JP2000139880A - 医療用栓体 - Google Patents

医療用栓体

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JP2000139880A
JP2000139880A JP10319380A JP31938098A JP2000139880A JP 2000139880 A JP2000139880 A JP 2000139880A JP 10319380 A JP10319380 A JP 10319380A JP 31938098 A JP31938098 A JP 31938098A JP 2000139880 A JP2000139880 A JP 2000139880A
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Japan
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rubber
plug body
pressure
solvent
medical
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JP10319380A
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English (en)
Inventor
Hironobu Uchiyama
博信 内山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Tokuyama Sekisui Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Tokuyama Sekisui Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汎用の架橋系ゴムからなり、溶出性物質の含
有量が少ない医療用栓体を提供する。 【解決手段】 架橋系ゴム(例、イソブチレン−イソプ
レン共重合ゴム)からなり、常圧を超えた圧力の溶媒に
より処理されている(例、栓体を水にいれたものを、高
圧蒸気滅菌器中におき、121℃、0.2MPaの圧力
で60分間処理)ことを特徴とする医療用栓体(例、輸
液用ゴム栓)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、真空採血
管、医療用容器、輸液用容器などの栓体として使用され
る医療用栓体に関する。
【0002】
【従来の技術】医療用栓体、例えば、真空採血管用栓体
は、優れた密封性、ガスバリアー性、針刺性などを示
し、かつ臨床検査値へ悪影響を及ぼさないことが要求と
される。しかしながら、汎用の栓体材料であるイソプレ
ンゴム、ブチルゴムなどのいわゆる架橋系ゴムからなる
ものは、臨床検査値への影響が認められ要求を満たさな
いケースが多い。この原因の多くは残留配合剤の溶出で
ある。例えば、亜鉛系の架橋剤が使用されている場合
は、臨床検査における亜鉛の項目が高くなる。その他
に、栓体から過マンガン酸カリウム還元性物質などの溶
出が過度に認められる場合には、医療用栓体として使用
できないものもある。
【0003】通常、溶出性物質の含有量が多い栓体は、
熱水で洗浄して使用されるが、血液検査用採血管や医療
用容器などの栓体として使用できる性能までには至って
いない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するものであり、その目的は、汎用の架橋系ゴムか
らなり、溶出性物質の含有量が少ない医療用栓体を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の医療用栓体は、
架橋系ゴムからなり、常圧を超えた圧力の溶媒により処
理されていることを特徴とする。
【0006】上記架橋系ゴムとは、配合ゴムが架橋処理
されたゴムであれば特に限定されず、例えば、イソプレ
ンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、
イソブチレン−イソプレン共重合ゴム(IIR)、II
Rのハロゲン化ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム、シリコーンゴムなどが挙げられ、添加する配合剤と
しては有機過酸化物、加硫剤、加硫促進剤、補強剤など
が挙げられる。
【0007】上記の常圧を超えた圧力の溶媒により処理
されているとは、上記架橋系ゴムからなる栓体が、常圧
を超えた圧力の溶媒に接触された後、非接触状態とされ
ることにより、該栓体に含有されていた溶出性物質が溶
媒により抽出されて低減されていることを言う。
【0008】常圧を超えた圧力の溶媒による処理の条件
としては、ゴム種類及び含有される配合物の種類によっ
て最適な処理条件は異なるが、圧力としては、常圧を超
えて〜1.0MPaが好ましく、温度としては、30〜
180℃が好ましい。圧力及び温度共に、高くなると溶
出性物質が抽出され易くなり、処理時間を短縮できる。
特に、好ましい圧力は常圧を超えて0.3MPa以下、
温度は100℃を超えて130℃以下である。このよう
に、常圧を超えた圧力で処理されることにより、溶媒の
栓体中への浸透が容易となり、溶出性物質が抽出され易
くなる。
【0009】上記の処理で用いられる溶媒は、ゴムの特
性(例えば、密封性、ガスバリアー性、針刺性)に悪影
響を与えず、溶出性物質の抽出効率の高いものが好まし
く、例えば、弱酸性、中性又は弱アルカリ性に調製され
た水が挙げられる。水としては、特に蒸留水が好まし
い。
【0010】上記処理時間としては、通常、5〜60分
が好ましい。
【0011】上記溶出性物質とは、使用時に溶出される
ことにより、栓体を医療用栓体として不適当なものにす
る物質のことを言い、例えば、亜鉛等の金属や過マンガ
ン酸カリウム還元性物質等の有機物が挙げられる。
【0012】本発明の医療用栓体は、架橋系ゴムからな
るので、ガスバリアー性、硬度、密封性、針刺性などの
特性は、上記の処理の前後で変化しない。
【0013】本発明の医療用栓体は、内容物を汚染する
ことなく品質を維持することが特に要求される医療用容
器類の栓体として有用であり、例えば、血液検査採血管
用ゴム栓、医薬品容器用ゴム栓、輸液用ゴム栓などとし
て有用である。具体的には、例えば、亜鉛等の金属が除
去されている栓体は、臨床検査値へ影響しない真空採血
管用栓体として使用され、亜鉛等の金属や過マンガン酸
カリウム還元性物質等の有機物が除去されている栓体
は、日本薬局方の規格を満たした輸液用ゴム栓として有
用となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)イソブチレン−イソプレン共重合ゴムから
なるゴム栓を硬質ガラス製容器に入れ、ゴム栓の10倍
(重量)量の蒸留水を加え、ガラス製の栓をした後、高
圧蒸気滅菌器中、121℃で30分間、高圧処理(0.
2MPa)して本発明の医療用栓体を得た。このゴム栓
を、第13改正日本薬局方輸液用ゴム栓試験法に準拠し
て溶出物試験を行った結果、過マンガン酸カリウム還元
性物質の測定においては、試験液と空試験液における
0.002モル/リットル過マンガン酸カリウム液の消
費量の差は2.4mlであり、亜鉛の測定においては、
亜鉛は検出されなかった。また、血液検査用採血管の管
本体に、上記で得られた本発明の医療用栓体を嵌めて、
血液検査用採血管(生化学検査用6cc採血)を作製し
た。この血液検査用採血管に血液を採取し、この血液を
検査検体として、臨床検査項目として一般的な生化学検
査及び亜鉛を測定した。また、上記栓体を使用しなかっ
たことの他は、同様の血液検査用採血管を用いて、同様
にして測定した。得られた各臨床検査値は、上記栓体を
使用した採血管と使用しなかった採血管とで有意な差は
認められなかった。
【0015】(実施例2)イソブチレン−イソプレン共
重合ゴムからなるゴム栓を硬質ガラス製容器に入れ、ゴ
ム栓の10倍(重量)量の蒸留水を加え、ガラス製の栓
をした後、高圧蒸気滅菌器中、121℃で60分間、高
圧処理(0.2MPa)して本発明の医療用栓体を得
た。このゴム栓を、第13改正日本薬局方輸液用ゴム栓
試験法に準拠して溶出物試験を行った結果、輸液用ゴム
栓の溶出物規格に全て適合した(なお、この試験におけ
る、過マンガン酸カリウム還元性物質の測定において
は、試験液と空試験液における0.002モル/リット
ル過マンガン酸カリウム液の消費量の差は2.0mlで
あり、亜鉛の測定においては、亜鉛は検出されなかっ
た)。また、上記で得られた本発明の医療用栓体を用い
て、実施例1と同様にして、血液検査用採血管を作製
し、生化学検査及び亜鉛を測定したところ、得られた各
臨床検査値は、上記栓体を使用した採血管と使用しなか
った採血管とで有意な差は認められなかった。
【0016】(比較例1)イソブチレン−イソプレン共
重合ゴムからなるゴム栓を、常圧下で95℃の熱水にて
洗浄処理を行った。洗浄処理後のゴム栓を、第13改正
日本薬局方輸液用ゴム栓試験法に準拠して溶出物試験を
行った結果、過マンガン酸カリウム還元性物質及び亜鉛
の項目において、輸液用ゴム栓の規格に不適合であった
(なお、この試験における、過マンガン酸カリウム還元
性物質の測定においては、試験液と空試験液における
0.002モル/リットル過マンガン酸カリウム液の消
費量の差は4mlであり、亜鉛の測定においては、亜鉛
は0.102ppmであった)。また、上記の熱水洗浄
処理で得られた栓体を用いて、実施例1と同様にして、
血液検査用採血管を作製し、生化学検査及び亜鉛を測定
したところ、栓体を使わない採血管と比較して、検査項
目の亜鉛で高値となる傾向が認められた。
【0017】輸液用ゴム栓試験法による溶出物試験の結
果から、比較例1の熱水洗浄処理においては、過マンガ
ン酸カリウム還元性物質及び亜鉛が残るが、実施例1の
高圧蒸気滅菌器中、121℃、30分間の処理では、過
マンガン酸カリウム還元性物質量は大幅に減少し、亜鉛
は残っていなかった。また、実施例2の高圧蒸気滅菌器
中、121℃、60分間の処理では、過マンガン酸カリ
ウム還元性物質量は、更に減少し輸液用ゴム栓の溶出物
規格に適合するものとなった。
【0018】
【発明の効果】本発明の医療用栓体は、架橋系ゴムから
なり、常圧を超えた圧力の溶媒により処理されているの
で、ガスバリアー性、硬度、密封性、針刺性などの特性
を維持していると共に、溶出性物質の含有量が少ない。
また、汎用の架橋系ゴムを使用し得るので、安価に製造
できる。従って、真空採血管、医療用容器、輸液用容器
などの栓体として好適に使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E084 AB05 EA02 EC10 4C038 UD01 4F070 AA07 AA08 AA60 AC12 AE01 AE08 AE28 BA09 BB08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋系ゴムからなり、常圧を超えた圧力
    の溶媒により処理されていることを特徴とする医療用栓
    体。
JP10319380A 1998-11-10 1998-11-10 医療用栓体 Pending JP2000139880A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007502803A (ja) * 2003-08-21 2007-02-15 アルタナ ファルマ アクチエンゲゼルシャフト 注射用医薬製品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007502803A (ja) * 2003-08-21 2007-02-15 アルタナ ファルマ アクチエンゲゼルシャフト 注射用医薬製品

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