JP2000139967A - 人工血管及びその製造方法 - Google Patents
人工血管及びその製造方法Info
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Abstract
よる変形を防ぐことができる人工血管を提供する。 【解決手段】 管の内径が10mm以下である人工血管
本体2の外周に、熱可塑性重合体からなる高融点成分3
bと、この高融点成分3bよりも融点の低い熱可塑性重
合体からなる低融点成分3aとで形成される50〜20
00dtexの複合モノフィラメント3が巻き付けら
れ、その複合モノフィラメント3の高融点成分3bを残
しつつ低融点成分3aのみが溶融されて、その複合モノ
フィラメント3と人工血管本体2とが熱融着されてい
る。
Description
め込むことが可能なモノフィラメントにより補強された
人工血管及びその製造方法に関する。
造を付与する加工により耐キンク性(易屈曲性)を向上
させている。このような人工血管では、蛇腹の凹凸部分
において血液流が乱流状態となるため、血管壁に厚さ1
〜2mm程度の血栓が付着することが知られている。人
工血管の内径が10mmを越えれば、内径を8mm以上
保持することができこの血栓形成を原因とした閉塞が起
こらず問題とはならない。しかし内径が10mm以下の
人工血管、特に8mm以下の人工血管の場合では、周囲
の筋肉等による圧迫で、血管壁が狭窄を起こし易く、さ
らにこれによって生じた皺部分に血栓が付着するため人
工血管が閉塞を起こし問題となっていた。
下、特に8mm以下の人工血管では、蛇腹加工によって
耐キンク性の向上と周囲の圧迫による変形の防止を付与
する補強を施すのではなく、人工血管の外周に2000
dtex以上のポリプロピレンモノフィラメントを巻き
付け、次いで特定条件下で熱処理を行い、該モノフィラ
メントを部分的に溶融し、融着させる加工によって補強
を施している。
ピレンモノフィラメントで補強された内径が8mm以下
の人工血管では、それ自体の柔軟性が低下し硬くなり、
取り扱いが難くなる問題があった。また、2000dt
ex未満のポリプロピレンモノフィラメントで補強を行
った場合、特定条件下の熱処理では、該モノフィラメン
トの表面のみならず全部が溶融して、モノフィラメント
自体の強度が低下するため、人工血管のキンク防止や圧
迫による変形を防ぐことが困難となっていた。
的は、2000dtex未満のモノフィラメントの強度
を低下させずに、人工血管外周と融着させることで、柔
軟性を維持しつつ、キンク防止や圧迫による変形を防ぐ
ことに優れたものとなる人工血管及びその製造方法を提
供するものである。
意検討を重ねた結果、モノフィラメントを、ポリオレフ
ィン系重合体からなる高融点成分と、この高融点成分よ
りも融点の低いポリオレフィン系重合体からなる低融点
成分とで形成される複合モノフィラメントとし、人工血
管の外周に融着させることで、要求性能を満たすことを
知り、本発明を完成するに至った。
を解決するために以下の構成を有する。 (1) 人工血管において、熱可塑性重合体からなる高
融点成分と、この高融点成分よりも融点の低い熱可塑性
重合体からなる低融点成分とで形成される50〜200
0dtexの複合モノフィラメントが、人工血管の外周
に融着されていることを特徴とする人工血管。 (2) 人工血管の内径が10mm以下であることを特
徴とする前記(1)項に記載の人工血管。 (3) 複合モノフィラメントが、人工血管の外周に螺
旋状に巻き付けられていることを特徴とする前記(1)
〜(2)項のいずれかに記載の人工血管。 (4) 複合モノフィラメントを形成する熱可塑性重合
体からなる高融点成分及び低融点成分がポリオレフィン
系重合体であることを特徴とする前記(1)〜(3)項
のいずれかに記載の人工血管。 (5) 複合モノフィラメントを形成する熱可塑性重合
体からなる高融点成分及び低融点成分がポリテトラフル
オロエチレンであることを特徴とする前記(1)〜
(3)項のいずれかに記載の人工血管。 (6) 複合モノフィラメントを形成する高融点成分が
ポリプロピレンであり、低融点成分がプロピレンの共重
合体であることを特徴とする前記(4)項に記載の人工
血管。 (7) 複合モノフィラメントを形成する高融点成分が
高密度ポリエチレンであり、低融点成分が直鎖状低密度
ポリエチレンあるいは低密度ポリエチレンであることを
特徴とする前記(4)項に記載の人工血管。 (8) 管の内径が10mm以下である人工血管本体内
に心棒を嵌合して、該人工血管本体外周に、熱可塑性重
合体からなる高融点成分と、この高融点成分よりも融点
の低い熱可塑性重合体からなる低融点成分とで形成され
る50〜2000dtexの複合モノフィラメントを螺
旋状に巻き付け、次いで加熱して、複合モノフィラメン
トの低融点成分を人工血管の外周に融着させることを特
徴とする人工血管の製造方法。
本発明の人工血管1は、図1に示すように、人工血管本
体2の外周に補強材として複合モノフィラメント3が用
いられて、補強効果が高められた構成とされており、そ
の構成として、例えば、人工血管本体2外周に複合モノ
フィラメント3を巻き付けた構成がとられている(図1
参照)。
は、筒状に形成された編物,織物,組紐等が好適に用い
られる。本発明の人工血管1の内径は好ましくは10m
m以下、より好ましくは8mm〜3mmの範囲、さらに
より好ましくは6mm〜4mmの範囲にある。
する材料としては、ポリエチレンテレフタレート等のポ
リエステル繊維の管、ポリテトラフルオロエチレンを延
伸することにより無数の亀裂を生じさせ結果的に多孔質
とした管等を用いることができる。更に必要に応じて該
人工血管本体の内周面に、コラーゲン、ゼラチン、アル
ブミン、キチン、キトサン、セルロース、フィブロイ
ン、アルギンサン、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ヒアルロ
ン酸、デルマタン酸等及びそれらの誘導体から選ばれた
少なくとも一種の生体内吸収性物質によってコーディン
グを施してもよい。
3としては、繊度が50〜2000dtexの範囲のも
のが好ましく用いられる。繊度が2000dtexを大
きく越える複合モノフィラメントを用い補強を行った場
合には、人工血管自体の柔軟性が低下し硬くなってしま
い、50dtexを大きく下回る複合モノフィラメント
で補強を行った場合には、モノフィラメントの柔らかい
ことから補強効果が低くなるため、人工血管のキンク防
止や圧迫による変形を防ぐ効果が低くなる。
3の複合形態は、図2に示すように、鞘部(低融点成
分)3aと芯部(高融点成分)3bとを備える同心芯鞘
型だけでなく、偏心鞘芯型、並列型、海島型、同心中空
芯鞘型、偏心中空鞘芯型、並列中空型、多層型などが例
示でき、またフィラメント断面形態は、接着性能を著し
く低下させない範囲内であれば、円形だけでなく多角
形、楕円形などの異形断面であってもよい。また、偏心
鞘芯型や並列型の複合形態を用いることでフィラメント
に自然捲縮を付与することが容易にできるため、人工血
管を補強する効果が期待できる。このとき捲縮数は、適
宜選択できる。なお、人工血管本体2と複合モノフィラ
メント3との熱接着を行うためには、複合モノフィラメ
ント3の表層部分に低融点成分の少なくとも4割以上が
露出する必要がある。低融点成分の露出が4割を大きく
下回った複合モノフィラメントを用いた人工血管に熱接
着処理を施した場合には、人工血管本体との接着が著し
く悪くなる。
3を形成する低融点成分及び高融点成分としては熱可塑
性重合体が用いられ、具体的には、直鎖状低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、プロピレンを主とした二
元共重合体、プロピレンを主とした三元共重合体、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン系重合体、ポリテトラフ
ルオロエチレンを用いることができる。
チーグラーナッタ触媒を用いて重合されたポリオレイフ
ィン系重合体だけでなく、他の触媒、例えばメタロセン
触媒を用いて重合されたポリオレフィン系重合体等も耐
熱性の点及び狭分子量分布といった特徴を生かした利用
もできる。直鎖状低密度ポリエチレンとしては、例えば
73〜99重量%のエチレン及び1〜27重量%の1−
オクテンからなるエチレン−オクテン共重合体(より好
ましくは75〜98重量%のエチレン及び2〜25重量
%の1−オクテンからなるエチレン−オクテン共重合
体)またはこれらの混合物を用いることができる。高密
度ポリエチレンとしては、示差走査型熱量計(DSC)
により得られた高密度ポリエチレンの吸熱ピークが1ピ
ークのものだけでなく、2ピーク以上のものも用いるこ
とができる。
て、これらの熱可塑性重合体の中から融点差が少なくと
も7℃以上の組み合わせを適宜選択し、それぞれを低融
点成分と高融点成分として用いることができる。本発明
の高融点成分と低融点成分の融点差とは、示差走査型熱
量計(DSC)により得られた重合体のそれぞれの吸熱
ピークの温度差をいう。
例えば、酸化防止剤,熱安定剤等の各種添加剤を本発明
の効果を損なわない範囲で添加することができる。しか
しながら、特にこれに限定されるものではない。
3を形成する高融点成分と低融点成分の容積比率(フィ
ラメント断面の面積比率に相当する)は、低融点成分:
高融点成分の比率で20:80〜80:20、好ましく
は40:60〜60:40である。低融点成分の比率が
20未満になると人工血管本体との接着性が著しく低下
する傾向にあり、逆に高融点成分の比率が20未満にな
ると複合モノフィラメント自身の繊維形態が保持されに
くくなるため、得られた人工血管は硬くなる傾向にあ
る。
る複合モノフィラメント3の巻き付け方法としては、得
られた人工血管1に柔軟性が残せる方法であればよい。
例えば、図1に例示した単一の螺旋巻きだけでなく、多
重の螺旋巻き、複数本のフィラメントによる螺旋巻き、
または右螺旋巻きと左螺旋巻きの組み合わせなどが例示
できる。単一の螺旋巻きにより人工血管本体を補強する
製造方法が、生産性とコストパフォーマンスに優れてい
るため、好ましく用いることができる。なお、人工血管
本体2への巻き付けのピッチは、適宜選択し利用できる
が、加工性の点から2mm程度のものが通常利用でき
る。
す。本発明に用いられる複合モノフィラメント3は、複
合紡糸機を用いて低融点成分及び高融点成分の熱可塑性
重合体をフィラメント状にし、これを水槽に浸漬するこ
とで冷却処理を行い、続いて目的の繊度となるように牽
引延伸して得られる。
後、筒状の人工血管本体2内に心棒を嵌合し、その後、
筒状の人工血管本体2の外周面に、複合モノフィラメン
ト3を強固に巻き付け、次いで、前記心棒を人工血管本
体2から抜き、複合モノフィラメント3が巻き付けられ
た人工血管本体2に対して加熱処理を行うことで一体化
させる。このとき加熱処理温度は、低融点成分の融点以
上、高融点成分の融点以下とすることが好ましく、加熱
処理の方法としてはサクションドライヤー等の熱風循環
装置や、コンベンショナルドライヤー等の恒温乾燥機等
を用いることができる。
明すれば、加熱処理を施すことで複合モノフィラメント
3の鞘部3aのみを溶融でき、溶解した鞘部3aの低融
点成分は人工血管本体2を構成する繊維内に含浸し、溶
融体の固化により、充分に人工血管本体2と複合モノフ
ィラメント3とが一体化できる。これにより、芯部3b
における高融点成分は人工血管本体2の外周側に巻かれ
た状態で維持されることになり、芯部3bによって人工
血管本体2の補強がなされ、本発明の人工血管1が製造
できる。なお、必要に応じて前述の如く、人工血管本体
2内周面に、ゼラチン、アルブミン、コラーゲン等のコ
ーティングを施すことができる。
を比較例と比較しながらより詳細に説明する。ただし、
本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
以下の実施例、比較例に用いた評価項目の測定法は以下
の通りである。 (1)熱可塑性重合体の融点差:デュポンインステュル
メンツ社のDSC(型式:サーマルアナリスト2000)を
用い、昇温速度10℃/分で測定を行ない、重合体の融
解吸熱ピークから融点を求めた。これらから融点差を算
出した。 (2)繊度:複合モノフィラメントの90cm当たりの
重量を測定し、これを9000m当たりの重量に換算し
て得た。 (3)耐放射線性:耐放射線性能を測定するために、モ
ノフィラメントにγ線を100レム放射し、その強度を
測定し、強度の維持率を求めた。 (4)耐熱性:原料重合体の融点と同温度(複合モノフ
ィラメントの場合は、その高融点成分の融点)で、ドラ
イヤーにより1分間加熱処理したフィラメントと、加熱
処理を行わないフィラメントとの強度を測定し、強度維
持率を求めた。なお、両者ともフィラメントの温度が室
温まで下がった後に測定を行った。 (5)柔軟性:無作為に選ばれた10人のパネラーが、
人工血管の柔らかい、硬いを触感で判断し、採点を行な
い、その総合得点で柔軟性の判断を下した。なお、パネ
ラーは、それぞれの人工血管に、最大で10点、最低で
0点の採点づけができるとした。 (6)耐キンク性:両端から負荷を加えながら湾曲させ
てキンクの状況を判断した。
ン 11.8重量%のエチレン−プロピレン共重合体
(融点119℃)を低融点成分として、同心複合紡糸口
金を取り付けた紡糸機を用いてそれぞれを溶融し、容積
比50:50でフィラメントに紡出し、続いて、このフ
ィラメントを水槽に浸漬する冷却処理を行い、続いて繊
度が1800dtexとなるように牽引延伸して複合モ
ノフィラメントを得た。次に、ポリエステル繊維を内径
10mmの筒状に形成し人工血管本体とし、この人工血
管本体の外周面に、複合モノフィラメントを螺旋状に巻
き付け、未熱処理の人工血管を得た。この未熱処理の人
工血管をサクションバンドドライヤーにより137℃で
熱処理を施し、一体化させ本発明の人工血管を製造し
た。得られた人工血管の諸物性は図3に記載した。
ン 5.2重量%のエチレン−プロピレン共重合体(融
点141℃)を低融点成分として、同心複合紡糸口金を
取り付けた紡糸機を用いてそれぞれを溶融し、容積比5
0:50でフィラメントに紡出し、続いて、このフィラ
メントを水槽に浸漬する冷却処理を行い、続いて繊度が
50dtexとなるように牽引延伸して複合モノフィラ
メントを得た。次に、ポリエステル繊維を内径6mmの
筒状に形成し人工血管本体とし、この人工血管本体の外
周面に、複合モノフィラメントを螺旋状に巻き付け、未
熱処理の人工血管を得た。この未熱処理の人工血管をサ
クションバンドドライヤーにより148℃で熱処理を施
し、一体化させ本発明の人工血管を製造した。得られた
人工血管の諸物性は図3に記載した。
状低密度ポリエチレン(融点122℃)を低融点成分と
して、同心複合紡糸口金を取り付けた紡糸機を用いてそ
れぞれを溶融し、容積比50:50でフィラメントに紡
出し、続いて、このフィラメントを水槽に浸漬する冷却
処理を行い、続いて繊度が1800dtexとなるよう
に牽引延伸して複合モノフィラメントを得た。次に、ポ
リエステル繊維を内径8mmの筒状に形成し人工血管本
体とし、この人工血管本体の外周面に、複合モノフィラ
メントを螺旋状に巻き付け、未熱処理の人工血管を得
た。この未熱処理の人工血管をサクションバンドドライ
ヤーにより125℃で熱処理を施し、一体化させ本発明
の人工血管を製造した。得られた人工血管の諸物性は図
3に記載した。
分、エチレンが6.1重量%のメタロセンエチレン−プ
ロピレン共重合体(融点132℃)を低融点成分とし
て、同心複合紡糸口金を取り付けた紡糸機を用いてそれ
ぞれを溶融し、容積比50:50でフィラメントに紡出
し、続いて、このフィラメントを水槽に浸漬する冷却処
理を行い、続いて繊度が1800dtexとなるように
牽引延伸して複合モノフィラメントを得た。次に、ポリ
エステル繊維を内径8mmの筒状に形成し人工血管本体
とし、この人工血管本体の外周面に、複合モノフィラメ
ントを螺旋状に巻き付け、未熱処理の人工血管を得た。
この未熱処理の人工血管をサクションバンドドライヤー
により140℃で熱処理を施し、一体化させ本発明の人
工血管を製造した。得られた人工血管の諸物性は図3に
記載した。
例5と同様にして人工血管を製造した。得られた人工血
管の諸物性は図3に記載した。
ン 5.2重量%のエチレン−プロピレン共重合体(融
点141℃)を低融点成分として、同心複合紡糸口金を
取り付けた紡糸機を用いてそれぞれを溶融し、容積比5
0:50でフィラメントに紡出し、続いて、このフィラ
メントを水槽に浸漬する冷却処理を行い、続いて繊度が
2500dtexとなるように牽引延伸して複合モノフ
ィラメントを得た。次に、ポリエステル繊維を内径10
mmの筒状に形成し人工血管本体とし、この人工血管本
体の外周面に、複合モノフィラメントを螺旋状に巻き付
け、未熱処理の人工血管を得た。この未熱処理の人工血
管をサクションバンドドライヤーにより148℃で熱処
理を施し、一体化させ本発明の人工血管を製造した。得
られた人工血管の諸物性は図3に記載した。
ン 5.2重量%のエチレン−プロピレン共重合体(融
点141℃)を低融点成分として、同心複合紡糸口金を
取り付けた紡糸機を用いてそれぞれを溶融し、容積比5
0:50でフィラメントに紡出し、続いて、このフィラ
メントを水槽に浸漬する冷却処理を行い、続いて繊度が
40dtexとなるように牽引延伸して複合モノフィラ
メントを得た。次に、ポリエステル繊維を内径6mmの
筒状に形成し人工血管本体とし、この人工血管本体の外
周面に、複合モノフィラメントを螺旋状に巻き付け、未
熱処理の人工血管を得た。この未熱処理の人工血管をサ
クションバンドドライヤーにより148℃で熱処理を施
し、一体化させ本発明の人工血管を製造した。得られた
人工血管の諸物性は図3に記載した。
り付けた紡糸機を用いてポリプロピレンを溶融し、フィ
ラメントに紡出し、続いて、このフィラメントを水槽に
浸漬する冷却処理を行い、さらに繊度が1800dte
xとなるように牽引延伸して単一構造のモノフィラメン
トを得た。次に、ポリエステル繊維を内径10mmの筒
状に形成し人工血管本体とし、この人工血管本体の外周
面に、該モノフィラメントを螺旋状に巻き付け、未熱処
理の人工血管を得た。この未熱処理の人工血管をサクシ
ョンバンドドライヤーにより163℃で熱処理を施し、
一体化させ本発明の人工血管を製造した。得られた人工
血管の諸物性は図3に記載した。
り付けた紡糸機を用いてポリプロピレンを溶融し、フィ
ラメントに紡出し、続いて、このフィラメントを水槽に
浸漬する冷却処理を行い、さらに繊度が2500dte
xとなるように牽引延伸して単一構造のモノフィラメン
トを得た。次に、ポリエステル繊維を内径10mmの筒
状に形成し人工血管本体とし、この人工血管本体の外周
面に、該モノフィラメントを螺旋状に巻き付け、未熱処
理の人工血管を得た。この未熱処理の人工血管をサクシ
ョンバンドドライヤーにより163℃で熱処理を施し、
一体化させ本発明の人工血管を製造した。得られた人工
血管の諸物性は図3に記載した。
明にあっては、次のような効果を得ることができる。 (1)蛇腹加工を施さずに補強を行っているため、内周
面に血栓が付着することを抑制できる。 (2)複合モノフィラメントを用いることによって、人
工血管本体を適切に補強できるため、管の内径が10m
m以下、特に管の内径が6mm以下の細いものでもキン
クを防止できる。 (3)細い複合モノフィラメントを用い補強することに
よって、人工血管に柔軟性が残り、手術時などでの取り
扱いが容易となる。
(鞘芯構造)を示す図
Claims (8)
- 【請求項1】 人工血管において、熱可塑性重合体から
なる高融点成分と、この高融点成分よりも融点の低い熱
可塑性重合体からなる低融点成分とで形成される50〜
2000dtexの複合モノフィラメントが、人工血管
の外周に融着されていることを特徴とする人工血管。 - 【請求項2】 人工血管の内径が10mm以下であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の人工血管。 - 【請求項3】 複合モノフィラメントが、人工血管の外
周に螺旋状に巻き付けられていることを特徴とする請求
項1〜2のいずれかに記載の人工血管。 - 【請求項4】 複合モノフィラメントを形成する熱可塑
性重合体からなる高融点成分及び低融点成分がポリオレ
フィン系重合体であることを特徴とする請求項1〜3の
いずれかに記載の人工血管。 - 【請求項5】 複合モノフィラメントを形成する熱可塑
性重合体からなる高融点成分及び低融点成分がポリテト
ラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項1〜
3のいずれかに記載の人工血管。 - 【請求項6】 複合モノフィラメントを形成する高融点
成分がポリプロピレンであり、低融点成分がプロピレン
の共重合体であることを特徴とする請求項4に記載の人
工血管。 - 【請求項7】 複合モノフィラメントを形成する高融点
成分が高密度ポリエチレンであり、低融点成分が直鎖状
低密度ポリエチレンあるいは低密度ポリエチレンである
ことを特徴とする請求項4に記載の人工血管。 - 【請求項8】 管の内径が10mm以下である人工血管
本体内に心棒を嵌合して、該人工血管本体外周に、熱可
塑性重合体からなる高融点成分と、この高融点成分より
も融点の低い熱可塑性重合体からなる低融点成分とで形
成される50〜2000dtexの複合モノフィラメン
トを螺旋状に巻き付け、次いで加熱して、複合モノフィ
ラメントの低融点成分を人工血管の外周に融着させるこ
とを特徴とする人工血管の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP10325298A JP2000139967A (ja) | 1998-11-16 | 1998-11-16 | 人工血管及びその製造方法 |
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