JP2000139299A - 電動リール - Google Patents

電動リール

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JP2000139299A
JP2000139299A JP10312946A JP31294698A JP2000139299A JP 2000139299 A JP2000139299 A JP 2000139299A JP 10312946 A JP10312946 A JP 10312946A JP 31294698 A JP31294698 A JP 31294698A JP 2000139299 A JP2000139299 A JP 2000139299A
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儀幸 風呂本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動リールにおけるモータ等の保護に関する
コストを下げることにある。 【解決手段】 電動リールは、リール本体、スプール、
ハンドル、モータ、及び制御部を備えている。制御部
は、モータに所定の危険値以上の電流が所定時間流れ続
けたという危険条件になると、モータの運転を一定デュ
ーティー運転に移行させ、船べり停止位置FBに仕掛け
が巻き戻るまでデューティー比をアップできないように
してモータの一定デューティー運転を継続させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動リール、特
に、モータ等を保護する制御が行われる電動リールに関
する。
【0002】
【従来の技術】糸巻き上げ時のスプールの回転をモータ
で行うことのできる電動リールは、リール本体と、リー
ル本体に回転自在に支持されたスプールと、スプールを
手動で回転させるためのハンドルと、スプールを巻き上
げ方向に駆動する電動のモータとを備えている。リール
本体の上面には、水深表示用のディスプレイや各種の入
力を行うスイッチが設けられた操作パネルが装着されて
いる。
【0003】このような電動リールでは、仕掛けの回収
時に電動巻き上げを行ったり、魚がかかったときに電動
巻き上げを行ったりすることができるが、魚がかかった
ときにはモータにかかる負担が大きくなる。特に、大き
な魚がかかったときには、モータに大きな電流が長時間
流れ続けることによって、モータやモータの駆動回路、
モータ駆動素子等が加熱してこれらが焼損する恐れが出
る。
【0004】したがって、電動リールにおいて、モータ
にこのような負担がかかったときに、これを検知してモ
ータ等を保護するような制御が行われることが望まし
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】モータ等を保護する制
御が為される電動リールとして、過電流が流れたときに
モータに供給されている電力を小さくする過電流防止機
能を備えたものが考えられる。ここでは、ある電流値を
上回る電流が所定時間流れたという条件によって、電力
を小さくする制御が為される。しかしながら、一旦モー
タのスイッチがオフされてしまうと、モータに供給され
る電力を小さくする制御がキャンセルされてしまい、再
びモータがオンされた場合、改めてある電流値を上回る
電流が所定時間流れたという条件となるまで過電流防止
機能が働かない状態となる。
【0006】ここで、大きな魚がかかっているときの電
動巻き上げ時に過電流防止機構が働いた場合を想定する
と、モータのスイッチを一旦オフ/オンしても魚を引き
上げている(巻き上げている)間はモータにかかる負担
は大きいままである。しかし、再び過電流防止機構が働
くまでの間には、所定時間だけ高い電流がモータに流れ
ることになる。すなわち、モータのスイッチがオンし続
けていれば過電流防止機構が働くまでの間だけモータに
高電流が流れそれ以降は電力が小さくなるが、モータの
スイッチのオフ/オンが繰り返されるとその度に改めて
過電流防止機構が働くまでの間高い電流がモータに流れ
て高電流がモータにかかっている延べ時間が長くなる。
このような場合には、モータ等の温度が下がっていない
状態で高電流が繰り返しかかることになり、モータやモ
ータの駆動回路が焼損してしまう恐れがある。
【0007】これを回避するために、過電流防止機構と
は別に、モータ等の温度をサーミスターによって監視し
てモータの温度監視を行うことが考えられる。そして、
実際に電流値と温度の監視を併用することによってモー
タ等を保護する電動リールならば、モータ等の焼損を抑
えることが可能である。
【0008】しかしながら、サーミスターを配備してモ
ータ等の温度監視を行わせる場合には、電動リールのコ
ストが高くなってしまう。
【0009】本発明の課題は、電動リールにおけるモー
タ等の保護に関するコストを下げることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明1に係る電動リール
は、リール本体と、スプールと、手動のハンドルと、電
動のモータと、制御部とを備えている。スプールは、リ
ール本体に回転可能に支持されている。ハンドル及びモ
ータは、スプールを回転させるものである。制御部は、
モータに所定の危険値以上の負荷が所定時間かかったと
いう条件になると、モータに供給する電力を所定値以下
に低下させ、所定の水深に仕掛けが巻き戻るまでモータ
に供給する電力の増大を抑える制御を行う。
【0011】リール本体に支持されているスプールが、
手動のハンドル、電動のモータ、あるいはこれらの併用
によって回転すると、釣り糸が巻き取られる。ここで、
大きな魚のアタリがあったときを考える。モータによ
り、あるいはモータのハンドルの併用によって魚を巻き
上げていると、魚の重量や魚の力によって、釣り糸に高
いテンションがかかる。すると、モータにかかる負担が
大きくなり、モータには大きな電力が連続してかかるよ
うになる。
【0012】しかし、あまり長い時間大きな電力がモー
タにかかると、モータやモータに電力を供給する回路が
加熱して破損する恐れがある。これを回避するために、
本発明では、以下のように制御を行っている。
【0013】すなわち、モータに所定の危険値以上の負
荷(電力)が所定時間かかったという危険条件になる
と、モータ等を保護する必要があると判断して、モータ
に供給する電力を所定値以下に低下させ、これによりモ
ータ等の加熱を抑える。そして、魚がかかっている間は
モータに供給する電力の規制を解除してもモータにかか
る負荷が大きい状態が続くことを考慮して、所定の水深
まで仕掛けが巻戻るまで、具体的には魚の巻き上げがほ
ぼ完了するまではモータに供給する電力の増大を抑える
ような制御を行う。このような制御のため、危険条件と
なってモータに供給する電力が所定値以下に低下した後
は、主として手動のハンドルによって魚を巻き上げるこ
とになる。しかしながら、上記のようにモータ等を保護
する必要が出る程の大きな魚を巻き上げているときに
は、供給電力の規制を解除してモータを動かしても再び
危険条件となることが明らかであり、また供給電力の規
制が解除されてしまうと危険条件の所定時間の間に加熱
されたモータに更に大きな電力がかかりモータ等の焼損
を招きかねないため、所定の水深に仕掛けが巻戻るまで
モータに供給する電力の増大を抑えるような制御を行っ
ている。
【0014】このような制御を行うことによって、本発
明では、別にモータ等の温度を監視させてモータに供給
する電力を制御する温度監視機構を備えることなく、モ
ータ等の保護を行うことができる。したがって、温度監
視機構で必要な温度を監視する高価な手段が不要であ
り、比較的安価で電動リールのモータ等の保護を行うこ
とができる。
【0015】発明2に係る電動リールは、発明1に記載
の電動リールにおいて、危険条件は、複数の負荷の所定
の危険値及び複数の所定時間の組み合わせによる複数の
条件である。
【0016】比較的小さな負荷であっても長い時間モー
タにその負荷がかかっていればモータ等が危険なレベル
まで加熱されるし、反対に比較的短い時間であっても大
きな負荷がモータにかかり続ければモータ等が危険なレ
ベルまで加熱される。これに鑑み、危険条件は複数の条
件から構成されている。
【0017】発明3に係る電動リールは、発明1又は2
に記載の電動リールにおいて、所定の水深が船べり停止
位置の水深である。船べり停止位置の水深は、水深1m
から10mの範囲にある。魚のかかった仕掛けが船べり
停止位置まで巻き上げられてくると、通常釣り人はその
位置で巻き上げを停止する。そして、竿を立てることに
よって、仕掛けを手元に戻す。すなわち、船べり停止位
置は、竿を立てたときに仕掛けが手元に戻ってくるよう
な位置である。この船べり停止位置は、通常、水深1m
から10mの範囲にあり、電動リールでは釣り人がこの
範囲内で自由に設定することができることが多い。
【0018】このような船べり停止位置まで巻き上げて
くれば、それ以上巻き上げる必要がなく、釣り糸にかか
るテンションも小さくなっている。すなわち、この状態
であれば、モータに供給する電力の増大を抑えるという
規制を解除しても、モータに大きな負荷がかかることは
考えられない。このようなことから、本発明では、船べ
り停止位置まで仕掛けを巻き上げたときに、モータに供
給する電力の増大を抑えていた状態を解除させている。
【0019】発明4に係る電動リールは、発明1から3
のいずれかに記載の電動リールにおいて、モータにかか
る負荷は、モータに供給される電流値を検出する電流検
出手段によって検出される。
【0020】通常、電動リールの電源としては所定の電
圧の電源が使用される。したがって、モータにかかる負
荷を検出する場合、モータに供給される電流値を検出す
る方法が簡易である。これに鑑み、ここでは電流検出手
段によってモータに供給される電流値を検出することで
モータにかかる負荷を検出している。
【0021】発明5に係る電動リールは、発明1から4
のいずれかに記載の電動リールにおいて、制御部は、危
険条件になりモータに供給する電力を所定値以下に低下
させた後に、モータに供給される電力が所定値以下であ
る状態が一定時間だけ継続しており且つモータに供給さ
れる電力が下限しきい値(前記の所定値よりも小さい)
よりも小さくなっている場合には、所定の水深まで仕掛
けが巻き戻っていなくてもモータに供給する電力を増加
させることが可能な状態に戻す制御を行う。
【0022】上述のように、本発明では、危険条件にな
るとモータに供給する電力を所定値以下に低下させ、所
定の水深まで仕掛けが巻戻るまでモータに供給する電力
の増大を抑えるような制御を行う。この制御は、モータ
等を保護する必要が出る程の大きな魚を巻き上げている
ときには供給電力の規制を解除してモータを動かしても
再び危険条件となることが明らかなことに鑑みて為され
ている。
【0023】しかし、かかっていた大きな魚がばれて逃
げてしまったり、釣り糸が切れてしまった場合など、所
定の水深まで仕掛けが戻る前に、供給電力の規制を解除
してモータを動かしても問題がない状態となることが考
えられる。このような場合には、所定の水深まで仕掛け
(釣り糸が切れて仕掛けがなくなった場合は、釣り糸)
を巻き上げるまでモータに供給される電力量が制限され
るのでは、釣り人にとって不便である。
【0024】このようなことから、ここでは、危険条件
になりモータに供給する電力を所定値以下に低下させた
後に、モータに供給される電力が所定値以下である状態
が一定時間だけ継続しており且つモータに供給される電
力が下限しきい値よりも小さくなっている場合には、所
定の水深まで仕掛けが巻き戻っていなくてもモータに供
給する電力を増加させることが可能な状態に戻す制御を
行っている。
【0025】このため、上記の魚が逃げたような場合に
は、釣り糸のテンションが小さくなっていてモータに供
給される電力が下限しきい値よりも小さくなっているた
め、モータに供給される電力が所定値以下である状態が
一定時間だけ継続していると、すなわちモータ等の温度
があるレベルまで下がっていると判断されれば、モータ
に供給する電力を増加させることが可能な状態に戻され
ることになる。
【0026】発明6に係る電動リールは、発明1から5
のいずれかに記載の電動リールにおいて、昇圧手段をさ
らに備えている。昇圧手段は、モータに供給する電力の
電圧を昇圧する手段である。また、制御部は、危険条件
になると、昇圧手段による昇圧を解除して、モータに供
給する電力の電圧を非昇圧状態とする制御を行う。
【0027】ここでは、昇圧手段によって電源電圧以上
に電圧を昇圧してスプールを高速回転させることが可能
である。また、危険条件になると、モータに供給する電
力を所定値以下に低下させるとともに、昇圧を解除して
非昇圧状態とする制御を行う。
【0028】発明7に係る電動リールは、リール本体
と、スプールと、手動のハンドルと、電動のモータと、
制御部とを備えている。スプールは、リール本体に回転
可能に支持されている。ハンドル及びモータは、スプー
ルを回転させるものである。制御部は、モータに所定の
危険値以上の負荷が所定時間かかったという危険条件に
なると、モータに供給する電力を所定値以下に低下さ
せ、モータに供給される電力が前記の所定値以下である
状態で一定時間が経過し且つモータに供給される電力が
下限しきい値(前記の所定値よりも小さい)よりも小さ
くなるまではモータに供給する電力の増大を抑える制御
を行う。
【0029】リール本体に支持されているスプールが、
手動のハンドル、電動のモータ、あるいはこれらの併用
によって回転すると、釣り糸が巻き取られる。ここで、
大きな魚のアタリがあったときを考える。モータによ
り、あるいはモータのハンドルの併用によって魚を巻き
上げていると、魚の重量や魚の力によって、釣り糸に高
いテンションがかかる。すると、モータにかかる負担が
大きくなり、モータには大きな電力が連続してかかるよ
うになる。
【0030】しかし、あまり長い時間大きな電力がモー
タにかかると、モータやモータに電力を供給する回路が
加熱して破損する恐れがある。これを回避するために、
本発明では、以下のように制御を行っている。
【0031】すなわち、モータに所定の危険値以上の負
荷(電力)が所定時間かかったという危険条件になる
と、モータ等を保護する必要があると判断して、モータ
に供給する電力を所定値以下に低下させ、これによりモ
ータ等の加熱を抑える。そして、魚がかかっている間は
モータに供給する電力の規制を解除してもモータにかか
る負荷が大きい状態が続くことを考慮して、かかってい
た大きな魚がばれて逃げてしまったり釣り糸が切れてし
まうまでは、あるいは水面付近まで魚を巻き上げてしま
うまでは、モータに供給する電力の増大を抑えるような
制御を行う。すなわち、魚がばれる等の条件に相当する
モータに供給される電力が下限しきい値よりも小さくな
るという条件(以下、第1条件という。)に加えて、モ
ータに供給される電力が前記の所定値以下である状態で
一定時間が経過するというモータ等の温度をある程度ま
で低下させることに相当する条件(以下、第2条件とい
う。)を満たしたときに、モータに供給する電力の増大
を抑えることを解除させている。
【0032】このような制御のため、危険条件となって
モータに供給する電力が所定値以下に低下した後は、主
として手動のハンドルによって魚を巻き上げることにな
る。しかしながら、上記のようにモータ等を保護する必
要が出る程の大きな魚を巻き上げているときには供給電
力の規制を解除してモータを動かしても再び危険条件と
なることが明らかであり、また供給電力の規制が解除さ
れてしまうと危険条件の所定時間の間に加熱されたモー
タに更に大きな電力がかかりモータ等の焼損を招きかね
ないため、第1及び第2条件を満たすときまでモータに
供給する電力の増大を抑えるような制御を行っている。
【0033】このような制御を行うことによって、本発
明では、別にモータ等の温度を監視させてモータに供給
する電力を制御する温度監視機構を備えることなく、モ
ータ等の保護を行うことができる。したがって、温度監
視機構で必要な温度を監視する高価な手段が不要であ
り、比較的安価で電動リールのモータ等の保護を行うこ
とができる。
【0034】発明8に係る電動リールは、発明7に記載
の電動リールにおいて、危険条件は、複数の負荷の所定
の危険値及び複数の所定時間の組み合わせによる複数の
条件である。
【0035】比較的小さな負荷であっても長い時間モー
タにその負荷がかかっていればモータ等が危険なレベル
まで加熱されるし、反対に比較的短い時間であっても大
きな負荷がモータにかかり続ければモータ等が危険なレ
ベルまで加熱される。これに鑑み、危険条件は複数の条
件から構成されている。
【0036】発明9に係る電動リールは、発明7又は8
に記載の電動リールにおいて、モータにかかる負荷は、
モータに供給される電流値を検出する電流検出手段によ
って検出される。
【0037】通常、電動リールの電源としては所定の電
圧の電源が使用される。したがって、モータにかかる負
荷を検出する場合、モータに供給される電流値を検出す
る方法が簡易である。これに鑑み、ここでは電流検出手
段によってモータに供給される電流値を検出することで
モータにかかる負荷を検出している。
【0038】発明10に係る電動リールは、発明7から
9のいずれかに記載の電動リールにおいて、昇圧手段を
さらに備えている。昇圧手段は、モータに供給する電力
の電圧を昇圧する手段である。また、制御部は、危険条
件になると、昇圧手段による昇圧を解除して、モータに
供給する電力の電圧を非昇圧状態とする制御を行う。
【0039】ここでは、昇圧手段によって電源電圧以上
に電圧を昇圧してスプールを高速回転させることが可能
である。また、危険条件になると、モータに供給する電
力を所定値以下に低下させるとともに、昇圧を解除して
非昇圧状態とする制御を行う。
【0040】
【発明の実施の形態】<全体構成>図1に示す本発明の
一実施形態を採用した電動リールは、7段変速の電動リ
ールであって、外見上は主として、リール本体1と、リ
ール本体1の側方に配置されたスプール回転用のハンド
ル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラ
グ調整用のスタードラグ3とを備えている。リール本体
1の内部には、ハンドル2に連結されたスプール10
が、リール本体1に対して回転自在に支持されている。
スプール10の内部には、スプール10を糸巻き上げ方
向に回転駆動する直流駆動のモータ12が配置されてい
る。また、リール本体1の手前側側面には、ハンドル2
及びモータ12とスプール10との駆動伝達をON/O
FFするクラッチ(図示せず)の操作レバー11が配置
されている。このクラッチは、リール本体1内に配置さ
れたソレノイド27(図3)によってもオン状態(係合
状態)にできる。このクラッチをオンすると,仕掛けの
自重による糸繰り出し中に、糸繰り出し動作を停止でき
る。
【0041】リール本体1の上部には、操作パネル4が
一体に形成されている。操作パネル4には、図2に詳し
く示すように、仕掛けの水深や2つの基準による棚位置
等を表示するための液晶ディスプレイからなる表示部5
と、表示部5の周囲に配置された各種の操作キーからな
る操作部6とが設けられている。
【0042】表示部5には、表示モード(上からモード
と底からモード)に応じて異なる水深を表示する水深表
示部5aと、各種のモードや動作状態を表示するための
モード表示部5bと、水底の水深Sを表示するための底
メモ表示部5cと、表示モードに応じて上棚位置TU又
は底棚位置TSを表示するための棚メモ表示部5dと、
スプール10の電動巻き上げの7つの変速段を表示する
ための速度表示部5eとが含まれている。
【0043】水深表示部5a、底メモ表示部5c及び棚
メモ表示部5dは、正負3桁で水深を表示可能である。
モード表示部5bは、「上 から」と「底から」との2
種の文字のいずれかで表示モードを画面上に表示する。
ここで、上からモードとは、電動リールを基準とした水
面からの仕掛けの水深を表示するモードであり、底から
モードとは水底を基準とした水底から仕掛けまでの距離
を表示するモードである。このため、上からモードは、
「上もの」と呼ばれる魚を釣るときに好適であり、底か
らモードは「底もの」と呼ばれる魚を釣るときに好適で
ある。
【0044】操作部6には、表示部5の右側に上下に並
べて配置された増減速スイッチSK及びパワーボタンP
Bと、左側に上下に並べて配置されたさそいボタンI
B、棚メモボタンTB及び底メモボタンSBとが設けら
れている。増減速スイッチSKは、2つのスイッチから
なるシーソー型のスイッチであり、上スイッチを押すと
変速段が押している時間だけ徐々に高速側に移行し、下
スイッチを押すと低速側に移行する。また、押すのを止
めると増減速スイッチSKが中立位置に復帰して、その
ときの変速段を維持する。パワーボタンPBは、モータ
12のON/OFFを行わせるためのボタンである。
【0045】さそいボタンIBは、仕掛けを棚近傍でさ
そい上げるさそいモードをセットしたり、さそい学習を
行ったり、さそいモードを解除する際に使用されるボタ
ンである。棚メモボタンTBは、上からモードのときの
上棚位置や底からモードのときの底棚位置を設定するた
めのボタンである。なお、棚メモボタンTBを3秒以上
押し続けると、水深表示が0セットされる。底メモボタ
ンSBは、水底の水深を設定するためのボタンである。
また、底メモボタンSBを3秒以上押し続けると、表示
モードが上からモードあるいは底からモードに切り替わ
る。
【0046】また、操作パネル4の下面側には、各種警
報音を出力するアラーム7(図3)が設けられている。
【0047】<制御系の構成>この電動リールは、図3
に示すような制御部20を有している。制御部20は、
操作パネル4内に配置されたCPU,RAM,ROM,
I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータ
を備えており、制御プログラムに従って後で説明する各
種の制御動作を実行する。制御部20には、操作部6の
各種のボタン(スイッチ)と、スプール10の回転方向
及び回転数を検出するための1対のリードスイッチから
なるスプール回転センサ21と、中継スイッチ22と、
モータ12に供給された電流値を検出するための電流検
出センサ23とが接続されている。電流検出センサ23
は、PWM駆動回路25に用いられるモータ駆動素子で
あるFET25aの両端の分圧を検出することで、モー
タ12に供給された電流を検出する。なお、電流検出機
能付のFETを用いる場合には、電流検出センサ23は
不要である。電流検出センサ23は、制御部20ととも
に操作パネル4内に配置されている。
【0048】また、制御部20には、複数のタイマー8
と、アラーム7と、表示部5と、FET25aを用いた
PWM駆動回路25と、各種の制御データを記憶する不
揮発メモリからなる記憶部26と、クラッチオン用のソ
レノイド27と、読み出し部28と、他の入出力部とが
接続されている。複数のタイマー8には、後述する図5
に示す危険条件に合致するか否かを判断するときに使用
されるものや、危険条件になってモータ12が一定デュ
ーティー運転状態で増減速スイッチSKが凍結状態とさ
れた後に所定時間でこの凍結を解除可能とさせるときに
使用されるもの等が含まれる。これらのタイマー8は、
制御部20からの指令により作動し、随時その時間の情
報を制御部20に送る。また、PWM駆動回路25には
モータ12が接続されている。
【0049】記憶部26には、図4に示すように、棚位
置等の表示データを記憶する表示データ記憶エリア30
と、実際の糸長とスプール回転数との関係を示す学習デ
ータを記憶する学習データ記憶エリア31と、モータ1
2に供給された電流値及び時間に応じてモータ12を一
定デューティー運転に移行させるための危険条件を記憶
する危険条件テーブル記憶エリア32と、PWM駆動回
路25で用いられる変速段に応じた最大デューティー比
SUを記憶するデューティーテーブル記憶エリア33
と、種々のデータを記憶するデータ記憶エリア34とが
設けられている。
【0050】危険条件テーブル記憶エリア32には、図
5に示すようなモータ12をOFFさせる複数の条件か
ら成る危険条件のテーブルが記憶されている。ここに
は、モータ12に供給される電流値の範囲の要素と、そ
の範囲に合致する状態がどれだけの時間継続しているの
かという時間の要素とが含まれている。例えば、電流値
が7A以上の範囲にあって且つその状態が対応する限界
時間である60秒以上継続したときには、危険条件にあ
ると判断される。
【0051】デューティーテーブル記憶エリア33に
は、例えば、低速側の段である1〜2速では50%、3
〜4速では70%、5速では90%、外部電源40の供
給電圧における最高速である6速及び昇圧状態の7速で
は100%の最大デューティー比DSUが記憶されてい
る。このように、変速段が高くなるに従って最大デュー
ティー比DSUが大きくなるように設定されている。ま
た、各変速段SCそれぞれに設定されている巻き上げ速
度も、このデューティーテーブル記憶エリア33に記憶
されている。
【0052】読み出し部28(図3)には、実際にセッ
トされたPWM駆動のデューティー比D、デューティー
テーブル記憶エリア33から読み出された最大デューテ
ィー比DSU、セットされた変速段SC、変速段SCに対
応して設定されている目標の巻き上げ速度等が記憶され
る。
【0053】また、この電動リールは、制御部20によ
って制御される切替部41及び昇圧回路42を内蔵して
いる(図3参照)。切替部41は、バッテリー等の外部
電源40からの供給電力をPWM駆動回路25に送るル
ートを切り替える。具体的には、切替部41は、制御部
20からの指令によって、外部電源40の供給電圧をそ
のままPWM駆動回路25に送るか、昇圧回路42を介
して供給電圧を昇圧してPWM駆動回路25に送るかを
切り替える。
【0054】<電動リールの主な制御>次に、制御部2
0によって行われる主な制御処理を図6〜図10に示す
制御フローチャートに従って説明する。
【0055】電動リールに外部電源40が接続される
と、図6に示すステップS1において初期設定を行う。
ここでは、水深表示を「0」にしたり、各種のフラグを
リセットしたり、表示モードを上からモードに設定す
る。また、図5に示す危険条件のテーブルは、ここで危
険条件テーブル記憶エリア32から読み出し部28に呼
び出される。
【0056】ステップS2では、表示処理を行う。表示
処理では、水深表示等の各種の表示を行う。ここで、上
からモードのときには、水深表示部5aに上からの水深
LNが、底からモードのときには水底からの距離が表示
される。また、棚位置がセットされると、上からモード
のときには棚メモ表示部5dに上棚位置TUが、底から
モードのときには底棚位置TSが表示される。
【0057】ステップS3では、操作部6の各種ボタン
の操作によるキー入力がなされたか否かが判断される。
ステップS3においてキー入力がなされると、ステップ
S7に移行し、図7及び図8に示すキー入力処理を行
う。
【0058】ステップS4では、スプール10が回転し
たか否かが判断される。この判断は、スプール回転セン
サ21の出力により判断する。スプール10が回転して
いると判断すれば、ステップS4からステップS8に移
行し、中継スイッチ22がオンしているか否かを判断す
る。中継スイッチ22は、図示しない糸長測定器が装着
され糸長とスプール10の回転位置との関係を学習する
ときにのみオンする。中継スイッチ22がオンしている
場合には、ステップS9に移行しスプール10の回転と
糸長との関係を学習する学習モード処理に移行する。こ
の学習モード処理では、糸長(水深)LNとスプール1
0の回転データNとの関係を示すマップデータMAP
(N)を算出して学習データ記憶エリア31に記憶す
る。中継スイッチ22がオンしていない場合には、ステ
ップS10に移行し各モード処理(図9)を実行する。
【0059】ステップS5では、モータ12がONされ
ているか否かが判断される。ONされていると判断すれ
ば、ステップS5からステップS11に移行する。
【0060】ステップS11の増減速処理では、デュー
ティー比Dをアップ又はダウンさせて、モータ12を増
速又は減速させる。この処理では、スプール回転センサ
21により検出される現在のスプール10の回転数と現
在の変速段SCに設定されている回転速度データとを比
較して、両者を合わせるようにデューティー比Dを調整
してスプール10を回すモータ12の回転を増減速させ
る。但し、そのときの変速段SCに対応する最大デュー
ティー比DSUを超えない範囲でデューティー比Dが調整
される。但し、後述するステップS81においてモータ
12が一定デューティー運転とされステップS82で増
減速スイッチSKが凍結状態とされている場合には、こ
のステップS11の増減速処理はスキップされる。すな
わち、増減速スイッチSKが凍結状態の場合には、その
凍結状態が解除されるまではステップS11の増減速処
理は行われない。
【0061】ステップS11からステップS12に移行
すると、ここで、図10に示す危険条件確認処理が行わ
れる。図10に示すように、危険条件確認処理では、ま
ずステップS80において、電流検出センサ23により
検出されている電流値及びタイマー8により検知される
これらの条件より、電動リールが図5に示す危険条件の
いずれかになっているか否かが判断される。そして、危
険条件に当てはまらない場合には、モータ12やFET
25aが焼損する恐れはないとして、次のステップS6
に移行する。危険条件に当てはまる場合には、ステップ
S81でモータ12を一定デューティー運転させるとと
もに、変速段SCを最低速段である1速にセットする。
そして、ステップS82において、増減速スイッチSK
による変速段SCの変更を禁止させるように増減速スイ
ッチSKを凍結状態とする。なお、ステップS81にお
いて変速段SCを1速にセットするのは、増減速スイッ
チSKの凍結状態が解除されたときにいきなりモータ1
2が高速回転し始めるのを回避するためである。続け
て、ステップS83において、モータ12等の冷却のた
めに設定されている増減速スイッチSKの凍結状態を持
続させる最小の時間である凍結解除時間taの経過を検
出するために、タイマー8のひとつをONさせる。次
に、ステップS84では、モータ12に供給される電源
電圧が昇圧されているか否か、すなわち、外部電源40
の供給電圧を昇圧回路42を介して送っているかそのま
まPWM駆動回路25に送っているかを判断する。そし
て、昇圧されている場合、すなわち昇圧回路42を介し
ている場合には、ステップS85に移行して、切替部4
1を切り替え外部電源40の供給電圧を昇圧しない状態
でPWM駆動回路25に供給させるようにして、昇圧を
解除させる。
【0062】ステップS6では、他の指令がなされたか
否かを判断する。他の指令がなされるとステップS6か
らステップS13に移行し、指令に応じた他の処理を行
う。
【0063】図7及び図8に示すステップS7のキー入
力処理では、まずステップS21でパワーボタンPBが
押されたか否かを判断する。ステップS22では増減速
スイッチSKの上スイッチが押されたか否かを判断す
る。ステップS23では増減速スイッチSKの下スイッ
チが押されたか否かを判断する。ステップS24では、
棚メモボタンTBが押されたか、底メモボタンSBが押
されたか、底メモボタンSBの長時間(たとえば3秒以
上)のキー入力がされたか、底メモボタンSBと棚メモ
ボタンTBとの同時操作がされたか、さそいボタンIB
のキー入力がされたか等の他のキー入力がなされたか否
かを判断する。
【0064】ステップS21においてパワーボタンPB
が押されると、ステップS25に移行する。ステップS
25ではモータ12がONの状態であるか否かを判断す
る。モータ12が既にONしている場合にはステップS
27に移行しモータ12を停止させる。モータ12がO
FFの場合には、ステップS26に移行してモータ12
をONさせる。
【0065】ステップS22において増減速スイッチS
Kの上スイッチが押されると、ステップS30に移行し
て、増減速スイッチSKが凍結状態であるか否かが判断
される。凍結状態でなければ、ステップS35に移行し
て、変速段SCをアップさせる。増減速スイッチSKが
凍結状態である場合には、ステップS31に移行して、
ステップS83でONされたタイマー8の時間tが所定
の凍結解除時間ta(例えば、60秒)を超えているか
否かが判断される。ここで、まだ時間tが凍結解除時間
taを超えていなければ、ステップS23に移行する。
時間tが凍結解除時間taを超えている場合には、ステ
ップS32に移行して、電流検出センサ23により検出
された電流値Iが下限電流しきい値IL(例えば、3
A)を下回っているか否かが判断される。ここで、電流
値Iが下限電流しきい値ILを上回っている場合は、モ
ータ12等の焼損の恐れが解消されていないとして、増
減速スイッチSKの凍結状態は解除されずにステップS
23に移行する。電流値Iが下限電流しきい値ILを下
回っている場合には、ステップS33で増減速スイッチ
SKの凍結状態が解除され、ステップS34でタイマー
8がOFFされた後に、ステップS35において変速段
SCをアップさせる。このときの変速段SCは読み出し
部28に記憶されるとともに、速度表示部5eに表示さ
れる。但し、既に変速段が最高速段である7速である場
合には、変速段はアップされず、後述するステップS3
6,S37を飛ばしてステップS23に移行する(図示
せず)。ステップS36では、変速段SCが7速である
か否かを判断し、7速である場合には、ステップS37
で切替部41を切り替えて、昇圧回路42において外部
電源40の供給電圧を昇圧してPWM駆動回路25に供
給させる。
【0066】ステップS23において増減速スイッチS
Kの下スイッチが押されると、ステップS40に移行し
て、増減速スイッチSKが凍結状態であるか否かが判断
される。凍結状態でなければ、ステップS45に移行し
て、変速段SCをダウンさせる。増減速スイッチSKが
凍結状態である場合には、ステップS41に移行して、
ステップS83でONされたタイマー8の時間tが所定
の凍結解除時間taを超えているか否かが判断される。
ここで、まだ時間tが凍結解除時間taを超えていなけ
れば、ステップS24に移行する。時間tが凍結解除時
間taを超えている場合には、ステップS42に移行し
て、電流検出センサ23により検出された電流値Iが下
限電流しきい値ILを下回っているか否かが判断され
る。ここで、電流値Iが下限電流しきい値ILを上回っ
ている場合は、モータ12等の焼損の恐れが解消されて
いないとして、増減速スイッチSKの凍結状態は解除さ
れずにステップS24に移行する。電流値Iが下限電流
しきい値ILを下回っている場合には、ステップS43
で増減速スイッチSKの凍結状態が解除され、ステップ
S44でタイマー8がOFFされた後に、ステップS4
5において変速段をダウンさせる。このときの変速段S
Cは読み出し部28に記憶されるとともに、速度表示部
5eに表示される。但し、既に変速段が最低速段である
1速である場合には、変速段はダウンされない。ステッ
プS46では、変速段SCが6速であるか否かを判断
し、6速である場合にはステップS47で切替部41を
切り替えて外部電源40の供給電圧を昇圧しない状態で
PWM駆動回路25に供給させる。
【0067】ステップS24において他のキー入力がな
された場合には、ステップS49に移行し、押されたキ
ーに応じた他のキー入力処理を行う。たとえば、棚メモ
ボタンTBが押されると、この時の水深LNを上棚位置
TUとして表示データ記憶エリア30に記憶するととも
に、水底の水深Sからそのときの水深LNを引いた値を
底棚位置SUとして表示データ記憶エリア30に記憶す
る。また底メモボタンSBが押されると、この時の水深
LNを水底の水深Sとして表示データ記憶エリア30に
記憶する。底メモボタンSBが3秒以上押されると、表
示モードが上からと底からとで切り換えられ、さそいボ
タンIBが押されると動作モードがさそいモードに切り
換えられる。
【0068】図9に示す各モード処理では、まずステッ
プS50でスプール10の回転が糸繰り出し方向の回転
か否かを判断する。この判断はスプール回転センサ21
のいずれのリードスイッチが先にオンしたかにより行
う。スプール10の回転方向が糸繰り出し方向と判断す
るとステップS51に移行する。ステップS51では、
回転データNを増加する。ステップS52では、増加さ
れた回転データNからマップデータMAP(N)により
水深LNを求める。これにより表示処理で水深表示が更
新される。ステップS53では、算出された水深LNが
上棚位置TUと一致するか否かを判断する。ステップS
54では、他のモードか否かを判断する。他のモードで
はない場合には、各モード処理を終わりメインルーチン
に戻る。
【0069】水深LNが上棚位置TUに一致するとステ
ップS53からステップS55に移行する。ステップS
55ではアラーム7から棚アラームを出力する。ステッ
プS56では、ソレノイド27をオンしてクラッチをオ
ンする。
【0070】一方、ステップS50においてスプール1
0の回転方向が糸巻き上げ方向と判断すると、ステップ
S60に移行する。ステップS60では、回転データN
を減少する。ステップS61では、増加された回転デー
タNからマップデータMAP(N)により水深LNを求
める。これにより表示処理で水深表示が更新される。ス
テップS62では、水底の水深Sから算出された水深L
Nを引いた減算値が底棚位置TSと一致するか否かを判
断する。ステップS62において減算値が底棚位置TS
に一致すると、ステップS65に移行する。ステップS
65ではアラーム7から棚アラームを出力する。ステッ
プS66ではモータ12をオフする。ステップS63で
は、算出された水深LNが船べり停止位置FBから所定
の長さSLを引いた減算値以下であるか否かを判断す
る。船べり停止位置FBは、仕掛けが手元に戻るように
セットされた位置であり、この電動リールでは1m以上
6m未満の範囲で自由に設定することができる。この船
べり停止位置FBは、電源投入時には6mに設定されて
いる。所定の長さSLは、船べり停止位置FBでモータ
12を停止させ易いように適当に設定された長さであ
り、ここでは2mである。ステップS63で水深LNが
船べり停止位置FBから所定の長さSLを引いた減算値
以下であれば、ステップS67でモータ12に供給され
る電力の電圧が昇圧されているか否かが判断される。そ
してステップS67で昇圧されていると判断されると、
切替部41が切り替えられ、昇圧が解除される。昇圧が
解除されると、変速段SCが7速から6速となり、6速
に対応した最大デューティ比D SUがデューティーテーブ
ル記憶エリア33から読み出し部28に読み出される。
【0071】ステップS64では、算出された水深LN
が船べり停止位置FBと一致するか否かを判断する。水
深LNが船べり停止位置FBに一致すると、ステップS
69に移行する。ステップS69ではアラーム7から船
べりアラームを出力する。そして、ステップS70でモ
ータ12がONされているか否かが判断され、ONされ
ている場合にはステップS72においてモータ12がO
FFされる。また、ステップS71で増減速スイッチS
Kが凍結状態であるか否かが判断され、凍結状態であれ
ば、ステップS73において増減速スイッチSKの凍結
状態が解除され、ステップS83でONされたタイマー
8もOFFされる。
【0072】<電動リールの特徴>この電動リールで
は、危険条件になると、モータ12を一定デューティー
運転に移行させてモータ12に供給する電力を低下させ
る。これによりモータ12やFET25a等の過熱を抑
えている。そして、危険条件になるほど大きな魚がかか
っている間は、増減速スイッチSKの操作によりデュー
ティー比Dを上げたとしてもモータ12にかかる負荷が
大きい状態が続くことを考慮して、船べり停止位置まで
魚が釣り上げられるまではモータ12の一定デューティ
ー運転を継続させるような制御を行っている。
【0073】このため、危険条件となるとモータ12が
一定デューティー運転となり、電動巻き上げがほとんど
機能しなくなるため、釣り人は主として手動のハンドル
によって魚を巻き上げることになる。しかしながら、危
険条件になるほどの大きな魚を巻き上げているときには
デューティー比Dを低く設定しなくては再び危険条件と
なることが明らかであり、また繰り返し危険条件になる
と過熱状態のモータ12等に大きな電流がさらに流れモ
ータ12等の焼損を招きかねないため、ここでは船べり
停止位置まで魚を釣り上げない限り、増減速スイッチS
Kの凍結状態を保持し続ける制御を行っている(ステッ
プS64,S71,S73参照)。
【0074】このような制御を行うことにより、本電動
リールでは、別にモータ12等の温度を監視させるため
のサーミスター等の高価な温度検出手段を配備すること
なく、比較的安価でモータ12等の保護を効果的に行っ
ている。
【0075】一方、かかっていた大きな魚がばれて逃げ
てしまったり、釣り糸が切れてしまった場合など、船べ
り停止位置FBまで仕掛け(釣り糸)が戻る前にモータ
12やFET25aに焼損の恐れがなくなる場合を考慮
して、危険条件になりモータ12を一定デューティー運
転に移行させた後に、凍結解除時間taが経過していて
且つ電流値Iが下限電流しきい値ILを下回っている場
合には、増減速スイッチSKの凍結状態を解除してデュ
ーティー比Dを上げることを可能にしている(ステップ
S31,S32及びステップS41,S42参照)。こ
の場合には、船べり停止位置FBまで巻き上げられてい
なくても、モータ12の一定デューティー運転が解除さ
れ、モータ12を高速で使用することができるようにな
る。
【0076】[他の実施形態] (A) 電流値によりモータを制御する構成にかえて、
電圧によりモータを制御してもよい。たとえば、モータ
と制御部との間にFETを用いたDC−DCコンバータ
を配置し、DC−DCコンバータから負荷に応じた電圧
をモータに供給してもよい。
【0077】(B) モータは直流モータに限定され
ず、交流モータやステッピングモータを使用することも
できる。
【0078】(C) 上記実施形態において、増減速ス
イッチSKが凍結されている間、表示部のLCD等をフ
ラッシングさせてもよい。このフラッシングによって、
釣り人は、増減速スイッチSKの操作が所定の条件とな
るまで受け付けられないことを認識することができる。
【0079】
【発明の効果】本発明では、所定の水深に仕掛けが巻戻
るまではモータに供給する電力の増大を抑えるような制
御を行うことによって、別にモータ等の温度を監視させ
てモータに供給する電力を制御する温度監視機構を備え
ることなく、モータ等の保護を行うことができる。した
がって、温度監視機構で必要な温度を監視する高価な手
段が不要であり、比較的安価で電動リールのモータ等の
保護を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が採用された電動リールの
平面図。
【図2】操作パネルの平面拡大図。
【図3】リールの制御ブロック図。
【図4】記憶部のエリア構成を示す模式図。
【図5】危険条件テーブル。
【図6】メインルーチンの処理内容を示すフローチャー
ト。
【図7】キー入力処理の内容を示すフローチャート(前
半)。
【図8】キー入力処理の内容を示すフローチャート(後
半)。
【図9】各モード処理の内容を示すフローチャート。
【図10】危険条件確認処理の内容を示すフローチャー
ト。
【符号の説明】
1 リール本体 2 ハンドル 10 スプール 12 モータ 20 制御部 23 電流検出センサ(電流検出手段) 24 温度センサ(温度検出手段) 42 昇圧回路(昇圧手段) FB 船べり停止位置 I 電流値 IL 下限電流しきい値(下限しきい値) Ta 凍結解除時間(所定時間)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リール本体と、 前記リール本体に回転可能に支持されるスプールと、 前記スプールを回転させる手動のハンドルと、 前記スプールを回転させる電動のモータと、 前記モータに所定の危険値以上の負荷が所定時間かかっ
    たという危険条件になると、前記モータに供給する電力
    を所定値以下に低下させ、所定の水深に仕掛けが巻き戻
    るまで前記モータに供給する電力の増大を抑える制御を
    行う制御部と、を備えた電動リール。
  2. 【請求項2】前記危険条件は、複数の前記負荷の所定の
    危険値及び複数の前記所定時間の組み合わせによる複数
    の条件である、請求項1に記載の電動リール。
  3. 【請求項3】前記所定の水深は、水深1mから10mの
    範囲にある船べり停止位置の水深である、請求項1又は
    2に記載の電動リール。
  4. 【請求項4】前記モータにかかる負荷は、前記モータに
    供給される電流値を検出する電流検出手段によって検出
    される、請求項1から3のいずれかに記載の電動リー
    ル。
  5. 【請求項5】前記制御部は、前記危険条件になり前記モ
    ータに供給する電力を所定値以下に低下させた後に、前
    記モータに供給される電力が前記所定値以下である状態
    が一定時間だけ継続しており且つ前記モータに供給され
    る電力が前記所定値よりも小さい下限しきい値よりも小
    さくなっている場合には、所定の水深に仕掛けが巻き戻
    っていなくても、前記モータに供給する電力を増加させ
    ることが可能な状態に戻す制御を行う、請求項1から4
    のいずれかに記載の電動リール。
  6. 【請求項6】前記モータに供給する電力の電圧を昇圧す
    る昇圧手段をさらに備え、 前記制御部は、前記危険条件になると、前記昇圧手段に
    よる昇圧を解除して前記モータに供給する電力の電圧を
    非昇圧状態とする制御を行う、請求項1から5のいずれ
    かに記載の電動リール。
  7. 【請求項7】リール本体と、 前記リール本体に回転可能に支持されるスプールと、 前記スプールを回転させる手動のハンドルと、 前記スプールを回転させる電動のモータと、 前記モータに所定の危険値以上の負荷が所定時間かかっ
    たという危険条件になると、前記モータに供給する電力
    を所定値以下に低下させ、前記モータに供給される電力
    が前記所定値以下である状態で一定時間が経過し且つ前
    記モータに供給される電力が前記所定値よりも小さい下
    限しきい値よりも小さくなるまでは前記モータに供給す
    る電力の増大を抑える制御を行う制御部と、を備えた電
    動リール。
  8. 【請求項8】前記危険条件は、複数の前記負荷の所定の
    危険値及び複数の前記所定時間の組み合わせによる複数
    の条件である、請求項7に記載の電動リール。
  9. 【請求項9】前記モータにかかる負荷は、前記モータに
    供給される電流値を検出する電流検出手段によって検出
    される、請求項7又は8に記載の電動リール。
  10. 【請求項10】前記モータに供給する電力の電圧を昇圧
    する昇圧手段をさらに備え、 前記制御部は、前記危険条件になると、前記昇圧手段に
    よる昇圧を解除して前記モータに供給する電力の電圧を
    非昇圧状態とする制御を行う、請求項7から9のいずれ
    かに記載の電動リール。
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