JPH0326141Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は、生ビール等の内圧を増大する飲料の封
入に用いるボトル、やや詳しくは、広口びんの口
部に嵌合したキヤツプの頂壁を全面的に広く破断
開口させるように形成したボトルに係る。

「従来の技術」 この種容器として、例えば、実公昭50−22957
号公報のものが知られている。該容器は、缶体の
頂壁周縁に肉薄破断線を周設すると共に、その頂
壁上面に破断用プルリングを付設しており、該プ
ルリングを引き上げることにより、肉薄破断線を
破断して開口するものであり、頂壁全体を広く開
口させて飲み易くしたものである。

「考案が解決しようとする課題」 しかし、上記従来例は、缶体の頂壁が平らであ
り、内圧が増大して頂壁に押上げ力が作用する
と、その大半がせん断応力として頂壁の外周部、
つまり、肉薄破断線に集中し、そのため、輸送時
の震動等により、内圧が急激に増大すると、肉薄
破断線が押上げ力に抗し切れずに不用意に破断す
る虞があり、よつて、耐圧性の点で問題があつ
た。また、そのような不都合を解消するために、
缶体頂壁の肉厚を厚くすると、アルミニウムで形
成した缶体の場合、コスト高を招き、かつ破断開
口が困難となる。

本案は、耐圧性が高く、破断開口が容易なボト
ルを安価に提供することを目的とする。

「課題を解決するための手段」 飽和ポリエステル樹脂による二軸延伸成形して
成る耐圧性広口びん１を設け、該広口びんの口部
１１に頂壁２１をアルミニウム板で形成した耐圧
性キヤツプ２を装着し、そのアルミニウム板の頂
壁２１を球面状に上方へと膨出させると共に、頂
壁周縁部に無端破断線２３を刻設し、かつ、該無
端破断線で囲成された頂壁上面に破断用プルリン
グ２４を付設した。

「作用」 如上の構成であり、広口びん１内に生ビール等
を収容し密閉して使用するが、飲用に供する際
は、キヤツプ２において、プルリング２４に指を
掛けて強く引き上げ、頂壁２１を無端破断線２３
にて破断させて開口させる。

「実施例」 図示のものは、飽和ポリエステル樹脂による二
軸延伸成形して成る耐圧性広口びん１を設け、該
広口びんの口部１１に頂壁２１をアルミニウム板
で形成し且つ周壁２２を適宜合成樹脂により射出
成形して成る耐圧性キヤツプ２を螺着し、その頂
壁２１を破断開口可能に構成すると共に、頂壁２
１上面に破断用プルリング２４を付設し、また、
キヤツプ２の周壁２２から把手３を一体に突設
し、上記広口びん１の底部に適宜合成樹脂により
射出成形して成る袴４を嵌着し、該袴の周壁４１
と上記把手３の下端とを連係している。

広口びん１は、飽和ポリエステル樹脂による二
軸延伸成形して成るものであり、まず、外周に螺
条１２を有する口部１１だけを完成形状とした肉
の厚いプリホームを、飽和ポリエステル樹脂によ
り射出成形し、次いで、該プリホームを口部１１
の下で二軸延伸二次成形して、胴部１３乃至底部
１４が肉薄で、該底部が下方へ弯曲膨出し、且
つ、該底部の周辺に嵌合凹溝１５を有する肉薄耐
圧びんに形成している。

キヤツプ２は、アルミニウム板をプレスして成
る円形の頂壁２１を有し、該頂壁を球面状に上方
へと膨出させると共に、該頂壁上面周縁部に無端
破断線２３を刻設し、かつ、該無端破断線で囲成
された頂壁上面に破断用プルリング２４を連設
し、頂壁２１の周縁に適宜合成樹脂により射出成
形した周壁２２を水密に連設し、該周壁の内周に
螺条２５を周設して、該周壁を以て広口びん１の
口部１１へ螺着し、且つ、該口部１１の頂面と頂
壁２１の内面との間にリング状のパツキング２６
を介在させている。なお、頂壁２１と周壁２２と
の結合は、周壁の成形の際にインサートさせても
よいし、超音波や接着剤等を用いて接着一体化し
てもよい。

把手３は、キヤツプ２の周壁２２の後面から腕
片３１を一体に突設し、該腕片の先端から肉薄ヒ
ンジ３２を介して短冊状で且つ下端が袴４の下部
にまで伸出する把持片３３を一体に垂設し、該把
持片の下部にもう１つの肉薄ヒンジ３４を形成
し、把持片の下端に鈎状のストツパ部３５を形成
しており、以上をキヤツプ２の周壁２２と一体成
形で形成している。

なお、把手３は、第３図に示すように、キヤツ
プ２の周壁２２と別体のものとし、腕片３１′の
基部３１a′を鈎形に形成して、キヤツプ２の周壁
２２へ係合させるようにしてもよい。

袴４は、適宜合成樹脂により射出成形して成
り、広口びん１の底部１４に対応させて適宜形状
に形成し、周壁４１の上端内縁に突条４２を周設
して、該突条を広口びん１の嵌合凹溝１５へ嵌合
させて該広口びんの底部１４へ嵌着しており、ま
た、周壁４１の後面上部に平面形状状の係止片
４３を一体に突設して、該係止片に把手３の把持
片３３の下部を挿通係合させている。

なお、図示の実施例では、把手付きのジヨツキ
としているが、把手のないカツプとしてもよい。

「考案の効果」 本案は、上記構成とするものであり、広口びん
の口部１１に頂壁２１をアルミニウム板で形成し
た耐圧性キヤツプ２を装着し、そのアルミニウム
板の頂壁２１を球面状に上方へと膨出させたか
ら、内圧が増大して耐圧キヤツプの頂壁２１に押
上げ力が作用すると、平らな頂壁の場合にその周
縁部に応力集中するせん断応力が、頂壁の球面状
の膨出により引張応力に姿を変えて減少し、しか
も、その引張応力は材質上から応力限度が高いの
で、頂壁２１周縁部の無端破断線２３において、
せん断耐力が比較的低くとも不用意に破断する虞
がなく、従つて、耐圧性を向上させることがで
き、また、その反面、人為的には容易に破断開口
させることができ、更に、頂壁２１の肉厚を薄く
してアルミニウムの使用量を節減することもでき
るから、耐圧性に優れたボトルを安価に製作する
ことができる。また、簡単に把手を付設できて、
ジヨツキ形にすることも可能であり、自動販売機
にも支障なく使用でき、頗る便利重宝である。

【図面の簡単な説明】

図面は、本案実施例で、第１図は、斜視図、第
２図は、截断側面図、第３図は、把手の変形例を
示す要部の截断側面図である。 １……広口びん、２……キヤツプ、３……把
手、４……袴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 飽和ポリエステル樹脂による二軸延伸成形して
   成る耐圧性広口びん１を設け、該広口びんの口部
   １１に頂壁２１をアルミニウム板で形成した耐圧
   性キヤツプ２を装着し、そのアルミニウム板の頂
   壁２１を球面状に上方へと膨出させると共に、頂
   壁周縁部に無端破断線２３を刻設し、かつ、該無
   端破断線で囲成された頂壁上面に破断用プルリン
   グ２４を付設したことを特徴とするボトル。