JP2000142229A - 自動車用ドアミラー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車種の異なる自動車のドアに取り付けること
ができるドアミラー装置を提供する。 【解決手段】 フロントドアーのドアミラーが取り付け
られるアウターパネル５の３角形領域１７に、この領域
より小さい形状の開口１４が形成され、この開口にミラ
ーベース１８が貫通して挿入され、インナーパネルに固
定される。アウターパネルとミラーベースの間には、シ
ール材２１が介在せしめられ、このシール材は、ミラー
ベース上を移動可能に装着される。したがって車種によ
ってミラーベース上の異なる場所にアウターパネルが位
置してもシール材の移動により、ミラーベースとアウタ
ーパネルの隙間はシールされる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、フロントドアの下
窓枠とピラーとの間の３角形領域に装着される自動車用
ドアミラー装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来この種自動車用ドアミラー装置は、
例えば図３、４に示す構造が知られている。すなわち、
ゴム、樹脂よりなる３角形のコーナーブラケット１に、
外方に水平に突出したミラーベース２が一体形成され、
このミラーベース２に、シャフト３を介してドアミラー
本体４が回転可能に取り付けられるのである。５はアウ
ターパネル、６は、アウターパネル５に形成された開口
で、コーナーブラケット１が嵌装される。７は、コーナ
ーブラケット１とアウターパネル５との間に配置された
弾性シートで、コーナーブラケット１とアウターパネル
５の間に生じる隙間をシールする作用をなす。８は、イ
ンナーパネルで、コーナーブラケット１に埋め込まれた
ボルト９が、ナット１０により固定される。１１は、シ
ャフト３をミラーベース２に固定するためのネジ、１２
は、インナーパネル８を被覆するガーニッシュ、１３
は、車内からコーナーブラケット１及びミラーベース２
を通ってドアミラー本体４へ電源を供給するコードであ
る。上記構成に関連する構造は、例えば特開平７−２２
３４９０号公報に開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記構造においては、
コーナーブラケットは自動車の車体形状に対応して設計
される必要がある。すなわち、フロントピラーの前後方
向の傾斜角にあわせてコーナーブラケット１の前方傾斜
角を決定しなければならず、また、コーナーブラケット
１の左右方向の傾斜角を、これが取り付けられるアウタ
ーパネル５の左右方向の傾斜角に一致させなければなら
ない。特にフロントピラーの前後方向の傾斜角及びアウ
ターパネル５の左右方向傾斜角は、自動車のデザインに
与える影響が大きいため、車種によって異なる場合が多
く、それゆえコーナーブラケット１及びミラーベース２
は車種ごとに設計しなければならなかった。

【０００４】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
ので、上述のごとくデザインの異なる車種であっても、
使用することができる自動車用ドアミラー装置を提供す
るものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る本発明
は、自動車フロントドアの下窓枠とピラーとの間の３角
形領域においてアウターパネルに形成された開口と、該
開口に貫通して挿入されるミラーベースと、該ミラーベ
ースの車体外側に取り付けられたドアミラー本体と、上
記ミラーベースの上記アウターパネルに接する部位に形
成され、上記ミラーベースと上記アウターパネルの隙間
を封鎖する弾性シール材とを備え、上記シール材は、上
記ミラーベースを弾性をもって締め付けると同時に、上
記ミラーベース表面上を移動可能であり、かつ上記ミラ
ーベースは、その車体内側において、車体インナーパネ
ルに固定されてなるものである。

【０００６】かかる構成において、ミラーベースは、ア
ウターパネルに形成された開口に外側から挿入され、イ
ンナーパネルに固定される。シール材は、ミラーベース
上をアウターパネルの位置に移動せしめられ、ミラーベ
ースとアウターパネル間の隙間を封鎖する。

【０００７】それゆえ、ミラーベースは、その取り付け
に関し、アウターパネルの左右方向傾斜角の影響を受け
ない。またミラーベースの形状はフロントピラーに形成
された開口の形状に一致し、ピラーの前後方向の傾斜角
とは無関係であるから、この傾斜角の影響も受けること
はない。

【０００８】また請求項２に係る本発明において、上記
シール材は、上記ミラーベースに弾性接触するバンド状
部分と、上記アウターパネルの外側面に弾性接触する外
側リップと、上記アウターパネルの内側面に弾性接触す
る内側リップ、とから構成することができる。かかる構
成において、アウターパネルは車内外からそれぞれシー
ル材のリップにより弾性押圧され、アウターパネルとミ
ラーベースとの間の隙間は封鎖される。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１，２において、１４は、自動
車フロントドアの下窓枠１５とフロントピラー１６との
間の３角形領域１７において、アウターパネル５に形成
された水平方向に長い長円形の開口である。この開口１
４は、３角形領域１７より小さく、したがってピラー１
６の前後方向の角度に制限を加えない形状とされる。１
８は、この開口１４に車体外側から貫通して挿入された
ミラーベースで、その断面形状は、開口の形状に相似
し、かつこれよりわずか小さい形状である。ミラーベー
ス１８の断面長円形部分は所定長さ、約２０〜３０mm程
度に設定される。１９はミラーベース１８の車体外側端
部に形成された凹部、３はこの凹部１９にネジ１１にて
ほぼ垂直方向に固定された前述のシャフト、４はこのシ
ャフト３に嵌合されたドアミラー本体で、シャフト３を
中心として回転可能である。

【００１０】ドアミラー本体４内には、これをシャフト
３を中心として回転駆動する電動格納駆動部（図示せ
ず）及びミラーを上下左右方向に傾動駆動するミラー駆
動部（図示せず）が収納されている。２０は、ミラーベ
ース１８の車体側端部に埋め込み形成されたボルトであ
る。このミラーベース１８の材料としては、高強度樹脂
であるポリアミド樹脂等が適しており、射出成形法によ
り成形される。

【００１１】２１は、ミラーベース１８の断面長円形部
分に巻かれたリング状の弾性シール材で、ミラーベース
１８の表面を移動できる。すなわちこのシール材２１
は、アウターパネル５が位置する部位に移動せしめら
れ、ミラーベース１８とアウターパネル５の間の隙間を
封鎖するのである。このシール材２１は、ミラーベース
１８に弾性接触するバンド状部分２２と、アウターパネ
ル５の外側面に弾性接触する外側リップ２３と、アウタ
ーパネル５の内側面に弾性接触する内側リップ２４を有
し、内側リップ２４は、ミラーベース１８とアウターパ
ネル５の隙間をくぐらせる必要があるため、この操作が
可能なようにやや低く形成されている。

【００１２】かかる構成であれば、シール材２１は、ミ
ラーベース１８に密着し、かつアウターパネル５を弾力
をもって挟むから、ミラーベース１８とアウターパネル
５の間の隙間は、完全にシールされる。シール材２１の
材料としては、耐候性、耐久性に優れたEPDM等のゴム、
エラストマーまたはこれらの発泡体が使用できる。

【００１３】２５は、ドアのインナーパネル８のドアミ
ラーに対応する部位に形成された取付け凹部で、この取
付け凹部２５に形成された孔（図示せず）にボルト２０
がはめ込まれ、ナット１０により締め付け固定される。
１２はこの取付け凹部２５を覆う前述のガーニッシュで
あり、インナーパネル８に固定される。１３は、インナ
ーパネル８とアウターパネル５の間の空間から、ミラー
ベース１８及びシャフト３を介して、ドアミラー本体４
に電源を供給する前述のコードである。この電源供給に
より、電動格納駆動部及びミラー傾動駆動部が駆動され
る。

【００１４】前述したようにフロントピラー１６の前後
方向の傾斜角θ１（図１）及びアウターパネル５の左右
方向の傾斜角θ２（図２）は、自動車のデザインに与え
る影響が大きいから、車種によって異なることが多い。
他方、インナーパネル８側における取付け凹部２５の位
置及び形状はデザインとは殆ど無関係であるから、構造
上の観点からのみの設計が可能である。またアウターパ
ネル５に形成される開口１４も、その形状が傾斜角θ１
に与える影響は殆どない。したがって、上記２つの傾斜
角が異なる車種であっても、インナーパネル８の取付け
凹部２５及び開口１４の形状（側面から見た形状）を一
定に設計しておけば、ミラーベース１８は、これらに使
用できるのである。

【００１５】例えば図２において、アウターパネル５の
傾斜角θ２が異なり、一点鎖線Aで示す位置にあったと
しても、シール材２１はミラーベース１８表面上を滑っ
て移動するから、アウターパネル５とミラーベース１８
の隙間は無理なく封鎖される。さらにミラーベース１８
の断面長円形部分は、左右方向に所定の長さを有するか
ら、アウターパネル５のインナーパネル８に対する左右
方向の間隔が多少異なる構造であったとしても、シール
材２１の移動によりその差を吸収できる。さらにまた同
一車種において生じるミラーベース１８とアウターパネ
ル５間の誤差も、このシール材２１にて吸収することが
できる。

【００１６】上記構造のドアミラー装置の車体への装着
に際しては、まずミラーベース１８の外側端部の凹部１
９にシャフト３が取り付けられ、このシャフト３にドア
ミラー本体４が取り付けられる。ミラーベース１８にシ
ール材２１がわずかに広げられて嵌装され、かつコード
１３が通された状態で、車体の外側から開口１４に挿入
され、インナーパネル８の取付け凹部２５の孔にボルト
２０部分が嵌め込まれる。次いでシール材２１の内側リ
ップ２４がアウターパネル５とミラーベース１８との隙
間から車内側へ押し込まれ、内側リップ２４と外側リッ
プ２３にてアウターパネル５が弾性をもって挟まれる。
続いてナット１０をボルト２０に締め付けて、ミラーベ
ース１８はインナーパネル８に固定される。取付け凹部
２５には、ガーニッシュ１２が被せられる。

【００１７】

【発明の効果】本発明（請求項１）によれば、ミラーベ
ースは、ドアフロントピラーの前後方向の傾斜角に影響
を与えず、かつアウターパネルの左右方向の傾斜角が異
なる場合にも、シール材の移動により対応できるから、
デザインの異なる車種に汎用できるドアミラー装置が実
現できる。

【００１８】また本発明（請求項２）によれば、シール
材がアウターパネルとミラーベースの隙間を塞ぎ、かつ
外側及び内側リップがアウターパネル内外から弾性的に
挟むから、そのシール性はより完全なものとなり、ミラ
ーベースとアウターパネルの間に隙間が開き、雨滴、埃
等が車内へ侵入するという問題は生じない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係る自動車用ドアミラー
装置の分解斜視図である。

【図２】図１のII−II線断面図である。

【図３】従来の自動車用ドアミラー装置の構造を示す斜
視図である。

【図４】図３のIV−IV線断面図である。

【符号の説明】

１ コーナーブラケット ２、１８ ミラーベース ３ シャフト ４ ドアミラー本体 ５ アウターパネル ６、１４ 開口 ８ インナーパネル ９、２０ ボルト １０ ナット １２ ガーニッシュ １３ コード １６ フロントピラー １７ ３角形領域 １８ ミラーベース ２１ シール材 ２５ 取付け凹部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車フロントドアの下窓枠とピラーと
   の間の３角形領域においてアウターパネルに形成された
   開口と、 該開口に貫通して挿入されるミラーベースと、 該ミラーベースの車体外側に取り付けられたドアミラー
   本体と、 上記ミラーベースの上記アウターパネルに接する部位に
   形成され、上記ミラーベースと上記アウターパネルの隙
   間を封鎖する弾性シール材と、を備え、上記シール材
   は、上記ミラーベースを弾性をもって締め付けると同時
   に、上記ミラーベース表面上を移動可能であり、かつ上
   記ミラーベースは、その車体内側において、車体インナ
   ーパネルに固定されてなることを特徴とする自動車用ド
   アミラー装置。
2. 【請求項２】 上記シール材は、上記ミラーベースに弾
   性接触するバンド状部分と、 上記アウターパネルの外側面に弾性接触する外側リップ
   と、 上記アウターパネルの内側面に弾性接触する内側リップ
   と、からなることを特徴とする請求項１記載の自動車用
   ドアミラー装置。