JP2000139238A - 植物施設栽培における薫蒸方法 - Google Patents
植物施設栽培における薫蒸方法Info
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- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/10—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
- Y02A40/25—Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor
Abstract
できる植物栽培における薫蒸方法の提供。 【解決手段】光安定剤と紫外線吸収剤を含有し、300
〜370nmの範囲の紫外線透過率が10%以下のオレ
フィン系樹脂フィルムで栽培植物を被覆し、その内部を
硫黄で薫蒸することを特徴とする植物施設栽培における
薫蒸方法。
Description
る病害虫防除のための薫蒸方法、更に詳しくは、薫蒸剤
による被覆フィルムの劣化が少なく施設を長期に使用可
能な植物施設栽培における薫蒸方法に関する。
賞用植物や各種作物の栽培方法として透明なオレフィン
系樹脂フィルムを張設したハウス等を用いた施設栽培が
広く普及されている。
保温、昇温のためにフィルム等の被覆資材で被覆をして
栽培植物が密閉状態で管理されるため、施設内部は土壌
や植物から蒸散する水分によって高湿度環境となり、微
生物、病害菌が発生し易い環境となる。
で加温することが多いが、この場合は逆に施設内部が乾
燥気味になる。また、外気温が上がり始める時期になる
と、日中、被覆フィルムを巻き上げて換気を行って施設
内の温度上昇を抑制することが行われるが、この場合に
も湿気が逃失する一方で雨水はかからないために施設内
は乾燥気味となる。特に夜間暖房と併用されるとひどく
なり、この乾燥環境もまた、うどんこ病のような病害が
多発する原因となる。
水溶液を散布するのが一般的であるが、葉裏等に散布む
らが生じ易く均一な散布処理が難しい。更に、有機農薬
の散布は多量の水を使用するため、しかも、作物に直接
吹き付けるため、新たな湿害を引き起こすおそれがあ
る。
は、施設を密閉した状態で農薬そのものを気化、蒸発さ
せたり、水の微粒子いわゆる霧を発生させこれと共に農
薬を噴霧する方法で農薬散布上の問題が緩和される。
末を加熱溶融して蒸散させる方法が作業が簡単で処理費
用も安価なことから広く取り入れられている。
て、近年各種のオレフィン系樹脂フィルムが使用されて
いる。オレフィン系樹脂フィルムとしては、農ポリ(低
密度ポリエチレンフィルム、線状低密度ポリエチレンフ
ィルム)や農サクビ(エチレンー酢酸ビニル共重合体フ
ィルム)が使用されているが、これらは太陽光線中の紫
外線による光劣化が生じるためその耐久性は半年程度で
ある。
安定剤が添加される。光安定剤は光劣化反応を抑制する
作用があり、主な化合物として、ニッケル系化合物とヒ
ンダードアミン系化合物(以下HALSということがあ
る)とがあり、特にHALSが有効である。
おり、オレフィン系樹脂フィルム中に0.1〜0.5%
程度添加することで2〜5年の耐久性を付与することが
できる。
フィルムの大部分は、HALSを配合して耐久性(耐候
性)を向上して用いられているが、薫煙、薫蒸処理を受
けると耐久性が急速、大幅に低下することが判明してき
た。
大きい。その理由は必ずしも明らかではないが、従来の
薬剤散布は空間に浮遊しない程度に大きな水溶液粒子の
形で作物に吹き付けており作物から距離のあるフィルム
には殆ど付着しないが、薫蒸処理の場合、ハウスを密閉
して薬剤をハウス内空間に充満させて処理するため、フ
ィルム内面が薬剤に曝され、被覆フィルムへの付着、侵
入(フィルムへの溶解)が生じる結果と推測される。
る被覆フィルムの劣化が少なく、装置を長期に使用でき
る植物施設栽培における薫蒸方法を提供するものであ
る。
解決するために鋭意検討した結果、光安定剤と紫外線吸
収剤を配合し紫外線透過率を減少させたオレフィン系樹
脂フィルムが薫蒸剤による劣化が少ないことをみいだし
てなされたもので、光安定剤と紫外線吸収剤を含有し、
300〜370nmの範囲の紫外線透過率が10%以下
のオレフィン系樹脂フィルムで栽培植物を被覆し、その
内部を硫黄で薫蒸することを特徴とする植物施設栽培に
おける薫蒸方法を提供するものである。
蒸は、栽培植物をオレフィン系樹脂フィルムで被覆して
行われる。
る樹脂としては、エチレン系重合体が好ましく、低密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエ
チレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体が用いられる。
これらの中でも低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体が好ましい。
応じて任意に設定することができるが、一般には30μ
mから500μm、好ましくは50μmから300μm
とされる。
もよく、また目的に応じて2層以上の積層体とすること
もできる。
と紫外線吸収剤が添加され、300〜370μmの紫外
線の透過率を10%以下、好ましくは5%以下、特に好
ましくは1%以下とされる。紫外線吸収剤を添加するこ
とによって薫蒸剤に対する耐性が向上する。その理由は
明らかではないが、紫外線吸収剤は薫蒸剤の樹脂に対す
る劣化作用を防止する以上に光安定剤に対する分解作用
を強く阻止する作用を有するものと推定される。
系樹脂フィルムの耐久性の保持性能を発揮することがで
きない。
なわち光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物が
好ましく、分子量が250以上で、4位ーに置換基を有
する2,2,6,6,−テトラアルキルピペリジン誘導
体、あるいは、そのポリエチレン系ポリマー付加体を用
いることができ、その4位の置換基としてはカルボン酸
残基、アルコキシ残基、アルキルアミノ基等を挙げるこ
とができる。
ることができる。
ィン系樹脂フィルム樹脂組成物全体に対して、0.02
〜12%、好ましくは0.5〜5重量%添加される。
用され、紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外
線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾ
エート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸
収剤が望ましい。
る。
m以下の紫外線透過率が10%以下となる量が添加され
るが、一般には、0.01〜3重量%、好ましくは、
0.05〜1.5重量%添加される。また、これらの紫
外線吸収剤は単独であるいは2種以上を混合して用いる
ことができる。
レフィン系樹脂フィルムが波長5.0〜30μmの赤外
線を吸収することが必要で、この範囲の赤外線を吸収す
る無機粉体を添加することが望ましい。
リカゲル、けい藻土、等の酸化珪素、各種天然または合
成のけい酸塩類、たとえばカオリン、タルク、ゼオライ
ト、長石、けい酸カルシウム、ガラス、さらに、酸化ア
ルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、天然または合成のハイドロタルサイト類化合物等を
使用することができる。無機粉体の粒径は、重量平均粒
径が0.1〜20μm、好ましくは、0.5〜10μm
のものが使用される。
ィルムの組成物に対して1〜20重量%、好ましくは3
〜10重量%程度とされる。
植物を被覆したオレフィン系樹脂フィルムの内部となる
側の表面に防曇性を付与することが望ましく、防曇性付
与方法としては、界面活性剤等の親水性基を有する防曇
性付与剤をオレフィン系樹脂フィルムに混練する方法で
あってもよく、また、防曇剤をオレフィン系樹脂フィル
ム表面に塗布する方法であってもよい。
の防曇性付与剤としては、非イオン系、アニオン系ある
いはカチオン系の界面活性剤が使用できる。これらの化
合物としては、ポリオキシアルキレンエーテル、多価ア
ルコールの部分エステル、多価アルコールのアルキレン
オキサイド付加物の部分エステル、高級アルコール硫酸
エステルアルカリ金属塩、アルキルアリールスルホネー
ト、四級アンモニウム、脂肪酸アミン誘導体等が挙げら
れる。
タン、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコー
ル等の多価アルコールとのエステルあるいはそのアルキ
レンオキサイド付加物を主成分とする非イオン系界面活
性剤等が好ましい。
性を付与する防曇剤としては、無機の微粒子と界面活性
剤を含有するものが望ましく、無機の微粒子としては、
平均粒径5〜100nm程度の無機親水性コロイド物質
を用いることができる。
ルアルミナ、コロイド状の水酸化鉄、水酸化錫、酸化チ
タン、硫酸バリウム、リチウムシリケート等を用いるこ
とができる。
活性剤、ノニオン界面活性剤を用いることができる。
ウス用骨組みに張設する前に塗布してもよく、また、こ
れらに張設した後必要に応じた時期に塗布してもよい。
ムを用いて植物を薫蒸するときは、オレフィン系樹脂フ
ィルムで栽培植物を被覆する。被覆の方法はいかなる方
法であってもよいが従来の栽培用ハウスの骨組みを使用
することができ、ハウス用の骨組みを構築し、これに本
発明オレフィン系樹脂フィルムを張設して薫蒸すること
ができる。従って、植物を本発明オレフィン系樹脂フィ
ルムを張設したハウス内で栽培し、必要の生じたときそ
のまま薫蒸することができる。
培植物が被覆されるとその内部で硫黄を加熱蒸散させて
薫蒸が行われる。薫蒸は、植物の苗を植設した後必要に
応じて行うことができる。
物の栽培における薫蒸方法としても使用することができ
る。
オレフィン系樹脂フィルムを用いたから、オレフィン系
樹脂フィルムの薫蒸剤による劣化が少なく長期に使用す
ることができる。
外線透過率と薫蒸下でのオレフィン系樹脂フィルムの耐
久性の比較を行った。
0.5、酢ビ含量15重量%、三菱化学製)に光安定剤
として旭電化工業製アデカスタブLA−68を0.2重
量%、紫外線吸収剤としてチバガイギー社製T−326
を表1に示す量、および、防曇剤としてグリセリンモノ
ステアレート1.0%を添加して50μmのオレフィン
系樹脂フィルムを得た。
370nmの光の平均透過率を測定した。
3m、長さ5m、高さ2.5mのパイプハウスを6棟建
設し、これに平成7年8月31日、表1に示す各オレフ
ィン系樹脂フィルムをそれぞれ張設して密閉状態とし
た。薫蒸器として東海物産製の新こなでんを用いて各ハ
ウスに1台ずつ設置し、毎夜10時から11時の1時
間、使用条件に合わせて硫黄で薫蒸した。硫黄粉末は適
宜供給して空にならないようにした。
化し、パイプとの接触部から破損が生じる日までの日数
で評価した。
吸光光度スペクトル図
Claims (5)
- 【請求項1】光安定剤と紫外線吸収剤を含有し、300
〜370nmの範囲の紫外線透過率が10%以下のオレ
フィン系樹脂フィルムで栽培植物を被覆し、その内部を
硫黄で薫蒸することを特徴とする植物施設栽培における
薫蒸方法。 - 【請求項2】光安定剤がヒンダートアミン系化合物であ
る請求項1記載の植物施設栽培における薫蒸方法。 - 【請求項3】紫外線吸収剤が、ベンゾフェノン系紫外線
吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエ
ート系紫外線吸収剤またはシアノアクリレート系紫外線
吸収剤である請求項1または2記載の植物施設栽培にお
ける薫蒸方法。 - 【請求項4】オレフィン系樹脂フィルムが低密度ポリエ
チレン、線状ポリエチレンまたはエチレン・酢酸ビニル
共重合体からなる請求項1〜3いずれかに記載の植物施
設栽培における薫蒸方法。 - 【請求項5】オレフィン系樹脂フィルムの内面に防曇性
が付与された請求項1〜4いずれかに記載の植物施設栽
培における薫蒸方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10315801A JP2000139238A (ja) | 1998-11-06 | 1998-11-06 | 植物施設栽培における薫蒸方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10315801A JP2000139238A (ja) | 1998-11-06 | 1998-11-06 | 植物施設栽培における薫蒸方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000139238A true JP2000139238A (ja) | 2000-05-23 |
Family
ID=18069725
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10315801A Pending JP2000139238A (ja) | 1998-11-06 | 1998-11-06 | 植物施設栽培における薫蒸方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000139238A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2004002213A1 (ja) * | 2002-07-01 | 2005-10-27 | ダイセル化学工業株式会社 | 脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂製農業用フィルム |
JP2015502143A (ja) * | 2011-10-31 | 2015-01-22 | ウルトラバツチ・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ | 温室屋根を作製するための積層体及び温室栽培方法 |
WO2021029144A1 (ja) * | 2019-08-09 | 2021-02-18 | 株式会社Adeka | 農業用フィルム、農業用フィルム形成用樹脂組成物、及びそれを用いた植物の育成方法 |
-
1998
- 1998-11-06 JP JP10315801A patent/JP2000139238A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2004002213A1 (ja) * | 2002-07-01 | 2005-10-27 | ダイセル化学工業株式会社 | 脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂製農業用フィルム |
JP2015502143A (ja) * | 2011-10-31 | 2015-01-22 | ウルトラバツチ・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ | 温室屋根を作製するための積層体及び温室栽培方法 |
WO2021029144A1 (ja) * | 2019-08-09 | 2021-02-18 | 株式会社Adeka | 農業用フィルム、農業用フィルム形成用樹脂組成物、及びそれを用いた植物の育成方法 |
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