JPH06142977A - ろう付用アルミニウム材料 - Google Patents

ろう付用アルミニウム材料

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JPH06142977A
JPH06142977A JP29967392A JP29967392A JPH06142977A JP H06142977 A JPH06142977 A JP H06142977A JP 29967392 A JP29967392 A JP 29967392A JP 29967392 A JP29967392 A JP 29967392A JP H06142977 A JPH06142977 A JP H06142977A
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JP
Japan
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brazing
flux
aluminum
total
aluminum material
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JP29967392A
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English (en)
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Ichiro Iwai
一郎 岩井
Tatsuo Otsuka
達雄 大塚
Shunta Shioda
俊太 潮田
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Showa Aluminum Can Corp
Original Assignee
Showa Aluminum Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ろう付工程を簡略化してろう付品の生産性を
向上させることができるろう付用アルミニウム材料の提
供を目的とする。 【構成】 本発明のろう付用アルミニウム材料は、アル
ミニウムからなる基材1の表面に、ろう材用金属および
フラックスを含む溶射層からなるろう材層2が形成され
ていることを特徴とする。前記ろう材層2は、Al、S
i、およびフラックスを含み、かつフラックスを除く各
成分の合計に対してSi含有量が5〜15wt%であると
ともに、フラックスを除く各成分の合計とフラックスと
が重量比で99:1〜70:30の組成に形成されてい
るもの、あるいはこの組成にフラックスを除く各成分の
合計に対して0.5〜5wt%のZnを加えたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウムからなる
基材の表面に、溶射法によりろう材層が形成されたろう
付用アルミニウム材料に関するものである。
【0002】なお、本明細書において、アルミニウムの
語はアルミニウムおよびアルミニウム合金を含む意味で
用いられる。
【0003】
【従来の技術】アルミニウム材をろう付する場合、従来
より接合簡易性等の面からアルミニウム材表面の全部ま
たは一部をAl−Si系のろう材層で被覆したろう付用
アルミニウム材料が用いられる。そして、このようなろ
う材用アルミニウム材料を製造するに際して、アルミニ
ウム材表面にAl−Si系合金の粉末または線材を溶射
する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述さ
れたような方法で製造されたろう付用アルミニウム材料
を用いてろう付品を製作する場合、酸化皮膜を除去して
良好なろう付を達成するために、ろう付部への塩化物系
または弗化物系のフラックスの供給が不可欠である。こ
のフラックスの供給は、通常液状フラックスの塗布等に
よって行われているが、非常に手間がかかりろう付工程
の効率化の障害となっている。
【0005】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを目的として、ろう付工程を簡略化してろう付品の生
産性を向上させることができるろう付用アルミニウム材
料を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るろう付用ア
ルミニウム材料は、前記目的を達成するために、基本的
に、アルミニウムからなる基材(1)の表面に、ろう材
用金属およびフラックスを含む溶射層からなるろう材層
(2)が形成されていることを特徴とするものである。
【0007】前記ろう材層(2)の組成は、Al、S
i、およびフラックスを含み、かつフラックスを除く各
成分の合計に対してSi含有量が5〜15wt%であると
ともに、フラックスを除く各成分の合計とフラックスと
が重量比で99:1〜70:30であるあることが好ま
しい。さらに、ろう材および基材の耐食性を向上させる
ために、前記のろう材層(2)の組成にフラックスを除
く合計に対して0.5〜5wt%のZnを加えることも好
ましい。
【0008】図1に示されているのは本発明のろう付用
アルミニウム材料の断面図であり、符号(1)は基材、
(2)は溶射法により基材(1)表面に形成されたろう
材層である。このようなろう材層(2)の組成におい
て、AlとSiとは、アルミニウムまたはその合金接合
用のろう材として機能するものであるが、フラックスを
除く各成分の合計に対してSi含有量が5wt%未満、あ
るいは15wt%を超えると、液相線温度が高くなりろう
付が困難となる。従って、Si含有量はフラックスを除
く各成分の合計に対して5〜15wt%の範囲に規定され
なければならない。特に好ましいSiの含有量は6〜1
2wt%である。また、Znはろう材の電位を卑としてそ
の犠牲陽極効果によりアルミニウムろう付品の耐食性を
向上させるものである。このような効果を有するZn
は、フラックスを除く元素の合計に対する含有量が0.
5wt%未満では前記記効果に乏しく、また5wt%を超え
ても前記効果が飽和する。従って、フラックスを除く元
素の合計に対して、Zn含有量が0.5〜5wt%に規定
されなければならない。特に好ましいZn含有量は0.
5〜2wt%である。
【0009】また、前記ろう材層(2)の組成における
フラックスの含有比率は、フラックスを除く各成分の合
計とフラックスとが重量比で99:1〜70:30とな
るように設定されなければならない。これは、フラック
ス量が99:1よりも少なくなると、十分なフラックス
作用が発現せずろう付が困難となり、一方、70:30
を超えてフラックス量が多くなると、フラックス作用が
飽和して多量に配合する意味がなくなるだけでなく、相
対的にAl、Si、Znの金属成分量が少なくなってろ
う材としての機能が低下するからである。フラックスを
除く各成分の合計とフラックスとの好ましい配合比率
は、重量比で95:5〜75:25である。
【0010】前記ろう材層(2)を形成するための溶射
法および溶射材は特に限定されるものではない。しか
し、所定組成を容易に形成できる点で、Al、Si、Z
n、フラックスを所定割合で混合した混合粉末をフレー
ム溶射することが推奨される。また、ろう材層(2)の
厚さは、ろう付に必要な20μm以上確保するのが良
く、1回の溶射で必要な厚さが得られない場合は2回以
上繰返し溶射すれば良い。
【0011】溶射材として前記混合粉末を用いる場合
は、所期するろう材組成の金属成分として、金属成分組
成と同一組成のAl−Si合金粉末またはAl−Si−
Zn合金粉末、各金属成分の単体粉末、あるいは合金粉
末と単体粉末の併用のいずれでも使用できる。ただし、
Siは溶射時に酸化によって若干減少するため、混合粉
末の調製段階では減少分を見込んで増量しておく必要が
ある。また、フラックスとしては弗化物系または塩化物
系のものをどちらでも使用できるが、非腐食性である点
で弗化物系フラックスがより好ましい。弗化物系フラッ
クスとしては、例えば45.8%KF−54.2%Al
の共晶組成乃至はこれに近い組成範囲を含んで実質
的に錯体化された錯体混合物粉末が好ましく、KAlF
,KAlF,KAlF等の錯体物を使用でき
る。また、塩化物系フラックスとしては、ろう付部位の
腐食を抑制する意味で吸湿性が小さいものが好ましく、
具体的には、BaCl、NaCl、KCl、ZnCl
を主成分とするものが良く、BaCl−NaCl−
KClの三元共晶組成のものはその代表例である。な
お、これらの金属およびフラックス粉末は均一混合する
ために微細粉末に整粒したものを用いることが好まし
い。
【0012】
【作用】本発明のろう付用アルミニウム材料は、アルミ
ニウムからなる基材(1)の表面に、ろう材用金属およ
びフラックスを含む溶射層からなるろう材層(2)が形
成されている。このようなろう付用アルミニウム材料を
用いてろう付品を製作すれば、加熱によりろう材層
(2)が溶融され接合部にろう材とフラックスとが同時
に供給され、従来のようにフラックスを別途供給する必
要がなく、ろう付工程を大幅に簡略化できる。
【0013】また、前記ろう材層(2)は、Al、S
i、およびフラックスを含み、かつフラックスを除く各
成分の合計に対してSi含有量が5〜15wt%であると
ともに、フラックスを除く各成分の合計とフラックスと
が重量比で99:1〜70:30の組成に形成されてい
るため、ろう付工程の簡略化のみならず優れたろう付接
合を達成できる。さらに、前記ろう材層(2)の組成
に、フラックスを除く各成分の合計に対して0.5〜5
wt%のZnを加えることにより、ろう付品の耐食性を向
上させることができる。
【0014】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0015】後述の各実施例および比較例において、ろ
う材層を形成するための溶射材材料として、平均粒径4
4μmのAl粉末、平均粒径5μmのSi粉末、平均粒
径44μmのZn粉末および平均粒径70μmの45.
8%KF−54.2%AlF共晶粉末を共通に使用し
た。これらの各粉末を後掲の表1に示されている組成と
なるように配合し、良く攪拌して混合粉末を調製した。
ただし、Siについては溶射時の酸化による減少分を見
込んで増量して前記混合粉末を調製した。
【0016】次いで、フレーム溶射機を用いて、粉末供
給速度が60g/min,溶射ガン送り速度が30m/
minの溶射条件にて、各混合粉末をJISA3003
Al合金からなる幅20mm×高さ5mm×肉厚0.7mmの
押出多穴管の両偏平面に溶射してろう材層を形成し、ろ
う付用多穴管を製作した。これらのろう付用多穴管のろ
う材層(溶射層)の厚さを表1に示す。
【0017】次いで、前述のようにして製作されたろう
付用多穴管と、A3003合金(試料No.1〜7)ま
たはAl−1%Mn−1%Zn合金(試料No.8〜1
2)からなるフィンとを用いてフィンアンドチューブ型
熱交換器を組み立た。N雰囲気中で600℃×5分間
加熱してろう付接合した。これらの接合部のろう付状態
を目視によって観察しろう付性を評価した。これらの評
価結果を表1に示す。
【0018】さらに、良好にろう付されたNo.1およ
びろう材層組成にZnを含有するNo.9〜12につい
て、JISH8681にもとづくCASS試験により耐
食性を評価した。耐食性はチューブに孔があくまでの時
間で評価し、これらの試験結果を表1に併せて示す。
【0019】
【表1】 表1の結果から明らかなように、本発明の実施例はいず
れもフラックスを別途供給しなくてもろう付性に優れて
いることがわかる。これに対し、フラックスを含有しな
い比較例No.3ではろう付性が悪く、フラックスを過
剰に含有する比較例No.4でもやはりろう付性が悪か
った。また、Si含有量が少ない比較例No.6および
Si含有量が多い比較例No.7でも、良好なろう付が
できなかった。さらに、本発明の範囲内でZnを含有す
る実施例9〜11はいずれも耐食性に優れていることを
確認できた。これに対し、Zn含有量の少ない比較例N
o.8では、Znを全く含有しない実施例No.1と較
べて耐食性の向上が認められず、本発明の範囲を超えて
多量にZnを含有する比較例No.12では、耐食性向
上効果が飽和していることがわかる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のろう付用
アルミニウム材料は、基材の表面にフラックスを含有す
るろう材層が形成されているため、ろう付品の製造工程
においてフラックスを別途供給する必要がなくろう付工
程を簡略化でき、ろう付品の生産性を向上させることが
できる。また、このようなろう材層は溶射法によって形
成されるため、既に目的形状に加工された部材の全体あ
るいは一部に容易にろう材層を形成することができ、複
雑な形状のろう付部材への適用も可能である。
【0021】また、前記ろう材層は、Al、Si、およ
びフラックスを含み、かつフラックスを除く各成分の合
計に対してSi含有量が5〜15wt%であるとともに、
フラックスを除く各成分の合計とフラックスとが重量比
で99:1〜70:30の組成に形成されているため、
ろう付性に優れたろう付品の製造が可能である。さら
に、前記ろう材層の組成に、フラックスを除く各成分の
合計に対して0.5〜5wt%のZnを加えることによ
り、ろう付品の耐食性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るろう付用アルミニウム材料の断面
図である。
【符号の説明】
1…基材 2…ろう材層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムからなる基材(1)の表面
    に、ろう材用金属およびフラックスを含む溶射層からな
    るろう材層(2)が形成されていることを特徴とするろ
    う付用アルミニウム材料。
  2. 【請求項2】 前記ろう材層(2)が、Al、Si、お
    よびフラックスを含み、かつフラックスを除く各成分の
    合計に対してSi含有量が5〜15wt%であるととも
    に、フラックスを除く各成分の合計とフラックスとが重
    量比で99:1〜70:30の組成に形成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のろう付用アルミニウム
    材料。
  3. 【請求項3】 前記ろう材層(2)が、Al、Si、Z
    nおよびフラックスを含み、かつフラックスを除く各成
    分の合計に対してSi含有量が5〜15wt%、Zn含有
    量が0.5〜5wt%であるとともに、フラックスを除く
    各成分の合計とフラックスとが重量比で99:1〜7
    0:30の組成に形成されていることを特徴とする請求
    項1に記載のろう付用アルミニウム材料。
JP29967392A 1992-11-10 1992-11-10 ろう付用アルミニウム材料 Pending JPH06142977A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090053547A1 (en) * 2005-03-22 2009-02-26 Norbert William Sucke Component Made From Aluminium Material With a Partial or Complete Coating of the Surfaces for Brazing and Method for Production of the Coating
JP2010521308A (ja) * 2007-03-14 2010-06-24 サンドヴィック オスプレイ リミテッド ろう付け部材、ろう付け部材を造る方法、ろう付け方法、およびろう付け方法から造られる構成部品。

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JP2010521308A (ja) * 2007-03-14 2010-06-24 サンドヴィック オスプレイ リミテッド ろう付け部材、ろう付け部材を造る方法、ろう付け方法、およびろう付け方法から造られる構成部品。
JP2015213962A (ja) * 2007-03-14 2015-12-03 サンドヴィック オスプレイ リミテッド ろう付け部材、ろう付け部材を造る方法、ろう付け方法、およびろう付け方法から造られる構成部品。

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