JP2000141083A - アルミニウムろう付用ペースト状組成物、その塗膜、およびろう付方法 - Google Patents
アルミニウムろう付用ペースト状組成物、その塗膜、およびろう付方法Info
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Abstract
乾燥塗膜を形成し得、ろう付部の外観も良好で且つ低作
業コストである新規アルミニウムろう付用ペースト状組
成物及びその使用方法を提供する。 【解決手段】 (a)ろう付用金属粉末30重量%〜7
0重量%、(b)弗化物系フラックス2〜30重量%、
(c)ブチルゴムおよび/または石油樹脂1〜15重量
%を含み残部実質的に有機溶剤からなる(但し、合計量
は100重量%を超えない。)アルミニウムろう付用ペ
ースト状組成物。
Description
士をろう付接合する際のろう材粉末を含有するペースト
状組成物に関する。尚、本明細書においては、アルミニ
ウムとは、断わりのない限り純アルミニウムおよびアル
ミニウム合金を含む。
には、ブレージングシートが多用されており、これは例
えば、3003合金(以下4ケタの番号はJISで定め
られているものである)や3N03合金等の心材の片面
あるいは両面に4343合金や4045合金等のろう材
をクラッドさせたものが用いられている。これらはろう
付する部分以外にもクラッドされたろう材が使われてい
ることになるため、最終製品のコストが高くなる。ま
た、製造上厚みの制限があり、60μm程度のクラッド
材が限度であり、これより薄いクラッド材の製造は、工
業上極めて困難であり、出来たとしても皮材の厚みが不
均一となり、安定した品質や性能は得られない。
はフラックスが必要で、ろう付けの直前にろう付部に塗
布するタイプのものがあるが、その組成上完全な乾燥が
困難なものが多く、乾燥できたとしても容易にフラック
スが剥離、脱落するためろう付前の長時間の保存や運
搬、および加工・組立等が不可能であった。また、加え
てフラックス等が粉塵となり作業環境・衛生面ですこぶ
る好ましいものではなかった。さらに、フラックスと特
開平6−285682等で開示されている樹脂とでは、
ろう付の際に反応が起こり、ろう付部が黒変化する等意
匠的に製品価値がすこぶる低いものであった。
せず、アルミニウム−けい素系のろう材粉末とフラック
スを混合したものをアルミニウム材のろう付け部に塗布
してろう付する方法も報告されているが、コストの面以
外では上記の問題点は解決されていなかった。
夫を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち
本発明は、次の組成物、塗膜および方法よりなる。
70重量%、(b)弗化物系フラックスを2〜30重量
%、(c)ブチルゴムおよび/または石油樹脂1〜15
重量%を含み残部実質的に有機溶剤からなる(但し、合
計量は100重量%を超えない。)アルミニウムろう付
用ペースト状組成物。
ム材の表面の少なくとも一部以上に塗布後、乾燥して得
られる塗膜。
量%、弗化物系フラックスを2〜30重量%、ブチルゴ
ムおよび/または石油樹脂1〜15重量%を含み残部実
質的に有機溶剤からなる(但し、合計量は100重量%
を超えない。)アルミニウムろう付用ペースト状組成物
をアルミニウム材の表面の少なくとも一部以上に塗布、
乾燥後、他のアルミニウム材とろう付を行うことを特徴
とするアルミニウム材のろう付方法。
る。
AlF3−KF、KAlF4−K3AlF6、K3AlF6お
よびKAlF4等の弗化物系フラックスが例示される
が、K3AlF6とKAlF4を主成分とする市販品の
「ノコロック(商品名)」(アルキャン社製)が特に好
適である。上記フラックスのペースト状組成物への配合
量は2〜30重量%、好ましくは5〜20重量%程度で
ある。フラックスの配合量が2重量%未満の場合には、
十分なフラックス作用が得がたく、30重量%を超えて
も過剰であり、コストアップとなる。
を担う樹脂としては、イソブチレンとイソプレンの共重
合体であるブチルゴム(分子量25万〜55万のものが
好ましい)および/または石油樹脂が使用できる。その
配合量は1〜15重量%が適当で、より好ましくは2〜
10重量%である。1重量%未満では、フラックス組成
物の粘度が低く、アルミニウム材に塗布した際にダレが
生じ、アルミニウム材との密着性が悪くなるので好まし
くない。一方15重量%を超えても過剰で、コストアッ
プになる恐れがある。尚、石油樹脂としては、C5系石
油樹脂、C9系石油樹脂およびC5C9共重合石油樹脂の
1種以上が使用でき、好ましい分子量は600〜200
0程度である。
可溶であれば、特に限定されず、トルエン、ヘキサン、
オクタン、シクロヘキサン等を単独、あるいは2種以上
を混合して用いることができる。有機溶剤の配合量は、
ペースト状組成物の粘度等を調整するために適宜加えれ
ばよいが、具体的には0.1〜67重量%好ましくは1
0〜50重量%の範囲内で調整すればよい。
ミニウムを主体とする粉末を使用することができる。例
えば、アルミニウム−けい素系合金粉末、アルミニウム
粉とけい素粉の混合粉、アルミニウム−亜鉛合金粉末、
Al−Si−X(XはCu、Zn等)等の3元系以上の
合金粉末等が使用できる。これらの粉末は主に、アトマ
イズ法・粉砕法・回転円盤法・キャビテーション法・メ
ルトスピニング法等あるいはこれらの組合せによって得
ることができる。もちろんこれらの粉末は市販品をその
まま使用することもできる。金属粉末の形状は球状、偏
平状、板状、涙滴状、針状、回転楕円体状、不定形状等
のいずれであっても差し支えない。アルミニウム系粉末
はアルゴンガスあるいは窒素ガスアトマイズによって得
られる粉末が好適である。該アルミニウム系粉末に含ま
れる酸素量は、粒度や形状にもよるが、1.5重量%以
下が好ましく、これを超える場合には、酸化皮膜が強固
となり、十分に溶融しなかったり、流動性が低下する恐
れがある。該アルミニウム系粉末の大きさは平均粒子径
で2〜150μm望ましくは5〜50μmの範囲内が適
当で、平均粒子径2μm未満の粉末は、酸素含有量が多
くなる可能性が高く、またコストが高いものであるので
好ましくない。一方150μmを超える場合には、塗布
後の塗膜厚みが必要以上に厚くなったり、組成物中での
均一性が損なわれる恐れがある。ろう付け用金属粉末に
含まれるけい素の量は5〜17重量%の範囲内が適当
で、アルミニウムとの合金の状態(合金粉)、アルミニ
ウムとけい素それぞれ単体の状態(混合粉)のいずれの
状態であっても支障なく使用できる。これはその範囲内
の組成でアルミニウムと合金化されている、あるいはさ
れたときに、融点が低く、溶融状態での流動性が良好な
ことによる。また、適当な添加元素を添加しても差し支
えなく、必要に応じてCu、Zn、Mg、Bi、Sb、
Ba等の1種以上を約5重量%以下(金属成分100%
に対し)添加することも可能である。これらの添加元素
も合金の状態、単体の粉末の状態のいずれであってもよ
い。アルミニウムとけい素それぞれ単体の状態(混合
粉)で使用する場合には、特に純度99.0重量%以
上、望ましくは99.7重量%以上の純アルミニウム粉
と純度90.0重量%以上、望ましくは97.0重量%
以上のけい素粉を使用すればよい。これらの純度未満の
粉末では、不純物である鉄の含有量が多くなり、ろう付
後の耐食性が低下するので好ましくない。けい素粉末の
平均粒径は、上記アルミニウム系粉末より細かなものが
使用でき、平均粒子径0.1〜150μm程度のものが
使用できる。平均粒子径が0.1μm未満の粉末では、
酸素量やその他の不純物量が多くなり好ましくない。ま
た、150μmを超えても組成物中で均一な分散ができ
なくなり好ましくない。もちろんアルミニウム粉とけい
素粉の混合粉であっても必要に応じてCu、Zn、M
g、Bi、Sb、Ba粉等の1種以上を約5重量%以下
(金属成分100%に対し)添加することが可能であ
る。
知の添加物を添加しても差し支えなく、例えば、酸化防
止剤、腐食抑制剤、消泡剤、増粘剤、可塑剤、分散剤、
タックファイヤー、カップリング剤等を必要に応じて添
加できる。特にカップリング剤は、塗膜の付着性を向上
させるために有効であり、0.001〜1.0重量%程
度の添加が有効である。
ム材の表面の少なくとも一部以上、すなわちろう付しよ
うとする部分に必要量塗布して使用することができ、乾
燥後の平均膜厚は好ましくは3〜500μm、より好ま
しくは10〜150μmである。平均膜厚が3μm未満
でもろう付は可能ではあるが、ろう付強度が不足する恐
れがある。一方500μmを超えても過剰で、コストア
ップになる恐れがある。しかしながら、穴を塞ぐためや
隙間を埋めるために本発明のペースト状組成物を使用す
る場合は、厚み500μmに限定されることはなく、こ
れを超えても使用することができる。
け塗り、スプレー塗装、ロールコーター、バーコータ
ー、ドクターブレード等で塗布することができる。これ
らの方法以外にも単にペースト状組成物にアルミニウム
材を浸漬する等の方法でもよい。
室温乾燥、必要に応じて30〜150℃程度の温度で乾
燥させればよい。ろう付の方法は、特に限定されず、公
知の方法が採用できるが、炉中ろう付による方法が好ま
しい。ろう付けの温度は組成にもよるが、通常450℃
〜630℃程度である。雰囲気については、真空、A
r、窒素等の雰囲気が好ましい。
能なアルミニウム材に適用することができ、例えばヒー
ターコア、エバポレータ、コンデンサ等の熱交換器を構
成するフィン・ピン・パイプ・チューブ・プレート等の
ろう付接合に使用することができる。また、熱交換器に
限定されることはなく、各種機械部品、構造部品、スポ
ーツ用品、OA機器、日用品等に適用可能である。
ム材への密着性が良好で、乾燥後の塗膜は容易に剥離・
脱落が起こらない。従って該ペースト組成物の塗布後に
加工や切断作業を容易に行うことができる。
チルゴム等は、ろう付を行う際の昇温中に熱分解するた
め、ろう付後のろう付部(フィレット)の外観が良好で
あり、黒変化や白色残さを生じない。
有機溶剤の選定により室温でも乾燥させることができ、
余分なコストがかからず、乾燥後も良好な塗膜状態であ
るので、粉塵等が発生せず、作業環境が良好である。
配合量等により適度な粘度に調整できるので、複雑形状
の部品や凹凸屈曲等のある部材へも塗布可能である。
機器が不要であるので、既存の設備で実施可能である。
可能で、特に薄膜が要求される部材に好適に使用するこ
とができる。
にて混合し、ペースト状組成物を作製した。作製したペ
ースト状組成物を刷毛で、3003アルミニウム板(6
0×50×2mm)の片面に(乾燥後平均膜厚40μ
m)塗布後、希釈用有機溶剤(トルエン)を完全に蒸発
させるために、105℃×5分加熱した。得られた塗板
を下記の評価に供した。
の評価を行った。
ーズ状態)窒素ガス雰囲気(窒素ガスフロー4Nm3/
h)の炉にて500℃および530℃で5分間保持して
冷却した後、炉から取り出しろう付部表面を目視にて観
察を行った。
い。
分未満である。
た塗板の塗布面中央に3003アルミニウム板を垂直に
立て、ステンレスワイヤーで仮留めした後、窒素ガス雰
囲気(窒素ガスフロー4Nm3/h)の炉にて600℃
で3分間保持してろう付けを行った。冷却した後、炉か
ら取り出しろう付部のフィレットの形成状況を目視にて
観察を行った。
周辺に均一にフィレットが形成されている。) B→フィレットは形成されているが、やや不均一であ
る。
り不均一である。
ず、切れがある。
るガスの臭いをかいで評価した。
ない。
物を使用したろう付は、上記すべての評価に満足するも
のである。
状態を示す写真である。
Claims (7)
- 【請求項1】 (a)ろう付用金属粉末30重量%〜7
0重量%、(b)弗化物系フラックス2〜30重量%、
(c)ブチルゴムおよび/または石油樹脂1〜15重量
%を含み残部実質的に有機溶剤からなる(但し、合計量
は100重量%を超えない。)アルミニウムろう付用ペ
ースト状組成物。 - 【請求項2】 ろう付け用金属粉末がアルミニウム−け
い素系の合金粉末である請求項1記載のアルミニウムろ
う付用ペースト状組成物。 - 【請求項3】 ろう付け用金属粉末がアルミニウム粉末
とけい素粉末の混合粉である請求項1記載のアルミニウ
ムろう付け用ペースト状組成物。 - 【請求項4】 カップリング剤を含有する請求項1〜3
記載のアルミニウムろう付用ペースト状組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4記載のペースト状組成物を
アルミニウム材の表面の少なくとも一部以上に塗布後、
乾燥して得られる塗膜。 - 【請求項6】 請求項1〜4記載のペースト状組成物を
アルミニウム材の表面の少なくとも一部以上に塗布した
アルミニウム部材 - 【請求項7】 (a)ろう付用金属粉末30重量%〜7
0重量%、(b)弗化物系フラックス2〜30重量%、
(c)ブチルゴムおよび/または石油樹脂1〜15重量
%含み残部実質的に有機溶剤からなる(但し、合計量は
100重量%を超えない。)アルミニウムろう付用ペー
スト状組成物をアルミニウム材の表面の少なくとも一部
以上に塗布、乾燥後、他のアルミニウム材とろう付を行
うことを特徴とするアルミニウム材のろう付方法。
Priority Applications (5)
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---|---|---|---|
JP28849098A JP3705939B2 (ja) | 1998-08-20 | 1998-10-09 | アルミニウムろう付用ペースト状組成物、その塗膜、およびろう付方法 |
US09/373,542 US6203628B1 (en) | 1998-08-20 | 1999-08-13 | Flux compositions for brazing aluminum, their films and brazing method |
DE69908513T DE69908513T2 (de) | 1998-08-20 | 1999-08-18 | Flussmittelzusammensetzungen zum Hartlöten von Aluminium, hergestellte Dünnschichten und Hartlötverfahren |
EP99306519A EP0980738B1 (en) | 1998-08-20 | 1999-08-18 | Flux compositions for brazing aluminium, their films and brazing methods |
US09/616,079 US6409074B1 (en) | 1998-08-20 | 2000-07-13 | Flux compositions for brazing aluminum, their films and brazing method |
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JP23448898 | 1998-08-20 | ||
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6409074B1 (en) * | 1998-08-20 | 2002-06-25 | Toyo Aluminium Kabushiki Kaisha | Flux compositions for brazing aluminum, their films and brazing method |
WO2007114040A1 (ja) * | 2006-04-03 | 2007-10-11 | Toyo Aluminium Kabushiki Kaisha | アルミニウムろう付用ペースト状組成物、それが塗布されたアルミニウム含有部材、および、それを用いたアルミニウム含有部材のろう付方法 |
EP2072178A1 (en) * | 2007-12-21 | 2009-06-24 | Harima Chemicals, INC. | Paste composition for aluminum brazing |
-
1998
- 1998-10-09 JP JP28849098A patent/JP3705939B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN101365558B (zh) * | 2006-04-03 | 2012-02-15 | 东洋铝株式会社 | 铝硬焊用糊状组合物、涂布有它的含铝构件及使用它的含铝构件的硬焊方法 |
EP2072178A1 (en) * | 2007-12-21 | 2009-06-24 | Harima Chemicals, INC. | Paste composition for aluminum brazing |
US8075706B2 (en) | 2007-12-21 | 2011-12-13 | Harima Chemicals, Inc. | Paste composition for aluminum brazing |
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