JP5283550B2 - ろ過池通過後のろ過水の濁度又は微粒子数の測定値から逆洗を判定する方法、ろ過池通過後のろ過水の濁度又は微粒子数の測定値から逆洗を判定する装置、ろ過池通過後のろ過水の濁度又は微粒子数の測定値から逆洗を判定する方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、及び記録媒体 - Google Patents
ろ過池通過後のろ過水の濁度又は微粒子数の測定値から逆洗を判定する方法、ろ過池通過後のろ過水の濁度又は微粒子数の測定値から逆洗を判定する装置、ろ過池通過後のろ過水の濁度又は微粒子数の測定値から逆洗を判定する方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、及び記録媒体 Download PDFInfo
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Description
する方法により、ろ過水の微粒子数管理が行われている。
ら少しずつ上げていくスロースタート等の逆洗工程を適正化する浄水場が増えつつある。
1)中央監視施設のろ過池ごとの逆洗時刻の記録を確認
2)上記時刻周辺におけるろ過水濁度あるいは、微粒子数のピーク値の確認と記録
3)逆洗条件ごとのピーク値のデータ解析
ここで、1)、2)は、手作業で行っており、特にろ過水濁度や微粒子数のピーク値の検索を逆洗の度に繰り返す作業は、非常に労力と時間がかかってしまっていた。
濁度を測定する濁度測定手段6と、濁度測定手段からの信号を変換する信号変換手段7と、濁度測定手段6より送られ、かつ信号変換手段7において変換された情報を受け取り、逆洗の濁度を判定するとともに逆洗の濁度に関する情報を記録する情報処理手段8とから構成されている。
時に排水弁から逆洗排水を排水する。所定の時間の経過後に逆洗弁を閉じ、排水弁を閉じ、流入弁を開け、浄水弁を開けて浄水工程に復帰するような工程による洗浄をいい、通常2、3日に一度行われる。このように、急速ろ過池4によるろ過後のろ過水の濁度は常時把握される必要があり、ろ過水の濁度は0.1度以下に維持するよう運転管理される。
そのため、上記のような濁度測定装置の代わりに、ろ過水中の微粒子数を測定できる装置を設置することもできる。このような、微粒子測定装置としては、光遮断方式の微粒子カウンタ等が挙げられる。また、濁度測定装置とともに微粒子数測定装置を設置することも好ましい。このような、ろ過水の濁度と微粒子数を同時に計測できるものとして、例えば特許第3672158号公報に開示される微粒子カウント式高感度濁度計を使用することがコスト面等からもより好ましい。
このような装置により測定されたろ過水の濁度又は微粒子数の情報は、信号変換器7を介し、情報処理手段8へと伝えられる。
の判別及び記録をすることができる。この構成によれば、情報処理手段8の負荷を軽減することができ、また信号変換器7の端末においてユーザーがデータの処理をすることが可能となる。
ターンであると認定した情報に関し記録を行う。
先ず、ろ過水の濁度の測定結果のうち、1)濁度の上昇(ピーク)を検出する。次に、検出されたピークが逆洗によるものである可能性を有する場合に、2)ピーク幅の判定を行う。
1)の工程については、例えば、予め閾値を設定し、その閾値を濁度の測定結果が超えていた場合に、逆洗による濁度上昇の可能性があると判定する「閾値判定法」と、濁度の平均値と測定値の標準偏差の変動からピークを検出する「標準偏差判定法」(参考となる形態に係る方法)等により判断することができる。
そして、1)の工程により逆洗後の濁度上昇の可能性があると判断された場合に、2)の判定をする。2)の工程では、その濁度ピークの幅が、設定範囲内であるか否かにより逆洗後の濁度パターンであるか否かを認定し、その濁度ピーク幅が設定範囲内であれば、逆洗後の濁度パターンであると認定する。
閾値判定法の説明をするグラフを図2に示す。閾値判定法としては、以下の手順により、逆洗後の濁度上昇を判定する。
1)まず、濁度の現在値からさかのぼって、一定期間(例えば60分前)の濁度の平均値mを計算する(一定期間は、正確な平均値が取れる時間だけ遡ればよく、10分以上が好ましい)。
2)濁度の現在値が閾値aを超えたら逆洗後の濁度上昇の可能性があるとして、濁度ピーク値TBmaxと以下に記すピーク幅の判定を行う(閾値aとしては、例えば0.005〜0.1度の間で設定することが好ましい)。
3)濁度がTBmaxとmとの差の5〜20%の値と、平均値mとの和の値を超えた時刻からTBmaxに至る時刻Aまでの時間(例えば10%値と設定すると、T1は、(TBmax−m)×0.1+mを超えた時刻からTBmaxに至る時刻Aまでの時間)をT1とし、時刻Aから濁度が濁度ピーク値と前記平均値との差の40〜60%の値と、前記平均値との和の値となった時点までの時間(例えば50%と設定すると、時刻Aから(TB≦(TBmax−m)×0.5+m)となる値までの時間)を、T2として、濁度ピーク幅T3=(T1+T2)等を計算する。
4)T3が一定時間の範囲(処理原水の性状や急速ろ過池の構成により異なるが、例えば、10分〜60分、より好ましくは20分から40分)に収まった場合に逆洗後の濁度上昇と判定する。その他は、逆洗以外の理由による上昇として無視する。ピーク幅があまり短い時間、例えば10分以下であると、突発的な濁度の変動であると考えられ、ピーク幅があまり長い時間、例えば60分以上であると、逆洗ではなく、浄水処理自体の失敗等が原因であると考えられる。
また、標準偏差判定法(本発明の参考となる形態に係る方法)の説明をするグラフを図3に示す。標準判定法としては、以下の手順により、逆洗後の濁度上昇を判定する。
1)濁度の現在値から一定期間(例えば60分)さかのぼって、濁度又は微粒子数の平均値mと標準偏差σとを計算する。
2)濁度の現在値≧m+NAσとなった場合(NAは自然数であって、例えば2〜6が好ましく、3〜6がより好ましく、6が最も好ましい。また、NBと同じか、又はNBよりも大きい値である。)、逆洗後の濁度上昇の可能性があるとして、濁度ピーク値TBmaxと次に記すピーク幅の判定を行う。
3)濁度≧m+NBσ(NBは自然数であって例えば例えば2〜6が好ましく、2〜3がより好ましく、3が最も好ましい。)となった時点から、TBmaxの時刻Aまでの時間をT1とし、時刻Aから濁度が濁度ピーク値と前記平均値との差の40〜60%の値と、前記平均値との和の値となった時点までの時間(例えば50%と設定すると、時刻Aから(TB≦(TBmax−m)/2+m)となる時刻までの時間)をT2として、濁度ピーク幅T3=(T1+T2)等を計算する。
4)T3が一定時間の範囲(処理原水の性状や急速ろ過池の構成により異なるが、例えば、10分〜60分、より好ましくは20分〜40分)に収まった場合に逆洗後の濁度上昇と判定する。その他は、逆洗以外の理由による上昇として無視する。
逆洗後の濁度上昇であると判定されたデータは、例えばCSVファイル等の形式でパソコンの記録媒体に記憶される。フォーマットの例を表1に示す。なお、逆洗直後のろ過水データは、濁度だけでもよいが、測定器として微粒子カウンタを追加、あるいは特許第3672518号公報に開示される微粒子カウント方式の高感度濁度計を使用すれば、微粒子数のピーク値も記録することが可能である。
ップは、上述した方法と同様に実行させることができる。プログラムにより各ステップを実行するように指示するコンピュータは、情報処理手段8であってもよいし、通信変換器7や中央監視装置とすることもできる。
図1に示す構成により、急速ろ過池のドレイン弁から試料水をサンプリングし、高感度濁度計で当該試料水を測定するシステムにより、逆洗後の濁度上昇を測定した。使用した濁度計の測定値の通信出力(RS485)は信号変換器により、RS232Cに変換され、パソコンでデータ収集を行うようになった。
ろ過池の逆洗時において、スローダウンを実施した場合、逆洗後の濁度は図4のように変化した。スローダウン時間の設定(0分及び2分)により、濁度ピーク値が異なっているが、このピーク値は原水水質、浄水場の施設要件や運転条件の影響も受ける。
ここで、本発明の逆洗判定方法(閾値判定法)によれば、スローダウンの設定時間毎に濁度ピーク値を自動的に求めることができる。すなわち、スローダウン時間0分の場合、閾値aとなる濁度を0.05度に設定したため、10:06以降は、逆洗後の濁度上昇の可能性があると判定された。また、濁度ピーク値(TBmax)は0.20度、平均値は0.02度であった。よって、TBmaxとmとの差の10%の値と、mとの和の値となる時点をT1の開始時点、TBmaxとmとの差の50%の値と、mとの和の値となる時点をT2の終了時とすると、(TBmax−m)×-10%+mは0.038度、(TBmax−m)×50%+mは0.11度となり、0.038度を超えた時点から濁度ピークまでの時間T1は20分、濁度ピーク時点から0.11度となる時点までの時間T2は10分となり、ピーク幅T3は30分と計算された。ここで、ピーク幅が10〜60分の範囲内のときに逆洗後の濁度上昇と判定することに設定すれば、本図における濁度パターンは、逆洗後のデータと判定され、濁度ピーク値、ピーク幅、濁度ピーク時刻等が自動的に記録される。
次に、図7に示すような急速ろ過池のドレイン弁から試料水をサンプリングし、微粒子数の測定が可能な微粒子カウント方式の濁度計で当該試料水を測定するシステムにより逆洗後の濁度上昇を測定した。当該濁度計の測定値の通信出力(RS485)は、Web画面の保存やデータの解析機能を持たせたインテリジェントデータ収集装置(ガジェットサービスアダプタ:GSA)に蓄えられ、LANを経由してパソコンで測定値や解析結果を閲覧する事ができる。
ろ過池の逆洗において、スロースタートを実施した場合、ろ過開始後の微粒子数は、図8のように変化し、スロースタート時間の設定(0分及び10分)によって、微粒子数のピーク値が異なることが分かった。
ここで、本実施例では、微粒子数のデータとして、3μm以上の微粒子数を対象として、データを解析した。3μm以上の微粒子数を扱うことで、クリプトスポリジウム相当径の粒子に対象を絞る事ができる。さらに、逆洗後以外の通常時における3μm以上の微粒子の測定値は低いので、逆洗後のピーク値は濁度ピーク値よりはっきり捉えることができるという利点がある。
(PCmax−m)×50%+mは60個となる。よって、T1は25分、T2は10分となり、ピーク幅T3は35分と計算された。ここで、ピーク幅が10〜60分のときに逆洗後の微粒子数上昇と判定するとすれば、本図における微粒子数パターンは、逆洗後のデータと判定され、微粒子数ピーク値、ピーク幅の他に、濁度ピーク値、ピーク時刻等が記録される。
図9はスロースタート時間と微粒子数ピーク値との関係を占めすグラフである。微粒子数ピーク値の許容値を50個/mLに設定するならば、スロースタートの設定時間は10分に設定すればよいことになる。なお、本実施例のようなスロースタート時間の検証は、スローダウンの検証と同様に、季節を変えて実施し、水温による違いを把握したり、降雨時に実施することにより、原水濁度による違いを把握したりすることも重要である。
2 混和池
3 フロック形成池、沈殿池
4 急速ろ過池
5 浄水池
6 濁度測定手段
7 信号変換器
8 情報処理手段
9 データ収集装置
11 ドレイン弁
12 サンプル弁
Claims (7)
- ろ過池通過後のろ過水の濁度又は微粒子数の測定値から逆洗を判定する方法であって、
前記ろ過池を通過したろ過水の濁度又は微粒子数を時系列的に測定するステップと、
前記測定ステップにより得られた測定値が閾値を超えた場合に、逆流洗浄後の濁度又は微粒子数が上昇していた時間を算出するステップと、
前記濁度又は微粒子数が上昇していた時間が、一定時間の範囲内であるときに、逆洗が行われたと判断するステップであって、前記逆洗後の濁度又は微粒子数が上昇していた時間が、測定した濁度又は微粒子数のピークの値と閾値を超える前の測定値の平均値との差の5〜20%の値と、前記平均値との和の値となる測定値の時から、ピーク経過後であってピーク値と前記平均値との差の40〜60%の値と、前記平均値との和の値となる測定値の時までの時間であるステップ
とを含む方法。 - 前記判断ステップにより逆流洗浄後の濁度又は微粒子数であると判断された場合に、その測定値に関する情報を記録するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
- ろ過池通過後のろ過水の濁度又は微粒子数の測定値から逆洗を判定する装置であって、
前記ろ過池を通過したろ過水の濁度又は微粒子数を時系列的に測定する手段と、
前記測定ステップにより得られた測定値が閾値を超えた場合に、逆流洗浄後の濁度又は微粒子数が上昇していた時間を算出し、前記濁度又は微粒子数が上昇していた時間が、一定時間の範囲内であるときに、逆洗が行われたと判断する手段であって、前記逆洗後の濁度又は微粒子数が上昇していた時間が、測定した濁度又は微粒子数のピークの値と閾値を超える前の測定値の平均値との差の5〜20%の値と、前記平均値との和の値となる測定値の時から、ピーク経過後であってピーク値と前記平均値との差の40〜60%の値と、前記平均値との和の値となる測定値の時までの時間である手段
とを含む装置。 - 前記判断手段により逆流洗浄後の濁度又は微粒子数であると判断された場合に、前記判断手段が、その測定値に関する情報をさらに記録する請求項3に記載の装置。
- ろ過池通過後のろ過水の濁度又は微粒子数の測定値から逆洗を判定する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記ろ過池を通過したろ過水の濁度又は微粒子数を時系列的にコンピュータが濁度測定手段に測定させるステップと、
前記測定ステップにより得られた測定値が閾値を超えた場合に、逆流洗浄後の濁度又は微粒子数が上昇していた時間をコンピュータに算出させるステップと、
前記濁度又は微粒子数が上昇していた時間が、一定時間の範囲内であるときに、逆洗が行われたとコンピュータに判断させるステップであって、前記逆洗後の濁度又は微粒子数が上昇していた時間が、測定した濁度又は微粒子数のピークの値と閾値を超える前の測定値の平均値との差の5〜20%の値と、前記平均値との和の値となる測定値の時から、ピーク経過後であってピーク値と前記平均値との差の40〜60%の値と、前記平均値との和の値となる測定値の時までの時間であるステップとを
コンピュータに実行させるためのプログラム。 - 前記逆洗が行われたとコンピュータに判断させるステップにより逆流洗浄後の濁度又は微粒子数であると判断された場合に、その測定値に関する情報をコンピュータに記録させるステップをさらに実行させることを含む請求項5に記載のプログラム。
- 請求項5又は6に記載のプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体。
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