JP2000139545A - 毛髪セット方法 - Google Patents
毛髪セット方法Info
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Abstract
SS結合切断用である第1剤で毛髪を処理した後、毛髪
に超音波振動を付与する。SS結合が切断された毛髪に
対して超音波振動を付与して、この超音波振動によって
SS再結合を行わせる。
Description
ネント剤とを利用した毛髪セット方法に関するものであ
る。
方法は、第1剤による毛髪内のSS結合(シスチン結
合)の切断、第1剤の洗い流し、第2剤によるSS再結
合、第2剤の洗い流しという手順で行われるとともに、
より確実なパーマネントセットのために加熱処理がなさ
れるが、pH値の高い第1剤は毛髪に与えるダメージが
大きく、第2剤による再結合が不充分であると、SS結
合が切断されたままの状態となるために、蛋白変性によ
る損傷も大きくなる。そして、何よりも上記加熱が毛髪
に与える損傷が大きい。
ント剤に超音波振動を併用する毛髪セット方法も米国特
許第4023579号明細書、米国特許第466977
号明細書、特開平3−182203号明細書などに示さ
れている。
用した毛髪セット方法における超音波振動の付与は、毛
髪への第1剤の塗布時や第2剤の塗布時に行われてお
り、パーマネント剤によるSS結合の切断と再結合とを
促進するものとして用いられている。
る毛髪処理時間の短縮という点で機能すると同時に、パ
ーマネント剤が毛髪に与えるダメージも増加させるもの
として作用するものとなっている。熱を毛髪に与える場
合に比してダメージは小さいとはいえ、ダメージがより
少ない状態で確実な毛髪セットを行えるものが望まれて
いる。
であって、その目的とするところは毛髪にやさしい毛髪
セット方法を提供するにあり、また短時間で手軽に且つ
確実にセットを行うことができる毛髪セット方法を提供
するにある。
が切断された毛髪に対して超音波振動を付与すれば、こ
の超音波振動によってSS再結合がなされることを見出
した。本発明はこの点に基づくものであり、請求項1の
発明は、2液性パーマネント剤における毛髪のSS結合
切断用である第1剤で毛髪を処理した後、毛髪に超音波
振動を付与することに特徴を有している。
乾燥とを行い、その後、毛髪に超音波振動を付与するこ
とが剤過剰や析出物に起因する問題点を避けることがで
きる点でより好ましい。
る毛髪処理を超音波付与の後に行うことを妨げないが、
第2剤による毛髪処理を行わなくても毛髪のセット能力
が十分に得られるとともに毛髪にダメージを与えること
もないために、全体処理時間の短縮のためには第2剤に
よる毛髪処理は行わないのが好ましい。
結合切断用である第1液としては、チオグリコール系の
ものよりもシステイン系のものを用いることが毛髪に与
えるダメージをより少なくする点で好ましい。
と、毛髪に熱による損傷が生じやすくなるために、毛髪
髪表面温度の測定温度に応じて超音波発生装置を制御し
て、毛髪への超音波付与に際しての毛髪表面温度を12
5℃未満に抑えることが好ましく、殊に毛髪表面温度の
測定を毛髪の複数箇所において行って、測定温度として
複数箇所における最高温度を用いることが好ましい。
て詳述すると、図1は本発明において用いる超音波式の
ヘアセット器4の一例を示しており、図中3は振動子駆
動回路、30は超音波振動子、31は超音波ホーンであ
り、毛髪2が巻きつけられる毛髪接触部1が上記超音波
ホーン31に接続されており、振動子駆動回路3によっ
て駆動されて超音波領域での振動を行う振動子30は、
その振動を超音波ホーン31を介して毛髪接触部1に伝
達し、毛髪接触部1に接触する毛髪2に超音波振動を付
与する。
音波振動の付与は、2液性パーマネント剤の第1剤によ
る毛髪処理、つまり毛髪のSS結合の切断の後に行う。
SS結合が切断された毛髪に対して超音波振動を付与す
れば、毛髪はセットされた状態を維持する。上記ヘアセ
ット器4の毛髪接触部1にSS結合を切断した毛髪を巻
き付けて超音波振動を付与すれば、毛髪はカール状態を
維持するものであり、パーマネント処理がなされたもの
となる。
動を付与すればカール状態を維持するということは、毛
髪においてSS再結合がなされたことを意味し、この再
結合は酸化によってなされることから、超音波振動が空
気酸化促進作用を発揮したものと思われる。
ものとシステイン系のものとが一般に提供されており、
どちらを用いてもよいが、後述するようにシステイン系
のものを用いる方が好ましい結果を得ることができる。
付与するにあたっては、まず毛髪を乾燥させ、その後に
超音波振動を付与することが好ましい。超音波振動の付
与時間を短くすることができる上に付与量も少なくする
ことができる。
透させた後、第1剤を洗い流し、毛髪を乾燥させた後、
超音波振動を付与することが好ましい。第1剤の剤過剰
や析出物との摩擦による毛髪ダメージを防ぐことができ
るからである。
ネント剤の第2剤による毛髪処理を行ってもよいが、後
述するように、超音波振動の付与で毛髪のSS再結合を
完了させてしまうことができると思われることから、実
際上、第2剤による毛髪処理は処理時間を長くしてしま
う上に、かえって毛髪にダメージを与えてしまう虞があ
り、全体処理時間の短縮を図ることができる点も含め
て、第2剤による毛髪処理は行わないほうが良い。な
お、第2剤による処理も行う場合は、超音波振動の付与
の後に、第2剤の塗布、水洗とする手順で行うのが好ま
しい。
合を図った場合と、従来の2液性パーマネント剤にアイ
ロンによる熱処理を併用した場合とを統計的処理の上で
比較した結果について説明する。
システイン系パーマネント剤(パーマ剤)とチオグリコ
ール系パーマネント剤(パーマ剤)とを夫々第1剤のみ
を使用した時、第1剤と第2剤を共に用いた時、さらに
超音波振動の付与として、超音波ホーン31への入力を
31Wとした時と36Wとした時の毛髪の切断荷重を調
べたものであり、超音波振動は30秒間付与した。サン
プルとして毛髪は各9本を使用し、このうちの毛髪同個
所の太さを4点計測して4点とも75〜85μmの毛髪
を各3本選択して、引っ張り強度試験機にかけた。引張
強度試験は長さ10mm以上の毛髪について、1本ずつ
測定するものとした。また、試験に供する毛髪は、水素
結合や塩結合の影響を避けてSS結合の強度を正しく評
価することができるように、純水に2分以上漬けたウェ
ット状態のものとした。図中「機器剤なし」とあるの
は、処理前の毛髪のことであり、「機器なし」とあるの
は超音波振動の付与を行わなかったものを意味する。
ては、アルカリパーマ用として市販されているチオグリ
ーコール酸6.5% pH9のものと、中性パーマ用と
して市販されているチオグリコール酸6.5% pH8
のもの(以上の2つはチオグリコール系)と、アルカリ
シスパーマ用として市販されているシステイン4.1
%、チオグリコール酸1.0% pH9のもの(システ
イン系)のものとを用いた。
た場合との毛髪切断荷重を比較したものであり、アイロ
ンについては180℃に毛髪を加熱するものを用いた。
使用した2液性パーマネント剤や超音波振動付与は上述
のものと同じである。パーマネント剤のみで熱も超音波
も与えていない場合より、熱を加えると切断荷重が小さ
くなっており、毛髪が熱でダメージを受けていることが
わかる。また、パーマネント剤のみで熱も超音波も与え
ていない場合より、超音波振動の付与を行ったほうが切
断荷重が大きくなっており、超音波振動の付与が毛髪に
ダメージを与えにくいことがわかる。
った場合と、通常のパーマネント剤で処理した場合とを
比較すれば、システイン系及びチオグリコール系のいず
れのパーマネント剤を用いた場合でも、第2剤が不要で
あることがわかる。加えるに、システイン系のものは、
第2剤の処理をさらに行っても毛髪に与えるダメージを
未処理の毛髪との比較で見た時、ダメージが大きく増え
ることはなかったが、チオグリコール系のものを用いる
場合は、第2剤による処理を行わないほうが良いことが
わかる。表1にこの結果をまとめた。表中の「シス系」
は「システイン系」を、「チオグリ系」は「チオグリコ
ール系」の意味である。
ーを用いて熱や超音波振動による刺激終了時の毛髪表面
温度5点を計測した。また、毛髪のセット効果の評価の
ために、セットは直径10mmのものに20cm毛束を
巻き付け長さが13〜15cmとなるように3.0巻き
してカール付けを行うものとし、評価は前述のウェット
状態において、3.0巻き分の長さ(バネ長)を測定す
ることで行った。つまり、バネ長が短い方がセット効果
が高い。
の散布図を図4に、毛髪の表面温度とバネ長との散布図
を図5に示す。両図において、△はアイロンによる14
0℃熱処理、▲はアイロンによる180℃熱処理、○は
31Wの超音波振動、●は36Wの超音波振動、□はホ
ーン形状の異なるものにおける20Wの超音波振動、■
はホーン形状の異なるものにおける25Wの超音波振動
を与えたものを示している。尚、熱及び超音波振動は比
較のために共に30秒間付与するものとした。
マネント剤を使用しない時よりも毛髪のダメージが増加
するために、毛髪表面温度は125℃未満、好ましくは
120℃未満としておくことがよいのがわかる。また、
毛髪のセット効果は超音波振動の付与時と熱付与時とで
ほぼ同じであることがわかる。
(120℃)を越えないようにするために、毛髪接触部
1に巻き付けた毛髪の複数箇所の温度を測定する温度セ
ンサー7を設けて、これら温度センサー7で測定した毛
髪表面温度のうちの最高温度に応じて、振動子駆動回路
3の動作を制御するようにしたものを示している。
超音波式のヘアセット器4は図示例の毛髪にカール付け
を行うためのものに限るものではなく、たとえば超音波
振動子1に直接毛髪接触部2を貼り付けて、毛髪にスト
レートセットを行うものであってもよい。
るとしたが、要は毛髪のSS結合を切断するものであれ
ばよく、しかも、第2剤を使わない場合は、厳密にはパ
ーマネント剤と言い難いものになる。従って、パーマネ
ント剤に限定するものではない。
合を切断した毛髪に超音波振動を付与して、超音波振動
によってSS再結合を行わせて毛髪のセットを行うもの
であり、このために2液性パーマネント剤が毛髪に与え
るダメージを超音波振動が増加させるということがな
く、毛髪にやさしい毛髪セットを行えるものであり、し
かも実質的に2液性パーマネント剤の使用を不用とする
ことから、処理時間も短くすることができるものであっ
て、短時間で手軽に且つ確実にセットを行うことができ
る。
乾燥とを行い、その後、毛髪に超音波振動を付与すれ
ば、剤過剰や析出物に起因する摩擦でのダメージといっ
た問題点を避けることができる。
結合切断用である第1液として、チオグリコール系のも
のよりもシステイン系のものを用いれば、毛髪に与える
ダメージをより少なくすることができる。
音波発生装置を制御して、毛髪への超音波付与に際して
の毛髪表面温度を125℃未満に抑えれば、毛髪の熱に
よる損傷を抑えることができる。
付与に用いるヘアセット器の概略図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 2液性パーマネント剤における毛髪のS
S結合切断用である第1剤で毛髪を処理した後、毛髪に
超音波振動を付与することを特徴とする毛髪セット方
法。 - 【請求項2】 第1剤で毛髪を処理した後、毛髪の水洗
と乾燥とを行い、その後、毛髪に超音波振動を付与する
ことを特徴とする請求項1記載の毛髪セット方法。 - 【請求項3】 2液性パーマネント剤における第2剤に
よる毛髪処理を行わないことを特徴とする請求項1また
は2記載の毛髪セット方法。 - 【請求項4】 2液性パーマネント剤における毛髪のS
S結合切断用である第1液として、システイン系のもの
を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項
に記載の毛髪セット方法。 - 【請求項5】 毛髪表面温度の測定温度に応じて超音波
発生装置を制御して、毛髪への超音波付与に際しての毛
髪表面温度を125℃未満に抑えることを特徴とする請
求項1〜4のいずれかの項に記載の毛髪セット方法。 - 【請求項6】 毛髪表面温度の測定を毛髪の複数箇所に
おいて行って、測定温度として複数箇所における最高温
度を用いることを特徴とする請求項5記載の毛髪セット
方法。
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