JP2000140512A - ろ過池制御装置及びその制御方法 - Google Patents

ろ過池制御装置及びその制御方法

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JP2000140512A
JP2000140512A JP10318492A JP31849298A JP2000140512A JP 2000140512 A JP2000140512 A JP 2000140512A JP 10318492 A JP10318492 A JP 10318492A JP 31849298 A JP31849298 A JP 31849298A JP 2000140512 A JP2000140512 A JP 2000140512A
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valve
turbidity
water purification
pond
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JP10318492A
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Kazuharu Ikeda
一治 池田
Hiroshi Shimazaki
弘志 島崎
Shoichi Samejima
正一 鮫島
Kaoru Hatano
薫 秦野
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリプトスポリジウム漏洩の防止を図ったも
のである。 【解決手段】 ろ過池11には未ろ水が流入される。こ
の未ろ水はろ過池11でろ過されて浄水弁12に連結さ
れた浄水管21を介して浄水池へろ過水が送水される。
このろ過池11の洗浄制御を行うために、ろ過池11に
は表洗弁13、排水弁14、捨水弁15及び逆洗弁16
が設けられている。捨水弁15には捨水管22が連結さ
れていて、浄水管21とこの捨水管22には、それぞれ
ろ過水流量計23と捨水流量計24が設置される。両流
量計23、24の流量は、ろ過池洗浄シーケンス部25
に入力され、ここで、加算処理されて、洗浄後の総積算
流量(m3)が算出される。算出された総積算流量は、
高感度濁度計26で計測された測定値と、ろ過池洗浄シ
ーケンス部25で比較され、濁度立ち上がり時と濁度ピ
ーク時、各々の総積算流量と統計的に照らし合わせて、
データベース化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、浄水場の急速ろ
過池におけるろ過池制御装置及びその制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】日本の浄水場における現状の主プロセス
は、凝集沈殿+砂ろ過+塩素消毒である。原水中に含ま
れている濁質分や、近年間題となっているクリプトスポ
リジウムなどの原虫は、凝集沈殿+砂ろ過で除去する必
要がある。その中でも、ろ過池は、マイクロフロックや
有機物の吸着、原虫などの漏出の安全弁的な機能を果た
している重要なプロセスである。ろ過池は、これらの機
能を維持するため、洗浄を行う必要があり、ろ過池の運
転管理上最も重要なことである。ろ過池の洗浄は、一般
的には、ろ過継続時間およびろ過抵抗値到達時に実施し
ており、物理的な要因のみが指標として用いられている
のが実状である。
【0003】一方、上述したように、クリプトスポリジ
ウムの混入といった問題点があり、水質的な面からも、
ろ過池の運転管理を行う必要が出てきている。厚生省で
は、このような背景の下、ろ過池の水質やろ過池のろ過
操作、洗浄操作などについて以下のような通達を出して
いる。
【0004】共通事項:各ろ過池ごとに、十分調整され
た濁度計を用いて濁度を測定すること、 ろ過池流出水の水質:ろ過池流出水の濁度の常時把握及
びその濁度を0.1度に維持すること、 洗浄排水の水質:最終濁度2度以下を目標とすること、 ろ過開始直後の水質:ろ過池流出水0.1度になるまで
捨て水を実施すること、 浄水場では、ろ過池流出水測
定用に濁度計は設置されているが、各池毎に設置するに
至っていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したろ過池の運転
管理に対する問題点は、以下の通りである。 (1)一般的なろ過池洗浄では、後述のように洗浄から
捨水・ろ過の工程は、ある一定のシーケンスに基づき制
御を行っているが、洗浄後にろ過水濁度が一時的に上昇
し、上記指針の0.1度を超える場合がある。
【0006】(2)暫定指針の洗浄排水濁度2度以下を
達成しても、洗浄後にろ過水の濁度が一時的に上昇して
0.1度を越える場合がある。
【0007】(3)捨水が濁度ピークを捕らえていない
場合が多い。
【0008】図9は、ろ過池が洗浄を終了すると一定の
シーケンスに基づき捨水、ろ過を開始するときの上記
(1)で述べたタイムチャートである。一般に、ろ過池
は、表洗と逆洗からなるろ過砂層の洗浄を行う。洗浄が
終了すると池の底部にある浄水弁、捨水弁、また洗浄弁
は全て閉め切り、ろ過池上部の流入弁を開放し、沈殿水
(未ろ水)を導く。通常、ろ過状態のろ過池水位になる
までには、ろ過池形態にもよるが、数十分かかる(図9
では約30分としている)。ろ過池が、通常水位まで回
復すると捨水弁を開けて捨水を開始する。規定時間(図
9では4分)経過すると、捨水弁は全閉し、代わりに浄
水弁を開き通常のろ過に入る。
【0009】図10は、上記(2)の暫定指針が通達さ
れてから、ろ過池の出口に高感度濁度計を設置した構成
におけるろ過池洗浄制御装置の概略構成図で、図10に
おいて、11はろ過池で、このろ過池11には未ろ水が
流入される。この未ろ水はろ過池11でろ過されて浄水
弁12を介して図示しない浄水池へろ過水が送水され
る。このろ過池11の洗浄制御を行うために、ろ過池1
1には表洗弁13、排水弁14、捨水弁15及び逆洗弁
16が設けられている。これら各弁は、図示しないろ過
池洗浄シーケンス部からの出力信号で制御される。17
は高感度濁度計で、この濁度計17で濁度監視が行われ
る。このように構成された装置では、高感度濁度計17
は濁度監視の目的にしか使用されていないのが現状であ
る。
【0010】図11は、上記(3)を説明するためのろ
過池洗浄後のろ過水濁度/水温のトレンドグラフであ
る。図11中の(時刻10:34頃)に逆洗が開始され、
ろ過水が洗浄水に移行するので、濁度は約0.01度から0.
02度くらいまで上昇する。表洗・逆洗からなるろ過池の
洗浄は浄水場にもよるが、約10分程度で終了し、図中
〜の間は主に、ろ過池洗浄後の水位回復を待つ状態
である。この時の、ろ過池出口は洗浄水で満水の状態な
ので濁度は0.02度の値を示す。図中で捨水弁が開き洗
浄後初めてろ過池出口に流量が発生する。これが捨水流
量であり、排水される。また、先に述べたように規定時
間後に捨水弁が閉まり、浄水弁が開くと、これが、ろ過
流量となり、浄水池へ送水される。
【0011】本来は、図11において、クリプトスポリ
ジウム漏洩の危険性の高い濁度のピークを捨水しなけ
ればならないのだが、現状では捨水期間(図中ではと
の間)と濁度ピークがずれてしまっているケースが
殆どである。
【0012】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、捨水弁などを最適制御してクリプトスポリジウム
漏洩の防止を図ったろ過池制御装置及びその制御方法を
提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を達成するために、第1発明は、未ろ水を流入して、ろ
過水を得るろ過池と、このろ過池で得られたろ過水を浄
水池に供給する管路に介挿された浄水弁と、前記管路の
浄水弁の一次側に設けられた捨水弁と、前記ろ過池の表
洗用洗浄水の供給、遮断制御を行う表洗弁と、前記浄水
弁の一次側に接続され、前記ろ過池の逆洗い用洗浄水の
供給、遮断制御を行う逆洗弁と、前記浄水弁の二次側の
濁度を測定する高感度濁度計とを備えたろ過池制御装置
において、前記浄水弁の二次側を流れるろ過水の流量を
計測する第1流量計と、前記捨水弁の二次側を流れる捨
水の流量を計測する第2流量計と、前記高感度濁度計で
計測された濁度測定値が入力されるとともに、前記第1
流量計と第2流量計の両流量が入力され、両流量を処理
して総流量を算出し、算出された総流量と高感度濁度計
で計測された濁度測定値とを比較して、ろ過水濁度の立
ち上がり時と濁度ピーク時の総流量をパラメータにして
前記浄水、捨水弁制御信号を送出するろ過池洗浄シーケ
ンス部とを備えたことを特徴とするものである。
【0014】第2発明は、前記捨水弁の二次側を流れる
捨水の流量を計測する流量計と、この流量計で計測した
捨水流量と前記高感度濁度計で計測された濁度測定値と
が入力され、ろ過池洗浄後の捨水流量を算出し、算出さ
れた捨水流量と前記濁度測定値とを比較して濁度上昇が
現れる直前の捨水流量を決定し、その決定された流量時
に前記流量計が捨水を確実に行う制御信号を送出するろ
過池洗浄シーケンス部とを備えたことを特徴とするもの
である。
【0015】第3発明は、未ろ水を流入して、ろ過水を
得るろ過池と、このろ過池で得られたろ過水を浄水池に
供給する管路に介挿された浄水弁と、前記管路の浄水弁
の一次側に設けられた捨水弁と、前記ろ過池の表洗用洗
浄水の供給、遮断制御を行う表洗弁と、前記浄水弁の一
次側に接続され、前記ろ過池の逆洗い用洗浄水の供給、
遮断制御を行う逆洗弁と、前記浄水弁の一次側に設けら
れ、浄水の濁質粒子個数を監視する微粒子カウンタと、
この微粒子カウンタで計測された濁質粒子個数が入力さ
れ、この個数を演算して前記浄水弁、捨水弁を制御する
ろ過池洗浄シーケンス部とを備えたことを特徴とするも
のである。
【0016】第4発明は、未ろ水を流入して、ろ過水を
得るろ過池と、このろ過池で得られたろ過水を浄水池に
供給する管路に介挿された浄水弁と、前記管路の浄水弁
の一次側に設けられた捨水弁と、前記ろ過池の表洗用洗
浄水の供給、遮断制御を行う表洗弁と、前記浄水弁の一
次側に接続され、前記ろ過池の逆洗い用洗浄水の供給、
遮断制御を行う逆洗弁と、前記ろ過池に設けられ、流入
する未ろ水の濁質粒子個数を計測する第1微粒子カウン
タと、前記浄水弁の二次側に設けられ、浄水の濁質粒子
個数を監視する第2微粒子カウンタと、前記第1、第2
微粒子カウンタで計測された濁質粒子個数が入力され、
両濁質粒子個数を演算処理してろ過池洗浄開始指令を各
弁に与えるろ過池洗浄シーケンス部とを備えたことを特
徴とするものである。
【0017】第5発明は、ろ過池の逆洗が終了し、ろ過
池が満水なったなら浄水弁と捨水弁を同時に開放し、ろ
過水濁度が予め定められた流量になったなら、浄水弁を
閉じて捨水弁を開放したまま高濁水捨水を行い、その
後、ろ過水濁度が次第に低下し、そのろ過水が予め設定
した濁度まで低下したかを確認した後、ろ過水が設定濁
度になったときに、捨水弁を閉動作させ、浄水弁を開動
作させるようにしたことを特徴とするものである。
【0018】第6発明は、ろ過濁度上昇を誘発する前記
浄水弁短時間開工程と、この工程の動作により濁度が上
昇し、その濁度がある設定された規定値を超えたかを判
断する判断工程と、この判断工程での判断結果で規定値
を超えたときに、速やかに浄水弁を閉めると同時に捨水
弁を開く弁開閉工程とよりなることを特徴とするもので
ある。
【0019】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図面
に基づいて説明するに、図9と同一部分には同一符号を
付してその詳細な説明を省略する。図1はこの発明の実
施の第1形態を示すろ過池制御装置(特に捨水流量監視
機器構成)の概略構成図で、図1において、11はろ過
池で、このろ過池11には未ろ水が流入される。この未
ろ水はろ過池11でろ過されて浄水弁12に連結された
浄水管21を介して図示しない浄水池へろ過水が送水さ
れる。このろ過池11の洗浄制御を行うために、ろ過池
11には、表洗弁13、排水弁14、捨水弁15及び逆
洗弁16が設けられている。
【0020】前記捨水弁15には捨水管22が連結され
ていて、前記浄水管21とこの捨水管22には、それぞ
れろ過水流量計23と捨水流量計24が設置される。こ
のように流量計を設けるのは、濁度の立ち上がりは、捨
水流量およびろ過流量がある程度流れた時点で発生する
からである。
【0021】両流量計23、24の流量は、ろ過池洗浄
シーケンス部25に入力され、ここで加算処理されて、
洗浄後の総積算流量(m3)が算出される。算出された
総積算流量は、高感度濁度計26で計測された測定値
と、ろ過池洗浄シーケンス部25で比較され、濁度立ち
上がり時と濁度ピーク時、各々の総積算流量と統計的に
照らし合わせて、データベース化される。
【0022】そこで、データベースから、総積算流量と
濁度の関係を解析し、濁度監視および予測を行う。すな
わち、ろ過洗浄後のろ過水濁度の立ち上がり(図11の
)および濁度のピーク(図11の)の総積算流量を
決定し、その流量をパラメータにして浄水弁12や捨水
弁15の制御を行う。
【0023】上記のようにろ過池制御装置を構成したこ
とにより、高感度濁度計26によりろ過池洗浄後のろ過
水漏洩濁度を監視および濁度上昇を簡易的に予測し、こ
の予測に基づき、濁度ピークを効率的に監視するため
に、濁度ピークをねらって浄水弁12や捨水弁15を制
御することにより、捨水期間と濁度ピークがずれてしま
うことがなくなり、クリプトスポリジウム漏洩の危険性
が高い高濁度水を捨水し、ろ過水を清々に保つ効果が得
られるようになる。この他に第1形態では、次のような
効果も得られる。 a:既存の設備はそのままで流量計の設置のみで濁度管
理が可能となる。 b:浄水の流量監視が行える。 c:捨水の流量監視が行え、捨水排水槽のオーバーフロ
ー防止の制御が可能となる。
【0024】次に、この発明の実施の第2形態であるろ
過池制御装置(特に捨水流量制御)の概略構成図を述べ
るに、図1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この第2形態は、捨水管22に捨水流量計24を設け、
この捨水流量計24の流量をろ過池洗浄シーケンス部2
5に入力し、ここで積算処理を行って洗浄後の捨水流量
(m3)を算出する。算出された捨水流量は高感度濁度
計26で計測された測定値と、ろ過池洗浄シーケンス部
25で比較され、濁度立ち上がり時と濁度ピーク時、各
々の捨水流量と統計的に照らし合わせて、データベース
化される。
【0025】そこで、データベースから捨水流量と濁度
の関係を解析し、濁度上昇が現れる直前の捨水流量を決
定する。決定された流量は、捨水流量計24により検出
され、その流量時に捨水を濁度ピークに合わせるように
捨水弁15が制御される。そして、ろ過水が予め設定さ
れた濁度まで低下したことを確認した後、捨水弁15は
閉動作し、浄水弁12を開けて通常ろ過に入る。
【0026】上記のような構成により捨水流量計24と
ろ過池シーケンス部25を設けるだけでクリプトスポリ
ジウム漏洩の危険性が高い高濁度水を捨水し、ろ過水を
清々に保つことができる効果がある。この他に、第2形
態においても、第1形態で述べたa〜cの効果が得られ
る。
【0027】図3はこの発明の実施の第3形態を示す浄
水・捨水工程の監視制御の工程説明図で、この第3形態
は、前記第2形態をさらに改良したものである。すなわ
ち、捨水流量はその排水槽の容量や捨水管の管径が浄水
管に比較して細いために、十分な流量を得られないこと
が多い。このため、このような状況では、捨水弁15を
開けてからろ過池洗浄後の濁度ピークを迎えるまでに長
い時間が費やされ、捨水時間も長くなってしまい不経済
となる。そこで、捨水弁15と多流量の浄水弁12を併
用して素早く濁度ピークにおける捨水量を得る方法を案
出した。
【0028】この方法が図3に示す第3形態で、この第
3形態は、高感度濁度計データと捨水管に設置した捨水
流量計および浄水管に設置したろ過流量計データを比較
し、濁度ピークにおける総積算流量を決定するものであ
る。ここで、図3について述べる。ろ過池の逆洗が終了
したなら、ろ過池が満水になるまで約30分待ったの
ち、ろ過水流量計21と捨水流量計24の加算出力のも
とで図11に示すの流量になるまで両弁開放工程31
で、浄水弁12と捨水弁15を同時に開放する。この工
程31により図11に示すの流量になったなら、浄水
弁12を閉じて捨水弁15を最大開度に開いて高濁水捨
水工程32に入る。この工程32に入ると、ろ過水濁度
が立ち上がり、ろ過水濁度が次第に低下し、そのろ過水
が予め設定した濁度まで低下したかを検出確認工程33
で確認する。確認の結果ろ過水が設定濁度になったとき
には、捨水弁15を閉動作させ、浄水弁12を開動作さ
せてろ過工程34に入る。
【0029】上記のような方法を採用することにより、
流量計の設置のみのローコストで捨水量を低減するため
に、クリプトスポリジウム漏洩の危険性が高い高濁水を
捨水して、ろ過水を清々に保つことができる効果があ
る。この他に、第3形態では第1形態で述べたa〜cの
効果の他にも、捨水と浄水を併用するためろ過水の節約
が可能であるとともに、捨水排水槽が小容量で捨水が長
時間不可能な場合でも、ろ過流量で不足流量分賄えるた
め、濁度ピークの捨水が可能となる効果も得られる。
【0030】図4はこの発明の実施の第4形態を示す浄
水誘導型捨水制御の工程説明図で、この第4形態におい
ても、高感度濁度計によりろ過池洗浄後のろ過水漏洩濁
度を監視し、その濁度ピークを効率的に捨水するために
浄水、捨水弁制御を行う。上述したように捨水期間と濁
度ピークはずれてしまっていることが多い。
【0031】そこで、図5に示すろ過水濁度/水温トレ
ンドグラフにおいて、浄水弁12を開放すると、同図
で急激に濁度が上がっていることから、流量の少ない捨
水工程から流量の多いろ過工程に移ったことと判断す
る。
【0032】このため、図4に示す第4形態では、図5
で捨水弁15を開くのではなく、多流量の浄水弁12
を短時間開く浄水弁短時間開工程41を設け、この工程
41で浄水弁12を短時間開いてろ過濁度上昇を誘発す
る。次に、この誘発により濁度が上昇し、濁度が、ある
設定された規定値(例えば図5では洗浄水の濁度の+0.
01度上昇した同図の地点0.03度というように設定もし
くは、浄水弁を開く時間を規定する)を超えたかを判断
工程42で判断する。この判断工程42の判断の結果、
濁度が規定値を超えている場合には、弁開閉工程43で
速やかに浄水弁12を閉じると同時に捨水弁15を開く
ようにする。
【0033】上記のような制御方法を用いることによ
り、濁度漏洩を誘導しピンポイントで捨水を行う結果、
ハード的には、新たな計測機器を増設することなく捨水
量を低減し、クリプトスポリジウム漏洩の危険性が高い
高濁水を捨水して、ろ過水を清々に保つことができる効
果が得られる。この他に、第4形態では第1形態で述べ
たa〜cの効果の他にも、第3形態で述べた効果も得ら
れ、しかもこの第4形態では、ろ過池洗浄後、ろ過流量
を発生させ濁度ピークを誘発するため、速やかな捨水が
行え、通常ろ過状態に早く入ることができ、ろ過水の節
約が可能となる効果も得られる。
【0034】図6はこの発明の実施の第5形態を示すろ
過池制御装置(微粒子カウンタによる捨水制御)の概略
構成図で、図6において図1と同一部分には同一符号を
付して述べる。図6において、61は浄水弁12の一次
側に設置した微粒子カウンタ(パーティクルカウンタ)
で、この微粒子カウンタ61で、浄水の濁質粒子個数を
監視、測定する。測定した濁質粒子個数はろ過池洗浄シ
ーケンス部25に入力して演算し、演算結果により浄水
弁12、捨水弁15を制御する。
【0035】上記のように、第5形態では、微粒子カウ
ンタ61によりろ過水漏洩濁度粒子を監視し、クリプト
スポリジウムをターゲットとした2μm以上の濁質粒子
を捨水するために浄水弁12、捨水弁15を制御するよ
うにしたものである。
【0036】図7のトレンドグラフにより上記の動作を
述べると、図7のトレンドグラフに示すように濁度ピー
クと濁質個数のピークは測定器の種類にもよるがば
らついていることが多い。現状では、濁度を指標として
を捨水する方法が考えられている。しかし、クリプト
スポリジウムの大きさの粒子を捨水するよう考慮すると
をターゲットに捨水弁15を制御することが効果的で
ある。
【0037】上記のように、濁度によりクリプトスポリ
ジウムを同定できない場合、その粒径の大きさを指標と
して捨水するので、クリプトスポリジウム漏洩の危険を
低減することで、ろ過水を清々に保つことができる効果
がある。また、測定する濁質粒径を可変させることによ
り、クリプトスポリジウム以外の原虫などの監視も行え
る利点がある。
【0038】図8はこの発明の実施の第6形態を示すろ
過池制御装置(微粒子カウンタによる洗浄開始制御)の
概略構成図で、この第6形態では、微粒子カウンタ(パ
ーティクルカウンタ)によりろ過水濁度粒子を監視し、
最適なろ過池洗浄開始指令を行う制御である。このよう
な制御としたのは、通常、ろ過池洗浄の開始指令はろ過
池の損失水頭上昇を水位計で検知するか、タイマーによ
る定期的な洗浄が主な手段である。しかし、クリプトス
ポリジウムや洗浄水節水におけるエネルギ節約などが、
問題視されるようになってきたことに伴い、ろ過池洗浄
のあり方が問われているからである。
【0039】図8において、第1微粒子カウンタ62で
ろ過池に流入する濁質粒子個数を計数し、第2微粒子カ
ウンタ63で浄水弁12の二次側の浄水の濁質粒子個数
を監視する。第1、第2微粒子カウンタ62、63の計
測値は、ろ過池洗浄シーケンス部25へ伝送され、ここ
で、流入・流出それぞれの濁質数積算値が演算される。
流入の濁質数積算値から流出のそれの差は、その粒径に
おけるろ過池11の濁質抑留能力を示している。そこ
で、濁質の漏洩が起きない十分安全なろ過池11の濁質
抑留能力を水温やろ過水手分析などの過去データより決
定し、ろ過池洗浄シーケンス部25にてソフトウェア化
し、洗浄開始指令を構築する。
【0040】上記のようにろ過池11の未ろ水流入側に
第1微粒子カウンタ62を、浄水弁12の二次側に第2
微粒子カウンタ63をそれぞれ個別に設けることで、前
者はろ過池洗浄シーケンスの自動制御を司る装置として
使用し、後者は浄水池もしくは配水池へ流入するろ過水
の濁度監視指標として使用するようにしたので、設定値
以上の濁度のろ過水は浄水弁12により遮断し、暫定指
針を厳守するように機能する。このように構成すること
により、洗浄と監視を分離し、水質の安全性を向上させ
ることができる。また、2つの微粒子カウンタを使用し
ているので、どちらかの微粒子カウンタが故障しても最
低限の濁度監視を行うことができるとともに、計測値の
比較検討を行うことで装置の異常を早い段階で検知でき
る。
【0041】さらに、ろ過池の負荷や効率を濁質抑留量
から簡易的に診断することが可能であり、かつ適切なろ
過池洗浄を実施することによりろ過水および動力エネル
ギの節約が可能である。
【0042】上記のように第6形態を構成することによ
り、最適時期のろ過池洗浄を実現することができ、それ
に伴う省エネ効果およびクリプトスポリジウム漏洩の危
険性の低下を図ることができ、ろ過水を清々に保つこと
ができるようになる。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
クリプトスポリジウム漏洩の危険性を低減することがで
きる他に、既存の設備はそのままで流量計の設置のみで
濁度管理が可能となる等の種々の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の第1形態を示すろ過池制御装
置の概略構成図。
【図2】この発明の実施の第2形態を示すろ過池制御装
置の概略構成図。
【図3】この発明の実施の第3形態を示す浄水・捨水工
程の監視制御の工程説明図。
【図4】この発明の実施の第4形態を示す浄水誘導型捨
水制御の工程説明図。
【図5】ろ過水濁度/水温トレンドグラフ。
【図6】この発明の実施の第5形態を示すろ過池制御装
置の概略構成図。
【図7】ろ過水濁度/水温トレンドグラフ。
【図8】この発明の実施の第6形態を示すろ過池制御装
置の概略構成図。
【図9】捨水、ろ過を開始するときのタイムチャート。
【図10】ろ過池洗浄制御装置の概略構成図。
【図11】ろ過水濁度/水温トレンドグラフ。
【符号の説明】
11…ろ過池 12…浄水弁 13…表洗弁 14…排水弁 15…捨水弁 16…逆洗弁 21…浄水管 22…捨水管 23…ろ過水流量計 24…捨水流量計 25…ろ過池洗浄シーケンス部 26…高感度濁度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鮫島 正一 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 (72)発明者 秦野 薫 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 Fターム(参考) 4D041 BA02 BB04 BC11 BC41 BD17 CC06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未ろ水を流入して、ろ過水を得るろ過池
    と、このろ過池で得られたろ過水を浄水池に供給する管
    路に介挿された浄水弁と、前記管路の浄水弁の一次側に
    設けられた捨水弁と、前記ろ過池の表洗用洗浄水の供
    給、遮断制御を行う表洗弁と、前記浄水弁の一次側に接
    続され、前記ろ過池の逆洗い用洗浄水の供給、遮断制御
    を行う逆洗弁と、前記浄水弁の二次側の濁度を測定する
    高感度濁度計とを備えたろ過池制御装置において、 前記浄水弁の二次側を流れるろ過水の流量を計測する第
    1流量計と、前記捨水弁の二次側を流れる捨水の流量を
    計測する第2流量計と、前記高感度濁度計で計測された
    濁度測定値が入力されるとともに、前記第1流量計と第
    2流量計の両流量が入力され、両流量を処理して総流量
    を算出し、算出された総流量と高感度濁度計で計測され
    た濁度測定値とを比較して、ろ過水濁度の立ち上がり時
    と濁度ピーク時の総流量をパラメータにして前記浄水、
    捨水弁制御信号を送出するろ過池洗浄シーケンス部とを
    備えたことを特徴とするろ過池制御装置。
  2. 【請求項2】 未ろ水を流入して、ろ過水を得るろ過池
    と、このろ過池で得られたろ過水を浄水池に供給する管
    路に介挿された浄水弁と、前記管路の浄水弁の一次側に
    設けられた捨水弁と、前記ろ過池の表洗用洗浄水の供
    給、遮断制御を行う表洗弁と、前記浄水弁の一次側に接
    続され、前記ろ過池の逆洗い用洗浄水の供給、遮断制御
    を行う逆洗弁と、前記浄水弁の二次側の濁度を測定する
    高感度濁度計とを備えたろ過池制御装置において、 前記捨水弁の二次側を流れる捨水の流量を計測する流量
    計と、この流量計で計測した捨水流量と前記高感度濁度
    計で計測された濁度測定値とが入力され、ろ過池洗浄後
    の捨水流量を算出し、算出された捨水流量と前記濁度測
    定値とを比較して濁度上昇が現れる直前の捨水流量を決
    定し、その決定された流量時に前記流量計が捨水を開始
    する制御信号を送出するろ過池洗浄シーケンス部とを備
    えたことを特徴とするろ過池制御装置。
  3. 【請求項3】 未ろ水を流入して、ろ過水を得るろ過池
    と、このろ過池で得られたろ過水を浄水池に供給する管
    路に介挿された浄水弁と、前記管路の浄水弁の一次側に
    設けられた捨水弁と、前記ろ過池の表洗用洗浄水の供
    給、遮断制御を行う表洗弁と、前記浄水弁の一次側に接
    続され、前記ろ過池の逆洗い用洗浄水の供給、遮断制御
    を行う逆洗弁と、前記浄水弁の一次側に設けられ、浄水
    の濁質粒子個数を監視する微粒子カウンタと、この微粒
    子カウンタで計測された濁質粒子個数が入力され、この
    個数を演算して前記浄水弁、捨水弁を制御するろ過池洗
    浄シーケンス部とを備えたことを特徴とするろ過池制御
    装置。
  4. 【請求項4】 未ろ水を流入して、ろ過水を得るろ過池
    と、このろ過池で得られたろ過水を浄水池に供給する管
    路に介挿された浄水弁と、前記管路の浄水弁の一次側に
    設けられた捨水弁と、前記ろ過池の表洗用洗浄水の供
    給、遮断制御を行う表洗弁と、前記浄水弁の一次側に接
    続され、前記ろ過池の逆洗い用洗浄水の供給、遮断制御
    を行う逆洗弁と、前記ろ過池に設けられ、流入する未ろ
    水の濁質粒子個数を計測する第1微粒子カウンタと、前
    記浄水弁の二次側に設けられ、浄水の濁質粒子個数を監
    視する第2微粒子カウンタと、前記第1、第2微粒子カ
    ウンタで計測された濁質粒子個数が入力され、両濁質粒
    子個数を演算処理してろ過池洗浄開始指令を各弁に与え
    るろ過池洗浄シーケンス部とを備えたことを特徴とする
    ろ過池制御装置。
  5. 【請求項5】 未ろ水を流入して、ろ過水を得るろ過池
    と、このろ過池で得られたろ過水を浄水池に供給する管
    路に介挿された浄水弁と、前記管路の浄水弁の一次側に
    設けられた捨水弁とを備え、ろ過池を表洗、逆洗の洗浄
    制御を行うろ過池制御方法において、 ろ過池の逆洗が終了し、ろ過池が満水なったなら浄水弁
    と捨水弁を同時に開放し、ろ過水濁度が予め定められた
    流量になったなら、浄水弁を閉じて捨水弁を開放したま
    ま高濁水捨水を行い、その後、ろ過水濁度が次第に低下
    し、そのろ過水が予め設定した濁度まで低下したかを確
    認した後、ろ過水が設定濁度になったときに、捨水弁を
    閉動作させ、浄水弁を開動作させるようにしたことを特
    徴とするろ過池制御方法。
  6. 【請求項6】 未ろ水を流入して、ろ過水を得るろ過池
    と、このろ過池で得られたろ過水を浄水池に供給する管
    路に介挿された浄水弁と、前記管路の浄水弁の一次側に
    設けられた捨水弁とを備え、ろ過池を表洗、逆洗の洗浄
    制御を行うろ過池制御方法において、 ろ過濁度上昇を誘発する前記浄水弁短時間開工程と、こ
    の工程の動作により濁度が上昇し、その濁度がある設定
    された規定値を超えたかを判断する判断工程と、この判
    断工程での判断結果で規定値を超えたときに、速やかに
    浄水弁を閉めると同時に捨水弁を開く弁開閉工程とより
    なることを特徴とするろ過池制御方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001058108A (ja) * 1999-07-13 2001-03-06 Roumen Kaltchev 懸濁物質を含有した液体のための浄化器
JP2004195304A (ja) * 2002-12-17 2004-07-15 Toshiba Corp 凝集剤注入制御方法及び装置
JP2009090227A (ja) * 2007-10-10 2009-04-30 Japan Organo Co Ltd 凝集ろ過処理方法および凝集ろ過処理装置

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