JP2000138541A - 熱線センサの増幅回路 - Google Patents

熱線センサの増幅回路

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JP2000138541A
JP2000138541A JP10312474A JP31247498A JP2000138541A JP 2000138541 A JP2000138541 A JP 2000138541A JP 10312474 A JP10312474 A JP 10312474A JP 31247498 A JP31247498 A JP 31247498A JP 2000138541 A JP2000138541 A JP 2000138541A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の熱線検知部からの出力を所定の周期でサ
イクリックに切り換えて、1系統の増幅回路で増幅する
熱線センサの増幅回路において、各熱線検知部の出力が
互いに干渉することを回避する。 【解決手段】P1,P2は熱線検知部であり、スイッチ2
1,22はサイクリックに切り換えられる。オペアンプ1
2とオペアンプ13の間にはコンデンサとスイッチの直
列回路が熱線検知部の数だけ並列に設けられる。スイッ
チ201,202はそれぞれスイッチ21,22と同期して
開閉される。熱線検知部P1 からの出力を増幅する場合
にはコンデンサC30が用いられ、熱線検知部P2 からの
出力を増幅する場合にはコンデンサC31が用いられるの
で、熱線検知部P1 ,P2 の出力が互いに干渉するとい
う事態を回避することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱線センサの信号処理
回路に係り、特に複数の熱線検知部を有する熱線センサ
に用いて好適な信号処理回路に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、先に特願平7−27117
5号(特開平9−115064号)において、複数の熱
線検知部を用いた熱線センサに用いて好適な信号処理回
路を提案した。その概略を説明すると次のようである。
【0003】図2は上記の特願平7−271175号で
提案した信号処理回路を3個の熱線検知部を用いた熱線
センサに適用した場合の構成例を示す図であり、11
2,13 は熱線検知部、21 ,22 ,23 はスイッ
チ、3は信号増幅部、4は制御部を示す。
【0004】3個の熱線検知部11 ,12 ,13 は、そ
れぞれ熱線検知素子としての焦電素子とFETなどの増
幅器を備えている。熱線検知素子としては一つの焦電素
であってもよく、あるいは図3に示すようにプラスの極
性とマイナスの極性の二つの焦電素子が直列に接続され
た、いわゆるツイン型の素子であってもよい。
【0005】スイッチ21 ,22 ,23 の一方は、それ
ぞれ熱線検知部11 ,12 ,13 に接続されており、他
方は信号増幅部3に接続されている。このスイッチ2
1 ,2 2 ,23 は実際にはトランジスタ等を用いた電子
的なスイッチで構成されるが、図2では便宜的に機械的
なスイッチの記号を用いている。
【0006】信号増幅部3は、図4に示すように、フィ
ルタ5、及び二つの増幅回路6、7で構成されている。
フィルタ5はコンデンサと抵抗で構成される、いわゆる
CR型の帯域通過型フィルタ(バンド・パス・フィル
タ)であり、各C,Rの値は、例えば図5に示すように
0.3Hz〜 2Hz程度の周波数成分を通過するように設
定されている。この周波数領域は人間が通常の速度で移
動した場合に熱線検知部11 ,12 ,13 から出力され
る信号の周波数領域である。
【0007】増幅回路6、7は共に演算増幅器で構成さ
れるのが通常であるが、このように増幅回路を2段用い
るのは、熱線検知部11 ,12 ,13 からの出力信号が
非常に小さなものであり、それを安定的に、S/Nよく
10000倍程度に増幅する必要があるからである。
【0008】制御部4は、信号増幅部3の出力信号を取
り込んで、取り込んだ信号が所定の閾値以上である場合
には人間が侵入したと判断して、侵入者があったことを
示すアラーム信号を出力する処理を行うと共に、制御信
号によってスイッチ11 ,1 2 ,13 の開閉の制御を行
う。
【0009】さて、図2に示す構成において、制御部4
は、図6(a)、(b)、(c)に示す制御信号によっ
て、スイッチ11 ,12 ,13 を所定の周期でサイクリ
ックにオン/オフして切り換える。図6(a)はスイッ
チ11 に対する制御信号を示し、図6(b)はスイッチ
2 に対する制御信号を示し、図6(c)はスイッチ1
3 に対する制御信号を示している。なお、図6(a)、
(b)、(c)において横軸は時間であり、制御信号が
ハイレベルのときにスイッチは閉じ、閉じている期間に
当該スイッチに接続されている熱線検知部の出力信号が
当該スイッチを介して信号増幅部3に入力される。
【0010】ここで、各スイッチ11 ,12 ,13 が閉
じている期間tC は 5〜10msec程度でよい。また、オン
/オフの周期tS は接続される熱線検知部の数によって
変わるのは当然であるが、最大でも1sec程度にとどめる
のがよい。
【0011】このような動作によれば、熱線検知部1
1 ,12 ,13 の出力信号が順次スイッチ21 ,22
3 を介して信号増幅部3に入力され、制御部4におい
て閾値と比較される。そして、制御部4は入力された信
号が閾値以上である場合にはアラーム信号を出力する処
理を行う。
【0012】以上のようであるので、この熱線センサの
信号処理回路によれば、複数の熱線検知部からの出力を
サイクリックに切り換えて1系統の増幅回路で増幅する
ので、熱線検知部1が増加された場合でも信号増幅部3
を増加する必要はなく、スイッチ2を増加すればよいの
で、回路規模の増大を最小限にとどめることができる。
【0013】また、この熱線センサの信号処理回路によ
れば、各熱線検知部の出力信号は定期的にサンプリング
されるので、例えば外来ノイズが混入した場合にも当該
外来ノイズがサンプリングされて信号増幅部3に入力さ
れる可能性は低いので、外来ノイズによる悪影響は殆ど
無視することができ、耐ノイズ性が向上する。
【0014】以上、本出願人が特願平7−271175
号で提案した熱線センサの信号処理回路について説明し
たが、本出願人は、更に、特願平8−237589号
(特開平10−83488号)において、熱線センサの
熱線検知部からの出力信号を増幅するための増幅回路を
提案した。その概略を説明すると次のようである。
【0015】図7は上記の特願平8−237589号で
提案した増幅回路の構成例を示す図であり、図中、Pは
熱線検知部、10は熱線検知素子である焦電素子、11
はFET、12、13、14は何れも片電源のオペアン
プである。
【0016】焦電素子10は、典型的にはいわゆるツイ
ン素子であるが、その他の構成であってよい。焦電素子
10の出力信号はFET11によって増幅され、負荷抵
抗R 1 の両端に出力される。この出力信号には負荷抵抗
1 によってバイアス電圧V B1が付加されている。この
バイアス電圧VB1は通常 0.6V〜 1.2V程度である。
【0017】オペアンプ14、抵抗R15,R16はバイア
ス電圧発生回路を構成している。このバイアス電圧発生
回路で発生されるバイアス電圧VBOは、オペアンプ12
及びオペアンプ13の出力電圧範囲の中心電圧に設定さ
れる。
【0018】さて、FET11の出力信号は、コンデン
サC11と抵抗R11で構成されるHPFを介して初段増幅
器であるオペアンプ12の非反転入力端子に入力され
る。このコンデンサC11と抵抗R11で構成されるHPF
は帯域特性の低域側遮断周波数fCLを定めるものであ
り、この低域側遮断周波数fCLは時定数R11×C11で決
定される。従って、FET11の出力信号の直流分はコ
ンデンサC11によってカットされることになるが、抵抗
11の他端にはバイアス電圧発生回路からのバイアス電
圧VBOが印加されているので、初段増幅器を構成するオ
ペアンプ12の非反転入力端子に入力される信号は、こ
のバイアス電圧VBOを中心として増幅されることにな
る。
【0019】オペアンプ12の増幅率はR12/R17で決
定される。また、抵抗R12とC12は帯域特性の高域側遮
断周波数fCHを定めるためのフィルタを構成しており、
その高域側遮断周波数fCHは時定数R12×C12で決定さ
れる。
【0020】以上のようであるので、オペアンプ12の
初段増幅器ではバイアス電圧VBOを中心としてR12/R
17倍に増幅され、その帯域特性はfCL〜fCHに制限され
ることになる。
【0021】オペアンプ12の出力信号は、コンデンサ
13と抵抗R13で構成されるHPFを介して第2段増幅
器を構成するオペアンプ13の非反転入力端子に入力さ
れる。このコンデンサC13と抵抗R13で構成されるHP
Fは帯域特性の低域側遮断周波数を定めるものであり、
この低域側遮断周波数は時定数R13×C13で決定される
が、R11×C11=R13×C13となされる。
【0022】従って、オペアンプ12の出力信号の直流
分はコンデンサC13によってカットされることになる
が、抵抗R13の他端にはバイアス電圧発生回路からのバ
イアス電圧VBOが印加されているので、第2段増幅器を
構成するオペアンプ13の非反転入力端子に入力される
信号は、このバイアス電圧VBOを中心として増幅され
る。オペアンプ13の増幅率はR14/R18で決定され
る。また、抵抗R14とC14は帯域特性の高域側遮断周波
数を定めるためのフィルタを構成しており、その高域側
遮断周波数は時定数R14×C14で決定されるが、R12×
12=R14×C14となされる。
【0023】以上のようであるので、第2段増幅器では
バイアス電圧VBOを中心としてR14/R18倍に増幅さ
れ、その帯域特性はfCL〜fCHに制限されることにな
る。そして、オペアンプ13の出力信号VOUT はA/D
変換されたり、そのままコンパレータに入力されたりし
て侵入者検知の処理に用いられる。
【0024】以上のことから、図7に示す増幅回路は、
帯域特性の低域側の遮断周波数を定める高域通過フィル
タと、この高域通過フィルタの出力信号を増幅すると共
に帯域特性の高域側の遮断周波数を定める低域通過フィ
ルタ機能を有する増幅器とからなる回路を組として、そ
の組を2段に直列接続し、且つ各組の高域通過フィルタ
及び全ての増幅器に対してバイアス電圧発生回路から所
定のバイアス電圧を与えている構成ということができ
る。
【0025】従って、帯域特性の低域側の遮断周波数を
略 0.3Hz、帯域特性の高域側の遮断周波数を略 2Hz
とすることによって、図5に示すような帯域特性を有す
る増幅回路を構成することができる。
【0026】図7に示す構成によれば、次のような効果
が奏される。まず、熱線センサの小型化に寄与すること
ができる。即ち、従来においては帯域特性の低域側遮断
周波数を定めるコンデンサには容量の大きな電解コンデ
ンサを用いる必要があったので回路規模が大きくなり、
ひいては熱線センサが大型化していたのであるが、帯域
特性の低域側遮断周波数を従来と同様の 0.3Hz程度と
した場合、図7に示す構成では、R11= 100kΩ程度と
すると、C11= 3μF程度となり、コンデンサC11の容
量を小さくすることができるので、結果として熱線セン
サの小型化に寄与できるのである。このことは、第2段
増幅器の帯域特性の低域側遮断周波数を定めるコンデン
サC13についても同じである。
【0027】また、図7に示す構成においては、コンデ
ンサC11と抵抗R11からなるHPFはオペアンプ12の
増幅率には関係しないので、コンデンサC11の容量及び
抵抗R11の抵抗値は帯域特性の低域側遮断周波数のみを
考慮して定めることができ、それぞれの値を設定する場
合の自由度がある。コンデンサC13と抵抗R13からなる
HPFについても同様である。
【0028】更に、図7の回路では従来に比較してウォ
ームアップ時間を短縮することができる。このことにつ
いて説明すると次のようである。
【0029】図7の回路において電源を投入すると、オ
ペアンプ12の反転入力端子及び非反転出力端子、オペ
アンプ13の反転入力端子及び非反転入力端子にはそれ
ぞれバイアス電圧発生回路からバイアス電圧VBOが印加
されるので、オペアンプ12、13は電源投入後即座に
動作可能となるが、電源投入直後にはコンデンサC11
充電されていないので信号は伝達されない。つまり、図
7の回路構成では電源が投入されてから、コンデンサC
11が所定の値に充電されるまでの時間がウォームアップ
時間ということになる。
【0030】ところで、従来においては、上述したよう
に増幅回路中に電解コンデンサが用いられており、電源
投入後この電解コンデンサが充電されるまでの時間がウ
ォームアップ時間となるが、電解コンデンサを充電する
のには時間が掛かるものであるが、図7の回路では、コ
ンデンサC11の充電電流は、バイアス電圧発生回路から
抵抗R11を介してコンデンサC11に流入することになる
が、上述したようにコンデンサC11の容量は小さく、し
かも抵抗R11の抵抗値は大きくても数 100kΩのオーダ
ーであるからウォームアップ時間は短くて済むものであ
る。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】以上のようであるの
で、図2に示す構成の中の信号増幅部3として、図7の
Aで示す一点鎖線で囲んだ増幅回路を用いれば、回路規
模が小さく、耐ノイズ性及びS/Nが良好で、しかもウ
ォームアップ時間が短い熱線センサの増幅回路を構成で
きる可能性があることが分かる。その場合の一構成例を
図8に示す。図8は、図7においてAで示す増幅回路を
2個の熱線検知部P1 ,P2 を用いた場合に適用したと
きの構成例を示す図であり、熱線検知部P1 ,P2 は共
に図7のPで示す構成を有している。コンデンサC20
21は共に図7のコンデンサC11に相当するものであ
る。また、図8において、図7に示すものと同じものに
ついては同一の符号を付す。
【0032】図8に示す構成では、図示しない制御部4
によってスイッチ21 ,22 が所定の周期で交互にオン
/オフされる。そして、スイッチ21 がオンとなって閉
じている場合には、コンデンサC20と抵抗R11とは帯域
特性の低域側遮断周波数fCLを定めるHPFを構成し、
スイッチ22 がオンとなって閉じている場合には、コン
デンサC21と抵抗R11とは帯域特性の低域側遮断周波数
CLを定めるHPFを構成する。従って、通常はC20
21となされる。その他の動作は図7において説明した
と同じである。
【0033】さて、図8において、いま制御部4からの
制御信号によってスイッチ21 が閉じられ、スイッチ2
2 は開かれているとし、このとき熱線検知部P1 の視野
内で人の移動があったとすると、熱線検知部P1 からは
ある電圧が出力され、増幅回路Aによって増幅され、制
御部4に入力されることになるが、この際コンデンサC
13にはオペアンプ12の出力電圧に応じた電荷が充電さ
れる。
【0034】この状態から次に制御部4からの制御信号
によってスイッチ21 は開かれ、スイッチ22 が閉じら
れるのであるが、このときにコンデンサC13に充電され
ていた電荷が完全に放電せず、ある程度の電荷が残って
いることがあることが確認された。そして、このように
スイッチ22 が閉じられているときに、スイッチ21
閉じられていたときの電荷がコンデンサC13に残ってい
る場合には、たとえ熱線検知部P2 の視野内で人の移動
がなかったとしても、コンデンサC13に残っている電荷
に応じた電圧がオペアンプ13によって増幅され、その
出力電圧VOUTが制御部4に設定されている閾値以上と
なり、アラーム信号が出力されてしまう場合があること
が確認された。つまり、この場合には熱線検知部P2
視野内では人の移動がないのにも拘わらず、人の移動が
ある、即ち侵入者があると判断されてしまう場合がある
のである。
【0035】このような現象は、スイッチ21 が開か
れ、スイッチ22 が閉じられているときに熱線検知部P
2 の視野内で人の移動があり、次にスイッチ21 が閉じ
られ、スイッチ22 が開かれたときに熱線検知部P2
視野内では人の移動がなかった場合にも同様に生じる。
【0036】以上のように、図8に示す構成では、コン
デンサC13に充電された電荷によって、熱線検知部P1
の出力が熱線検知部P2 の出力に影響を与え、また逆に
熱線検知部P2 の出力が熱線検知部P1 の出力に影響を
与える場合があるのである。これは、コンデンサC13
充電された電荷によって、各熱線検知部P1 ,P2 の出
力が互いに干渉してしまうということができる。このよ
うに各熱線検知部の出力が互いに干渉することが望まし
いものではないことは当然である。
【0037】そこで、本発明は、複数の熱線検知部から
の出力を所定の周期でサイクリックに切り換えて、1系
統の増幅回路で増幅する熱線センサの増幅回路におい
て、各熱線検知部の出力が互いに干渉することのない熱
線センサの増幅回路を提供することを目的とするもので
ある。
【0038】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の熱線センサの増幅回路は、複数の熱線検
知部からの出力をサイクリックに切り換えて1系統の増
幅回路で増幅する熱線センサの増幅回路であって、該増
幅回路は初段増幅器と第2段増幅器の2段の増幅回路を
備え、初段増幅器と第2段増幅器の間には、第2段増幅
器の帯域特性の低域側遮断周波数を定めるコンデンサ
と、熱線検知部からの出力がサイクリックに切り換えら
れるのと同期して切り換えられるスイッチとで構成され
る直列回路が熱線検知部の数だけ並列に設けられてな
り、且つ初段増幅器及び第2段増幅器に対して所定のバ
イアス電圧を与えるバイアス電圧発生回路とを備えるこ
とを特徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ発明の実
施の形態について説明する。図1は本発明に係る熱線セ
ンサの増幅回路の一実施形態を示す図であり、2個の熱
線検知部P1 ,P2 を用いた場合に適用したときの構成
例である。図1において、A′は本発明に係る増幅回路
であり、図2の信号増幅部3に相当するものである。ま
た、201 ,202 はスイッチ、C30,C31はコンデン
サを示す。なお、図1において図8に示すものと同じも
のについては同一の符号を付す。オペアンプ13の出力
は、図2に示すと同様に制御部4に入力される。
【0040】図1に示す構成では、図示しない制御部4
によってスイッチ21 ,22 が所定の周期で交互にオン
/オフされる。そして、スイッチ21 がオンとなって閉
じている場合には、コンデンサC20と抵抗R11とは帯域
特性の低域側遮断周波数fCLを定めるHPFを構成し、
スイッチ22 がオンとなって閉じている場合には、コン
デンサC21と抵抗R11とは帯域特性の低域側遮断周波数
CLを定めるHPFを構成する。従って、通常はC20
21となされる。
【0041】また、オペアンプ12の出力端子と、オペ
アンプ13の非反転入力端子との間にはコンデンサとス
イッチの直列回路が設けられる。このコンデンサとスイ
ッチの直列回路は、熱線検知部の数だけ並列に設けられ
る。図1では熱線検知部はP 1 ,P2 の2個であるの
で、コンデンサC30とスイッチ201 の直列回路と、コ
ンデンサC31とスイッチ202 の直列回路の2つの直列
回路が並列に設けられている。そして、スイッチ20
1 ,202 とスイッチ21 ,22 は一対一に対応付けら
れており、対応付けられたスイッチは制御部4により同
期して開閉される。ここでは、スイッチ201 はスイッ
チ21 と対応付けられて同期して開閉され、スイッチ2
2 はスイッチ22 と対応付けられて同期して開閉され
るものとする。従って、スイッチ201 ,202 はそれ
ぞれスイッチ21 ,22 と同期して所定の周期でサイク
リックに開閉される。
【0042】図1の増幅回路A′と、図7の増幅回路A
とを比較すれば容易に理解できるように、図1のコンデ
ンサC30とコンデンサC31は、図7のコンデンサC13
相当するものである。従って、スイッチ201 が閉じら
れているときにはコンデンサC30と抵抗R13はHPFを
構成し、このHPFの時定数R13×C30によって帯域特
性の低域側遮断周波数が定められることになり、同様
に、スイッチ202 が閉じられているときにはコンデン
サC31と抵抗R13はHPFを構成し、このHPFの時定
数R13×C31によって帯域特性の低域側遮断周波数が定
められることになるので、通常はC30=C31となされ
る。
【0043】動作は次のようである。制御部4からの制
御信号によりスイッチ21 が閉じられるときにはスイッ
チ201 も同時に閉じられる。このとき、熱線検知部P
1 からの出力はコンデンサC 20と抵抗R11で構成される
HPFを介して初段増幅器であるオペアンプ12の非反
転入力端子に入力される。このコンデンサC20と抵抗R
11とで構成されるHPFは図8において説明したように
帯域特性の低域側遮断周波数fCLを定めているものであ
る。
【0044】このように熱線検知部P1 の出力の直流分
はコンデンサC20によってカットされることになるが、
抵抗R11の他端にはバイアス電圧発生回路からのバイア
ス電圧VBOが印加されているので、初段増幅器を構成す
るオペアンプ12の非反転入力端子に入力される信号
は、このバイアス電圧VBOを中心として増幅される。
【0045】オペアンプ12の増幅率はR12/R17で決
定される。また、抵抗R12とC12は帯域特性の高域側遮
断周波数fCHを定めるためのフィルタを構成しており、
その高域側遮断周波数fCHは時定数R12×C12で決定さ
れる。以上のように、オペアンプ12の初段増幅器では
バイアス電圧VBOを中心としてR12/R17倍に増幅さ
れ、その帯域特性はfCL〜fCHに制限される。
【0046】オペアンプ12の出力信号は、コンデンサ
30と抵抗R13で構成されるHPFを介して第2段増幅
器を構成するオペアンプ13の非反転入力端子に入力さ
れる。上述したように、このコンデンサC30と抵抗R13
で構成されるHPFは帯域特性の低域側遮断周波数fCL
を定めるものであり、この低域側遮断周波数fCLは時定
数R13×C30で決定される。そして、R11×C20=R13
×C30となされる。
【0047】このようにオペアンプ12の出力信号の直
流分はコンデンサC30によってカットされることになる
が、抵抗R13の他端にはバイアス電圧発生回路からのバ
イアス電圧VBOが印加されているので、第2段増幅器を
構成するオペアンプ13の非反転入力端子に入力される
信号は、このバイアス電圧VBOを中心として増幅され
る。オペアンプ13の増幅率はR14/R18で決定され
る。また、抵抗R14とC14は帯域特性の高域側遮断周波
数fCHを定めるためのフィルタを構成しており、その高
域側遮断周波数fCHは時定数R14×C14で決定される
が、R12×C12=R14×C14となされる。
【0048】以上のようであるので、第2段増幅器では
バイアス電圧VBOを中心としてR14/R18倍に増幅さ
れ、その帯域特性はfCL〜fCHに制限されることにな
る。そして、オペアンプ13の出力信号VOUT は制御部
4に入力される。従って、帯域特性の低域側の遮断周波
数を略 0.3Hz、帯域特性の高域側の遮断周波数を略 2
Hzとすることによって、図5に示すような帯域特性を
有する増幅回路を構成することができる。
【0049】次に、制御部4からの制御信号によりスイ
ッチ22 が閉じられるときにはスイッチ202 も同時に
閉じられる。このとき、熱線検知部P2 からの出力はコ
ンデンサC21と抵抗R11で構成されるHPFを介して初
段増幅器であるオペアンプ12の非反転入力端子に入力
される。このコンデンサC21と抵抗R11とで構成される
HPFは図8において説明したように帯域特性の低域側
遮断周波数fCLを定めているものである。
【0050】このように熱線検知部P2 の出力の直流分
はコンデンサC21によってカットされることになるが、
抵抗R11の他端にはバイアス電圧発生回路からのバイア
ス電圧VBOが印加されているので、初段増幅器を構成す
るオペアンプ12の非反転入力端子に入力される信号
は、このバイアス電圧VBOを中心として増幅される。従
って、上述したように、オペアンプ12の初段増幅器で
はバイアス電圧VBOを中心としてR12/R17倍に増幅さ
れ、その帯域特性はfCL〜fCHに制限される。
【0051】オペアンプ12の出力信号は、コンデンサ
31と抵抗R13で構成されるHPFを介して第2段増幅
器を構成するオペアンプ13の非反転入力端子に入力さ
れる。上述したように、このコンデンサC31と抵抗R13
で構成されるHPFは帯域特性の低域側遮断周波数fCL
を定めるものであり、この低域側遮断周波数fCLは時定
数R13×C31で決定される。そして、R11×C21=R13
×C31となされる。
【0052】このようにオペアンプ12の出力信号の直
流分はコンデンサC31によってカットされることになる
が、抵抗R13の他端にはバイアス電圧発生回路からのバ
イアス電圧VBOが印加されているので、第2段増幅器を
構成するオペアンプ13の非反転入力端子に入力される
信号は、このバイアス電圧VBOを中心として増幅され
る。従って、第2段増幅器ではバイアス電圧VBOを中心
としてR14/R18倍に増幅され、その帯域特性はfCL
CHに制限される。そして、オペアンプ13の出力信号
OUT は制御部4に入力される。
【0053】従って、帯域特性の低域側の遮断周波数を
略 0.3Hz、帯域特性の高域側の遮断周波数を略 2Hz
とすることによって、図5に示すような帯域特性を有す
る増幅回路を構成することができる。
【0054】以上のように、図1に示す構成によれば、
熱線検知部P1 からの出力を増幅する場合にはコンデン
サC30が用いられ、コンデンサC31は用いられないの
で、スイッチ21 及びスイッチ201 が閉じているとき
にコンデンサC31に何等かの電荷が充電されていたとし
ても、そのコンデンサC31に充電されている電荷が熱線
検知部P1 からの出力を増幅する場合に作用を及ぼすこ
とはなく、また逆に、熱線検知部P2 からの出力を増幅
する場合にはコンデンサC31が用いられ、コンデンサC
30は用いられないので、スイッチ22 及びスイッチ20
2 が閉じているときにコンデンサC30に何等かの電荷が
充電されていたとしても、そのコンデンサC30に充電さ
れている電荷が熱線検知部P2 からの出力を増幅する場
合に作用を及ぼすことはないので、図8に示す構成で生
じる熱線検知部P1 ,P2 の出力が互いに干渉するとい
う事態を回避することができる。
【0055】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は上記実施形態に限定されるものではな
く、種々の変形が可能である。例えば、上記の説明では
熱線検知部を2個用いるものとしたが、熱線検知部を3
個以上用いた場合にも同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る熱線センサの増幅回路の一実施
形態を示す図である。
【図2】 本出願人が先に提案した信号処理回路を3個
の熱線検知部を用いた熱線センサに適用した場合の構成
例を示す図である。
【図3】 ツイン型の熱線センサ素子を示す図である。
【図4】 図2の信号増幅部3の構成例を示す図であ
る。
【図5】 図4のフィルタ5の周波数特性の例を示す図
である。
【図6】 図2のスイッチ21 〜23 の開閉制御の一態
様を説明するための図である。
【図7】 本出願人が先に提案した熱線センサの増幅回
路の一実施形態を示す図である。
【図8】 図7においてAで示す増幅回路を2個の熱線
検知部P1 ,P2 を用いた場合に適用したときの構成例
を示す図である。
【符号の説明】
1 ,12 ,13 …熱線検知部 21 ,22 ,23 …スイッチ 3…信号増幅部 4…制御部 5…フィルタ 6、7…増幅回路 10…焦電素子 11…FET 12、13、14…オペアンプ 201 ,202 …スイッチ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の熱線検知部からの出力をサイクリッ
    クに切り換えて1系統の増幅回路で増幅する熱線センサ
    の増幅回路であって、 該増幅回路は初段増幅器と第2段増幅器の2段の増幅回
    路を備え、初段増幅器と第2段増幅器の間には、第2段
    増幅器の帯域特性の低域側遮断周波数を定めるコンデン
    サと、熱線検知部からの出力がサイクリックに切り換え
    られるのと同期して切り換えられるスイッチとで構成さ
    れる直列回路が熱線検知部の数だけ並列に設けられてな
    り、且つ初段増幅器及び第2段増幅器に対して所定のバ
    イアス電圧を与えるバイアス電圧発生回路とを備えるこ
    とを特徴とする熱線センサの増幅回路。
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