JP2000138711A - ルータ装置及びラベルスイッチパス制御方法 - Google Patents

ルータ装置及びラベルスイッチパス制御方法

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JP2000138711A
JP2000138711A JP31137098A JP31137098A JP2000138711A JP 2000138711 A JP2000138711 A JP 2000138711A JP 31137098 A JP31137098 A JP 31137098A JP 31137098 A JP31137098 A JP 31137098A JP 2000138711 A JP2000138711 A JP 2000138711A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラベルスイッチパスの設定数を減少させ、装
置実装を容易にしたルータ装置を提供すること。 【解決手段】 自ルータ装置が入口ルータとなってラベ
ルスイッチパスを設定する際に出口ルータになって欲し
い他の1または複数のルータ装置のアドレス情報を出口
ルータリストに設定し、自ルータ装置から出口ルータリ
ストに設定された他のルータ装置までラベルスイッチパ
スを設定することを目標にラベルスイッチパス設定制御
を行い、設定されたラベルスイッチパスの識別情報と前
記他のルータ装置を経由するパケットの持つべきアドレ
ス情報とを対応付けて経路表に登録する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラベルスイッチン
グの機能を有するルータ装置及びラベルスイッチパス制
御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今、IP(インターネットプロトコ
ル)を用いた通信網として、いわゆるインターネット
(Internet)の利用が急速に普及しており、ト
ラヒック量や接続ノード数が急速に増大している。イン
ターネットのようにIPを用いた通信網は、ベストエフ
ォート型の通信網と呼ばれており、ルータ装置は最善の
努力にてIPパケットの処理を試みるが、ルータ装置に
トラヒックが集中した場合にIPパケットの廃棄が発生
するなど、転送品質は保証されないものである。しか
し、IP通信網においても転送遅延値やIPパケット廃
棄率といった転送品質の保証に対する要望があり、例え
ばQoS(Quarity of Service)や
CoS(Class of Service)が要求さ
れてきている。
【0003】このような背景から、IP通信網、特にイ
ンターネットにおいて、その基本要素であるルータ装置
の高速/高機能化が必要となってきている。ラベルスイ
ッチ技術は、このような要求を満たす技術として開発・
標準化作業が推進されている。ラベルスイッチ技術を用
いたラベルスイッチルータ(LSR;Label Sw
itch Router)は、layer−3パケット
を従来のlayer−3アドレス情報を用いて転送する
だけでなく、layer−3アドレス情報に対応させた
固定長ラベルによって転送することで高性能パケット転
送を実現するものである。
【0004】ラベルスイッチ技術によりパケット転送を
高速化するためのラベルスイッチ技術手法として、例え
ば、MPLS(Multi−Protocol Lab
elSwitching;例えば、R. Callo
n, et al., “AFramework fo
r Multiprotocol Label Swi
tching”, Internet Draft d
raft−ietf−mpls−framework−
02.txt, November 1997参照)方
式がある。MPLSは、ラベルスイッチルータ(LS
R)間で特定の管理単位に属するパケットに特定の「ラ
ベル」を割り当て、各ラベルスイッチルータ(LSR)
で入力側のラベルと出力側のラベルとを関連付けて記憶
しておき、この情報を参照してラベルスイッチングを行
うことにより、IP処理を省略し、高速なパケット転送
が可能となる。例えば、リンクレイヤがATMの場合、
VPI(Virtual Path Identifi
er)/VCI(Virtual Channel I
dentifier)がラベルとして使用される。パケ
ットがラベルスイッチングされる経路をラベルスイッチ
パス(LSP;Label Switched Pat
h)と呼ぶ。
【0005】なお、ラベルスイッチルータを用いてラベ
ルスイッチパスを生成する場合は、2つの方式がある。
【0006】1つの方法は、経路表の1つのエントリに
対して、1つのラベルスイッチパスを生成するトポロジ
ードリブンの方式である。また、この方式は、実際のト
ラフィック状態に関わらず、経路表の全エントリ(例え
ば、全宛先)に対するラベルスイッチパスを常設するも
のである。
【0007】もう1つの方法は、特定のパケットが到着
したときに、その発信元アドレスと宛先アドレスに対し
てラベルスイッチパスを作るトラフィックドリブンがあ
る。また、この方式は、実際にパケット転送している発
信元アドレス・宛先アドレス対についてのみラベルスイ
ッチパスを設定するものである。
【0008】ところで、このような方式をインターネッ
トに適用した場合を考えてみると、トポロジードリブン
で経路表の1つのエントリについて1つのラベルスイッ
チパスを割り当てる方式を用いる場合、現在、インター
ネットバックボーンでは約50000個の経路情報を持
っているので、ラベルスイッチパス数が約50000個
も必要になってしまう。また、トラフィックドリブンで
実際にパケット転送している送信元アドレスと宛先アド
レスの組に対してラベルスイッチパスを割り当てる方式
も、現在のインターネットバックボーンに用いた場合に
は、かなり多くのラベルスイッチパス数(例えば500
0〜10000個)が必要であることが分かっている。
【0009】このようにラベルスイッチパス数が多くな
ると、ラベルスイッチパスに多くの資源が必要になり、
実装が困難になり、コストがかかるものになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
ラベルスイッチでは、ネットワーク規模が大きくなる
と、かなり多数のラベルスイッチパスを設定する必要が
あり、実装やコストの面で、非常に大きな問題があっ
た。
【0011】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、ラベルスイッチパスの設定数を減少させ、装置実
装を容易にしたルータ装置及びラベルスイッチパス制御
方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1)に係
るルータ装置は、自装置が入口ルータとなってラベルス
イッチパスを設定する際に出口ルータの目標とすべき
(出口ルータになって欲しい)ルータ装置の識別情報を
記憶するための第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段
に記憶されたルータ装置までラベルスイッチパスを設定
すべく制御を行う制御手段と、前記制御手段の制御に基
づいて設定されたラベルスイッチパスの識別情報と前記
第1の記憶手段に記憶されたルータ装置を経由するパケ
ットの持つべきアドレス情報とを対応付けて記憶するた
めの第2の記憶手段とを具備したことを特徴とする。
【0013】ここで、ルータ装置とは、IPなどのネッ
トワーク層の経路表を持つもののことを言うものとす
る。
【0014】なお、出口ルータになって欲しいルータ装
置までラベルスイッチパスを設定すべく制御を行った場
合に、そのルータ装置の設定とネットワーク構成(特に
同一プロトコルの範囲等)との関係などによって、その
ルータ装置までラベルスイッチパスが設定されない場合
がある。ただし、この場合でも、そのルータ装置に至る
途中のルータ装置まではラベルスイッチパスが設定され
る(もしくは設定され得る)。また、このように目標と
した経路の途中まででもラベルスイッチパスが設定され
た場合には、当該入口ルータ装置は、当該(出口ルータ
としての)目標としたルータ装置までラベルスイッチパ
スが設定されたものと認識して経路表等の設定を行って
構わない。
【0015】好ましくは、前記制御手段の制御により設
定されたラベルスイッチパスの識別情報と該ラベルスイ
ッチパスを設定するもととなった前記第1の記憶手段に
記憶されたルータ装置のアドレス情報とを、前記第2の
記憶手段に登録する第1の登録手段と、前記制御手段の
制御により設定されたラベルスイッチパスを設定するも
ととなった前記第1の記憶手段に記憶されたルータ装置
を経由してパケット転送する1または複数のネットワー
クのアドレス情報と該ラベルスイッチパスの識別情報と
を、前記第2の記憶手段に登録する第2の登録手段とを
更に具備するようにしてもよい。
【0016】好ましくは、前記第1の登録手段は、前記
制御手段により前記ラベルスイッチパスが設定された際
に前記登録を行い、前記第2の登録手段は、他のルータ
装置との間で転送される所定の経路制御プロトコルの情
報に基づいて前記第1の記憶手段に記憶されたルータ装
置の下流側に接続するネットワークが存在することもし
くは追加されたことを認識した場合に、前記登録を行う
ようにしてもよい。
【0017】好ましくは、前記制御手段は、他のルータ
装置との間で転送される所定の経路制御プロトコルの情
報に基づいて前記第1の記憶手段に記憶されたルータ装
置が存在することもしくは追加されたことを認識したこ
とを契機として、前記制御を開始するようにしてもよ
い。
【0018】好ましくは、前記第1の記憶手段に記憶さ
せる前記ルータ装置を、同一の経路制御プロトコルが動
作する範囲の境界部分に位置するルータ装置とするよう
にしてもよい。
【0019】好ましくは、前記第1の記憶手段に記憶さ
せる前記ルータ装置を、ラベルスイッチパスを延長可能
な範囲の境界部分に位置するルータ装置とするようにし
てもよい。
【0020】好ましくは、前記第1の記憶手段に記憶さ
せる前記ルータ装置を、同一の経路制御プロトコルが動
作する範囲とラベルスイッチパスを延長可能な範囲とが
重なり合う範囲における境界部分に位置するルータ装置
とするようにしてもよい。
【0021】好ましくは、他のルータ装置との間で転送
される所定の経路制御プロトコルの情報に基づいて、前
記第1の記憶手段に記憶されたルータ装置が削除された
ことを認識した場合、該ルータ装置に対応するラベルス
イッチパスを削除する制御を行うとともに該ラベルスイ
ッチパスの識別情報に関して前記第2の記憶手段の内容
を更新し、前記第1の記憶手段に記憶されたルータ装置
の下流に接続されたネットワークが削除されたことを認
識した場合、該ネットワークのアドレス情報に関して前
記第2の記憶手段の内容を更新するようにしてもよい。
【0022】好ましくは、前記制御手段の制御により複
数のラベルスイッチパスが設定されたことによって、あ
るアドレス情報を持つパケットについてこれを2以上の
ラベルスイッチパスのいずれによっても転送し得る状況
に至った場合には、該アドレス情報を持つパケットの転
送に使用するラベルスイッチパスを所定の基準に従って
1つだけ選択して、前記第2の記憶手段に、該選択した
ラベルスイッチパスの識別情報と該アドレス情報とを対
応付けて記憶させるようにしてもよい。
【0023】本発明(請求項10)に係るラベルスイッ
チパス制御方法は、自ルータ装置が入口ルータとなって
ラベルスイッチパスを設定する際に出口ルータの目標と
すべき他のルータ装置の識別情報を出口ルータリストに
記憶し、自ルータ装置から前記出口ルータリストに記憶
された他のルータ装置までラベルスイッチパスを設定す
べく制御を行い、設定されたラベルスイッチパスの識別
情報と前記他のルータ装置を経由するパケットの持つべ
きアドレス情報とを対応付けて経路表に記憶することを
特徴とする。
【0024】従来のトポロジードリブン方式では、経路
表の全エントリ毎にラベルスイッチパスを設定するた
め、出口ルータに対して多数のラベルスイッチパスを必
要としていたが、本発明によれば、経路表の全エントリ
のうち、ある入口ルータからある出口ルータまでの経路
を同じくするエントリ群(の全部または一部)に対しそ
の出口ルータへ向けて設定した1つのラベルスイッチパ
スを割り当てる(複数のエントリに1つのラベルスイッ
チパス識別情報を書き込む)ようにできるため、ラベル
スイッチパス数を効果的に減らすことができる。
【0025】なお、装置に係る本発明は方法に係る発明
としても成立し、方法に係る本発明は装置に係る発明と
しても成立する。
【0026】また、装置または方法に係る本発明は、コ
ンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるため
の(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段と
して機能させるための、あるいはコンピュータに当該発
明に相当する機能を実現させるための)プログラムを記
録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても成立
する。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら発明の
実施の形態を説明する。
【0028】(第1の実施形態)第1の実施形態では、
経路プロトコルの一例としてOSPF(Open Sh
ortest Path Fast;例えば、J. M
oy,“OSPF Version 2”, Inte
nrt RFC2328, April 1998参
照)が用いられるものとし、ルータ間で転送されるOS
PFの経路情報を利用して、入口ルータから出口ルータ
に1つのラベルスイッチパス(LSP;Label S
witched Path)を生成する方法について説
明する。
【0029】従来のトポロジードリブン方式では、経路
表(ルーティングテーブル)のエントリ毎にラベルスイ
ッチパスを設定するため、出口ルータに対して多数のラ
ベルスイッチパスを必要としていたが、本実施形態によ
れば、出口ルータに対して1つのラベルスイッチパスを
設定するため、ラベルスイッチパス数を効果的に減らす
ことができる。
【0030】なお、入口ルータはラベルスイッチパスの
始点になるルータであり、出口ルータはラベルスイッチ
パスの終点になるルータである。入口ルータと出口ルー
タとの間のルータは、IP処理をすることなく、高速に
パケット転送することができる。
【0031】さて、ラベルスイッチパスを設定するため
には、入口ルータにおいて、出口ルータのIPアドレス
もしくはルータIDを知る必要がある。本実施形態で
は、出口ルータのルータIDは、システム管理者などが
マニュアルで設定するものとする(すなわち、全ての入
口ルータに当該入口ルータに対する出口ルータのルータ
IDを設定することになる)。なお、例えばOSPF
Opaque LSAを用いるなどして、出口ルータの
ルータIDを各入口ルータに自動的に設定するようにし
てもよい。
【0032】入口ルータから認識できる出口ルータは、
基本的に、同一のOSPFエリア(Area)の範囲内
に存在するルータである。このため、ラベルスイッチパ
スの設定は、同一OSPエリア内に入口ルータと出口ル
ータが存在する場合に可能になる。ただし、入口ルータ
aに対する別OSPFエリアの出口ルータbがASBR
(AS(Autonomous System) ボー
ダルータ)である場合には、このルータbが別OSPF
エリア内のルータである入口ルータaから存在を確認で
きるので、ASBRであるルータbへは、ルータaから
ラベルスイッチパスを設定できる(2以上のOSPFエ
リアを跨いだラベルスイッチパスを設定できる)。
【0033】一方、上記とは別に、ラベルスイッチパス
を設定できる範囲は、MPLS(Multi−Prot
ocol Label Switching)のドメイ
ン(Domain)の範囲内に制限される。なお、ラベ
ルスイッチパスを、MPLSのドメインの範囲を越えて
設定するような制御を行った場合には、ラベルスイッチ
パスが全く設定されずに終わるのではなく、ラベルスイ
ッチパスがMPLSのドメインの範囲内で設定されるこ
とになる。
【0034】以下では、OSPFとMPLSとは独立し
たものである(OSPFのエリアとMPLSのドメイン
とは独立に設定可能である)ことから、OSPFのエリ
アとMPLSのドメインとの関係について、(1)OS
PFのエリアとMPLSのドメインとが同じ場合、
(2)OSPFのエリアがMPLSのドメインより大き
い場合、(3)OSPFのエリアが複数ある場合の3つ
のケースについてそれぞれ説明する。
【0035】最初に、(1)OSPFのエリアとMPL
Sドメインとが一致している場合について説明する。
【0036】図1に、OSPFのエリアとMPLSドメ
インとが一致しているような、ネットワークの構成例を
示す。
【0037】図1に示されるように、このネットワーク
では、OSPFのエリア(実線a1の範囲)=MPLS
ドメイン(一点鎖線d1の範囲)の中に、ルータR1〜
R5が存在している。
【0038】MPLSネットワーク内のルータR1〜R
5はいずれもラベルスイッチルータ(LSR)であり、
それ以外はLSR以外のルータとする。
【0039】また、ルータR4の当該MPLSドメイン
の外側にはネットワーク(Network) Aとネッ
トワーク(Network) Bが接続され、ルータR
5の当該MPLSドメインの外側にはネットワーク(N
etwork) Cとネットワーク(Network)
Dが接続されているものとする。
【0040】ここでは、ルータR1が入口ルータとなる
場合を考える(なお、実際には、ルータR1以外のルー
タも入口ルータになることができ、逆にルータR1も他
の入口ルータに対する出口ルータになることができる
が、どのルータが入口/出口になっても基本的には同様
であるので、ここでは、ルータR1が入口ルータとなる
ケースのみについて説明する)。
【0041】図2に、入口ルータが用いる各種情報の形
式例と、その内容の具体例を示す。(a)は出口ルータ
リストの例、(b)は経路表の例、(c)は出口ルータ
を通るネットワークリストの例である。
【0042】まず、図3に示した入口ルータの設定手順
例を参照しながら、図1に例示したネットワーク(ラベ
ルスイッチパス#1,#2は、まだ設定されていないも
のとする)における、入口ルータR1によるラベルスイ
ッチパスの設定手順について説明する。
【0043】なお、本実施形態では、入口ルータR1
は、OSPFプロトコルに従ってルータ間で転送される
OSPFの経路情報から、同一OSPFエリア内のルー
タのトポロジーや、出口ルータの先に繋がるルータもし
くはネットワークを認識する。
【0044】さて、予め、ルータR1には、出口ルータ
の情報として、図2(a)に例示するように、ルータR
4,R5のルータIDが設定される。また、この時点で
は、経路表(図2(b))と出口ルータを通るネットワ
ークリスト(図2(c))は空であるものとする。
【0045】まず、ルータR1がOSPFの経路情報に
よりルータR2を認識したとする。図3の手順に従っ
て、ルータR2が出口ルータリスト(図2(a))に無
いことがわかる(ステップS101にてNo)。続い
て、ステップS104に移り、出口ルータを通るネット
ワークリストの更新の処理となるが、この時点では出口
ルータが1つも見つかっていないので、何もしない。ま
た、ネットワークリストが更新されていないのでステッ
プS105でも何もしない。
【0046】次に、ルータR1がOSPFの経路情報に
よりルータR3を認識したとする。ルータR3に関して
も上記ルータR2と同じ動作を行うことになる。
【0047】次に、ルータR1がルータR4を認識した
とする。
【0048】ルータR4は、出口ルータリスト(図2
(a))を参照すると、出口ルータであることがわかる
(ステップS101にてYes)。
【0049】したがって、ルータR4に対しては、(後
述する構成例ではLDP制御部10により)、ラベルス
イッチパスを作成する(ステップS102)。図1の例
では、ラベルスイッチパス(#1)が作成されている。
【0050】続いて、このラベルスイッチパス(#1)
をネットワークリスト(図2(c))に追加する(ステ
ップS103)。ここでは、出口ルータ=R4、Net
work=R4、LSP=#1の組情報が記述される。
【0051】続いて、OSPFの経路情報により出口ル
ータR4を通るネットワークは、ルータR4であること
がわかる(ステップS104)ので、ルータR4へは、
ラベルスイッチパス(#1)で到達できることを経路表
(図2(b))に記入する(ステップS105)。ここ
では、宛先=R4、LSP=#1の組情報が記述され
る。
【0052】次に、ルータR1がネットワークAを認識
したとする。
【0053】ネットワークAは、出口ルータリスト(図
2(a))を参照すると、出口ルータではないので(ス
テップS101にてNo)、OSPFの経路情報により
ネットワークリスト(図2(c))を更新する(ステッ
プS104)。ここでは、OSPFの経路情報により、
ネットワークAは出口ルータR4を通ることがわかるの
で、ネットワークリストの出口ルータ=R4に対応する
Networkの項目にネットワークAを追加する。ま
た、ネットワークリストのルータR4のエントリにネッ
トワークAを追加したので、経路表にルータR4宛のラ
ベルスイッチパス番号である#1とネットワークAとの
対応を記入する。
【0054】ルータR4に接続しているもう1つのネッ
トワークB、もう1つの出口ルータR5、この出口ルー
タR5に接続している2つのネットワークC,Dについ
ても、上記と同様の各手順により各設定が行われる。
【0055】この例における最終的な経路表とネットワ
ークリストの内容は、それぞれ図2(b),(c)のよ
うになる。
【0056】そして、入口ルータR1は、この経路表を
もとにラベルスイッチパスで転送するパケットを検索す
る。パケットの宛先を見て、この経路表にあるものに関
しては、対応するラベルスイッチパスで転送することに
なる。
【0057】このように本実施形態によれば、従来方法
では出口ノードへのラベルスイッチパスが複数あるのに
対して、出口ノードへのラベルスイッチパスが1本にア
グリゲートできるため、ラベルスイッチパスを減少させ
ることができる。
【0058】上記では、ラベルスイッチパスの生成の方
法とラベルスイッチパスに流すパケット流の設定方法に
ついて説明してきた。次に、ネットワークや出口ルータ
の削除について説明する。
【0059】図4に、この場合の削除手順の一例を示
す。
【0060】まず、ネットワークの削除の処理について
説明する。
【0061】ここでは、図1でラベルスイッチパス(#
1,#2)が設定された状態で、ネットワークAが削除
された場合を例に取る。
【0062】ルータR1は、OSPFの経路情報によっ
て、ネットワークAが削除されたことを認識する。ステ
ップS201で認識したルータが出口ルータかをチェッ
クする。この場合、出口ルータではないので、ステップ
S204へ処理を進める。ここでは、OSPFの経路情
報によりネットワークAが削除されたことがわかるの
で、ネットワークリストに記憶しているネットワークリ
ストAを削除する(ステップS204)。続いて、経路
表からネットワークAの項目を削除する(ステップS2
05)。
【0063】次に、出口ルータの削除の処理について説
明する。
【0064】ここでは、図1でラベルスイッチパス(#
1,#2)が設定された状態で、ルータ5が削除された
場合を例に取る。
【0065】ルータR1は、OSPFの経路情報によっ
て、ルータR5が削除されたことを認識する。ルータR
5は出口ルータであるので(ステップS201にてYe
s)、ルータR5へのラベルスイッチパスを、(後述す
る構成例ではLDP制御部10により)、削除する(ス
テップS202)。削除したルータR5とラベルスイッ
チパス(図1の例の場合、#2)をネットワークリスト
から削除する。
【0066】次に、経路表からルータR5への経路を削
除する。
【0067】さらに、ネットワークリストで、ルータR
5から到達可能であるネットワークC,Dも削除する。
ルータR5と同様に経路表からもネットワークC,Dへ
の経路を削除する(ステップS203)。
【0068】続いて、ステップS204でネットワーク
リストを更新するが、このネットワークで、ルータR5
が削除されたときは、ルータR5とネットワークC,D
を削除した後では、ネットワーク経路の変更がないの
で、何もしない。ステップS205も同様に何もしな
い。
【0069】ところで、図3の設定手順のステップS1
05の処理では、ステップS104のネットワークリス
ト更新において、あるネットワークについて、これを出
口ルータに対応するネットワークリストから削除した場
合は、経路表からこのネットワークと対応するLSPを
削除する、という処理があり、図4の削除手順のステッ
プS205の処理では、ステップS204のネットワー
クリスト更新において、あるネットワークについて、こ
れを出口ルータに対応するネットワークリストに追加し
た場合は、経路表にこのネットワークと対応するLSP
を追加する、という処理があるが、これらは、例えば、
ラベルスイッチパスを設定する際に既設定の別のラベル
スイッチパスを削除する必要があるケース、あるいは既
設定のラベルスイッチパスを削除する際に別のラベルス
イッチパスを設定する必要があるケース、より具体的に
は例えば経路変更が発生するケース、などに行われるも
のである。
【0070】ここで、入口ルータの内部構成について説
明する。
【0071】図5に、入口ルータの概略構成例を示す。
なお、本構成例は、第2の実施形態や第3の実施形態の
入口ルータの構成例としても成立する。
【0072】図5に示されるように、このルータは、L
DP制御部10、経路表11、経路制御部12、アグリ
ゲート制御部13、出口ルータリスト14、パケット転
送処理部15を含んで構成される。
【0073】パケット転送部15は、レイヤ3パケット
の転送処理を行う。例えば、入力したデータパケットを
経路表11に従い所定のラペルスイッチパスへ送出す
る。また、LDP制御部10や経路制御部12のための
制御パケットを隣接ルータとの間でやり取りする。
【0074】経路制御部12は、経路制御プロトコル
(第1の実施形態ではOSPF、第2の実施形態ではB
GP、第3の実施形態ではOSPFとBGP)を動作さ
せる部分であり、経路制御に関わる制御メッセージの送
受信のための処理や、経路制御プロトコルに基づき管理
する経路情報を記憶する経路表11の管理を行う。経路
表11は、図2(c)に例示したものである。
【0075】LDP制御部10は、LDPプロトコル
(Label Distribution Proto
col;例えば、L. Andersson, et
al., “LDP Specification”,
Internet Draft draft−iet
f−mpls−lpd−01.txt, August
1998参照)を動作させる部分であり、ラベルスイッ
チパス制御(設定・解放、隣接認識など)に関わる制御
メッセージの送受信のための処理や、ラベルスイッチパ
スの状態管理や設定・解放制御に関わる処理を行う。
【0076】アグリゲート制御部13は、出口ルータリ
スト14および経路制御プロトコルの経路情報(第1の
実施形態ではOSPFの経路情報)から認識する出口ル
ータ/ネットワークの追加/削除に基づいたラベルスイ
ッチパスの追加・削除(設定・解)やそのための経路表
11/ネットワークリスト(図示せず)の更新に関する
制御を全体的に司る部分である。出口ルータリスト14
は、図2(a)に例示したものである。ネットワークリ
ストは、図2(b)に例示したものである。
【0077】例えば、アグリゲート制御部13は、出口
ルータリスト14に登録されている出口ルータが経路制
御部13から認識できたことを通知されると(第1の実
施形態では、OSPFの経路情報により認識する)、L
DP制御部10に出口ルータまでラベルスイッチパスを
設定するように命令する。
【0078】ラベルスイッチパスを設定するように命令
されたLDP制御部10は、ラベルスイッチパスの設定
のためにLDPプロトコルを用いて、ラベルスイッチパ
スを設定する。
【0079】ラベルスイッチパスの設定が終わると、ア
グリゲート制御部13は、経路制御部12から出口ルー
タより先にあるネットワークを取得し、ラベルスイッチ
パスに流すネットワーク情報の経路表11への登録など
を行う。
【0080】実際のパケット転送は、パケットの宛先ア
ドレスと経路表11を比較して、マッチしたラベルスイ
ッチパスを使ってパケット転送が行われる。
【0081】さて、次に、(2)OSPFエリアがMP
LSドメインより大きい場合について説明する。
【0082】入口ルータの設定手順、入口ルータの削除
手順、入口ルータの構成については、前述と同様である
(図3〜図5)。
【0083】図6に、OSPFエリアがMPLSドメイ
ンより大きいような、ネットワークの構成例を示す。
【0084】図6に示されるように、このネットワーク
では、OSPFのエリア(実線a2の範囲)が、MPL
Sドメイン(一点鎖線d2の範囲)より大きくなってお
り、ルータR1からR6までがOSPFのエリアである
が、MPLSドメインはルータR1からR5までであ
る。
【0085】また、ルータR4の当該MPLSドメイン
の外側にはネットワーク Aとネットワーク Bが接続
され、ルータR6の当該MPLSドメインの外側にはネ
ットワーク Cとネットワーク Dが接続されているも
のとする。
【0086】ここでも、ルータR1が入口ルータとなる
場合を考える。
【0087】ここでは上記のような状況において、入口
ルータR1には、出口ルータとして、図7(a)に示す
ように、MPLSドメインの境界であるルータR4とル
ータR5を登録するものとする。
【0088】入口ルータR1がルータR4を認識した際
の動作は、図1の例と同様である。これによって、図6
のように、ラベルスイッチパス(#3)が設定される。
【0089】入口ルータR1がルータR5を認識した際
に、図1の例と相違する点は、ルータR1は、出口ルー
タであるルータR5にラベルスイッチパス(#4)を設
定した後、ルータR5を通る宛先ネットワークがネット
ワークC,DとルータR5,R6であることがわかるの
で、設定したラベルスイッチパスでこれらのパケットを
転送するように設定する点である。
【0090】この例における設定後の最終的な経路表と
ネットワークリストの内容を、それぞれ図7(b),
(c)に示す。
【0091】経路の追加/変更/削除は、図1の例と同
様に行う。
【0092】なお、上記では、入口ルータR1に、出口
ルータとしてMPLSドメインの境界であるルータR4
とルータR5を登録したが、出口ルータとしてOSPF
エリアの境界であるルータR4とルータR6を登録する
方法もある。
【0093】この場合、設定されるラベルスイッチパス
は図6と同様である。ただし、入口ルータ1は、ラベル
スイッチパスがルータR4とルータR6まで設定されて
いるものと認識して、リストや表の設定を行う。
【0094】さて、次に、(3)複数のOSPFエリア
が存在する場合のラベルスイッチパス設定について説明
する。
【0095】入口ルータの設定手順、入口ルータの削除
手順、入口ルータの構成については、前述と同様である
(図3〜図5)。
【0096】図8に、複数のOSPFエリアが存在する
ような、ネットワークの構成例を示す。
【0097】図8に示されるように、このネットワーク
では、ルータR1からR3までのOSPFエリア(実線
a3−1の範囲)と、ルータR3からR5までのOSP
Fエリア(実線a3−2の範囲)との、2つのOSPF
エリアが存在する。また、MPLSドメイン(一点鎖線
d3の範囲)は、OSPFエリアa3−1の全体と、O
SPFエリアa3−2の一部を包含するような形になっ
ている。
【0098】また、ルータR5の当該MPLSドメイン
の外側にはネットワーク Aとネットワーク Bが接続
されているものとする。
【0099】まず、OSPFエリアa3−1のルータR
1が入口ルータとなる場合を考える。
【0100】ここでは上記のような状況において、入口
ルータR1には、出口ルータとして、図9(a)に示す
ように、OSPFエリアの境界であるルータR3を登録
する。すなわち、MPLSドメインd3としては、ルー
タR4が最出口のルータになるが、OSPFエリアa3
−1の入口ルータであるルータR1は、同一OSPFエ
リア内のルータのみしか認識できないので、同一OSP
Fエリア内のルータR3が出口ルータとなっている。
【0101】まず、入口ルータR1は、ルータR3にラ
ベルスイッチパスを設定する。この手順は、これまでの
例と同じ手順である。その後、ルータR3を通り到達で
きるネットワークであるネットワークA,BとルータR
3,R4,R5へのパケットを設定したラベルスイッチ
パスで転送できるように設定する。これにより、ルータ
R1からルータR3へのアグリゲート・ラベルスイッチ
パス(#5)が設定できる。
【0102】この例における設定後の最終的な経路表と
ネットワークリストの内容を、それぞれ図9(b),
(c)に示す。
【0103】経路変更や経路削除の場合は、エリア内の
OSPFの場合と同様である。
【0104】なお、OSPFエリアa3−2でルータR
3が入口ルータとなる場合については、図4の例と同様
である。すなわち、出口ルータとして図10(a)に示
すようMPLSドメインの境界であるルータR3が登録
されるとすると、ラベルスイッチパス(#6)が設定さ
れ、経路表とネットワークリストの内容は、それぞれ図
10(b),(c)のようになる。
【0105】なお、以上の本実施形態において、対象と
なるネットワークの構成によってあるネットワークにつ
いて異なる出口ルータに対して設定された2以上のラベ
ルスイッチパスのいずれをも使用可能となった場合に
は、経路表ではある宛先に対するラベルスイッチパスを
唯一に特定しておく必要があるため、何らかの方法で使
用するラベルスイッチパスを1つだけ選択するようにす
る。
【0106】(第2の実施形態)第1の実施形態ではO
SPFを用いたが、第2の実施形態では、BGP(Bo
rder Gateway Protocol;例え
ば、Y. Rekhter, T.Li, “A Bo
rder Gateway Protocol 4(B
GP−4)”,Internet RFC1771,
March 1995参照)の経路情報を用いて、ラベ
ルスイッチパスの数を減少させるアグリゲーション方式
について説明する。本実施形態では、ラベルスイッチパ
ス設定には、BGPのメッセージを交換する相手アドレ
スを利用する。入口ルータからBGPの相手アドレスに
対して、1本のラベルスイッチパスを生成することで、
最大でもBGP相手ルータとラベルスイッチルータ(L
SR)の入口の数の積のラベルスイッチパス数で十分に
なる。
【0107】入口ルータの設定手順、入口ルータの削除
手順、入口ルータの構成については、基本的には、第1
の実施形態と同様である(図3〜図5)。
【0108】以下では、BGPとMPLSとは独立した
ものであることから、(1)AS(Autonomou
s System)とMPLSドメインとが同じ場合
(図11)、(2)AS内部にMPLSドメイン存在し
ている場合(図13)、についてそれぞれ説明する。
【0109】最初に、(1)ASとMPLSドメインと
が同じ場合について説明する。
【0110】図11に、ASとMPLSドメインとが同
じであるような、ネットワークの構成例を示す。
【0111】図11に示されるように、このネットワー
クでは、AS(実線s4の範囲)=MPLSドメイン
(一点鎖線d4の範囲)であり、ルータR2からルータ
R5がこの同一ASに属しており、ルータR1とルータ
R6がそれぞれ別のASに属している。
【0112】また、ハッチングしていないルータR1,
2,5,6が、BGPスピーカー(Speaker)で
あり、ルータR1とルータR2、ルータR2とルータR
5、ルータR5とルータR6がそれぞれBGPで話して
いる。
【0113】以下、BGPの情報を使ったラベルスイッ
チパス設定方法について説明する。
【0114】ここでは、ルータR2が入口ルータとなる
場合を考える。
【0115】入口ルータR2には、出口ルータとして、
図12(a)に示すように、BGPで話している相手ル
ータのルータR5を登録する。
【0116】ルータR2は、ルータR5に対してラベル
スイッチパス(#7)を設定した後、ルータR5を通り
到達することの出来るルータR6宛のパケットをこのラ
ベルスイッチパスで転送するように経路表を変更する。
ルータR5を通り到達することの出来るネットワーク
は、BGPの経路情報により、取得する。
【0117】この例における設定後の最終的な経路表と
ネットワークリストの内容を、それぞれ図12(b),
(c)に示す。
【0118】なお、BGPでは、BGPの相手先ルータ
から、宛先ネットワークとそこまでの距離等の情報を取
得する。もし、異なるBGP相手先ルータから同一の宛
先ネットワークへの情報を取得した場合は、一番好まし
い経路を入口ルータが選択する。経路選択の方法には、
種々のものあるが、例えば、距離が一番近いものを選択
する。このように選択された、宛先ネットワークが通る
BGP相手先ルータがわかるので、そのルータを通り到
達できる宛先ネットワークがわかる。
【0119】経路が変更した場合や経路が追加された場
合、削除された場合は、第1の実施形態と同様にラベル
スイッチパスで運ぶネットワーク情報を変更する。
【0120】次に、(2)AS内部にMPLSドメイン
存在している場合について説明する。
【0121】図13に、AS内部にMPLSドメイン存
在しているような、ネットワークの構成例を示す。
【0122】図13に示されるように、このネットワー
クでは、AS(実線s5の範囲)の内部にMPLSドメ
イン(一点鎖線d5の範囲)が存在している。また、ル
ータR2からルータR7がこの同一ASに属しており、
ルータR1とルータR8,R9がそれぞれ別のASに属
している。また、これらルータのうちMPLSドメイン
に属しているのは、ルータR3〜R5だけである。
【0123】さらに、ハッチングしていないルータR
1,2,6,7,8,9が、BGPスピーカー(Spe
aker)であり、ルータR1−R2、R2−R3、R
2−R6、R2−R7、R3−R6、R3−R7、R6
−R8、R7−R9がそれぞれBGPで話している。
【0124】以下、BGPの情報を使ったラベルスイッ
チパス設定方法について説明する。
【0125】ここでは、ルータR3が入口ルータとなる
場合を考える。
【0126】入口ルータR3には、出口ルータとして、
図14(a)に示すように、BGPで話している相手ル
ータのルータR5とルータR7を登録するものとする
(この場合、ルータR5はBGPの話をできないNon
BGP Speakerであるので、出口ルータに設
定できない)。
【0127】ルータR3は、ルータR6とルータR7と
BGPで話しているので、出口ルータがルータR6およ
びルータR7であることがわかる。そこで、ルータR3
は、ルータR6へのラベルスイッチパスと、ルータR7
へのラベルスイッチパスを設定するように制御するが、
図13の構成例ではMPLSドメインがルータR5まで
であるので、ルータR3からルータR5へのラベルスイ
ッチパスが2つ設定される結果となる。1つのラベルス
イッチパス(#8)がルータR6宛のもので、もう1つ
のラベルスイッチパス(#9)がルータR7宛のもので
ある。
【0128】ルータR6を通過するネットワークは、こ
の例では、ルータR8なので、ルータR6宛のラベルス
イッチパス(#8)ではルータR8宛のパケットを転送
するように入口ルータR3の経路表に設定される。ルー
タR7宛のラベルスイッチパス(#9)には、ルータR
9宛のパケットが転送されるようにルータR3の経路表
に設定される。
【0129】この例における設定後の最終的な経路表と
ネットワークリストの内容を、それぞれ図14(b),
(c)に示す。
【0130】ところで、上の例では、ルータR3からル
ータR5へのラベルスイッチパスが2つ設定されたが、
例えば、実際のラベルスイッチパスの終点となったルー
タ(R5)が、そのルータから下流へはラベルスイッチ
パスを延長できなかった旨のメッセージを入口ルータ
(R3)に通知し、入口ルータ(R3)は、下流の同じ
ルータから上記メッセージを異なるラベルスイッチパス
/出口ルータについて2以上受信した場合に、自ルータ
からその通知をしたルータへのラベルスイッチパスが2
つ設定されたことを認識して、自ルータからそのルータ
へのラベルスイッチパスが1つになるように、ラベルス
イッチパスの削除やネットワークリスト/経路表の変更
を行うようにしてもよい。
【0131】(第3の実施形態)第1の実施形態はOS
PFを用い、第2の実施形態はBGPを用いたが、第3
の実施形態では、OSPFとBGPの両方が動作してい
るネットワークにおけるラベルスイッチパスの設定方法
について説明する。
【0132】本実施形態の入口ルータにおいては、基本
的には、OSPF対応部分とBGP対応部分が独立して
動作する。すなわち、基本的には、第1の実施形態の入
口ルータの機能と第2の実施形態の入口ルータの機能と
を持つことになり、入口ルータの構成としては、基本的
には、図5の構成例と同様でもよい。ただし、経路制御
部12は、OSPF対応部分とBGP対応部分を持つこ
とになる。また、アグリゲート制御部13は、OSPF
によるラベルスイッチパスの設定・削除と、BGPによ
るラベルスイッチパスの設定・削除とを、独立して制御
することになる。また、図16(a),(c)に例示す
るように、出口ルータリストとネットワークロストは、
OSPFとBGPに区別できるような形にする。
【0133】ただし、ある宛先についてOSPFにより
設定されたラベルスイッチパスとBGPにより設定され
たラベルスイッチパスとの2種類のものが存在し得る
が、経路表では、図16(b)に例示するように、ある
宛先に対するラベルスイッチパスを唯一に特定しておく
必要がある。このため、例えば、ある宛先についてOS
PFにより設定されたラベルスイッチパスとBGPによ
り設定されたラベルスイッチパスとの2種類のものが存
在する場合には、BGPによるラベルスイッチパスを優
先させる、などの何らかの選択基準を予め設ける。この
選択処理は、例えば、アグリゲート制御部13の指示の
下で経路制御部12にて行う。
【0134】本実施形態では、OSPF対応の処理とB
GP対応の処理を独立して行うので、入口ルータの設定
手順や入口ルータの削除手順は、基本的には、OSPF
部分については第1の実施形態、BGPについては第2
の実施形態と同様であり、上記のように経路表の処理が
若干相違するものである。
【0135】以下、本実施形態におけるラベルスイッチ
パス設定について説明する。
【0136】図1に、OSPFとBGPの両方が動作し
ているネットワークの構成例を示す。
【0137】図1に示されるように、このネットワーク
では、AS(点線s6の範囲)とMPLSドメイン(一
点鎖線d6の範囲)が一致しており、その中に、2つに
分割されたOSPFエリアa6−1,a6−2が存在す
る。ルータR1からルータR6がこの同一ASかつ同一
MPLSドメインに属しており、ルータR1からルータ
R3までが同一OSPFエリアa6−1に属しており、
ルータR3からルータR6までが同一OSPFエリアa
6−2に属している。
【0138】また、ルータR5の当該MPLSドメイン
の外側にはネットワーク(Network) Aとネッ
トワーク(Network) Bが接続されている。ま
た、ルータR6に、別のASに属しているルータR7が
接続されている。
【0139】また、ハッチングしていないルータR1,
6,7が、BGPスピーカー(Speaker)であ
り、ルータR1とルータR6がIBGP(Intern
alBGP)で話をしており、ルータR6とルータR7
がEBGP(External BGP)でBGPを話
している。
【0140】OSPFを用いたラベルスイッチパスは、
OSPFのエリア内のみのラベルスイッチパスを作るの
で、ルータR1とルータR3、ルータR3とルータR
5、ルータR5とルータR6、ルータR6とルータR3
にラベルスイッチパスが作られる。
【0141】BGPによるラベルスイッチパスは、ルー
タR1とルータR6の間に設定される。
【0142】これらのラベルスイッチパスで転送される
ネットワークの設定方法は、第1の実施形態、第2の実
施形態と同様である。
【0143】ここで、入口ルータR1に着目してみる。
【0144】入口ルータR1に対して、OSPFに関す
る出口ルータとしては、図16(a)に示すように、ル
ータR3を登録する。この場合、第1の実施形態のよう
な処理の結果、ラベルスイッチパス(#10)が設定さ
れ、OSPFに関して図16(c)に示すようなネット
ワークリストとなる。
【0145】また、入口ルータR1に対して、BGPに
関する出口ルータとしては、図16(a)に示すよう
に、BGPで話している相手ルータのルータR6を登録
する。この場合、第2の実施形態のような処理の結果、
ラベルスイッチパス(#11)が設定され、BGPに関
して図16(c)に示すようなネットワークリストとな
る。
【0146】ここで、宛先として、ルータR6,R7に
ついては、ラベルスイッチパス(#10)とラベルスイ
ッチパス(#11)のいずれも採用しうるが、ここでは
BGPによるラベルスイッチパス(#11)を優先させ
るものとすると、結局、入口ルータR1の経路表は、図
16(b)に示すようになる。
【0147】なお、第1〜3の実施形態では、経路制御
プロトコルとしてOSPFおよび/またはBGPを例に
とって説明してきたが、本発明は、OSPFやBGPだ
けでなく、他の経路制御プロトコルによるものにも適用
可能である。また、OSPFとBGPとが併用される第
3の実施形態のように、OSPFやBGPと他の経路制
御プロトコルとの併用、他の経路制御プロトコル同士の
併用、3以上の経路制御プロトコルの併用によるものに
も、本発明は適用可能である。
【0148】また、本実施形態では、ラベルスイッチ技
術手法としてMPLSを用いたが、本発明は、他のラベ
ルスイッチ技術手法によるものにも適用可能である。
【0149】なお、以上の各機能は、ソフトウェアとし
ても実現可能である。
【0150】また、本実施形態は、コンピュータに所定
の手段を実行させるための(あるいはコンピュータを所
定の手段として機能させるための、あるいはコンピュー
タに所定の機能を実現させるための)プログラムを記録
したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても実施す
ることもできる。
【0151】本発明は、上述した実施の形態に限定され
るものではなく、その技術的範囲において種々変形して
実施することができる。
【0152】
【発明の効果】本発明によれば、ラベルスイッチパスの
設定数を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るルータ装置を含むネ
ットワークの第1の構成例を示す図
【図2】出口ルータリスト、経路表及びネットワークリ
ストの構成例並びにそれらの内容の具体例を示す図
【図3】入口ルータとなるルータ装置の設定手順の一例
を示すフローチャート
【図4】入口ルータとなるルータ装置の削除手順の一例
を示すフローチャート
【図5】同実施形態に係るルータ装置の構成例を示す図
【図6】同実施形態に係るルータ装置を含むネットワー
クの第2の構成例を示す図
【図7】出口ルータリスト、経路表及びネットワークリ
ストの構成例並びにそれらの内容の具体例を示す図
【図8】同実施形態に係るルータ装置を含むネットワー
クの第3の構成例を示す図
【図9】出口ルータリスト、経路表及びネットワークリ
ストの構成例並びにそれらの内容の具体例を示す図
【図10】出口ルータリスト、経路表及びネットワーク
リストの構成例並びにそれらの内容の具体例を示す図
【図11】同実施形態に係るルータ装置を含むネットワ
ークの第4の構成例を示す図
【図12】出口ルータリスト、経路表及びネットワーク
リストの構成例並びにそれらの内容の具体例を示す図
【図13】同実施形態に係るルータ装置を含むネットワ
ークの第5の構成例を示す図
【図14】出口ルータリスト、経路表及びネットワーク
リストの構成例並びにそれらの内容の具体例を示す図
【図15】同実施形態に係るルータ装置を含むネットワ
ークの第6の構成例を示す図
【図16】出口ルータリスト、経路表及びネットワーク
リストの構成例並びにそれらの内容の具体例を示す図
【符号の説明】
10…LDP制御部 11…経路表 12…経路制御部 13…アグリゲート制御部 14…出口ルータリスト 15…パケット転送処理部 R1〜R7…ルータ Netwaok A〜D…ネットワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5K030 HA08 HB11 HD03 JA07 KA05 LB05 MB16 MD09 5K033 CB08 CC01 DA05 DB12 DB16 DB18

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自装置が入口ルータとなってラベルスイッ
    チパスを設定する際に出口ルータの目標とすべきルータ
    装置の識別情報を記憶するための第1の記憶手段と、 前記第1の記憶手段に記憶されたルータ装置までラベル
    スイッチパスを設定すべく制御を行う制御手段と、 前記制御手段の制御に基づいて設定されたラベルスイッ
    チパスの識別情報と前記第1の記憶手段に記憶されたル
    ータ装置を経由するパケットの持つべきアドレス情報と
    を対応付けて記憶するための第2の記憶手段とを具備し
    たことを特徴とするルータ装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段の制御により設定されたラベ
    ルスイッチパスの識別情報と該ラベルスイッチパスを設
    定するもととなった前記第1の記憶手段に記憶されたル
    ータ装置のアドレス情報とを、前記第2の記憶手段に登
    録する第1の登録手段と、 前記制御手段の制御により設定されたラベルスイッチパ
    スを設定するもととなった前記第1の記憶手段に記憶さ
    れたルータ装置を経由してパケット転送する1または複
    数のネットワークのアドレス情報と該ラベルスイッチパ
    スの識別情報とを、前記第2の記憶手段に登録する第2
    の登録手段とを更に具備したことを特徴とするルータ装
    置。
  3. 【請求項3】前記第1の登録手段は、前記制御手段によ
    り前記ラベルスイッチパスが設定された際に前記登録を
    行い、 前記第2の登録手段は、他のルータ装置との間で転送さ
    れる所定の経路制御プロトコルの情報に基づいて前記第
    1の記憶手段に記憶されたルータ装置の下流側に接続す
    るネットワークが存在することもしくは追加されたこと
    を認識した場合に、前記登録を行うことを特徴とする請
    求項2に記載のルータ装置。
  4. 【請求項4】前記制御手段は、他のルータ装置との間で
    転送される所定の経路制御プロトコルの情報に基づいて
    前記第1の記憶手段に記憶されたルータ装置が存在する
    こともしくは追加されたことを認識したことを契機とし
    て、前記制御を開始することを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれか1項に記載のルータ装置。
  5. 【請求項5】前記第1の記憶手段に記憶させる前記ルー
    タ装置を、同一の経路制御プロトコルが動作する範囲の
    境界部分に位置するルータ装置とすることを特徴とする
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載のルータ装置。
  6. 【請求項6】前記第1の記憶手段に記憶させる前記ルー
    タ装置を、ラベルスイッチパスを延長可能な範囲の境界
    部分に位置するルータ装置とすることを特徴とする請求
    項1ないし4のいずれか1項に記載のルータ装置。
  7. 【請求項7】前記第1の記憶手段に記憶させる前記ルー
    タ装置を、同一の経路制御プロトコルが動作する範囲と
    ラベルスイッチパスを延長可能な範囲とが重なり合う範
    囲における境界部分に位置するルータ装置とすることを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のル
    ータ装置。
  8. 【請求項8】他のルータ装置との間で転送される所定の
    経路制御プロトコルの情報に基づいて、前記第1の記憶
    手段に記憶されたルータ装置が削除されたことを認識し
    た場合、該ルータ装置に対応するラベルスイッチパスを
    削除する制御を行うとともに該ラベルスイッチパスの識
    別情報に関して前記第2の記憶手段の内容を更新し、前
    記第1の記憶手段に記憶されたルータ装置の下流に接続
    されたネットワークが削除されたことを認識した場合、
    該ネットワークのアドレス情報に関して前記第2の記憶
    手段の内容を更新することを特徴とする請求項1ないし
    7のいずれか1項に記載のルータ装置。
  9. 【請求項9】前記制御手段の制御により複数のラベルス
    イッチパスが設定されたことによって、あるアドレス情
    報を持つパケットについてこれを2以上のラベルスイッ
    チパスのいずれによっても転送し得る状況に至った場合
    には、該アドレス情報を持つパケットの転送に使用する
    ラベルスイッチパスを所定の基準に従って1つだけ選択
    して、前記第2の記憶手段に、該選択したラベルスイッ
    チパスの識別情報と該アドレス情報とを対応付けて記憶
    させることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1
    項に記載のルータ装置。
  10. 【請求項10】自ルータ装置が入口ルータとなってラベ
    ルスイッチパスを設定する際に出口ルータの目標とすべ
    き他のルータ装置の識別情報を出口ルータリストに記憶
    し、 自ルータ装置から前記出口ルータリストに記憶された他
    のルータ装置までラベルスイッチパスを設定すべく制御
    を行い、 設定されたラベルスイッチパスの識別情報と前記他のル
    ータ装置を経由するパケットの持つべきアドレス情報と
    を対応付けて経路表に記憶することを特徴とするラベル
    スイッチパス制御方法。
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