JP2000139493A - 光学活性γ−ラクトンの製造方法 - Google Patents
光学活性γ−ラクトンの製造方法Info
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Abstract
製造する。 【解決手段】 ラセミ体ハイドロキシアミドを原料と
し、有機溶媒中、アシル供与体存在下で、リパーゼを触
媒とし、エステル化反応を行うと、光学活性ハイドロキ
シアミドのみを高い選択率で効率よくエステル化でき、
次いで反応生成物であるエステル体と未反応のハイドロ
キシアミド体とを分離した後、エステル体を加水分解
し、環化することによって光学活性γ−ラクトン類を製
造できる。
Description
ある光学活性γ−ラクトンの製造に関する。さらに、詳
しくは、原料となるラセミ体ハイドロキシアミドを微生
物が生産するリパーゼを用いて、光学分割することによ
り、香料素材及びフェロモンとして有用な光学活性γ−
ラクトンを製造する方法に関する。
食品香料、香粧品香料を含む多くの分野で使用されてい
るが、それらのほとんどはラセミ体である。しかし、近
年の分析技術の進歩により、ピーチ、アプリコット、ス
トロベリー等の香気成分として天然に存在するγ−ラク
トン類がさまざまなR/S比を有していることが明らか
になってきた(例えばJ. of Chromatgr
aphy,498,396(1990))。この場合、
光学活性γ−ラクトン類は光学異性体間で香気や香味が
異なることから、より天然に近い香り、味を求めた場
合、最適なR/S比で調合することが必要となる。
昆虫のフェロモンとして以前より知られており、工業的
な製造も行なわれている(Tetrahedron 4
7,6223(1991))。
は、化学合成法と、化学合成法に比べ高価な試薬や複雑
な工程を必要としない微生物や酵素を用いる方法とが用
いられている。
斉水素化反応であるが、ラクトンの側鎖(R1 )に不
飽和結合がある場合、この不飽和結合をも同時に水素化
してしまう問題点がある。
ン類の製造法は報告数が少ないが、その中でも、以下の
ようなものがある。
テルを原料とし、酵素触媒によって光学分割する方法。
この酵素触媒を用いた光学分割法によって、昆虫のフェ
ロモンとして知られている光学活性γ−ラクトン類が工
業的に製造されている(「化学と生物」、35,35
(1997))。
り得たケト酸からヒドロキシカルボン酸を調整する方法
をラクトン合成に応用する方法(Agric.Bio
l.Chem,51,3417(1987))。
た方法(A)では、ヒドロキシカルボン酸エステルを比
較的安価に製造することが困難であり、多段階の工程を
必要とすることから、実用に適していない。又、昆虫の
フェロモンとしての光学活性γ−ラクトン類を工業的に
製造する場合、高い光学純度を得るために、酵素反応を
2回行う必要があり、工程が煩雑となっている。
く、しかも反応生成物にパン酵母に由来した香気が残る
問題がある。
性γ−ラクトン類の製造では、何らかの問題があり、効
率的な製造方法が開発されていないのが現状である。
ものであり、ハイドロキシアミドを基質とし特定な酵素
(リパーゼ)を用いた光学分割法により、従来の方法よ
りも安価で簡便に光学活性γ−ラクトン類を製造するこ
とが可能な方法を提供することを目的とする。
決するため鋭意検討した結果、γ−ラクトンのハイドロ
キシアミド体を原料とし、微生物起源のリパーゼを触媒
とし、エステル化反応を行なうと、一方の光学活性ハイ
ドロキシアミドのみを高い選択率で効率よくエステル化
させることができる事実を見いだし、効果の顕著な本発
明を完成した。
ドを原料とし、有機溶媒中、アシル供与体存在下で、リ
パーゼを触媒とし、エステル化反応を行なった後、反応
生成物であるエステル体と未反応のハイドロキシアミド
体とを分離し、その後、エステル体を加水分解し、環化
することによって光学活性γ−ラクトンを製造する方法
である。
イドロキシアミド体を環化することを特徴とする光学活
性γ−ラクトンの製造法である。
される。
イドロキシアミド体の合成は、例えば、ラセミ体γ−ラ
クトンをシールドチューブ中でメチルアミン、ベンジル
アミン等のアミン類と加温攪拌してアミド化することに
より収率よく行うことができる。
は、種々のものが市販されており、本発明では、これら
の市販品をそのまま用いることができる。具体例として
は、リパーゼQL(名糖産業(社)製)、リパーゼPL
(名糖産業(社)製)、リパーゼPS−C(天野製薬
(社)製)、その他を挙げることができる。
ロキシアミド体を反応容器に採り、これに、有機溶媒、
アシル供与体を加えて混合液とする。ここで用いられる
有機溶媒としては、ジエチルエーテル、イソプロピルエ
ーテル又はターシャルブチルメチルエーテルのようなエ
ーテル系溶媒を用いることができる。アシル供与体とし
ては、特に限定されるものではないが、酢酸イソプロペ
ニルや酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等
の上述したR4 基が炭素数1〜17である飽和カルボ
ン酸ビニル類、アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビニル
等の不飽和カルボン酸ビニル類、芳香族カルボン酸ビニ
ル類、コハク酸無水物、グルタル酸無水物等の酸無水物
類等を用いることができる。混合液中のハイドロキシア
ミド体の濃度は、約10〜200モル/リットル、特に
好ましくは約60〜80モル/リットルとなるように調
整する。
リパーゼを、加水分解活性が約30000ユニット/g
のものでは、約0.01〜20重量%、好ましくは約
0.2〜5重量%の濃度となるように加える。力価の異
なるリパーゼを用いる場合には、上記濃度に相当するよ
うに換算して加える。反応温度は、室温、好ましくは2
5〜35℃であり、反応時間は2〜100時間である
が、反応温度を高めたり、酵素量を増加することによ
り、反応時間を短縮することも可能である。
物であるエステル体と未反応物であるハイドロキシアミ
ド体の混合物を得る。
をそれぞれ分離するには、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーを用いることができる。反応生成物がハイドロ
キシアミドのジカルボン酸モノエステル体の場合には、
アルカリ水溶液で水層に抽出することができ、未反応物
であるハイドロキシアミド体は有機層に残ることから容
易に分離することができる。得られたハイドロキシアミ
ドのエステル体又はジカルボン酸モノエステル体は、加
水分解後、ラクトン化することにより光学活性γ−ラク
トンを製造することができる。更に、未反応物であるハ
イドロキシアミド体をラクトン化することにより、反応
生成物から得られた上述のラクトンと対掌の光学活性γ
−ラクトンを製造することができる。
応後、分離したハイドロキシアミド体を再結晶すること
によって光学純度を向上させることができる。また、ハ
イドロキシアミド体の光学純度は光学活性カラムを装着
したHPLC(ChiralcelOD,OD-R)、γ−ラクトンの光学
純度は光学活性カラムを装着したGC(ChiraldexG-TA)
によって分析することができる。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
γ−ウンデカラクトン10g(54mmol)とベンジ
ルアミン6.5g(61mmol)をシールドチューブ
中、80〜100℃で4〜5時間攪拌した。反応液を室
温まで下げると粗結晶が得られた。この粗結晶をトルエ
ン−石油エーテルより再結晶をすることにより、15g
のγ−ウンデカラクトンのハイドロキシアミド体(一般
式(1)におけるR1がC7 H15、R2 がH、R3
がCH2 Ph(Phはフェニル基(以下、同じ)))
が無色結晶として得られた(収率95%)。
テル25mlにγ−デカラクトンのハイドロキシアミド
体(一般式(1)におけるR1 がC6H13、R2 が
H、R3 がCH2Ph)555mg(2mmol)を
溶解し、コハク酸無水物200mg(2mmol)を加
え、さらにリパーゼPL(加水分解活性=90000ユ
ニット/g)若しくはリパーゼPS−Cを50mg加
え、室温で12.5時間(リパーゼPS−Cの場合は3
時間)攪拌した。反応の進行は、液体クロマトグラフィ
ーで確認し、原料と反応生成物の量がほぼ等しくなった
時点をもって反応の終点とした。
0.5M炭酸ナトリウム水溶液50mlで反応生成物で
あるハイドロキシアミドのモノエステル体を抽出する操
作を2回連続して行った。得られた水層に水酸化ナトリ
ウム100mgを加えて1時間還流した。
抽出し、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥
させ、濾別後、減圧下で溶媒を留去し、光学純度90%
eeのハイドロキシアミド(S−体)250mgを得た
(収率45%)。得られたハイドロキシアミド体を再結
晶したところ、光学純度98%eeまで向上した。
W)塩酸を加え、1時間加熱還流した。反応液を室温ま
で冷却し、酢酸エチルで抽出後、飽和炭酸水素ナトリウ
ムで洗浄後、さらに飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥させ、濾別後、減圧下で溶媒を留去すること
により、(S)−γ−デカラクトン136mgを得た
(収率40%)。
シアミド体(R−体)261mg(光学純度91%e
e、収率47%)は、再結晶して、光学純度98%ee
とした。このハイドロキシアミド体に、10%(W/
W)塩酸を加え、1時間加熱還流した後、ジエチルエー
テルで抽出後、反応液を室温まで冷却し、飽和炭酸水素
ナトリウムで洗浄後、さらに飽和食塩水で洗浄し、硫酸
マグネシウムで乾燥させ、濾別後、減圧下で溶媒を留去
することにより、対掌の(R)−γ−デカラクトン14
6mgを得た(収率43%)。
活性カラムを装着したガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、98%eeの光学純度であった。また、
(S)−γ−デカラクトンの光学純度は98%eeであ
った。
テル25mlにγ−ウンデカラクトンのハイドロキシア
ミド体(一般式(1)におけるR1 がC7H15、R
2 がH、R3 がCH2Ph)583mg(2mmo
l)を溶解し、コハク酸無水物200mg(2mmo
l)を加え、さらにリパーゼPL(名糖産業(社)製、
加水分解活性=90000ユニット/g)50mgを加
え、室温で10時間攪拌した。反応の進行は、液体クロ
マトグラフィーで確認し、原料と反応生成物の量がほぼ
等しくなった時点をもって反応の終点とした。
0.5M炭酸ナトリウム水溶液50mlで反応生成物で
あるハイドロキシアミドのモノエステル体を抽出する操
作を2回連続して行った。得られた水層に水酸化ナトリ
ウム100mgを加えて1.5時間還流した。
し、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥さ
せ、濾別後、減圧下で溶媒を留去することにより、光学
純度91%eeのハイドロキシアミド(S−体)262
mgを得た(収率45%)。そして、得られたハイドロ
キシアミド体を再結晶したところ、光学純度98%ee
まで向上した。
W)塩酸を加え、1時間加熱還流した。反応液を室温ま
で冷却し、酢酸エチルで抽出後、飽和炭酸水素ナトリウ
ムで洗浄後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで
乾燥させ、濾別後、減圧下で溶媒を留去することによ
り、(S)−γ−ウンデカラクトン140mgを得た
(収率38%)。
シアミド体(R−体)280mg(光学純度92%e
e、収率48%)は、再結晶することによって、98%
eeの光学純度とした。このハイドロキシアミド体に1
0%(W/W)塩酸を加え、1時間加熱還流した後、反
応液を室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄
した後、さらに飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム
で乾燥させ、濾別後、減圧下で溶媒を留去することによ
り、対掌の(R)−γ−ウンデカラクトン147mgを
得た(収率40%)。
光学活性カラムを装着したガスクロマトグラフィーで分
析したところ、光学純度98%eeであった。また、
(S)−γ−ウンデカラクトンは光学純度98%eeで
あった。
mlにγ−ドデカラクトンのハイドロキシアミド体(一
般式(1)におけるR1 がC8 H17、R2がH、R
3 がCH2 Ph)611mg(2mmol)を溶解
し、酢酸ビニル172mg(2mmol)を加え、さら
にリパーゼPL(名糖産業(社)製、加水分解活性=9
0000ユニット/g)100mgを加え室温で8時間
攪拌した。反応の進行は、液体クロマトグラフィーで確
認し、原料と反応生成物の量がほぼ等しくなった時点を
もって反応の終点とした。
と未反応物の混合溶液を得、この混合溶液をエバポレー
ターで濃縮して625mgの混合物とした。得られた混
合物から、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(流出
液;ジクロロメタン:メタノール=20:1(容量比)
の混合溶媒)を用いて反応物327mg(収率47%)
と光学純度92%eeの未反応物287mg(収率47
%)をそれぞれ単離精製した。
水酸化ナトリウム100mgを加えて加水分解した。加
水分解終了後、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄
後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾別後、減圧下で溶
媒を留去することにより、光学純度92%eeのハイド
ロキシアミド体(S−体)275mgを得た(収率45
%)。それぞれのハイドロキシアミド体を再結晶したと
ころ、光学純度98%eeまで向上した。
W)塩酸を加え、1時間加熱還流した後、反応液を室温
まで冷却し、酢酸エチルで抽出後、飽和炭酸水素ナトリ
ウムで洗浄後、さらに飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネ
シウムで乾燥させ、濾別後、減圧下で溶媒を留去するこ
とにより、(R)−γ−ドデカラクトン175mg(収
率44%)と(S)−γ−ドデカラクトン167mg
(収率42%)を得た。
学活性カラムを装着したガスクロマトグラフィーで分析
したところ、光学純度98%eeであった。また、
(S)−γ−ドデカラクトンの光学純度は98%eeで
あった。
テル25mlにγ−ジャスモラクトンのハイドロキシア
ミド体(一般式(1)におけるR1 がCH2CH2 C
H=CHC2 H5 、R2 がH、R3 がCH2 P
h)551mg(2mmol)を溶解し、コハク酸無水
物200mg(2mmol)を加え、さらにリパーゼQ
LM(名糖産業(社)製)50mgを加え室温で2時間
攪拌した。反応の進行は、液体クロマトグラフィーで確
認し、原料と反応生成物の量がほぼ等しくなった時点を
もって反応の終点とした。
0.5M炭酸ナトリウム水溶液50mlで反応生成物で
あるハイドロキシアミドのモノエステル体を抽出する操
作を2回連続して行った。得られた水層に水酸化ナトリ
ウム100mgを加えて1時間還流した。
で抽出して飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾
燥させ、濾別後、減圧下で溶媒を留去することにより、
光学純度91%eeのハイドロキシアミド(S−体)2
48mgを得た(収率45%)。得られたハイドロキシ
アミド体を再結晶したところ、光学純度98%eeまで
向上した。
W)塩酸を加え、1時間加熱還流した。反応液を室温ま
で冷却し、酢酸エチルで抽出後、飽和炭酸水素ナトリウ
ムで洗浄した後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥させ、濾別後、減圧下で溶媒を留去することに
より、(S)−γ−ジャスモラクトン138mgを得た
(収率41%)。
ドロキシアミド体(R−体)259mg(光学純度92
%ee、収率47%)は、再結晶することによって、光
学純度98%eeとした。このハイドロキシアミド体に
10%(W/W)塩酸を加え、1時間加熱還流した後、
ジエチルエーテルで抽出後、反応液を室温まで冷却し、
飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄後、飽和食塩水で洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾別後、減圧下で溶
媒を留去することにより、(R)−γ−ジャスモラクト
ン145mgを得た(収率43%)。
光学活性カラムを装着したガスクロマトグラフィーで分
析したところ、光学純度98%eeであった。また、
(S)−γ−ジャスモラクトンの光学純度は98%ee
であった。
テル25mlにラセミ体マメコガネ性フェロモン前駆体
(5−(1−decynyl)oxacyclopen
tan−2−oen)のハイドロキシアミド体(一般式
(1)におけるR2がH、R3 がCH2 Ph、R1
が[化4]で示す不飽和直鎖アルキル基)687mg(2
mmol)を溶解した。
mol)を加え、さらにリパーゼQL(名糖産業(社)
製、加水分解活性=30000ユニット/g)50mg
を加え室温で3時間撹拌した。反応の進行は、液体クロ
マトグラフィーで確認し、原料と反応生成物の量がほぼ
等しくなった時点をもって反応の終点とした。
0.2M炭酸水素ナトリウム水溶液50mlで反応生成
物であるハイドロキシアミドのモノエステル体を抽出す
る操作を3回連続して行った。得られた水層に水酸化ナ
トリウム100mgを加えて1時間還流した。
で抽出し、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾
燥させ、濾別後、減圧下で溶媒を留去し、光学純度99
%eeのハイドロキシアミド(S−体)302mg(収
率44%)を得た。このハイドロキシアミド体に10%
塩酸を加え、1時間加熱還流した。
出後、飽和炭酸水素ナトリウム、で洗浄後、さらに飽和
食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾別
後、減圧下で溶媒を留去することにより、(S)−5−
(1−decynyl)oxacyclopentan
−2−oneを191mg(収率43%)得た。これを
n−ペンタン25mlに溶解し、5%Lindlar触
媒100mg、キノリン3滴を加え、水素雰囲気下0℃
で1時間撹拌した。反応終了後、触媒を除去し、1N塩
酸で洗浄し、さらに飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシ
ウムで乾燥させ、濾別後、減圧下で溶媒を留去して、
(S、Z)−(+)−5−(1−decenyl)ox
acyclopentan−2−oneを184mg得
た(収率41%)。
ドロキシアミド体(R−体)316mg(光学純度99
%ee、収率46%)に10%塩酸を加え、1時間加熱
還流した後、ジエチルエーテルで抽出後、反応液を室温
まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄後、さらに
飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾
別後、減圧下で溶媒を留去することにより、(R)−5
−(1−decynyl)oxacyclopenta
n−2−oneを200mg(収率45%)得た。これ
をn−ペンタン25mlに溶解し、5%Lindlar
触媒100mg、キノリン3滴を加え、水素雰囲気下0
℃で1時間撹拌した。反応終了後、触媒を除去し、1N
塩酸で洗浄し、さらに飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネ
シウムで乾燥させ、濾別後、減圧下で溶媒を留去し、
(R、Z)−(−)−5−(1−decenyl)ox
acyclopentan−2−oneを188mg得
た(収率42%)。
decenyl)oxacyclopentan−2−
oneを光学活性カラムを装着したガスクロマトグラフ
ィーで分析したところ、99%eeの光学純度であっ
た。また、(S、Z)−(+)−5−(1−decen
yl)oxacyclopentan−2−oneの光
学純度は99%eeであった。
ドロキシアミドを光学分割するため、安価で簡単な方法
で、香料素材あるいはフェロモンとして有用な光学活性
γ−ラクトンを製造することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式(1)(式中、R1 は炭素数2
〜8の飽和及び不飽和直鎖アルキル基、R2 ,R3
は、水素原子、炭素数1〜5の飽和アルキル基、炭素数
1〜5の不飽和アルキル基、アラルキル基又は芳香族炭
化水素基である)で表されるハイドロキシアミド体に、
リパーゼを触媒として不斉エステル化反応を行なうこと
を特徴とする一般式(2)(式中、R1 は炭素数2〜
8の飽和及び不飽和直鎖アルキル基であり、*を付した
炭素原子は光学活性な炭素原子である)で表される光学
活性γ−ラクトンの製造方法。 【化1】 【化2】 - 【請求項2】 ハイドロキシアミド体にリパーゼを触媒
として、不斉エステル化反応を行なうことにより、生成
物であるエステル体と、未反応物であるハイドロキシア
ミド体との混合物を得、この混合物からエステル体を分
離した後、エステル体を加水分解し、ラクトン化するこ
とを特徴とする光学活性γ−ラクトンの製造方法。 - 【請求項3】 請求項2記載の未反応物を反応混合物か
ら分離後、ラクトン化することにより酵素反応生成物と
対掌の光学活性γ−ラクトンを製造することを特徴とす
る請求項1記載の光学活性γ−ラクトンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32093598A JP4217805B2 (ja) | 1998-11-11 | 1998-11-11 | 光学活性γ−ラクトンの製造方法 |
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