部は、天板下面に切込みを設けて形成し、
上述の開封操作板と支持棒との接続は、開封時に開封操
作板の先端を指で引き上げたときに離脱するような断面
積、例えば径が１ｍｍφ未満で接続するものである。

【００１１】そして、口栓の容器への取り付けは、下端
に設けられた図１（ｂ）に示すフランジ（１３）の上面
あるいは下面を容器の内面あるいは外面に超音波シール
法などにより熱融着して接着するものであるが、取り付
けに対する方向性の規制はない。

【００１２】また、本発明の口栓を頂部の傾斜板（２
２）に取り付けた図２（ａ）に示す液体用紙容器（２
０）は、開封するときには、口栓（１０）の開封操作棒
（１６）の先端を指で引き上げると、開封操作板が支持
棒（１７）の先端から分離し、さらに開封操作板を引き
上げると、支柱（１４）の下方に設けられた天板（１
１）の図１（ｂ）に示す環状薄肉脆弱部（１４）が切断
されて分離し、図２（ｂ）に示すように、天板（１１）
に注出孔（１９）が開口して容器がワンタッチの操作で
開封する。

【００１３】

【発明の効果】本発明の易開封性口栓は、容器を開封す
るときには、開封操作棒の先端を指で引き上げるだけで
ワンタッチで開口でき、また、小さい注出孔が必要な場
合にも適用できる。

【００１４】また、本発明の易開封性口栓は、流通過程
での通常の自然の外力では開封する危惧がなく、そのう
え、１パーツで作製でき金型構造も従来のプルリング付
口栓と比較し簡単となり作製費用が安価である。

【００１５】規制が少なく、デザインの自由度が広がり
商品価値を高めることも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は、本発明の一実施形態の易開封性口栓
の平面図であり、（ｂ）は、その断面図である。

【図２】（ａ）は、図１の本発明の口栓を頂部に突設し
た液体用紙容器の斜視図であり、（ｂ）は、その口栓を
開封したときの状態を示す斜視図である。

【図３】（ａ）は、従来の一例の口栓を頂部に突設した
液体用紙容器の斜視図であり、（ｂ）は、その口栓のス
パウトの断面図である。

【符号の説明】

１０……口栓 １１……天板 １２……周壁 １３，１２０……フランジ １４，１３１……環状薄肉脆弱部 １５，１３３……支柱 １６……開封操作板 １７……支持棒 １８……保護板 １９……注出孔 ２０……液体用紙容器 ２１……胴部 ２２……傾斜板 １００……スパウト １１０……注出筒 １２０……フランジ １３０……封鎖板 １３２……切取り部 １３４……プルリング

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】フランジの内周に周壁を立設し、該周壁の
   上端に中程から前方が前下がりに傾斜し後方が水平な天
   板を設け、前記後方の天板の中心部に環状薄肉脆弱部を
   形成し、該環状薄肉脆弱部の内側の天板上面に支柱を立
   設し、該支柱の上端に天板の先端部上に達する天板に平
   行な開封操作板を設け、該開封操作板の前方部の下面に
   前記傾斜する前方の天板に立設する支持棒の先端を所定
   の力で離脱するように接続し、前記後方の天板の開封操
   作板の後方近傍位置に保護板を立設したことを特徴とす
   る易開封性口栓。